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KBr 基板上に作製されたバナジルフタロシアニン薄膜の結晶形態と非線形光学特性

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(1)

愛知工業大学研究報告 第37号B 平成14年

7

KBr

基板上に作製されたパナジノレフタロシアニン薄膜の結晶形態と

非線形光学特性

Morphologies and Nonlinear Optical Properties ofVanadyl-Phthalocianine

Th

白 血msPrepared on KBr

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愛知工業大学工学部電気工学科(豊田市) 竹 愛知工業大学工学部情報通信工学科(豊田市)

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愛知工業大学総合技術研究所 竹 村 名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 電 気 工 学 専 攻 (名古屋市)

(2)

愛知工業大学研究報告,第 ~)7 号 B平成 13 年, Vo l. ~)7-B, Mar, 2001 8 はじめに 1. へき開され、真空中 150"Cで1時間予備加熱を行ったものを パナジノレフタロシアニン(VOPc)薄膜が光スイッチ、光変調、 使用したコ蒸着条件を表1に示す。 光コンヒ。ュータ等の光素子として注目されている。VOPc薄膜 は分子線エヒ。タキシー(MBE)装置によりアルカリハライド、ガ 試料番号

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x

3R450 の平方格子を形成する ことが報告されているけ。 本論文では、2次,3次非線形光学定数の大きし、VOPcを 用い、KBr基板上にVOPc薄膜をMBE装置により作製し、 その形態、結品評価及び大きな単結品の作製とその非線形 光学性を検討した3単結晶の評価を反射高速電子線回折 但HEED)、 走 査 型 電 子 顕 微 鏡(8EM)、紫外・可視吸収 (UVNl8)スベクトノレより行った。また、メーカー・フ1}ンジ法 2) 2. 書式料および実験方法 原材料として EASTMANKODAK社製のパナジルフタロ により非線形光学特性を検討した。 ただし、各試料とも蒸着源温度は3000Cである。

シアニン(VOPθを用い、MBE法で薄膜を作製した。VOPc

Ts:基板温度、t:蒸着時間、d:膜厚を示す。膜厚は

u

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八118 分子の分子構造を図1に示す。 スペクトルのBバンド帯(380nm)の吸収ピークから見積もられ た:l)。 3.結果および考察 3・1VOPc薄膜の蒸着条件依存性 図2にVOPc粉 末(A)、KBR単独(明、試料l(D)のXRDス ベクトルを示す。 2 4 己 3 h ﹄同﹄“ -o h 司川]為叫 -m c o H Z

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一一一一→ 図1VOPc分子の分子構造 VOPc粉末(却、KBR単独何)、試料l(D)のXRD 図2 のスペクトル 試料はlO-8pa程度の真空中で、予備加熱温度300'Cで2 時間予備加熱された。基板としてはKBrを用い、使用直前に

(3)

9

基板上に作製されたパナジルフタ口、ンアニン薄膜の結晶形態と非線形光学特性 図4に蒸着時間60分で基板温度を変化させた試料2.5.8お (格子 KBr単独および試料lのXRDスベクトルは

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しも。また、Tadaら1)やHoshiら4)の報告とVOPc分子の

されていない。このことは VOPc分子が基板に対して平行配 径等を考えあわせると、KBr基板上に作製されたVOPc薄 膜 向していることを示唆するものである。 中の分子がKBr基板に対して平行配向していることが考えら 図5に基板温度80"Cで作製された試料 1、2および3の れる。また、他の試料についても同様な結果が得られた。以上 UV八,TISスペクトルを示す。 のことからKBr基板上に作成されたVOPc単結晶中のVOPc 分子が基板に対して平行配向していることが示唆された。 図

3

に試料

1

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像を示す。薄膜は徴結晶(グレン)より 制射器 なる連続膜であることを示す。 図5試 料 1、2および3のUVNISスペクトル 図

3

試 料

1

SEM

像 ら3)によるとエヒ。タキシ一成長した薄膜のスベクトル Ho白hi 作製された薄膜のVOPc分子の平行配1古]を

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スベクト には、810nmの波長でs最大の吸収ピークを持つことが報告さ

れている。試料1はこの810nmに吸収ピークを持つことから エヒ。タキシー成長した薄膜であることが理解できる。試料

2

3

の810四nにおける吸収ピークは減少し、780nm付近に吸収 の最大を示すことから、結晶成長がエヒ。タキシ一成長から歪 層成長へと変化したことが示唆される日。すなわち、蒸着時 聞の増加に伴って膜厚が増大し、薄膜表面の VOPc分子と KBr基板との相互作用が小さくなり、ミスフィットが生じたため と考えられる., 図

6

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(4)

10 愛知工業大学研究報告,第37号B,平成13年.Vo1.37・B,Mar,2001 図

6

試 料

2

SEM

像 像よりグレンが成長し、不連続膜で=あることがわかる。また、試 料 1の結晶に比べ大きくなってし唱。このことは、蒸着時間の 増大により基板上の VOPc分子が分子間カによって結晶成 長を促進しているためと考えられる。 基 板 温 度 150"C、蒸着時間 60分で作製された試料 5の

SEM

像を図

7

に示す。 図

7

試 料

5

SEM

SEM

像から各結品が0.2μm平方に成長し、かっ一軸方向 に配列していることが確認できる。蒸着時間 10分で作製され た試料よりも蒸着時聞が長くなったため、結晶境界が明確に あらわれ、結晶形状が3x 3R450 のエヒ。タキシー成長してい ることを示している。しかし、さらに蒸着時聞を延ばしても結晶 の大きさに変化は見られなかった。 次に、基板温度200"C、蒸着時間10分で作製された試料7 の

SEM

像を示す。像より0.2μm平方の種結晶(アイランドク リスタノレ)が離散的に存在し、配列には規則性が認められない。 このことは、基板温度が 200"Cと高温であるために、基板上の 分子運動が早く、アイランドクリスタルの成長が離散的に生じ たものと考えられる。 蒸着時間を60分として作製された試料

8

SEMt

象を図

9

に示す。単結晶の大きさはlx1xO.lμm3に成長し、3 x

3

R45

0 タイプの結品形状を示している。また、

UVNIS

スベク トルから810nmの波長で吸収が支配的であることが確認され、 分子運動に伴う基板と分子のミスフィットがなくなり試料8の単 結晶がエヒ。タキシ一成長したことを示していると思われる。 図

8

試 料

7

SEM

像 像より0.2μm平方の種結品(アイランドクリスタノレ)が離散的に 存在し、配列には規則性が認められない。このことは、基板温 度 が 200"Cと高温であるために、基板上の分子運動が早く、 アイランドクリスタルの成長が離散的に生じたものと考えられる。 さらに蒸着時間を60分として作製された試料8の

SEM

像を 図9に示す。単結品の大きさは1x 1 x 0.1μm3に成長し、

3

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0 タイプの結晶形状を示している。また

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ベクトノレから810nmの波長で吸収が支配的であることが確認 され、分子運動に伴う基板と分子のミスフィットがなくなり試料 8の単結晶がエピタキシ一成長したことを示していると思われ る。 図

9

試 料

8

SEM

像 さらに蒸着時間を長くすると、作製された試料は歪層成長する ことが確認された。 基板温度250"C、蒸着時間10分で作製された試料10の

(5)

KB:r基板上に作製されたパナジルフタロシアニン薄膜の結晶形態と非線形光学特性 11 SEM像を図 10に示すり 図10試料 10のSEM像 結品は1μm平方の大きさまで成長し、かっ単結晶が離散的 に存在していることが認められる。基板温度が高くなったため に基板上の分子運動が容易になり、大きな単結晶へ成長した 要因ととなったものと考えられる。さらに蒸着時聞を長くすると 単結晶がルーフライク形状を示し、3x 3R45'"タイプの結晶 で、結晶サイズが大きくなることが確認された。しかし、 UVNISスベクトルから、810mnの波長での吸収ピークが長 波長側にシフトするため、エヒ。タキシ一成長がやや乱されるこ と考えられる。 以上のように、基板温度と蒸着時聞をうまく組合せば高温で 基板上でもエピタキシ一成長した VOPc薄膜の単結晶が得ら れることを示した。 3-2VOPc簿醸の非韓形光学特性 エヒ。タキシ一成長した薄膜は2次高調波を発生する-1)。そ のためにエヒ。タキシ一成長させることが非常に重要で、ある。ま た2次、3次の高調波強度は膜厚の二乗に比例することが知 られており6)膜厚の厚い単結晶を作製することも重要である。 ここで用いた試料の作製については、最もエピタキシーする 基板温度200'Cをもちいてた。蒸着条件を表2に示す。 表

2

各試料の蒸着条件と膜厚 試料番号 蒸着時間(分) 熱処理時間(分) まく厚(nm) I 13 60

35 14 60 60 35 15 60 120 35 16 60 180 30 17 120

70 18 120 60 65 19 180 60 100 20 180 120 100 21 200 180 125 3-2.1VOPc薄麓の熱処理効果 蒸着時間60分、熱処理なしの試料13のSEM像を図 11 に、RHEEDパターンを図12に示す。 図11 試料13のSEM像 SEM像より単結品の大きさが0.4x 0.65x 0.035μm3に成 長し、長方形の単結品を示している。これは正方形の単結晶 が合併し成長した可能性を示唆している日。RHEEDパター ン[基板の(100)方向へ入射]の輝線の間隔(Imm)からa軸方 向への分子配列を求めると、、a軸の格子間隔が1.4nmとなり、 エピタキシ一成長の格子間隔と一致した。このことから、分子 運動に伴い基板と分子のミスフィットがなくなりエヒ。タキシ一成 長していることを示している。熱処理時間を長くして作製され た薄膜は歪層成長することが実験結果より確認されている。こ のときの単結晶の大きさは1x lx 0.03μm3.となっている。

(6)

12 愛知工業大学研究報告白第37号E平成13年,Vo1.37・B,Mal'.2001 図13試料18の

SEM

1

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n

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図12試料13の

RHEED

パターン

1

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図14試 料18の

RHEED

パターン 蒸着時間12分、熱処理時間60分で作製された試料18の

SEM

像、

RHEED

パターンを図13、図14にそれぞれ示す。 蒸着時間を180分として作製された試料19では、1時間の熱 単結品の厚さが試料13に比べ約2倍程度(65nm)の単結晶 処理を施しでもミスフィットが解消されず、単結晶がルーフライ に成長していることがわかる。

UVMS

スベクトルの結果から ク形状を示した。しかし、2時間の熱処理(試料20)を行うと図 試料18がエピタキシ一成長していることが確認された。

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15に示すように単結品の大きさが5x 5 x 0.1μ m3まで成 らりによると KBr(lOO)基板上にエヒ。タキシ一成長させた 長した。 VOPc薄膜の膜厚依存性の結果から、約64nm以上の膜厚 ではエピタキシー成長しないことを提唱している。しかし、今回、 65nmの厚さでもエヒoタキシ一成長していることが示された。こ のことはKBr基板上に作製されたVOPc薄膜の作製条件に おいて、今まで用いられていなかった高温(200"(;)基板への 蒸着、さらに作製された単結晶を高温(200"(;)で熱処理を行 った結果と考えられる。すなわち、このような条件のもとでは基 板上のVOPc単結品の内部のVOPc分子が移動し、単結品 内部でのミスフィットが解消されたためと考えられる。 図15試料20の

SEM

像 このように大きなVOPc単結品が成長する過程については、

(7)

KBr基板上;こ作製されたパナジソレブタロ、ンアニン薄膜の結晶形態と非線形光学特性 13 蒸著後、試料に熱処理を施すことにより、熱処理中に基板上 前述の結果より、試料 18はエヒ3タキシ一成長した単結晶、試 のVOPc微結晶がマイグ、レーシ'ヨシ子ながら集まり単結品が成 料19は歪層成長した単結晶を示している。エピタキシー成長 長、次に複数個の成長したVOPc単結品が合併して大きな単 した単結晶は結晶中のVOPc分子が分極軸を I也氏100)基 結晶に成長したものと考えられる3試 料 20の 単 結 品 は 板上の法線方向に揃って配向している 1)こと、結晶が4mm

u

v

八TISスペクトル、RHEEDの結果からエピタキシ一成長し 対称である 7)ことから非線形定数【!33、d31二次高調波へ ていることがわかった。 関与していることが考えることが出来る 8)。エヒ3タキシ一成長 また蒸着時間を4時間、熱処理時間を 3時間として作製さ した単結晶のSH強度が入射角依存性を示すことから、SHの れた試料21では、図16に示すように単結晶が合併し、連続 発生が単結晶表面だけでなく、単結晶のバルクからも発生し 膜に近い形状を示した。また

UVNlS

スペクトルの結果からは ていることが示唆されるョ歪層成長した挙結品において、 エピタキシー膜に近い準エヒ。タキ、ンー膜構造を有することが VOPc単結晶の表面近傍で面内配向が存在しなければ SH 考えられた。試料21の膜厚は125nmであった。 光は発生し,ない。実験事実としてSH光が検出されていること から、表面近傍に乱れが存在し、

t

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内配向がVOPc単結品の 表面近傍に存在すると考えざるを得ないっ前述の実験結果か ら面内配向にも乱れが存在していることから、SH強度が角度 依存性を示さず、かつ非線形光学定数が決定できない6)9)。 図 17に試料 18(エヒ。タキシー薄膜)、試料 19(歪層薄膜) および首料21(準エピタキシー薄膜)のP偏光の入射レーザ 光による入射角に対するTH強度を示す。 図16試 料21のSEM像 3・2.2 VOPc簿震の非線貴重光学特性 図17に試料18および試料19について、メーカ・プリンジ法 によって

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偏光されたレーザ光入射による二次高調波強度の 入射角依存性を示す。 。日1 {L008

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191 0.02 ヨ(J tc -:W -2(J :U ~) ¥(1 :!(l山 !C 五() .;:lf~ ll'[dt'日 図18試 料18、試料19およひ稿料21のTHG 各試料の膜厚とTH強度の比からTH強度が膜厚の二乗に 比例してしも結果が得られた。このことは歪層単結品がエヒ。タ キシー単結晶と同様なノfッキング密度を有していることによる ものと考えられる。試料18は試料21のTH強度よりχ(3)を

(8)

14 愛知工業大学研究報告,第37号旦平成13年,VoU37・B Fangら10)の計算式から求めると、両試料ともχ(3)は9,5x 10-10esuとなり Fangら10)によって報告されている 2,8x 10-10 esuより約3倍の大きさになった。この値はVOPc単結 晶の光デバイスへの応用を考えたとき、非常に重要なものとな る。 4. まとめ 1) KBr基板上に作製されたVOPc薄膜は基板温度、蒸 着時間を選ぶことによりエヒbタキシ一成長することがわ かった。(基板温度 800Cで蒸着時間 10分、基板温度 200'tで蒸着時間10分)すなわち、基板温度が80't 以下でなければエピタキシ一成長しないと報告されて いたが 80't以上で、もエピタキシ一成長することがわか った。このことは、基板温度が高 ~\l: 、基板上の VOPc 分子が蒸着中に移動し、蒸着時聞が適切であればエヒ。 タキシ一成長した結晶を形成することを意味するもので ある。 2) VOPc薄膜の構造評価より、大きさが1x 1x 0.1μm3 のエピタキシー成長したVOPc単結晶が得られた。 3) 基板温度200"C、蒸着時間180分で作製されたVOPc 薄膜を200'Cで120分間熱処理をすることによりさらに 大きなエピタキシー単結晶が得られた。 (5x 5 x 0,1μ m3 )

4

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エピタキシー単結晶および歪層単結晶のTH強度が膜 厚の 2乗に比例した。このことから歪層単結品がエヒ。タ キシー単結晶と同様なパッキング密度であることが示唆 された。 5) TH強度から計算されたχ(卸値はS.Fangらによって 報告されているVOPc単結晶のχ(3)値より約3倍の値 が得られ、光デバイスへの応用には重要な値であると 思われる。 参考文章案

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参照

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