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造岩鉱物の組成・組織が残積土の理工学性に及ぼす影響-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 第41巻 第2号159∼167,1989

造岩鉱物の組成・組織が残横土の

理工学性に及ぼす影響

横瀬広司,山田宣良

EFFECTS OF MINERAL COMPOSITION AND TEXTURE

OFPARENTROCKON PHYSICALAND

ENGINEERINGPROPERTIESOFRESIDUALSOIL

HirojiYoKOSEandNoriyoshiYAMADA

Inthispaper,relationshipsbetweenthemineralcompositionandtextureofparentrockand thephysicaland

englneenngprOpertiesofresidual?Oilareresearched,uSing21samplesofsoilderivedfromlgneOuSrOCkinKAGAWA prefecture Experimentswithspecificgravity,meChanicalanalysis,COnSistencylimits,COmpaCtionproperties,Shearstrength andcompressivestrengtharemadeonthevariousresidualsoilsderivedfromgranite,diorite,rhyoliteandandesite, respectively Theresultsaresummarizedas董01lows: (1)Mineraltextur’eOfparentrockinfluencessignificantlyonthephysicalandengineeringpropertiesofresidualsoil, andingeneral,reSidualplutonicsoilshavethepr・Opertiesoftypicalsandysoil (2)Mineralcompositionofparentr’OCkinfluencespartiallyonthephysicalandengineeringpropertiesofresiqual

SOil,andresidualacidicsoilstendtoobtainthepropertiesofsandysoiltosomeextent

Basedontheabove,itprovedusefultoidentifythesortofparentrockofresidualsoilsforapplicationuse

本論文では,香川県下の21種類の火成岩風化残横土について,母岩の鉱物組成,組織と土の理工学性との関係を検討した. 実験は花崗岩,閃緑岩,流紋岩,安山岩の各風化残積土を対象にして,比重,粘度,コンシステンシ1−−,締固め特性,労断強 度,−・軸圧縮強度の各試験を行った. 結果は次のとおりである. (1)母岩の鉱物組織は残横土の艶工学性に顕著な影響を及ぼし,深成岩の風化残債土は典型的な砂質土となる. (2)母岩の鉱物組成は残横主の理工学性にある程度の影響を及ぼし,酸性岩の風化残横土は砂質になる傾向がある. 以上の結果,残棋士を利用する場合には,まずその母岩に着目することが有意義であることがわかった. 緒 言 近年,わが国では山地,丘陵地の開発が広範囲にわたって進展しており,瀬戸内沿岸でも農用地,宅地,エ場用 地などの造成や,それに伴う道路の施工などが山地,丘陵地に広がりつつある. これらの地域には種々の風化残横土が分布しており,その理工学性に関する研究も進展してきている.たとえば

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160 香川大学農学部学術報告 第41巻 第2号(1989) 筆者ら(1)は,香川県下の18種類の風化残積土について,6種類16項目の物理・工学性実験を行い,母岩別に砂質土と 粘性土とに分けることが適当であ点こ′とを示しね∴ふ その他,・一腰に花崗岩風化残横土(マサ)に関する研究は奴多くあり,専門審として刊行されている(2)が,その他 の岩種については断片的なものが多く,母岩別に比較検討した文献(3)にも試料数などに不十分な点が多い. そこで筆者らは,残横土の母岩の造岩鉱物私署冒し,その組成,組織の違いが土の理工学性に及ぼす影響を把捉 しようと試みた.それによって,風化残横土の理工学性を規定するメカニズムがある程度明らかにできるものと考 える. 試料の採取 本研究をすすめるに当り,対象とする土は火成岩由来の風化残横土とした.一腰に火成岩は図−1のように分類 されており,分類の基準は造岩鉱物の組成(図叫1の左右方向)と組織(図−1の上下方向)であることがわかる. これらのうちで,半深成岩は香川県下における分布が狭小であることから対象外とし,同様に塩基性岩止っいて SiO2の盈(盃盈%) 多一■−65 52−■−少 酸性岩 山 ;中性岩 細 (噴出岩) 流歓声 非 完 11 ガ買 ラま スた 質キま 石英 はん岩 ひん岩 ‡ 誉 日日 花崗岩 賓 粒 お 鉱 物 盈 も参考試料にとどめた.従って対象土は 花崗岩(酸性深成岩),閃緑岩(中性深成 岩),流紋岩(酸性火山岩),安山岩(中 性火山岩)を母岩とする残積土各々5試 料ずつとし,参考に玄武岩土1試料を加 えた. 試料の採取地点および母岩は表−1に 示すとおりである. 表中における母岩の特定は文献(4)を参 照し,試料採取時に,現地において筆者 らが判断を下した.採取に当たっでは, 有機物に富む表層(A層)を除去し,土 壌学的層位どしてはB層またはC層を対 象とした.採取試料は風乾後各理工学性 実験に供試した. 実験の結果およ鱒考察 土の理工学性実験は,主として土質エ 図−1 火成岩の分類 学会の基準(5)に従い,比重,粒度,コンシ ステンシ・−,締固め特性,努断強度,一朝圧縮強度の6種類13頃日を対象とした.その結果を一億表として示すと 表−2のとおりである. 表中の数値は原則として有効数字3桁で表したが,懸度ならびに一朝強度は測定精度との関係上2桁にとどめた. また,単位は慣行のものを用い,必ずしもSI単位を採用していない.

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横瀬広司,山田宣長:造岩鉱物の組成・埠織が残積土の理工学性に及ぼす影響 161 表−1試料の採取地と母岩 母 岩 (分 類)

採 申 地

1.平 竹 黒雲母花崗岩 (酸性深成畠) 志度町平竹 2,西植田A 閃 雪 花 崗 岩 :( 〃 ) 高松市西植田 3.西植田B 〝 ( 〃 ) 〃 4い神 前 花 崗 閃 緑 岩 ( 〃 ) 寒川町神前 5香 南 〃 ( 〃 ) 香南町岡 6.ミ マ ヤ 英 賓 閃 緑 岩 (中性深成岩) 高松市ミマヤ 7一.庵 治 黒雲母閃緑岩 ( 〝 ) 庵治町北村 8‖ 八 乗 閃 緑 岩 ( 〃 ) 牟礼町源氏ケ峯 9‖ 乃 生 〃 ( カ ) 坂出市乃生 10… ガラン山 英 雲 閃 緑 岩 ( 〝 ) 国分寺町ガラン山

11.多和A 流 紋 岩 (酸性水山衰) 長尾町多和

12多和B 〝 ( 〝 〝 13.岳 山 石 英 粗 面 岩 ( 〃 ) 三木町岳山 14.簡 野 流 紋 岩 (’〝 ) 大川町簡野 15..井 上 〃 ( 〝 ) 三木町井上 16.五色台 讃岐岩質安山畠 (中性火山岩) 坂出市鼠色台 17.由良山 黒雲母安山岩 ( 〝 ) 帯松市由良山

18.雨滝山 輝石 安 山 岩 ( 〝 ) 大川ぬ雨滝山

19..鴬ノ 山 角 閃安 山岩 ( 〃 ) 由分専町鷲ノ山 20け 汐木山 〝 ( 〝 ・) 三野町汐木山 21.神ノ 浦 カンラン玄武岩 (塩草怪火山砦) 池田町神ノ浦 1.比 重 表−2のうちから;特に比重の測定値を取出し,それぞれの母岩別に図示すると図一2のようになる. この図からわかるように,今回供試した土の中で,閃緑岩土は比重が有意に大きく,また流紋岩土は有意に小さ くなっている.また安山岩土は数値の偏差が最も大きいが,平均値としては花崗岩土の備に近い. この結果から判断すると,−・般にいわれていたように,土粒子の比重は主として母岩の造岩鉱物の組成の影響を 受けることが再確認できた.すなわち,石英(27),正長石(2い6),斜長石(2い6),異質母(3.0),角閃石(3.1), 輝石(33) 風化土の比重は塩基性岩のそれに比べて小さい値を示す. しかしながら,それと同時に深成岩風化土の比重は火山岩土のそれより大きい傾向もあり,組織の影響も無視で きない.そして組成,組織の両方を加味して母岩別に区分すると,比重の差が有意となる. 2.牡 鹿 供試.土の粒度を三角座標を用いて表すと図−3のとおりである. この図からわかるように,深成岩類の風化土(花崗岩土,閃緑岩土)はいずれも砂分が65%を超える砂質土であ り,粘土分は15%以下と少ない.また図中の実線で囲んだように粒度の偏差が小さい土である. これにヌ寸して火山岩類の風化土(流紋岩土,安山岩土)は相対的に砂分が少なく,粘土分が多い.また図中の破 線で囲んだように粒度の偏差が著しく大きい. 鉱物組成の影響は,深成岩類の風化土では明白でないが,火山岩土の場合には,酸性岩土ほど砂分が多くなる傾 向がある.これは参考までに示した玄武岩土(塩基性火山岩土:21)の砂分が最もすくないことによっても支持さ れる.

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香川大学農学部学術報告 第41巻 第2号(1989)

表−2 供試土の物理・エ学的性質 162

砂分 シルト 粘土分 LL pL PI Pdmax Wopt tan¢ C 努断強 ー・軸強度

比重 (%)分(%)(%) (%)’,(%)(%) (t/が) (%) 侮f/扉)(〃’,)■度(〃) (kgf/亜)

1.平 竹 2小64 85 10 5 21.417。2 4.2 2.01 10.0 0け78 0.46 1..24 0,5

2西植田A 265 70 21 9 38.4 29.1 9小3 1.74 16.8 0.70 0.こ20 0..90 13

3西植田B 274 75 ′18 7 37.8 25.112.7 1。8214.8 0..81 0。351..16 13

4.神 前 2.63 73 14 13 35.128.0 7.1 186 13.5 055 0.80 1.35 09

5香 南 267 73 22 5 30,5 23.4 7.1 .1.78 16.1 057 0.811‖38 1..2

平 均 2.67 75 17 8 326 24.6 8.1 1.84 14.2 0小68 0.521.21 皿

6ミ マ ヤ 2.83 85 11 4 28.123.0 5‖1 1..97 11.9 0。69r O.751。.44 0い4

7庵 治 276 65 22、13 38.3 29,7 8.6 1.95 125 0.49 0..741..23 1.4

8八 乗 282 79 ′16 5 27.3 238 3.5 1.93 13‖6 0“56 0.651=21 皿

9乃 生 2け76 76 187 34日4 292 5.2 1187 14.8 0“610…501.11 四

10.ガラン山 2.78 81

平 均 2.79 77 16 7 32。0 26.8 5日2 1,92 13.3 0.60 0.67 1い28 10

11.多和A 2小52 68 15 17 70,0 30.5 39..5 133 26.4 0..84 0。611l.45 21

12多和B 2.57 75 16 9 424 30.3 12.1 1.60 18.9 0..77 0.681.45 四

13“岳 山 2。48 88、 7 5 338 28.P 5.8 −1..58 20い4 108 029 1二37 0.4

14簡 野 254 56 2816 52て 24“0 287 1.58 20.9 0小45 1.241い69 1.6

15井 上 254 52 25 23 31.0 21。1 99 1..73 15.5 0.63 0.ケ21..35 1.7

平 均 253 68 18.14 46..0 26819け2 1.56 20“4 0小75 0小711..46 1…4

16.五.色台 2て5 48 36 16 65.2 392 260 1.26 ,395 0“31 1..361∴67 2.0

17… 由 良山 2.64 29 43 28 36.5 24け6119 1.52 240 042 1.qOl.42 1.3

18.雨滝山 2.60 60 28 12 41.8 25け416..4 1.59 214 036 1∴051日41 1,5

19.驚ノ 山 2.55 20 46 34 54.127.0 27.1 148 26.7 0.27 1.651小92 2,6

20,汐木山 2.70 37 36 27 435 277 15.8 155 24.9 0.31 1,361=:二67 2「:こ1

平 均 2.65 3938 23 48“2 288 19.4 148,27.3 Oh33′1‖281,.62 四

21神ノノ浦 2.72 15 32、 53 103,.5 30い9 72.6 113 46..7 0.11 1.86,1,‖97 」Z.7 花崗岩土 閃線虫土 流紋岩土 安山岩土 図−2 土粒子の比重

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横瀬広司,山田宣長:造岩鉱物の組成・組織が残債土の理工学性に及ぼす影響 163 全般的にみて,粒度は主として鉱物組織の影響を受けるが,その原因は母岩の組織の違いが風化形態の相違をも たらし,完品質の岩石(深成岩)が風化すると砂になりやすいためではないかと考えられる. シルト分(%) 図−3 粒度 3コンシステンシー コンシステンシーは,近年土の分類に広く応用されており,それぞれの土の物理・エ学性を最もよく表す指標と して評価されつつある(7).従って母岩鉱物の組成や組織が風化士のコンシステンシ・一に及ぼす影響を把握すること は,非常に有意義なこととなる. 今回供試した土のコンシステンシーを塑性図として示すと図−4のとおりである. この図からわかるように,深成岩風化土(花崗岩土,閃緑岩土)は一腰にLL,PIともに非常に小さく,塑性 図による土の分類基準(S)から判断すると,圧縮性小,体積変化率大,透水性大,乾燥強さ小,タフネス小の土である ことがわかる. これに対して火山岩風化土(流紋岩土,安山岩土)は相対的にLL,PIが大きく,かつ数値の偏差も大となってい る.これらの結果から,主として母岩の組織の違いがコンシステンシーに影響を及ぼしているものとみなせる0 統一土質分類法(5)による分類の結果,深成岩土はすべてML(低塑性シルト)に属しているが,火山岩土はCH(高 塑性粘性土)3試料をはじめとして,ML以外に5試料(半数)が属し,明白な相違をみせている.

(6)

164 香川大学農学部学術報告 第41巻 第2号(1989) LL(%) 図−4 塑性図 西田ら(8)は,花崗岩土<閃緑岩土<流紋岩土<安山岩土の順に流動限界(液性限界)が大となることを示しており,

今回の結果は西田らほどには明確ではないが,一応それを支持しているといえよう.

4持回め特性 供試土の締固め特性を,最大密度と最適含水比によって表すと図−5のようになる. 50 10 20 30 図−5 締固め特性 βopt(%)

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横瀬広司,山田宣良:造岩鉱物の組成・組織が残横土の理工学性に及ぼす影響 165 この図からわかるように,締 固め特性は母岩の造岩鉱物の組 成,組織の両者の影響を受け, 一・般的傾向は4本の直線によっ て表される.ただし,図中の直 線が互いに平行の場合には,土 粒子の比重の違いがそのまま算 出されているものであり,組成 の影響は見かけよりも小さいも のと考えられる. また,締固め特性は比重以外 にも粒度(1)やコンシステンシ ー(9〉などの物理性と関連がある ことが知られているが,これら の根本的原因として,鉱物の組 成や組織,特に組織が強く関与 している可能性が高い.それは 図−3,4と図」5の全般的傾 向(図上の点の分布)が比較的 類似していることからもわか る. これらの結果は,西田ら(8)の 02 kgf/が 花崗岩士 閃緑岩土 流敗者土 安山岩土 玄武岩土 図−6 勢断強度 結論と−・致しており,−・般的な傾向であるものとみなせる. 5努断強度 供試土の努断準度を,内部摩擦の成分と粘着力の成分とに分けて,母岩別に平均値を示すと図−−6のとおりであ る. この図からわかるように,母岩が酸性岩(花崗岩,流紋岩)の場合,および深成岩(花崗岩,閃緑岩)の場合, いずれも努断強度,とりわけ粘着力が小さい傾向がある.そして相方の組合せにより,花崗岩土(マサ)は努断強 度,特に粘着力が最小の値を示し,これが土砂災害の素因の一つとなっている(10)ことが轟づけられた. それに対して安山岩土は弊断強度,とりわけ粘着力が圧倒的に大きい.参考に示した玄武岩土ではこの傾向が更 に顕著である. このように,努断強度は母岩の組成,組織の両方の影響を受け,その結果は特に粘着力に明白に反映されている ことが認められる. 8,一軸圧縮強度 供試土の一朝強度を各母岩別に示すと図−7のとおりである. この図からわかるように,−・般に深成岩(花崗岩,閃緑岩)風化土の一朝強度は,火山岩(流紋岩,安山岩)土 のそれと比べて小さい. 平均値からみると安山岩土が最大の値を示すが,数値の偏差が大きく,他の風化土との差は有意なものとはなっ

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166 香川大学農学部学術報告 第41巻 第2号(1989) T・1人T−−⊥ T−i 花崗岩土 閃緑岩土 流紋岩士 安山岩土 図−7 −・軸強度 ていない. この偏差は特に流紋岩土において著しく大きく,最小値04kgf/扉の岳山土が残横性未熟土であること,また最 大値2.1kgf/撼の多和A土が陶土であることから推察すると,試料採取地点の特殊事情が強く反映され,そのため に鉱物組成,組織の影響が明白でなくなった可能性がある.

総 合 考 察

供試土の各実験項目に対する母岩の鉱物組成,組織の 影響をまとめてみると表−3に示すとおりである. この表からわかるように,造岩鉱物の組成が土の理工 学性に及ぼす影響は比重,勢断強度の各項目などに表れ ており,特に火山岩(流紋岩と安山岩)を母岩とする土 については13項目中9項目が影響を受けている.しかし ながら,深成岩(花崗岩と閃緑岩)を母岩とする土では, わずか4項目に差がみられるのみである. これに対して,造岩鉱物の組織が土の理.工学性に及ぼ す影響は,13項目中10項目に及び,特に中性岩(閃緑岩 と安山岩)を母岩とする土では12項目に影響が認められ る.従って香川県下の風化残横土を対象とした場合,土 の理工学性に対して,造岩鉱物の組織は組成よりも大き な影響を及ぼしているものと考える. これをまとめてみると,次のようになる. 表−3 造岩鉱物の影響 組成の違いによる 組織の違いによる 数値の変化 数値の変化 比 重 酸性岩が小 深成岩が大 砂 分 (火山岩のみ) 深成岩が大 シルト分 ( 〃 ) (中性岩のみ) 粘土分 ( 〝 ) 深成岩が小 LL な し 深成岩が小 PL 〃 な し PⅠ 〃 深成岩が小 βdmax な し 深成岩が大 Wopt (火山岩のみ) 深成岩が小 tan¢ 酸性岩が大 (中性岩のみト C 酸性岩が小 深成岩が小 弊断強度 〃 〃 一・軸強度 (火山岩のみ) 深成岩が小

(9)

横瀬広司,山田吉良:造岩鉱物の組成・組織が残横土の粗工学性に及ぼす影響 167 (1)母岩の鉱物組織が完品質で粗粒(深成岩)であると,風化土の物理・エ学的性質は砂質土の性質を示す. (2)母岩の鉱物組成が酸性(SiO2>65%)であると,風化土は相対的に砂質となり,特に火山岩土の場合にこの傾 向が強い. (3)従って,香川県下に広く分布している花崗岩土(マサ)は,火成岩土の中で最も砂質土の性質が強い土といえ る. この結論は,花崗岩土は砂質,塩基性岩風化土は粘質であるとした西田の報告(11)を支持,補強するものであり, 一腰的傾向とみなせる. しかしながら,香川県下の花崗岩には比較的閃緑岩質のものの割合が高いこと,流紋岩には後火山作用を受けて 変質したと思われるものが多いことなど,母岩分類上の問題点もあるので,今回の結果をそのまま他の地域に拡張 するにはやや困難な点もあるが,本研究によっで,火成岩風化残横土の理工学性を規定するメカニズムがある程度 明らかにできたものと考える. 謝 辞 本研究遂行上の基本的思考方法は,本学名誉教授,斎藤実先生の示唆によるところが大きい.記して謝意を表す る.

引 用 文 献

(1)斎藤実他:香川県下の土の物理・工学性に関する研究,(Ⅰ)風化残横土について,香大農学報,27,203− 209(1976). ≡ (2)土質工学会:風化花崗岩とまさ土のエ学的性質とその応用,1−316(1979). (3)福田 嘗:火成岩系風化砂質土の工学的性質について,土と基礎,23−2,13−18(1975). (4)斎藤実他:香川県地質図,内場地下工業(1962). (5)土質工学会:土質試験法,36−593(1979). (6)東京天文台:理科年表,710−723,丸善(1985). (7)山田宣長他:香川県の土の物理・エ学性に関する研究(ⅠⅠⅠ)土の物理・エ学的分類とその応用,香大農学報,40 −1,63−70(1988). (引 西田一彦他:岩石の風化と風化残標土の工学的性質,土質工学会関西支部テキスト,107−134(1973). (9)横瀬広司他:砂質土の理工学性実験結果の相互関連性,農土誌57−2,19−23(1989). ㈹ 斎藤実他:土砂災害に関する地質学的,土質工学的研究(Ⅰ)7617号台風による土砂災害の特色,香大農学報, 29−1,167−175(1977). 川 西田−・彦:マサ土のエ学的性質とその取扱指針,土質工学会マサ土研究委貞会,ト31(1970). (1989年5月31日 受理)

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