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学生が老年看護学実習場面を通してとらえた高齢者看護観

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全文

(1)

生 が

老 年 看 護

学 実

習場 面

と ら え た

高 齢 者 看 護 観

Concepts

 of 

Nursing

 of 

the

 

Elderly

 

Perceived

 

by

 

Students

 

through

 

Laboratory

 

Practices

  恵子

 美和 子

要 約

 

老 年 看 護 学 実習 中 に 記載さ れた実習の まとめ 用 紙の 分析を行い , 実習場 面を通し て と らえた高 齢 者 看 護 観につ い て 検 討した

結果

《余暇活 動 》 《コ ミュ ニ ケ

シ ョ ン実 施 》 《ア ク テ ィ ビティケ ア実 施 》 場 面 等

高 齢 者に 変 化が 現 れた場面 か ら看護の 必 要性が 認 識 さ れて い た

実 習場 面 を通 して捉 えた高 齢 者 看 護 観は

【高 齢 者の人生 史の 理 解と対象の立 場 に 立 ち

容 する看 護

1

気 分 転換 活動 や 残存機 能の 維持

QOL

】【

感 情 表出 と

QOL

の 向上

】 【

対 象の能力の理解と自尊 心 を尊 重す る看 護

【身体 的

精 神 的

社 会 的 側 面か ら捉え た対 象 理 解と個 別 性 の ある看護

】【

看 護の び と続 看 護

に 分 類 され た

 

高 齢者看護観

実習 場 面

学びの まとめ, 老 年 看護 学 実 習 は

めに   高 齢 社 会の進 展に よ り高 齢 者 人口 が全 人口 に占め る割 合は

21

0%1)

家 族 形 態は三世 代 同 居 率が低下 し

現 代の若 者が高 齢 者と 接 する機 会は減 少 してい る

.一

入院 患 者に占め る

65

歳以 上 の高 齢 者の割 合は平 成 14 年

6

割L〕

臨地実習に おい て学生が 高 齢 者を受け持つ 機 会は多 い

そのた め

臨 地 実 習を通し て初め て高 齢 者に接 する こ と が

く, 学生 は コ ミュ ニ ケ

うこと が多い

この ような 現状の中で

看 護 基 礎 教 育に おい て高齢 者 を 理 解 し, 自己の 高 齢 者 看 護 観を 養 うことは意 義深V・

 K

短 期 大 学の 老 年 看護 学実習で は 「高 齢 者の加 齢 に伴 う身 体

精 神 的 変 化

置か れて い る社 会 環 境を 理 解 し

健 康レベ ル に応 じた看 護 活動 を 行う

高 齢 者へ の 看 護活動を客 観 視 し

自己の 高齢者観や 看 護 観を深 め る」こ とを 目 的 とし

4単位の実 習 を行っ て い る

筆者 ら2 ) 老年 看 護

i

学 実 習の び の分 析 に お い て

実 習 目 標 に 照 ら し た実習 評価を 行 っ た結果

自己の高 齢者観や看 護 観に 関 す る 学 び が 最 も

く, 「意欲や生 きがい と

の 質

QOL

との 関連 を結 びつ ら れ る

導の必 要性 」が 示唆さ れ た

 

本研 究で は

老 年 看護学 実習 中 に 記載さ れた実習 レポ

ト を 分 析 し

学生 は どの ような実習 場 面 を 通 し どの ような高 齢 者 看 護 観を養って い るの か を 明 らかにする こと を目的とした

研 究 目的

  老 年 看 護 学 実 習 中に記 載さ れ た実 習のま と め用 紙 を分 析し

老 年 看 護 学 実 習 場 面を通して と ら え た高 齢 者 看 護 観を明ら かにする

実習 概 要

L

実 習 方法  長寿セ ンタ

実習1週間で は地 域で生活 する高 齢 者 へ の 援助 を 学び 介 護 療 養型医 療 施設 また は介 護 老 人 保 健施設実習3週 間の 実習で は 1名以 上の 入所 者 ま た は患 者を受け持 ち, 実習 をする

1週 間 に1回

水また は金 )は学 内 実習 を行 う

4 週 間の 実 習 終 了 後

学 習の まとめとして実 習 レ ポ

トを提 出 する

2.

高齢 者 看 護 観に関 連 する

行 動 目標

日標

高齢者へ の 看 護活 動 を 通 して

学生 自身の高 齢 者 観や看 護 観を深め る

行 動目 標

 1

) 高 齢 者の生 活史に 目 を 向 け, 高齢者の

様な あ     り方 に対応 する看護 を考 える こと がで きる

 2

) 高 齢 者の

QOL

が維持

向上 す るための 看護 につ

  

い て考 えるこ とがで きる

 3

) 高 齢 者へ の 接 し方 を 理 解 し

高齢者の 自尊心 を 25 桐生短 期 大 学 紀 要

第17号

2006

(2)

  尊重 したか か わり方がで きる

4)

生活の 場 に よ る 老年 看 護の特徴 や継 続 看 護につ

 

い て考 えるこ と がで き る

5)

看 護職 と して の自 己の姿 勢や態度につ い て考 察   し

自己の看 護 観につ い て考え るこ とができ る

究方法

1.

対 象   短 期 大 学 看 護 学 科 3年生76 名 中

同 意

協 力の得ら れ た

6

ユ名

2

期 間  

2005

4

18

11月

18

日の実 習 中

3

分 析 方 法 :実 習 終 了後の実 習レポ

ト に記 載さ れ た 「特に印 象に残っ た場 面を取 り上げ

あな たの老 年 看 護 観につ い て記 述 し て ください の項目よ り抽 出さ れ た場 面お よ び記 述 数 (以 下 コ

ド)を

内容 の同 質 性, 異 質 性に従い

カ テゴリ化した

分 析は 研 究 者 間で繰 り返し検 討し た

4.

用 語の定 義 く余 暇 活 動〉生活 維 持に不 可 欠な事 柄以外に充 当さ れる 自 由 時 間を活 用 し

高 齢 者の日常生活 活 性 化を 図る た め に実 施さ れ る身 体 的

精 神 的

社 会 的な看 護 介入

〈 レ ク リェ

ショ ン〉遊び を基 盤とし て い て, 楽し さや喜び を感じ個 人の生活と社 会を活 性 化してい 行 為

活 動の ことで , 主に余暇時問 を利用 して行わ れる

コ〕 〈ア ク ティ ビティケ ア〉精 神

社 会的活 動へ の援 助

1)

倫 理 的配 慮

 対象 者へ 研 究の 目 的, 秘密 厳 守, 研 究協 力

非協 力が実習 評価に 関 係 が ない こ とを 口 頭

文書で説 明 し, 同 意 を得た

結  

 同意

協 力の ら れた学 生

61

名の 印 象に残っ た場 面

(《》

80

場 面であ り,

178

ドで あ

この 中 か ら記述内容 を解 読で ない7場 面25コ

を 削除 し

,73

場 面

153

ドを デ

タとして用い た

 

73 場面 は表 1に分類 さ れた

. 《余

暇活 動

が 最 も

26

場 面

35 .

6

%)

, 《

コ ミュ ニ

》 《

ア クテ ィ ビ テ ィ ケ ア実 施

10場 面 (13

7

), 《

清潔

衣 生活 援助 技 術

 《

場 面 な し

各6

8.

2

),

 《

面 会

》 《

排 泄援 助技術

》各3

場 面

4.

1

等で あっ た

特に

余暇 活 動

場 面は

表1 印象に残った場 面 数

      :

i

1 余 暇活動

26

 

i35

6

2

ュ ニ

ケ ー シ

実 施

10

 

i13

7

3

実施

10

 

i13

7

4

清 潔

衣 生

活援助 技術

6

 

i8

2

5

6

 

i8

2

6

3

 

i4

1

7

技術

3

 

i4

」%

8

休息 援

技 術

2

 

i2

7

9

食 事援 助技 術

2

 

i2

7

10

情 報提 供

1

 

i1

4

11

与薬

技術

1

 

i1

4

12

技 術

1

 

it4

13 環境

整  術

1

 

i14

14

生 活

旨導 支

1

 

i1

4

% 口 言

73

 

i100

% 表2  学 生が捉え た高 齢 者 看 護 観 カテ ゴ リ サブカテ ゴリ コ

ドザ ブカテゴリコ

ド 匸% 〕 高 齢 者の人 生 歴 史の理 解 22 高齢者の生活 リズム

スを導重 する看護 6 高齢 者の人 生 歴 史の 理解と 立場に高 齢 者 の 立 場 に立 ち 受 容 す る看 護 1253 (346) 立 ち 受 容 す る 看 護 信 頼 関係の重 要 性 2 コミュニ ケ

ション の重要性 7 認 知症 患者

の 対 応 時 の 留意 点 4 趣 味 を取 り入 れることに よる気分 転換 活勳の重要性 10 気 分転換活 動 や残存 機 能の維 持

QQLの       向上 趣 味 を 取 り入 れ ることによ るAD」や 残 存 磯 能の維 持

向 上 934 (22

2 > 看 護 師 の 援 助の重要 性 2 趣 味 を 取 り入れ ることによるQOL の向 上 13 環 境の変化 に よる感情の表出 とQOLの向 上 13 感情 表 出 とQOL の向         上 琿境の変化に よる感情の表出と全人的に受け 止 め る看護 624 (15

7) 対 象 のニ

ドを捉 え

思 い や りの あ る看 護 5 高 齢者の能力の 理解と尊厳を守る看護 13 発 達 課 題 を捉 え た 雷 護 の重 要 性 斗 20(13

1) 対 象 の 能 力の理 解 と 自尊 心 の尊重 をす る       看 護 役割りを持 たせる関わりの重 要性 2 自尊心を尊重する看護 4 高 齢 者の身 体 面 を捉 え た看 護 5 性へ の配 慮 2 死

恐 怖と 予後の安 3 身 体 的

精 神 的

社 会 的 側 面から捉 えた対 象 理 解 と個 別 性の       る 看 護 観 察の重 要 性 218 (11

B) 安 全

安 楽の重 要 性 2 情 報の里 要 性 2 家族

の看 護 2 看護の喜びと継 続看         護 日々継 続 す る看 護 24 (2

6) 看護の喜び と自己成 長 2 合 計 下53153 (100)

活 花

剣道な ど

彩 な 活 動 が み ら れた

 153

ドをカ テゴ た結果

表 2の ように6つ の カテ ゴ リ

以 下

【】

26

の サ ブカ テゴ 下 〔〕 内

が抽出 さ れた

  【

高齢者の 人 生史の 理 解 と対象の立 場 に立ち受 容

(3)

する看 護 】は最も多い 53コ

ド (34

6%)であ り, 6 つ のサ ブカ テ ゴ リが抽 出さ れ た

〔高齢 者の 生史の 理 解 〕で は

《余 暇 活 動 》 場 面か ら 「個別性 ある ケ アは

その人の生活 史

人生史と密 接な関係があ り

生 活 史を知る こ とで

相 手の理解につ が る

《コ ミュ ニ ケ

ショ ン 実 施 》 場か ら, 「老 年 期だか らこそ

生活 背 景が大 き く関 わっ て い て その 人ら し く笑 顔が 見ら れ, 生 活で きる ように

QOL

を考える こ と だ と思 う

」 等の記 述が み られ た

〔高 齢 者の立 場 に 立 ち受 容す る 看 護

で は,

余巨段活 動

場 面 か ら 「相 手の に耳 を傾 け

相 手の 立 場 に た っ て よ り そうこ とが 大 切 で あ り, 日々 の生 活の 中 で 見せ る わ ずか な変 化 も見逃さず

よ りよい ケアが提 供で

」 等の記 述 が み ら れ た

他 に

コ ミュ ニ ケ

ショ ン の 重要 性 〕

高 齢 者の 生活リ ズムやペ

ス を尊重する

〕等

のサ ブ カテ ゴ リ が 抽 出 さ れ た

 

気 分 転 換 活 動や残 存 機 能の 維 持

QOL

,34

22.

2

と次 に

,〔

趣味を取 り入 れ るこ とによ る

QOL

の向上〕で は

, 《

余 暇 活 動

場 面 か ら 「疾 病 を抱 えてい ても

自 分の好き なこ と は 積 極 的に行えてい た り

刺激 を与え るこ とで利用者 様が笑 顔で生活を 送 れ るとい

点 は

普通の高齢者 と変わ りない

利 用 者の生活の質を向上 さ せ る看 護 につ い て学んだ

〔趣 味を取 り入れるこ とによる気 分 転 換 活 動の重要性 〕で は

「人間は

疾 病を もっ て も あ きらめずに自分の人生 を楽し み

悔い のない よ うに生活を送る こ とが大 切で す

〔趣 味を取 り入れ る ことに よ るADL や残 存 機 能の維 持

向上〕では

清 潔

衣生活 援 助 技術》 場面か ら 「高 齢 者は手が か かると 囲っ て しま うの で は なく

その人の生活 観 やADL 状 況を しっ か りと把握する こ と で , や る気へ とつ なげ

ADL

の 維 持や

QOL

の 向上につ が る と考 え る

」 等の 記 述 が あっ た

  【

感 情 表出 と

QOL

の 向上

の 〔環 境の 変 化に よ る 感 情の表出 と

QOL

の 向上

で は,

余暇活動

場 面 か ら 「利 用者の 漠 然と した不安や 限 ら れた時間 を苦 痛と と も に 生 き るこ と は

QOL

を 著 し く侵害す る こ とにつ な がるこ とを学ん だ

,〔

環 境の 化 によ る感 情 表出 と全 人 的 に受け 止 め る看護

で は

《面会

場 面か ら

「患者 様が 生 きて い く活力 や

望 が 低 下 して い くの は

長 期 入 所 して お り

病 棟か ら 出 ない 生活が多く な り

外的刺激 が少ない か ら起 こるの だ と学び ま し た

」等の 記 述 が 見 ら れた

他に

対象の ニ

ドを

い や り あ る看護

が 抽 出 さ れ た

  【

対象の 能 力 の 理 解 と自 尊 心 を 尊 重 する看 護

の 〔高 齢 者の能 力の理解と尊 厳を守る看 護 〕では

《コ ミュ ニ ケ

ショ ン実施

場 面か ら

「私た ち より多く の知 識があ り

私た ち より多 くのプライ ド を持っ て い る

そ れ は

人生 を積み重 ね れ ば積み 重 ね る ほ ど 大 き く

私た ち は決 し て忘れてはい ない こ とで あ る

」, 〔自尊心 を尊重 する看 護 〕で は

, 《

与 薬の技 術 》場 面か ら

「高齢 者には

長い 生 を 生 きる中で 経 験や 知識 とし て得たこ とに, 自信と誇 りが ある と 思い ます

援 助を行 うと き は

必 ずその部 分 も尊重 す るこ とが大切だ と思い ます

」等の記 述 がみ られた

他に 〔役 割を持た せ る関 わりの 重 要 性 〕 〔発 達 課 題を 捉えた看護の 重 要 性

が抽出 さ れた

  【

身体 的

精 神 的

社 会 的 側 面か ら捉 えた対 象 理 解 と個 別 性の あ る看護

,〔

高 齢 者身体面を捉 え た看 護

で は

, 《

コ ミュ ニ ケ

シ ョ ン実 施

場 面か ら 「私 た ち に とっ て は た だの 便秘だが

高 齢 者に と っ て は便がで ない とい うこ と は私た ち 以上 に不 快 な こと で あ り

そ れ が気に な るこ とに気がつ

そ れ に対す る看 護がで きて

とて も良かっ た

死へ の 恐怖と予 後へ の不安

で は

《余暇活動》か ら 「何 を お祈 り して い た か は わ か り ま せ ん が, 家 に 帰 りた くても 帰 れ ない とい 思い

左 麻痺で り介 助で るこ と か ら今 後の不安 が考 えら れ ま す

,〔

性へ の 配 慮 〕で は

コ ミュ ニ

シ ョ ン実 施

面 か ら

「こ うい っ たこ と

歳を か さ ねて も 女 性

に 対 して も

理解を示し

柔 軟な姿 勢で看 護を行っ て い か なけれ ば な ら ない と 思っ た

」 等の記述 が見ら れ た

他 に 〔観 察の重要 性 〕 〔安全

安 楽の重要 性 〕 等が抽出 さ れ た

  【看 護の喜び と継 続 看 護 】では

〔日々継 続 する看 護 〕で は 《活 動

休 息 援 助 技 術

場 面か ら

「午 前は 足 浴, 午 後は口腔ケ アを行 うとい うように

毎日行 っ てい く継 続 看 護

であると学んだ

」, 〔看 護の 喜び と自己 成 長 〕の 《ア ク テ ィ ビティ実 施 》 場 面か ら, 「以 前の 自分 よ り大 き くなれ た気がする

」 等の 記 述が見られた

 察

  老 年 看 護 学 実習中に記 載され た実 習の ま とめ用 紙 の 分 析 結 果よ り, 老 年 看 護 学 実習 場 面 及 び学生が捉 えた高 齢 者 看 護 観を考 察した

 

学 生の 印 象に残っ た場 面は , 《余暇活 動 》が最 も 多 く

以下 《コ ミュ ニ

シ ョ ン実 施 》

 

《ア ク テ ィ ビ テ イケ ア実 施 》場 面等であっ たが , こ れ は実 習 施 設が 介 護 療 養 型 医 療 施 設ま たは介 護 老 人 保 健 施 設 27 桐 生 短 期 大 学 紀 要

第17号

2006

(4)

とい キュ ア中心で は なく

ケア中 心の施 設であっ たこ と が影 響した もの と考える

対 象が病 状 安 定 期 にあ り

実 習 施 設の入 院

入 所 高齢 者には余 暇 時 間 が十 分にあ り, 機 能 回復や残 存 機 能 向上 の た めには, 余 暇 活 動を看 護と して取 り入れる必 要 性を学 習した 結 果である と考える

  余 暇 活 動 場 面が最も多かっ た理 由は

受 持 ち高 齢 者の看 護 診 断 名とし て 気 分 転 換不 足, 活 動 耐 性 低 下, 慢 性 混 乱な ど を挙 げる こ とが

く, 高 齢 者の 生 活 史な どを基に散 歩

活 花などの 具体 策を 実 施 し た結 果, 高齢 者に変 化が現れ

象に残っ た と考 え ら れる

田 辺 ら4}

「高 齢 者は能 力 を 発 揮 で きる よ うなレク 活動や, その 人の持つ 能力や

生活 史との 関連 を捉 えた レ ク リェ

シ ョ ン活 動の 必 要 性」を 述 べ お り , 学 生の 個 別 的 な関わ り が高 齢 者に変 化を 生 じ させ た もの と

える

  《

コ ミュ ニ

ョ ン実 施

 《

アクテ ィ ビ テ ィケ ア実 施

場面 も同様に

高 齢 者の言 動や行 動が受 け 持ち 前 と は 異 なっ た変 化と し現れ る場面あ る

高 齢 者が見せる予 想 外の 応や変 化の き さ は

学 生 の 印 象と して強 く残 り

看 護 観を刺激 し た もの と 考 える

特に

受 持ち高 齢 者には

治 療上の 制 約が 少な く

, 《

余暇 活動

場面 は

対 象の人 生史を踏ま え

学生の感 性や創 造 力が発 揮できる場 面で あるた め

主体的 な看 護 介入 が容 易である と考える

今田5〕 は

「学習は

学 習 者を取 り巻 く環 境との絶え ざる相 互作 用の な かで生 じてい る

」と述べ てい る ように, 他の場面 よ りも受 持ち高 齢 者へ の看 護 介 入 場 面が

看 護 観を養 うこ とに効 果 的であっ た と考える

その た め

, 《

余 暇 活 動

》 《

コ ミュ ニ ケ

シ ョ ン実 施 》 《ア ク テ ィ ビ テ ィケ ア実 施 》 場面は自己効 力 感が得 ら れ, 看 護 観を構 築 する機 会に なっ た と

える

 

学生が捉え た高齢 者 看 護 観とは, 【高 齢 者の 人生 史 の 理解と対 象の 立場に立ち受 容 する看 護

】【

気分 転換 活 動や残 存 機 能の維 持

QOL

の向上 】

感 情 表出 と

QOL

の向上】 【対 象の 能力の 理解と自尊 心 を尊 重す る 看 護 】 【身 体 的

精 神 的

社 会 的 側 面から捉 えた対 象 理解と個別性の る看 護

】【

看 護のび と継 続 看護

であ り

看 護 観に関 する実 習目標

行 動目標は ほ ぼ 達 成さ れた

筆 者ら2) 老 年 看 護 学実 習の 学 びの 分 析に おい て, 実 習 グル

で の び につ い て

欲や生 きがい と

生 命の 質 (

QOL

との 関 連 を結 び つ ら れ る指 導の必 要 性」が示唆さ れたが, 本 研 究 におい て は 上 記の カ テゴ 内容か ら

意 欲や 生 と 生

QOL

との 閧 連 は 学 習 さ れて い るこ とがわ か っ た

こ れ は , 個 人 指 導や評 価 面 接 時

カ ン フ ァ レンス の 場 等を 用い , 高 齢 者 看 護学 に おける 意 欲や 生 きが い と 生 命の 質 (

QOL

) を高め る看 護 の 重要

i

生を指 導した結果 と

える

学 生 に とっ , 生命の 質 (

QOL

)とは抽 象 的な概 念で あるが

実 際 に自分 が行っ た場 面 を用い 実 施し た行 為を 評 価 す る ことで 自分の行 動と生 命の 質

QOL

)の 関連が学 習 さ れたと考 える

 

反 面, 高齢 者の 生命 危 機や 安 全の 重要 性に関して は

,〔

死へ の 恐怖と予後の不安

〕〔

安全

安 楽の重要 性

等の 精 神的危 機に 関する認 識で あっ た

高 齢 者 の疾 患の特徴と して

症 状 が非 定型 的であ り

急激 な変 化を来たすこ と がある

病 状 安 定期におい ても

異 常の早 期発見を 念頭にお き関わるこ と が必 要であ る

特に

受 け持ち高 齢 者は

転 倒

転 落の リ ス ク が高く

,安

全 を 配慮し た看 護が要 求さ れ る

しか し

学生 に とっ て は

印 象に残っ た場 面で あっ ても 《与 薬の技 術 》 《安全の技 術 》に関 する場 面は少 な く

看 護 観 と して認 識 する まで には 至 っ てい ない

今 後 の課 題と して

【身 体 的

精 神 的

社 会 的 側 面から捉 え た対 象理解と個 別 性の ある看 護 】と して認 識で き るよう

安全

安 楽や生命の危 険を守る看 護の必 要 性を指 導 する必 要 性が示 唆さ れ た

カ ンフ ァ レンス や 臨床 指 導 者の経 験した事 例を語る場 面の設 定 等が 必 要と思 われ る

 ま た

保 健 医 療 福 祉 専 門職の

員とし て の看 護の あ り方に関する記 述 内容は見 ら れ な かっ た

昨 年の 筆 者ら2〕 研 究に お , こ れ に関する記 述は少 ない

実 際の臨 地 実 習おい て, 作 業 療 法 士や介 護 職 と

緒に援 助を行 う経 験や

臨 地で の カン フ ァ レ ン ス に参 加す る等他 職種との 関 わ る 場 面 は

し か し, 学生 が 認 識 した場面 は

  《

情 報提 供

場面の み で あり

ケ アカン フ ァ レン ス

加 や 他 職種と 行う援 助 は, させ ら れ意識 が 強 く

主体的に自己 が関わ る 経 験と し て 認 識 さ れ てい ない と考 え

見 藤G〕 は看 護 師の 主体性 につ い て, その人の価値 観

考 え

判 断 など に基づい て行動 行為 し結 果の 責 任 を

うこ と で あ り, 人 が 生 ま れ な が ら に して持っ てい る もの で は な く

育 まれ るもの で あ る と 述べ て い る よ

学 生 が 主体的 に援助 や カン フ ァ レン ス を経 験し

他 職種との を看 護として認 識で きるような指 導 の あ り方 が 示唆さ れ た

ま と め 老年 看 護 学 実 習 中に記 載さ れ た実 習のま と め用 紙

(5)

分 析 結 果

以 下結 論が得ら れ た

L

 《余

暇活 動

》 《

コ ミュ ニ ケ

シ ョ ン実 施

》 《

アク テ イ ビ テ イケア実 施

等の 場 面は高 齢 者に変 化が現 れ や す く

看 護の必 要 性が認識 さ れ

学生の高 齢 者 看 護 観を構 築 する場 面である

2.

学生の捉えた看護 観と は

,【

高 齢 者の人 生史の理解 と対 象の立場に立 ち受 容 する看 護 】 【気 分 転 換 活 動や 残

機 能の維 持

QOL

の向上

】【

感 情 表出 と

QOL

の向 上

】 【

対 象の能力の理解と自尊心 を尊重する看 護 】 【身 体 的

精 神 的

社 会 的側 面から捉えた対 象理解と個 別 性の る看 護 】 【看 護のび と継 続 看 護 】であっ た

りに

 

老 年 看 護

i

学におい て

講 義で得た知識 を統 合 し, 看 護 実践能 力を 習得する と共 に, 豊かな高齢者 像に 基づい た高 齢 者 看 護 観 を 養 う臨 地 実 習での びの意 義は大 きい

 

今 後は

安 全

安 楽や 生命の 危 険を守る看 護の必 要 性 や, 保健 医 療福 祉 専 門 職 の

と し 看 護あ り方に対 する学生の 認識 を確 認 し

検 討して い き たい

用 文 献

1)国民衛生の動 向:厚生統 計 協 会

,53

9

) :

33−

  72

 2006

2)永田美 和 子

森田恵 子

渡 邉 充 子 : ラベ ル ワ

  ク を活 用した老 年 看 護 学 実 習にお ける学 びの分   析

桐生短 期 大 学 紀 要

16 :

87−94,2005,

3 )和田攻ら 編 :看 護 大 辞 典

医学書 院

東 京

),

  24

−2814,

 

2002.

4>

田 辺 亜由 美, 流石 ゆ り子 :高 齢 者の レ ク リェ

  シ ョ ン活 動に関する研 究

施 設と実 態と高 齢 者の

 

ー.

保 健の科 学, 46 :

65−

70, 2004

5)

今田寛 :学 習理 学

放 送 大 学 教 育 振 興 会

  (

東 京

,174,

2000

6)

見藤 隆子 :人 を育て る護 教育

医 学 書 院

 

,86,1995.

29 桐生短 期 大 学 紀 要

第17号

2006

(6)

Concepts

of

Nursing

of

the

Elderly

Perceived

by

Students

through

Laboratory

Practices

Keiko

Morita,

Miwako

Nagata

Abstract

'

Students"concepts of elderly nursing obtained through laboratorylearningwere studied by analyzing thesummary sheets

inwhich itisdescribed

how

to

define

elderly nursjng. The results indicatethatchanges appeared on

the

elderly while they were

participating

in

leisure

activities, making communications, and receiving activity cares with assistof nursing students.

Through

theseexperiences, students recognized thatthe availability of nursing could

help

the

elderly tomaintain their

better

quality

of

life.

The

students' concepts of elderly nursing perceivedthrough

practical

situations can

be

classified

into

6 categories:

(1)Nursing

to

be

provided

with accepting and understanding the life

history

and circumstances of elderly subjects,

(2)Activities

for

diversion,

maintenance of remaining systemic

functions,

and

improvement

of

life

quality,

(3)Helping

elderly

subjects express

their

feelings

and enhance theirqualityof life,

(4)Nursing

to

be

provided

based

on understanding of elderly

abilitiesand respecting self-esteem of individualelderly subjects,

(5)Viewed

frorn

the

points

of

physical,

spiritual,and social aspect,

(6)

Pleasure

of nursing and itscontinuous contribution''.

Keywords: Concepts of nursing fbrthe elderly, Practicalsituation,

Summary

of

learning

activities,Laboratory practiceof elderly nursing

参照

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