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広島県宮島の小哺乳類-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川生物(KagaWaSeibutsu)(25)‥5−6,1998・ 広島県宮島の小暗乳類

川 口

〒760−8522高松市幸町1番1号 香川大学教育学部生物学教室

SmallMammalsonMiyajimaIsland,HiroshimaPrefecture

SatosbiKawaguehi,βわわgicαgエαわorα紬′γ,Pbc乙‘如0/戯Z弘Cα£わ花,励gα∽αび花まuers如, 乃ゐαmαとS弘760−∂∂22,ノ叩α花 ・尾長(TL)・後足長(HFL)および・モグラ 塀についてほ前足長(FFL)を測定した。頭胴 長と尾長の起点ほ肛門とした。測定にほプラス チック製ものさしとディバイダー・を用い,目分 量で0−1mmまで読みとった。その後,実験室に もちかえり,体重(BW)を電子天秤(最小目 盛0.01g)で0..01gまで測定した。さらに,モグ 金子(1980,1992)ほ,本州・九州小四国の 44属島におけるアカネズミ4po(ge7乃弘S軍eC£osαS とヒメネズミA..α′ge花己e弘Sの分布を調べ,−・般 に面積が10k戒以上の島にアカネズミが分布し, 150k戒以上の島にアカネズミとヒメネズミの両 種が分布するという結果を示した。 さて,広島県の宮島ほ面積301.39kdであり, 金子(1980,1992)の結果に従えば,アカネズ ミほ棲息するがヒメネズミは棲息しない面積と なる。ところが湯川(1973)によると,『知人 の調査した佐伯郡宮島町でほ,アカネズミが圧 倒的に多く80%前後を占め,残りがヒメネズミ のようである』と伝聞情報のみを示している。 これが事実であれば,金子(1980,1992)の結 果に反する。そこでヒメネズミ棲息の有無を検 討しようと,今回調査をおこなった。本短報ほ, アカネズミ・ヒメネズミおよびコウべモグラの 正式な報告である。 採集は,1996年10月26∼28日の2晩にかけ, 宮島の標高320∼335mの広葉樹林内でおこなっ た(図1)。26日の午後,林床にパンチュート ラップ234個,林内のモグラ坑道の1カ所濫簡ワ ナ2コを設置した。翌日これらをすべて回収し, 再びパンチュートラップを同一・地点に234個設 置した。28日の朝,これらをすべて回収した。 ネズミ用のえさとして,1.5cm四方程度に切っ た市販の薄切り豆腐の油あげを下にひき,その 上に1い5cm程度の棒状のドッグ■フードを重ねた。 採集した」Ⅶ甫乳類ほ,直ちに頭胴長(HBL) 図1,採集地点 −5−

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多かった。同島にほニホンジカCeruαS花なpo花 が生息し,草を食むため,林床にほ下生えが少な い。そのため,開けた林床でほ身を隠すところが なく,ネズミ類ほ出現しにくいと思われる。また, 描獲したアカネズミの割合ほ37..5%となり,湯ノJl (1973)と異なる。この理由ほ不明である。 今回の採集調査により,アカネズミとヒメネ ズミの両種が出現する可能性のある島の面熟ま 少なくとも30..39k戚以上となる。また金子(199 2)より,ヒメネズミほ面積が150撼以下の島で も,金華山(宮城県)・粟島(新潟県)・西ノ 島(島根県)において出現していることが分か る。よってヒメネズミの出現ほ,島の面積だけ に関係しているのでほなく,島の他の環境条件 も関わっていると推測される。 コウべモグラほ,採集時にほすでに.死亡して いた。モグラの坑道ほ林床だけでなく,登山道 や遊歩道にも多数見られた。同島における他の 食虫類の記録ほ,著老の知る限りないようであ る。 今回の報告をまとめるにあたり,香川大学教 育学部教授金子之史先生にほ,ご指導や貴重な 文献をいただいた。ここに感謝の意を表する。 引 用 文 献 阿部 永・石井信夫・金子之史・前田菩四雄・ 三浦惧悟・米田政明.1994小 日本の哺乳額. 東海大学出版会.東京〃195pp. 金子之史..1980“与島および楷石島の小哺乳類 について.昭和54年度−・般国道(香川県側) 自然環境調査報告書:17−35小 一 ‖1992.四国における野ネズミ3種の 地形的分布:日永生物地理学全会報 47(16) :127−141“ MotokawaM.andH.Abe.1996いMammaユStudy 21:115−123. 湯川 仁“1973.広島県の野ネズミとその被害. 野ねずみ118:6−8.. 表1..アカネズミ(As)・ヒメネズミ(Aa) コウべモグラ(Mw)の計測値 後足長 番号 種名 性別 体重 頭胴長 尾長 [g] [mm] [m] [m] 350 Aa ♀ 1774 85.6 85.0 192 351 Aa ♀ 15,03 81.4 83..6 1臥8 352 Aa ♀ 12.09一卜α 85‖6 84..0 18.3 353 Aa ♀ 1910 85..0 83..0 176 354 Aa ♀ 16。90 87.5 89,.5 18.0 355 Aa ♂ 1342 81.9 60,3・十α ほ4 362 Aa ♀ 1762 81.6 92.6 19=0 365 Aa ♂ 1584 83.8 84..2 191 367 Aa ♂ 14.01 84.0 弧0 184 368 Aa ♂ 18.34 85.7 86.9 19..6 369 Aa ♀ 18,62 902 873 19..6 371 Aa ♂ ほ15 845 933 19,.9

372 Aa ♀ 1268+α 794 888 19‖6

373 Aa ♀ 18..38 83.1 91.1 19..6 374 Aa ♂ 1794 876 88.3 19‖6 357 As ♂ 49.13 122.0 1柑,0 25.6 358 As ♀ 45..19 1178 1032 23“0 359 As ♀ 47。92 114.9 1056 24.0 360 As ♀ 4462 1147 105..0 24.0 361 As ♂ 4010 117.0 100。4 246 363 As ♀・ 4570 1206 67.6+α 242 364 As ♂ 38.78 1126 95,6 233 366 As ♀ 49.63 1ほ9 1171 246 370 As ♀ 43.48 113.7 109さ 232 356 Mw ♂ 7560 150.6 21.9 18…6 標本番号350∼356は1996年10月27日採集,標本番号35ト374 は1996年10月28日採集。標本番号356の前足長=18..0[m】 頭骨全長=36.6[ml。 ラほ繭腹し,生殖器から雌雄を判別した。また, 頭骨をとりだして除肉した後,頭骨全長(GLS) をノギスを用いて01mmまで測定した。 捕獲された小哺乳類ほ,アカネズミApodem弘S 箪eCわs弘S9頭,ヒメネズミA.α曙emとe弘S15頭, コウべモグラ〟ogerα∽Og弘rα1頭であった。こ れらの計測値を表1に示すb 種の同定ほ,阿部 はか(1994)によった。また,モグラの学名ほ, Motokawa&Abe(1996)に従った。 ネズミ類が描獲された地点にほ偏りが見られ, 潅木の密な所やシダの生えたところで措獲数が −6−

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