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奈良県未記録のチョウ目 ( 鱗翅目 ) New records of Lepidoptera from Nara, Japan 池田健一 * Kenichi IKEDA * 奈良県の昆虫相は長らく目録が作成されず不明な状態にあったと思われるが 奈良県レッドデータブック改訂委員会 (2017) の出版

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奈良県未記録のチョウ目(鱗翅目)

New records of Lepidoptera from Nara, Japan

池田 健一 *

Kenichi IKEDA

*  奈良県の昆虫相は長らく目録が作成されず不明な状態に あったと思われるが、奈良県レッドデータブック改訂委員 会(2017)の出版により、纏まった情報が得られるように なった。筆者は奈良県に在住していた期間である 2012 ~ 2016年を中心に動植物を撮影してきたが、カメムシ目に 続き、チョウ目で、奈良県レッドデータブック改訂委員会 (2017)で記録のない種について、撮影記録ではあるものの、 一定の価値があると考えここに報告する。チョウ目には研 究者が多く、奈良県レッドデータブック改訂委員会(2017) 以前あるいは以降に記録された種がいる可能性はあるが、 本稿で報告する種は奈良県レッドデータブック改訂委員会 (2017)を基準とした。チョウ目の分類・学名・配列は一部 を除いて神保(2020)、植物の学名は米倉・梶田(2003-)に 従った。同定は生体の形態については鈴木(2018 最終更新) が詳しいため、鈴木(2018 最終更新)で形態を確認後、岸 田(2011a)、岸田(2011b)、広渡他(2013)、那須他(2013) で不足部分を確認する手法をとった。「データ」の項では撮 影地点 , 続けて括弧内に確認個体数を示した。撮影はすべ て著者による。「備考」では同定の根拠となった点や著者が 確認した生態などを記した。 ヒロズコガ科 Tineidae 1. コイガ (図 1)

Tineola bisselliella (Hummel, 1823)

【データ】奈良市三碓1丁目 (1ex., 2013.07.02 22:25) 【備考】鈴木(2018 最終更新)での形態と、同属のうち国 内で確認されているのは 1 種のみであることから(神保 , 2020)、本種とした。羽毛・動物の毛皮・魚粉・シリアル・ 豆類を食べることが知られる(広渡他 , 2013)。マンション の室内で確認され、筆者は食害を確認しなかったが、近隣 で害虫として発生していた可能性がある。 マルハキバガ科 Oecophoridae 2. スジモンキマルハキバガ(図 2)

Periacma delegata Meyrick, 1914

【データ】奈良市中町黒谷公園 (1ex., 2013.06.02 20:24) 【備考】鈴木(2018 最終更新)での形態と、同属のうち国 内で確認されているのは 1 種のみであることから(神保 , 2020)、本種とした。7~9 月に発生することが知られている が(広渡他 , 2013)、本記録では 6 月確認された。寄主植物 は不明である(広渡他 , 2013)。落葉広葉樹林内でライトト ラップに飛来した。 生態情報 (Ecological Information) *[email protected] 図 1 コイガ 図 2 スジモンキマルハキバガ

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ヒゲナガキバガ科 Lecithoceridae 3. カクバネヒゲナガキバガ (図 3)

Lecitholaxa thiodora (Meyrick, 1914) 【データ】奈良市中町 (1ex., 2012.09.29 12:24) 【備考】鈴木(2018 最終更新)での形態と、同属のうち国 内で確認されているのは 1 種のみであることから(神保 , 2020)、本種とした。撮影地は落葉広葉樹林があるため、寄 主植物である各種樹木の枯葉は(広渡他 , 2013)、豊富に存 在する。 ニセマイコガ科 Stathmopodidae 4. カタアカマイコガ (図 4)

Stathmopoda haematosema Meyrick, 1933

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1ex., 2012.06.11 12:33) 【備考】同属には多数種がおり、Terada(2016) で種の検索が できる。微細な形態については確認できなかったものの、 カタアカマイコガにみられる中胸前縁に 1 対の橙色の斑紋 がある(広渡他 , 2013)種は他に確認できなかったため、 本種とした。寄主植物は不明である(広渡他 , 2013)。ササ 類の葉下面でみられた当キャンパス内中庭で移動中の個体 であった。なお、広渡他(2013)の図番の標本は奈良県の もので、Terada(2016) にも奈良市中町での記録があったため、 初記録ではないが、周知のため報告に含めた。 ツツミノガ科 Coleophoridae 5. ツツミノガ属の一種 sp.1(図 5) Coleophora sp.1 【データ】奈良市中町黒谷公園 (1ex., 2013.06.02 20:09) 【備考】本属は交尾器による同定が必要であるが(広渡他 , 2013)、奈良県レッドデータブック改訂委員会(2017)で Coleophora属の報告はないので、参考のために本種と以下 もう 1 種とともに本報告に含めた。前翅は褐色の個体であっ た。落葉広葉樹林内でライトトラップに飛来した。 6. ツツミノガ属の一種 sp.2(図 6) Coleophora sp.2 【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1ex., 2013.09.24 16:47) 図 3 カクバネヒゲナガキバガ 図 4 カタアカマイコガ 図 5 ツツミノガ属 sp.1 図 6 ツツミノガ属 sp.2

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【備考】本属は交尾器による同定が必要である(広渡他 , 2013)。前翅は黄土褐色で白色の条紋は太く明瞭な個体で あった。落葉広葉樹林内で日中に移動中であった。 カザリバガ科 Cosmopterigidae 7. カザリバ属の一種(図 7) Cosmopterix sp. 【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1ex., 2012.08.25 8:52) 【備考】同属には多数種がおり、Cosmopterix 属は交尾器 に よ る 同 定 が 安 全 と さ れ る 事 が 多 い( 広 渡 他 , 2013)。 Kuroko(2015)で種の検索ができるが、内横帯と尾状突起の写 りが悪いため、属までとした。奈良県レッドデータブック 改訂委員会(2017)で本属の報告はないので、参考のため に本報告に含めた。本個体の形態については Kuroko(2015) の表現に従うと、基半部縦線は細く、前翅基部に達してい ない。中央縦線及び亜背縦線は基半部の 1/4-1/5。地色はオ リーブ色で、中央帯は黄色である。この形態はヨシカザリ バ C. scribaiella scribaiella japonica Kuroko, 1960 と類似す る。同地点でのヨシ Phragmites australis (Cav.) の自生は筆

者は確認していないものの、一部では確認されているよう である(稲本・桜谷 , 2008)。撮影した時期近くでは同種と 思われる個体が多産していたため、今後交尾器の確認の必 要がある。植栽のサツキ Rhododendron indicum (L.) 葉上面 で見られた移動中の個体であった。ダンシング行動も観察 された。 キバガ科 Gelechiidae 8. ソバカスキバガ (図 8)

Sitotrogoides acanthopis (Meyrick, 1932)

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1ex., 2013.10.31 17:31)

【備考】"Gelechia" acanthopis Meyrick, 1932 から属が変更さ れている (Sohn et al., 2019)。従来所属していた Gelechia 属 では国内では 6 種確認されているが(神保 , 2020)、全て北 海道から北関東のいずれかに分布し(広渡他 , 2013)、寄主 植物も当キャンパス内では筆者の調査の限りでは多くは確 認できなかったため、除外した。本種の寄主植物は不明で ある(広渡他 , 2013)。当キャンパス内部に侵入した個体で あった。 9. モンギンホソキバガ (図 9)

Palumbina pylartis (Meyrick, 1908)

【データ】奈良市三碓1丁目 (1ex., 2012.07.16 2:32)

【備考】鈴木(2018 最終更新)での形態と、同属は奄美大島 に未記載種が 2 種確認されているのみであることから(神 保 , 2020)、本種とした。寄主植物はウルシ科、ブナ科(特 にシラカシ Quercus myrsinifolia Blume)であるが(広渡他 , 2013)、筆者は同地点でアラカシ Q. glauca Thunb. は確認し ており、その他についても十分に生育可能性のある植物で あると思われる。マンションの室内の光に誘引された個体 であった。ケースに入れて撮影した。 図 7 カザリバ属 図 8 ソバカスキバガ 図 9 モンギンホソキバガ

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マダラガ科 Zygaenidae 10. ヤホシホソマダラ(図 10)

Balataea octomaculata (Bremer, 1861) 【データ】奈良市大和田町 (1ex., 2012.09.06 18:19)

【備考】本州で確認される同属の種はキスジホソマダラ B. gracilis (Walker, [1865]) のみで(神保 , 2020)、ヤホシホ ソマダラでは短く明瞭な黄色斑があることから(広渡他 , 2013)、本種とした。食草のうちササ類とタケ類は(広渡他 , 2013)、同地点で確認された。クズ Pueraria lobata (Willd.) 葉上面にみられた日中に移動中の個体であった。環境省レッ ドリスト準絶滅危惧(NT)であり(環境省自然環境局野生 生物課 , 2020)、保全が必要と考えられる。1992 ~ 1993 年 に大滝ダムで記録があるとされるが(国土交通省近畿地方 整備局紀の川ダム統合管理事務所,2018)、詳細は不明であ る。 ハマキガ科 Tortricidae 11. ウスアミメキハマキ (図 11)

Tortrix sinapina (Butler, 1879)

【データ】奈良市中町黒谷公園 (1ex., 2013.06.02 20:59) 【備考】鈴木(2018 最終更新)での形態と、同属の他種は正

体不明種 2 種のみであることから(神保 , 2020)、本種とし た。食草のうちコナラ Quercus serrata Murray とアベマキ Q. variabilis Blume は(那須他 , 2013)、同地点で多数確認して いる。落葉広葉樹林内でライトトラップに飛来した個体で あった。

12. イッシキヒメハマキ (図 12)

Aterpia issikii Kawabe, 1980

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1ex., 2013.04.25 13:38) 【備考】同属のうち国内で確認されるのは 6 種だが(那須他 , 2013; 神保 , 2020)、鈴木(2018 最終更新)、那須他(2013) を参照したところ、イッシキヒメハマキとネジロクロヒメ ハマキ A. semnodryas (Meyrick, 1936) 以外は明らかに翅の 色彩と斑紋が異なっていた。2 種のうち、イッシキヒメハ マキでは前翅の基部が青みがからず、白っぽいため(那須 他 , 2013)、本種とした。寄主植物のコナスビ Lysimachia japonica f. subsessilis (F.Maek. ex H.Hara) は( 那 須 他 ,

図 10 ヤホシホソマダラ

図 11 ウスアミメキハマキ

図 12 イッシキヒメハマキ

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2013)、黒谷公園では多数確認された。日中に落葉広葉樹林 の林縁の草地で移動中の個体であった。

ハマキモドキガ科 Choreutidae 13. コウゾハマキモドキ (図 13)

Choreutis hyligenes (Butler, 1879)

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1ex., 2012.06.26 12:29) 【備考】同属のうち本州で確認されるのは 6 種だが(那須 他 , 2013; 神保 , 2020)、鈴木(2018 最終更新)で全種を参 照したところ、コウゾハマキモドキを除いて類似する翅の 色彩をもつ種を確認できなかったため、本種とした。寄主 植物はコウゾ Broussonetia x kazinoki Siebold、ツルコウゾ B. kaempferi Siebold、ヤマグワ Morus australis Poir. だが(那須 他 , 2013)、筆者は同地点内で多数のヒメコウゾ B. monoica Hance、奈良市三碓でマグワ M. alba L. を確認するに留まっ た。なお、コウゾとヒメコウゾの区別は諸説あるが(細木 , 2005)、ここでは神奈川県植物誌調査会(2019)に従った。 日中に落葉広葉樹林の林縁の草地で移動中の個体であった。 ツトガ科 Crambidae 14. ニセシロスジツトガ(図 14)

Crambus pseudargyrophorus Okano, 1960

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1ex., 2012.06.25 16:07) 【備考】同属のうち本州で確認されるのは 11 種だが(那須 他 , 2013; 神保 , 2020)、鈴木(2018 最終更新)で全種を参 照したところ、ニセシロスジツトガでみられる白条紋があ り、白紋下縁の鋸歯状の突出が明瞭である(那須他 , 2013) 種は他に確認できなかったため本種とした。寄主植物は不 明である(那須他 , 2013)。日中に当キャンパスの校舎側の 常緑広葉樹を中心とした植栽が見られる地点で移動中の個 体であった。大滝ダムで記録があるが(国土交通省近畿地 方整備局紀の川ダム統合管理事務所,2018)、含めた。 シャクガ科 Geometridae 15. ニセオレクギエダシャク(図 15)

Protoboarmia faustinata (Warren, 1897)

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1 ♀ , 2014.05.19 13:04)

【備考】国内で確認される同属の種はオレクギエダシャク P. faustinata (Warren, 1897) がいるが(岸田 , 2011a; 神保 , 2020)、ニセオレクギエダシャクでは翅の中央部や外横線 の外側に黄色鱗があることから(岸田 , 2011a)、本種とし た。食草のうちスギ Cryptomeria japonica (L.f.) とヒノキ Chamaecyparis obtusa (Siebold et Zucc.) は(岸田 , 2011b)、 同地点で確認された。当キャンパス外部の壁面で確認され た個体であった。

16. ツマトビキエダシャク (図 16)

Bizia aexaria Walker, 1860

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1 ♂ , 図 14 ニセシロスジツトガ

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2013.06.13 16:24)

【備考】鈴木(2018 最終更新)での形態と、同属のうち本 州で確認されるのは本種のみであることから(岸田 , 2011a; 神保 , 2020)、本種とした。寄主植物のうちバラ科とセン ニ ン ソ ウ Clematis terniflora DC. は( 岸 田 , 2011a)、 同 地点で確認された。日中に落葉広葉樹林内のチヂミザサ Oplismenus undulatifolius (Ard.) 葉上面にみられた移動中の 個体であった。なお、鈴木(2018 最終更新)には 2005 年 8 月 11 日に奈良県奈良市で撮影されたとする記録もある。

スズメガ科 Sphingidae 17. クロスズメ (図 17)

Sphinx caliginea (Butler, 1877)

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1ex., 2014.09.18 16:31)

【備考】本州で確認される同属の種にはコエビガラスズ メ S. constricta Butler, 1885、オビグロスズメ本州亜種 S. crassistriga crassistriga (Rothschild & Jordan, 1903) がいるが (岸田 , 2011a; 神保 , 2020)、クロスズメでは前翅後縁部が 赤褐色を帯びることから(岸田 , 2011a)、本種とした。寄

主植物のうちアカマツ Pinus densiflora Siebold et Zucc. が 撮影地点のすぐ近くに見られた。日中に調整池の近くの開 けた草地にあるコンクリート上で静止していた個体であっ た。大滝ダムで記録があるが(国土交通省近畿地方整備局 紀の川ダム統合管理事務所,2018)、含めた。 ヒトリガ科 Arctiidae 18. シロオビクロコケガ (図 18)

Siccia minuta (Butler, 1881)

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1ex., 2012.06.13 19:11) 【備考】鈴木(2018 最終更新)での形態と、同属のうち本州 で確認されるのは本種のみであることから(岸田 , 2011b; 神保 , 2020)、本種とした。バス停の外灯に誘引された個体 であった。少ないとされる(岸田 , 2011b)。 ヤガ科 Noctuidae 19. ナミテンアツバ (図 19)

Hypena strigata (Fabricius, 1775)

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1 ♀ , 2015.09.04 17:18) 【備考】同属のうち本州で確認されるのは 25 種だが(岸 田 , 2011b; 神 保 , 2020)、 鈴 木(2018 最 終 更 新 )、 岸 田 (2011b)、四方(2013)を参照したところ、ナミテンアツバ にみられる前翅に直線状の外横線とその外方の後縁部に円 形の黒色紋もつ(岸田 , 2011b)種は他に確認できなかった ため、本種とした。寄主植物はヌスビトハギとあるが(岸 田 , 2011b)、黒谷公園ではマルバヌスビトハギ Hylodesmum podocarpum (DC.) subsp. podocarpumは確認している。当キャ ンパス内部の壁面で確認された個体であった。大滝ダムで 記録があるが(国土交通省近畿地方整備局紀の川ダム統合 図 17 クロスズメ

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管理事務所,2018)、含めた。

20. ニセミスジアツバ (図 20)

Paracolax bilineata (Wileman, 1915)

【 デ ー タ 】 奈 良 市 中 町 近 畿 大 学 奈 良 キ ャ ン パ ス (1 ♀ , 2012.06.03 14:40) 【備考】同属のうち本州で確認されるのは 10 種だが(岸田 , 2011b; 神保 , 2020)、鈴木(2018 最終更新)、岸田(2011b) を参照したところ、ニセミスジアツバとクロキバアツバ P. pacifica Owada, 1982 以外で 2 個の黒点となった横脈紋は 確認できなかった。2 種のうち、ニセミスジアツバでは地色 が紫色を帯びた灰褐色で、下唇鬚が黒色でないことから(岸 田 , 2011b)、本種とした。寄主植物は不明である(岸田 , 2011b)。当キャンパス外部の壁面で確認された個体であっ た。大滝ダムで記録があるが(国土交通省近畿地方整備局 紀の川ダム統合管理事務所,2018)、含めた。 21. シラオビキリガ (図 21)

Cosmia camptostigma (Ménétriès, 1859)

【データ】奈良市中町 (1 幼虫 , 2014.05.07 13:33), 奈良市中 町黒谷公園 (1ex., 2013.06.02 20:38) 【備考】同属のうち本州で確認されるのは 13 種だが(岸田 , 2011b; 神保 , 2020)、シラオビキリガでみられる前翅が褐色 で、内横線、外横線が淡色で太く明瞭で前縁付近でやや太 くなり、翅頂付近に黒褐色斑がある種(岸田 , 2011b)は他 に確認できなかったため本種とした。落葉広葉樹林内でラ イトトラップに飛来した個体であった。幼虫は駒井ら (2011) を 参 照 し た。 寄 主 植 物 の う ち ク ヌ ギ Quercus acutissima Carruth.、アベマキ、コナラ、アラカシは(岸田 , 2011b)、 同地点で確認している。

謝辞

 近畿大学農学部環境管理学科の瀬口翔太氏には 2013 年 6 月 2 日のライトトラップ調査の実施や調査地についての情 報提供を頂いた。この場を借りて厚くお礼申し上げる。

引用文献

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図 11 ウスアミメキハマキ
図 15 ニセオレクギエダシャク♀ 図 16 ツマトビキエダシャク♂

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