Vol.174
June
2012
C O N T E N T S
被用者年金制度一元化法案……… 2
平成24年度 私学事業団の事業計画と予算 ……… 6
私立学校施設防災機能強化集中支援プラン……… 9
第3回 私学リーダーズセミナー・第1回 私学スタッフセミナーの開催………11
連載⑫ 魅力あふれる学校づくりを目指して
心を育むキリスト教教育で魅力づくり………13
特定健康診査のご案内を6月下旬に学校法人等へ送付します………15
標準給与の定時決定………16
標準給与改定が必要なとき………17
INFORMATION………18
宿泊施設のご案内/融資事業のご案内………20
緑豊かな環境で、聖書の教えに基づいて、子どもたちの「心の故郷(ふるさと)」となる学校を目指しています。 写真提供:学校法人 横浜英和学院 横浜英和小学校(神奈川県横浜市)一
改正の趣旨
被用者年金制度については、多様な 生き方や働き方に公平な社会保障制度 を目指す平成二十四年二月十七日の閣 議決定 ﹁ 社会保障 ・税一体改革大綱 ﹂ に基づき、公的年金制度の一元化を展 望しつつ、 今後の制度の成熟化や少子 ・ 高齢化の一層の進展等に備え、年金財 政の範囲を拡大して制度の安定性を高 めるとともに、民間被用者、公務員を 通じ、将来に向けて、同一の報酬であ れば同一の保険料を負担し、同一の公 的年金給付を受けるという公平性を確 保することにより、公的年金全体に対 する国民の信頼を高めるため、厚生年 金保険制度に公務員及び私学教職員も 加入することとし、厚生年金保険制度 に統一すること。 年金財政の範囲の拡大による制度の 安定性及び同一保険料・同一給付によ る公平性の確保といった趣旨について は、 ほとんど十九年法案と同じですが、 大きく異なる点は 、﹁ 公的年金制度の 一元化を展望しつつ ﹂という点です 。 今回の年金制度改正は、来年、政府が 国会へ法案の提出を予定している国民 年金を含め、全年金制度を完全に一本 化して、税による最低保障年金と所得 比例年金の組み合わせからなる新しい 年金制度の創設の方向性に沿って現行閣議決定・第百八十回通常国会へ提出されました
被
用
者
年
金
制
度
一
元
化
法
案
﹁ 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法 律案﹂が平成二十四年四月十三日に閣議決定し、今通常国会に提出されました。そ の法案概要について、お知らせします。 本法案は十九年に国会へ提出され 、二十一年七月の衆議院解散とともに廃案と なった被用者年金制度一元化法案をベースにしており、この十九年法案同様、共済 制度の職域部分︵三階部分︶廃止後の新たな年金については、二十四年中に検討を 行い、その結果に基づき、別に法律に定め、必要な措置を講ずるものと附則に明記 されています。なお、この検討にあたっては、政府は岡田副総理の下、有識者会議 を設置し、民主党にあっては、厚労・財務・総務・文科の各部門の関係議員からな るプロジェクトチームを設置し検討することとされています。 制度の改善を図るものとしています。二
法律案の主な内容
㈠ 厚生年金に公務員及び私学教職員 も加入することとし、二階部分の 年金は厚生年金に統一する。 公務員及び私学教職員︵私学共済制 度の加入者︶について、厚生年金保険 法に規定されていた適用除外規定を削 除し、厚生年金保険制度が適用される ことになります。なお、一元化後の厚 生年金被保険者適用の区分は次のとお りです。 民間被用者⋮ 厚生年金第一号被保険者 国家公務員⋮ 厚生年金第二号被保険者 地方公務員⋮ 厚生年金第三号被保険者 私学教職員⋮ 厚生年金第四号被保険者 ㈡ 共済年金と厚生年金の制度的な差 異については、基本的に厚生年金 にそろえて解消する。 前記㈠により、共済法の長期給付に 関する規定の削除等所要の規定の整備 を行うことにより、遺族共済年金の転 給制度の廃止等を行うもので、その主 な内容は 表1 のとおりです。①∼⑤ま での差異は厚生年金にそろえることで 解消を図ることとなっています。 なお 、⑥ の 現 行 の 厚 生 年 金 の女 子に 対す る 支 給開 始 年 齢 の 引き 上 げ が 五 年 遅れ で あ る特 例 に つ い て は 、 い ず れ 対 象者 が 無 く な る 経 過 的 措 置 で あ る た め 、 差異 の 解 消 は 行わ ず 、 厚 生 年 金 の 被 保 険者 ︵第 一 号 被保 険者︶ で あ る 女 子 に は 引き続き存置 さ れ る こ と と し て い ま す。 ㈢ 共済年金の一、二階部分の保険料 を引き上げ、厚生年金の保険料率 ︵上限十八・三 % ︶に統一する。 厚生年金及び共済年金の保険料につ いては、現行の引き上げ幅同様、毎年 〇・三五四 % ずつ引き上げることを法 律化し、公務員は三十年、私学教職員 は三十九年に、十八・三 % で統一する こととされています。職域部分が廃止 される二十七年十月以後は、これまで 職域部分を含めた保険料率が一、二階 の年金にかかるものとなることから 、 私学共済の場合、一・二 % 程度引き上 げられることになります。 ︵ 図1 参照︶ なお、 この引き上げられた保険料 ︵増 加保険料︶の負担軽減を図るため、私 学共済では、二十七年十月から四十一 年八月までの間、軽減した保険料︵軽 減保険料︶を共済規程で定めることが できることになっています。その定め をした場合、増加保険料と軽減保険料 の差額分について、共通財源以外の積 立金︵※︶を活用し、負担の軽減を図 ることが可能とされています。 企画室︵共済事業本部︶厚生年金 共済年金 ①被保険者の 年齢制限 ○70歳まで ○年齢制限なし(私学共済除く) ②未支給年金の 給付範囲 ○死亡した者と生計を同じくしていた配偶者、子、 父母、孫、祖父母、又は兄弟姉妹 (注 :今年3月に提出した年金改正法案(年金機能 強化法案)で、甥姪など3親等内の親族にも拡大) ○遺族(死亡した者によって生計を維持していた 配偶者、子、父母、孫、祖父母)又は遺族が ないときは相続人 ③老齢給付の 在職支給停止 ○老齢厚生年金受給者が厚年被保険者となった場合 65歳までは(賃金+年金)が28万円を超えた 場合、年金の一部又は全部を支給停止。 65歳以降は(賃金+年金)が46万円を超えた 場合、年金の一部又は全部を支給停止。 ○老齢厚生年金受給者が共済組合員となった場合 年金の支給停止なし。 ○退職共済年金受給者が共済組合員となった場合 (賃金+年金)が28万円を超えた場合、年金の 一部又は全部を支給停止。3階部分は支給停止。 ※ 私学共済の退職共済年金受給者が私学共済加入 者となった場合は、厚年と同様の方式 ○ 退職共済年金受給者が厚年被保険者等となった場合 (賃金+年金)が46万円を超えた場合、年金の 一部又は全部を支給停止。 ④障害給付の 支給要件 ○ 初診日の前々月までの保険料納付済期間及び保険料 免除期間を合算した期間が3分の2以上必要 (保険料納付要件あり)。 ○保険料納付要件なし。 ⑤遺族年金の転給 ○ 先順位者が失権しても、次順位以下の者に支給され ない(例:遺族年金受給中の子供のいない妻が死亡 すると、その遺族年金は支給されなくなる)。 ○ 先順位者が失権した場合、次順位者に支給される (例:遺族年金受給中の子供のいない妻が死亡したとき、 一定の場合、その遺族年金が父母等に支給される)。 (経過的措置) ⑥女子の支給開始 年齢 ○60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金の支給開始 年齢引上げは、男子の5年遅れのスケジュール。 (昭和21年4月2日以降生まれ∼) ○60歳台前半の特別支給の退職共済年金の支給開始 年齢引上げは、男子と同じスケジュール。 (昭和16年4月2日以降生まれ∼) 10 12 14 16 18 20 22 保 険 料 率 %
18.3%
平成30 (2018) 厚生年金の引上げ スケジュール 引上幅0.354% 平成29年に上限 (公務員共済) (私学共済) 15.862% 16.412% 13.292% (厚生年金) 現在の公務員共済(1~3階)の 引上げスケジュール 引上幅0.354% 平成35年以降19.8%で固定 現在の私学共済(1~3階)の 引上げスケジュール 引上幅0.354% 平成42年以降19.4%で固定 公務員共済 18.3% 私学共済 18.3% 被用者年金 一元化法施行 1、2階分の 保険料率となる 平成19 (2007) 平成23 (2011) 平成27 (2015) 平成35 (2023) 平成39 (2027) 平成42 (2030) (私学共済1,2階分) (公務員共済 1,2階分) (地共済) (国共済) (注1)各共済の引上げスケジュール及び最終保険料率は平成21年財政再計算結果による。 (注2)公務員共済の保険料率は平成21年に統一されている。表1:制度的な差異の解消
図1:保険料率の統一
※図表は厚生労働省ホームページ「被用者年金制度一元化法案概要」より抜粋※積立金の仕分け︵図2参照︶ 現在の共済年金の積立金について は、一、二階部分と三階部分の区別が ないため、被用者年金一元化に際して は、共済年金の積立金のうち、一、二 階部分の給付のみである厚生年金の積 立金の水準に見合った額を、一元化後 の厚生年金の積立金︵=共通財源︶と して仕分ける必要がある。 具体的には、共済年金の積立金のう ち、一元化前の厚生年金における積立 比率︵保険料で賄われる一、二階部分 の年間の支出に対して、何年分を保有 しているかという積立金の水準︶に相 当する額を、 共通財源として仕分ける。 図2 のとおり、私学共済の場合、積 立比率九・三年分のうち、四・二年分 ︵ 一 ・七兆円 ︶を一 、二階部分の給付 に充てる共通財源とし、共通財源以外 の五 ・ 一年分 ︵二 ・ 〇兆円︶ の積立金は、 旧三階部分の給付に充てるほか、前述 のとおり増加保険料の負担軽減に充て ることができるものとしています。な お、 図2 は二十六年度末の見込み数値 に基づいた機械的な計算によるもので あり、実際の一元化施行時に計算され る数値とは異なることをご注意くださ い。 ㈣ 厚生年金事業の実施に当たって は、効率的な事務処理を行う観点 から、共済組合や私学事業団を活 用する。また、制度全体の給付と 負担の状況を国の会計にとりまと めて計上する。 ○ 被保険者の記録管理、標準報酬の 決定・改定、保険料の徴収、保険 給付の裁定等を行う主体として 、 厚生労働大臣に加え、共済組合及 び私学事業団︵共済組合等︶を規 定する。 ○ 共済組合等は、徴収した厚生年金 保険料及び管理運用する一、二階 積立金等に応じて厚生年金勘定に 拠出金を納付し、厚生年金の保険 給付に要する費用等を分担する 。 また、共済組合等が行う厚生年金 の保険給付に要する費用等は、厚 生年金勘定から交付金として共済 組合等に交付する。 ○ 一元化された厚生年金制度全体の 給付と負担の状況を、 国の会計 ︵厚 生年金勘定︶にとりまとめて計上 し、国民に開示する。 ○ 一元化された厚生年金制度全体を 通じた財政検証を、定期的に実施 する。 ○ 厚生労働大臣は、各所管大臣を経 由して共済組合等に拠出金等に関 し必要な報告を求めるほか、各所 管大臣に対し、その報告に関し監 督上必要な命令や監査の実施を求 めることができることとする。 ○ 積立金の運用の基本的な指針につ いては、厚生労働大臣が案を作成 し、 各大臣と協議の上、 策定する。 ○ 積立金の運用の状況の公表及び評 価については、毎年度、厚生労働 大臣が運用状況やその評価等を記 載した報告書の案を作成し、各大 臣と協議の上、策定し、公表する ことにより行う。 共済制度は、今後も医療保険、福祉 事業や旧三階年金等の事業を一体的に 行う必要があること、過去記録の移管 等には膨大な作業量とコストが必要で あることから、一元化後も共済組合及 び本事業団を厚生年金の実施機関とし て活用することとしています 。また 、 共通財源となる積立金は各実施機関で 保有し、その資産運用については、将 来の厚生年金保険事業の運営の安定と いう目的に沿いつつ、その一部を各共 済法の目的に沿って運用できることと されています。 ㈤ 共済年金にある公的年金としての 三階部分 ︵職域部分︶ は廃止する。 公的年金としての三階部分︵職域 部分︶廃止後の新たな年金につい ては 、二十四年中に検討を行い 、 別に法律で定める。 図3 のとおり、共済年金は報酬比例 部分の約二割に相当する三階部分︵職 域部分︶が上乗せされています。この 三階部分︵職域部分︶を廃止して公的 年金としては厚生年金にそろえること とします。三階部分︵職域部分︶廃止 後の新たな年金については、二十四年 中に検討を行い、 その結果に基づいて、 別に法律で定め、 三階部分 ︵職域部分︶ の廃止と同時に設けることとされてい ます。この検討にあたっては、冒頭で 記載しましたとおり、政府は、岡田副 総理の下 、﹁ 共済年金職域部分と退職 給付に関する有識者会議 ﹂︵ 四月二十 六日初会合︶を設置し、六月下旬頃ま で検討を進め、中間まとめが報告され る予定です 。また 、民主党において は、厚労・財務・総務・文科の各部門 の関係議員からなるプロジェクトチー ムを設置し検討することとされており ます。 ㈥ 追加費用削減のため、恩給期間に かかる給付について本人負担の差 に着目して二十七 % 引下げる。た だし、一定の配慮措置を講じる。 公務員における恩給期間にかかる給 付の引き下げに関する措置であるた め、私学共済制度には直接関係ありま せん。 ︽施行日︾ ㈠∼㈤について 平成二十七年十月一日 ㈥について 公布から一年を超えない範囲内 で政令で定める日
4.2年分 (143.5兆円) 4.2年分 (24.0兆円) 4.2年分 (1.7兆円) 3.6年分 (20.7兆円) 5.1年分 (2.0兆円)
厚生年金
公務員共済
私学共済
共
通
財
源
共
通
財
源
共
通
財
源
共 済 に 残 る 積 立 金 共 済 に 残 る 積 立 金【仕分けのイメージ】
厚生年金における1・2階支出 厚生年金における1・2階積立金 =4.2年分 各共済の積立金のうち、共済の1、2階支出の 4.2年分の積立金を共通財源(=一元化後の 厚生年金の積立金)と整理する。 ( 企 業 年 金 ) 職域部分 19,971円 老齢厚生年金 (報酬比例年金) 99,858円 退職共済年金 (報酬比例年金) 99,858円 老齢基礎年金 65,541円 老齢基礎年金 65,541円 老齢基礎年金 65,541円 老齢基礎年金 65,541円[ 厚
生
年 金 ]
[ 共 済 年
金 ]
合計 230,940円 合計 250,915円 ) む 含 を 分 部 域 職 ( ) い な ま 含 を 金 年 業 企 ( (注)職域部分を除けば、厚生年金と同額(230,940円) ※平成24年度価格 (注1)法案では「26年度末の積立金と27年度の支出に基づき仕分ける」こととしており、上記は平成26年度末見込み数値に基づ いた機械的な計算である。実際には、実績を踏まえて仕分けることになる。 (注2)共済に残る積立金は旧3階部分の処理に充てる。(私学共済については、さらに増加保険料の軽減に充てることも可。) (参考)各制度の財政運営については、平成21年度に財政検証・財政再計算を行った結果、各制度とも、2105年までの約100年間 について収支の均衡が図られることが示されている。また、この結果は年金数理部会に検証された結果、将来の健全性が確認 されている。 経済前提は、いずれの制度においても、名目運用利回り4.1%、名目賃金上昇率2.5%、物価上昇率1.0%(経済中位ケース)。 また、いずれの制度においても、合計特殊出生率は1.26、平均余命は男83.67、女90.34(出生中位、死亡中位ケース)。 (前提)加入期間中の平均報酬月額:360,000円、加入月数:480月(40年) (参考)報酬比例部分の年金額:平均報酬月額(賃金変動に伴う再評価後)×給付乗率×加入月数×物価スライド率 ※ 職域部分は、民間において、厚生年金基金や適格退職年金などの種々の企業年金が相当程度普及している点も考慮するとと もに、公務員の身分上の制約等が課されていること等を踏まえ、昭和61年に設けられたもの図2:共通財源とする積立金の仕分けについて
図3:公的年金としての3階部分(職域部分)の廃止
※図は厚生労働省ホームページ「被用者年金制度一元化法案概要」より抜粋助
成
業
務
補助事業 私立大学等に対して補助金の交 付を行っています。 私立の大学、短期大学及び高等専門 学校の健全な発達に資するため、国か ら私立大学等経常費補助金の交付を受 け、これを財源として大学等を設置し ている学校法人に補助金を交付しま す。 平成二十四年度は、東日本大震災の 復興分︵七五億七、二六九万円︶を含 む三、二六三億二、五六九万円を国か ら受け入れ、 同額を交付する予定です。 貸付事業 学校法人等に対して固定金利で 長期の融資を行っています。 学校法人、準学校法人に対して、そ の設置する私立学校の校地・校舎等の 施設設備の整備に要する資金、その他 経営に必要な資金について固定金利で 長期の融資を行います。 また、東日本大震災により被災した 私立学校施設の円滑かつ迅速な復旧等 のため、通常より有利な貸付条件で融 資を行います。 二十四年度の貸付事業計画額は、九 三八億円となっています。 貸付 財 源 は 、 財 政 融 資資金 五 四 五 億 円、 自 己 調 達 資 金 三 九 三 億 円 ︵ う ち 、 共済業務 に か か る 長 期勘定 か ら の 借 り 入れ 二 七 六 億 円 、 私 学 振 興 債 券 の 発 行 に よ る 調 達五 〇億 円 ︶を 予 定 し て い ます 。 受配者指定寄付金事業 受配者指定寄付金の受け入れと 配付を行っています。 私立 学 校 の 教 育と 研究 の 振 興 の た め に企 業 等 から 寄 付 金を 受 け 入れ 、 こ れ を 寄 付者 が 指 定 し た 学 校法 人 に 配 付 し ます 。 こ の 寄 付 金 は所 得 税 、 法 人 税 に つ い て 税 法上 の 優 遇措置 ︵ 昭和 四 十 年 大蔵省告 示第 一 五 四 号 ︶が 受 け ら れ ま す 。 二十四年度は、受入計画額一四〇億 七〇〇万円に対し、同額を配付する予 定です。 学術研究振興基金事業 学術研究振興基金への寄付金の 受け入れと学術研究振興資金の交 付を行っています。 私立学校の学術研究に直接必要な資 金を交付するため、学術研究振興基金 に広く一般から寄付金を受け入れ、そ の基金を運用し、運用益を学術研究振 興資金として学術研究のための設備の 取得費、維持費、その他の研究費に対 して交付します。 この寄付金は、所得税、法人税につ いて税法上の優遇措置︵特定公益増進 法人の措置︶が受けられます。 二十四年度は、学術研究振興基金の 受入計画額六〇〇万円、学術研究振興 資金の交付計画額一億三、〇〇〇万円 を予定しています。 なお、前年度末における学術研究振 興基金の保有額は、五三億八、六六二 万円です。 経営支援・情報提供事業 学校法人自身で経営上の問題点 の早期発見を可能とするための方 策や、学校法人が自ら行う経営改 善に向けた取り組みに対して支援 を行っています。 また、私立学校の教育条件及び 経営に関する情報を収集 ・ 蓄積し、 私立学校等のニーズに応じて必要 な情報を迅速に提供しています。 一 学校法人の経営状態について、経 営判断指標等により定期的にモニタ リングを行うとともに 、経営相談 、 講師派遣、面談、電話など様々な手 段を活用して質問への回答、事例の 紹介、経営改善方策の提案等を積極 的に行います。また、学校法人から の相談内容が専門的知見を要する場 合については、弁護士・公認会計士 等の外部有識者の助力を得て対応し ます。 二 経営上の問題点を発見するための 自己診断チェックリストの見直しと 充実を図ります。 三 私立学校の教育条件及び経営に関 する情報を蓄積するデータベースの さらなる充実を図るため、検索が可 能な経営改善事例の文字情報を蓄積 するなど、情報収集・提供機能を改 善します。 また、私学事業団が主催するセミ ナーや講演等において、ネットワー クを利用した情報提供システムの説 明を積極的に行い、利用促進を図り ます。 四 情報収集・調査結果を研究・分析 し、ホームページへの掲載や刊行物 としての提供を行うとともに、これ らに関する研修会等を実施すること により、学校法人等に対し積極的な 情報の提供を図ります。 ① 学校法人の理事長、大学・短期大 学の学長等のリーダーを対象とした 経営面・教学面の知識を深め、大学 の魅力向上のための改革に向けた意 欲形成を図るセミナーを昨年に引き 続き実施します。 ② 私立 大 学 等 の 職 員 を 対 象 に 人材 養 成を 目 的と し た セ ミ ナ ー を 実 施 し ま す。 ③ 学校法 人 の 経 営改善 に 資 す る た め 、 ﹁今 日 の 私 学 財 政 ﹂、 ﹁ 私 立 大 学 ・ 短 期 大学 等 入 学志 願動 向 ﹂ を 刊 行 し ま す 。平成二十四年度
私学事業団の事業計画と予算
共
済
業
務
私学共済制度
の
構
成
員
と
標
準給与
二十四年度の共済業務における各事 業の基礎となる構成員は、 表1 ① のと おり、総計一二六万人︵加入者、被扶 養者及び年金受給者︶ と推計しました。 また、標準給与の平均月額及び標準 賞与の平均年額は、それぞれ 表1 ② ・ ③ のとおり推計しました。 短期給付事業 病気やケガによる医療費等の給 付を行っています。 短期掛金率のうち給付分掛金率は 、 前年度と同率の百分の六・五二に据え 置き、介護分掛金率は介護納付金の増 額を勘案して百分の一・〇二五︵前年 度掛金率は百分の〇・九八四︶としま した。この掛金率をもとに推計した掛 金収入は、 前年度に比べ八千万円 ︵〇 ・ 〇四 % ︶の増加となる見込みです。 保健給付等の給付費については、前 年度に比べ六億円︵〇・四四 % ︶の増 加を見込んでいます。また、他制度へ の拠出金等として、前期高齢者納付金 三一六億円、後期高齢者支援金四八一 億円を見込みました。さらに、介護納 付金一八五億円等を見込み、 図1 のと おりの収支を予定しています。 その結果 、掛金及び利息等の収入 ︵ 二 、一四七億円 ︶と給付費及び拠出 金等の支出︵二、四五三億円︶との収 支差三〇六億円に、支払準備金の戻入 と繰入との差額一億円を加えた三〇七 億円が当期総損失となる見込みです。 なお 、 支 払 準 備 金は 、 当 該 事 業 年 度 に お け る 短期給付請求総 額 の 十 二 分 の 一 に 相 当 す る 金 額 を 積 み 立 て て い ま す 。 長期給付事業 退職後の生活の柱となる年金の 給付を行っています。 長期掛金率は、二十一年度に行った 財政再計算の結果を踏まえて、給付分 掛金率を百分の一三・二九二︵都道府 県からの補助が行われた場合、その分 軽減されます。ただし、長期賞与掛金 表1 構成員・標準給与・標準賞与推計 区 分 ①構成員(人) ②標準給与の 平均月額(円) ③標準賞与の 平均年額(円) 合 計 加 入 者 526,208 372,945 1,337,069 (短期加入者) (522,964) (372,292) (1,331,689) (長期加入者) (500,549) (362,290) (1,256,421) 被 扶 養 者 344,076 − − 年 金 受 給 者 391,451 − − 総 計 1,261,735 − − 掛金 (2,144) 給付費 (1,339) 収入 (2,258) 支出 (2,565) 拠出金等 (1,114) 支払準備金繰入(112) 当期総損失(307) 補助金・利息等(3) 前年度 支払準備金戻入(111) 図1 短期給付事業の予算収支(単位:億円) 図2 長期給付事業の予算収支(単位:億円) 掛金 (3,650) 収入 (5,444) 支出 (5,807) 給付費 (2,988) 基礎年金 拠出金等 (2,819) 補助金・受入金 (865) 当期総損失(363) 利息等(870) 基礎年金交付金 (59)に対する補助はありません。前年度掛 金率は百分の一二・九三八︶に変更し ました。この掛金率をもとに推計した 掛金収入は、前年度に比べ一〇三億円 ︵二 ・ 九三 % ︶の増加となる見込みです。 国庫補助金は、基礎年金拠出金の三 六・五 % 相当額など総額七九四億円が 措置されています。 給付費については、二十四年度の年 金額が二十四年四月 ︵六月定期支給期︶ から〇・三 % 、同年十月︵十二月定期 支給期︶から〇・九 % を、それぞれ引 き下げられることを見込み、前年度に 比べ四億円︵〇・一四 % ︶の減少とな る見込みです。そのほかに、基礎年金 拠出金二、一三五億円、年金保険者拠 出金六八三億円等を見込み、 図2 のと おりの収支を予定しています。 掛金、交付金、補助金・受入金及び 利息等の収入 ︵ 五 、四四四億円 ︶と 、 給付費及び基礎年金拠出金等の支出 ︵ 五 、八〇七億円 ︶との収支差三六三 億円が当期総損失となる見込みです。 なお 、二十四年度末の保有資産は 、 三兆三、 七四二億円となる見込みです。 保健事業 特定健康診査、人間ドックやス ポーツ施設の利用費用補助を行っ ています。 福祉事業推進のための財源として 、 二十四年度も前年度と同様に掛金率百 分の〇・二五による掛金収入と、今年 度から新たに、貯金事業︵積立共済年 金事業及び共済定期保険事業︶の積立 金を福祉事業内で有効に活用すること を目的として、貯金経理からの受入金 を見込んでいます。また、特定健康診 査等事業に対し国庫補助金二億七、〇 〇〇万円が措置されます。 人間ドック利用費用補助等の保健事 業にかかる費用として二七億円、特定 健康診査等の事業にかかる費用として 一三億円、また、医療事業及び宿泊事 業への繰入金として三六億円を見込 み、 図3 のとおりの収支を予定してい ます。 医療事業 総合健診を行う健康医学セン ターを併設した直営病院の運営を 行っています。 東京臨海病院の運営に伴う事業収 入・支出及び保健経理からの受入金を 見込み、 図3 のとおりの収支を予定し ています。 宿泊事業 旅行・出張、会議・宴会、婚礼 等に利用する会館、宿泊所及び保 養所の運営を行っています。 宿泊施設の事業収入・支出、設備整 備計画及び保健経理からの受入金を見 込み、 図3 のとおりの収支を予定して います。 25 73 98 127 120 125 86 120 83 20 宿泊 経理 貸付 経理 貯金 経理 保健 経理 医療 経理 20 図3 福祉事業の事業経理別予算収支(単位:億円) 収入 支出 当期総損失 (3) 当期 総利益(2) 当期総損失 0.7含む 当期総利益 当期総利益 0.9含む 貯金事業 財産形成 の 支 援を 行 っ て い ま す 。 貯金事業の収支は、 図3 のとおりを 予定していますが 、これは積立貯金 、 積立共済年金、共済定期保険及びアイ リスプランの各事業を総括したもので す。 二十四年度末の加入者貯金残高は 、 九、二七二億円となる見込みです。 貸付事業 結婚・教育・住宅等の資金の貸 付けを行っています。 二十四年度の貸付額は、加入者貸付 一一八億円を見込み、 図3 のとおりの 収支を予定しています。
■
その他事務費など
短期・長期給付事業の事務を行う費 用は、事務費分掛金率百分の〇・一一 による掛金収入と国庫補助金二億九 、 〇〇〇万円を主たる財源としていま す。文部科学省では、東日本大震災から の教訓・課題等を踏まえ、急務となっ ている私立学校施設の耐震化等防災機 能強化を一層推進するため、総合的な 支援策を継続的に実施することとし 、 このたび﹁私立学校施設防災機能強化 集中支援プラン﹂を取りまとめ、推進 することとしました︵文部科学大臣所 轄学校法人理事長及び各都道府県知事 宛、平成二十四年一月十九日付け二三 文科高第八九四号文部科学大臣政務官 通知︶ 。 本プランでは、子どもたちや学生が 一日の大半を過ごす私立学校施設の防 災機能をより強化するため、三つの柱 による総合的な支援策を継続的に推進 することとしています。 一 平成二十三年度補正予算 ・ 二十 四 年 度 予 算 に お い て 防 災 機 能 強化支援策 の 基 盤 を 大幅拡充 へ 子どもたちや学生の一層の安全・安 心を確保するために、私立学校施設の 防災機能強化関連予算について、二十 三年度第三次補正予算として一五〇億 円、二十四年度予算としては対前年度 当初予算比二・四倍となる一二五億円 を計上するなど 、予算の大幅拡充を 図ってきており、また制度内容につい ても、私立学校や私学団体の皆さまか らのご要望も踏まえ、年々、充実して きています。 ﹃制度の変遷﹄ 平成十九年度までの措置 ①学校施設耐震改修事業 耐震性 能 の 劣 る 施 設 の Is値を 〇 ・ 七 以上 に引 き 上 げる 工事に 対 する支 援 ︽大学・短大・高専︾ 事業経費 一、〇〇〇万円以上 ︽幼稚園∼高等学校︾ 事業経費 四〇〇万円以上 ② 危険建物等の改築については、利 子助成制度 平成二十年度補正予算からの措置 ③ 幼稚園から高等学校の特に耐震性 能の劣る︵ Is値〇・三未満︶施設 の補助率を三分の一から二分の一 に引き上げ
私立学校施設防災機能強化集中支援プラン
文部科学省高等教育局私学部私学助成課
平成二十一年度当初予算からの措置 ④ 危険 建物等 の 改 築 に 対 す る 利 子 助 成制度 に お け る 実 質利率 を 引き 下 げ 平成二十一年度補正予算からの措置 ⑤ 附属病院の建て替え事業に対する 利子助成制度の創設 平成二十三年度第三次補正予算からの 措置 ⑥ 非構造部材の耐震対策への補助の 創設 ⑦ 新たな防災機能強化事業への補助 の創設 ⑧ 二 十 七年 度 ま で に 着 工 する耐 震 改 築 事業 に 対 す る 長期 低 利 融 資 の 創 設 ⑨ 専修学校の防災機能強化事業への 補助の創設 平成二十四年度予算 二十三年度第三次補正予算による 措置を継続 二 学校設置者の皆さまにとっ て、より柔軟な申請ができる制 度へ ㈠ 学校施設耐震改修事業 耐震性能の劣る施設の Is値を〇・ 七以上に引き上げる工事 非構造部材︵天井材等︶の耐震対 策工事 耐震補強工事に関連して実施する 非構造部材の耐震対策、防災機能 強化又は太陽光発電設備等の導入 を一体事業として補助 ㈡ 防災機能強化事業 備蓄倉庫等の設置、避難経路の確 保、屋外防災施設の整備 など ㈢ 耐震改築事業に対する長期低利融 資の創設 ︵日 本 私 立 学 校 振 興 ・ 共 済 事 業 団 が 実 施 ︶ 貸付期間 二十年間︵二十七年度までに着工す る耐震改築事業が対象︶ 貸付金利 ︽小学校 ∼ 大学︾ 一∼ 三年目 無利子 四∼二十年目 〇・五 % ︽専修・各種学校︾ 通常の事業団一般施設費貸付金 利 マイナス 〇・五 % 三 急務となっている耐震化率向 上等のため、継続的な支援へ 今次の事業基盤充実を機に、私立学 校施設の防災機能強化への支援を当 面、五年間を目途に集中的に進め、耐 震化の進行速度を速めることにより 、 早期の耐震化完了を目指すこととし 、 継続的に支援してまいります。私立学校施設の整備は、私学の自主 性の尊重のもとに、設置者の皆さまの ご判断で進められることが基本です が 、積極的な取り組みを期待します 。 文部科学省としては、今後とも、子ど もたち、学生が安全に学べる環境を整 備しようとする、どの私立学校の取り 組みにも支援できるよう施策の充実に 努めてまいります。 なお、本プランの内容は、今後、予 算措置の内容等に変更があれば、随時 改訂するとともに、 進捗状況を評価し、 必要な見直しを加えつつ進めてまいり ます。文部科学省では、私立学校や私 学団体の皆さまと共に、本プランの普 及、推進に取り組んでいきたいと考え ています。さらには、防災機能強化は もとより、研究教育基盤の整備の観点 から、将来にわたって私立学校施設の 環境整備の支援に努めてまいります。 [留意事項等] 一 Is値とは、建物の耐震性能を評価 する指標であり、 Is値が大きいほど 耐震性能が高くなります。 二 非構造部材とは 、天井材 、外壁 ︵外装材︶ 、 内壁 ︵内装材︶ のような、 構造体以外の部材を指し、落下の危 険性のある放送機器や照明器具、天 吊り型のテレビ、窓ガラス、ガラス ブロック、 転倒の危険性のある書架 ・ 書棚等を含めます。 三 非構造部材の耐震対策工事を単体 で申請する場合、一〇〇平米以上の 部屋︵特別講義室や大講義室、体育 館、講堂など︶の非構造部材の耐震 対策工事が補助対象となります︵幼 稚園については、面積要件はなく単 体で申請できます︶ 。 この場合、大学・短大・高専・幼 稚園にあっては、事業経費三〇〇万 円以上のものが補助対象です。 なお、一〇〇平米未満の部屋につ いては、耐震改修と一体で行う工事 のみが申請対象です︵幼稚園につい ては、面積要件はなく単体で申請で きます︶ 。 四 耐震 改 修と 一 体 で 行 う 場 合 に 対 象 と なる 防 災 機 能 強 化 の具 体 的 な 整 備 例 ① 備蓄倉庫及び防災倉庫設置のため の既存校舎の改修工事 ② 外階段や避難経路の設置、通路や 出入り口等の拡幅のための改修・ 改造工事、避難時の安全確保のた めのフェンスの設置 ③ 既設施設への屋外便所、マンホー ルトイレの設置工事 ④ 防火水槽、耐震性貯水槽、防災井 戸の設置工事 ⑤ 自家発電設備等の設置工事︵耐震 改修と一体で行う工事のみ︶ 五 防災機能強化事業を単体で申請す る場合、補助対象は上記四の①∼④ までの工事となることにご注意くだ さい 。なお 、大学 ・短大 ・高専は 、 事業経費三〇〇万円以上のものが補 助対象です。 六 学校施設耐震改修事業について は、以下のケースについても補助対 象として申請可能です。 ① 耐震補強 工 事 を 申 請す る 際 に は 前々年 度 に 実 施 し た 耐 震 診 断 経 費 も併 せ て 申 請 す る こ と が で きま す。 詳細は文部科学省ホームページを ご覧ください。 ︵大学 ・短大 ・高専 http://www. mext.go.jp/a_menu/koutou/shin kou/07021403/002/002/1266937. htm ︶ ② 管理部門を含む施設の耐震化につ いて、教育研究に資する部分の面 積割合が二分の一以上であれば施 設全体を補助対象として申請する ことができます。 ③ 大規模施設の耐震化を複数年度に 分割して行う ﹁ 分割耐震化工事 ﹂ について、初年度に当該分割耐震 化工事の全体計画及び年度計画を 併せて提出することにより申請す ることができます。 なお、全体計画及び年度計画の確 認後は、年度計画に基づき、当該 年度に改めて申請することが必要 です。 七 専修学校については、耐震補強工 事及び耐震補強工事に関連して実施 する非構造部材の耐震対策工事が補 助対象です。 ︽専門課程︾ 事業経費 一、〇〇〇万円以上 ︽高等課程︾ 事業経費 四〇〇万円以上 補助率 ︽専門課程︾二分の一以内 ︽高等課程︾三分の一以内 ︵ Is値〇・三未満は二分の一以内︶ ◆﹁私立学校施設防災機能強化集中支 援プラン﹂ 本プランの詳細及び各学校種の補助 制度毎のお問い合わせ先については文 部科学省ホームページをご確認下さ い。 ht tp ://www .m ext. g o .jp / a _ menu/ koutou/shinkou/0702 1403/002/ 13 18209 . ht m ︻問い合わせ窓口︼ 文部科学省高等教育局私学部 私学助成課助成第二係 ☎〇三 ︵五二五三︶ 四一一一 ︵代表︶ ︵内線二七七四︶