(昭和44年9月12日受理)
押山保常
石田時雄
斉藤健二
The Electromagnetic Field in a Waveguide with partially
filed Magneto Plasma and its Applycation
TamotsuneOSHIYAMA TokioISHIDA KenjiSAITO
Synopsis Th paper considered the propagation behaviour of a circular waveguide enclosing an axial column of anisotropic plasma. We introduced the characteristic equations of propagation region in the waveguides. Then we solved the equations numerically by introducing dimensions of plasma electrondensity, radius, intensity of magnetic field and waveguide radius. The components of electromagnetic field in the waveguide are decided by the above method. Next the Farady rotation angles of polarized wave are calculated. We measured the Farady rotation angles through the plasma waveguides. These angles are tolerab】y coincide with the calculated values. We constr,ucted the plasma isolators of circular waveguide used the Farady rotation, and measured the forward and the backward attenuations. We think that the plasma isolator has possibility to realize in future after some improvements. 1. ま え が き プラズマとは,荷電粒子を含んだほぼ中性の粒子の集 りを意味している。気体放電や電離層はその良い例であ る。電離層の電磁波による研究によって,磁界のかかっ たプラズマ(磁化プラズマという)中では,電磁波は右 廻りと左廻りの円偏波に分れて進行するとみなしてよい ことがわかった。これは磁化プラズマの誘電率が異方性 であり,テソソルの成分を持つとみなすことができるか らである。 一・方テンソルの導磁率を持つフェライトはマイクP波 の非可逆素子として,アイソレータやサーキュレータな どに使用されている。テソソル誘電率を持つ磁化プラズ マも非可逆性を持ち,マイクロ波のアイソレe−−Lタ,サー キュレータ,ジャイレータなどに使用できるとわれわれ は考えている。 電離層のような無限の広がりを持つプラズマ中の電磁 波の伝播に関する理論的解析は数多くなされているが, (われわれも前に行なった1)),プラズマ導波管の場合の ようなその大きさが限定されたプラズマ中における解析 は,大久保氏2),Suh1, Walker両氏3),Clarricoats氏4)らの 論文に見られる程度である。大久保氏は同心的にプラズ マ円柱を含む円形導波管について,主にしや断周波数と 特性インピーダソスについて解析している。Shul, Walk− er両氏は導波管がプラズマによって完全に満たされた場 合について解析を行なっている。またClarricoats氏は誘 電体,フェライト,プラズマなどの棒が円形導波管に同心 的に挿入された場合の解析は行なっているが,磁化プラ ズマについての解析は行なっていない。われわれは磁化 プラズマが導波管に同心的に挿入された場合の伝播領域 における解析を行なう。 円形導波管内の電磁波は無限空間と異なり直線偏波で はないが,TE11に近いモード(混成モードになってい る)の一部を近似的に一様な平面波のような直線偏波と みなして解析を行なう。 一・般的解析によって出てくる特性方程式は複雑で解く ことができないので,実験に合わせた諸元を導入して, 電子計算機を使用して数値解を求めた。 円形導波管に同心的に磁化プラズマを挿入すると,プ ラズマを通った電磁波は偏波面が回転している。これを 応用して45度偏波面を回転させると,逆方向に進行する 電磁波は,磁化プラズマを通ると,さらに45度偏波面が 回転するので,正方向に進行する電磁波と90度偏波面 が回転していることになり,方形導波管を使用すると, しや断領域に入り,逆方向に進行する電磁波は非常に 減衰させられる。すなわちマイクP波アイソレー一タを作
ることができる。 偏波面の回転はプラズマの電子密度と加える磁界の強 さによって変化する。上に求めた数値解による偏波面の 回転角と実験より求めた偏波面の回転角とは可成りの程 度一致する。 放電プラズマを作る気体としては,アルゴソ,キセノ ン,クリプトンにそれぞれ小量の水銀を混ぜて実験し た。これらの放電管を導波管中に挿入してアイソレータ を形成し,アイソレータの挿入損失(正方向減衰),逆 方向減衰を測定し,その結果を示す。 2. プラズマのテンソル誘電率 2.1プラズマモデル 本論文で考えるのは弱電離気体からなるプラズマであ る。この場合プラズマは,電子,イオソ,中性分子より 成り立っている。さらに電離度は低いものと仮定する。 したがって,電子やイオソの数にくらべて中性分子の数 が多く,またイオンは電子にくらべて非常に質量が大き く,動きにくいので,衝突としては電子と中性分子との 衝突が重要であり,電子・イオン間,電子・電子間,イオ ソ・分子間の衝突はそれにくらべて少ない。したがって, 衝突としては電子と中性分子の間だけを考慮し,イオソ や中性分子の運動を消略するいわゆるローレソツ近似を 採用する。 したがってプラズマ中の電子の運動の方程式として, つぎの式が導かれる5)。 勿.亙_e(E+V×B)_mvV (2.1) ∂t ここにmは電子の質量,Vは電子の速度, eは電子の電 荷,Eは電磁波の高周波電界,Bはプラズマに加えられ る磁束密度,vは実効衝突周波数である。 2.2 テンソル誘電率 (1)式でBとしては静磁界のみを考慮し,高周波磁界 を無視する。電界Eおよび速度アはexp(元ωDなる 時間依存項にしたがって変化するものと仮定する。 (1)式をx,y,2成分に分けてつぎの3式がえられる。 e (1−Y。2)ω Y・==一元万(ω・一元ω、)(1−Y・)E・
+蓋(皇揚票告脳
一晶嘉。鷲・)Ea(2・2)
弓((γr元γゐ)ωω2一元ωレ)(1一γ2)Ex−」㌃(㎡毒票普珂品
+妾毒已諾裟当≠
Vz÷蕩i治・)Ex
θ (y’r元y吟、Y,)ω m(ω2一元ωの(1−Y2) .e (1−}㌃2)ω Ey 一」m(ω・−」ω、)(1−Y・)Ey (2・3) (2・4) ここにω,−eB/mサイクロトロン周波数であり,その x,y, z成分はco,Xs(D,y, tOczである。また ωc3 ωcy COex .,}㌃= . .,Yv= Yx== ω一7v ω一1レ ω一フレ Y_VZI・再・+γ乏一ωc. ω一7レ である。 このようなプラズマ中では,マックスウエルの方程式 より,つぎの関係式が成り立つ。・・票臓一…H (2・5)
ここにεoは真空の誘電率であり,Nは電子密度(単位 体積中の電子数)である。 (2・5)式に(2・2),(2・3),(2・4)式を代入して整理す ればつぎの式がえられる。 ・・|・1票一・・ εxx εxy Sx9 εya εyy εyx εax ε2Y εae ∂Ex ∂t ∂Ey ∂t ∂Ea ∂彦 == rot H(2・6) 1 これよりプラズマのテンソル誘電率は(2・6)式中εolsi によって表わされる。ただし,exx−1−x≡票働一一元x互芸譜・
Yz一元γ⑳γy γ〃一元γエγ君 ,εyx一元x ε。、・・jX 1−Y2 1−y2・㌍レヰ雲・・㍑一一x当導≡・(2・7)
γエー元γ〃γz Yy十元γエγy ,ε、y一元x ε、x−一元x 1−−y2 1−y2 1−Y,2 εzz=1−X 1−Y2 Ne2 (2・8) x− mε。(ω2一元ωレ) である。 いま,Bがz方向のみの成分を持つとすれぽ γ・一ぽ一αγ・一芸ω、一γ (2’9) となり,さらに衝突を無視すれぽ一111一
Y。・・Yy=0, Y一γ戸巴, ω
X一蕊一芸 (2・1・)
となる。ここに,tOp2−Ne2/(mεo)であり,ωρはプラ ズマ周波数である。 また,さらにB−0とすれば(外部磁界がなけれぽ) εxy,εx9,εyx,εerg,ε、x,ε、y=・O (2・11) ε。y一εyy一ε、z−1一ωρ2/ω2 となる。 3.無限の広がりをもつ磁化プラズマ中の 電磁波の伝播 磁化プラズマ中のファラデー効果を概観するために, 無限の広がりをもつ磁化プラズマ中の電磁波の伝播につ いて述べるが,すでに引用文献(1)に詳述してあるので 結果を簡単に述べる。 εolε/なるテンソル誘電率とμoなる透磁率をもつプラ ズマ中では,マックスウエルの方程式はつぎのように表 わされる。・・1・1晋…t∬ (3・1)
∂ffμ・Tt”−r・tE (3’2)
電磁波はx方向に伝播し,exp(元ω彦)で振動している ものとする。したがって電界はつぎのように書くことが できる。 E=Eo exp{i(ω彦一ゐz)} 五)=oexp{元(tO t 一 konz)} (3・3) ここでfe=k。nであり, kは伝播定数, nはプラズマの 等価屈折率である。またk。一ω偏である。 (3・1),(3・2)および(3・3)式よりつぎの式がえられる。 72E−7(7・E)十kD21εIE−−O (3・4) 静磁界がz方向のみであるとすれば,テンソル誘電率 は前章で述べたように, εxx εxy O εolε1=εo εyx εyy O (3・5) 0 0 εzz で表わされる。ここに εxx == eyy = 1−1_Y・・ ε。y−−Syx−−jx (3・6) 1−.y2 Ne2 εza == 1一克, uY== ㈱・(ω2一元ωレ)’Y−=ω1・ (3・6)
ω一7Y である。(3・5),(3・6)式を(3・4)式に代入して,x,.y, x成分を求めると,つぎのようになる。1盤擁ll }(3・7)
この連立方程式がEx == Ey−Ea−0以外の解をもつた めには(3・6)式を考慮して,つぎの条件が成立しなけ れぽならない。x
n2R,L=1− (1±Y) (3・8) 1_y2 ここに添字R,Lはそれぞれ複号の十,一の符号に対応 することを意味する。 ところで,(3・8)式を(3・4)式に代入して,ExとEy の関係を求めると,胤。一±元 (3・9)
となる。これはそれぞれ右廻り,左廻りの円偏波のEx と現の関係である。すなわち,nR, nLはそれぞれ右 廻り,左廻りの円偏波に対する等価屈折率である。 (3・8)式に(3・6)式を代入すると,つぎの式がえられ る。 n・R…=1−P嘉弓ワ
ここに,ω。L迭L,ωノー巴,、t_⊥ ω ω ω である。 (3・10) 右廻り,左廻りの円偏波に対する位相定数,減衰定数 を求めるために,伝播定数をつぎのように置く。 元ね一元ゐ。nR一元βR一α況 (3・11) 」んL一元〃。nL == 」βL一α乙 (3・12) ここにβは位相定数,αは減衰定数である。(3・11), (3・12),(3・10)式よりβR,.,αR.Lを求めるとつぎのよ うになる。 B…L−Y丁[・_一,
ω,(1干ω。’) (1+ωρ)2+(〆)2+〆i+(4蒜舞{5剖
砕
瘁m(隠㌶戸一1
÷Vi+讐当9芸ワ1
(3・13) (3・14) 4. 磁化プラズマ導波管内の電磁波の伝播 われわれはプラズマをマイクロ波回路素子として利用 することを考えている。したがってプラズマは限られたFig.4.1 Plasma waveguide. 大きさのものである。実際問題として実現可能なプラズ マとして円柱状のプラズマを考え,これがFig,1に示 されているように円形導波管内に同心的に挿入され,さ らに管軸方向に静磁界が印加されているような導波管系 を考える。 以下この章では,磁化プラズマ中でマックスウエルの 方程式から出発して波動方程式を作り,さらに電磁界成 分を求め,境界条件から特性方程式を導く。 4.1 基本式の誘導 ここで取扱うプラズマは2で述べたような単純化され た媒質とし,さらに衝突を無視するものとする。この場 合プラズマのテソソル誘電率は ε1一元ε20
元ε2ε1 0 (4・1)
0 0 ε3 で表わされる。ここに:::緯ぽ当⑭
である。 4・1・1マヅクスウェルの方程式 上記のテソソル誘電率をもつプラズマを同心的に含む 円形導波管内にマックスウェルの方程式を適用する。 この章で用いられる添字‘弓”および“*”について説 明する。 A,はベクトルAのz方向に垂直な二つのベクトル成 分を表わし,もしA,の互に垂直な二成分が(α,β)な ら,そのとき(β,一α)なる成分をもつベクトルをA‘*で 表わす。たとえばのが(∂/∂x,∂/∂y)を表わすとき, 7,*は(∂/Og,一∂/∂のを表わす。またつぎの恒等式 が成り立つ。 Ae*・Ae*三At・At, (A,*)*≡−A,, A,・Az*≡三〇 (4・3) AI・B・*≡−A,*・B・, A、・B,*≡〔A×B〕のz成分 (4・1)式よりDとEの関係は 1)x= SIEx一ブε2Ey L)y=元ε2EヱーFεiEy (4・4) Dy == s3Ey となる。またすべての電磁界成分のzおよびzへの依存 項をexp{元(ωZ一βz)}とすると,マックスウエルの方 程式 ∂D「°tH−=tr/ (4’5)
∂B「°tE=一一諏
(4’6) は(4・4)式よりつぎのように表わされる。(付録ユ)1:灘iギ/一
つぎに 1 1τω㎡扇 (4’8)
なる長さの単位を導入する。ε3’なる誘電率をもつ無限 媒質中の波長をλ。とすると,この単位はλo/2πである。 またここであらためてつぎのような置き換えを行なう。 βoX→X, β・y→y, βoZ→2, β/β。→β すなわち,すべての長さは(4・8)式で表わされるような 単位をもって扱われる。したがってL7,は (∂(誌∂(i。,))を・甑一∂(急。)を謝る ことになる。また,さらに借∬・−Hl・借払一H・(4・9)
なる置き換えを行なう。すなわちllt,∬zに電界の dimensionを与える。 いま上一Y。,」≒一、〆,一…㌢一。,三一〆,一竺LρE ε3 ε3 ε3 ε3 ε1 (4・10) と定義すると(4・7)式はつぎのように表わされたマッ クスウェルの方程式となる(付録2)。 J7’t*Hz十元βH,*一レE’(元E,+ρEE¢*) v,・H,*=元P’Ea 7,*Ez+乞β」E,*一一ブH, ク6・E,*=一∫H9 4・1・2 波動方程式 (4・11a) (4・11b) (4・11c) (4・11d) (4・11)式中のE,とH,はEaとH、についての二つの 同次二階微分方程式をえるために消去される。言いかえ れば,これらはそれぞれがEgとH、の適当な線形結合に よって満足されるような二つの独立な二階微分方程式を 一ユ13一えるために結合される。これら二つの方程式を解いて, EaとU、をその解の線形結合として表わす。 (4・11a),(4・11c)式に7,なる演算を行ない,(4・11b) (4・11d),(4・3)式を考慮すれば
lll::1二議∵)/ (4・12)
となる。また(4・11a),(4・11c)式にれ*なる演算を行 ない,(4・11b),(4・11d),(4・3)式を考慮すれば 隠漂:1曇一J’i”g+PE7t’Et)}(4・13) となる。 つぎに(4・12),(4・13)式から7‘・E,またはク‘・H,を 消去するとつぎの式がえられる。 7・2Hz+YEt i1−,E・一¢ VE)Ua一元β〆但昆(4・14・) 7・2Ea+〆( β21− YE「)ト元βぽ(4・14b) 上式から,ρEのためにもはや純粋なTE波,7「M波は 存在しえないことがわかる。 さて17t2と(17t2)2とによって表わされるEzまたはHz のみの式をうるためにExまたはHzを(4・14)式から消 去しなけれぽならない。しかしこれは非常に困難である から,ク¢2に関する一次式,すなわち(4・14)式を満足 するEzとHzの線形結合がわかれぽ都合がよい。そのよ うな線形結合をつぎのように仮定する。 ψ=Ez_トjAHa (4・15) そして(4・14a)式をM倍して(4・14b)式に加えると7・2 (Ez+燭抑一昔+⇒島
βyE’ρL・ 1 − =0〆
なる二次方程式の根であれぽ Zl,22−〆(1−一旦+β,。AI,2 VPJ) ・1,・22・== yEt(1一㎡一書う一β』1 と置くことができ,(4・16)式は 7、2ip,,2+z2、,2Tl,2−0 +」{YE’(1−PE2一嘉)A+BPE}H・・一・ となり,もしAが 已(1−,。・」; YE)一・7t(1一劃 (4・16) (4・17) (4・18a) (4・18b) (4・19) なるスカラー波動方程式となる。ここに添字1,2は(4・ 18)式の二根に対応することを意味する。(4・18)式で二 根のどちらをA,とし,どちらをA2とすることは重要で はないが,しかし,たとえぽ二根のうち大きい方を常に A,とするというような,一貫性は守られなけれぽならな い。 つぎに,(4・19)式の一般解は円筒座標系では 哲1,2==[Ai,2∫n(Z1,2γ)十B1,2Nn(Xl,2γ)] [C1,2ePtθ一FZ)1,2θゴηθ] (4・20) と書くことができる。ここにJnはn次のべッセル函数 Nnはn次のノイマン函数であり, nは正の整数である。 またAl,2, Bl,2, C1,2, Dl,2は任意定数である。 epmθの 項はつぎの章で考慮することにして,ここでは簡単のた め考えないことにする。すなわち波動方程式(4・19)式 の一般解を 1グ1,2=[ノ11,2ノ,,(zl,2r)十Bエ,2Nn(xl,2r)]θプηθ(4・21) とする。ただしεル‘−P7)の項は省略されている。 4・1・3 電磁界成分 (4・15)式からE、および∬、はつぎの二式を満足しな けれぽならない。::㍑::1 }(4・22)
したがって上の二式からE、,H、がつぎのように求まる。 (A2_∠ti)Ez−∠12eri一ノ41哲1 (3・23a) (∠12−A,)Hz=元(T,−T2) (4・23b) ところで*の演算をPで表わすとつぎの関係が成り 立つ。 p2−−1, p−i=−p (4・24) (4・11a)および(4・11c)式をそれぞれP倍して (元yE’P一ρEYE’)E、+∫βH,一一7eHa 一ブβ」D+元1)”t=7tEa とし,これらの式からH,またea E,を消去すると (yE’一β2一元レガρ石P)E, 一一元β7tEa一元▲Pクz∬、 (yE’一β2−」レEtρE1⊃)H‘ 一レ’E(元P一ρE)7tEa−rβ7,Hz となる。いま ・s2・・ v・’[(1「祭)2−∋ 一叫嘉一(1+・・))躍一(1−PE)] (4・25a) (4・25b) を導入すると(4・24)式を用いて(4・25)式は 9E,一(1一βこ+元,EP YE) (−rβク,Ea一ブPP’,.πz)9Hl−
i1一βi輌P YE) [レ〆(」、P一ρE)ク¢Ez一元βク‘Uaコ (4・26) (4・27a) “27b)となる。 無限媒質中を2方向に伝播する平面波に対しては, E、・Hz−0であるから(4・27)式より9−0でなけれ ぽならない。したがってこの場合の伝播定数は(4・26) 式より β2=Y’E(1±ρE) (4・28) となる。この式の両辺にβ。2をかけて,実際の伝播定数 β、c、u、iを求めると,これは(3・10)式でv・・Oとし,さ らに両辺をん。倍した時の伝播定数を表わす式と一致す る。 さて(4・23)式で与えられるE、およびHaを(4・27) 式に代入し,Pなる演算を*に置き換えるとE,および H’Gを与える式がえられる。 (A,・−A・)9E,・・一・」[βA・(1「票)+・・]7,Y・’, 一(1+・,β・・一:)ク・・T, 一元[β・t,(1一書)吋脇 +(1+A1β,_βi YE)臓 (4・29・) (A1−A2)9H‘ 一[(1−÷)(・d.2yE’pE一β)−A・y・t・E]7,SP・ 一元[A・VEt(1「ξ)一・・(A・yE・ρ・一β)]醐 一[(・「票)(AlyEt・E一β)−A・y・’PE]7,Y・’2 +元[AlvE’(1一莞)一・・(A・V・・p・一β)]7,・yr2 (4・29b) (4・29)式は直角座標系において解かれたものである が,もしE,が(E。,Ee)を,またL7,が(∂/∂r,∂/r∂θ) を意味するものとすれば円筒座標系においても依然成立 する式である。 4.2プラズマ部分における電磁界 Fig.4.1に示されるプラズマ部分の電磁界を求めると き(4・8),(4・9)式でε3Lε3とすれば簡単になる。し たがって,(4・10)式より VEt=ε1/ε3==YE, レ’=1 (4・30) となる。また(4・17)式は YE(・−PE2−÷)一(1−÷) A−1=O A2一 βρ■ (4・31) となり,(4・18)式は 、1,、・..、」巴+β,Eγ1,2 (4・32。) YE Zl,22−VE(1−,。L亙 YE)一β・EA2, 1(4・32b) となる。 ところで,プラズマ部分は原点を含むから(4・21)式 においてNn(xr)の項は物理的に存在しえない解であ る。したがって Yl’1,2=ノ11,2∫η(Zl,2r)θゴ?エθ となる。さらに(4・29)式より (A一A2)2E、 一元[βA・(,−ii)+・E]1・・.v・’i −[A・B・・+(1一劉醐 一ブ[βA,(1一募)+・司脇 +[A,β・・+(・−i2)]171*y・2 (A,−A2)品」ff −[(㌃)(A・v・P・−B2)一・・t] (4・33) (4・34a) 1−一一 (A2VEρE一β2)−yEρEA2 t7tYi’i 一元[y・A2(1一豊唾ρ㌦一β)]7,・Y・’1 −[ β2(1− YL”)(・…A・・一・B・)−YE・・A・]7,Y7’2 +元[⇒1一嘉)一・・(・…A,一β)]7,・Y・’2 となる。 (4・34b) これらの式から,プラズマ部分の電磁界成分はつぎの ように求められる。(付録3) Ea=[ノ1∫n(Xlr)−BJn(z2r)コepmθ Er−一
縺m正磨
×{(1−z12)F。(Zlr)+nλ1}−Bム
ッ{(1−z22)恥・)+nZ2}]epme Ee==一 nltt[∫。(Zlr X12)品(Xlr)+n(1−・・2)}−B九
艶ン硫(…)+・(・−x22)}]・・ne Ha−一一2.[Aλ、」n(。1。)_B12∫。(Z、。)]、… βr ”r−一?m役きγ)脇(・1・)+・}−B九
ムiめ脇(x・・)+・}ピ H・一一 煤m正(Y/’){F.(,1r Xl)+nZi} 一βみxd…γ){輌)+・λ・}]〆 (43・5) 一・一・@115 一一ここにA,Bは任意定数であり,また Fn(・)一一{¥」tiilg.”.(g)・・,,・一βA・,・ である。ただしeゴ(ωt’PZ}の項は省略されている。 つぎに特別な場合として,しゃ断点における電磁界を 求める。 まずβ一〇,レ〆−YE, y’・=1とすると,(4・11)式は クt2Ha十b・E(1一ρE2)∬z=0 72tEz十Ea=0 となり x12−YE(1一ρE2) x22=1 と置けば(4・36)式の一般解は Hz=一元A/n(Xlr)ejuθ Eε=B∫π(x2r)epme (4・36a) (4・36b) (4・37) (4・38) (4・39) と表わせる。ここにA,Bは任意定数である。また (4・27)式は 9Ez−一ρEク,H、一元7‘*Ha (4・40a) 9H‘=元レE(1一ρE2)L7‘*Ez (4・40b) となる。ここに(4・26)式より 9=μE(1一ρE2)=z12 (4・41) である。 以上の関係より,しゃ断点におけるプラズマ部分の電 磁界成分はつぎのように求められる。 E、・=BJn(κ2のθ∫〃θ Er一元五∫買チ){・・F・(・・r)一・}・畑 E,一オ五(:1・)・{F。(。、。)一,En},伽・ (4・42) Zlr Ha=一元ノ1九(zlr)θ1πθ Hr−−B−z!Jn(z,r)e」u・ ∬・一一元Bx2〃(x2r)θ畑 ただしθルZ−P2}の項は省略されている。 また,A1−・。, A2=Oとして(4・35)式を求めたと同 様な手順で誘導しても(4・42)式と同じ電磁界成分の式 がえられる。 つぎに外部磁界零,すなわち等方性プラズマ中の電磁 界を求める。 外部磁界が零であるということは(2・11)式からもわ かるように,(4・1)式でε2 ・O,ε、一ε3とすることと等 価である。いまε3Lε3とすれば レピ=v’・=1,ρE=0 となる。したがって(4・14)式は ∠1e2Hg+(1一β2)Ha−0 (4・43a) 7t2Eg+(1一β2)Eg==O (4・43b) となり, x、2 == x22 == 1一β2 (4・44) と置けば,(4・43)式の一般解はつぎのように書くことが できる。 Ez=A∫n(Xlr)epme (4・45) 丑a==jB∫n(Xlr)θノηθ (4・46) ここにA,Bは任意定数である。また(4・26),(4・44) 式より 32=(1一β2)2・..(x12)2 (4・47) であるから,(4・27)式はつぎのようになる。 ト元素(β7・E・−7・*H2) (4・48・) H,一元念(7・*Ea一β7・H’・) (4・48b) したがって,外部磁界零の場合のプラズマ部分の電磁 界成分はつぎのように求められる。 Ea=・A/n(xlr)θゾηθ Er−∫
買チ){A3Fn(泊・迦・卿
脳一∫買チ)’・{A・β・一・BF・・(・・r)}・鋼 仏一元Bみ(Xlr)εゴ〃θ 昆一:讐γ){A・−BβF・(・・r)}・鋼島一一∫
夕){AFn(Xlr)−B・β}・鋼 ただしεゴ(wt“Pz)が省略されている。 3,3 空気部分における電磁界 (4・49) プラズマとの境界面で満足されるべき条件を考えると き,空気部分の電磁界もプラズマ部分と同じ方法で求め ることが望ましい。 4・1で導いたいくつかの基本式から空気部分の電磁界 を求めるためには,(2・11)式からもわかるように(4・1) 式でε、一ε3、・= SO,ε2−0とする必要がある。またr=・r1 における境界条件を考えるときの便利のために,4・2で 行なったように(4・8),(4・9)式で ε・Lε3一ε・{1−(ω忽/ω)2} とする。もしε〃3キε3とするとβ(一βac、U,1/β0)がプラ ズマ中と空気中で異なり不都合である。 以上述べたことにより(4・10)式は YEt=レ’=v, ρE ・O (4・50) となる。したがって(4・14)式は 7t2Ha十(Y一β2)−O (4・51a) 7t2Ez十(v一β2)Ez ==O (4・51b) となりレーβ2−z2 とおけば(4・51)式の解は Ez−[C∫,v(xr)十DIVn(xr)]ejne Uz一元[E/n(xr)十FNη(zr)]epme (4・52) (4・53) (4・54) と書くことができる。ここにC,D, E, Fは任意定数 である。また(4・27)式は 躍一一(1」ガ(β7・E・+7・“.lil−・) 9H・一元(・一三9(v7・*E・一β7・・lz) となる。しかるに(4・26),(4・52)式より 1 z4 9=一(Y一β2)2=一 ン レ であるから(4・55)式は El−一元吉(β7・・E・−7・ H’ a) H・一元±(・7・*Ez一β7・“Uz) となる。 (4・55a) (4・55b) (4・56) (4・57a) (4・57b) 以上の関係より,空気部分の電磁界成分はつぎのよう に求められる。 Ez=[Cみ(xr)十ヱ)Nn(zr)]θゴnθ E・ ・・ 一元[−1−{w(zr)+凪〃(・・)} 一ナ{E」n(謝ハln(・・)}]epme Ee− mnβ {C∫n(xrx27)+眺(xr)} 一÷{Efn’(・・)+酬(・・)]帆 Hz=元[Eみ(xの十FN%(xr)]θプηθ Hr−一m晋{C九(xr)+凪(鋤 一三{EJ。’(zr)+馳・ω}]・鋼 』一元[÷{CJn’(x・・)・+D.ZVn’(xr)} 一袈{E∫n(xr)十FNπ(xγ)}]・鯛 (4・58) ただし♂ω‘一図の項が省略されている。 ところでこの場合,(4・17)式からAl,2は任意定数で よいことがわかるから,たとえぽA1−a, A2−bとおき (4・35)式を求めたときと同様な取扱いを行なうことに よっても(4・58)式と同じ結果がえられる。 つぎに,しゃ断点における空気部分の電磁界は(4・58) 式でβ一〇とおいてつぎのようになる。 Ez={CJn(zr)十ヱ)Nn(xr)}杉プηθ E。一元÷{E∫。(xr)+F2v。(xr)}ε戊・・ xr E,__旦{Elnl(xr)+FN。’(xr)}θプ・・ (4・59) 互=元{E∫n(zr)十F2v。(zr)}εカθ ∬r−一={cみ(zr)+DN。(xr)}・… zr H’e−一元旦{Cl。’(zr)+DN。’(xr)}θゴ・θ z 3.4 特性方程式 Fig 4.1に示すような導波管系において,プラズマの 導磁率はμoで,導波管は導電率無限大の金属で作られ ているものとすると,つぎのような境界条件を満足しな けれぽならない. 1.導波管壁(r=r2)において, EθおよびEzが零で なけれぽならない。 2. プラズマと空気の境界面(r−rl)において, Eθ, Ez,丑,およびHzが連続でなければならない。 通過領域における境界条件は,(4・35),(4・58)式より CJ。(xr2)+D凡(xr,)−0 4し一[C∫。(xr,)+DN。(・。、)]
xr
ユ[Ef。’(。。、)+FN。・(。r,)]−O AJn(X】r1)−BJn(Z2rl) =Cみ(xrl)十Z)Nn(xrl) −k[AZ・」n(xr・)−BZ・Jn(xrl)] ==E∫n(xr1)十FNη(xrl) 五みl)争一B繁『)景
一乏£[C」n(xrl)+DAIn(xrl)コ 」一[EJ。’(xr1)+FN・。(xrl)コ正讐⊇芸一BtA’(x2「i)壼
一X[CJ。’(xr1)+DN㌦(zr、)] x ・ 一翌[EJn(。r、)+FN。(xr、)コ Xrl となる。ここに G、,2一λi,2F。(Xl,2rl)+n(1−z21,2) K1,,−Fn(Xl,2r、)+nλ1,2 である。(4・60a),(4・60b)式より ∫n’(xr2) ∫n(xr2) ヱ)一一c F=−E Nn’(zr2) Nn(zr2)’ (4・60a) (4・60b) (4・60c) (4・60d) (4・60e) (4・60f) }(4・61) (4・62) 一1ユ7一となり,これを用いて他の式からD,Eを消去すると, s A∫。(zlrl)−B九(z2rl)−C lV,t(xr2) Aλi∫n(Zlrl)−Bλ2f。(X2rl) β M =丑万灰玩5『 五∫・(Xlr1)GLB、巫κ・rl)」亙 Z12 βri X22 βr1
−c袈昧汀一E÷〔晶汀
A.L,・.(・1・1)旦一B五(x・ハ).K・ rl X12 rl Z22 =C2_ T. L_Enβ M − zNn(xr2) x2ri Nn’(xr2) となる。ここに (4・63) M−∫n(xrl)N。’(xr2)−J。’(xr2)N。(xr1) N−」。’(xri)Nnt(zr,)−」。’(xr2)N。’(zr1) S=・み(xrl)Nn(zr2)一∫n(xr2)Nn(xrl) 7’一み’(zrl)N。(xr2)一∫。(xr2)N。’(xrl) である。 さて,係数A,B, C, D, EおよびFがすべて零以 外の解をもつためにはつぎの関係が満足されなければな らない。 1上
β c, βriX12Kl
一1_上
β G2 βrlX22 K2 riXi2 riZ22 一1 0 0 1nβ 1N
一元・rlτM レ7「nβ zS x2ri =0 (4・64) (4・64)式を展解して整理すると,通過領域における 特性方程式がつぎのように求められる。(付録4) [÷σ一{多][三L・v+λ橿一昔]一[丁一劃際λ睾÷] (4・65)
また,(4・62)式を用いて(4・60)式から,C, Eを消去 して,同様な方法で特性方程式を求めるとつぎのように なる。 已卜皇1[竺仰橿一z;liE−2]一[÷一』]躍+λ阜計 (4・66)
ここに㌻景 /
ll竃 i(‘’6”
である。 (4・60)式より,係数B,C, D, E, Fを係数Aを 用いて表わすとつぎのようになる。 B一ウis㌃(竃+毒u一蒜1喜)A
1(QLU−)A
s w E_一一2・(Xlr1)N’n(竺)1 M w ・(nP λ2G1 λ2G2−__一_」 _・@ . 一一_ _ _ w2r1「 タ2riZi2 β2r1×22)A F_」・(Xlrl)丞㌘LL M w・(器+鵬悉r㌶JA
ここにur一麗一β隠趨σ
C_五(z、rL)Nn(xr2) s π ∫。(Xlrl)み(xr2)1 1)=一 βri βz (Q−puβr、βx)A (4・68) である。 特性方程式(4・65),(4・66)式が満足されるとき,磁 化プラズマ導波管内の電磁界は(4・35),(4・58)および (4・68)式で表わされる。ただし,Aは励振の強さなど で決まる定数である。 つぎに,しゃ断点における境界条件は(4・42),(4・59) 式よりつぎのようになる。 C∫n(xr2)十Z)Nn(xr2)=O Eん’(xr2)+FN。’(zr2)−O B∫n(z2rl)=C∫n(zrl)十DIVn(xr1) −A/n(xlrl)−E∫n(xrl)十FNn(xrl) A≡1Σ{,En−F。(。、ri)}一⊥ (4’69) Xlrl ×{E/rnt(xrl)十FNη’(xrl)} Bx2ノ’nt(z2rl)一旦{C∫。’(xrl)+刀N。’(zrl)} これらの式から,しゃ断状態における特性方程式はつ ぎのように求められる。(付録5) 三一…・{物一Fn(xlrl)}+σ一〇 (4・70・) Zlrl Fn(x2r1)一一と竺L▽=0 (4・70b) (4・70)式は.文献(2)の(42),(43)式と一致する。等方性プラズマの場合の境界条件は,(4・49),(4・58) 式より,つぎのように求められる。 C∫n(xr2)十DNn(zr2)=0 :β{Cみ(。。,)+肌(、。,)}
xr
_」{EJ。’(。。、)+F批(xr,)}_0 .4み(Xlr])=C∫n(κrl)一←ヱ)Nrt(xrl) B∫。(Xlr1)=E∫。(xrl)十FN。(zrl) A一空み(。1。1)−B⊥ノnr(。1。1) Zl rl X1 一㌫{c九(xrl)+DN・’(zrl)}一忽砿(xrl)+肌㈲
A⊥∫1’(。1。1)一β:βみ(。1。1) Xl Z lrl ..Z{CJn’(zrl)+DN。’(xr1)} 一:β鳳(。。1)+肌(。。1)} zrl (4・71) これらの条件より,外部磁界零の場合の特性方程式は つぎのように求められる。(付録6) 顎:( 2 2×2−X1 22ZIX2)2−{,E’liils::ii,Z.i,ri)一計} ・{孔(Xlrl Xt2ri)一÷σ}一・ (4・72) (4・72)式は文献(4)において,μ一μ、−u。,ε一ε3, ε1=ε。としたときの(5)式と一致する。 最後に,プラズマが完全に導波管を満たした場合 (rl−r2)の特性方程式を求める。 この場合の境界条件は,「導波管壁(r−r2)で, Ee, Ezが零でなければならない」ということである。したが って(4・35)式よりllli::1::㌫三釦}鯛
となる。上式で,A, Bがともに零以外の解をもっため に満足しなければならない条件として,つぎの特性方程 式がえられる。与一与一・ (4・74)
Zl X2 5. ファラデー回転 われわれの研究の目的は,磁化プラズマ中の電磁波の 偏波面の回転,すなわち,ファラデー回転に着目して, x (θ一・θ) ρ Fig.5.1 The diagram of circularly polarized wave・ 磁化プラズマ導波管をアイソレータ,ジャイレータなど に利用することである。そのため理論的解析もファラデ ー回転を求めることが必要である。 ところが,ファラデー回転についての詳細に述べられ た文献は,無限磁化媒質の場合6)7)以外にはほとんどな い。 そこでこの章では,円偏波,正円偏波,ファラデー回 転などについて詳しく述べ,さらに3,4で解析した理 論とファラデー回転とをいかにして結びつけるかという ことについて述べる。 5・1円偏波(clrcularily polarized wave) 電界の大きさは常に一定で,しかも時間とともにその 方向が変わり,その結果電界のベクトル軌跡が円となる ような波を円偏波という。 まず,一定の大きさEで,角速度±ωで回転している 電界ベクトルEを考える。ここにEは一般的には場所 の関数であり,またその方向は,t==Oでx軸(θ・−O) からδだけ傾いているものとする。 Fig.5・1からわかるように E。R,。−E・COS(ωZ±δ)==Ee」(ω‘±δ} EyR, L=±Esin(ωτ±δ)=干元E〆(ωτ±δ) EγR,L−EcOS{(O t干(θ一δ)} =Eeゴ{e’tT(θ一δ)} EeR, L−Esin{(o t干(θ一δ)} 一干元Eeプ{ω訓一δ)} } } (5・1) (5・2) である。ここに添字R,Lはそれぞれ右廻り,および左 廻りの電界ベクトルに対応することを意味する。 (5・1),(5・2)式より一脇とEy, E,とEθの関係を求め ると,つぎの式がえられる。一119一
(飢一±元(5・3)(芸;)R,。一±元(5・4) これは複号の+,一に対応して右廻り左廻りの円偏波の 伝播方向に垂直で,しかも互に垂直な二つの電界成分の 間の関係を表わす。ただし1・R・Eの定義にしたがい, 電磁波が遠ざかるとき,時計方向に廻るものを右廻り, 反時計方向に廻るものを左廻りとする。 (5・2)式は電界ベクトルER, Lがある定点で±ωなる 角速度で回転していることを表わしているが,一方みか たを変えるとE,R,L, EeR, Lがともに角速度で±θ方向 に伝播していることを表わしているともいえる。 つぎに,等しい大きさの右廻り,左廻りの円偏波の合 成を考える。(5・1)式より Ex=ExB十E.L ・:2E cos tot cosδ 一2E cosδθ∫ωz Ey =EyR十EyL=2E cos at sinδ ===2E sinδθ∫ω; となり,(5・1)式より }(5・5)
二:撫覧∴}一
となる。 (5・5),(5・6)式は,Eおよびδが場所に依存しないと すれぽ,すべての場所で偏波面がx軸(θ一〇)よりδだ け傾いている直線偏波を表わす。また,Eおよびδが場 所に依存するものとすれば,場所によってその大きさお よび方向が変わるようなすべての電界を表わすことがで きる。ところが,このような場合は考えている空間内に 不連続や不均一な媒質がある場合であり,実際はそのよ うな波を二つの円偏波に分けて考えることはできない。 このことは,導波管壁のような完全導体が存在する場 合を考えるとわかりやすい。導体面一ヒでは電界の接線成 分は零で,垂直成分は一般には零ではない。ところが円 偏波は境界面で時間とともに接線成分にも,垂直成分に もなり,その大きさは一定である。したがって,境界条 件は満足されない。 結局,無限媒質中を伝播する一様な平面波のように, 伝播方向に垂直な面内のすべての点で,電界の大きさお よび方向が常に一定であるような波だけが,互に反対方 向に回転する等振幅の二つの円偏波に分けて考えること ができるといえる。 5・2正円波(Circular Wave) “Circular Wave”なる語が一般に用いられている用語 であるかどうかということについては,明確ではない が,それはともかく,この語は文献(3)で用いられてい る。ところがその意味については,ほとんど説明されて いない。この意味については以下で述べることにして, ここではこの語の訳語として「正円波」という言葉を用 いることにする。 いま円筒座標系で,2方向(伝播方向)に垂直な電界 成分が次式で表わされるような波を考える。 E,R,L−E,(r)e・i {wtTne), E,R,L−E,(r)εゴ(調↓θ) (5・7) ここに,E1(r), E,(r)は原点からの距離γのみに依存 する関数であり,またz方向の伝播項〆βZは省略してあ る。(5・7)式はある一定の大きさのr方向およびよびθ 方向の電界ベクトルが原点を中心とする半径γなる円周 上を±θ方向に伝播している波を表わしているともいえ る。 つぎに,t−0なる時間には,電磁界分布は Erit,L=E,(r)eTpme, EθR,L==E2(r)ε羊ブηθ (5・8) で表わされる。上式から画かれる電界分布のパターン は,(ot±nθ一const.なる条件を満足するような角速度, すなわち±(ω/n)なる角速度で,原点を中心としてθ方 向に回転し,t−tlなる時間には, t−−oの時間より θ一±(CDt1/n)だけ回転している。このような波を正円波 という。 またEzおよび磁界成分についても同様な式および説 明が成り立つ。3で述べた無限媒質巾の円偏波も正円偏 波であるといえる。 5.3 ファラデー回転 右廻り,左廻りの円偏波および正円波を合成して偏波 面の回転を議論するには,z方向の伝播を考えに入れな けれぽならない。また無限媒質中の円偏波は正円波でも あり,5・2で述べたことより明らかなように,正円波の 特定な成分だけを考えても偏波面の回転について議論で きるから,ここではE.なる電界成分のみを取扱うこと にする。 まず右廻り,左廻りの正円波の位相定数をそれぞれ β.,β.とし,(5・7)式でz方向の伝播項を入れると ErR−E,(r)θゴ(ω’一βRt Hnθ) (5・9) ErL=E1(r)eゴ(Q)t一βLZ+nの (5.10) となる。つぎに上の両式を加えて Er=ErR十ErL=E,(r)ejωt{θ一元(rSRX+刀θ)十θ一元(βLZ−nθ)} −E,(r){COS((ot一β.Z−nO) +cos((ot一βL9+nθ)} (5・11) をうる。さらに(5・11)式を変形して Er−2E・(r)・・s(ω・」乎・)・…(13.一β. 2−77θ 2) (5・12) となる。等方性媒質に対してはぽ一β,,であるから,(5 ・12)式はつぎのようになる。 Er−2EI(r)cos(ωτ一β2)cosnO (5・13) 異方性媒質に対してはβ.・¥β.であるから(5・12)式は βR+β乙 (5・14) β。ff−− 2 なる位相定数をもち,z方向に2ω/(β.+β.)なる位相 速度で伝播し,2なる距離を進んだとき,偏波面の方向 が,前より θ__βL一βπ (5.15) 2 だけ左に傾いているような波を表わす。 以上述べたことは,すべての界成分について言えるか ら,これらの合成されたものについてもまったく同様な ことがいえて,結局,磁化プラズマ中をz方向にzだけ進 んだときの偏波面の傾きは(5・15)式で与えられる。ま た,合成された波の電磁界分布のパターンは,(5・12), (5・13)式からわかるように,合成される前の正円波の それと同じである。 つぎに,右廻り,左廻りの正円波の大きさが等しくな い場合には,たとえぽ ErR=E,(γ)¢」(tut一βRz−nθ) (E1>E2) (5・16) E。L−E2(r)¢ゴ(ω‘一βbZ 一”θ) とすると,これらの合成されたベクトルは,z軸に垂直 な面内で,長軸がm(E,+E2),短軸がm(ErE2)な るだ円軌跡を画きながら原点を中心とする円上を回転す る。ここに0≦m≦1であり,たとえぽt・−O,g−0とし たとき,ある点(r,θ)における右廻り,左廻りの正円 波の電界の大きさをそれぞれEl’, E2tとしたならぽ Elt E2t == = E, E, なる関係がある。 以上述べたことは,すべての界成分についていえるか ら,合成電磁界分布のパターンは,全体的にだ円的に変 化しながら回転することになる。このような波を「だ円 波」(EllipticaI Wave)と名付ける。 だ円波の場合,偏波面の回転ということは明確には定 義できないが,電界最大の方向,すなわち長軸方向の回 転が(5・15)式で与えられることは容易に理解できる。 5.4 特性方程式と位相定数 (4・35),(4・58)式を(5・7)式と比較してみると,こ れらの式で表わされる電磁波は,右廻りの正円波である ことがわかる。したがって特性方程式(4・65),(4・66) 式も右廻り正円波に対するものである。 ところが,左廻りの正円波に対する電磁界成分の式お よび特性方程式は求められていない。そこで,波動方程 式の一般解を求めたときのことを考えてみよう。波動方 程式(4・19)式の一般解は(4・20)式で表わされている が,e一畑は考慮せず,(4・21)式を解として取扱ってき た。 いま,(4・20)式の解として,ej”eを考慮せず, e−」ue だけを考慮した式 丁、.2−「A,.2fn(Zl.2r)+B,.,凡(Z1.2r)]eVne (5. 17) を考えると,(4・35),(4・58)式で,nを一nに置き換 えた電磁界成分の式がえられ,これを(5・7)式と比較す ると,これが左廻り正円波に対する電磁界成分の式であ ることは明らかである。したがって(4・65),(4・66)式 でn→−nなる変換を行なうと,左廻り正円波に対する 特性方程式がえられる。
÷σ一♀=γ疏芸一‘1
[ z Xl−÷+c誓一碍+等
ここに,(4・61),(4・67)式より Gl.2’一λ1.2−F。(Xl.2r)−n(1−x1.22) K、.2’−F。(Xl.2r)−nλi.2Q’一呉」芸,R⊆具一K雲
Zl X2 Xl z2 である。][ ’]
一[丁+現[ヂー碍+象]
[ 8][÷四1㌢三]
[ ][ ]
(5・18) (5・19)}一
つぎに波の伝播方向が逆の場合と,磁界の方向が逆の 場合について,特性方程式がどうなるか検討してみる。 (1)伝播方向が逆の場合 β→一βなる変換を行なうと,(4・31)式より ∠11.2→−A2.1 となる。ここで,→は変換後のA,.2は変換前の一A2.1 に等しいことを表わす。また,λ一βAであるから λ1.2−〉λ2.1 となり,(4・32)式より Z1.2−一〉ス!2.1 となる。さらに,(4・61),(4・67)式より G1.2→G2.1, Kl.2→K2.1, P→−P, Q→−Q, R−→−R となり,これらを(4・65),(4・66)式に代入すると,(4 ・65)式と(4・66)式が入れ代った式がえられるだけで, 特性方程式自体は変わらない。 これはある方向に伝播する右(左)廻り正円波は,逆一121一
方向に伝播するとき,左(右)廻り正円波のように振舞 うことを意味する。 (2)磁界の方向が逆の場合 ρE→一ρEなる変換を行なうと,(4・31),(4・32)式よ り λ,.2−・一λ2.1,Xl.2→Z2.1 . となり,また(4・61),(4・67),(5・20)式より G1.2−−G’2.], K,.2−Kt2.1, Q−Q’, R−−Rt となり,これらを(4・65),(4・66)式に代入すると,そ れぞれ(5・19),(5・18)式と同じ式になる。 これは,ある方向の磁界内の右(左)廻り正円波は逆 方向の磁界に対しては,左(右)廻りの正円波のように 振舞うことを意味する。 (3)逆方向の磁界内を逆方向に伝播する波の場合 β→一β,ρE→一伽なる変換を行なうと,(4・31),(4・ 32)式は,ともにβとρEについての二次式であるから, Aとκの変化はなく,λ=β」より λ1.2−〉一λ1.2 となる。したがって,(4・61),(4・67),(5・20)式より G1.2−・−G’L2, Kl.2−K’1.2, P−・−P, Q・・ −Qt, R=Rt となり,これらを(4・65),(4・66)式に代入すると,そ れぞれ(5・18),(5・19)式と同じ式になる。 これはある方向の磁界内を,ある方向に伝播する右 (左)廻り正円波は,逆方向磁界内を逆方向に伝播すると き,左(右)廻り正円波のように振舞うということを意 味する。 さて,偏波面の回転を求めるためには,右廻り,左廻 りの正円波の位相定数飯,β.を求めることが必要であ る。これらは,それぞれ(4・65),(4・66)式と(5・18), (5・19)式を解いて求められる。 また,上に述べた三つの場合の正円波の位相定数は, すべてβ.,またはβ.で表わされ,これを整理すると Table 5・1のようになる。 以上述べたことは,磁化プラズマ導波管の非可逆性を 示すものである。 Table 5・1 正円波の位相定数 The Phase Constant of Circular Wave. 2800 2400 2000 1600 盲 一〉.1200 さ 鳴
800
400 一400 一800 一1200 Fig.6・1 1600 1400 1200 :ミ 喜1000K
800 600 400 0.4 0.6 ω、/ω The Farady rotation angle in magnetoplasma. (ωc/ω)2=0.2 infinite ωノ,/ω=0.6 0.5伝播方⇒
十z 一x 磁界の方向 右廻り正円波 十z βR左廻り正円⇒β・
一z βL βR 十z βL β. 一2 βR β. 200 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 ω,/ω Fig.6・2 The Farady rotation angle in infinite magnetoplasma.レ=O80 :ξ60 巨 き, 尊 40 20 0 0.2° 0,4 left (・ircula1・lv P(,lilrized niod{t ωc/ω 0.6 O.8 ン/2=0,15 0.10 α05 ユ.0 Fig.6・3 The attenuation constant of right and left circularly polarized modes in infinite magnetoplasma. (ωP/ω)2=0.2 100 80 ミ §60
K
40 20 0 0.2 0.4 ω,/ω 0.6 0.8 right 1.0 Fig.6・4 The phase constant of right and left circular waves in a magneto−wave guide. f=9 G Hz,γ1=0.00675 m, r2=0.01125 m 6.数 値 計 算 6.1無限磁化プラズマの場合 (3・13)式および,n−1とした場合の(5・15)式より 計算したファラデー回転角をFig.6・1,6・2に示す。 また(3・14)式より計算した減衰定数をFig.6・3に示 す。 6・2磁化プラズマ導波管の場合 偏波面の回転角を求めるためには,特性方程式を,導 波管,プラズマ円柱の寸法,プラズマの電子密度,磁界 の強さなどの値を入れて,数値解法によって解き,右廻 り,左廻り正円波に対する位相定数を求めることが必要 :ミ 苫 二 164 一 1、ight left O.2 0.1 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 ωc/ω Fig.6・5 The eigenvalue z fcrωc/ω. ゾ=9GHz, rl=0.00675 m, r2 =O. 01125 m 170 ユ60 ミ る’ L’F150N
140 一一一一一 ヨρ/ω.=0.1 right 撃?? , 一 , 一’ 黶@ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ’ 一 一 二’ 0.2 , ’ C’ 一 Q_____一一一一 7− @ ’ @ ’ 0.3 O.4 α5 0 Fig.6・6 である。 0.2 0.4 0.6 』 0.8 1.0 ω、/ω The eigenvalue xl forωc//ω. f=9GHz, 夕1=0.00675m, r2=0.01125m ここで(4・31),(4・32),(4・52)式を再び掲げる。 YE(1一ρE・2一β2/YE)一(1一β2/レE) βρ君 (4・31) :1::ご惣1ご㍑;一β,.ム1}(4・・32) A2−1. A−1−0 一123 一180 170 ミ § 二150
N
1・igllt left 、39・2(1;1 ωρ/ω・−O.4 ’ ” \α3 O.2 0.4 0.6 0.8 ω,/ω Fig.6・7 The eigenvalue x2 forωc/ω. f=9GHz, r1=0.00675m, r2=0.01125m 1400 1200 1000 ・ミ800 喜9
600 400 200 0 Fig.6・8 0.2 0,4 0.6 0.8 1.0 ωc/ω The Farady rotation angle for ωc/ω. f=9GHz, rl=0.00675 m, r2=0.Ol125 m x2−v一β2 (4・52) まず,右廻り正円波に対しては,(4・52)式において, xに任意な値を与えるとβが定まり,これを(4・31)式 に代入してA,.2が求まる。また,このようにして求めら れたβ,A,.2を(4・32)式に代入してz、.2が定まる。こ れらの値を(4・61),(4・67)式などに代入して,Gl.2, Kl.2, P, Q, Rなどが定まり,これらを特性方程式 ミ 署 こ 1200 1000 0,7 0.5 0.3 0.6 0.4 0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 ωP/ω Fig.6・9 The Farady rotation angle forωp/ω. ∫=9GHz,夕1=0.00675 m,プ2=0.01125 m 1400 1200 1000 ミ800 菖 ( 600 400 200 γ1/γ2・=: 1.0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 ω,/ω Fig.6・10 The Farady rotation angle for ωc/ω. ア=9GHz, r2=0.01125 m,ωp/to ・O.3 (4・65)または(4・66)式に代入して,これが満足され るかどうか吟味する。同様な手順を特性方程式が満足さ れるまで繰返す。 つぎに,左廻り正円波については,(4・31),(4・32), (5・20)式および(5・18)または(5・19)式について, 上と同様な手順を行なう。 ところで,計算上注意しなければならないことは,す1400 1200 1000 ξ800 喜 二600 400 200 ωc/ω 一〇.7 O.5 0.3 〃、 五,・ 五’, ノ㌦ 〃“ 〃, 1∫∼ 0 0.2 Fig・ ・13(a) 0.4 0.6 γ↓ 0.8 7(「cm 1.0 γ, The electro magnetic field distribu− tion of circular waves. f=9GHz, ωP/ω=0.1,ω,/ω=0.1 0 Fig.6・11 1200 1000
盲800
㌦ 旦 ≡ 600 400 200 0.2 O.4 γ、/γ, 0.6 O.8 1.0 The Farady rotation angle for rl/r2. ア=9GHz, r2=0.01125 m,ωp/ω=0.3 0 8.6 8.8 9.0 9.2 9.4 ∫(GHz) Fig.6・12 The Farady rotation angle for frequency. 夕1=0.00675m, r2=0.01125m,ωp/ω=0.3 べての長さの単位が1/βoによって規格化されているこ とである。したがって,実際の計算においてrl.2として はβoract。。1を与え,また計算の結果求められたβ, X, Xl.2は,実際にはβac、。。1/β0, X。,、。。]/β0, Xl.2ae、ual/β0の 値である。 これらのことを考慮して求められたβ,X,κ1.2をFig. 6・4∼6・7に示す。また(5・15)式より計算されたファラ デー回転角をFig.6・8∼6・12に示す。さらに(4・35), ノ「. ∫五 ノら 王1“ /ん 1万 E∼ 0 0.2 Fig.6・13(b) 0.4 0.6 γ」 O.8 1.0 γz γ(cm) f=9 GHz,ωp/tO =o.1,ωc/ω・=O.5 Hz ル E. 〃9 Eθ ∬1, 1>z 0 O.2 0,4 0.6 γ, 0.8 γ(cm) 1.0 7’L, Fig.643(c) プ=9GHz,ωp/ω,=0.3,ωc/ω=0.5 E夕 ∫∫; E. Eθ Jfθ, 兄 Ez 0 0.2 γ, 0.4 0.6 0.8 γ(cm) 1.0 γz Fig.6・13(d) f=9GHz,ωP/ω=0.3,ωc/ω=0.5一125一
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 γz( γユ) γ(cm) Fig.6・13(e) f=9GHz,ωρ/ω,=O.3,ωc/ω=0.5 (4・58),(4・68)式などより計算された電磁界分布のう ち,右廻り正円波に対するものをFig.6・13(a)∼(e) に示す。ただし,磁界成分は∀属/ε3倍されていて,電 界と同じDimensionをもち,また, Ez成分は10倍さ れている。また左廻り正円波の電磁界分布は,右廻り正 円波の分布とほとんど同じである。 以上の数値計算はすべてH1、 limit mode*について, すなわちn−1とし,また解のうちで固有値x,z1.2の最 も小さい場合について行なった。 この数値計算は本学電子計算機FACOM−231にて行 なったものである。 6.3 結果の検討 (1) ファラデー回転角について Fig.6・2とFig.6・8∼6・12との比較により,磁化 プラズマ導波管内のファラデー回転角は,電離層のよう な無限磁化プラグマ中のそれと定性的には,ほぼ同じ傾 向をもっているが,定量的にはかなり異なることがわか る。 (2)ファラデー回転角の周波数特性について Fig.6・12はωp/ωおよびω,/ωを一定とし,ωを変 化させたときの回転角の変化を表わしている。したがっ てωpおよびω,を一定とし,ωを変化させた場合には, さらに周波数による変化は大きくなる。 (3)プラズマ円柱の半径とファラデー回転角との関係 について Fig.6・11は円形導波管とプラズマ円柱の半径比に対 するファラデー回転角の変化を表わした図であるが,実 際には両者の面積比に対する変化を表わした図の方が有 用であろう。このような図をFig.6・14に示す。この図よ りプラズマの占める面積が増すとファラデー回転角もほ ぼ直線的に増すが,ある面積以上になると回転角はほと *H111imit modeは,誘電体,フェライト,プラズマなど が一部を満たしている導波管内のmodeであり,完全に満 された場合(フェライト,プラズマの場合には,さらに磁 化されていない場合)には,Hn rnodeに一致するような modeである4)。 800 ミ600 喜
K400
200 0 0.2 0.4 0.6 (γ1/γ2)2 0.8 LO Fig.6・14 The Farady rotation angle for r2. ア=9 GHz, r2=0.01125 m,ωp/ω=0.3 んど増加しないことがわかる。これは,Hll limit mode ではFig.6・13からわかるように,中心部で電界が強 く,導波管壁近くでは弱いためであろう。 (5)電磁界分布について Fig.6・13(a)∼(e)はすべてr−0におけるE。の大き さを等しくして,ほかの成分をプロットしたもので,各 図の間での大きさの比較はできない。しかし,大きさは ともかく,電磁界分布に対するωp,ω,,rlの影響はEr およびEzを除けぽほとんどないことがわかる。またEz がほかの成分に較べて非常に小さいことはH111imit modeであることに原因していると思われる。 7.プラズマアイソレータの実験 4.においては,理論的解析を行なうために衝突を無視 した。しかし実際には,衝突の効果は無視できず,電磁波 は磁化プラズマ導波管内を伝播するとき減衰する。しか も,無限磁化プラズマの場合の(3.14)式,またはFig. 6・3からもわかるように,右廻りと左廻りの正円波に対 して減衰が異なり,その合成された波は,5・3で述べた ようにだ円波となる。 このような場合,マイクロ波回路素子としてのプラズ magnetic field cathode /1^\、
,ぐ F langmur Probe モ盾獅獅?モ狽奄盾氏@part CriStal mOUnt 獅盾氏│reflection @ termination v」 . ≠獅盾р farady rotation part measuring Part (movable) (fix ed) Fig.7・1 Experiment apParatus.マアイソレータの特性は,第 一にはファラデー回転角,す なわちだ円波の長軸の回転 (これは短軸の回転に等しい) によって,第二には挿入損失 によって,第三には逆方向減 衰によって決まる。この章で は,磁化プラズマ導波管をア イソレータとして使用するた めの基礎実験について述べ る。 7.1実験装置 実験装置の中で最も重要な 部分であるファラデー回転部 (アイソレータ部分),電界測 定部(マウソト部分),および 両者の接合部をFig.7・1に 示す。 (1)ファラデー回転部 ファラデー回転部は,プラ ズマ発生のための放電管の挿 入された円形導波管と,それ を囲む静磁界発生用円形コイ ルとからなる。 放電管は,6W螢光燈の半 製品を,一度切断してL字形 につなぎ,つなぐ部分は細く する。これは導波管に開ける 孔を小さくし,導波管の不連 続による電磁界の乱れを少な くするよう配慮した。また,電 極は電磁波に対する影響を少 なくするために,電界が零の 方向に位置するようにする。 high frequency oscillator The part indicated in Fig.7・1 directional coupler μA (3) wave guide changer P 1 Farady rotation part μA μA (1)
撃k_」]一.一.」(2)
__J non reflection terminals Fig.7・2 Circuit of experiment. oscillator coaxial ghanger standing meter coaXial changer Fig.7・3 もう一方の電極と,電子密度を測定するためのラングミ ュア探極(円筒形)は導波管の外に出ている放電管の部分 に取付けてある。放電管内に封入するガスとしては,アル ゴン2∼5mmHgと放電の安定を図るための少量の水銀 を入れたもの,キセノン1.5∼5mmHgと水銀少量およ びクリプトン1.5∼5mmHgと水銀少量を入れたものを 使用して実験を行なった。使用した導波管および放電管 の各部の寸法はつぎのとおりである。(単位mm)なお, この実験はすべて9GHz帯で行なったものである。 円形導波管内径 22.5 導波管にあけられた孔の直径 7∼9 stab 川図
⇒
nonzreflecti・n・ terminal standing meter図』㎞
Another circuit of expriment.一{i㌧さ㌫
ラング・一ア探極のロ1:1
(2)電界測定部 電界測定部は,円形導波管に定在波測定器のマウント の部分を固定し,円すい形の抵抗体で終端したものであ る。この部分に円形導波管を用い,さらに円すい形の抵抗 体で終端した理由は,この部分を回転させたとき接合部 よりみたインピーダンスの変化を少くするためである。一127一
measured N・alue 100. 80 E・ 6Q こ 箸 40 20 0 〃f/,’!,’” Fig.7・4 7 6 5
34
Sb ㊦ 3 ⇔ 2 1 0.2 0.4 ωc/ω 0.6 ’0.3 0.8 1.0 The Farady rotatiしn angle for ωc/ω. f=9 G Hz meaSured value calculated vaIue一一一.一く,d,
a−.一...一一一一.一一・・一ュY‘
0 8.5 9.0 9.5 frequency (MHz) Fig.7・5 The frequency characteristics of the Farady rotation. (3)接合部 接合とは,ファラデー回転部と電界測定部とを機械的 かつ電気的に結合する部分である。この部分は,電流の 通路をしゃ断することなく,安定に,しかもなめらかに 電界測定部が回転できるように考慮した。 7・2 回路 ファラデー回転角および正方向減衰量測定のために使 用した回路をFig.7・2に示す。同図において高周波発振器はクライストロン2K25を用いた9GHz帯用のも
のである。ブロックA,BはFig.7・1に示した電界測 定部であり,同一のものをA,Bに置き換えて使用する ものである。アイソレータの逆方向減衰を測るために Fig,7・3の回路およびそれと等価なより簡単な回路を ’盲 {Tこ’ 100 18Q 、6α 40 201 0 Fig.7・6 る 旦 as 60 50 4Q 30 20‘ 10 4r=3mmHg ・f二9GHz discharge curピent 0.2 0.4 0.6 0.8 ω、/ω The Farady rotation angle forωo/ω. 0 O.2, 0.4 ωc/ω A,:2mmllg f:9GI{z 0.6 0.8 Fig.7・7 The Farady rotation angle forωc/ω. 使用した。 7・3実験および結果 7・3・1 ファラデー回転角の測定 まず,外部磁界を零とし,電界測定部を回転させて, マイクロアンメータ(1)の振れが最大(最小=零)となる 方向をθ1(θ1’)とする。つぎに,外部磁界を印加し,前 と同様にして振れが最大(最小)となる方向をθ2(θ2’)と すれば,ファラデー回転角は θ一 02一θi ・・θ2’一θ1’ で与えられる。測定の結果をFig.7・4∼7・9に示す。60 50 40