中学生の単旋律表現力を向上させる工学的アプローチに関する研究

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中学生の単旋律表現力を向上させる工学的アフ。ローチに関する研究 人間教育専攻 現代教育課題総合コース 井 上 寛 士 1.問題の所在 中央教育審議会答申

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で3 知性と感性の 往還の重要性が示されるようになった。しかし9 実蹴句な方法として示されている「言語活動」 が本来の目的である音楽表現力の向上に直協結 びついていないとし1う現状が見られる。 感性を刺激して音楽表現力を高めようとする 先行研究や言語活動の先行実践は多々前主する がp 知性を用いて中学生の音楽的表現力を向上 させようとする学術研究は不十分である。 2.研究の目的と方法 (1)研究の目的 音楽表現力を向上させる工学的アフ。ローチと その具体的な方法となる言語表現について調 査@分析し,中学校の音楽科教育に転移させる ことを研究の目的とする。 (2) 研究の対象 本 論 文 で 目 指 す 「 音 楽 表 現 」 は 聴 き 手 が 情緒豊かに感じられるような芸術的表現」を指 す。また,寺井交教育で中学生が取り組むことの 多い「単旋律による音楽表現力」の向上を目的 とする。また,音楽表現力を向上させる対象は, 「学;校教育で行われる音楽の授業に参加して いる中学生Jとする。 (3) 研究の方法 ① 文 献 調 査 ② 面 接 調 査 ③実謝受業の検討と実施 ④実証授業の分析 指導教員 藤 村 裕 一 3.本研究と関連する先行研究 (1)感性を刺激する著名な音楽メソッド ダノレクローズ, コダーイ,オノレフ等の著名な 音楽教育メソッドでは,身体表現そ拐し、パッセ ージを用い,感性を刺激しながら豊かな音楽表 現力を育成している。 (2) 音楽表現における知性的な捉えの必要性 鈴木(1

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,山岸(1

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などによると3 豊か な音楽表現のためには知性的な捉えが必要であ るとしている。また,井上

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などによると, 知性的に捉えたことを表現するための技能も理 解することが必要であるとしている。 (3) 感性工学による豊かな音楽表現 井口

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などにより,豊かな音楽表現をコ ンピュータで実現しようとする感性工学が研究 されている。 感性工学においては,音楽の要素 であるリズムやテンポ,音量,音高,音色など に鱗固な揺らぎゃ強弱の変化の組み合わせを付 与することで「芸術性」や「音楽表現」を実現 している。 (4) 発達に応じた音楽表現の認知の変化

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などによると,成長にともな って音楽表現に関する認知内容が増えてくると ともに,

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蛤句・直感的思考から,知性的・演 鐸的思考に変化していくこと,音楽表現同事情 そ気分に関連するものから9 社会にとって意味 のある個人的表現に変化してくるとしている。 (5) チャンクからスキーマへの変化 吉野

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らの知見によると,チャンクの集 ヴ t

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合がグルーヒ。ングされてフレーズやメロディー になるとしている。その過程で、ゲシュタ/レト認 知されたものに音楽経験が加わることにより, 音楽表現のスキーマとなってP 知識として構造 化されていくとしている。 (6) 外在的意味と内在的意味 Hayakawa(1978)ら一般意帰命の知見によると, 言語のもつ意味には, I外在的意味」と「内在的 意味」があるとされている。また,意味には, 社会的に同意された非個人的意味である「情報 的内包」と3 言葉が引き起こす個人的感情の雰 囲気である「感化的内包」があるとしている0 4 工争拘アプローチの定義と方法 (1)感性ワードと知性ワード 音楽接見を言語で想見する闘こは内生詩吟意味 のうち,劇団句に内包されて丸、るものやP条{牛付きで 惇闘ザす包も含んだ言葉も郎、られる。これ~ lI惑性 ワー刊と捉える。数量切こ指

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示すことができ3社 封 切 こ 師 酌 意 蜘2共有されている言葉を「知性ワ ード」と捉える。感

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酌げ租されてし、るものを蜘 性ワー刊に菱溶させてし、くことが言語長現を用し、 て音現語調力を向上させてして上で重要事こなる。

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工争拘アプローチの定義 音楽提見にチャンク噌立で介入し音楽表現者こ 基ゴく音蝦親方法や演奏者自身利子った音親親 を知性ワードで瑚苧ずることを通して,音楽表現を 封号していくことを工学的アプロ」チと定義する。 5.実剖受業とそ倒誤記湾察 (1)鶏回受業の難 音楽表賠己号や音楽表現に関わるチャンクを知性 ワードとして捉え, どのように音楽として表現する 枕明繭こさせる授業を醐した (2)テキストマインニンク、による横正 野走の言謎をテキストマインニングPでふ分した融、 塁手走は言語表現を具備包な琵車三長現と結びつけてし、 -72 ることがわかったまた同じ音葉譲現を対象として いても3 具備O/~剰平合畿日しようとし討議と,比 嚇ザぷ表現で認知しようとしだ埠旬丸、ることがわ かった。 (3)此轍こよる様正 工学的アプローチを用いで授業を行った

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組と 「居心待意図を大切に授業を行ったB脚 満 奏 を 波形にして,地表し首謀菊酸業を行ったA組の ほう持費画恒顕君恥錦崩事く,また性差も少な いとし、う車操となったが:, T検定広結呆

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0.6 であり,有意~諦められ制〉ったしかし A組と B組広振り返りのま躍をテキストマインニングで比 較 し 廿 操 A組の

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言語頭莞で読識してしもことカ恥かった 5.工勃ゲブローチ-0方 諜 音楽をチャンク単位に分割しp 感性ワードと 知性ワードを適切に用いて音楽表現力の向上を 目指す工学的アプローチでは3 生徒が具体的な 演奏像として言語表現をすることができたG このことより,次のことを提案したし

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@中学生の音楽表現力を向上させるために 音楽をチャンク単位に分割して,それぞれ のチャンクに適切に介入する工学的アプ ローチを用いていくこと。 ・チャンク単位で介入する際には,介入に用 いる言語が感性ワードであるか知性ワー ドであるかを認識し,生徒にとっての知性 ワードに変容させていくこと。 本研究を通して生徒の認識が変化することを 実証することができた。今後は,本論文でまと めた工学的アプローチによってチャンクごとの 音楽表現法を身に付けた生徒がそれを用いて能 動的に音楽表現をしていけるか

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こついて車齢拍句 に検証していきたい。

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