理 学 療 法 学
第31巻 第1号
21
〜
28頁
(2004
{D
21報 告
シ
ー
ト
角 度
が 立
ち
上
が
り動作 時
の
体 幹
前
傾
に
及
ぼ
す
影響
*丸 田
和
夫
* *要 旨
本 研 究
の 目的
は,椅 子
の シー
ト角 度
が立 ち 上
がり動 作 時
の体 幹 前傾
に及
ぼす 影響
を明
ら か にす
るこ と で あ る。
対象
は]8
〜
29
(
平均 年 齢
20
.
8
±2
,
9
) 歳
の健 常 若 年 者
52
名 (
男
26,
女
26
)
であ
る。椅 子
の シー
ト
角 度
は後
傾10
度,
後
傾5
度,
水 平
0
度,
前 傾5
度 お よ び 前 傾10
度の5
条 件 と し た。
立 ち 上 が り動 作 時の体 幹 前傾 角 度
,
卜.
腿 角 度 お
よ び 立ち
上が り動作 時 問 を 計測
し た。計測
と解析
に は,
2
次
元動 画 解 析
シス テ ムを 用い た。
その結 果,
体 幹 前
傾角 度
は水
平0
度
に 比べて後 傾 位
で有 意
に増 大
,
前 傾 位
で有 意
に減 少
した。ド腿 角 度
は水 平
0
度
に 比べて後 傾 位
で有
意
に減 少
,
前
傾 位
で有
意
に増
大 し た。
立 ち 上 が り動作
時
間 は水
平
0
度
に比
べ て後傾 位
で有 意
に延 長 し
た。体 幹 前 傾 角 度
と下 腿 角 度
とでは有 意
の負
の相 関
,
体 幹 前 傾 角 度
と 立 ち 上 が り動
作
時 問
とで は有 意
の正の相
関 が 認 め ら れ た。
シー
ト角 度
の後傾
によっ て,
立ち
上がり動 作 時
に体 幹 前傾 角 度
が増
大す
る こ とが明
ら か と なっ た,
、
シー
ト角 度
の後
傾 が も た ら す体
幹前
傾角
度
の増 大
は高
齢 者
や片 麻 痺 者
の車
いす
か らベ ッ ドや洋 式 便 器
へ の移 乗 な
どに おい て,
立ち
上がり動作
を 必要
とす
る 冂常
生活活
動
を制
限す
るロ]’
能 性
が あ ると推
測 さ れ た。
そ の よう
な 困難性 を解 消 す
る た め に は , シー
ト角 度 を動
作
凵的に応 じて調 整 する必 要性
のあ ること が 示 唆 さ れ た。
キー
ワー
ドシ
ー
ト角 度
,
立 ち トがり動作
,
体 幹 前 傾
は じ め に車
いすのJIS
規 格で は,
水
平 面 に 対 す る シー
トパ イプ の角 度 (
参 考 値
とし
て1
〜9“
) が
シー
ト角 度
と して定
義
さ れ てい る1)。
シー
ト角 度
は,
座 位
の安 楽 性
や安 定 性
を得
る た め に 通常
で は後
傾0
〜
5
’
の範
囲
に設 定
さ れ る2)。
我
が国
の標 準
型車
いす
で は後 傾
3
〜
4
°
が最
も多 く設 定
さ れる角 度
であ
る。脊 髄 損傷 者
で は,
体 幹
の安 定 性
を図
る た め に後
傾10〜
20
”
以 上取
り付
け ること
があ
る。
シー
ト角度
の後 傾
が車
いす
にお け る姿 勢
保
持機
能
に果
た す役 割
は大 き
い。
し か し な が ら
,
シー
ト角
度の後
傾 が大 き く
な ると
,
立
ち ヒがり動 作
に支障
を 来 た すこと が あ る。
高 齢 者 や 片 麻痺 者
の車
いす
から
ベ ッド
や洋 式 便 器 な
どへ の立位 移 乗
で は,
立 ち
上 がり動 作
の容 易性 が 問題
とな
る。車
いす 本 体
の シー
ト角 度
が少
な く て も, ス リング シー
トの弛
みや座
クッ ショ ンの沈 み 込 み な ど に よっ て見
か け 上の シー
ト角
度 が 大 き くなっ てい ること
が多
々あ
る。
立ち
上 がり動 作
* The 工nnuence of Sc[馬t 八ngle on Forward Trunk In
〔
二
linと
Ltk♪
nDuring SiL
−
Lo−
Stand * *まる た老年リハ ビ リ研 究所
(〒921
−
8013 石川県金沢市新 神田1−
6−
L)KnzLtc}Maruta
,
MS、
RPT:MaUa Rcscarch InstiLuLe.
RehabilitatienSciencc and IleaLth Lo[1Revity
〔受付L[20〔}3年 4 月 2日/受理 凵 2003 年8月30H ) の
容 易 性
は 座 面 高 や 足 位によっ て変 動 す る が,
その科 学 的根 拠
につ い てはす
で に先 行研 究
で明
らか
にさ
れて いるll)。 とこ ろ が,
シー
ト角
度 が 立 ち 上 が り動 作
に与 え
る影 響 を
解 析
し た研 究
は みあ
た ら ない 3}。
そこで,
今
回 はシー
ト角 度
の後 傾
が椅 子
か らの立ち
上 がり動 作 時
に体 幹 前 傾
を 強 要 し.
腰痛 症
などの筋 骨 格 系 負 担 を引 き起
こす
可能性
が あ る と言
わ れ てい る4}こと に着
目 し て本
研究
に取
り組
んだ。
脊 柱
の運動
は運動 学 的
に み て6
度
の自山度 を有 す
る椎
骨の動
き と脊 柱 全 体
の動 き
(屈 曲
・
伸 展
,
側 屈
,
回旋 )
か ら なる。
し か し,
身体
動 作 が 粗 大 な動 作であ れ ば,
脊
椎
一・
つ一
つ の線 運 動 (
並 進 運動
とも言 う)
は微
量で あ る ため無
視で きる範
囲にあ
る。
脊柱
の運 動
は単純 化
さ れ た固 定
軸 ま わ りの純 粋 な 回転
運動
と してみ なす
ことが で き る5〕。
矢
状面
での脊
柱
の屈山
は骨 盤
に連 結
さ れ た一
つ の柔軟 性
の ない リンクと み な し,
線 形 力 学モ デル の独 立 変数
であ
る体 幹
の傾 斜
と して表 現
で き る、
,
AnderSon
らen は 鉛直線
に対 す
る 肩 峰一
大 転 子線 軸
とのなす 角 度 を体 幹
前
傾 と して力 学モデルを 作 成 している。
体 幹
は厳密
に は剛体
と してみ な すこ とがで き ない が,
運動 学
的 な解
析で あ れ ば体 幹
の空
間的 位 置
や変位
を記
述す
る こと は 可 能 で あ る。
こ の よ
う
に,
体 幹 前 傾 は 臨 床 座 標 系 を 基に し た指 標
で22
理学療 法 学 第31 巻第1号 表1 対 象 者 健 康 成 人 (n=
52) (男26,
女26) 平 均 値±標 準 偏 差 範 囲4
三歯含〔yrs)身
長〔cm)
体重(kg〕BMIa
脛骨上縁高
1(
cm)
20
.
8
±2
.
9
165
.
8
± 9.
0
58.
O ± IO.
121
.
O
±2
.
7 42、
9 ± 2.
6 18−
29150−
18243
−
100
17.
5−
32,
037−
48…1Body Mass I冂dex
(kg/m り
,
1 床両一
.
・
脛 骨 上 縁 距離.
あ り
,
関 節
口∫動
域の測 定 な
ら びに標 示 法
にあ
る空 問的 垂
直
・
水 平 軸 を規 定
した角 度標
小 に類 似 す
る。
し た がっ て,
そ こ か ら解
か る こ と は,
体 幹
という胴 体
(T
〔}rso>
が ど れ だけ 前 方
へ傾 斜
している か という事 実
であ
る5)7,。
本
研 究
で は, シー
ト角 度
が立ち トが り動作
時の体幹 前
傾 に 及 ぼ す影
響
を2
次 元動
画解
.
析
シス テ ムに よっ て運動 学 的
(
Kinematics
)
に明
ら かにす
る こ とであ
る。対 象
と方 法
1
.
対 象
対 象
は健 常 若 年 者
52
名
〔男
26
,
女
26
) を被 験 者
と し た (平 均年 齢
20.
8
±2.
9
(
18
〜
29
) 歳 )。
被 験 者の身体
属 性
は表
1
に示
し た。
被験 者
は 全員 学
生 ボラ ン テ ィア であ り
,
明
ら かな神 経 筋 肉 系
及び骨
関節 系
の疾 患
を有
す るも
の はみ ら れ な かっ た,
被 験 者
に は,
研
究の 目 的 と内
容
を説
明 し て研
究参
加
へ の同
意 を得
た。
2
.
測 定 方 法
シ
ー
ト角 度
は車
いす 角度
の名 称
と定 義
〔シー
ト角
度 を“
正t−“
ゼロ’
t■“
負
tt
とし
て,
’
幽
IE”
は前 座 高 が 後 座 高
より高 く座 面 が 後 方
に傾 斜
・
,
“
ゼロ”
は座 而
が水 平
,
“
負
tt
は前座
高 が後
座 高 よ り低 く座 面 が 前 方 に 傾 斜 ) に し た が っ て,
後
傾10
度
,
後 傾
5
度
,
水 平
0
度
,
前 傾
5
度,
.
前
傾10
度の5
条 件
と し た。
立ち
上 がり動 作
に使
用 した椅 丁
は,
座面 高
が調 節
でき
る電 動 式 昇 降 椅
子(
コ ク ヨ,
ア シ ス タ ンド座 イ
スHE −CJES20K
) で あ る。
椅予
の仕 様
は座 幅
45cm
,
座奥
行43
.
5
cm,
肘
高24
.
5
crn,
背 高
78cm,
背
もたれ 角 度105
°
,
シー
ト角 度
4
°
,
昇 降
範 囲
11
.
5
〜
50cm
,
座 面
の材 質
は硬 質
ウレタンフ ォー
ム 張 りであ
る。 シー
ト角 度
の5
条 件
の設 定 は 合 板 と 角 材 を 椅 子 脚 部に挿
人 して行
なっ た。椅
r一
の前
座 高は常 に 脛骨
上 縁 高 と致 す る よ
う電動 昇 降装 置
で調 節
し て,
足底
が床
に接 地 す
る よう
に し た。
ま た,
座面
の奥 行
きは下 腿 後 面 と座面 前
部との問に2横 指の 隙 間 がで きる よう調
整し た。
立 ち 上 が り動 作 は 普 通の速 さで
,
足 を引 く位 置
を 規定
せず
,
背 も
たれ に寄
りか か ら ない椅 座位
か ら IIL位
まで と し た。
その際
,
両
上肢
は股 問 部
で両 手
を組
み上肢
の影 響
を受
け ない肢 位
と し た,各 被験 者
は数 回 練 習 し
た後
休
憩
を と りな
が ら各 座 面 角 度
での 立ち トが り 動 作 を2
回(
5
条 件
の シー
ト角
度
は ランダム化 処
理 し た)
ず
つ行
っ た.
二
動 作 解 析
は2
次
元動
画解
析
シス テム (ライ ブラリー
社
製
Carrot
)
を用
い て行
っ た。画 像
の取 り込
み は家 庭 用
デ ジタル ビデ オ カ メ ラ(
ソニー
社 製
)で撮影
し た 動 画 (サ ンプ リング 頻度
30
コ マ /秒)
をノン リニ アDV
編集
で き るDV
キャ プ チャソ フ トDVgate
で ノー
トパ ソ コ ン 〔ソ ニー
社 製 )
に取 り込
ん だ。2
次 元 座 標
の計 算
に はWindows
用
パ ソ コ ン ソ フ トMove−Tr32
/2D
(
ラ イ ブラ リー
社
製 ) を 用い た.
,
画 像 処 理 は2
次 元DLT
(
two
−
dimensional
Direct
Linear
Transformation
Method
) 法
によっ て
身体
5
箇 所
に 取 り付 け たマー
カを デ ジ タ イ ジン グ し た.
t/
マ
ー
カ は ビデ オ カメ ラ の ライト
に反 射 す
る専
hl
マー
カ (ラ イブ ラリー
社 製
直 径
4crn
> を
肩 峰
,.
1大
転
子,
大 腿 骨
外
側一
ヒ顆
,
:埀
〕.
外 果
,
第
5
中
足骨 頭
に そ れ ぞ れ 両面
テー
プで貼 り付 け
た。
デ ジタル ビ デ オカ メラ は
.
被 験 者
の右 方
5m
離
れ た所
か ら,
カメ ラの光軸 と椅
子の’
ド面
が直 交 す
る よう
に 三 脚 を 用いて座 面の高
さに合
わ せて設 置
し た。 キャ リブレー
シ ョ ン は床
血を計 測 座 標
の原 点 と
し て鉛 直 線
上の一
L
方
lm
で 行っ た。
各 被 験 者の デー
タ は 立 ち 上 が り動作
の2
回
H
の計 測 値
と し た。光学 的
昌1
測 法
に よる身 体動 作
0)画像 解析
は身 体 座 標 系
へ の変換
談差
が 大 きい の で,
原 則 的 に は3
次 元計
測法
が 望 ま しい。
し か し,
本 研 究 で は計測 指標
と なっ た体 幹 前
傾 が その運動
を 矢 状面
という単
一
平 而
に限 定
でき
る た め,
2
次 元 計 測 法 を 採
用 し た。
その理由 と
し て.
2
次
元剖測 法
は カメラ の位 置 を
運動
方 向
と光
軸
が直
交 するよう
に配概
す れ ば,
2
次 元DLT
法
に よっ て計 測 誤 差
の補 正
が
口∫能
であ
ること
。ま
た,
ユ台
の カメラ で撮影
し た画 像
をVTR
に よっ て取 り 込 みで き る 機 種であ れ ば,
被
験者
に 大 き な負 担
.
を か けず
に記 録 す
るこ とが
でき
る こと。 さ ら に は,
高 額
で大きな実 験 装 置 を持
たな
い高齢 者施 設
や在 宅
な どの フ ィー
ル ドにおい ても
デー
タを撮
ること ができ
る ことな
どであ
るδ1。
3
,
デー
タ の解 析
画 像
の計 算
デー
タを基
に角 度
(図1
)
と 時間
を指 標
と し た。
体 幹 前 傾 角 度
は立ち
ヒがり動 作
に お ける第1
相
の 動 作 開 始 か ら殿部 離床
までの体幹
前 傾角
度 を「
殿 部 離 床
期(
θD
」, 第2
相
の殿 部 離 床
か ら 立位 ま
でσ)体
幹 前 傾角 度 を 「
i乞
ち 上 が り 期 (θ2
)」
と して,
そ
れぞ
れ の最
大Y
軸 角 度
(肩 峰
一
大 転 予 線 とY
軸 との 間の角 度
) を 求めた.
下 腿 角 度は殿部 離 床 期
での 最 大Y
軸 角 度(
大シ
ー
ト角 度が立 ち上 が り動 作 峙の体 幹前
傾 に 及 ぼす 影響23
腿 骨 外 側
一
ヒ顆
一
外
果 線 と
Y
軸
との問
の角 度)
を求
め たtt 立 ち 上 が り動 作 時 間
は動 作
の開
始 と終 了 を椅 座 位
お よび 立位
で の体
幹前
傾角 度
OD
を 基 準
と して画 像
の シー
ン数 か ら算
出 し た。
ま た,
殿 部 離床
は大転 子 部
に取
り付
け た マー
カが
上方
へ動
き始
め た 時の画 像
シー
ン値
と し た。
得 ら れ た デー
タは統 計 解 析
ソ フトSPSS
(Dr.
SPSS
II
for
Windows
)
を 用い て分 散 分 析
(ANOVA
)
と多
重 比較
及
び重 回帰 分 析
に よっ て有 意 差
の検 定 を 行
っ た(
p<0.
05
)
。
結
果
1
,
計 測 精 度
と信
頼性
画
像 処
理の計 測 精 度 を検 討 す
る た め に,
ゴニ オメー
タ にマー
カ を 貼 り付 け て 撮影
した同
じ画 像
を20
回デ ジ タイ
ニ ン グ して再 現 性 試
験 を 行っ た。
図
2
−
a は ゴニ オメー
Y軸 Y 軸 θ1 Y軸 θ2 α 殿部離 床期 立 ち上 が り期図1 計 測
角
度 θ1
:殿 部 離 床期 体 幹前 傾 角 度 θ2 :立 ちL
が り期 最 大体 幹 前 傾 角 度 a :下 腿角度 立 ち.
トが り動 作の区 分は,
第
1
相が殿 部 離 床 期 (動 作 開 始か ら 殿部 離 床 まで),
第2相が 立 ち 上 がり期 (殿 部離 床 か ら立位 姿 勢ま で )で ある.
タ の基 本 軸
を鉛
直線
上
に置 き
,移 動 軸
を60
°
に し た時
の角
度
に対 し
て画像
.
ヒで計 測
し たY
軸 角 度
の正 規 確 率
プ ロ ット
であ
る。
プロ ッ トは ほ ぼ.
・
直線
に並 び 分 布 は 正 規分 布 型
を示
し た。
正 規性
の検 定
では,
60
.
1
±0
.
04
°
(
平
均値
±標 準 偏
差)
で,
K
〔}1mogorov−Smirno
輔 貪定
で は p=O.
200
,Shapiro
−Wllks
検 定
で はp
=0.
ユ69
と,
いず
れ の結 果
におい ても正 規 分 布
にし
た がっ てい た。
ま
た,
図2
−
b
には,
ゴニ オメー
タの角 度 を
O 〜
90
°
ま
で10
°毎
に20
回ず
つ マー
カを 貼 り直
して反復 撮
影
を行
い ,画 像
ヒで計
測 し たY
軸 角 度の 平均 値
と真 値 (
ゴニ オメー
タ の角 度 )
との相 関
を検 討
し た結
果を 示
した。
Spearman
の順 位 相 関係 数
は0
.
999
で,
両者 間
に有 意
の正
の相 関 関
係
が認
め ら れ た。
画像
一
L
で計 測
し たY
軸角
度の 信 頼 性 が得 られ
た。2
.
性
差 と 交 互作
用表
2
の モ デ ル1
は,
被 験者
の属性 因 予
であ
る年 齢
お よ びBMI
の性 別
に よ る差 を検 討
し た もので あ る。
そのt
値
は年 齢
0,
466,BMI
1.
272
であ り
,
いず
れも性 別
に よ る有 意
差 は み ら れ な かっ た。
ま たモデル2
に は,
シー
ト角 度 別
の殿 部離 床 期
〔
θ1
),
立 ち 上 が り期
(θ2
)
,
下 腿角 度
,
立 ち上
がり動 作 時 間
の性 別
との交
互作
用を
2
元配 置 分 散 分 析
のMauchly
の球 面 性 検 定
に よ る 結 果 を 示し
た。そ
のF
値
は 殿部
離床 期 (
θ1
)0,
990,
立ち
上 がり
期 (
θ2
)1
、
238
,
ド腿 角
度O
.
904
,
立 ち 上
がり動 作 時 間
0
,
423
で あ り, いず
れも両 者 聞
に は交
互作 用
は み ら れず
,性 別
による差 も み ら れ な かっ た。3.
体 幹 前傾 角 度
表
3
には,
男 女52
名
の シー
ト角 度 別
の体 幹
前
傾角 度
の結 果
を殿 部離 床
期(
θ1
)
と 立ち
上がり期
〔θ2
)
に 20151e500一
5一
10 ○一
15 597 59.
臼 599 600 601 602 603 604 605 真 値 観測1直 (’
} a 正規 確 率プロ ッ ト 90置
一
.
.
.
.
.
.
.
.
.
’
°
.
.
『
.
.
.
.
.
.
.
.
80 :ii
這
一
ノ
z
40i.
.
瀦
炉
lii
才
茎
一
。矗
/
、
.
.
..
、
.
.
.
.
.
.
、
.
.
.
.
.
一
.
、.
、
0 1D 20 30 40 50 60/
tt
− 一
計測 値 (t
) b 真 値 と計 測値との相 関 70 80r=
0.
999
一
真 値.
.
一
.
.
一
言1
測 値1
紲 議鮮
均 値.欄 、差、。,
、E
。 肺 礁 辮 は,一
・.
・… K、lm。9.,。。.
・・iMIOV
tfi
定・,
P−
・169 ・Shap
酬 ・・k
・齪)
・
bはゴニ オメ
ー
p<
0
.
05
〔Spearman の順位 相 関係 数 ).
図 2 計 測精 度と信 頼性
タによ る基準角 度
60
“
を20
回デジタイニ ン グ し て得ら れ た1由1
像.
ヒのY
軸 角 度の⊥E
規 確 率プロ ッ トである.
その平 均 は24
理学 療 法 学第
31
巻.
第亅号 分 けて示
し た、
,
殿 部 離 床 期 (
θ1
)
で は,
水 平
0
度
39
」士9
.
0
°
に 対 し て,
後 傾5
度43
.
9
±11
.
2
”
,
後
傾10
度48
.
6
±]O
.
3
で有 意
に増 大
し,
後傾
5
度 と後 傾
10
度 とでも有 意 差 が 認
め ら れ た。
ま
た,
水 平
0
度
39
,
1
±9
、
O
°
と前
傾5
度372
±8.
ブ とでは有 意 差
は見 ら
れず
,
前
傾10
度
36
,
6
±IO
.
5
’
と で は有 意
の減 少
が認
め ら れ た。
立 ち ヒが り期 (θ
2
)で は,
水 平
0
度
47
.
1
±9
.
.
2
:
に対
し て後
傾5
度
52
,
3
±12
,
2
°
,
後 傾
10
度
59.
]±1
上3D
で有
意に増
大 し,
前 傾
5
度
と 前 傾 ユ0
度 とで も有 意 差
が認
め られ た。
ま た一
方
,
水
’
FO
度
47
.
1
±9.
2
°
に対
し て前
傾5
度
43.
9
±9
.
6
°
及
び前 傾
10
度
42
.
6
±10
.
2
°
で有 意
に減
少 し た が,
前 傾
5
度
と前
傾10
度 とで は有 意 差
は みら
れな
か っ た。
4
.
下腿 角 度
お よ び 立 ち ヒが り動 作 時 間
表
4
は男女
52
名の シー
ト角 度 別
の下腿 角
度 お よ び 立 ち トが り動作 時 間
をみ たも
のであ
る.
下 腿角度
では,
水
平O
度
n
,
9
±6
.
6
°
に対
して,
後 傾5
度 ユO
.
7
±6
.
6
°
で有 意
差は み ら れ な かっ た が,
後 傾
10
度
7
.
7
±6.
プ
で有 意
に減
少
し た。
ま た,
水
」
f
−
e
度
ll
.
9
±6.
6
°
に対
して,
前
傾5
度
15
,
1
±5
.
7
°
と前 傾
10
度
17
,
3
±5
.
6
’
で有 意
に増 大 し
,
前
傾
5
度
と前 傾
10
度 と
で も有
意 差 が認
め ら れ た。立 ち上
がり動 作 時 問
では,
水 平
0
度
1
,
5
±0.
4sec
に対
して後 傾
5
度
1
,
7
±0.
5sec,
後
傾10
度ユ.
8
±0
.
5
sec で有
意
に延 長 した
が,
後 傾
5
度
と後
傾10
度
とで は有 意 差
は み ら れ な かっ た。一
方,
水 平
0
度
15
±0
.
4sec
に 対 して,
前
傾5
度
お よ び前 傾
10
度
とも
にL5
土0.
4
sec と なり
,
有
意
差は み ら れな かっ た.
表
2
性 差お よ び交互作 用 モ デ ル 1.
匸値 P‘
「ビi
、
年 齢 メ 別 BMI0
.
466
n.
s1272
n.
s モデル2
F値 P殿部 離
床
期 〔Ol
)’
ltl
、
「
s:ち ヒがり期 (θ2} 別 卜.
腿 角 度L
’
fち.
トがり動
で乍
時 間0
.
990
n、
sl
.
238
n.
s O.
904 11.
s O.
423 n.
s 「 t倹 定に よ る男女差,
分散分析
(ANOVA )の Mauchly の球面性 検定 に よ る 交bl作 用.
Il.
s :not signifiCant.
5.
体 幹
前 傾角 度
とBMI
,
下 腿 角 度
お よび 立 ち
ヒが り動作
時 問
との相 関 関 係
表
5
は,
体 幹 前 傾 角 度
とBMI ,
ド腿 角 度
お よ び立 ち
トがり動 作 時
聞 との間
の関 係
を明
ら か にす
るた め に,
男 女52
名
の体 幹 前 傾 角 度
(θ ユ,
θ2
) を
そ れ ぞ れ従 属 変
数 と して,
シー
ト角 度 別
に重
回帰
モ デ ルを作
成 し分 析
し た。殿
部 離
床
期
(
θ1
)
で は,
重
回帰 式
のR2
は後
傾5
度
0
.
374
,
水
L
卜0
度
0
.
201
,
前
傾10
度0
.
257
で関係
が有 意
と なっ たが,
後 傾
ユ0
度
O.
101
,
お よ び前 傾
5
度
O.
139
で は有 意
の関係
がみ ら れ な かっ たそこ で
,
有 意の関 係
が み ら れ た後
傾5
度,
水 平
0
度
,
表3シ
ー
ト角 度 別の 殿 部離床期
〔θU ,
立ち上 がり期〔θ2
) 〔n=
52)後
傾/0度 後 傾5
度 シー
ト角度 水 平 o度 前 傾5度 前傾10
度 θIlc
) F=
41、
3膨
θ2.
C
) F=
63
.
1
’
・
t8.
6 ± 10.
3
’
43
.
9
±t
12
’
59
」 ±11
.
3
’
52.
3 ± ]2.
2’
39.
1 ±9
.
0
47」 ±92
37
、
2
±8
.
736.
6 ± 10.
5‡
43
.
9 ± 9.
6’
42.
6
±10
.
2
’
Il 元 配 置 分 散 分 析〔ANOVA )と多重 比較 〔Durmett 法1
に よ る.
Dunndt の 1一
検 定は 〔水平0度 )を対 照と して扱い,
そ れ に 対 す る 〔後傾 10度),
(後傾5
度〕〔前傾5
度 ♪,
(前 傾 10度)を比 較し た.
(平 均 値±標 準偏 差 )“
p <0
.
05
表4シ
ー
ト角 度別の下 腿角 度,
立ちLが り動 作 時 問 〔n=
52) 後 傾10度 後 傾5
度 シー
ト角 度 水 平〔}度前傾 5度 前傾⊥
0
度 下 腿角度』
c
)F
=
58.
4*
立 ち 上が り動 作 峙問(s) F
=
11、
O
’
7.
7 ± 6,
7’
10.
7
±6
.
6
L8
± 0.
5” 1.
7 ± 〔〕.
5巾
ll.
9 ± 6.
6 工5
.
1
± 5.
7’
!7
.
3
±5
.
6
“
1.
5± 0.
41.
5±0
.
41
.
5± 〔}.
4「
1 元 配 置分 散 分析(ANOVA )と多重 比較〔Dunnett 法 )に よ る.
Dunnett の t一
検 定は 〔水 平O度 )を 対 照 と して扱い,
そ れ に 対 す る (後 傾 10 度〕,
(後 傾5度)C
前 傾 5度 ),
(前傾10度)を 比 較 した.
〔il’
均 値±標 準 偏差〕’
pく 0.
05シ