理学療法学 第 19巻 第4 号 393
〜398
頁 (1992 年)報
告
TKR
後
の
理
学療法
の
検 討
膝伸
展
不
全
改善
のた
め
のダ
イ ナ
スプ
リ
ント
と
FES
の使
用
*玉
木 彰
* *中
井
保
小
澤
和 夫
平 木 治 朗 安 井 平 吉
北
野 継 弐
要旨 従来,
TKR 後の膝 伸 展 不 全に対 する理 学 療 法は徒 手 的 訓 練 が主であっ た。
しか し徒 手 的 訓練のみ で は,
その仕 方により術 後にお け る痛みを増 強して しまう恐れがあり,
訓 練の再 検 討の必 要が あっ た。
そ こ で TKR 後の膝伸展不全に対し, 当院リハ ビ リテー
シ ョ ン部におい て そ の改善を目的に行っ て い る,
ダイ ナス プ リン トおよびFES を使 用 した 訓 練プ ロ グラ ムを 紹 介 し,
検 討 を加 えた。
ダイ ナス プ リン ト は,一
定の 正 確な力 を持 続 的に伸 展 方 向に加え,
組 織の短 縮 をゆっ く り伸 張 する とい う特 性を もっ てい る。 また FES は,
刺激条件を設 定 する ことで確 実に筋収縮を得る こと がで きる。 いずれの方法 も痛み を あ ま り伴 わないた め,
術 後の膝 伸 展 不 全 改善には有 効な治 療 手 段 だと思 わ れる。
従 来の徒 手 的 訓 練に 加え,
これ ら を併 用 するこ とで より効 果 的に,
短 期 間で膝 伸 展 不全を改 善で きる と考え る。 キー
ワー
ドTKR ,
膝伸展 不全,
ダ イ ナスプリン トL
は じ め に 近年,
人 工関 節の発 達 に と も ない,
骨・
関 節 疾 患患者 に対す る人工関節置換術が盛ん に行われる よ う になっ て き た。 その中で人 工膝 関 節は, 1950
年 代にhinge
型,
1960年 代にはsledged
hinge
やlink
型と呼ば れ る タ イプ が開 発さ れ
,
1970年 代に入 りsurface replacement型と呼ば れる骨 切除が少ない タ イプ が開発さ れ たD
。
それに伴い人工膝 関 節 置換 術 (total knee replace
−
ment 以 下 TKR ) は,
特に 1972年al Coventry により 変 形 性 膝 関 節 症に対 して の Geometric 型 人工関 節が報告2〕Z)さ れて以 来 急 速に発 展, 普及して きた。 そ し て
,
現在臨床におい て慢性関節 リ ウマチ (以
.
ドRA ) や変 形kAn
Investigation into Physical Therapy after Total
Knee Replacement
−
Usiiig Dynasplint and FES to Im・
prove Incomplete Knee Extension
−
*
’
尾ヶ丘 厚 生 年 金 病 院リハ ビリテ
ー
ショ
ン部Akira Tamaki
,
RPT,
Tamotsu Nakai,
RPT,
KazuoOzawa
,
RPT,
Jiro
Hiraki,
RPT,
He7kichi Yasui,
RPT,
Keiii Kitano
,
MD :Department of Rehabilitation Medi・
cine
,
Hoshigaoka Koseinenkin Hospital(受付日1990年10月23日/受理回199!年8月28日) 性膝 関節 症 (以
一
ドOA
)を中心に施行さ れ,
疼痛の除去,
歩行 能 力の改善な ど優れ た成 果があ げ られて い る。一
方,
TKR 後の理 学 療 法や臨 床成績につ いて は,
諸 家 らにより様々な報ttt3
”
lo)が あ り,
また同時に様々な 問 題点もあ げられて いる。 TKR は本 来,
機 能の再建が目 的であ る 以一
L
,
で きる だけ多くの関節可 動 域 (Range
ofMotion
以下ROM
) の獲得 が 目標と な る。
しか し,
術 後理学療法を行う経過 で, 膝屈 曲角度につ いて は諸家ら と同様 満足な結果を得 てい る もの の,
膝伸展 不全 (こ こ ではExtensiQn
lag
や膝伸展 制限を総称した もの を示す)が最後まで残存 す る症 例 も少なくなく,
のちの起 立,
歩 行 等におい て最 大 の問 題 点になると言え る が,
最 良の訓 練 方 法が ない のが 現 状である。 我々 は これ らの 問 題 点に対 し訓 練の 再 検 討を し,
TKR
後の膝 伸 展 不 金を改 善 す るた めに,
従 来の徒 手 を 中心 と し た訓 練に加 え,
膝 伸 展 装 具 (ダ イナ ス プ リ ント)と機 能的電気刺激 〔
Functional
Electrical
Stimu−
lation以 下 FES ) の 使用を 試 み た結 果
,
良 好な効 果を394
理 学 療 法 学 第19
巻 第4
号 そ こ で本 稿で は,
現 在 我々が行っ てい るTKR 後の理 学 療 法プロ グラム ならびに症 例を紹介する と ともに,
検 討 を 加え報告す る。II
.
理学
療 法 プログラム 当 院リハ ビ リ テー
シ ョ ン部にお け るTKR
の理学 療 法 プロ グラム を以下に示す 。 プロ グラムの進 行は個々 の患 者の術後の経過に よっ て,
多 少 変 更 する場 合 も ある。 今回は特に術後 膝 仲 展 不 全を残 存 するよ うな症 例にっ い て,
その改 善 を 中 心 と した プロ グラムを紹介する 。 TKR の理学 療 法は,
当 院リハ ビ リテー
シ ョ ン部で は 術 前の評 価 及 び術前訓練よ り始めて い る が, 本稿で は術 後の理学 療 法につ い て述べ ることにす る。 〈術後理学療 法〉 術 後は 2 目目よ り足 関 節の 自動 底・
背屈 運動, 足 趾の 屈 伸 運 動を開 始 する。
これ は浮 腫の予防,
足邦の感覚の 回 復 促 進, 大腿四頭筋の収縮準備な どのた め に行う。 そ して ド レー
ン 抜 去 後の3
口目よ り膝の active 及 びactive assistive
ROM
Sr
[練,
muscle setting を始め る。
そ れ と同 時に膝 伸 展 矯 正 用 装 具 と してマ ン ソ ン製 ダイ ナ スプリン トKnee ExtonsiQn を,
最 初は30分間 を一
目3
回の装 着 か ら始め,
慣れてくれ ば夜 間の装着を開始す る。
ただし条 件と して, 装着 中の 不快感や痛み が出 現し た ら中止 すること に してい る。 訓練は術後 約 5 日間 は ベ ッ ドサ イ ドに て,
active なROM 訓 練 を 中 心に,
ド 垂 座 位や車 椅 子・
ト イ レへ の移 乗 訓 練 を行っ た後,
訓練 室での積 極 的な訓 練に移る。
訓 練 室で は,
痛みを考慮 し なが ら徐々 にpassive な ROM 訓 練,
下 肢 全体の 筋 力 強 化 と してSLR
訓 練 等 を行う。 ま た創部の状態が良好で あ れば,
筋 再 教 育や筋 力 強 化と してFES
(英 国BMR 社製 16F )で,
内側広筋と大腿直筋に 1日1回,
15分 間 電 気 刺 激を追 加す る。 こ の際の刺 激 条 件は,
周 波 数 50Hz,
収縮時間 10秒,
休[E
時 間5秒,
刺 激 波 幅 250 μsec の矩 形 波で,
刺 激 強 度は患 者の耐え う る最大 強度 とする。 膝 関節は や や屈曲位で伸筋の働き やすい肢 位に して,
刺 激に1
司調し た随 意 最 大収縮を行う よ うに指示す る (図 1 )。 筋の収 縮力が増 して く れ ば,
大 腿 四 頭 筋や ハ ム ス トリングスを中 心に,
漸 増 的に積極的な筋 力強 化 を 行っ て い く。 筋力 強化は徒 手に よ る抵抗訓 練やゴ ム チュー
ブ,
重垂バ ン ド等を 用い ること も あ る。 起 寸.
・
歩行訓練は当院で はセ メ ン ト使用の 人T .
関節の 場 合は 2週 目 か ら1f3 荷重,
3
週 目2/3
荷 重,
4週 目に全荷重 と進め,
セ メ ン トレ ス の場合は4
週 目か ら欝
鑢
鏤
鑛繍 図 1 FES 通 電時 1〆3 荷重,
5週 目2/
3
荷 重,
6
週 目に全荷重 と進 め て い き,
その後はADL
訓 練を含めた応 用歩行訓練へ と 進めて い く。 皿.症例紹介
前述 した訓練プロ グラムを施 行 した 症 例の,
術 前・
術 後の 膝関節のROM
変化を表 1に示 す。
ま た その中で特 に術 前の屈 曲 拘 縮が著 明であっ たにもか かわ らず,
か な りの 改 善を示 した症 例を紹 介 する。 <症例 1> 36歳 男 性 診断 名:慢姓 関 節リウマ チ Steinbroc−
ker の分 類 stage rv・
class 皿 現 病 歴iま10年 前に発 症。
5
年前に左 右のTHR
を行っ て いる。
術 前X 線 写 真で は,
関 節 裂隙の狭 少化,
骨 軟 骨の破 壊を認め た。 理 学 療 法 評 価で は,
ROM は表 1のと お り,
著 明な屈 曲 拘 縮があっ た。 股 関節及び足 関 節に は,
特に 大 きな制 限はなかっ た。 徒 手筋力テ ス ト (以 ドMMT ) で は膝 屈 曲が左GI ,
右G
+,
伸 展が左 F’
i.
,
右F と伸 筋 群に筋 力低 下 が あっ た。 立位 保 持は可能(図 2) で あっ た が
,
膝 周 辺 部の痛み が強 く膝 屈 曲拘 縮 とあい まっ て歩 行は高度に障 害されて い た。 本症例は先ず 左 TKR (Low
conpornent stress type。
セ メ ン トレス)を行い,
4週 後に
IT
TKR を行っ た。 術 後は前 述 した 訓 練プ ロ グラムに従い,
理学 療 法を進 めて い っ た。
その結 果 術直後の膝 仲 展 制 限 左 15°
,
右 10Dが,
左 膝は術 後5週で,
右膝は術 後4
週で伸 展0 °
まで改 善で きた。
ま た膝屈曲も表1
の と おり改 善 し た。
術 後 7週 目の立位 姿勢は図 3の と おり変 化し た。 歩 行 能 力は退 院 時には膝の痛みもほ ぼ消 失しs 屋外 歩 行も可 能 にな っ た。
本 症 例の場 合は,
術 前の屈曲拘縮が強かっ た た め術 後TKR 後の理 学 療 法の検 討
395
表
1
本プロ グラム施行例の術 前・
術後の膝 関節のROM
変 化症 例
診 断
.
名 術 前 術 直 後 終了時一一・
一
一
一
訓 練 期間(抹テ彳麦) Ext
.
Flex.
Ext.
Flex.
Ext.
Flex.
1 2 34
「
∂6700Q
已
O lRA
OA
RA RAAAAAAA
ROORQR 左.
−
40°
loo°
右一30‘
’
go
° 左.
− 30
° 95° 右一200
1000
左一
10° 125° 右一20°
120°
右一30°
115°
左一
一
.
400
1100
左一
25° 115° 右’
・
.
ユ5° 13 [t 右.
−
30° 750 彳了一
200 1200 左.
−
200 goo 右一
20°
go° 15°
85°
O°
105°
−
lo°
70e
o°
95
°− 15
° 75° o°95e
− 15e
500
〔}Ogoo
.
.
.
15° 70° o° 120°−
20e 75°
o
° 115°
一
.
−
10°
90°
o°
工10°
一
一
lo°
800
− 5°
IO50−
15°
70°o°
100°−
lo° 75e o° 105a−
20° 60e−
5° 85e一
正o°
80°
o°
100°
−
lo°
75°
oo 950− 15°
80°
〔}°
go°
週 週 週 週 週 週 週 週 週 週 週 週 週 週 54454534656486 図2 症例 1の術前立 位 状 態 図3 症 例 1の術 後7週 目の立 位 状 態 特に閥 題と なっ たのが,
膝 屈 筋 群の短 縮で あっ た。
し か し,
術後 比 較 的創 部の痛み がな かっ た ため, ダ イ ナス プ リン トの 長 時 間 装 着が可能で あっ た。
ダイ ナスプ リン ト は長時 間装 着可能な場 合は, テン シ ョ ン は や や弱めに セ ッ ト して使い,
夜 間の 装着な ど も行な う。 ま た逆に痛 み がかな り強い症 例の場 合は,
ダイ ナスプ リン ト は テン シ ヨ ンをご く弱め にして装 着するか, や や強め に して短 時 間 装 着にする。 ただ循 環 障 害 等がある場合は装 着 を 中 止 する。 本症例は膝伸展制 限改善時まで装着し た。 FES は術 後 初 期に筋 再 教育と して使 用 し,
積極的 な筋力 増 強 訓 練が出 来る時 点 まで使 用 した。
IV.
検 討 冒頭で も触れ たよ うに TKR は RA やOA 等に より高 度に障 害 された膝 関 節に対 し,
機 能の再建 を 目的 と して 行われて い る。
つ ま り疼 痛 を 軽 減した り,
膝 伸展制 限や 屈 曲 制 限な ど を改 善 する ことに より,
阻 害されて い た ADL 能 力を改 善,
ま た は再 獲 得 する た め である。 そ の た め術 後にお ける RQM の獲 得が非 常に重 要な要 因 と なっ
て くる。一
般にRA
やQA
の屈 曲 変 形の原 因 と して は,
1) 炎 症 性 疼 痛を緩 和 軽 減 するた めの無 痛 肢 位,
2) 疼 痛 と396 理学療法学 第
19
巻第4
号 炎 症 性 刺 激に よる屈 筋 群の反 射 性 過 緊 張 状 態の持 続,
3) 関 節 周 囲 軟 部 糸i、
1
織およ び屈 筋 群の拘 縮,
4 )骨性の 伸 展 障 害ない し屈 曲 位 骨 性 強 直,
5) 大 腿四頭筋の筋 萎 縮や筋 力低 下に よ る伸 展 障害ll)12) 等と言わ れて い る。 よっ て,
TKR 後の理学療法に おいて伸展不 全を改善す る た め に は, 疼痛に よ る屈 筋 群の緊 張をで きる だけ 除 くこと,
関 節 周 囲 組 織や屈 筋 群の拘 縮を改 善 する こと,
伸 筋 筋 力 を 増 強 す ること等 が 目標 となる と考 え られ,
これ らに対する よ り効 果的な訓 練方法を我々 は考えてい か な け れ ば な ら ない。 従来, ROM
訓練や筋力増 強訓練は徒 手的訓練が主で あっ た。 し か し,
術 後は疼 痛を伴 うた め無理 な徒 手 矯 正 はか え っ て疼痛 を増 強 させ,
筋の防 御 的収 縮 を促 してし ま うこと が指 摘され19),
筋の リ ラ ク ゼー
シ ョ ンの重要性 が言わ れて い る。
そ こで これ らの問 題を考 慮 しっ っ,
TKR
の理学 療 法を行っ て い く上で我々 が使用 して い る ダ イナ スプ リン トとFES
にっ い てその特 徴を述べ ると 共に,
有 効 性につ い て検 討してみ る。
〈 ダイ ナスプ リン トにつ いて〉 ダイナスプ リン トは両 側にス プ リング が 入 っ て お り,
ス プ リン グテ ン シ ョ ンの強弱は ド ラ イバー
で謂節す る よ うになっ
て い る (図4)。 トル クの 強さ は1
目盛 り あ た り1ft・Lb
(0.
138
kg ・
m )で あり, 12
段 階の調 節が可 能で ある。 本 装 具は,一
定の正 確な力を長 時 間 伸 展 方 向に働か せ,
組 織の短縮をゆっ くりと伸 張 するとい う特性 を もっ てい るQ ま たテ ン シ ョ ンが 12 段階 に調 節で き る ため,
個々 の症 例と,
そ れ ぞ れの回復状況に合わ せて使用 すること が でき る。 つ ま り,
術 後 早 期より短 縮 した屈 筋 を痛 み を 起こさ ない微 力で持 続 的に伸 張 すること がで き,
創 部の カウンター
ス トラッ プ 図 4 ダイ ナ スプ リン ト の構 造 図 痛み がある術後では徒手によ る矯正よ り も,
より安 定し た伸展矯正が得ら れ る ように思わ れ る。 言い換えれ ば,
徒 手伸展は微動を伴う た め,
痛みに対 する防 衛 反 応を起 こすが,
ダ イ ナスプ リン トの伸 展 力 は一
定 してい るので,
防 衛 反応 を抑 制 する こと がで きる の である。Hepburn14
) は,
拘 縮 関 節に対 し ダイ ナスプ リン トを 用い た結果,
従来の方 法で改善で きな かっ た もの で さ え 早く改善すること がで き,
最も有効な治療器具である と述べて い る。 ま た その有効性 を
Force−
duration curve(図5) で表して い る
。
つ ま りこれは各 治療法が患者に 対 し どの く らい の力 が か かっ て い るか,
ま た どの く らい の間 耐えうるか を示し たもの で あ る。 こ の 図に示さ れ た と お り,
ダイ ナスプ リン トは最も患者にか かる負担が少 な く, 長く装着して い る こと がで き るこ と が わ か る。 よっ て術後痛み が あ る よ う な場 合の伸 展 矯正に は,
最 も 適し た治療器 具である と思 わ れ る。 〈FES につ い て 〉 先に も述べ たよ うに,
TKR 後の膝 伸展不全の残存に は膝伸展筋力の低一
ドが あ る。 しか しこれ は,
筋 力その も の の低 下で あ る と と もに,
術 後の痛みに よ る筋 活 動の低 ドで あ る と も考え ら れ る。岡 西15)は
,
伸 展 不全 を伴 う患 者の 内・
外 側広筋は膝伸 展に伴っ て筋 活 動が漸 減 して い き,
これは疼痛に対する一
っ の防 御 反 応であると述べ ている。 ま た井上 16)は , 膝 痛は,
膝 伸 筋に強く影響し筋萎縮も起 こ り や すい と し,
Foot.
Pounds諜
,1
Inch・
Ounces SplintsplintTMSeconds Minutes Hours
肱
図
5
Force−duration
ctirve (Hepburni6
)よ り引用)各タイプの 治療法が患者に ど れくらい の力が か
かっ てい るか
,
どの く らい の時間耐え られ る かTKR 後の理 学 療 法の検 討 397 痛み が持続す る筋 力強化訓練を行っ ても萎縮の回 復は困 難で ある と述べ て い る。 これ らの こと より, 術後の筋力 強 化におい て は疼 痛の有 無が大きく影 響し
,
痛み を伴う 場 合の筋 力 強 化 訓 練 は,
痛 み を増 強 させ ない条件で行 う こと が望ま しい と考え る。
FES
は,
低周 波電気 刺 激 療 法の一
っ で あ り,
この方 法を使っ て の筋 力強化は今まで幾っ か報 告さ れ17−
19),
有 効 性につ い ては証 明さ れて い る。 本 方法の 特徴と して,
刺 激 条 件を設 定 するこ とで確実に筋 収縮を得ること がで き17),
収 縮 する にあ た り多 少の違 和 感は あ るもの の,
痛 み を伴わな いこ とで あ る。
よ っ て,
術 後の痛みに よ る筋 の随意 収縮力や筋活動の抑 制さ れ た状態に対し, 筋冉 教 育 的効 果や筋 活 動の補 充が得ら れ,
随 意 収縮力 が増し,
筋 力 強 化 にっ な げ るこ と がで きる と考え る。 ゆ えにFES
もTKR 後の膝伸 展 不 全に対 し,
よ り有 効な治 療 手 段で あ る と思 わ れ る。
以 ヒ述べ た と お り,
従 来の徒 手 中心の訓練に加え, ダ イ ナスプ リン トやFES
等を用い ることによ り,
よ り効 果的 に 短期間で膝伸展 不全を改 善 で きる と考え る。 ダイ ナスプリン トやFES
の使 用 法につ いて は,
本稿 で少 し説 明 したが,
特に決 まっ たもの で はない。 どの時 期に どの くらい の頻度で使用するかは,
個々 の症 例に応 じて検 討す る 必要が あ る。V
.
お わ り に TKR 後の膝 伸 展 不 全 改 善の た めに,
当 院 リハ ビ リ テー
シ ョ ン部で行っ てい る訓 練プロ グラムを紹 介 し,
そ の検 討を し た。 いずれ に して も,
すべての症例が本プロ グラムで良 好 な結 果が得ら れ る と言 うわけで は なく,
我々 は個々の症 例に対して常に最良の訓練方 法を考えて い く必要が あ る。 ただ,
術 後の痛み に対 する考 慮 を 中心に,
緊 期 筋 力 強化 を強調 し たい。
本 稿の要 旨は,
第 25回日本 理 学 療 法 士 学 会 (1990年5
月24
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,
Crivelli KJ ;Use of elbow dynasplint forreduction of elbow flexion contractures :
Acase
study.
398
ve\fithIY
ee19igag4e
<Abstract>
An
Investigation
into
Physieal
Therapy
afterTotal
Knee
Replacement
Using
Dynasplint
andFES
toImprove
Incomplete
KneeExtension
Akira
TAMAKI,
RPT,
Tamotsu
NAKAI,
RPT,
Kazuo
OZAWA,
RPT,
Jiro
HIRAKI,
RPT,
Heikichi
YASUI,
RPT,
Keiji
KITANO,
MD
Dopartnzent
of
RehabilitationAdedicine,UOshigaoleaKoseinenhin
Ubspit'al
Physical therapy forincomplete knee extension after Total
Knee
Replacement(TKR)
has upto
now consisted primarily of manual exercise. Relying on siinple exercise,however,
in-creases the possibilityof postoperativepain,depending on the methods used, and an improved
approach
is
needed. For thisstudiy, Dynasplint and Functional ElectricalStimulation
(FES)
were used as the firststep inimproving TKR therapy.