医業歯科医業広告
著者
高木 武
雑誌名
東洋法学
巻
6
号
1
ページ
59-91
発行年
1962-09
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00007813/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja︹ 研
究
医業歯科医業広告
i号
木
武
目 次 はしがき -立 法 的 変 遷 二 解 釈 的 形 相 む す び はし
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ヘ こ こ で は 、 病 院 、 診 療 所 、 医 J 医業歯科医業(院などを含むことにする。) ヘ 一 九 O J ( 1 ) 明治三九年(六年)の医師法及び歯科医師法において、はじめて規制(制限)され、現在では、医療法によって 規制されている。その問、われわれは、大日本帝国憲法を経験し、敗戦によって日本国憲法が制定│施行され、日本 広告は、わが資本主義が産業資本を確立し集中 l 独占に就こうとした 国怒法のもとにある。擬立憲的とされる ( 2 ) 大日本帝国憲法のもとでもわれわれは、政治的には恵まれない環境にあ りながら近代的民主主義的な運動の歴史をもち、経済的には、 ﹁日本的﹂な特異なものにつつまれながらも、高度に 医 業 歯 科 医 業 広 告 五 九京 わ れ 法 、P ← , 寸A ノ、
。
資本主義を展開l
発展させて、近代市民社会(近代化) への途を辿って来た。そして日本国慾法のもとにおいては、 われわれは、政治的には民主主義を原理とし、経済的には、特異ではあるが高度の資本主義を再建し、近代市民社会 にあることは、否定すべくもないところである37
わが国においては、宣伝広告のようなものは﹁有モ紳士ヲ以テ任スルモノノ為スヘカラサルハ我国古来ノ道徳ノ厳 トシテ要求スル処ニシテ況ンヤ社会ノ尊敬ヲ受クル医師ニアリテハ為スヘカラサルコト勿論﹂(匹仁顎ピ瑚悶)(謂⋮一) りとするのが一般的であったが、今日ほど宣伝広告が班解され、われわれの生活のなかに惨透している時代はない o r l k こうした時代において、医業歯科医業広告又はこれに対する規制についての問題、これらと窓法の保障する表現の自 ヘ 助 産 婦 、 薬 剤 師 、 あ ん 摩 師 、 は り J 由との関係 ( 4 ) 、医師歯科医師以外の医療関係者(師、きゅう師、柔道整復師など)の業務上の広告との関係などに おいて種々の(なかには困難な)問題などが考えられる。そこで、こうした問題に対する接近のために、その前提的 (といえなければ、何らかの意味での予備的)試みとして、医業歯科医業広告の規制についての立法的変遷と解釈的 形相 ( 5 ) を、わが近代化の過程において、描いてみようというのが、本一机の目的である口 資本主義と民主主義の確立l
発展の過程からわが国の近代化のあゆみを眺れば、これは明治維新 ( 6 ) から大日本帝 国憲法の効力を失う頃までと、 日本国憲法のもとの現代とのこつの時期に分けることができよう。社会史的には身分 的時代といわれるが ( 7 ﹀ 、 -J c b ︹ゐ時期においてば、わが資本主義ば、原始的蓄積含経て、産業資本を確立し、はやく も集中 l 独占化をあらわし、念速に展開発展し、民主主義は、まがりなりにも制限遅挙から、普通選挙にまでに成 長した時期である。ここでは、この時期はさらに資本の必中│独占化の顕著であった明治末期!大正初期(一九一 O 年代 前 後 ) の 時 期 、 それから満州侵略 i 日中戦争までの帝国主義的侵略の反開され国家独占資本主義の成立するまでの 時期(一九三 0 年代前後)及びそれから敗戦によって帝国主義が崩決寸るまでの時期に分げられようが、あとつ時期は アメリカの対日扱助・協力によってわが資本主義が再建され、ポツダム三一一一口の受諾によって婦人にも参政椛が与えら れ、日本国忍法によってさらに民主主義がそのもっとも重要な原理の一つとされ、政治的経済的にもまた社会的にも 一応再編成された時期・現代である ( 8 ) 0 ( 1 ) 医師の資格、業務などに関するさいしょの法規としては、明治七年、来 J尽、京都及び大阪に述しられた医制がある。医制 は、医療制度のみでなく、衛生制度全般にわたって規定した法規であり、その内容も柘めて進歩的なものであるとされている (厚生省・医制八十年史、一三五頁以下﹀。 ( 2 ) 回 ・ 富 山 門 } 向 山 口 ? の 己 Z N b i r r 、 F o ω n o ロ ω z z t 。 ロ ω σ 戸 田 円 。 志 ω ロ P H U 日 目 ・ 旬 -N 0 ・ ( 3 ) 近代市民社会は、経済的に見るならば、近代資本主義社会であり、政治的に見るならば、民主主義の社会である(野田良之 ﹁フランス民法典の百五十年の歩み﹂法学協会雑誌第七二巻第四号二七頁)。参照・の -E H 5 2 ・円。芯包 5 0 怠 E R S Z A c o z -o 己 gI 丘 三 回 目 。 品 。 門 口 0 ・ N O E -H U 品 ∞ ・ ﹀ 名 目 Z} ロ ユ E A C O ω ︻ ︼ 戸 H 3 1 s t ω 5 0 5 0 品 。 門 口 0 ・ N O E -E 臼 ・ ( 4 ﹀大日本帝国憲法のもとにあっても、同意第二九条つ一一一口論著作印行集会及結社の自由)との関係において、医栄広告の規制 ﹁ J が問題にされ 1 、日本国憲法のもとでは、その第一一一条の表現の自由との関係において医業広告ではないが、あん序、はり師、 戸 1﹂ きゅう師及び柔道整復師法第七条(業務上の広告の規制)が問題になり(判例時報第二五 O 号四頁以下、参照・小生﹁あん序師、 はり師、きゅう師及び柔道整復師法第七条(広告制限)の合憲性)﹂東洋法学第五巻第一号七九頁以下)、今日屋外広告、新聞 広告、折込広告などにみる医業、歯科医業広告の混乱は、問題の存在を端的に物語っていると思はる。 ( 5 ﹀形相とは、 g ロ ロ m c g t g の意で用いた。今はなき東京大学教授・福井勇二郎先生が、﹀ g R E t 。 ロ ﹄ 8 0 5 -8 ロ σ ω ﹄ ロ ユ ︻ 同 日 ω 門 g ロ o F P 口 開 口 O 司 g ロg z o 宮 川 弘 ω o ロ 司 B D g i E 3 3 5 2 H , 岳 山 0 ・冨企
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︿ gRM をテキストにされ仏法の語義をされたが、これから﹁形相﹂という語をおか りして来た。形相の窓味については、参照・前拘九五頁以下、栢井勇二郎編訳﹁仏関西法学諸相﹂==二頁以下。 ( 6 ﹀明治維新とは何かーーいっからいつまでかについて史家の見解は一致しないハ堀江英一﹁明治維新の社会椛造﹂四九頁) が、中央集枢化の過程とし、その完成を明治初年頃とする。 ハ 7 ﹀中村吉治﹁日本社会史﹂三六七頁以下。 ( 8 ﹀引用する判例資料の略称はつぎのようにする。 原生判行政判決集:::頁数のみ大審院刑事判決集・・:大築 法 作 新 聞 ・ ・ j i -: : ・ 新 聞 大 審 院 刑 事 判 決 録 : : : 大 録 立 法 的 変 遷 大日本帝国憲法時代 付 一九世紀中頃より市場を求めて来た世界資本主義は、経済的には資本主義的生産方式を、政治的には絶対主義 的支配体制をわが国に規定したが、明治維新(皮応三年)以来、 幕府に代った新政府は、 一方では近代化、他方では 王政復古の目棋をかかげ、経済的には、原始的蓄積を強力に推進し、産業の近代化・資本主義的生産方式の育成に芯 を用い、技術革命的混乱の試練を経て、近代産業として軽工業が成立し、重工業も、官営軍事工業に代位されている 特色があるが、機械(機兵製造)工業において、近代化の端緒を開いた(明治二 O 年前後三日清戦争(明治二七│八年) とその勝利によって、産栄革命(明治二 O l 三 O 年﹀が促進され、軽工業は産業資本の確立(明治三 O 年 前 後 ﹀ を 終 え 、 日露戦争︿明治三七│八年)とその勝利によって、重工業も軍事工業と結びつきながら、 一応産業資本を確立し、生産と 資本の蓄積│集中が進展する。こうした資本主義の展開│発展は、良村をさらに、貧農と地主に、都市では無産者と 有産者に、近代的な労
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資の両極に分解させ、労働者階級に階級的自党を与え、日清戦争後には、労資対立関係があ らわれ、日露戦争後には、支配階級は、成長しつつある労働運動に恐威を感じてくる ( 1 ) D 世界資本主義を絶えず意識しなければならなかった新政府は、 一述の改革的政策を推し進めるには絶対主義的政治 的支配体制の確立を必要とし、これを目指すが、西南の役(明治一 O 年)に示された政府の軍事許察力によって終止符 を打れた維新以来の士族の反政府闘争に代った言論と組織(畑日以初即時凶位一雄一倍を)による自由民権運動は、つい に国会開設とその時期を政府に明示させ(明治一四年﹀、あの大日本帝国憲法は、明治二二年二月一一一一日発布された。 この憲法と時を同じくして公布された法律第三号選挙法(施行明治二三年)によって明治二三年(一八九 O 年﹀に、はじ めて国民に参政の機会が与えられた D これによると、選挙権については、ω
帝国臣民である年齢二五歳以上の男子、 伸一年以上当該府県内に本籍を定め居住したること、付直接国税一O
円以上を納めることが要求されていた。当時の 総人口三000
余万人に対し、有権者数は四五万人、その一・一三パーセントと過ぎなかったが、周年七月第一回の 衆議院議員の選挙が行われ、わが国民は、はじめて│制限的であるが l 参政権を行使した口 さきにみたようにわが資本主義の展開l
発展とりわけ日清戦争後の発展は、無産大衆と有産階級の両極への分解の 傾向が明らかにするが、有産階級(と地主階級)の政治的勢力は仲張し、民意仲張の世論を背景として明治三三年法 律七三号は選挙法を改正した。これによれば。選挙権について、満一年以上地租一O
円以上納めること、または満二 医業歯科医業広告 -l-/"東 洋 法 字 /'¥ 四 年以上地租以外の直接国税
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円以上若しくは、その他の直接国税を一O
円以上納めることが要件となり、その制限 を緩和した。この改正選挙法は、部分的に改正されながら、二0
年間存続した ( 2 ・ 3)O 医療制度の近代化により、医師の資格、取締についての法規の必要が、政府とりわけ医師(の団体)に認められ、 明治三O
年以来の医師法制定運動が結実し、医師法は、明治三九年三月、議員提出法案によって制定され ( 4 ) 、医業 広告についての規制がはじめて設けられた。 ヘ 明 治 三 九 年 J ま 医師法(五月二日)t
医師ハ其ノ技能ヲ誇称シテ虚偽ノ広告ヲ為シ又ハ秘密療法ヲ有スル旨ヲ広告スルコトヲ得ス 第七条 第一一条・:第七条三地背シタル者ハ五百円以下ノ罰金-一処ス と 規 定 し た 。 歯科医師も、医師と伍すようになってからは、医師と同様に、その資格、取締についての法規が、必要になったが、 医師法のような迂余曲折もなく、その団体・大日本歯科医会の地味な努力によって、医師法と同じく、議員提出法案 ヘ 明 治 三 九 年 J ま によって制定された。歯科医業広告について、歯科医師法{五月二日)t
歯科医師ハ其ノ抜能ヲ誇称シテ虚偽ノ広告ヲ為シ又ハ秘密療法ヲ有スル旨フ広告スルコトヲ得ス ( 5 ) 第七条 第一一条・:第七条三球目ジタル者ハ三百円以下ノ罰金ニ処ス と 規 定 し た 。医師歯科医師の両法は、そのごの﹁実施の経験に鑑み:::時代の進展に即応し﹂て改正され、幾多の改正をみたが 医業歯科医業広告については、明治四二年に改正された。医師法は、 第七条 医師ハ何等ノ方法ヲ以テスルヲ問ハス業務上学位、称号及専門科ヲ除ク外其ノ技能、 療法又ハ経歴ニ関スル広告ヲ為ス コトヲ得ス とし、歯科医師法も、 第七条 歯科医師ハ何等ノ方法ヲ以テスルヲ問ハス業務上学位及称号ヲ除クノ外其ノ技能、 療法又ハ経歴エ関スル広告ヲ為スコ トヲ得ス と し た 。 又医師歯科医師でない者によって設立される病院、医院、診療所などの医療機関(この存在は小数の、とりわけ官 公立の病院などは例外であるが、個人的な専門的技能業者として案阪から聴診器一本をもって新しい時代に再発足し た医師歯科医師が勤務医として診療に従事する型態を意味する)は、資本主義社会の展開│発達に呼応して、大衆の 貧困化に対する医療の本質、社会的必要叉、資本主義の発展のための企業性あることによって漸次増加する傾向にあ ったので、医師歯科医師に対する業務上の広告の規制との均衡を図るために、同年七月、病院医院其ノ他診療所治療 所 ノ 広 告 -一 関 ス ル 件 ( 悶 附 脚 仁 伴 ん 古 川
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以下省令という﹀ が制定された。それは、 つぎのようなものであった。 第一条 病院医院其ノ他公衆ノ需-一応シ診察治療ヲ為ス場所ノ設立者ハ業務上何等ノ方法ヲ以テスルヲ問ハス共ノ診祭所、 治 療 所ノ療法又ハ経歴ニ関スル広告ヲ為スコトヲ得ス 医業歯科医業広告 六 五東 洋 法 学 六 六 前項ノ診療所又ハ治療所-一於テ診察治療ニ従事セジメル医師又ハ歯科医師ノ技能、 療法又ハ経歴ニ関シテ亦同シ但シ其ノ学位、 称号及専門科名ハ此ノ限リニ在ラス 等二条 第 一 条 -ニ 坦 背 γ タル者ハ百円以下ノ処金ニ処ス 第三条︹省略︺ この省令には、医療機関で診療に従事する医師歯科医師が自己の技能、療法は経歴について広告し、結果として自 己の従事する医療機関を宣伝広告しても、同令第一条は違背した設立者が処罰される場合に適用されると解され(間四日 大 築 三 巻 五 五 J ﹁ 大 正 一 J 号三五回頁︺ケ一年)、その目的を達成できない場合もあり、立法的不備がとりわけ感じられる。
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今 世界資本主義の全面的危機を示す今世紀さいしょの世界的規模の戦争(第一次世界大戦(大正三l
七 年 ) ) に よ って、わが資本主義は、未曽有の躍進的発展と中国大陸侵出の機会を得た。各種産業は、宮市と輸出産業を中心とし て飛躍的に発展し、資本の集中l
独占も行われ、重工業の比重対(軽工業への)は、増加した。そしてその休戦(大正 七年﹀による経済的混乱を早く切抜けたわが資本主義は、 一 九 二O
年の恐慌につづく一述(金融(昭和二年)│世界恐 慌(昭和四年)も合む) の恐慌に弄れ、この過程を通じて、大資本のカルテル運動を展開させると同時に、集中化する 金融資本の手に、その支配と独占を委ねた D こうした一連の恐慌からの脱出口としての満州事件が昭和六年勃発し、 生産は回復し、産業は、軍事・重工業化を顕著にした。資本の集中l
独占化は、いよいよ強化されて、トラスト化に よる、とりわけ重工業の財閥による支配が著しくなる。しかし満州の佼略は、かえって危機を深め、その対策は、戦争の拡大に求められ、昭和-二年七月藍溝橋事件を契機として、 日本と中国は、全面的戦争に突入して了った。 ヨ ロ γ パでは今世紀における二度目の世界的規模の戦争が昭和一四年にはじまるが、わが戦争経済は、国家統制という 方式によって進展し、 ついに、国家資本が独占資本との結合又はこれを従属させる国家独占資本主義を成立させた。 今世紀さいしょの世界的規模の戦争の結果、世界資本主義は、その矛盾によって全般的危機をむかえ、これがわが 国においても作用し、労使の分解も決定的な顕著さを示した。帝国主義的満州侵略の開始とともに、強化された政府 の弾圧、排外的愛国主義、 ファシズム的風潮、生産景気の回復などによって分解し衰退して行く運命にあるが、組織 的労働者 l 農民運動も活液に展開され、民主主義│社会主義的言論│政治運動もその担に注したロ 無産階級や婦人の社会的勢力も仲張し、普通選挙獲得の運動も盛んになって来たが、有産階級の政治的発言力も増 大し、わが国さいしょの本格的政党内閣といわれた原内閣は、大正八年(一九一九年﹀選挙法を改正し、選挙松につい て財産による資格を直接税三円以上納める者に与えると改め、制限を緩和した。しかし国民の普通選挙への要望は益 々山賊烈になり、大正一四年ハ一九二五年﹀ついに普通選挙法案は議会を通過した。成立した選挙法によれば、選挙椛に ついては、満二五歳以上の帝国臣民である男子が、選挙権をもっとされた。普通選挙法案は、帝国議会開設当時から あり、明治三四年第一六回帝国議会以来衆議院に提出され、 ついに、明治四四年第二七帝国議会の衆訟院を通過した が、貴族院によって一蹴され、その後議会に一
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年間も姿をみせなかった。 普通選挙制の実現は、わが資本主義の発展段階からは、遅すぎる憾みを禁じ得ないが、ここにわが国民のほぼ二二 パーセントに発る約-二五O
万人が有権者となった。 医業歯科医業広告 ノ、 七東 洋 法 旦~ 子 六 人 大正八年医師法は、改正されたが、医業広告については、 第一条中﹁五百円以下ノ罰金﹂ヲ﹁五百円以下ノ罰金又ハ十円以上ノ科料﹂ニ改ム と さ れ 、 歯科医師法は、大正-四年四月一日改正され、医業広告については、 第七条中﹁学位及称号﹂ヲ﹁学位称及専門科名﹂ニ改ム 第十一条第一項ヲ左ノ如ク改ム 左ニ拘クル者ハ五百円以下ノ罰金又ハ十円以上ノ科料ニ処ス -第七条ニ違背シタル者 とされた。これによれば、ようやく歯科医師も、医師と全く同様の、歯科医業広告についての規制をうけ、これに述 背する場合の制裁も、同じようになった。昭和八年医師法も歯科医師法も改正されたが、医栄広告について、医師法 は, 第七条 医栄ニ関シテハ何人ト雌モ医師ノ学位、 称号及命令ヲ以テ定メル専門科名ヲ除クノ外技能、療法又ハ経歴-一関スル広告 ヲ為スコトヲ得ス 内務大臣ハ前項-一規定スルモノノ外医業ニ関スル広告ヲ制限スル為必要ナ命令ヲ発スルコトヲ得
第 十 一 条 ノ 二 ・ : ・ 釘 七 条 釘 一 唄 ; ・ : ニ 違 反 シ タ ル 者 ハ 五 百 円 以 下 ノ 罰 金 又 ハ 科 料 -一 処 ス とし、歯科医師法も、的科医栄広告について、 釘 七 条 前 科 医 栄 ニ 関 シ 何 人 ト 雌 モ 歯 科 医 師 ノ 学 位 、 称 号 及 命 令 ヲ 以 テ 定 ム ル 一 県 内 科 名 ヲ 除 ク ノ 外 技 能 、 療 法 又 ハ 経 陀 -一 関 ス ル 広 告 ヲ 為 ス コ ト ヲ 得 ス 内 務 大 臣 ハ 前 項 -一 規 定 ス ル モ ノ ノ 外 歯 科 医 業 -一 関 ス ル 広 告 ヲ 制 限 ス ル 為 必 要 ナ ル 命 令 ヲ 発 ス ル コ ト ヲ 符 第 十 一 条 ノ 二 : : : 釘 七 条 第 一 項 : : ・ ニ 違 反 シ タ ル 者 ハ 五 百 円 以 下 ノ 罰 金 又 ハ 科 料 ニ 処 ス とした。とりわけ、ここでは、 つぎのようなことがいえよう。 ﹁何人ト難モ:::為スコトヲ得ス﹂と規定し、広告規 制の取締の対象の範囲を医師又は歯科医師何外の者に拡張していることが注目され、医師又は歯科医師のみをその対 象とすれば、広告する者(広告主体)と広告される者(被告知者でないいわば広告客体)とが-致している場合は、 その規制の目的は達することができるが、広告主体と広告客体とが一致しない、同一でない場合は、その目的を注す ることはできなくなるおそれもあり、こうした立法的不備を改正の理由とすることができる。しかし広告の主体と客 体の-致しない場合(例えば、医業又歯科医業について、第三者が広告する場合)は、当時の相当複雑にして困難に なって来ている資本主義の発達した社会・時代には考えられないものでなく、そこに社会・時代な立法的理由があっ たとすることができないであろうか。これらの各法の罰則についての改正は、こうした広告取締の対象を拡張したこ とに応じたものであろう。 j ヘ 明 治 三 J 医師法、歯科医師法の施行規即﹁九年﹂ も、同時に改正され、医業広告について、医師法のそれは、 医 業 歯 科 医 業 広 告 九
東 洋 法 ~ 十 七
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第十条 医師法第七条等一項ノ規定-一依リ専門科名ヲ定ムルコト左ノ如シ 内科、消化器病科(文ハ胃腸病科)、呼吸器病科、血行器病科(又ハ循環器科﹀、新陳代謝病科、腎臓病科、 神経病科(又ハ 脳背髄病科﹀、精神病科、伝染病科、外科、口腔外科、内臓外科、整形外科、紅門病科、泌尿生殖器病科(又ハ花柳病科、性病科、 泌尿器科、泌尿生殖器病科、産科、婦人科﹀、小児科、眼科、耳鼻咽喉科(又ハ耳科、鼻科、咽喉科﹀、 放射線科(又ハレントゲン 科 、 X 線科﹀、物理療法科(又ハ理学療法科﹀ 前号以外ノ事項目一関シテ之ヲ標椋セントスル医師-一於テ内務大臣ノ許可ヲ受ケタルモノ 第七条ノ二 医唯一三関シテハ何人ト雌モ左ノ事項ヲ広告スルコトヲ得ス但ジ第一号ノ事項ニ付地方長官(東京府ニ在リテハ皆祝 総監﹀ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラス 無料診療、経費診療、実費診療其ノ他医業報酬の低廉ナルコトヲ示ス事項 避妊又ハ堕胎ヲ暗示スル事項 虚偽誇大ニ渉ル事項 第十六条:::第十条ノニノ規定-一違反ジタル者ハ王拾円以下ノ罰金ニ処ス 附 則 ︹ 省 略 ︺ とし、歯科医師法施行規則も、歯科医業広告について、 第九条 歯科医師法第七条第一項ノ規定-一依リ専門科名ヲ定ムルコト左ノ如シ 保存科、世柑臨漏科、歯科外科(又ハ口腔外)、抜歯、補綴科、継続架工科、顎骨初綴科、口笠相続科、歯列矯正科、 X 線科(又 ハレントゲン科)、小児歯科第九条ノ二 品川科医業ニ関シテ何人ト雌モ左ノ事項ヲ広告スルコトヲ得ス但シ第一号ノ事項-一付地方長官 ( 東 京 府 -一 在 リ テ ハ 哲 視総監)ノ許可ヲ交ケタル場合ハ此ノ限-一在ラス 無料診療、経費診療、実費診療其ノ他歯科医業報酬ノ低限ナルコトヲ一ポス事項 虚偽誇大ニ沙ル事項 第十五条:::第九条ノ二ノ規定三話反ジタル者ハ五拾円以下ノ罰金ユ処ス 附
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1¥ 省 略 LJ と し た 。 各法施行規則の改正は、それぞれ医師法歯科医師法の改正に応じたものであり、医師法施行規則第十条の専門科 名、歯科医師法施行規則第九条の専門科名の規定も、そうであるが、医師法施行規則第十条ノ二及び歯科医師法施行 規則第九条ノ二について、医師法、歯科医師法の各第七条は、医業についてその広告を規制しているのに、さらに、 本条において規定しているが、とりわけこのような広告をするおそれのあり、又は各第一号の例外規定を認める程、 医業においてはその経営の困難、複雑さなど、国民大衆においても、生活の困難、生活条件の厳しさが感じられる。 ここにこうした規定が致術的に定められさらに除外的に例外規定が認められるところに、社会・時代的な立法理由も あったのであろう。 国 日中戦争の拡大│長期化は、南方諸地域資源と市場としての窓義を大きくし、わが帝国主義は、南方諸地方の 侵略を計画した。 フランスの敗北を機会に、わが軍は、北部仏印に進駐し、これに対しアメリカは経済封鎖をし、仏 医業歯科医業広告 七東 洋 法 川 宇 七 印の中立化を提議したが、さらに南部仏印にわが軍は進駐した。これに対しイギリスは報復に出たが、 ついに昭和 六年二一月八日日本町は真珠湾を攻撃し、大京亜戦争・大平洋戦争が勃発し、今世紀の二皮目の世界的規枚の戦争に わが国は、迎合国を相手に参加することになった。戦争は、財政の未曲目有の膨張をもたらし、重要産業においては、 統制会、産業設備営団、軍需会社などの国家統制方式が考えられ、この国家統制方式は、企業の集中をもたらした。 民需工業の軍需工業への転換は、必要とされ、その場合財聞は、軍需工業の場合と同様、 たえず有利な地位を占め、戦 時統制を通じて産業資本と銀行資本の独占との結合は、顕著に進展し、資本主義は重工業中心の産業糾造をとり、国 家独占を高度に達成した。戦争によって国民は、劣悪な労働条件をおしつけられるが、労働組級は解体され、 ファシ ズム的大政契賛会の傘下に入る。産業報国会の下に労働者は、吸収され、農村は、労働力不足に苦しみ、主食生産が 強制され、衰退し切って了った。 近代社会化に応じ、順調な近代的市民社会化的発展と戦時非常時下という矛盾する社会と時代の要請に応ずるため に、昭和-七年医業調査会の答申を要望の趣旨をもり、医師法歯科医師法にも代る国民医療法は、医師、歯科医師の 反対を押して、制定された。国民医療法は、医業歯科医業の広告について、 第十三条 医師又ハ歯科医師ハ医業又ハ歯科医業ニ関シテ命令ヲ以テ定ムル科名ニツキ専門ヲ相秘セントスルトキハ勅令ノ定ム ル所ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ交クヘシ 第十四条 医栄又ハ歯科医栄ニ関シテハ何人ト肱モ前条ノ規定ニ依ル専門ノ椋務ノ外技能、 治療方法又ハ学位ニ関スル広告ヲ為
スコトヲ得ス但シ医師又ハ前科医師ノ称号及命令ヲ以テ定ムル診療科名ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ 主務大臣ハ前唄-一規定スルモノノ外医業又歯科医業ニ関スル広告ヲ制限スル為必要ナル命令ヲ発スルコトヲ得 第七十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス 第十三条ノ規定ニ違反シタル者 知十四条釘一項:::ノ規定ニ違反シタル者 第十四条第二項:::ノ規定ニ基キテ発スル命令:::ニ違反シタル者 第七十七条︹省略︺ とし、国民医療法施行規則は、 つぎのような規定を、医業歯科医業広告について、規定した。 第二十六条 法第十三条ノ規定-一依ル医業ニ関スル科名左ノ如シ 内科、消化器科、循環器科、呼吸器科、神経科、精神科、小児科、外科、口腔外科、内臓外科、整形外科、産婦人科、 皮問 科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、理学診療科(又ハ放射線科) 前号以外ノ科名ニシテ之ヲ標務セントスル医師ニ於テ厚生大臣ノ許可ヲ交ケタルモノ 第二十七条 法 第 十 三 条 ノ 規 定 -一 依 ル 歯 科 医 業 -一 関 ス ル 科 名 左 ノ 如 シ 保存科、相綴科、矯正科、歯科外科(又ハ口腔外科) 前号以外、科名ニシテ之ヲ標傍セントスル歯科医師-一於テ厚生大臣ノ許可ヲ受ケタルモノ 第三十六条 法第十四条第一項但書ノ規定ニ依ル医業ニ関スル診療科名左ノ如シ 内科、粘神科小児科、外科、整形外科、皮居科、泌尿器科、産婦人科(又ハ産科、婦人科)、眼科、耳品咽眼科、理学診療科 医業歯科医業広告 七
東 洋 法 主主主 ザ・
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四 (又ハ放射線科) 前号以外ノ診療科名ニシテ広告セントスル医師ニ於テ厚生大臣ノ許可ヲ受ケタルモノ 法第十四条但書ノ規定-一依ル歯科医業ニ関スル診療科名左ノ如ジ 歯 科 第三十八条 医業文ハ歯科医業コ関スル広告ハ法令ニ別段ノ定ナキ限リ何人ト雌モ左-一括グル事項ヲ除クノ外之ヲ為スコトヲ得 ス 病院又ハ診療所ノ所在ノ場所ヲ表示スル事項 診療ニ従事スル医師又ハ歯科医師ノ氏名 診療日又ハ診療時間 四 入院設備ノ有無 五 其ノ他地方長官ノ許可ヲ受ケタル事項 地方長官必要アリト認ムルトキハ医業又ハ歯科医業-一関スル広告ニ付必要ナル命令ヲ発 γ 処分ヲ為スコトヲ得 第五十条 何人ト雌モ病院又ハ診療所ノ医業-一関シ其ノ病院又ハ診療所ニ於テ常時診療ニ従事セザル医師又ハ歯科医師ノ氏名ヲ 広告スル場合-一於テハ共ノ医師又ハ歯科医師ノ診療日及診療時間ヲ当該広告中ニ併セ明示スベシ 附 則 ︹ 省 略 ︺ 国民医療法は、従来の医師法、歯科医師法及びこれらに基づく命令、保健婦、助産婦などに規定されていた事項を 非常時局の要請に応じさせながら、 -つの体系に収めたものとして医療制度上回期的な怠義があるものとされているが ( 6 ︼、医業歯科医栄の広告については、 つぎのように要約していうことができよう D 医師歯科医師の科名標傍は、従来医業は三八程、歯科医業は、 一三程とし、自由に標拐できるとし、その他の診療 科 名 は 、 内務大臣の許可を必要としていた(参照・七
O
R
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ここに自由に標拐できるものを﹁診療科名﹂と改め、そ の程題を医業においては一四種、歯科医業については、一程とした(許坊位帥何一件銘柄的日川一九)。これとともに科 名専門標拐の制度を創設し、専門医の国家認定制度に踏切ろうとした(が、終戦を迎え科名専門の詐可は、実際には 与えられずに終り、今日問題になっている)学位の広告は禁止され、同施行規制の施行の際、現にある医栄又は歯科 医業の広告は学位以外は当分の問、新法の適用のないものとされた(雄一間F
結
4r
何 一 昨 ) 。 日本国怒法時代・現代 わが軍の各戦線における守勢敗退、わが枢軸側の一員イタリヤの述合国側への降伏(昭和一八年)、 これに続くナチ ス・ドイツの降伏、 ソヴィエヲト連邦の対日参戦、 原子爆弾の広島 l 長崎への投下などをみて、 わ が 国 は 、 つ い に ポ ツ ダ ム 立 一 一 一 口 を 受 諾 し 、 連合国に降伏した(昭和二 O 年 ) 。 連 合 国 は 、 この宣言の履行のために、 わが国を占領l
官 理することになり、非武装軍事化と民主化の線にそって占領政策が、主としてアメリカによって行われた D しかし占 じ ヘ 昭 和 二 二 年 ゼ 領当初の極端なその民主化政策もアメリカの﹁反共政策﹂によって緩和され、非軍事イ政丈も変一見されア r ス ト 禁 止 は その表象 J とされる)、ここにわが国は、西欧とりわけアメリカの反共の拠点としての意味をもちはじめ、わが﹁経済自立﹂にア メリカが異常に力を注ぎ、朝鮮事件(昭和二五年)を機会に、わが資本主義は、アメリカへの従属化と官事化を通じて 医業歯科医業広告 七 五京 洋 法 午 七 その再建を確保することになり、独占資本は、 アメリカの対日援助・協力の下に、その支配力をますます強化し、対 日 詰 和 条 約 、 日本国とアメリカ合衆国との聞の安全保障条約(昭和二五年)などによって、 アメリカ独占資本は、わが 経済をその支配におきながら従属化│軍事化の傾向を強めたロ ポツダム宣言の受諾は、国家の統治組織│作用の基本法である憲法のあらたな制定を意味していた。が、政府は、 迎合国総司令部の窓法草案の提出によってはじめて窓法改正に着手した。ポツダム宣言は﹁政府は人民の問における 民主主義的傾向を復活強化するため一切の障碍をとりのぞかなければならない﹂とし、窓法は民主主義を、基本原理 として規定していた。日本国窓法の制定ハ昭和一一一年﹀にさき立って、 昭和二
O
年改正選挙法は、選挙椛については、 年齢を泊二O
歳に引下げ、婦人にも、これを認め、男女に、平等に、完全な参政権が与えられた。これによって、有 権者数は、三、六八O
万人となり、総人口の約五O
パーセントに達した。 国民医療法は、順調な近代市民社会の発展と非常時化という社会と時代の要請に応ずるために、制定されたが、そ の旧時代的及び戦時統制的な色彩をおうべくもなく、新時代に応ずるべく改正される運命にあった。昭和二三年政府 は、医薬制度調査会の答申をもとにして、国民医療法を医師法、歯科医師業、保健婦助産婦看護婦法及び医療法の各 法案を国会に捉出し、各法を成立させ、制定│公布した。医業歯科医業広告の規制についての規定は、医療法にうた われるところとなった。すなわち医療法は、 第六十九条 医 栄 若 く は 由 科 医 栄 又 は 病 院 若 し く は 診 療 所 に 閃 し て は 、 文 書 そ の 他 如 何 な る 方 法 に よ る を と わ ず 、 何人も左に拐げる事項を除く外、これを広告してはならない。 医師又は歯科医師である旨 第七条第一項による診療科名 病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項 四 診療日又は診療時間 -'-ノ、、 入院設備の有無 七 その他都道府県知事の許可を受けた事項 2 前項第四号に掲げる事項を広告するに当っては その医師又は歯科医師が、常時診療に従事しない者であるお合には、その 医師又は歯科医師の診療日及び診療時間を併せて広告しなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項を広告するに当っても、 医師又は歯科医師の技能、治療方法、経歴又は学位に関する事項にわたっ て は な ら な い 。 4 第一項及び第三項の規定にかかわらず、厚生大臣が特に必要があると認める事項は、これを広告することができる。この場 合において、厚生大臣は、その広告の方法についても、必要な定をすることができる ( 7 ) 。 5 厚生大臣は、前項の規定による定めをするに当ってはあらかじめ医師審議会の意見を聞かなければならない。 6 第一項に掲げる事項又は第四項の規定に基き厚生大臣が定める事項を広告する場合においても、その内容が虚偽にわたり、 又はその方法が第四の規定による定めに違反してはならない。 第七十条 前条第一項第二号の規定による診療科名は左に掲げるものとする。 医業歯科医業広告 七 七
来 洋 法 ~ 寸・ 七 八 医業については内科、精神科、神経科、呼吸科、消化器科ハ又は胃腸科)、循環器科、小児科、外科、投形外科、皮庖ひ尿器 科 ( 又 は 皮 膚 科 、 ひ 尿 器 科 ﹀ 、 性病科、こう門科、産婦人科(又は産科、婦人科)、眼科、耳鼻いんこう科、気管食道科、理学診療 科ハ又は放射線科) 歯科医業については歯科 前二号以外の診療科名であって当該診療に従事する医師又は歯科医師において厚生大臣の許可をうけたもの 2 厚生大臣は、前項第三号の規定による許可をなすに当っては、あらかじめ医道評議会の意見を聴かなければならない 3 第一項第三号の規定による診療科名を広告するときは、 当該診療科名につき許可を受けた医師又は歯科医師の氏名を、併せ て広告しなければならない。 第七十二条 左の各号の一に該当する者は、これを六月下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。 第六十条第一項から第三項まで、若しくは第六項。 とした。ここでは、とりわけ、大日本帝国憲法のもとでは、法律の形式によらず、命令の形式によっていた事項が、 法律の形式によっていることと、命令の形式に委ねられている事項又は、厚生大臣の許可亭項でも、医道併設会のあ らかじめの怠見をきくことになっていることが顕著であり、前者では日本国訟法ハ卸四一条﹀の行政立法を制限の趣旨 がみられ、後者では行政府からある程度独立した機関 ( 8 ) が命令制定又は許可に参与して、民主主義的要求をみたし ていることが注目される。 ハ 1 ) 以上又は以下の資本主,訟の発展過程については主として松西光速﹁日本資本主義発達史﹂と﹁続白木資本主義発達史﹂に
よ る 。 ( 2 ) わが選挙法の沿革については、主として林田和博﹁選挙法﹂七一頁以下による。 ( 3 ﹀以上のほか一般的な毘史的叙述は、主として小西四郎﹁近代社会﹂による。 ( 4 ) 医療制度│法制については、主として厚生省・前拘による。 ( 5 ) これらの規定によって、当時の為政者・官僚の医師歯科医師に対する一般的態度をうかごうことができるもしれないが、 反面、医師歯科医師の社会的な実態、地位、医業
l
医術、前科医栄│医術、出科医術などの実態を推察できるかもしれない。 明治七年においては、医師の総数は、二八、三六二人で、そのうち西洋医学を修めた者は、五、二七四人、これに対し、漢方 医 の 数 は 、 二 三 、 O 一五人であり、明治三九年においても医師の総数は、三五、八五 O 人で、大学卒業者はて七九六人、指 定医学専門学校卒業者は、七、四 O 一人、外国医学校卒業者は一 O 九人、医師試験及第者は、二一、=二四人、奉職回以歴によ る医師は七三九人、従来開業の医師は二ニ、一七七人、限地開業の医師三七 O 人であった。歯科医師は、明治三九年において は、その総数が八六四人で、外国学校卒業者は、二ニ人、歯科医試験及第者は、八四三人、従来開業の歯科医師は、八人であ っ た ( 厚 生 省 ・ 前 拘 八O
六 │ 七 、 八 一Ol
一一頁)。しかし医学(歯科医学を含み)医術(同前)医師歯科医師の本質l
使命を 自党する者にとっては、これらの規定は、耐えがたいものであり、この時代において、とりわけ西洋医学を修め特殊の職業と して、衿持と特権的意識をもっ医師歯科医にとっては不適当なものであり、この辺に改正の理由の一であったかもしれない。 現行医療法第六九条第七項第六号も同様の感ずることを禁じえない。 ( 6 ) 厚生省・前掲二ハ一頁以下。 ( 7 ) 医療法は制定されてから、今日まで八回改正された。医業歯科医業広告については、昭和二四年五月改正において、この ように厚生大臣が特に必要と認めた事項に広告することができることになり、これにより、昭和二五年保険医、生活保訟法指 定医などの広告が許されることになった(厚生省・前掲二六二頁)。 ハ 8 ) 医道評議会とは、医師歯科医師の免許の取泊、業務の停止等の処分又は医道の向上に関する重要事項の調査評議の椴閃で あるハ医師法第二五条、昭和二三年一一月一九日政令第三三八号)。 医栄首科医業広告 七 ゴ し東 洋 法 字 A O 解 釈 的 形 相 立法趣旨(理由) 立法趣旨について、判例は、 ﹁斯ル:・;・規定ヲ設ケシ理由ハ医師ノ其技能、療法、 経歴ニ関スル広告ヲ許ストキハ競栄ノ結果此等ノ広告ヲ為ジテ忠者ヲ誘致 ﹁四二頁、新 f 問 第 七 五 一 スルノ弊害ヲ生ジ旦其品位ヲ失墜スルニ至ルヲ以テ是等競栄的広告ヲ防圧シ医師ノ品位ヲ保持スルノ精神ニ外ナラス 号三
J
﹁ 明 治 四Jη:
〆 六 頁 ﹂ f 四 年 、 引 い2
1
﹁:・:医師法カ医師ニ対シ其ノ技能療法又ハ経歴ニ関スル業務上の広告に付制限ヲ加ヘタルハ此等ノ広告ハ患者ヲ吸引センカ為 動モスレハ誇大虚偽ヲ伴ヒ世人ヲ惑ハスノ弊ヲ生スルノ虞アルノミナラス斯ノ如キ事項ヲ広告ジテ患者ヲ呼フガ如キハ医師タルノ 品位体面ヲ保持スル所以ニ非ストナシ之ヲ取締ルノ必要ニ出テタルモノナルヲ以テ・ ( 4 E一
締
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と し 、 ジテ仮令実宮口無ク国家社会ニ有利ナルコトアリトスルモ犯罪ノ成立ヲ妨クルモノニアラス ﹁医師法等七条ハ医業ニ関スル虚偽誇大ノ宣伝ヲ処罰スルノミニ限ラス医師ノ品位ヲ保ツコトカ立法ノ趣旨ナルカ故ニ共広告-一 ヘ 昭 和 一 JJ: ﹁﹀ 主 ハ 年 、 ト し J v J Z これらに共通するところは、医師の品位又は体面を保持することで、そこに立法の趣旨があるとするようである。 ﹁ I J それが手段であるとしても、とりわけ2
にみられるように、医師(歯科医業 ) ( 1 ) 問の競栄を防ぐとするところは、注 f L 意すべきであろう口今日のように、身分的社会性がすくなくとも常識的に否定すべき傾向からは、医業歯科医業間においては、品位│体面の保持より競栄・競行を禁ずることが前面に出て来るべきと思われる。 広告の怠義!対象(被告知者) 広告の意義・定義について、判例は、 ﹁医師法第七条ニ所謂広告トハ不定多衆ニ了知セラルヘキ方法ヲ以テ一定ノ事情ヲ告知スルノ義ニジテ共ノ書面ニ依ルト否トヲ 問ハス又其ノ了知スヘキ者ノ範囲ニ多少ノ制限アルヲ妨クルモノニ非ス従ツテ或印刷物ヲ一定ノ場所ニ出入スル者ニ対シ配布スル ﹁ J カ如キハ従ツテ其ノ之ヲ受クル者カ限定サルル場合ナリトスルモ尚且之ヲ広告ト云ハサルへカラス:::臼 ﹁医師法第七条-一所謂広告トハ不定若クハ多数ノ人-一対シ同条所定ノ技術、療法又ハ経歴ニ関スル事項ヲ告知スルコトヲ指称ス ルモノニツテ告知ヲ受クル者カ多数ナルニ於テハ其ノ特定スルト否ト又其ノ告知ハ封械ヲ施ジタル害状ユ依リ之ヲナスト否トヲ問 ハサルモノト云ブヘジ従テ右事項ヲ記載セル印刷物ヲ封械シ之ヲ多数ノ宛名人-一郵送シ同人等ニ其ノ事項ヲ告知スルカ如キモ亦広 告タルヲ失ハスへ二七頁・大集第一八 J へ 昭 和 二 ︺ F 巻第二 O 号五五一頁﹂戸四年﹂ h u ﹁医師法施行規則第十条ノニニ所謂広告トハ同条所定ノ事項ヲ不定若ハ多数-一告知スルコトヲ指称スルモノニジテ被告知者ノ多 数人ナルトキハ共ノ特定スルト否トヲ問ハス又被告知者ニ於テ其ノ告知ヲ希望スルト否ヲ区別スルコトナシ而ジテ之ヲピラヲ以テ スルトキハ該ピラユ広告者ノ名義並其ノ所在地ヲ記載セサルモ他ノ事情ト相侯ツテ其ノ広告者ノ何人ナリヤヲ知リ得ルトキハ之ヲ 広告ト称スルニ支障ナキモノトス・・・へ二六頁・大集第一四巻)へ昭和一)︺す { 第 一 七 号 一 O 四三頁 f 四 年 ﹂ 日 と す ろ これらによっても、広告とは、ある一定事項を、広く人に告知することであることがうかがわれるが、その告知す ﹁ •• J る対象(方法ともいえるかもしれないが)すなわち告知される者(被告知者)について、 3 においいては、これを、 r i ﹄ 医業歯科医業広告 八
来 洋 法 止L. 寸ー l¥. ﹁不定多衆﹂としながら、 1 J 1 J し 、 4 及びに
5
お い て は 、 ﹁1 ・ ﹄ r l ﹂ は、何らかの目的をもって、ある-定の事項を、広く人に告知するものであり、本来的にその対象は単数ではなく、 そ の 対 象 が 、 いわゆる特定でなくても、 限定された場合でも、 広告というべきであると ﹁不定若ハ多数﹂とし、多数のときは、 ﹁特定スルト否ト﹂をとわないとしている。広告 複数を合意する(対象を単数とすれば、広告の目的は到達されることができず、反対に対象が多数であればあるほど ますますよいと一般的に考えられよう)。したがって、広告の対象は、本来的に多数であり、多数であれば、場所(空 間)的時間的に制限されても、 その制限・特定の限度において、その目的到達・広告の効果が制約 :・ヘ広告の媒体によって、対象が制民lR
されるかもしれないが、こうした広告も、広告であるとすることカてきょう(れるともいえよう。方法とあいまって対象 : 制 艮 │ 限 定l
特 定 さ れ る 例 と し て は 、 通 行 中 又 は 出 入 者 に 配 布 し た り 携 行 を 出 入 り の 人 の 任 怠 に Jo ま か せ る デ パ ー ト 、 商 庖 、 銀 行 な ど の パ ン フ レ ッ ト 類 、 ダ イ レ ク ト ・ メ l ルなどが挙げられる。}広告の対象は、一般的に 1J 受動的であるが、5
においては、対象・被告知者がその広知事項を告知することを希望するしない場合を区別しない 戸 lk いわば能動的に告知を求めた場合でも、対象が多数であれば、広告であるとしている。広告の対象を受動的な 又特定されても、 と し て 、 ものとする点から疑問があるかもしれないが、広告の対象を、本来的に多数とすれば、この判例の趣旨も甘かれる。 広告においては、対象が特定されないことより、多数であることが要素的であるといえよう。判例は、 -, -:医師カ医術ニ関スル研究ノ結果ヲ記載シタル印刷物ヲ同学ノ士又ハ知友ニ配布スルカ如キハ之ヲ以テ業務上ノ広告ヲ為ス モノト云フヲ得スト雌モ医師ニジテ自己ノ技能療法又ハ経歴ニ関スル印刷物ヲ作製シテ広グ之ヲ患者ニ配布シ以テ業務上ノ広告ヲ 為シタル以上ハ其ノ禁令こ地反シタルモノトシテ医師法ノ制裁ヲ免ルルヲ得サルモノトス幻 戸 1 ﹂ とし、広告の(配布の)対象、被告知者を、患者としているが、広告の対象は、概して通常は忠者 l 患家又は患者 l﹁ , J 忠家になることもあるり又はならない一般多数人であり、時には、 3 のように患者を中心とした空間的時間的に限前 rlk ︺あの判例において士、その対象は﹁自宅ず │制限された者又は特定の多数人であろう日{出入ノ患者其ノ他絢誌記者等﹂とする) 広告の媒体(方法)
、
J、
J さきの 3 及び 5 は、媒体が出版・印刷物の例であり、 r l k r i k ー J の例がみられ、方法の直接的な配布・交付の例が 3 に 、 r L ︺ 仁 、p f
t
﹁今日では多くの場合印刷されるであろうが印章、タ JU
N
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寸 一 山 市 f イプライターを合む(郵便法銘三条﹀参照・向上、・ 、
J 封紙し郵送の例がにみられるが 4 に、新聞を媒体とした例の ﹁ t ﹄ 広告としては、 ﹁新報社員ヲシテ被告ノ経照及技能ニ関スル事項ヲ其新報上ニ告白セシメタル以上ハ其告白ハ被告ノ名依ヲ以テ為スト否ト共事 項掲載ノ費用ハ被告ノ負担-一帰スルト否トヲ向ハス医師法第十一条ノ犯罪ヲ構成スルヤ論ヲ侠タス(位以額一献一服ト八)(醐町一 年)
ω
とする判例もある。新聞、雑誌、出版、印刷物(ピラを合む)などの媒体の場合は、掲載、印刷、製本などの状態にお いては、まだ告知できないから、 被告知者の携行にまつ配布、 被告知者への交付、 配達による配布、郵送による配 布、拘示などの方法が考えられるであろう。これから示そうとする判例のなかには、ポスター(炉証明一一致眼一応)(一謎) ︺ ヘ 大 集 六 巻 O て昭和 J ︺σ
薬 局 月 報 { 号 五 一 頁 ) ケ 一 一 年 } 印 を 保 体 と す る も の も あ る 口 今日においては、従来の巷間に見る屋外広告看板のほかに又はこれに代って電気などの照明機兵又はそのほかの機 材による屋外広告、 スライド、有線放送、ラジオ・テレビなどの媒体の出現も想像にかたくないところで、予想の限 医業歯科医業広告 l¥.東 洋 法 旦4 寸‘
^
四 りではなく、その方法も、これらの各種の媒体の通常の目的に従った用途によって規定されるであろう。広告の媒体、 とりわけ方法は、広告それ自体にとっては、重要なものであるかもしれないが、それが如何なる媒体・方法によるか は、取締の上では、さして問題ではないであろう。判例は、 ﹁ ﹄ J ﹁著作物ト雌広告タルコトヲ妨クルモノニアラス 1 r t ﹂ とするものもある。 四 広告制限取締の対象 その広告制限の取締の対象は、すでにみたように法規の制定l
改正によって、医師又は歯科医師から、医師又は歯 科医師(必しも)でない病院│医院 l 診療所の設立者に拡張され、明白に広告をする者(広告の主体)と広告の目的とな る者(広告の目的的主体・主体的客体)とが分かれ、さらにこれら以外の者にまで、広告制限の取締対象は拡張された。 ー く , J 可 J 1 J 1 -J 広告主の目的主体である医師が行為主体であるのはすでにあげた判例では、123456
に、歯科医師が行為主体で r L r L r L r L f ﹀ L r t ﹄ 伊るのはη
にみられ、わけでも医師が圧倒的であったが、設立者が責任を問われた例は、これから示そうとする定一.一 議出詳一)(語句ω
、間などにあり、医師、歯科医師又は設立でない第三者がさ廿を免れないとされた判例として、 ﹁医師法第七条第一項ハ医業ニ関ジテ何人ト雛医師ノ学歴、 称号及命令ヲ以テ定ムル専門科名ヲ除ク外技能、療法又ハ経歴ニ関 スル広告ヲ為スヲ得サルコトヲ規定シ医師自ラ為スト他人ニ於テ為ストヲ問ハス医師ノ右技能療法又経歴-一関スル医業務上ノ広告 ヲ為スコトヲ禁止シタルコト明カナル所ナリトス従ツテ仮令医師ニアラサル者ト臨医師ノ右亭項-一関シ其ノ医業務ニ関スル広告ヲ為シタルトキハ同条所定ノ犯罪ヲ構成スルコト疑ヲ容レス(一一日一万吠一位七巻)(謂⋮一) 又すでに(二)ののにおいて示したが、判例は、広告者の名儀、所在地の記載がなくっても、他の事情とあいまって r L その広告者が何人であるか知ることができる場合、広告ということは支障がないとするが、広告客体の氏名(名称) があげられるであろう。 も、住所(所在地)も広告に示されず他の事情によっても広告客体が何人か全く不明であれば、その広告の目的も失 われ、効果を期待することは不可能であり、無意味であるから、広告において要素的に重要なのは、広告客体がすくな ﹁J くとも、何人であるか知ることのできるものでなければならない。したがって
5
にいう﹁広告者﹂は広告客体と解し ﹁ に ﹁ lJ てのみ首肯できる。この判例は広告主体と広告客体とを混同している D さきの6
は、新聞紙上に、新聞社員に、医師の 戸 ik 経歴、技能を告白させたが、その告白がその医師の名儀でなされたものか否か、そのお戟賀用がその医師が負担する や否かを問わないとするが、広告主体と広告客体とが区別されようとする契機がみられるものではないであろうか。 五 内 ,デヲ 谷 、 、 . , , , J η a , , z・ 、 、 技能に関して 病 院 設 立 者 が 、A
薬局月報に﹁B
地方病民の大福音﹂とした広告文において、病院で診療に従事させる医師の氏名 の冒頭に﹁名医﹂の文字を冠したピラ及び病院で診療に従事させる医師の氏名の冒頭に﹁大医﹂の文字を使用したピ ラを配付した事件に対して、判例は、 ﹁医師ノ氏名-一名医又ハ大医ナル文字ヲ以テシ其ノ者カ診察治療ニ従事スル旨ノ広告ヲ為ストキハ読者ヲシテ其ノ医師ヲ診療上 医栄歯科医業広告 八 五東 洋 法 学 入 六 抜群ノ技能ヲ有スル者ト思ハシムルヲ以テ病院ノ設立者カ其設立ニ係ル病院-一於テ診察治療ニ従事セシムヘキ医師-一付斯ル広告ヲ ﹁ l J 為 ス ハ 即 チ 医 師 ノ 技 能 -一 関 ス ル 広 告 ヲ 為 ス モ ノ ニ ジ テ : : : 省 令 第 十 九 号 第 一 条 第 二 項 三 増 反 ス ル モ ノ ト ス : ; : ω と し 、 広告文中に治療の正確の標語的文字を挿入した広告に対し、判例は、 ﹁治療ノ正確トハ療法ノ適切ニシテ結果ノ良好ナル意味ヲ包容サセルモノト解セジムルニ足ル字句ナルヲ以テ特ニ此ノ語ヲ高調 セ ル 広 告 ハ 他 ノ 医 師 ニ 比 シ 自 己 ノ 技 能 ノ 優 秀 ナ ル ヲ 誇 称 セ ル モ ノ ト 謂 フ ヘ ク : ・ ( 阻 司 一 計 弔 問 遣 ) ( 団 側 ⋮ ) と す る 。 ﹁ l J F
8
において、﹁B
地方病民の大福音﹂という文言について、どちらかといえば、技能が秀れ経験が笠か(でなくと r t k もそう)であることを示すためにそのような文言を用いたような感じも禁じ得ず、この言文だけでも、これが技能に 関する事項といえそうであるが、これらの判例は容易に肯定できそうである。しかし判例は、必ずしもこのように、 ﹁技能ガ優秀ニジテ療法モ亦特殊ナルコトヲ要セス普通ノ技能及療法-一閃スル場合ト雌モ同法ニ依リ之ヲ処罰スヘキモノト解スル ﹃ . , J ヲ 相 当 ト ﹂7
し、おそらく、普通、平均の技能、療法であっても、これを広告中に記載することにより、それ(療法 r i E 、 は技能のなかに入るかもしれないが)は、被告知者に優秀又は特種のものとし受けとられると解されるのが一般であ ろうからであろう。 (ロ) 治療方法に関して、 新聞に肺炎子痢其の他呼吸困難な疾病の酸素吸入療法を開始する旨の広告をした事件に対し、判例は、 ﹁医師法第七条ハ-療法-一付キ写一︹詳細ニ︺(晶は炉抑吸収刊酢吟)制限スル所ナキヲ以テ之ヲ詳密-一示スト否ト又特殊ノ モ ノ タ ル ト 否 ト ヲ 問 ハ ス : : : 右 ︹ 広 告 ガ ︺ 事 実 ナ レ ハ 原 容 カ 同 法 第 七 条 -一 違 反 シ タ ル モ ノ ト γ 同第十一条ニ依リ被告ヲ処罰シタル、 目 当 エ メ ト ヘ 四 O 頁・大築一九 J : J ノ キ 2 ・ ・
1
3
f
開 二 O 巻八九 O 頁 ﹂21
医師が新聞広告で自己の医院名儀で結核療病に対して古賀式治療の注射を月水金の各昭日に行って治療する旨の広 告をした事件に対し、判例は、 ﹁其規定︹医師法の広告制限の規定︺ハ:::其療法カ特定ノ疾病ニ対ジテ特効アルコトノ疑ハシキ羽合ナルト然ラサル場合トノ 別ナク汎ク之ヲ禁止スル趣旨ナリト解スヘキモノニシテ従ツテ医師ノ為 γ タル広告カ療法-一関スルモノタル以上ハ共療法ノ効能ノ 有無ニ付キ申請はスルヲ要セス︹右︺広告文ハ・療法ニ関スル広告ニ殺当スル(一一一位一言語 M 一 ) ( 政 一 古 川 広告文中に包皮成形外科手術とか、梅毒独逸製日本製六O
六号注射専門科との字句を用いた事件に対し、判例は、 ﹁広告中ニ付包皮成形外科手術トアルハ整形外科ナル専門科名-一附加スルニ茸'対象事項タル包皮ナル名目ヲ以テスルニ呉ナラス ジテ末尾-一手術ノ文字ヲ加フルト否トハ其広告ノ内容ニ異同ヲ来タスト足ラサルヲ以テ皐寛此部分ハ -: 行 令 第 一 九 号 第 一 条 -一 所 付スルニ拘ハラス其内容ハ治療ノ方法ニ外ナラス故-一当該広告事項ハ:::同令同条-一所謂:::療法ニ該当スルモノトス 輯 二 三 巻 ︿ 大 正 一 J 町とし、 六三四頁﹀ O 年 ︹ 詞:・療法ニ該当セサルモノト認ムルヲ相当トス然レトモ伺梅毒独逸製日本製六 O 六号注射専門科トアルハ広告者-一於テ専門科名ヲ ﹁ 四 三 頁 -f 大集二七 自己の経営する医院には、痛風、神経療、麻卑等に著しく効能のある﹁フマンゴ﹂療法というものがあり、この療 法について、同医院の治療方法、設備が優秀であり、その効能の顕著な実例を記載した印刷物を郵送したりの事件に r l ﹄ 対 し 、 ﹁:::斯ル記戟ノアル印刷物ヲ:::二百数十人ニ配布セル以上之ヲ以テ療法-一関スル広告ヲ為シタルモノト為スニ何等妨ケナジ 医業歯科医業広告 八 七京 洋 法 学
^
Ji.. 従 令 所 論 ノ 如 ク 該 印 刷 物 ヲ 封 紋 γ 之 ヲ 其 ノ 宛 名 人 ニ 郵 送 シ タ ル モ ノ ト ス ル モ 尚 右 事 項 ヲ 広 告 シ タ ル モ ノ ト 為 ス ヘ キ コ ト : : : 明 白 ナ -J H Y S H 1 ﹁ t a、 、•• J 刊において、療法が詳密に示されると否と又特殊なものであると否とを問わないとしているが、療法が特殊である r l ﹄ と普通であるとを間わない理由は技能の場合の理由と同じであり、療法が詳密に示されると否の聞には、広告として 効果には、さして作用することがないのではなかろうか、療法が詳細に示されるか否かより、療法に関する事項が示 されるか否かが重要であり、問題があり、又示された療法が特定の疾病に特効があるか否か疑問のあるないを問わな いとするが、問題は、療法の特定の疾病に対する実際の効果の有無又は明、不明(疑問のあるない)より、療法に関 ﹁ tJ する事項が広告に記載されるところにある。日において、∞については判旨を肯定するが、同じような理由で、付に r L ついては、外科の療法は必ずしも、手術のみではないから、﹁包皮﹂は対象事項としても、手術の字句は療法の一部 ﹁ , J を示すものと解すべきである。 4 にもうかがわれるが、その内容より、療法を示すような事項が広告中に示されるこ r l ﹂ とが禁止されているとすることができる。 なお技能及び療法について、 ﹁ J ﹁ 学 説 ノ 発 表 ナ リ ト ス ル モ 技 能 療 法 -一 関 ス ル 広 告 ナ ル ト キ ハ 同 ︹ 第 七 ︺ 条 違 反 ︹ ガ ︺ 成 立 立 ス : : : 1 とする判例もある。 ﹁ l ﹄ ﹁昨年初冬以来歯科医術見習ノ為渡米シ﹂旨の文一一一口を広告中に抑入した苧件に対し、 経歴に関して ﹁ : : : 有 モ 其 経 歴 ニ 応 ス ル モ ノ タ ル 以 上 ハ 必 ス ジ モ 虚 偽 又 ハ 誇 張 ノ モ ノ タ ル ニ 限 ラ ス 共 学 歴 タ ル ト 失 敗 タ ル ト ヲ 問 ハ ス 一 切 広 告ヲ許ササルモノト解セサル可カラス::・︹右ノ︺旨ノ広告文詞ハ被告ノ経歴ヲ叙スル極メテ筒短ナルモ之ヲ経歴-一関スルモノニ非 スト論断スルヲ得サルハ勿論ナレハ従令之ヲ他ノ違法ナラサル文詞中ニ挿入シテ止ハニ広告スルモ為-一其責任ヲ免ルルノ理アルヘカ ・ 7 7、 ヘ 二 四 頁 ・ 大 保 二 二 相 ︿ 大 正 J勾 -t z f 二七巻一七四九頁﹀五年﹂日 肺病科設立趣芯告に、医師・被告が自己が肺病療法の研究をなしその著大な効験を山会したので、自己の経営する病 院内に肺病科を設置し肺病混合ワクチン製造所もつくるにいたった経過を記載した事件に対し、 ﹁右越芯在ハ:::被告ノ経歴ヲ表示シタルコト勿論ナリ:::?ととする。 設立されて二カ月しかならない会社が経営しようとする診療所開設にあたり、 ﹁本院ハ十数年来古キ歴史ト経験ヲ 有シ:::歯科医院トシテ諸般設備ノ完全、信用厚キ歯科医師之カ治療ニ従事シアル:::﹂旨の経過を記放した開業広 告ピラを出した事件に対し、 ﹁其ノ経歴ニ属スルモノナル以上ハ真偽如何ヲ区別セス一切広告ヲ許ササル法意︹省令第一条︺ ト解スルヲ相当トス従ツテ︹右 ハ︺其ノ経歴ヲ表示シタルモノニ外ナラサレハ其ノ虚偽又ハ誇張ニ係ルノ故ヲ以テ前記省令違反ノ責ヲ逸ルルヲ得サルハ勿論::: ﹁ i t
ω
と判例はする 0 1 J 1 Jρ
においては、広告客体とその事歴との聞に虚偽又は誇張の存在しない場合であり、 9 においては、それが存在す f L 場る合である。虚偽又は誇張であることが被告知者に知れれば、広告の機能は退化するが、判例はその其偽の程は問 わないとする。それは、経歴に関する事項が、 一旦広告中に記載されれば、被告知者にとっては、経歴に関する事項 の真偽を区別することは、困難であり、その真偽によって責任のないあるを規定することは、広告における経歴に関 医 業 歯 科 医 業 広 告 八 九東 洋 法 学 九
。
する事項の禁止の目的、効果は没却されるからであろう。 以上によれば、判例は、内容がどのようなものであっても、とにかく、その技能、療法又は経歴に関する事項は許 されないとしているようである ( 3 ) O しかしとくに療法について問題があると思われる。生活水準の高度化l
社会生 活の複雑化のために新しく困難・複雑な疾病が発生したり、従来簡単に治療された疾病が困難なものとなったり、医 学 l 医術(歯科も含めて)の進歩 l 発達によって、かえって療法が複雑又は技術的に高度になることもあり、診療の ため、その疾病や診療方法の理解又は予備知識が患者(又はその関係人)に必要であり、これを忠者に告知しなけら ればならない場合、こうした規制にふれずどのようにすればよいのであろうか。予防医学的な要求から、複雑な診療 方法を必要とする疾病について、医師歯科医師は、どのように患者(正確ではないかもしれないが)を指導すればい いか、などは考えられる問題であろう。 ( 1 ) ( 2 ﹀ ( 3 ) 医業歯科医業のそれぞれについては参照・小生﹁諸種の﹁医する行為﹂東洋法学第五巻第一号三頁・八頁。 この判例では﹁肺結核病予防接種前後の注意﹂と題する吉田は、白法を記載したものとされる。 小 生 ・ 前 掲 、 四 五 頁 。 む す び 医業歯科医業広告についての規制立法のあゆみには、問題をがのこされながらも、わが近代市民社会の発展的段階に 応 じ て 、 その規制・制限の取締の対象の範囲が拡張され、 技 能 、 療法及び経歴に関する事項の禁止を中心的とし て競栄・競業的広告の禁止の目的がつらぬかれているが、とりわけその他の許された事項からは、医業歯科医業広告 が他の商業広告と区別される社会的な必要と重要性のあるインフォメ l ション的な社会的性格が示されているようで あり、医学医術の発達