1) 日本大学文理学部地球システム科学科: 〒156-8550 東京都世田谷区桜上水 3-25-40 2) 日本大学大学院総合基礎科学研究科: 〒156-8550 東京都世田谷区桜上水 3-25-40 3) アジア航測株式会社コアテクノロジー事業部: 〒215-0004 神奈川県川崎市麻生区万福寺 1-2-2 新百合 21 ビル
高橋正樹
1)・笠松 舞
2)・松田文彦
2)・杉本直也
1)籔中公裕
1)・安井真也
1)・宮地直道
1)・千葉達朗
3)The surface morphology of the Aokigahara basaltic lava flow is classified into four types: Type-A, Type- B, Type-C and Type-D. The Type-A with flat and smooth surface is similar to pahoehoe or rough pahoehoe lavas in Hawaii and consists of two sub-types: stratified and massive types. The stratified type, character-ized by toes and ropy structures, comprises a pile of thin lavas or lobes with a each thickness of less than 50cm, whereas the thickness of a lava of massive type ranges from 1m to several meters. The former is compound pahoehoe and the latter may be inflated pahoehoe. The specific features such as tumulus, sky-lights and sometimes hornitos are observed on the surface of the Type-A, in addition to blisters and lava tubes developed inside of the lava. The surface crust of most Type-A lava is ruptured and shows the surface morphology that likes slab pahoehoe and rubbly pahoehoe lavas in Hawaii. The Type-B with clinkery surface resembles aa lava and consists of two sub-types: cauliflower aa and rubbly aa types. The cauliflower aa type is composed of small clinkery blocks of scoria with a size of centimeters to tens of centimeters, while the rubbly aa type comprises rounded large blocks of scoria with a diameter of more than 30cm. The Type-B lava is generally thicker than the Type-A and characterized by lava levees, lava wrinkles and terminal cliffs. The Type-C is intermediate between the Type-A and B, the surface of which resembles transitional pahoehoe or pasty pahoehoe lavas in Hawaii. The Type-A often changes to the Type-B and C. In the Aokigahara lava flow field, the Type-A is predominant and occupies about 70% of present exposed area of the surface. The Type-D is sub-aqueous lava resembling to terrestrial Type-A, which is observed in restricted small areas such as along the shore of the lake Motosuko and Shojiko.
The eruptive sequence of lava types in each lava flow group shows that the Type-B preceded the Type- A. This order of eruption, aa lava being followed by pahoehoe lava, is typical in Hawaiian volcanoes, which indicates the eruption rate of magma is larger in early stage of the eruption and then it decreases. The aver-aged eruption rate of the Aokigahara lava flow field is about 24m3/s, which is equivalent to those of Hawaiian
active volcanoes.
Keywords: Fuji, volcano, Aokigahara, basaltic lava, pahoehoe, aa, surface morphology, eruption rate
富士火山青木ヶ原玄武岩質溶岩の表面形態
Surface Morphology of the Aokigahara Basaltic Lava Flow Field, Fuji Volcano, Central Japan
Masaki TAKAHASHI
1),
Mai KASAMATSU
2),
Fumihiko MATSUDA
2),
Naoya SUGIMOTO
1),
Masahiro YABUNAKA
1),
Maya YASUI
1),
Naomichi MIYAJI
1)and Tatsuro CHIBA
3)(Received November 20, 2003 )
1) Department of Geosystem Sciences, College of Humanities and Sciences, Nihon University: 3 - 25 - 40 Sakurajyosui Setagaya-ku, Tokyo, 156-8550 Japan
2) Guraduate School of Integrated Basic Sciences, Nihon University: 3 - 25 - 40 Sakurajyosui Setagaya - ku, Tokyo, 156-8550 Japan
3) Asia Air Survey Co.Ltd.: 1-2-2 Manpukuji Aso-ku, Kawasaki, 215-0004 Japan
1 はじめに 富士火山の青木ヶ原玄武岩質溶岩は,平安時代初期 の貞観年間(824 ~826 年 A.D.)に噴出したと推定され ている,富士火山において3000 年前以降に噴出した 溶岩としては最大規模の溶岩流である(津屋,1971; 宮地,1988;小山,1998)。最近の研究によれば,その 噴出量は1.2km3を優に超えているらしい(荒井ほか, 2003)。また,青木ヶ原溶岩は,かつて津屋(1971ほか) によって長尾山スコリア丘から噴出したものと考えら れてきたが,同じく最近の研究によって,大室山北西 麓 の 石 塚 火 口 か ら 下 り 山 溶 岩 噴 出 火 口( 高 橋 ほ か (2003)の大室山西火口)にかけてと,長尾山火口から 氷穴火口列にかけての,総延長6km もの範囲にわたっ て,北西から南東方向に延びた複数の雁行配列した割 れ目火口列から相次いで噴出したことが明らかにされ つつある(鈴木ほか,2003; 高橋ほか,2003 など)。こ うした大規模な割れ目噴火の産物である青木ヶ原玄武 岩質溶岩は,これまでアア溶岩が主体をなすと考えら れてきたが,その表面形態については不明の点が多 かった。ここでは,その多岐にわたる表面形態を分類 し,また分類された表面形態の空間分布と時系列変化 について明らかにするとともに,その噴出プロセスに ついても検討を加えてみたい。 2 パホイホイ溶岩とアア溶岩の表面形態 ハワイ島火山の玄武岩質溶岩は,その表面形態から 「パホイホイ」(pahoehoe)と「アア」(aa)およびその 中間型(transitional type)の三つに大別されている (Macdonald,1953 など)。一方,パホイホイやアアは, ハワイ火山のみならず,地球上の各地の玄武岩質溶岩 でも一般的な溶岩タイプとしてよく知られている。こ こでは,富士火山青木ヶ原溶岩の表面形態について述 べる前に,パホイホイ,アア,中間型の各溶岩タイプ の特徴について,特に表面形態を中心に,これまでに 明らかにされてきたことをまとめておくことにする。 2. 1 パホイホイ溶岩 パホイホイは平滑な表面を有する溶岩であり,表面 には「縄状構造」(ropy structure)や,丸味を帯びた袋 状あるいは舌状の構造(「トウ」(toe)あるいは「ロー ブ」(lobe))がみられる(写真 1 )。一般にパホイホイ は,移動する粘性の低い高温溶岩の表面が冷却によっ て固化し,丸味を帯びた袋状あるいは舌状の薄い殻が 形作られることによって形成される。パホイホイ溶岩 は,「薄い殻を有するローブの一部が破れて内部から 流出した高温溶岩が,表面から冷却・固化し,再び薄 い殻を持つローブを形成する」という動きを繰り返す ことによって前進する。縄状構造は,表面の薄い殻 (「スキン」:skin)が固化する際に,水平応力が加わり, しわがよることで形作られる(写真3 )。 1 枚のローブ(flow-unit)の厚さは,0.1 ~5m(平均 で0.45m)程度である。パホイホイ溶岩では,こうし たローブが多数重なり合って,全体として「複合ロー ブ」(compound lobe)を構成することが多い。複合ロー ブ全体の厚さは,1 ~20m(平均で 4.5m)程度である (Self et al., 1998)。 固化した1 枚のローブ(flow-unit)の断面では,表 面に厚さ1cm 程度のガラス質の急冷縁がみられ,その 内側はよく発泡している。気泡(vesicle)の含有率は 40vol.%以上に達し,中心部に向かって増大する傾向 を示す。こうした気泡の発達したスポンジ状のパホイ ホイのことをspongy pahoehoe(S-type pahoehoe)とい う(Wilmoth and Walker, 1993)。「S-タイプ・パホイ ホイ」では,ローブの中心部が最もよく発泡している。 ハワイ島火山のパホイホイ溶岩の多くはS-type であ るが,それよりも気泡量の少ないパホイホイ溶岩も存 在する。こうしたパホイホイ溶岩は,溶岩の下半部に パイプ状の直立した気泡がみられることが多いので, pipe vesicle-bearing pahoehoe(P-type pahoehoe)とよ ばれる(Wilmoth and Walker, 1993)。「P-タイプ・パホ イホイ」では,ローブの中心部は発泡が悪い。S-type になるかP-type になるかは,未固結溶岩が溶岩チュー ブ(lava tube)中を輸送された時間の長さに関係して おり,輸送時間が長ければ長いほど未固結溶岩中から ガス成分が抜け出し,ガス成分に乏しくなって,発泡 の悪いP-type が形成されると考えられている。 パホイホイ溶岩(複合ローブ)では,気泡はしばし ば集合・合体して,比較的厚い殻(「クラスト」:crust) の直下にレンズ状の「ブリスター」(blister)を形成す ることが多い(写真8・21)。ブリスターはしばしば発 達して,規模の大きなレンズ状の空洞となる。 厚い複合ローブの断面では,厚さの40 ~ 60%を上 部クラスト(upper crust)が占めており,上部クラス ト 内 に は 気 泡 が 集 ま っ た 複 数 の 水 平 層(horizontal
vesicle zone)が発達する。上部クラストの下位にはコ アが存在する。コアでは気泡の発達は悪いが,局所的 に気泡が濃集した垂直の「気泡シリンダー」(vesicle cylinder)や水平の「気泡シート」(vesicle sheet)など がみられる。最下部には気泡に富みガラス質の下部ク ラスト(lower crust)が存在する(Self et al.,1998)。
表面形態によって分類されたパホイホイ溶岩のタイ プとしては,これまでにentrail pahoehoe「内臓状パホ イホイ」,shark-skin pahoehoe「鮫肌状パホイホイ」, filamented pahoehoe「フィラメント状パホイホイ」, corded pahoehoe「 コ ー ド 状 パ ホ イ ホ イ 」,festooned pahoehoe「花づな状パホイホイ」,slabby pahoehoe「ス ラブ状パホイホイ」,shelly pahoehoe「シェリー(貝殻 状)パホイホイ」などが報告されている(Wentworth and Macdonald,1953,Swanson,1973 など)。 内臓状パホイホイは斜面の傾斜が急な場合に形成さ れ,進行方向に延びた「腸」のような形態を示すこと が多い。コード状パホイホイは,縄状溶岩の1 本の縄 に相当する部分を,細いコードでさらにグルグル巻き にしたような形態を示す。花づな状パホイホイは,縄 状溶岩の1 本が太く発達し進行方向にたるんだように 延びて,あたかも首飾りに使う花づなのような形態を 示すものをいう。シェリーパホイホイは,クラストが きわめて薄く内部が空洞になったパホイホイ溶岩で, 火口の近くにのみ発達がみられる。鮫肌状パホイホイ は, 後 に ふ れ るdense-glass pahoehoe や blue-glassy pahoehoe と,フィラメント状パホイホイは,後で述べ るtoothpaste pahoehoe と,ほぼ同じものである。なお, スラブ状パホイホイについては後でふれる。 溶岩には,比較的狭い回廊状の通路(チャンネル) を利用して川のように流下する「チャンネルフロー」 (channel flow)と,洪水があふれるようにシート状に 広くひろがる「シートフロー」(sheet flow)とがある。 前者は傾斜が急な場合,後者は傾斜がきわめて緩いか 平坦な場合に形成されやすい。パホイホイ溶岩には両 方のタイプがみられるが,傾斜が緩やかであるかある いは平坦な場所でシートフローを形成した場合には, 「溶岩膨張」(lava inflation)が生じ,それにともなって 様々な表面構造が形成される。 パホイホイ溶岩では,重なった多数のローブは合体 融合して,複合ローブ全体がひとつの溶岩流のように なることが多い。複合ローブの周縁部は冷却固化する が内部は未固結であり,未固結部分は連結して「溶岩 チューブ」(トンネル)(lava tube)を形成する(Hon et al., 1994 など)。こうした溶岩チューブを通して輸送され る未固結溶岩が,先端部の複合ローブに供給される と,複合ローブは内部から全体として膨れあがる。こ うした現象が溶岩膨張である。溶岩膨張には,シート 状パホイホイ溶岩が平坦な表面をほぼ保ったまま膨張 する場合と,ところどころで溶岩チューブが詰まって 溶岩が溜まり,その結果局所的な膨張が生ずること で,溶岩表面に凹凸地形を有する「ハンモック状パホ イホイ溶岩」(hummocky pahoehoe)が形成される場合 とが認められる(写真15・16)。シート状溶岩膨張では, 2 週間で 4m ほどの高さにまで隆起したケースが報告 されている(Hon et al.,1994)。 一方,ハンモック状パホイホイ溶岩の表面には,固 化した表層部分が局所的に突き上げられて塚のように なった「テュムラス」(テュムリ)(tumulus・tumuli)(写 真19)や緩やかに盛り上がった「溶岩丘」(lava rise) (写真15・16),溶岩丘と溶岩丘の間にみられる「溶岩 丘孔」(lava-rise pit)などが形成される(Walker,1991)。 テュムラスには,テュムラスの延びの方向と平行ある い は 放 射 状 に 発 達 し た「 溶 岩 膨 張 割 れ 目 」(lava- inflation cleft)がみられる。テュムラスでは「溶岩絞り 出し」(lava squeeze out)がしばしば起こり,気泡に乏 しくガラス質の「緻密ガラス質パホイホイ」(dense- glass pahoehoe)(Hon et al.,1994)や「青色ガラス質パホ イホイ」(blue-glassy pahoehoe)(Self et al.,1998)の流 出がみられる。これらは鮫肌状パホイホイともよばれ る。テュムラスは膨張によって形成される構造であ り,溶岩表面に働く短縮応力によって形成される「プ レッシャーリッジ」(pressure ridge)とは,その成因 が本質的に異なる。 シート状溶岩膨張が地形の平坦な場所で生ずるのに 対して,ハンモック状パホイホイ溶岩は,やや傾斜が 急であったり,もともとの地形が凹凸に富んでいたり する場所で形成されやすいと考えられている(Hon et al.,1994)。また,溶岩の供給率が高い場合にはシート 状溶岩膨張が,低い場合にはハンモック状溶岩膨張が 生ずるとする考えもある(Self et al.,1998)。 溶岩ローブあるいはテュムラスなどに発達する膨張 割れ目の内壁には,滑らかな急冷ガラス質の表面から なる部分と,気泡が発達したややとげとげした表面か
らなる部分とが,交互に重なる縞状構造を成すものが しばしばみられる。こうした縞状構造は,溶岩の断続 的な膨張の繰り返しによって形成されたもので,両者 はペアを構成しており,冷却固化した溶岩表面のクラ ストのうち,前者が温度700℃以下の低温(ガラス転 移点温度以下)で脆性破壊を行った弾性体的部分に, また後者が700℃~1070℃の,固化はしているが高温 (ガラス転移点温度以上)で粘弾性体的挙動を行った 部分にあたる(Hon et al.,1994)。こうしたペアは,溶 岩膨張により形成された一回の割れ目に相当する。割 れ目が後者の部分まで到達すると,ガラス転移点温度 以上の急冷ガラスが,圧力低下によって発泡するとと もに,引き延ばされ棘状組織が形成されることにな る。こうしたクラストの厚さは,冷却時間の関数とし て表現され,縞のトータルの厚さが溶岩膨張に要した 総時間にほぼ相当すると考えられている。膨張割れ目 の発達したローブあるいはテュムラスの体積がわかれ ば,それをこの時間で割った量が,そのローブあるい はテュムラスへの溶岩供給率ということになる(海 野・小幡,2000)。 溶岩チューブは,シートフロー溶岩ばかりでなく, チャンネルフローにおいても形成される。チャンネル フローの場合は,チャンネル中を流れる未固結溶岩が しばしば溢れ出すことで,「溶岩堤防」(levee)がアーチ 状に内側へせり出すようになり,やがてそれが連結し て天井が形成され,溶岩チューブが完成する(Peterson and Swanson,1974;Kilburn and Guest,1993)。溶岩 チューブの床部分では,高温の溶岩による侵食が生じ, 溶岩チューブは下方に向かって拡大する。溶岩チュー ブの天井部には,しばしば陥没によって「スカイライ ト」(天窓)(sky light)が形作られる。溶岩チューブに よるマグマ輸送では,マグマが冷却しにくく,大量の 溶岩を効率よく遠方まで運ぶことができる。 溶岩チューブの天井部分が壊れ,溶岩が2 次的に噴 出した場合には,噴出口のまわりに溶結したスパター からなる煙突状の「ホルニト」(hornito)が生ずる。さら に 噴 出 が 大 規 模 に な る と,「 根 無 し 溶 岩 盾 状 地 」 (rootless lava shield)が形成されたりする(Kauahikaua
et al.,2003)。溶岩トンネルの上部には,「シャッターリ ング」(shatter ring)と称する,破壊された溶岩塊の縁 からなる,直径数10m の同心円状の円形ないしは楕 円形の構造がみられることがある(Kauahikaua et al., 2003)。シャッターリングの成因は,その直下に存在 する溶岩チューブの消長と密接な関係があるらしい。 パホイホイ溶岩の流動速度が速い(変形速度が大き い)場合には,平滑な表面をもつ表層部のクラストが 破壊され,壊れた「スラブ」=「岩盤」の集合体のように なる。これを「スラブ状パホイホイ」(slab pahoehoe) とよぶ(写真22・23)。さらに破壊が進み,小型岩片 の集合体となったものは「ラブリー・パホイホイ」 (rubbly pahoehoe)とよばれる(Keszthelyi et al.,2001)。
2. 2 アア溶岩 アア溶岩の表面は,とげとげとしたクリンカー状の 岩塊の集合体となっている。アア溶岩とは,固化した 溶岩の表面が,溶岩の流動の結果生じた差応力によっ て発泡しながら破砕されるが,それが再び未固結溶岩 によってもと通りに修復されることがないため,ガサ ガサした表面をもつ岩塊の集合体となったものをいう。 アア溶岩は,ガサガサした表面をもつ岩塊の集合体が, その上面と下面に発達する。アア溶岩のうち,小型の クリンカー状の岩塊が集合したものは「カリフラワー・ アア」(cauliflower aa)とよばれ(写真 29・31),一方, 表面がやや丸味を帯びた大型の岩塊の集合体となって いるものは「ラブリー・アア」(rubbly aa)とよばれる (Kilburn,1990 など)。エトナ火山では,噴出したパホ イホイ溶岩がスラブ・パホイホイ溶岩となり,さらに カリフラワー・アアに変化したのち,最終的にはラブ リー・アアとなっていく様子が観察されている。チャ ンネルフローとして流れるアア溶岩の場合,溶岩堤防 や「溶岩末端崖」,「溶岩じわ」などが発達することが 多い。 パホイホイ溶岩が流下の途中でアア溶岩に変化する 現象は,ハワイ火山でもよくみられる。これまでパホ イホイ溶岩がアア溶岩に変化することはあってもその 逆はないとされてきたが,最近の研究によると,ハワ イ・キラウエア火山のプーオーオー噴火では,アア溶 岩がパホイホイ溶岩に変化する例も報告されている (Hon et al.,2003)。 2. 3 中間型溶岩 典型的なパホイホイ溶岩とアア溶岩の中間的な表面 形態を示すものに,中間型あるいは「遷移型パホイホ イ」(transitional pahoehoe)がある。中間型パホイホイに は,「ねり歯磨き状パホイホイ」(toothpaste pahoehoe) (Rowland and Walker,1987)あるいは「ペースト状パホ
イホイ」(pasty pahoehoe)がある(写真 27)。これらの 溶岩では,冷却固化しつつある溶岩流の表面が,流動 の結果生まれた差応力によって,ねり歯磨きあるいは 水飴が捻られるように塑性変形しても,脆性的に破 壊・分離して完全に独立した岩塊の集合体にまでは至 らない状態となっている(写真27)。ペースト状パホイ ホイは,その形態によって,「とげ状パホイホイ」(spiny pahoehoe)(Peterson and Tilling,1980),「フィラメント 状パホイホイ」(filamnted pahoehoe)あるいは「粗面パ ホイホイ」(rough pahoehoe)などともよばれる。 3 パホイホイ溶岩とアア溶岩の成因 パホイホイ溶岩とアア溶岩の本質的な違いは,冷却 固化によって形成される溶岩表面のクラストが連続体 として保たれるのか,発泡しながら破壊されてクリン カー状の岩塊の集合体となるのかという点にある。こ のことは,パホイホイ溶岩は連続体としてニュートン 流 体 的 挙 動 を と り, ア ア 溶 岩 は 非 連 続 体 と し て 非 ニュートン流体的挙動をとることを意味する。
Peterson and Tilling(1980)は,アア溶岩が降伏強度 を持つビンガム流体であり,粘性の増大にともなっ て,溶岩の性質がニュートン流体からビンガム流体へ と変化すると考えた。彼らは,粘性が同一の場合には, 変形速度が大きくなるとパホイホイ溶岩はアア溶岩に 変化し,また変形速度が同じ場合には,粘性が高くな るとアア溶岩に変化することを主張した。実際,ハワ イ火山では,パホイホイ溶岩からアア溶岩への変化 は,マグマの噴出率が5 ~ 10m3/s を越えて溶岩の変形
速度が増大すると生じ(Rowland and Walker,1990), また石基の結晶度が7%程度ではパホイホイ溶岩で あったものが,15%で中間型溶岩となり,そして 45% を越えて粘性が増大するとアア溶岩へと変化するとい う(Cashman et al.,1999)。さらに温度でいえば,変形 (歪)速度0.4/s 以上の場合には 1140℃付近に両者の境 界があり,温度が高ければパホイホイ溶岩,低ければ アア溶岩となる。 一方,より低温(1070 ~1090℃)で斑晶に富む(50 ~ 60vol.%)エトナ火山のハワイアイトでは,噴出率が 2 ×10-3m3/s を越えるとパホイホイがアアに変化する
(Pinkerton and Sparks,1976)。また,ハワイ島火山な どでは,斜面の傾斜が急になり変形速度が増大する と,パホイホイ溶岩がアア溶岩に変化することが観察
されている(Kauahikaua et al.,2003;Hon et al.,2003)。 変形速度がパホイホイ溶岩になるかアア溶岩になる かを決める重要な要因であるとすると,変形速度が減 少することで,アア溶岩がパホイホイ溶岩に変化する こともあり得るはずである。ハワイ・キラウエア火山 のプーオーオー噴火では,急崖を流下したアア溶岩が 平坦地になってパホイホイ溶岩に変化する例が観察さ れており(Hon et al.,2003),アア溶岩はパホイホイ溶 岩に変化することはないとされてきたこれまでの考え は,現在では修正を余儀なくされている。 これに対して,ペースト状パホイホイや粗面パホイ ホイなどの中間型溶岩は,温度低下によりパホイホイ 溶岩から変化して生成される場合以外に,火口近くに 形成されたパホイホイ溶岩よりもやや粘性が高い溶岩 が,アア溶岩よりもより小さな変形速度で流動した場 合 に も 形 成 さ れ る と 考 え ら れ て い る(Rowland and Walker,1987)。 4 青木ヶ原溶岩の形成史 小山(1998)の古文書にもとづく検討によれば,青 木ヶ原溶岩は西暦864 年(貞観 6 年)6 月末から西暦 866 年(貞観8 年)1 月頃までの,ほぼ 1 年半にわたって噴 出したものと推定されている。青木ヶ原溶岩は,津屋 (1971 など)によって,長尾山スコリア丘から流出した 溶岩であるとされてきた。しかし,すでに述べたよう に,最近の一連の研究によって津屋の長尾山スコリア 丘単独火口説は否定され,割れ目噴火により複数の火 口から流出したことが明らかにされている。また噴出 量に関しても,津屋によって推定された0.75km3をは るかに超える1.2km3以上もの大量の溶岩が噴出した と推定されている(荒井ほか,2003 など)。こうした 最近の研究結果にもとづくと,青木ヶ原溶岩の形成過 程は,以下のようなものであったと考えられる(図1 )。 まず大室山スコリア丘西方約2.5km の地点に位置す る割れ目火口列から下り山溶岩グループ(高橋ほか (2003)の大室山西溶岩グループ)が噴出し,本栖湖方 面と精進湖方面に流下した。下り山溶岩グループの噴 出火口列は,西端の最大規模の火砕丘から東西500m にわたって分布する6 個以上の小型火砕丘あるいはス パターランパートから構成される。下り山溶岩グルー プは本栖湖およびせの海に流入した。次いで,大室山 スコリア丘西方1km の石塚火砕丘付近から噴出が始
図 1 青木ヶ原溶岩流における各溶岩グループの分布(鈴木ほか,2003;高橋ほか,2003 などによる)。 1 : 下り山溶岩グループ;2 : 石塚溶岩グループ;3 : 長尾山溶岩グループ;4 : 氷穴溶岩グループ まり,石塚溶岩グループが北方に向かって流下した。 石塚溶岩グループの一部は,せの海に流れ込んで湖を 埋め立てた可能性が高い。 大室山スコリア丘の東方では,氷穴火口列付近から 溶岩が流出し北方に流下した。この溶岩流(氷穴溶岩 グループ)の噴出時期は,長尾山スコリア丘付近より 噴出したスコリアに覆われる事実からそれよりも古い ことは明らかであるが,下り山溶岩グループや石塚溶 岩グループとの前後関係については不明である。 これらと同時か,あるいはこれに次いで,長尾山付 近から長尾山溶岩グループの流出が始まり,複数回の エピソードに分かれて北西,北,北東および西の各方 向に流下した。北西方向に流下した溶岩が,下り山溶 岩グループおよび石塚溶岩グループを覆っているの で,それらよりも後の時期まで活動を続けていたこと は明白である。噴出口付近に形成された長尾山スコリ ア丘は,北西−南東方向に配列した少なくとも 3 つ以 上のスコリア丘からなる。最後に噴出したスコリア丘 が狭義の長尾山スコリア丘であり,それ以前のスコリ ア丘は破壊されその一部が残されているにすぎない。
5 青木ヶ原玄武岩質溶岩の表面形態による分類 これまでアア溶岩が主体をなすと考えられてきた青 木ヶ原玄武岩質溶岩は,その表面形態の違いから, Type-A,Type-B,Type-C,Type-D の 4 つの異なるタ イプに大別することができる。 なお,青木ヶ原溶岩の全岩化学組成はSiO2=51.0 ~ 51.47wt.%と,溶岩タイプの違いにかかわらずほぼ一 定であり,また斑晶量も25 ~ 41vol.%と薄片サイズで はやや幅がみられるものの,ここで分類した溶岩タイ プ毎の系統的な差は,ほとんど認められない(高橋ほ か,2003)。ただし FeO*/MgO 比には溶岩グループごと に若干の違いが認められ,下り山溶岩グループ,石塚 溶岩グループ,氷穴溶岩グループの主要部はFeO*/ MgO=2.15 以上と高い値を示し,長尾山溶岩グループ と氷穴溶岩グループの末期溶岩はFeO*/MgO=2.15 以 下と低い値を持つ。 5. 1 Type- A(パホイホイ型溶岩) Type-A 溶岩は,平滑な表面をもつ玄武岩質溶岩で ある。平滑といってもハワイ島火山のパホイホイ溶岩 ほどの平滑さは示さず,気泡が目立ち細かな凹凸を有 する。表面には縄状構造がよくみられる(写真5)。ま た,丸味を帯びた舌状のトウやローブが発達し(写真 2・4),全体としてはハワイ島火山のパホイホイ溶岩 との類似点が多い。1 枚の厚さが 50cm 以下のユニット が複数重なった成層構造のよく発達したもの(写真9・ 10・11)と,厚さ 1m 以上で最大 4m 程度の無層理のも の(写真12・13・14)とがある。後者には,膨張したシー ト状の複合ローブであったものや,そうではなくて, 凹地に溶岩が流入し溶岩池(lava pond)を形成するな どして生じたもともと厚い1 枚の溶岩であったもの, などが含まれると考えられる。ただし,Type-A 溶岩 は,その表面形態からいえば,表面が完全に平滑なハ ワイ島火山の典型的なパホイホイ溶岩よりは,表面に やや凹凸がありザラザラした感じのする中間型の粗面 パホイホイ溶岩の方に,どちらかといえば似ていると いえるかもしれない。 Type-A 溶岩の多くのものはハンモック状パホイホ イ溶岩(写真17)であり,平滑な表面をもつクラスト が破断により破壊されたスラブ状パホイホイ(写真 24)あるいはラブリー・パホイホイも卓越する。ハン モック状パホイホイには,テュムラスがしばしば発達 する(写真18)。テュムラスから絞り出し溶岩が流出 している場所もみられる。ホルニトはあまりみられな いが,場所によっては根無し溶岩盾状地らしき地形も 観察される。平坦な地形が連続するシート状パホイホ イ溶岩は発達が悪く,ところどころに局所的にみられ るにすぎない。 Type-A 溶岩には,しばしば溶岩チューブが発達す る。溶岩チューブの天井部には,天窓(スカイライト) や円形あるいは不規則な形態の陥没口がみられる(写 真6・7)。また,断面でみると,上部クラストの直下 に大小のブリスターがしばしば発達する(写真20)。 Type-A 溶岩は,次に述べる Type-B 溶岩に移化する 場合がある。噴出口に近い場所では,破壊された火砕 丘のラフト(raft)がみられることがある。 5. 2 Type-B(アア型溶岩) Type-B は,表面がクリンカー状のスコリア岩塊か らなる溶岩で,アア溶岩に相当する。Type-B には, 直径10cm 程度の小型クリンカー状スコリア岩塊から なるカリフラワー・アア溶岩に類似したタイプ(写真 28),直径 30cm 以上のやや大型の丸味を帯びたスコ リア岩塊からなるラブリー・アア溶岩に似たタイプ (写真32・33)の両方がみられる。カリフラワー・ア ア型溶岩は,溶岩の上面と下面にクリンカー状スコリ ア岩塊の集合体が発達し(写真30),しばしば中間型 を経てType-A(パホイホイ型)溶岩から移化する。こ のタイプの溶岩の厚さは数m 以内のものが多い。ラブ リー・アア型溶岩は厚さが厚く数10m に達するもの も認められる。厚さの厚いラブリー・アア型溶岩では, 波長が数10m 以上,振幅が 10m 以上にも達する規模 の大きな溶岩じわが発達し,明瞭な溶岩末端崖もみら れる(写真33)。このタイプは,しばしば局所的にカリ フラワー・アア型溶岩に移化することがあるが,まれ にブロック溶岩に類似したものに移化する場合もみら れる(写真35・37)。また規模の大きな Type-B 溶岩で は,破壊された火砕丘の一部が溶岩によって運ばれて きた火砕丘ラフトが,溶岩流の先端部近くでも認めら れる場合がある(写真34)。火砕丘ラフトには長径が 10m を越えるような大型のものも存在する。また,火 砕丘ラフトは様々に溶結したアグルチネートから構成 され,リボン状火山弾が含まれるものもみられる(写 真36)。
5. 3 Type-C(中間型溶岩) 表面が平滑なType-A 溶岩とクリンカー状スコリア 岩塊の集合体であるType-B 溶岩の中間の形態を有す る溶岩を,Type-C(中間型)溶岩とよぶことにする。 Type-A 溶岩の表面の凹凸が著しくなり発泡の程度も 増大するが,Type-B 溶岩の表面のように独立したク リンカー状岩塊の集合体にまでは至っていないものが Type-C 溶岩である(写真 26)。形態上はハワイ島火山 のペースト状パホイホイに類似する。Type-A 溶岩は, しばしばType-C 溶岩を経て Type-B 溶岩に変化する。 また,Type-C 溶岩は,Type-A や Type-B 溶岩の一部 として局所的に出現する場合が多い。 5. 4 Type-D(水底溶岩) 本栖湖およびせの海に流れ込んだ水底溶岩の一部と 思われるものが,本栖湖畔および精進湖畔にみられ る。本栖湖畔では,陸上溶岩の末端崖から流出し,浅 い水中に流入した二次的溶岩が急冷固化したと考えら れるものが認められる。この二次流出溶岩は,水中流 出によって表面にパラゴナイトが発達したType-A 溶 岩の一種と考えられるが,小幡・海野(1999)は,こ れらをType-I,Type-II,Type-III の 3 種類に分類して いる。Type-I 溶岩は膨張割れ目が発達したテュムラス 状溶岩ローブからなり,割れ目の断面に沿って縞状組 織がみられるストライプ・タイプとブリスターの発達 したブリスター・タイプとに分けられる。Type-II は スラブ・パホイホイに,また,Type-III はラブリー・ パホイホイに相当するもので,噴出率が増大した結果 溶岩ローブが破壊されることによって形成されたもの と考えられる。ここでは,Type-Iが量的には最も多い。 同様のものは精進湖畔にもみられる。精進湖畔では, Type-A に属するスラブ・パホイホイ溶岩あるいはラ ブリー・パホイホイ溶岩の末端崖を破って浅い水中に 流入した,表面にパラゴナイトを伴う二次的Type-A 溶岩流がみられる。この溶岩は,ガラス質の平滑な表 面を有し,膨張割れ目が発達していて,本栖湖畔の Type-I に似ている。 6 溶岩タイプの空間的分布 溶岩グループごとに,各溶岩タイプが現在の表面に おいてどの程度の割合を占めるかを検討してみる(図 2)。なお,Type-C 溶岩は,Type-A や Type-B 溶岩の 一部として局所的に出現することが多いので,ここで はType-A,Type-B それぞれの溶岩タイプが卓越する 領域に含めて考えることにする。 下り山溶岩グループではチャンネルフローが卓越し ており,Type-B 溶岩が卓越する地域が全露出面積の 約37%を,Type-A 溶岩が卓越する地域が約 60%を, そして残りの約3%の地域を Type-D 溶岩が占める。 Type-A 溶岩が末端部において Type-B 溶岩に変化する ものや,Type-B 溶岩のみからなるチャンネルフロー などがみられる。最後に噴出したType-A 溶岩はシー トフローである。これに対して,石塚溶岩は,そのほ とんどがシートフローと思われるType-A 溶岩からな る。また,氷穴溶岩グループは,大部分がチャンネル フ ロ ー で あ り, 火 口 近 傍 を 除 き そ の 約80%程度が Type-B 溶岩の卓越する地域,残りの約 20%が Type-A 溶岩の卓越する地域である。 一方,最も大きな面積を占める長尾山溶岩グループ では,Type-A 溶岩の卓越する地域が約 74%と大半を 占め,残りの約25%が Type-B 溶岩の卓越する地域, 約1 %が Type-D の分布する地域からなる。 長尾山溶 岩グループでは,Type-B のほとんどがチャンネルフ ローと考えられ,Type-A ではシートフローが卓越す る。特に長尾山溶岩グループ西半分の末端部付近で は,大規模なType-B 溶岩が発達し,その大部分が波 長・波高および末端崖の高さが数10m に達するラブ リー・アア溶岩である。この溶岩の先端部の末端崖付 近には,しばしば火砕丘のラフトが存在する。長尾山 溶岩グループの場合,先に噴出したType-B 溶岩は, その後流出したType-A 溶岩によってかなりの部分が 覆われてしまっていると考えられるので,実際の両者 の卓越する地域の分布面積比率は50%に近いか,あ るいは場合によってはType-B 卓越地域の方が Type- A 卓越地域よりも大きい可能性も否定できない。 7 溶岩タイプの時間的変遷 下り山溶岩グループでは,初期に噴出した溶岩は Type-A が Type-B に変化するタイプ,次に噴出したの が主にType-B 溶岩,そして最後に噴出したのが Type -A 溶岩である。一方,石塚溶岩グループは,現在露 出するもののほとんどがType-A 溶岩であるが,両者 を一連の割れ目火口群からの噴火活動とみなすと,先 に噴出を始めた下り山溶岩グループにType-B が目立 ち,後から噴出したと思われる石塚溶岩グループでは
図 2 青木ヶ原溶岩流における溶岩表面形態の分類。
1 : 主に Type-A からなる領域;2 : 主に Type-B からなる領域;3 : Type-D からなる領域
Type-A が卓越することになる。 長尾山溶岩グループでは,最初期に規模の大きな Type-Bが噴出し,その後,規模の大きなType-Aのシー トフローの流出があった。氷穴溶岩グループでも,初 めに規模の大きなType-B の噴出があり,最後に Type -A が流出しているようにみえる。 以上のように,一連と思われる割れ目火口群に着目 すると,青木ヶ原溶岩群では,初めにType-B 溶岩の 噴出があり,その後引き続いてType-A 溶岩が流出し た場合が多いと考えられる。 一方,青木ヶ原溶岩で実施されたボーリングの結果 および野外での被覆関係では,全岩FeO*/MgO 比が 2.15 以上と高く石塚溶岩グループに属すると思われる Type-A 溶岩が,長尾山起源と推定される Type-B 溶岩 に覆われている(荒井ほか,2003;高橋ほか,2003)。 長尾山溶岩グループの活動がType-B 溶岩から開始さ れたとすると,長尾山溶岩グループは石塚溶岩グルー プよりも後から活動を始めた可能性が高いことにな る。
8 議 論 8. 1 異なる溶岩タイプの成因 すでに述べたように,エトナ火山の例などをみる と,ハワイ島火山の溶岩よりも低温(エトナ火山では 1070 ~1090℃)で斑晶にきわめて富む(エトナ火山で は50 ~60vol.%)ハワイアイト溶岩などは,より小さ な変形速度(マグマ噴出率)でもパホイホイ溶岩から アア溶岩に変化してしまう。これに対して,青木ヶ原 溶岩の石基輝石の化学組成に基づいてLindsley(1983) の輝石温度計によって推定された固化温度は,1120 ~ 1140℃という高い値を示しており(佐藤ほか,1999), この温度は,ハワイ島火山のソレアイト溶岩とほぼ同 程度である考えてよい。また,青木ヶ原溶岩ではその 平均斑晶量が32vol.%とやや高めであるが,一般に, 斑晶量は50vol.%を越えないかぎり,溶岩流の粘性や レオロジー的な性質に大きな影響は与えないと考えら れている。したがって,未固結の青木ヶ原溶岩の物性 は,ハワイ島火山のソレアイトと同一とはいえないま でも,かなり近いものであったとみなして以下の議論 を進めることにしたい。 ハワイ島火山では,パホイホイ溶岩とアア溶岩の違 いをもたらした要因として,冷却・結晶化にともなう ニュートン流体からビンガム流体への溶岩物性の変化 (主に石基の結晶度と粘性の増大による)と変形速度 の増大が考えられている(Peterson and Tilling,1980; Row and Walker,1990 など)。変形速度の増大をもたら す要因としては,マグマ噴出率の著しい増加および溶 岩が流下する斜面の傾斜の増大が挙げられる。青木ヶ 原溶岩においても,ハワイ島火山と同様に,パホイホ イ型のType-A 溶岩とアア型の Type-B 溶岩の違いを もたらした原因として,溶岩の温度・石基結晶度・斑 晶量・粘性などの溶岩物性の差,あるいは溶岩物性が ほぼ同じ場合には,流下する斜面の傾斜やマグマ噴出 率などの溶岩の変形速度を支配する要因の違いなどが 考えられる。 ハワイ島火山では20 度あまりの急傾斜の崖がある と,パホイホイ溶岩がアア溶岩へと変化する。また, 傾斜2 度以下の平坦地では,パホイホイ溶岩のシート フローやシート状溶岩膨張などが発達する。さらに, 2 ~ 6 度の傾斜地では,斜面の影響はほとんどみられ ず,溶岩の表面形態を決める要因としては,むしろマ グ マ 噴 出 率 の 方 が 効 い て く る(Kauahikaua et al., 2003)。 青木ヶ原溶岩が流下した斜面の傾斜は,石塚,長尾 山,氷穴などの火口近くの斜面で5 ~10 度とやや急傾 斜であるが,残りの大部分の斜面の傾斜は2 ~4 度と 緩傾斜なので,もし溶岩の物性がハワイ火山と同程度 ならば,斜面の傾斜は溶岩タイプの決定にほとんど影 響を与えないものと考えられる 斜面の影響があまり考えられないとすると,Type- A 溶岩が Type-B 溶岩に移化するような場合には,冷 却により温度が低下し,溶岩の石基の結晶度が増大し 粘性が増加して,溶岩がニュートン流体からビンガム 流体に変化したことがその原因であると考えてよいだ ろう。一方,下り山溶岩や長尾山溶岩にみられるよう な規模の大きなType-B 溶岩のチャンネルフローにつ いては,後から噴出したType-A 溶岩によって覆われ ているために詳細については不明の点も多いが,Type -A 溶岩から移化したと考えるよりは,最初から Type -B 溶岩として噴出した可能性が強いものと考えられ る。大規模なType-B 溶岩の先端部に火砕丘ラフトが みられるのは,噴出口からこうしたラフトを運搬して きたことを意味しており,Type-A が Type-B に変化し たとみなすよりも,最初からType-B 溶岩として噴出 したとする方が説明しやすい。火砕丘ラフトの存在 は,Type-B 溶岩をもたらした噴火が,溶岩噴泉を高 く噴き上げるような,マグマ噴出率の大きい,激しい 噴火であったことを示唆する。ただし,「日本三代実 録」の記録によれば,溶岩噴泉の高さは20 丈(60m)程 度と述べられており(小山,1998),これが事実ならば, 大量のアア溶岩を噴出したハワイ・キラウエア火山 プーオーオー火砕丘形成時の溶岩噴泉の高さ(100 ~ 400m)に比べてかなり小さな値であり,大型の火砕丘 を作らないハワイ島火山の通常の溶岩噴泉程度であ る。しかしながら,この記載が長尾山溶岩グループの 火口群の溶岩噴泉についてのものかどうかは不明であ り,実際にはプーオーオー火砕丘を形成したような高 い溶岩噴泉が上がっていたのかもしれない。 もし大規模なType-B 溶岩が噴出口から直接流出し たとすると,全岩化学組成,斑晶量,斑晶モード組成 などがほとんど変わらないType-A と Type-B では, 噴出時のマグマの温度・粘性などが大きく異なってい たとは考えにくいので,マグマ噴出率の違いが両者の
違いをもたらした要因である可能性は,きわめて高い といえよう。 青木ヶ原溶岩の物性がハワイ島火山の溶岩と大きく は異なっていなかったとすると,その表面形態がパホ イホイ的なものからアア的なものへと移化する際の臨 界マグマ噴出率も,ハワイ島火山の場合とそれほど大 きくは違っていなかったものとみなしてよいかもしれ ない。ここでは,青木ヶ原溶岩の場合においても,ハ ワイ島火山と同様に,最大で約5m3/s 程度の噴出率が, 両者の形態の違いをもたらした閾値であったと考えて おくことにしよう。これが事実であるとすれば,Type -A 溶 岩 の 噴 出 率 は 5m3/s よ り も 小 さ く, 大 規 模 な Type-B 溶岩のそれは 5m3/s よりも大きかったことに なる。すなわち,青木ヶ原溶岩の大規模なType-B・C 溶岩は,Type-A溶岩よりも大きな噴出率の噴火によっ てもたらされた可能性がある。 一方,石塚溶岩グループや長尾山溶岩グループの Type-A溶岩には,「溶岩洞窟」で代表される溶岩チュー ブ・システムがよく発達する。マグマ噴出率が低いに もかかわらず,これらの溶岩グループのType-A 溶岩 からなるシートフローが大規模であるのは,こうした 溶岩チューブ・システムを通して,より広い地域に, またより遠くまで,効率よく大量の溶岩が供給された ためであるかもしれない。 8. 2 ハワイ火山の噴出様式との比較 キラウエアやマウナロアなどのハワイ島の火山で は,多くの場合,噴火の初期にマグマ噴出率が高く, 激しい噴火によるアア溶岩の流出が短期間みられる が,その後はマグマ噴出率が低下し,穏やかな噴火に よりパホイホイ溶岩が流出する期間が長く続くことが 一般的である。プーオーオー・クパイアナハ火口から の噴火では,最初の3 年半の間は噴出率が高く,溶岩 噴泉を上げながら主にチャンネルフローによりアア溶 岩を噴出していたが,その後は噴出率が下がり16 年 半にわたって,主に溶岩チューブ・システムを利用し てパホイホイ溶岩のシートフローを流出する穏やかな 活動を続けている。すでに指摘したように,青木ヶ原 溶岩の場合にも,各火口列に着目すれば,最初にアア 型のType-B 溶岩が,次いでパホイホイ型の Type-A 溶岩が卓越して活動する傾向がみてとれる。噴火の初 期には比較的高い噴出率のチャンネルフローにより主 としてType-B 溶岩が,後半には噴出率が低下して溶 岩チューブ・システムにより主としてType-A 溶岩が, 各火口列ごとにそれぞれ形成されたものと考えると, こうした傾向を説明することができる。 ハワイ・キラウエア火山およびマウナロア火山の各 溶岩の平均噴出率(総噴出量を噴火継続時間で割った もの)とパホイホイ溶岩あるいはアア溶岩との関係を みると,すでに指摘したように,平均噴出率が5m3/s よりも小さい場合にはパホイホイ溶岩が,大きい場合 にはアア溶岩が形成されている(Rowland and Walker, 1990)。また,各溶岩の平均噴出率は,マウナロア火 山では1044 ~4m3/s であり,キラウエア火山では 400
~2m3/s であって,噴出率の大きい場合には例外なく
アア溶岩となっている(Rowland and Walker,1990)。 青木ヶ原溶岩の噴出継続時間は,西暦864 年(貞観 6 年)6 月末から西暦 866 年(貞観 8 年)1 月頃まで噴火 が続いていたとすると,少なくとも19 ヶ月以上とい うことになる(小山,1998)。推定される溶岩の総噴出 量を1.2km3以上とし,これを19 ヶ月で割って平均噴 出量を見積もってやると約24m3/s 以上となる。プー オーオー・クパイアナハ火口からの溶岩流出のこれま での平均噴出率は5m3/s とされているので,この噴出 率が事実であるとすると,青木ヶ原溶岩はそれよりも はるかに噴出率の大きな噴火の産物であったことにな る。もし,この平均噴出率の溶岩流出がハワイ島火山 で起きていれば,それは確実にアア溶岩となるであろ う。しかし青木ヶ原溶岩ではかなりの量のパホイホイ 型Type-A 溶岩が噴出している。このことの説明とし ては,次のような可能性が考えられる。 (1) 青木ヶ原溶岩では Type-B 溶岩の噴出率が圧倒 的に大きく,その値とType-A 溶岩の低い噴出 率とを平均した結果がこうした高い平均噴出率 となった。 (2)古文書に基づく噴火継続時間の推定が短すぎ る。古文書の記載が不十分で,実際にはType- A を噴出するような穏やかな噴火を,もっと長 期間にわたって続けていた。 いずれにしても,青木ヶ原溶岩の噴出率や噴出規模 は,ハワイ島火山の溶岩噴出に匹敵するものであった と考えられる。
9 まとめ
(1)青木ヶ原玄武岩質溶岩の表面形態は,Type-A, Type-B, Type-C, Type-D の 4 タイプに分けられる。 Type-A は平滑な表面を有しハワイ島火山のパホイホ イ溶岩あるいは粗面パホイホイ溶岩に,Type-B はク リンカー状の岩塊の集合体からなる表面を持ちハワイ 島火山のアア溶岩に,Type-C はその中間の表面形態 を示しハワイ火山の中間型あるいはペースト状パホイ ホイに,それぞれ類似する。Type-D は Type-A に似る が,ガラス質の表面とパラゴナイトの発達で特徴づけ られ,水底溶岩であると考えられる。なお,これらの 各溶岩タイプを構成する溶岩の全岩SiO2量は51.0 ~ 51.47wt%とほぼ同一である。また,斑晶量には 21 ~ 41vol.%とやや幅がみられるが,各溶岩タイプ毎の系 統的な違いは認められない。 (2)青木ヶ原溶岩は,延長 6km の範囲にわたる,規 模の大きな割れ目火口群から噴出したと考えられる が,噴出火口の違いによって,下り山,石塚,長尾山, 氷穴の4 つの溶岩グループに区分される。それぞれの 溶岩グループにおける現在地表に露出する部分での各 溶岩タイプの卓越する面積の比率は,下り山溶岩グ ループではType-A,Type-B,Type-D の各地域が,そ れぞれ53%,43%,3%,石塚溶岩グループでは Type-A 地域がほぼ100%,長尾山溶岩グループでは Type-A, Type-B,Type-D の各地域が,それぞれ 74%,25%,1%, 氷穴溶岩グループではType-A 地域が 20%,Type-B 地 域が80%である。 (3)青木ヶ原溶岩における溶岩タイプの噴出順序 は,下り山・石塚,長尾山,氷穴の各溶岩グループに おいて,いずれの場合も大局的にはType-B → Type- A であり,これはハワイ島火山における多くの例と同 じであって,噴火の進行とともにマグマ噴出率が低下 したことが示唆される。 (4)もし古文書の記載による噴火継続時間が正しい とすれば,青木ヶ原溶岩の平均噴出率は25m3/s ときわ めて高いことになり,これはハワイ島火山における各 溶岩のマグマ噴出率に匹敵する。 謝辞 本研究は日本大学総長指定研究および文理学部個人研究 の一部として行われた。研究の機会を与えていただいた関 係機関の方々,および粗稿を読んでいただき貴重な御意見 をいただいた日本大学文理学部地球システム科学科大野希 一博士に感謝したい。また,2003 年度地球惑星科学関連学 会合同大会における講演発表に際しては,国土交通省富士 砂防事務所から未公表のレザープロファイラーマップを参 考資料として使用することを特別に御許可いただいた。記 して感謝の意を表したい。 荒井健一・鈴木雄介・松田昌之・千葉達朗・二木重博・小 山真人・宮地直道・吉本充宏・富田陽子・小泉市朗・ 中島幸信(2003):古代湖「せのうみ」ボーリング調査に よる富士火山貞観噴火の推移と噴出量の再検討.2003 年度地球惑星科学関連学会合同大会講演要旨. Cashman, K. V., Thornber,C. and Kauahikaua, J. P. (1999) :
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写真 1 ハワイ島キラウエア火山プーオーオー・クパイアナハ火口から流出した 2002 年 9 月のパホイホイ溶岩。スキンを 破って流れ出したトウ。カモアモア付近。 写真 2 長尾山溶岩グループの Type-A 溶岩にみられるトウ。西湖・根場南東付近。 写真 3 ハワイ島キラウエア火山プーオーオー・クパイアナハ火口から流出したパホイホイ溶岩(2002 年 9 月)。トウある いはローブが重なった層状構造を示し複合ローブを構成する。表面に縄状構造が発達する。カモアモア付近。 写真 4 長尾山溶岩グループの Type-A 溶岩。トウあるいはローブの重なった複合ローブを構成する。西湖・蝙蝠穴洞穴付 近。 写真 5 石塚溶岩グループの Type-A 溶岩の表面にみられる縄状構造。富士風穴付近。 写真 6 長尾山溶岩グループの Type-A 溶岩にみられるスカイライト(天窓)。直径は 1m 程度。西湖・蝙蝠穴洞穴付近。 写真 7 長尾山溶岩グループの Type-A 溶岩にみられる円形陥没口。精進湖付近。 写真 8 ハワイ島キラウエア火山プーオーオー・クパイアナハ火口から流出したパホイホイ溶岩にみられる層状構造(複 合ローブ)とブリスター。カモアモア付近。 写真 9 長尾山溶岩グループの成層構造の発達した層状 Type-A 溶岩(複合ローブ)。西湖・根場南東。 写真10 長尾山溶岩グループの層状 Type-A 溶岩(複合ローブ)。平滑な表面と大型のブリスターが発達する。大室山西方 付近。 写真11 長尾山溶岩グループの成層構造の発達した層状 Type-A 溶岩(複合ローブ)。 竜宮洞穴西方付近。 写真12 長尾山溶岩グループにみられる無層理の厚い Type-A 溶岩。鳴沢付近。 写真13 写真 12 の溶岩の拡大断面。何層かの気泡列の発達した上部クラスト,部分的に気泡シリンダーなどがみられるが 基本的に気泡に乏しいコア部,気泡に富む下部クラストからなる。これらの特徴は,溶岩膨張によって形成され たパホイホイ溶岩のものと類似する。鳴沢付近。 写真14 長尾山溶岩グループの無層理の厚い Type-A 溶岩。竜宮洞穴西方付近。 写真15 ハワイ島キラウエア火山プーオーオー・クパイアナハ火口から流出した 2002 年 9 月のパホイホイ溶岩。全体とし てハンモック状パホイホイ溶岩を形成する。ところどころに溶岩丘やテュムラスがみられる。カモアモア付近。 写真16 ハワイ島キラウエア火山プーオーオー・クパイアナハ火口から流出したハンモック状パホイホイ溶岩の断面。緩 やかに盛り上がった溶岩丘がいくつも発達している。カモアモア付近。 写真17 長尾山溶岩グループの Type-A 溶岩にみられるハンモック状パホイホイ溶岩。溶岩丘あるいはテュムラスが発達し ている。大室山北方付近。 写真18 長尾山溶岩グループの Type-A 溶岩にみられるテュムラス。大室山北麓付近。 写真19 ハワイ島キラウエア火山プーオーオー・クパイアナハ火口から流出したパホイホイ溶岩にみられるテュムラス。 カモアモア付近。 写真20 長尾山溶岩グループの Type-A 溶岩にみられるブリスター。富岳風穴北東付近。 写真21 ハワイ島キラウエア火山プーオーオー・クパイアナハ火口から流出したパホイホイ溶岩にみられるブリスター。 カモアモア付近。 写真22 ハワイ島キラウエア火山カポホ溶岩流にみられるスラブ状パホイホイ溶岩。カポホ付近。 写真23 ハワイ島キラウエア火山カポホ溶岩流にみられるスラブ状パホイホイ溶岩の遠景。ライトハウス付近。 写真24 長尾山溶岩グループの Type-A 溶岩にみられるスラブ状パホイホイ溶岩。富岳風穴南方付近。 写真25 ハワイ島キラウエア火山カポホ溶岩流にみられるスラブ状パホイホイ溶岩。パホイホイ溶岩のスラブとアア溶岩 のカリフラワー状クリンカーとの共存がみられる。ライトハウス付近。 写真26 長尾山溶岩グループの Type-C 溶岩。表面形態は,ハワイ島火山のペースト状パホイホイに類似する。大室山北方 付近。 写真27 ハワイ島キラウエア火山カポホ溶岩流にみられる中間型のペースト状パホイホイ溶岩。ライトハウス付近。 写真28 長尾山溶岩グループの Type-B 溶岩にみられるカリフラワー・アア。御殿庭南方付近。 写真29 ハワイ島キラウエア火山マウナウル火口から流出したカリフラワー・アア溶岩。カモアモア西方。 写真31 ハワイ島キラウエア火山マウナウル火口から流出したパホイホイ溶岩とそれを覆うカリフラワー・アア溶岩。背 後にみえる崖は,プラマパリ正断層崖。カモアモア西方。 写真30 氷穴溶岩グループの Type-B 溶岩にみられるカリフラワー・アア溶岩の断面。上下にアア・クリンカーの発達が認 められる。長尾山付近。 写真32 長尾山溶岩グループの Type-B 溶岩にみられるラブリー・アア溶岩の丸味を帯びたブロック。精進湖南方付近。 写真33 長尾山溶岩グループの Type-B 溶岩末端崖付近に発達するラブリー・アア溶岩。精進湖南方付近。 写真34 長尾山溶岩グループの Type-B 溶岩末端崖付近にみられる火砕丘のラフト。精進湖南方付近。 写真35 長尾山溶岩グループの Type-B 溶岩の一部にみられるブロック状溶岩中のブロック。多角形で平滑な面に囲まれて おり,ブロック溶岩のブロックに似ている。精進湖南方付近。 写真36 長尾山溶岩グループの Type-B 溶岩末端崖付近にみられる火砕丘ラフト中のリボン状火山弾。精進湖南方付近。 写真37 長尾山溶岩グループの Type-B 溶岩先端部にみられるブロック溶岩類似の溶岩。御殿庭北方付近。