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試験分類優良品種等導入対策試験調査課題名中玉トマトの品種地域適応性試験実施期間平成 27 年度担当地域支援係 1 目的本市では 直売を中心に中玉トマトが生産されているが 秋の裂果が多く 食味が安定しないという実態がある 生産者要望により 裂果が少なく 糖度および酸度のバランスが良く食味が良い品種の選

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Academic year: 2021

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試験分類 優良品種等導入対策試験調査 課 題 名 中玉トマトの品種地域適応性試験 実施期間 平成 27 年度 担 当 地域支援係 1 目的 本市では、直売を中心に中玉トマトが生産されているが、秋の裂果が多く、食味が安定しないという実態が ある。生産者要望により、裂果が少なく、糖度および酸度のバランスが良く食味が良い品種の選定試験を行 った。 2 試験方法 (1) 試験ほ場及び規模 農業支援センターパイプハウス(PH-7) 180 ㎡、前年無作付 ア 土質・土性 礫質褐色低地土・粘土質 イ 試験規模 1 区 2.7 ㎡ 12 株 計8区 反復なし (2) 供試品種 8品種 1.シンディースイート(サカタのタネ) :標準品種 2.フルティカ(タキイ種苗) 3.シシリアンルージュ(パイオニアエコサイエンス);加工用 4.Mr.浅野のけっさく(渡辺採種場) 5.レッドオーレ(カネコ種苗) 6.CF ドルチェ(園芸植物育種研究所) 7.スーパーミディトマト(中原採種場) 8.アマルフィの誘惑(パイオニアエコサイエンス) (3) 耕種概要 ア 栽植法 ベッド幅 100cm、通路幅 160cm、株間 40 ㎝、(192.3 株/a)、千鳥2条植え イ 播種 4月 15 日(セル整形苗) ウ 施肥 5月 20 日 N=2.2,P2O5=1.7,K2O=1.5kg/a 全層施肥 追肥なし スーパーグリーン 380kg/a、IBS1 号(10-10-10)10.0kg/a、 ス-パーランド(7-4-3)16.7kg/a エ 定植 5月 28 日(透明マルチ) オ 収穫 7月 17 日から 10 月 13 日まで計 42 回 カ 防除 殺虫剤2回、殺菌剤2回 キ その他 石灰・ホウ素資材葉面散布は3回行い、灌水は灌水チューブ、誘引はテープナーを用いた。 (4) 調査方法 ア 収穫 月曜日、水曜日、金曜日の朝に週三回、おおむね完熟した果実を収穫した。果皮のひびわれ等 により規格外率が大半を占めるようになった時期に収穫を終了した。 イ 選別 20g 以下(「シシリアンルージュ」については 15g 以下)のものをSサイズとし、その他奇形や尻ぐ され等を規格外とし、それ以外は規格内とした。 ウ 糖度、酸度分析 7月、8月、9月に各1回ずつ、各品種からランダムに収穫し、2果以上をすりおろし、ガ ーゼで濾したものを1サンプルとし、各品種2サンプル(7月のみ4サンプル)を測定した。糖度は ATAGO PAL-1 により、酸度は ATAGO PAL-AC1 により測定した。

エ 食味試験 20 代から 60 代の男女を対象に、8月に3回行った。3回目の試験は、収穫後に常温で追 熟した果実を用いた。

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表1 各品種の初期、中間生育(調査株数;6株) № 品 種 名 初期生育、6 月 2 日調査 中間生育、6 月 29 日調査 発芽率 第一花房 節位 草丈 節間 草丈 茎径 葉長 % cm cm cm mm cm 1 シンディースイート 100.0 7.0 45.7 6.6 114.0 13.5 11.8 2 フルティカ 93.3 6.2 38.5 6.3 103.5 13.0 10.5 3 シシリアンルージュ 93.3 6.6 39.7 6.1 109.8 12.8 13.8 4 Mr.浅野のけっさく 93.3 6.7 39.2 5.9 100.0 15.8 12.8 5 レッドオーレ 100.0 7.3 34.3 4.7 94.8 14.8 12.8 6 CF ドルチェ 100.0 6.8 38.2 5.6 99.2 17.3 13.3 7 スーパーミディトマト 100.0 6.2 42.8 7.0 119.0 13.2 11.3 8 アマルフィの誘惑 86.7 6.3 41.7 6.6 120.8 13.2 11.3 ※1 発芽率は全株調査 ※2 茎径は第一花房と直下葉の中間の短径 ※3 葉長は第一花房直下葉の長さ 3 生育状況 茎径は終始太く生育した。生育中期から、草丈の伸びは、「シンディスイート」「アマルフィの誘惑」が早かっ た。「レッドオーレ」は生育が緩やかで、節間が短いため、葉が良く茂り、果実を覆う影が多いように見られ、実 の色づきが遅かった。「シンディスイート」「アマルフィの誘惑」は7月中旬からホウ素欠乏とみられる症状が発 生し、その後尻ぐされが多く発生した。この2品種は上記のとおり草丈の伸びが早く、急激な生育に対応しき れなかったこともホウ素欠乏や尻ぐされが発生した原因と推測された。 裂果は、7月から8月には垂直方向に、8月には放射状に、9月には水平方向に発生した。尻ぐされは7月 下旬から発生し、8月中旬から増加した。7月下旬からグリーンショルダーが発生し、「レッドオーレ」で実の広 範囲に発生した。9月上旬から色づきが遅くなった。 病害虫は、灰色カビ病が8月下旬から、アザミウマと思われる果実の食痕と葉かび病と思われる症状が収 穫終了間近に一部で確認された。 表2 収量・収穫段数 (調査株数;12 株) № 品 種 名 収穫 段数 規格内 収量 収穫個数 平均果重 収穫個数 果房収量 kg/a 個/株 g/個 個/段 g/段 1 シンディースイート 7.8 794.5 103.2 30.8 13.2 405.7 2 フルティカ 8.3 879.3 86.0 40.9 10.4 426.3 3 シシリアンルージュ 8.5 731.8 124.1 23.6 14.6 344.4 4 Mr.浅野のけっさく 8.8 783.8 86.3 36.3 9.9 358.3 5 レッドオーレ 8.5 746.2 78.4 38.1 9.2 351.1 6 CF ドルチェ 8.7 624.7 56.3 44.4 6.5 288.3 7 スーパーミディトマト 8.0 594.2 74.3 31.0 9.6 297.1 8 アマルフィの誘惑 7.6 386.0 45.3 31.9 6.4 203.6 ※規格内収量は一般的栽植密度である250株/aで換算

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表3 月別一果重及び裂果個数(調査株数;12株) № 品 種 名 一果重 裂果個数 7月 8月 9月~ 10月上 平均 7月 8月 9月~ 10月上 合計 g 個 1 シンディースイート 29.8 32.0 28.6 30.1 0 1 11 12 2 フルティカ 40.1 44.2 34.1 39.5 0 3 51 54 3 シシリアンルージュ 24.5 24.3 21.1 23.3 0 1 58 59 4 Mr.浅野のけっさく 32.3 37.2 35.5 35.0 0 0 54 54 5 レッドオーレ 38.5 40.3 33.7 37.5 6 45 245 296 6 CF ドルチェ 51.7 48.7 28.9 43.1 0 73 365 438 7 スーパーミディトマト 27.2 31.6 31.5 30.1 0 13 76 89 8 アマルフィの誘惑 30.4 33.5 28.7 30.8 0 37 13 50 表4 月別収量 (調査株数;12株) № 品 種 名 7月 8月 9月~ 10月上 規格内 収量 シンディス イート対比 裂果 その他 規格外 総収量 kg/a kg/a kg/a kg/a - g/a g/a kg/a

%※ % % % % % % % 1 シンディースイート 129.1 494.6 170.8 794.5 7.9 98.1 9.01 14.3 54.9 19.0 88.2 - 0.9 10.9 100 2 フルティカ 110.2 564.4 204.8 879.3 38.6 74.7 9.93 11.1 56.9 20.6 88.6 110.6 3.9 7.5 100 3 シシリアンルージュ 97.9 489.8 144.1 731.8 20.3 104.5 8.57 11.4 57.2 16.8 85.4 92.1 2.4 12.2 100 4 Mr.浅野のけっさく 65.9 499.6 218.4 783.8 41.5 139.5 9.65 6.8 51.8 22.6 81.2 98.6 4.3 14.5 100 5 レッドオーレ 78.6 460.3 207.3 746.2 259.4 123.3 11.29 7.0 40.8 18.4 66.1 93.8 23.0 10.9 100 6 CF ドルチェ 93.7 434.5 96.5 624.7 363.7 75.7 10.64 8.8 40.8 9.1 58.7 78.6 34.2 7.1 100 7 スーパーミディトマト 87.2 365.3 141.7 594.2 59.9 66.6 7.21 12.1 50.7 19.7 82.5 74.7 8.3 9.0 100 8 アマルフィの誘惑 101.9 239.9 44.2 386.0 32.1 234.7 6.53 15.6 36.7 6.8 59 48.6 4.9 36.0 100 ※1 %は月別収量を総収量で割ったもの。 ※2 規格内収量は一般的栽植密度である250株/aで換算

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図1 月別糖度(Brix(%) ) 図2 月別酸度(クエン酸(%)) 図3 月別糖酸比 ※12から15が食味のバランスが良いとされている 図4 食味試験結果(甘み) 図5 食味試験結果(酸味) 図6 食味試験結果(見た目) 図7 食味試験結果(総合) ※図4から7 (1)「シンディスイート」を標準品種(並3)とする相対評価(劣る1、並3、優れる5)。(2)調査日、 調査人数 ①8月5日、4名②8月28日、11名③8月31日、5名(28日に収穫したものを常温追熟)

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表6 食味試験詳細(参考情報、調査日;8月5日、調査人数;試験担当者1名) № 品 種 名 甘み 酸味 味の濃 さ みずみ ずしさ 肉質 皮の硬 さ 見た目 総合 1 シンディースイート 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 2 フルティカ 4.0 3.3 3.0 5.0 2.0 2.5 4.3 4.0 3 シシリアンルージュ 3.0 2.5 3.0 2.0 5.0 2.5 4.3 2.6 4 Mr.浅野のけっさく 2.8 3.5 3.0 3.0 2.0 2.5 3.8 2.8 5 レッドオーレ 2.5 4.3 5.0 3.0 3.0 2.5 3.3 3.0 6 CF ドルチェ 2.5 4.3 3.0 3.0 3.0 3.0 3.3 2.1 7 スーパーミディトマ ト 3.0 2.8 3.0 3.0 3.0 2.0 2.8 2.8 8 アマルフィの誘惑 3.0 3.8 4.0 2.0 3.0 3.5 3.3 2.8 ※甘み、香り、酸味、肉質…弱 1~強 5、みずみずしさ…少 1~多 5、皮の硬さ…軟 1~硬 5、見た目、総合…不良 1~良 5 4 調査結果 (1) 収量 表2のとおり、可販収量が多かった品種は「フルティカ」ついで「シンディスイート」および「Mr,浅野のけっ さく」、少なかった品種は「アマルフィの誘惑」ついで「スーパーミディトマト」となり、品種間差が大きかっ た。裂果の量が多かった品種は「CF ドルチェ」ついで「レッドオーレ」となった。少なかった品種は「シンディ スイート」「シシリアンルージュ」となった。 (2) 糖度、酸度 図1のとおり、平均糖度が高かった品種は Mr.浅野のけっさく、ついで「レッドオーレ」および「CF ドルチェ」 となった。図3のとおり、バランスが良いといわれる糖酸比が平均 12 から 15 となった頻度が高かった品 種は「フルティカ」および「Mr.浅野のけっさく」となった。 (3) 食味試験 図4から7のとおり、「フルティカ」がやや優れ、「Mr.浅野のけっさく」「レッドオーレ」が標準品種「シンディ スイート」並となり、あまり差がつかなかった。それ以外の品種は「シンディスイート」を下回る結果となっ た。甘みは「フルティカ」見た目は「シシリアンルージュ」が優れ、酸味は「CF ドルチェ」が強いという評価と なった。 5 考察 本試験においては、「フルティカ」「シンディスイート」が有望であると判断した。 「フルティカ」は、「シンディスイート」並の食味があり収量が最も多かった。糖度の数値としては低いが、糖 酸比のバランスが良く、食味は他品種に劣らない結果となった。「シンディスイート」は、収量が多く、尻ぐさ れが多いものの裂果が最も少なかった。 生産者からは高糖度トマトを求める声が強く、数値として購入者に示しやすい利点はあるものの、おいしさ を アピールしていくのであれば、糖度の高さにこだわる必要はないと考えられる。 「レッドオーレ」は、節間が狭く葉が良く茂り、果実の上に影が多いため、裂果を抑制する遮光効果は高か ったと推測するが、最終的に裂果が二番目に多い結果となった。しかし、総収量は最も多く、管理次第で 規格内収量はより増えると考えられる。 本試験の裂果および、尻ぐされが発生した原因は、日射量や土壌水分量の変化も影響していると推測 され、 さらなる試験が必要である。

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6 本試験における各品種の特徴 (1) シンディスイート 発芽勢が優れていた。初期収量が最も多かった。規格内収量の割合が高かった。裂果が最も少なか っ た。8月の糖度は最も高かった。8月、9月の糖酸比、食味が優れていた。 生育初期から後期まで成長が早く、節間が長かった。ホウ素欠乏とみられる症状、尻ぐされの発生が 多かった。一果重がやや小さかった。 (2) フルティカ 初期収量が多かった。規格内収量、各花房あたりの収量が最も多かった。規格内収量の割合が最も 高かった。皮が薄く、一貫して甘みが強く感じられ、糖酸比、食味が優れていた。 生育初期は葉が小さかった。一果重が大きかった。収穫初期の糖度、平均糖度および酸度が低かっ た。 (3) シシリアンルージュ 株あたり、花房あたりの収穫個数が最も多く、一果重が小さい割には収量が多かった。見た目の評価 が高かった。 一果重が小さく、時期を通して重さは一定であった。加工用品種ということもあり、糖酸比、生食の食味 は劣った。収穫初期の糖度が低かった。 (4) Mr.浅野のけっさく 初期生育が揃った。一貫して糖酸比が優れていた。 初期収量が最も少なかった。9月以降の収量が最も多かった。9月以降の一果重は最も大きかった。 (5) レッドオーレ 初期生育が揃っていた。発芽勢が優れていた。平均糖度が高かった。 生育初期の草丈が低く、初期から後期まで節間が短かった。色づきが遅く、高温期の色ムラが発生し た。裂果が多かった。総収量は最も多かった。平均酸度が高かった。 (6) CF ドルチェ 発芽勢が優れていた。一果重が大きい割には収量が少なかった。平均糖度が高く、8月、9月の糖酸 比が優れていた。 初期生育が揃わなかった。一果重が最も大きく、特に7月の一果重が大きいが、9月以降は他品種よ りも小さかった。裂果が最も多く、花房あたりの収穫個数が少なかった。総収量は多かった。平均酸度が 高かった。 (7) スーパーミディトマト 発芽勢が優れていた。 生育初期の草丈が高かった。規格内収量が少なく、各花房あたりの収量が少なかった。平均酸度が 最も低かった。平均糖度が低かった。 (8) アマルフィの誘惑 初期は生育が揃わなかった。9月の糖度が最も高く、平均糖度が最も高かった。 発芽勢が劣った。草丈の伸びが早く、花房間が長かった。ホウ素欠乏とみられる症状、尻ぐされの発 生が多かった。規格外率の割合は最も高く、約 41%に達し、規格内収量が最も少なかった。花房あたり の収穫個数、収量が最も少なかった。7月、9月の酸度が最も高く、平均酸度が高かった。皮が硬く、酸 味が強く感じられ、食味は劣った。

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7 写真 (1) 裂果果実(撮影時期;左から7月、8月、9月) (2) 規格内果実 1 シンディスイート 2 フルティカ 3 シシリアンルージュ 4 Mr.浅野のけっさく 5 レッドオーレ 6 CFドルチェ

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7 スーパーミディトマト 8 アマルフィの誘惑

(3) 定植後外観(撮影時期;6月)

1 シンディスイート 2 フルティカ

(9)

5 レッドオーレ 6 CF ドルチェ 7 スーパーミディトマト 8 アマルフィの誘惑 (4) 最盛期外観(撮影時期;8月) 1 シンディースイート 2 フルティカ

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3 シシリアンルージュ 4 Mr.浅野のけっさく

5 レッドオーレ 6 CF ドルチェ

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