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Academic year: 2021

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(1)100. デザイン学研究特集号  Vol.27-2 No.102. 執筆者紹介 Profile of contributors. 原田 泰(はらだ やすし). 須永 剛司(すなが たけし). [email protected]. [email protected]. 公立はこだて未来大学/教授. 公立はこだて未来大学/特任教授. 2020. minus 24℃, Ivalo, Finland, February 2013. 1986. 学生時代までは、本当に「アホ」だっ. 谷川連峰一ノ倉岳, 1973年1月. た。企業デザイナー時代は、デザインで. 先日、高校のクラス会に行った。心なら. きる対象が山のようにあった。やればや. ずも頭髪を失いはじめた悪友たちが「須. るだけ楽しかった。そして多くの失敗を. 永は面白いことを考えついて、みんなを. した。「プロの仕事をしなさい」と電話. 巻き込んで遊んだっけ」「卒業式の後、. 口で叱られた。アカデミアに移ったら. みんなで無人島にいったよね」と言う。. 「研究をしなさい」「書いたものは全部こ. 走り回った猿島の記憶が浮かんだ。そう. れに綴じなさい」と、厚さが10cmくら. だ夏休みの旅行も、体育祭の巨大なマス. いのバインダーを渡された。学生たちは. コットパネルも、文化祭イベントもいろ. 真面目だった。リアルな課題を提供した. いろ企てつくったんだ。大学では山登り. かった。デザイナーはコンテンツを持っ. にハマり嵩じて玄奘三蔵がとおったパン. ていない。コンテンツを持っている様々. ジシールという谷を馬で. な専門家と関わりを持てた。デザイナー. マンに登った。そこアフガニスタンは良. を名乗っていると、ありがたいことに誰. きにつけ悪しきにつけ人間味あふれた近. とでもプロジェクトを組める。素敵な先. 代以前の王国だった。喧騒にみちた首都. 輩たちと出会えた。一緒にプロジェクト. カブールの街を自前のバンで走り回る. をやることで、多くを学べた。面倒をか. ヨ ー ロ ッ パ か ら き た 若 者 た ちをみた。. けた師匠たちがオーラを放っていた年頃. 「なんでやつらは車でここにいるんだ!」. に、いま自分がなった。師匠たちから受. そうだ彼らは此処まで陸路で来れる。世. け取ったバトンを、後輩たちにちゃんと. 界は繋がっているんだ。二十歳のぼくの. 渡せるだろうか。ま、しらんけど。. こころにそれが刻まれた。30代をデザイ. ってアンジュ. ンと認知科学の境界領域に向かわせ、40 代を情報デザインの開拓に没頭させた源 にはきっとこの体験にある。いま、30年 あまり楽しんだデザイン学生たちとの格 闘を終えほっとしている。そしていろん な分野の大人たちと「情報のかたちは社 会にあり」の探究をはじめている。若い ころから変わりえないものは自分の生き る姿勢なのかもしれない。.

(2) デザイン学研究特集号  Vol.27-2 No.102. 横溝 賢(よこみぞ けん). 加藤 文俊(かとう ふみとし). 計算機を設計し真空管アンプを自作、仲. [email protected]. [email protected]. 間と生涯続く音楽の探求を開始。大学は. 札幌市立大学/准教授. 慶應義塾大学/教授. 理論物理、大学院で生物工学を研究する が、心理学が必要と痛感。留学したカリ フォルニア大学の Norman 先生の認知科 学研究所で、さらにベル研とコロラド大 の研究員として、多様な分野の研究者 と、インターフェイスデザインや神経. 青森県下北半島にて, タイ・ピーマイの夜 2018 市にて,20歳頃. 最近の私. ほぼ半分の私. 幼いころから、引っ越しが多かった。あ. カの西、東、中央の多様な文化の中で、. 大学2年のころタイの中東部・ピーマイ. たらしいまちでの暮らしがはじまるたび. DIY と開拓者精神も体験。帰国し中京大. を訪れた。バンコクから出発した旅には. に、近所をぶらぶらと歩き、身の回りを. 学で学習環境デザインの研究を開始。以. 計画というものがなく、その日その場で. じろじろと眺めるようになった。緊張も. 来、身体と心と知能の間、モノと人と社. 到着できそうな場所にむけて、バスや電. するが、ちょっとした冒険は、いつでも. 会の間、カオスな全体の美とシンプルな. 車、三輪バイクなどの交通手段を検討. 愉しかった。大人になっても移動するこ. 核心の美の間、グローバルな世界とロー. し、現地の人と交渉しながら移動した。. と・変化することがさほど苦にならない. カルな営みの間を行き来しながら、地域. あるとき、15歳くらいの少年が運転する. は、そのせいだろうか。. の価値を発見し伝えるプロジェクトを仲. バイクのうしろに乗り、田園地帯を抜け. 地味ではあるものの、まち並みや人びと. 間とブリコラージュしている。. て隣町に移動することにした。私はアク. の暮らしに目を向けていると、結局のと. セル全開で畦道を飛ばすバイクから落ち. ころは、いつか、どこかで、誰かと過ご. 刑部 育子(ぎょうぶ いくこ). まいと、少年の背中に必死でしがみつい. すこと、つまりはコミュニケーションへ. [email protected]. た。途中、突風が吹き、帽子がさらわれ. と関心がおよぶ。ぼくたちは、つねにコ. お茶の水女子大学/准教授. た。ピンと水を張った田んぼに帽子がは. ミュニケーションのなかに「いる」の. らりと落ちていくのを見たとき、「もう. だ。だからこそ、ことばにできない〈モ. いいや」と諦めかけた。しかし目の端で. ノ・コト〉がたくさんあることを知りな. 帽子を捉えた少年はすぐさまブレーキを. がら、ことばをさがす。文章を書き終え. かけてバイクをとめ、裸足になり、水面. たあとで、かならず、書き直したくなる。. に半分沈む帽子を取ってきてくれた。笑. ネットワークによる学習を研究。アメリ. お茶大の研究室にて, バングラディシュにて, 2019 大学院生だった頃. いながら帽子を返してくれた少年の顔. 宮田 義郎(みやた よしろう). は、安堵のあまり顔がゆるむ私の表情を. [email protected]. 学生の頃から人々の日常や実践に関心が. 映していたのかもしれない。未知である. 中京大学/教授. あり、保育現場のフィールドワーク(ビ. ことは不安だ。しかし人びとはその不安. デオ観察研究)を続けてきた。専門は幼. を享受して乗り越えていく共生の本能を. 児教育学、保育学、発達心理学。大学院. もっている。少年の影響か分からない. 修了後は文学部心理学科助手となった。. が、それ以来、東京−ミラノ−八戸−札. 毎日、膨大な学科の事務作業をこなし、. 幌と未知をもとめて拠点を移し、各地に. 白衣を着て掃除に勤しんだ。こうした修. 出向きながら人びとの共生の知恵を学ぶ. 行のような仕事も今の研究者には必要だ. デザイン活動を続けている。. 子供時代は海辺で狩猟採集、森で秘密基. なと感じている。次に公立はこだて未来. 地のブリコラージュ、天体観測を楽しん. 大学講師時代。自分の専門分野と異なる. だ。何でも自分の考えでやりたくて、学. 人たちばかりがいるところで仕事をする. 校には馴染めなかった。高校ではリレー. のは大変だったが、異なる領域の研究者. 101.

(3) 102. デザイン学研究特集号  Vol.27-2 No.102. と毎日、楽しく熱く議論した特別な4年. 塩瀬 隆之(しおせ たかゆき). なった。自分が写った写真が少なくなっ. 間だった。その成果の一つが今回の論文. [email protected]. た。いつしか、撮るのは好きだが、撮ら. でも紹介したビデオツール開発である。. 京都大学総合博物館/准教授. れることが苦手になった。写真は、良く. その後も、デザイン研究者の考え方に触. も悪くもそこに在るものしか写せない。. れる中で、人々の活動、環境、空間をデ. だから真実を写すと書く。だが近頃は、. ザインするのは保育も同じなんだと気が. 写真は目に見えない真実も映していると. つき、現在は平成28年に開設した「お茶. 思っている。その場の空気、会話、一緒. の水女子大学こども園」をフィールドに. にいた人、一緒に食べたもの、かけがえ. 研究を行い、社会的デザインの観点から. のないもの。あぁ、私はずっとこれに魅 大学院生の頃、人工知能やバーチャルリ. 了されていたのか、と今になって思い知. アリティーの研究に夢中になった。高性. らされている。そう思うと、自分の映る. 元木 環(もとき たまき). 能の画像処理用ワークステーションに負. 写真を見ることができるようになってき. [email protected]. 荷をかける大規模なプログラミングで没. た。見る程に、そこに在る残り香が漂っ. 京都大学情報環境機構 IT 企画室/学術. 入感の高い CG の世界を開発することが. てくるような気がする。思い返せば、私. 情報メディアセンター/助教. 楽しかった。ある研究会で、ヘッドマウ. が写真を撮る時、被写体の想いが伝わっ. ントディスプレイをかぶせた高齢者に仮. てくるような、残り香が漂うような、そ. 想世界で孫の映像を映し出し、現実世界. んな一瞬を残したいと思いながら、ファ. ではロボットアームでお茶を飲ませると. インダー越しに世界を観ていた。もしか. いう研究発表と議論を傍観している自分. すると、私はその気持ちを忘れないため. 夕方の時間の保育について考えている。. に気が付いた。工学研究の中に果たして. に、デザインという世界に飛び込んだの. 山室にて、その10年 くらいあとの私. 当事者の声が本当に反映されているの. かもしれない。世界はまだ、目に見えな. か、その難解な問いが頭から離れなく. いことだらけだ。デザインという世界を. 大阪芸術大学の芸術計画学科で学んでい. なった。多様なユーザがデザインプロセ. 通して、私は何を残せるのだろう。. た学生時代、「学園祭実行員会」に入っ. スに加わることで社会の革新を目指すイ. ていた。武闘派な活動体で、真剣に濃ゆ. ンクルーシブデザインのつくる場に魅力. くしか生きられない人が多く、大変な衝. を感じ、この世界観をどのように工学の. 撃を受ける。子供時代の天然で突然一人. 世界につなげるかが自分自身の大きな. の世界に入ってしまう性質が鍛えられ、. テーマにつながった。 . 仰木にて、はじめて の年の私. 物事に動じない、やられないようにかま すなど、振る舞えるようになる。また、. 三河 侑矢(みかわ ゆうや). 近隣自治会の会長への挨拶に一升瓶を繋. [email protected]. げ用意する、大学施設の方と事前に仲良. 札幌市立大学/原初的デザインラボ(横. くなっておく、世話になる他組織の学生. 溝研究室). の公演のチケットは買うなど、今も応用 しているようなデザイン実践する際に人 と対等に付き合うことにつながる態度や 行動をここで学ぶ。共同体の中で、中の 人同士で(デザイン)実践をすること、 それを考え続ける原点はここにもあった. 2019年、大阪にて. 2003年、余市にて. と、最近ふと思い起こしている。. 幼い頃からカメラに触れる機会が多かっ た。父の影響で写真を撮ることが好きに.

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