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高度情報通信社会における情報技術教育に関する研究

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Academic year: 2021

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高度 情報通信社会 にお ける情報技術教育 に関す る研究

松 原 伸 一

AStudy  on  Information  Technology  Education         in  the  Advanced  Information  and          Communication  Oriented  Society

Shinichi  MATSUBARA 1.は じ め に   1984年(昭 和59年)は 内 閣 総理 大 臣 の諮 問 に よ る臨 時教 育 審 議 会 が 発 足 した年 で あ る。 こ の時 は教 育 の国 際 化 と と もに 情 報 化 が 話 題 と な ったが 、1987年(昭 和62年)の 第4次 答 申 (最 終 答 申)で 教 育 改 革 構 想 の ア ウ トラ イ ンが 完 成 して い る。 この 頃 は情 報 教 育 に関 す る教 育 改 革 の社 会 的 な意 識 も高 ま りは じめ た時 で 、 後 に 「情 報 教 育 元年 」 と呼 ば れ た こ と もあ る。 そ れ か ら15年 が過 ぎた が 、 情 報 教 育 が 現 教 育 課 程 に組 込 ま れて い る こ とは周 知 の通 りで あ る。 しか し、 社 会 の情 報 化 の流 れ は ます ます 急 速 に な り、私 た ち の生 活 環 境 は今 ま さ に大 き な変 革 を 遂 げ よ う と して い る。 発 明 か らわ ず か50年 程度 の歴 史 しか な い コ ン ピ ュー タが、 こ れ程 ま で に発展 ・普 及 し、 私 た ちの あ らゆ る分 野 に浸 透 して生 活 の必 需 品 と して 位 置 づ け られ る と は い った い 誰 が想 像 し得 た で あ ろ うか。 マ ル チ メ デ ィアの 本 格 的 な時 代 の 到 来 によ り私 た ち の環 境 は よ り高 度 で便 利 な社 会 に な ろ う と して い る し、 この こ と 自体 が新 た な問 題 も惹 起 さ せ て い る ので あ る。少 し誇 張 して 述 べ れ ば この新 しい 流 れ は、 未 だ 人類 の経 験 した こ との 無 い 新 しい 世 界 を構 築 し よ う とす る も の で、 世 界 の人 に と って も は じあ て の経 験 とな るの で あ る。従 っ て 、 私 た ち は、 新 しい世 界 にお い て 必要 な能 力 と は何 で あ り、 ま た そ れ を どの よ う に育 成 しな けれ ばな らな い の か とい う こと を究 め な けれ ば な らな い。 さ らに、 従 来 の能 力(学 力)に 対 し て も、 新 しい 価値 観 や柔 軟 な評 価 観 で 対 応 して 行 か な け れ ば な らな い。 こ れ が、21世 紀 を 展 望 す る情 報 技 術教 育 の基 本 的 な考 え方 に方 向 性 を与 え る もの で あ る と考 え る。 2.高 度 情 報 通 信 社 会 2.1  「情報 」 概 念   情 報 とい う言 葉 は、 日常 的 に は大 き く分 けて 次 の よ うな意 味 で 用 い られ て い る。 そ れ は、 ま ず、 ① 報 道 機 関 か ら提 供 され る ニ ュ ー ス や 知 識 や デ ー タ な ど の 意 味 で あ り、 「情 報 過 多 」、 「情 報 の氾 濫 」 な ど と い った 言 葉 に象 徴 され る もの で あ る。 次 に、 ② 「コ ンピ ュー タ処 理 を施 して 提供 され た もの」 と い う こ とが で き る。 こ れ は 「情 報 処 理 」 と い う言 葉 で 象徴 さ れ るよ う に統 計 や分 析 の結 果 な どで あ る。 ま た、 ③ 「記 号 や 信号 や標 識 」 の意 味 で 使 った り、 さ らに、 ④ 情 報 理 論 に お け る取 り扱 い方 もあ る。 こ れ ら4っ の 意 味 は お互 い に類 似 した 関係 に あ るが、 概 して言 え ば、 ① か ら ② 、 ② か ら ③ 、 ③ か ら ④ に な るに つ れ て 符 号 化 が進 み定 量 性 に富 ん だ もの で あ る とい え る。   こ の よ うに 「情 報 」 と い う言 葉 の概 念 に相 違 が あ り、 これ らが混 在 して 用 い られ て い る こ と

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40 松 原 伸 一 が 情 報 教 育 を よ り複 雑 な もの に して い る。 本 論 文 の 題 目 は 『高 度 情 報 通 信 社 会 に お け る情 報 技 術 教 育 』 で あ るが 、 こ こで は、 そ の基 盤 と もい え る 「情 報 」 概 念 につ い て考 察 して み な けれ ば な らな い。   広 辞 苑 に よ れ ば 、 情 報(information)と は 『或 る こ とが ら につ い て の 知 らせ』 と記 され て い る が これ は概 ね 上記 の ① に該 当す る。 ま た、 情 報 用 語 辞 典Dで は、 情 報 と は、 『① 人 間 が 行 動 の 意志 決定 また は選 択 に役 立 て る一 連 の記 号 と そ の 系 列 の こ と、 ② あ る 目的 の た あ に意 味' を 持 って い る一 連 の記 号 と そ の 系 列 、③ 物 質 と エ ネ ル ギの す べ てを パ ター ン化 した一 連 の 記 号 と そ の系 列 』 に大 別 さ れ て い る。 これ は、上 記 の ① ∼ ③ の 意 味 を含 み、 よ り広 義 の定 義 と な って い るが 、 これ を一 言 で いえ ば、 前 田2)は、 『情 報 と は意 味 を持 って い るパ タ ー ンま た は そ れ と同等 の もの で あ る』 と定 義 して い る。   最 後 に ④ の 情 報 理 論 お け る情 報 の 定 義3)で あ る。 自然 科 学 の 分野 で は、定 量 性 、 客 観 性 、 再 現 性 な どが要 求 され る。 情 報 理 論 で は、 こ の 様 な 条 件 を満 た す た め に、 「内容 」 や 「価 値 」 とい った 曖 昧 な も のを 最 初 か ら は取 り扱 わ な い。 情 報 は、 確 率 的 現 象   (stochastic  phenome-non)と して取 り扱 わ れ 、 そ の定 量 性 は、 確 率 と い う概 念 で 保 証 され 。 即 ち、 情 報 理 論 に お い て は、 情 報 量 と は、 現 象(情 報)が 生起 す る確 率 の逆 数 の対 数(2を 基 底 とす る)で 定 義 さ れ、 単 位 は、 ビ ッ ト(bit:binary  unit)4)で あ る。 した が って、 情 報 は、 定 量 的 に定 義 で き ない も の(定 性 的 情 報)と 定 量 的 に定 義 で き る もの (定 量 化情 報)に 分 け る こ とが で き る。 2.2  「情 報化 」 概 念   日常 的 に は、 『情 報 化 』 と は 「コ ン ピュ ー タ 化 』 と同 義 に扱 わ れ る こ とが 多 い が、 これ を単 体 と して扱 った 定 義 は見 あ た らな い。 そ こで 、 ま ず 、情 報化 を 原 義 に基 づ い て 『情 報 に至 らな い もの を 情報 に す る こ と』 と定 義 しよ う。 ここ で 、 『情 報 に至 らな い もの』 とは何 で あ ろ うか 。 そ れ は 「デ ー タ』 で あ る と い うこ とが で き るか も知 れ な い。 情 報 用 語 辞 典5)で は、 『デ ー タ』 と は 『まだ 特 定 の 目的 もな く、 したが って評 価 も与 え られ て い な い諸 事 実 を客 観 か っ 中 立 的 に 示 して い る記 号 お よ び系 列 』 と記 さ れ て い る。 従 って 、 本 論 文 で は、 『情 報 化 と は、 ま だ特 定 の 目的 もな く、 した が って評 価 も与 え られ て い な い諸 事 実 を 客 観 か っ 中立 的 に示 して い る記 号 お よ び系 列 を、 人 間 が行 動 の 意志 決定 ま た は選 択 に役 立 て る一 連 の 記号 とそ の 系 列 に置 き換 え る こ とま た は その 手 段』 と定 義 した い。 2,3  情 報 化 社 会 の 到 来 とそ の 高 度 化 に 向 けて     一 高度情報通信社会 一   工 業 化 社 会 は物 の生 産 が 中 心 で あ る と いえ る。 つ ま り、 物 質 とエ ネ ル ギ ー を効 率 よ く制 御 して、 大 量 生 産 に よ り低 コス トで 品 質 の高 い製 品 を生 産 す る こ とに主 眼 が おか れ て い る。 情 報 化 社 会 で は、 物 質 とエ ネ ル ギ に加 え、 情 報 の存 在 が重 要 に な り、 多 様 な情 報 機 能 の有 機 的 な活 用 を主 軸 と した 社 会 で あ る とい え る。

  情 報 化 社 会  (information  oriented  socie-ty)の 定 義 を 厳 密 に行 う こ と は 困 難 で あ る が、 濱 口6)は、 「物 質 ・エ ネ ル ギ ー の 形 相 を 示 す 「情 報」 に よ って、 生 活 上 必 要 な 〈もの〉 を生 産 し、 流 通 させ 、 消 費 す る過 程 が うま く制 御 さ れ る、 そ の度 合 が強 ま っ た社 会 、 「情 報 」 そ の もの を処 理 し、 的 確 に伝 達 す る技術 が 飛 躍 的 に 進 展 し、 「情 報 」 の処理 と通 信 が仕 事 の 中 心 と な る よ うな産 業 形 態 、 コ ン ピュ ー タや 種 々の 放 送 ・通 信 機 器 の革 新 に よ って 「情 報 」 のす ぐれ た制 御機 能 が発 揮 され る と と もに、 時 間 ・空 間 の制 約 を越 え て 「情 報 」 が 瞬 時 に伝 え られ、 ま た、 豊 か に蓄 え られ た デ ー タベ ー ス、 知 識 ベ ー スに 依 拠 した生 活 が営 まれ る よ うに な る社 会 』 と定 義 して い る。   ま た、 新7)に よれ ば、 情 報 化 社 会 とい え るた あ の用 件 は、 「コ ン ピ ュ ー タの 開 発 と活 用 に よ る第5次 情 報 革 命 が先 行 し、 利 用可 能 な 財貨 や サ ー ビス の生 産 、 消 費、 ス トッ クが 、社 会 の な か で 一 定 の水 準 に達 し、 そ の結 果、 社 会 生 活 に お け る、 情 報 化 の メ リッ トが 具 体 的 に現 わ れ る 状 況 下 で 、 つ ま り当 該社 会 が脱 工 業 化 の 段 階 に 位 置 づ け られ る よ うな 場 合 に、 社 会 的 に利 用 可 能 な情 報 処 理 機 器 が 一 定 の 水 準 で 確 保 さ れて い る こ と。 活 用 し得 る人 間 の 知 的 能 力 が 、 個 人 的 も し く は社 会 的 に、 一 定 の 水 準 に達 して い る こ と。」 で あ る と述 べ て い る。 さ らに 、 情 報 化 社

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会 が 高 度 で あ る(高 度 情 報 化 社 会 、 高 度 情 報 通 信 社 会:advanced  information  oriented  soci-ety, advanced  information  and  communica-tion oriented  society)た あ の 条 件 に つ い て は 、 次 の よ う な 指 摘 が あ る 。 ① デ ィ ジ タ ル 化 の 完 全 実 現 、 ② 情 報 処 理 と 通 信 の 一 元 化 、 ③ メ デ ィ ア の 結 合 化 ・統 合 化 、 ④ 自 由 に 検 索 で き る 形 で の デ ー タ 保 存 。 ① は、 ア ナ ロ グ 情 報 が デ ィ ジ タ ル 化 さ れ る こ と で あ り、 記 録 方 式 に 関 し て は、 フ レ キ シ ブ ル デ ィ ス ク 、CD-ROM、 MOな ど が あ げ られ る 。 ま た 、 通 信 方 式 に つ い て は、 光 フ ァ イ バ ー に よ る デ ィ ジ タル 通 信 シ ス テ ム(ISDN)が 代 表 例 で あ る 。 しか し、 現 在 の 電 話 回 線 は ア ナ ロ グ回 線 が 主 流 で あ る 。 ま た 、 ζ の 回 線 を モ デ ム を 介 し て 行 う イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 で は 、 通 信 路 の 両 端 で は デ ィ ジ タ ル で あ っ て も そ の 通 信 経 路 は ま だ ア ナ ロ グ 部 分 が あ り 、 完 全 な デ ィ ジ タ ル 通 信 と は い え な い 。 新 しい 電 話 で あ る 携 帯 電 話 やPHSで は デ ィ ジ タ ル 化 が 進 ん で い る。 ② は 、 ① と も 関 係 す る が 、 情 報 処 理 機 器(コ ン ピ ュ ー タ な ど)が デ ィ ジ タ ル 通 信 網 で 接 続 さ れ 情 報 の 処 理 と 通 信 が 一 元 化 さ れ る こ と を 意 味 す る。 現 在 の 電 話 回 線 な ど利 用 し た ア ナ ロ グ通 信(パ ソ コ ン通 信 、 フ ァ ク シ ミ リ な ど)は 、 デ ィ ジ タ ル 通 信 へ と 移 行 し、 テ レ ビ 電 話(動 画)、 デ ィ ジ タ ル 電 話 、 デ ィ ジ タ ル フ ァ ク シ ミ リな ど の 普 及 が 期 待 さ れ る。 ③ は 、 メ デ ィ ア の 研 究 ・開 発 な ど に と も な い 、 デ ィ ジ タ ル 通 信 網 と の 接 続 、 あ る い は 、 複 合 化 。統 合 化 に よ り新 し い 結 合 化 ・統 合 化 メ デ ィ ア が 開 発 さ れ 普 及 す る こ とで あ る 。 近 い 将 来 は 、 テ レ ビ と 電 話 と パ ソ コ ン を 区 別 す る こ と が 意 味 を 持 た な く な る だ ろ う。 ④ は 、 デ ー タ ベ ー ス の 構 築 ・ 利 用 で あ り、 デ ィ ジ タ ル 通 信 網 を 利 用 し て 情 報 の 共 有 に 寄 与 す る 。 こ の よ う な 条 件 で 現 在 の 社 会 を 見 る と、 情 報 化 社 会 が 高 度 で あ る と 結 論 す る の は 難 し い が 、 急 速 に 高 度 化 の 変 化 の 中 に あ り、 高 度 情 報 通 信 時 代 が 間 近 で あ る こ と を 実 感 す る。 3.高 度 情報 通 信 社 会 にお ける教 育 3三1  ど の よ うな 能 力 が必 要 か?   現 在 は、 前 述 の よ うに工 業化 社 会 か ら情報 化 社 会 、 そ して 高度 情 報 通 信 社 会 へ と急 速 に変 化 して い る。 この急 激 な変 化 に対 応 す る た め、 高 度 情 報 通 信 社 会 に お け る教 育 の在 り方 が各 方 面 で 話 題 にな って い る。 特 に情 報 教 育 元 年 と言 わ れ た 頃 か ら、 特 に、 コ ン ピュー タ リテ ラ シ ー8) や 情 報 リテ ラ シー9)とい う言 葉 が 頻 繁 に使 用 さ れ るよ うに な り、 審 議 会 や 協 力 者 会 議 さ らに は、 専 門 家研 究 グル ー プ等 に よ る答 申 や 報 告 書 が 数 多 く公 表 さ れ るゆ と と もに 関 係 す る書 籍 ・雑 誌11)などが多 く出版 され た。   佐 藤12)によ れ ば、 「工 業 化 社 会 に お い て は 、 教 育 ニ ー ズ は、 比 較 的 同 一 目的 的 傾 向 にあ り、 そ の価 値 観 は量 に支 配 され る と ころ が大 きい。 そ れ が情 報 化 に伴 い、 「量 」 か ら 「質 」 へ の変 化 を生 み、 情 報 化 社 会 で は多 目的 で多 様 な教 育 ニ ー ズ とな る。 これ に よ り価 値 観 は 「質 」 か ら 「感 性 や好 み」 とい っ た ソ フ トな も の に 変 化 し て い く』 と い う。   ま た、 工 業 化 社 会 で の 教 育 形 態 は 、 「1→ 多 」 の 情 報 シ ステ ム13)として捉 え られ る マ ス教 育 が 主 体 で あ るが 、 そ れ が多 様 な ニ ー ズ に対 応 す べ く情 報 環 境 の 整備 とと もに、 小 集 団 教 育 が 必 要 と な る。 した が って、 標 準 化 ・画 一 化 の 傾 向 に あ っ た カ リキ ュ ラム は、 多 様 化 。個 性化 へ の変 更 が も とめ られ る。 教 師 や 教 育 関 係 者 へ の フ ィー ドバ ッ ク と して は、 「多 →1」 の 情報 形 態14)が重 視 され 「多 」 側 か らの 意 見 や評 価 が 重 要 な 決 定 の要 因 と な る。 そ して、 教 育 シ ス テ ム ・組織 の運 用 で は、 集 中 型 ・階層 型 の形 態 か ら分 散型 ・小 規 模 相 互 連 携 型 ・交 流 型 へ の変 化 を必 要 と し、 時 間 的 に は フ レッ クス化 を伴 って、 学 校 間 ・教 師 間 の協 同 作 業 によ る授 業 運 営 が 重 要 に な る。 そ して 、 学 習 者 は従 来 の暗 記 型 学 習 や論 理 思 考 ・分 析 的 思 考 に加 え て イ メ ー ジ思 考 や構 成 的思 考 お よ び総 合化 の た め の能 力 が 必 要 で あ る。   この よ うに、 情 報 環 境 の 出現 と情 報 の 産 業 化 に よ って、 産 業 構 造 に変化 が み られ 労 働 の内 容 や環 境 、 さ らに は、我 々 の 日常 的 な 生 活 環 境 ま で もが変 化 しっ っ あ り、 教 育 ニ ー ズ も 自ず と変 化 せ ざ る を得 ない。 この よ うな急 激 な 変 化 は、 人 の心 理 や 思 考 を も変 えか ね な い危 険 性 を示 唆 す る もので あ る。 つ ま り、 新 しいメ デ ィア が職 場 や 家 庭 、学 校 に導 入 され 、 人 間 が人 間 とつ き

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42 松 原 伸 一 あ う時 間 よ り もメ デ ィア に接 して い る時 間 の方 が増 え て く る恐 れ が あ るか らで あ る。 そ して、 情 報 の 検索 ・選 択 ・活 用 な どの能 力 に よ る新 し い個 人 格 差 が生 じ る危 険性 が あ る。 この よ うな 問 題 に対処 す るた め に は、情 報 リテ ラ シー ・メ デ ィ ア リテ ラ シー の 育成 が必 要 で あ る。 これ は、 個 人 が 情報 の検 索 ・選 択 ・処 理 ・生 産 に つ い て の 技 術 を使 い こな す こ とが で き る基礎 的 ・実 践 的 素 養 の育 成 で あ る。 そ して 、 これ は、 情 報 の 信 頼 性 や 価 値 を 自 ら判 断 し、 情 報 を選 択処 理 で き る能 力 、 自 らの 発 想 や 考 え を情 報 メ デ ィア を 使 って 表 現 した り、 相 手 に伝 達 で き る能 力 、 な ど を育 成 す る こ とで あ る。 その た あ に は、 新 し い情 報 メ デ ィ ア の機 能 や 利 用 法 を学 び 、新 しい 情 報 メ デ ィア を学 習 指 導 に利 用 す る こ とが大 切 で あ り、 情 報 化 へ の対 応 と して の 教育 目標 は、 以 下 の よ う に要 約 され て い た15)。   ω 情 報 科 学 ・技 術 に対 す る主 体 性 と 自主 性   の育 成   (2)情 報 化 社 会 の なか で の 自己 実 現 と 自己表   現 能 力 の育 成   (3)社 会 人 お よ び職 業 人 にな るた め の情 報技   術 に関 す る基 礎 能 力 の 育 成   (4)情 報 化 社 会 に お け る社 会 人 と して の 倫理   観 の育 成 ま た、1998年 協 力 者 会 議 最 終 報 告 で は、   (1)課 題 や 目 的 に応 じて 情 報 手 段 を 適切 に活   用 す る こ と を含 めて 、 必 要 な 情報 を主 体 的   に収 集 ・判 断 ・表 現 ・処 理 ・創 造 し、 受 け   手 の状 況 を踏 ま え て発 信 ・伝 達 で き る能 力   (情 報活 用 の 実戦 力)   (2)情 報 活 用 の基 礎 と な る情 報 手 段 の特 性 の   理 解 と、 情 報 を適 切 に扱 った り、 自 らの情   報 活用 を評 価 ・改 善 す る た め の基 礎 的 な理   論 や方 法 の理 解(情 報 の科 学 的 な理解)   (3)社 会 生 活 の 中 で情 報 や情 報 技 術 が 果 た し   て い る役 割 や及 ぼ しで い る影 響 を 理 解 し、   情 報 モ ラ ル の必 要 性 や 情 報 に対 す る責 任 に   つ い て考 え、 望 ま しい情 報 社 会 の 創 造 に参   画 しよ う とす る態 度(情 報 社 会 に参 画 す る   態 度) の よ うに 、 「情 報 活用 能 力 」 が整 理 され、 情 報 教 育 の 目標 と して位 置づ け る こ とが 提 案 され て い る16)。 3、2  問 題 解 決 学 習 の必 要 性 情 報 化 社 会 に お い て は、 従 来 か ら行 わ れ て き た専 門 教 育 と して の プ ロ グ ラ ミング教 育 に対 し て 、普 通 教 育 と して の位 置づ けが 必 要 で あ る と 考 えて い た17)。そ れ は、 普 通 教 育 にお いて は職 業 教 育 と してで はな く、 コ ン ピュ ー タの 仕 組 み や はた らき につ いて理 解 す る とと もに、 問 題 を 客 観 的 に理 解 しそ の 解決 の方 法 を見 いだ す た め の論 理 的 な 思 考 を 養 う こ とに重 点 が お か れ な け れ ば な らな い と い う こ とで あ り、 この研 究 を進 あ る こ と に よ り、 プ ロ グ ラ ミング教 育 の 目標 は、 問 題 解 決18)の能 力 を養 う こ と にあ る とい え る と い う見 解 に達 したの で あ る。 つ ま り、 高 度 情 報 通 信 社 会 にお いて必 要 な能 力 の一 つ に問 題 解 決 能 力 が あ るが 、 これ はま さに、 問 題 の具 体 化 ・ モ デル 化 ・最 適 化 な どの概 念 を含 み、 これ は プ ロ グラ ム言 語 の 教 育 と類 似 して い る こ と に気 づ い た の で あ る。 この こ とか ら、 筆 者 は、 一 般 に 問 題 の解 決 に は次 の よ うな段 階 が あ り、 必 要 に 応 じて 下 記 の操 作 が 繰 り返 し行 わ れ る もので あ る と考 え る に至 った の で あ る19)。   (ア)  問 題 の 意 識:抽 象 的 ま た は直 観 的 に問     題 を 意 識 す る段 階   (イ)  問 題 の 分 析:そ の 問題 を客 観 化 ・一 般     化 す る段 階   (ウ)  問 題 の 照 合:既 に一 般 化 され た問 題 と     照 合 す る段 階   (エ)解 決 法 の 照 合:解 決 の糸 口 を既 に一 般     化 さ れた 方 法 の 中 か ら見 い だす 段 階   (オ)解 決 法 の修 正:一 般 化 され た解 決 の方     法 を問 題 に適 合 す るよ うに部 分 的 に修 正     す る段 階   (カ)  解 決 法 の意 識:解 決 の方 法 を具 体 化 し     て意 識 す る段 階   (キ)解 決 法 の実 行:意 識 した解 決 法 を実 行     す る段 階   (ク)解 決 法 の評 価:実 行 した結 果 を評 価 し、     問 題 の解 決 の 効 果 を検 討 す る段 階   (ケ)解 決 法 の一 般 化:修 正 した解 決 法 を一     般 化 す る段 階

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4.初 等 ・中 等 教 育 に お け る情 報 技 術 教 育 4.1  小 学 校 に お け る情 報(技 術)教 育   小 学 校 で は、 情 報 活 用 の実 践 力 に重 点 を 置 き、 各 教 科 お よ び総:合的 な学 習 の 時 間 を利 用 して情 報(技 術)教 育 を進 め る こ とが で き る。 小 学 校 で の情 報 教 育 に 関す る教 育 カ リキ ュ ラ ムに つ い て は、 滋 賀 県 内 の い くつ か の小 学 校 で 実践 研究 に 関 わ る こ とが で き、 そ の成 果 は着 実 に上 げ ら れ て い る。 現 行 の教 育 課 程 に お いて も、小 学 校 で の代 表 的 な 情 報 教 育 の 例 と して いわ ゆ る 「調 べ 学 習 」 で コ ンピ ュー タや イ ン ター ネ ッ トを 利 用 す る と い う事 例 が 多 く見 か け られ る し、 そ の 発 展 と してWebペ ー ジ を作 り発 信 ま で を行 っ て い る場 合 もあ る。   新 学 習 指 導 要 領 で は、 総則 の指 導 計 画 の作 成 に 当 た って 配 慮 す べ き事 項 と して 、 「各 教 科 等 の指 導 に当 た って は、 児 童 が コ ン ピュ ー タや 情 報 通 信 ネ ッ トワー ク な どの 情 報手 段 に慣 れ親 し み、 適 切 に活 用 す る学 習 活 動 を充 実 す る とと も に、 視 聴 覚 教 材 や教 育 機 器 ・教 具 の適 切 な活 用 を 図 る こ と」 と述 べ られ て い る。 国 語 で は、 「読 む こ と」 の と ころで 、 必 要 な 情報 を得 る た あ に、 効 果 的 な読 み方 を工 夫 す る こ とな どが記 され て い る。 社 会 で は、 「我 が 国 の通 信 な ど の 産 業 につ いて 、次 の こ とを見 学 した り資 料 を 活 用 した り して 調 べ 、 これ らの産 業 は国 民 の生 活 に大 きな 影 響 を及 ぼ して い る ことや 情 報 の 有 効 な活 用 が 大 切 で あ る こ とを考 え る よ うにす る」 'とあ り 、 指 導 計 画 に 当 た って は、 「学 校 図 書 館 や 公 共 図 書 館 、 コ ン ピュー タな ど を活 用 して 、 資 料 の収 集 ・活 用 ・整 理 な どの を行 うよ う にす る こ と」 とあ る。 算 数 で は、指 導 計 画 と作 成 と 各 学 年 に わ た る内 容 の取 り扱 い の 中 で、 「コ ン ピュ ー タ な どを有 効 に活 用 し、 数 量 や図 形 につ いて の感 覚 を豊 か に した り、 数 や グ ラフ を用 い て表 現 す る力 を高 め た りす る よ う留 意 す る」 と な って い る。 同様 に理 科 にお い て も観 察 、 実 験 、 栽 培 、 飼 育 及 び もの づ く りの指 導 に つ い て は、 指 導 内容 に応 じて コ ン ピュ ー タ、視 聴 覚 機 器 な どの適 切 な機 器 を選 ぶ と と もに、 そ の扱 い に慣 れ、 そ れ らを活 用 で き るよ うにす る こ と。」 と 記 述 され て い る。 4.2  中 学 校 「技術 ・家 庭 」 科  技 術 分 野   内     容B情 報 と コ ン ピ ュー タ   中 学 校 の教 育 課 程 に情 報 関連 の 内容 が教 育 内 容 と して 設 け られ た の は 、現 教 育 課 程 か らで あ る。 そ れ は、 平 成5年 度 よ り完 全 実 施 の方 向で 始 あ られ た もの で あ る。 当 時 は、 中学 校 の 「技 術 ・家 庭 」 科 の中 に 新 しい領 域 と して 「情 報 基 礎 」 が 設 け られ たの で あ る。 必 修 の領 域 は、 木 材 加 工 、 電 気 、 家 庭 生活 、食 物 が必 修 領 域 と し て設 定 さ れ、 情 報 は あ くまで も選 択 の領 域 と し て位 置 づ け られ て い たの で あ る。 しか し、 実 際 に は、 情 報 の領 域 を選 択 す る場 合 が ほ とん どで あ り、 限 りな く必 修 に近 い選 択 領 域 と言 わ れ た こ と もあ る。   「技 術 ・家 庭 」 科 は、A木 材 加工 、 B電 気 、 C金 属 加 工 、D機 械 、 E栽 培 、 F情 報 基 礎 、 G 家 庭生 活 、H食 物 、1被 服 、 J住 居 、 K保 育 の 11の 領 域 で 構 成 さ れ て い る。 こ こ に お け る情 報 教 育 は、 こ の教 科 中 で は、11領 域 の 内 の1 領 域 とい う存 在 で あ る が、 上 記 のAか らFま で の いわ ゆ る技 術 関 連 の領 域 中 で は、6領 域 中 の1つ とい う存 在 な ので あ る。 しか し、今 回新 た に告 示 され た新 しい学 習 指 導要 領 に よれ ば、 「技 術 。家 庭 」 科 は、 領 域選 択 制 を廃 し、 技 術 分 野、 家 庭 分 野 と整 理 さ れ、 そ れ ぞ れ に 内 容 Aお よ びBが 設 け られ た。 情 報 関連 の 内容 は、 技 術 分 野 の 内 容Bに 当 た り、 単 純 に上 記 の よ うに割 合 で 示 せ ば、 この教 科 中 で は、4分 の1 に な り、 技 術 に関 して言 え ば、2分 の1に まで 拡 大 さ れ た こ と にな る。 この状 況 を整 理 して示 せ ば表1の よ う にな り、 情 報 教 育 が 今 回 の 改訂 に よ り、 教 科 中 で2.75倍 、 技 術 分 野 に 限 定 す れ ば、3倍 に拡 大 した こ とに な る ので あ る。 4.3  高 等 学 校 新 教 科 「情報 」 につ いて   情報 教 育 に関 して は、 大 き く分 けて 次 の よ う に2っ の考 え方 が あ る。   (a)  各 教 科 内 容 を学 習 指 導 す る際 に情 報 技     術 を利 用 す る場 合 。 表1  「技 術 ・家 庭 」 科 にお け る情 報 教 育     の 占め る割 合 の変 化 現行    新課程 拡大率 教   科:1/11→   1/4  2。75倍 技 術 分 野:  1/6  →   1/2  3。00倍

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44 松 原 伸 一 表2  普通教育教 科 「情 報」 の各科 目の比較 教  科 普 通 教  育 教  科  「情  報」 科 目 情 報 A 情 報  B 情 報C ア 日常生 活 や職 業 生活 にお い ア 日常 生 活 や職業 生 活 に おい ア 日常 生 活 や職業 生 活 に お い て,コ ン ピ ュ ー タ 情 報 通 信 て,コ ン ピ ュ ー タ 情 報 通 信 て,コ ン ピ ュ ー タ 情 報 通 信 ネ ッ トワー ク な どの 情 報 手 段 ネ ッ トワー クな どの 情 報 手 段 ネ ッ トワー クな どの情 報 手 段 を 適 切 に活 用 し,主 体 的 に情 を適 切 に活 用 し,主 体 的 に情 を適 切 に活 用 し,主 体 的 に情 報 を 収 集 ・処 理 ・発 信 で き る 報 を収 集 ・処 理 ・発 信 で き る 報 を 収 集 ・処 理 ・発 信 で き る 能 力 を 育 成 。 能 力 を育 成 。 能 力 を育 成 。 教 科 ・科 イ 情報 および情報 手段 をよ り効 イ 情報 および情報手段をよ り効 イ 情報お よび情報手段を より効 目の 目標 果的 に活用す るたあの知識 や 果的に活用するための知識や 果的に活用す るたあの知識や の要点 技 能 を定 着 させ,情 報 に 関 す 技 能 を 定着 さ せ,情 報 に関 す 技 能 を定 着 さ せ,情 報 に関 す る科 学 的 な見 方 ・考 え 方 を 育 る 科 学 的 な 見 方 ・考 え 方 を 育 る科学的 な見方 ・考え方を育 成 。 成 。 成 。 ウ 情 報化 の進展 が人間や社会 に ウ 情報化の進展が人間や社会 に ウ 情報化の進展が人間や社会 に 及 ぼす 影 響 を理 解 し,情 報 社 及 ぼ す 影響 を理 解 し,情 報 社 及 ぼ す 影 響 を理 解 し,情 報 社 会 に参 加 す る上 で の 望 ま しい 会 に 参 加 す る上 で の 望 ま しい 会 に参 加 す る上 で の 望 ま しい 態 度 を育 成 。 態度 を 育成 。 態 度 を 育 成 。 内容構成 の重点 ア,イ,ウ の 三 つ の 視 点 を 盛 り 込 ん で い る が,特 に ア に重 点 を 置 い た 内 容 の構 成 とす る。 ア,イ,ウ の三 つ の 視 点 を 盛 り 込 ん で い るが,特 に イ に重 点 を 置 い た 内 容 の 構成 とす る。 ア,イ,ウ の 三 つ の 視 点 を 盛 り 込 ん で い るが,特 に ウ に 重 点 を 置 いた 内 容 の 構 成 とす る。 コ ン ピ ュ ー タ や 情 報 通 信 ネ ッ ト コ ン ピ ュ ー タ に お け る情 報 の 表 情 報 の デ ィ ジ タ ル 化 や 情 報 通 信 ワ ー ク な ど の 活 用 を 通 して,情 し方 や 処 理 の 仕 組 み,情 報 社 会 ネ ッ トワ ー ク の 特 性 を 理 解 さ せ, 報 を 適 切 に収 集 ・処 理 。発 信 す を支 え る情 報技術 の役割 や影響 表 現 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に お るた あの基礎 的 な知識 と技能 を を 理 解 さ せ,問 題 解 決 に お いて い て コ ン ピ ュ ー タな ど を 効 果 的 目  標 習 得 させ る と と も に,情 報 を 主 コ ン ピ ュ ー タを 効 果 的 に活 用 す に活 用 す る能 力 を養 う と と もに, 体 的 に 活 用 しよ う とす る態 度 を るための科 学的 な考 え方 や方法 情 報化 の進展 が社 会 に及 ぼす影 育 て る 。 を 習 得 させ る。 響 を理解 させ,情 報社会 に参加 す る う え で の 望 ま しい態 度 を育 て る 。 ㈲ 情報 を活用す るた めの工夫 と (1)問 題 解 決 と コ ン ピ ュー タ の活 (1)情 報 の デ ィジ タル 化 情報機器 用 ア 情 報 の デ ィジ タ ル化 の 仕 組 み ア 問題解決の工 夫 ア 問 題 解 決 に お け る手 順 と コ ン イ 情報機器 の種類 と特性 イ 情 報伝達の工夫 ピ ュ 一 夕 の 活 用 ウ 情報機器 を活用 した表現方法 イ コ ン ビュ ー タに よ る情 報 処理 の特徴 ② 情報 の収集 ・発信 と情報機器 ② コ ン ピュー タの 仕 組 み と働 き ② 情 報 通 信 ネ ッ トワ ー ク と コ の活用 ア コ ン ピ ュ ー タ に お け る 情 報 の ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ア 情報 の検索 と収集 表 し方 ア 情 報通 信 ネ ッ トワー ク の仕 組 イ 情報 の発信 と共有 に適 した情 イ コ ン ビ ュ ー タ に お け る 情 報 の み 報 の表 し方 処理 イ 情 報通信 の効果 的な方法 ウ 情 報 の 収集 ・発 信 に お け る問 ウ  情報 の表 し方 と処 理手順 の ウ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に お け る 内   容 題点 工夫 の必要性 情 報通 信 ネ ッ トワー ク の活 用 (3)情 報 の 統 合 的 な 処 理 と コ ン (3)問 題 の モ デ ル 化 と コ ン ビ ュ ー ㈲ 情報の収集 ・発信 と個人の責 ピュ 一 夕の 活 用 タを活用 した解決 任 ア コ ン ピ ュ ー タ に よ る 情 報 の 統 ア モ デ ル 化 と シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ア 情 報 の 公 開 ・保 護 と個 人 の責 合 イ 情 報 の 蓄 積 ・管 理 と デ ー タ 任 イ 情報 の統合的 な処理 ベ ー ス の活 用 イ 情 報 通 信 ネ ッ トワ ー ク を活 用 した情 報 の 収 集 ・発 信 (4)情 報 機 器 の発 達 と生 活 の 変 化 (4}情 報 社 会 を支 え る情 報 技 術 (4)情 報 化 の 進 展 と社会 へ の影 響 ア 情報機 器の発達 とその仕組 み ア 情 報 通 信 と計 測 ・制 御 の技 術 ア 社 会 で 利 用 さ れ て い る情 報 シ イ 情 報化の進展が生活 に及ぼす イ 情 報技術 にお ける人間へ の配 ス テ ム 影響 慮 イ 情報化が社会 に及ぼす影響 ウ 情 報社会への参加 と情報技術 ウ 情 報技術の進展が社会 に及 ぼ の活用 す影響 実   習 授 業 時 数 の2分 の1以 上 授 業 時 数 の3分 の1以 上 授 業 時 数 の3分 の1以 上 標   準 2単 位 2単 位 2単 位 単 位 数

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表3  専門教育教科 「情報」の科 目構成 教      科 専門教育教科 「情報」 科 目の構成 科 目 は以 下 の11科 目で 構 成 し,原 則 履 修 科 目 は 「情 報産 業 と社 会」,「課 題 研 究 」 とす る。 ア 情 報分野 の基礎的科 目 「情報産業 と社会」 第1 「情 報 と表 現 」 第4 イ  シス テ ム の設 計 や管 理 に関 す る科 目 「ア ル ゴ リズ ム 」 第5 「情 報 シス テ ム の 開発 」 第6 「ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム 」 第7 ウ  マ ル チ メ デ ィア の作 品 制 作 に関 す る科 目 「コ ン ピ ュ ー タ デ ザ イ ン」 第9 「図 形 と画 像 の処 理 」 第10 「マ ル チ メ デ ィ ア 表 現 」 第11 工  発展的科 目 「モ デ ル 化 と シ ミュ レ ー シ ョ ン」 第8 オ  実習科 目 「情 報 実習 」 第3 「課 題 研究 」 第2   (b)  情 報 技 術 を教 育 内容 と して 教 育 す る場     合 。   (a)に つ い て は、 現 教 育 課 程 に お い て も各 種 議 論 さ れ(註 参 照)導 入 さ れ て い る。(b) につ い て は、 各教 科 の 中で 関 係 す る部 分 を分 担 して行 う とい う考 え方(教 科 横 断 の カ リキ ュ ラ ム)と 情 報 技 術 を各 教 科 か ら独 立 した教 科 と し て 行 う と い う考 え方(独 立 教 科 の カ リキ ュ ラ ム)の 両 方 が 長 く議 論 さ れつ づ けて い るが、 情 報 科 新 設 とい う事 実 は少 な くと も (b)の 後 者 の考 え方 が 優 位 に あ る とい え るだ ろ う。 もち ろ ん、 この 独立 教科 の み で は、 本 来 の 情 報 教育 の 理 念 が達 成 で きな い の で、 各 教 科 の 有 機 的 な連 携 が必 要 な こ と は言 うまで もな い。   情 報 と い う教 科 は、 高 等 学 校 に新 し く設 け ら れ た教 科 で あ る。 この教 科 に関 して 考 察 を行 う に は、 ① 中央 教 育 審 議 会 第一 次 答 申(1996年 7月)、 ② 情 報 化 の進 展 に対 応 した 初 等 中等 教 育 に お け る情 報 教 育 の推 進 等 に関 す る調 査研 究 協 力 者 会 議 第1次 報告(1997年10月)、 ③ 教 育 課 程 審 議 会 答 申(1998年7月)、 ④ 情 報化 の 進 展 に対 応 した教 育環 境 の実 現 に向 けて(最 終 報 告)(1998年8月)、 ⑤ 高 等 学 校 学 習 指導 要 領(1999年3月)な ど を もとに して、 この教 科 の成 り立 ちや 必 要性 の他 、 実 施 に あた って の 課 題 や展 望 な どを 読 み取 る ことが で き る。   ① に よ れ ば、 「21世紀 を展 望 した 我 が 国 の教 育 の在 り方 につ いて」 と題 す る答 申 の 中 で、 国 際 化 、 情 報 化 、 科 学技 術 の発 展 等 社 会 の変 化 に 対 応 す る 教 育 の在 り方 につ いて 述 べ られ て い る。   ② に よ れ ば、 情 報 教 育 の 目標 は、 情 報 活 用 の実 戦 力 、 情 報 の 科 学 的 な理 解 、 情 報 社 会 に参 画 す る態 度 の3っ の 観 点 に ま とあ られ て い る。   ③ は 「幼 稚 園 、 小 学 校 、 中学 校 、 高 等学 校、 盲 学 校 、 聾 学 校 及 び養護 学 校 の教 育 課 程 の基 準 につ いて(答 申)」 の 中で 、 『高 等 学 校 にお いて は、 情 報 手 段 の 活 用 を 図 りな が ら情 報 を適 切 に 判 断 ・分 析 す るた め の 知識 ・技 能 を修 得 させ 、 情 報 社 会 に主 体 的 に対 応 す る態 度 を育 て る こ と な ど を内 容 とす る教 科 「情 報 」 を新 設 し必 修 と す る ことが 適 当 で あ る。』 と して 独 立教 科 「情 報 」 が新 設 され る こ とに な った ので あ る。   ④ に は、 特 に第H章 に お い て、 情 報 化 に 対 応 した教 育 環 境 等 に つ い て述 べ られ 、 情 報 化 に 対 応 した教 育 の 実 現 の た あ に、 学 校 の 情 報 基盤 整 備 と して 、 コ ン ピ ュー タ、 ソ フ トウ ェ ア、情 報 通 信 ネ ッ トワー クの充 実 の他 に教 員 の 指 導 力 向上 や学 校 の 支 援 体 制 な ど の方 法 が示 され て い る。   ⑤ に つ い て は、 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 の 内 容 を整 理 して 、比 較 しや す い よ う に表 形 式 で表 現 した。   表2は 普通 教 育 教 科 「情 報 」 の 目標 お よ び 内 容 で あ り、 表3は 専 門教 育 教 科 「情 報 」 の科 目 構 成 で あ る。 5.情 報 技 術 教 育 の課 題 以 上 の よ うに情 報 技 術 教 育 につ い て述 べ て き たが 、 こ こで は、 これ らを ま とめ る意 味 もあ り、 この 情 報技 術 教 育 の課 題 に につ い て考 察 した い。 そ の課 題 は、 ① 社 会 の情 報 化 に どの よ う に対

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46 松 原 伸 一 応 ず るか 、 ② 情 報 技 術 教 育 を 充 実 させ る に は ど うす れ ば良 い か 、 ③ 小 中 高 の一 貫性 、 ④ 教 育 環 境 の 整 備 、⑤ 情 報 倫 理 教 育 な ど で あ る。 高 度 情 報 通 信 社 会 の 到来 で あ り、 情 報 の デ ィジ タル化 、 情 報 の マ ル チ メデ ィア化 、情 報 の ネ ッ トワー ク化 、 情 報 の 国 際 化、 情 報 の仮 想 性 な ど を特 徴 と して あ げ る こ とが で き る。 そ して こ の よ うな状 況 を踏 ま え て、 学 校 教 育 を ど の よ う に 進 あ て い け ば良 い の か とい う こ とに な る。 文 部 省 の学 習指 導 要 領 は、幼 稚 園 、小 学 校 、 中 学 校 につ い て は1998年12月14日 に 告 示 が あ り、 高 校 は少 し遅 れ る こ とに な った が、 本 年 す なわ ち1999年3月29日 に告 示 され た こ とは周 知 の 通 りで あ る。   現在 は、 情 報 教 育 の 同 時性 と言 わ れ る よ う に、 コ ン ピュ ー タ利 用 に関 わ る学 習 は、 年 齢 を問 わ ず 導入 時期 に合 わ せ て そ れ ぞ れ に必 要 に な って い る。 しか し時 間 が 経 て ば、 情 報 リテ ラ シ ー教 育 は よ り低 学 年 に 移 行 し、高 学 年 で は よ り内容 の あ る もの が求 あ られ るだ ろ う。 す な わ ち、 コ ン ピ ュー タの操 作 や ソ フ トウェ ア の利 用 の 仕方 ば か りに傾 い て い た の で は、 この問 題 は益 々大 き い もの と な る。 つ ま り操 作 や 仕 方 は 「手 続 き」 の一 種 で あ り、 これ は低 学 年 に移 行 す る事 が で きるが 、 解 決 す る課 題 に学 習 者 の 発達 段階 を考 慮 す る必 要 が あ るの で は な い だ ろ うか。 例 え ば、 「イ ン タ ー ネ ッ トの 検 索 機 能 を 利 用 して ○ ○ に つ い て調 べ よ う」 とい う課 題 は、低 年 齢 の段 階 で も学 習 す る こ とが で き る。 これ は 、学 習 内容 と して 「検 索 エ ン ジ ンの利 用 の 仕方 を理 解 す る」 こと に主 眼 が お か れ て い るか らで あ り、 検 索 す る と い うプ ロセ ス を通 して 、 そ の結 果 を 考 察 し自 らの意 見 を整 理 す る こと まで を学 習範 囲 に入 れれ ば、 学 習 す る対 象 と して の概 念 は易 か ら難 まで の 幅 の あ る課 題 を設 定 す る こ とが で きる ので あ る。 もち ろ ん、 操 作 や 仕方 す な わ ち 「手 続 き」 に固 執 して も難 易 の幅 を持 た せ る こ とは で き る。 例 え ば文 字 だ け のWebペ ー ジ を 作 る ことを 初 期 の課 題 に し、 後 に音声 や画 像 、 映 像 を 貼 りつ け る課 題 を追 加 す る場 合 が これ に 当 た る。 そ れ は ア プ リケ ー シ ョ ンソ フ トの よ り 高 度 な テ ク ニ ック へ と進 展 して い るに過 ぎな い。 次 に指 摘 した い課 題 は、 教 育 用 コ ンテ ンツ と は 何 か と い う こ とで あ る。 最:近と くに コ ンテ ンツ と い う 言 葉 が 多 く使 わ れ る よ う に な っ て き て い る が 、 そ の 意 味 が 少 しづ っ 異 な っ て 利 用 さ れ て い る よ う で あ る。 例 え ば 放 送 メ デ ィ ア 業 界 で は コ ン テ ン ツ と言 え ば そ こ で 作 成 さ れ る番 組 の こ と で あ る が 、 イ ン タ ー ネ ッ ト関 連 業 界 で は コ ン テ ン ツ と言 え ば 、 デ ィ ジ タル コ ン テ ン ツ、 マ ル チ メ デ ィ ア コ ン テ ン ツ と い う 言 葉 に代 表 さ れ る よ う に コ ン ピ ュ ー タ を 介 して 閲 覧 す る こ と が で き る デ ィ ジ タ ル 情 報 の 内 容 を 指 す 。 教 育 に 関 係 して 考 え れ ば 、 コ ン テ ン ツ と は学 習 内 容 そ の も の で あ り、 提 供 さ れ る デ ィ ジ タ ル コ ン テ ン ツ は 教 育 の 素 材 で あ っ て も教 材 で は な い。 そ の 素 材 を ど の よ う に 取 り上 げ て 、 ど の よ う に 提 示 し、 そ の 結 果 ど の よ う な 能 力 や 知 識 や 技 能 や 態 度 を 養 う の か と い う こ と が 考 慮 に 入 れ ら れ て い な け れ ば な ら な い の で あ る 。 教 材 化 の 意 味 は こ こ に あ る。 そ の 意 味 で は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト間 違 業 界 の コ ン テ ン ツ は 仮 に そ れ が 平 易 な 記 述 で 分 か り や す く表 現 さ れ 教 育 用 コ ンテ ン ツ(education-al contents)と い わ れ て も そ れ は 教 育 用 リ ソ ー ス(educational  resource)な の で は な い か と思 わ れ る 。 6.お   わ   り  に   本 研 究 を進 あ る にあ た って文 献 の収 集 に際 し 困 難 が あ っ た。 情 報 教育 に関 す る研 究 文 献 は数 多 く存 在 す るが 、 公 式Webペ ー ジ も含 め て 情 報 教 育 に関 わ る行政 資料 は未 だ整 って い なか っ た。 本 論 文 は今 年(1999年)  8月 に ほ ぼ執 筆 を終 え たが 、 こ の時 点 で は未 知 の部 分 が多 か っ た。 周 知 の如 く、高 等 学 校 の学 習 指 導 要 領 が 告 示 さ れ た の は、 今 年 す な わ ち1999年 の3月29 日で あ り、 告 示 か らわず か5ヶ 月 程 度 しか 経 っ て い な い。 その た あ 現 時点 で は学 習 指 導 要 領 の 解 説 編 が まだ 明 らか に さ れ て い な い段 階 で あ り、 中 学 校 にお いて は指導 書 の技 術 ・家 庭 編 が 未 だ 発 行 され て いな い状 況 で もあ る。   しか し、 この よ うな研 究 は、 早 急 に望 まれ る 情 報 教 育 の カ リキ ュ ラム編 成 や教 科 教 育 研 究 に と って 必 要 不可 欠 な もの で あ る。 この 論 文 は こ の よ うな ニ ーズ に応 え る こ とを 目的 に この時 期 に執 筆 され た の で あ る。

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註 1)  『情 報 用 語 辞 典 」(日 本 経 済 新 聞 社,1975) 2)  前 田 渡 『現 代 情 報 学 概 論 』(オ ー ム社,2頁,     1983) 3)  シ ャ ノ ンの 情 報 の定 義 につ い て は,情 報 理 論     の専 門 書 を参 照 され た い。 た と え ば,藤 田 広   一 著 『基礎 情 報 理論 』(昭 晃 堂,1976),関 英   男 著 『情 報理 論 』(オ ー ム社,1969),細 野 敏   夫 著 『情 報工 学 の基 礎 』(コ ロナ社,1968)な     どが あ る。 4)  10を 底 とす る場 合,即 ち常 用 対 数 を用 いて 定     義 され る場 合 はdet(decimal  unit)と 呼 ば     れ,eを 底 と す る 場 合 は, nat(natural     unit)と 呼 ば れ る こ と もあ る。 5)前 掲1) 6)  濱 口 恵 俊 『高 度 情 報 化 社 会 と 日本 の ゆ くえ』     (日本 放 送 出版 協 会,1986) 7)  新 睦 人 『情 報 社 会 を見 る眼 』(有 斐 閣,1983) 8)  コ ン ピ ュー タ ・リテ ラ シ ー につ いて は,「 コ ン     ピ ュ ー タ ・ リテ ラ シ ー に よ い訳 語 を」 と題 し     て教 育 工 学 会 ニ ュ ー ズ レ タ ーNo.11(1986.6.     16)に 坂元 昂 氏 に よ り問 題 提 起 され,私 案 と     して 「情 報能 力」 と い う語 が あ て は め られ,     そ れ を 構 成 す る もの と して,情 報 理 解(情 報     教 養,情 報 知識),情 報 技 能(情 報 利 用,情 報     技 術)が あ る と して い る。 そ の 後,同 上 紙 の     No.13(1986.10.15)に お い て,大 岩 元 氏 よ     り反 論 が あ り,理 工 系 の 計 算 機 教 育 に た ず さ     わ る立 場 か らの意 見 が 寄 せ られ て い る。 そ の     内 容 を要 約 す れ ば,① 「言 語 に よ る表 現 能 力 」     を 取 り上 げ る べ き で は な い か 。② 「利 用 」,     「技 術 」 の上 位 概 念 と して 「技 能」 が あ る の は     適 切 で あ ろ うか 。 の2点 で あ り,結 論 と して,     「言 語 表 現 力 」,「情 報 処 理 能 力 」,「情 報 知 識 」,     「情 報教 養 」 の4っ を 並 列 に挙 げ るの が よ い の     で は な い か とい う もので あ る。 9)「 情 報 リテ ラシ ー」 と い う語 は,臨 時 教育 審 議     会 第 二 次答 申第3部 第2章(1)に お い て,情     報 活 用 能 力(情 報 リテ ラ シー:情 報 及 び情 報     手 段 を主 体 的 に 選 択 し活 用 して い くた め の 個     人 の 基 礎 的 な 資 質)と して記 述 され た のが 最     初 で あ る。 10)情 報 技 術 教育 に 関 す る主 な答 申 ・報 告書 等 は,     以 下 の通 りで あ る。     ①(S60.3)「 教 育 に お け る マ イ ク ロ コ ン       ビ ュー タの 利 用 に つ い て一 報 告 一 」 社 会 教     育 審 議 会 教 育 方 法 分科 会     ②(S60.6)「 教 育 改 革 に 関 す る第 一 次 答       申 」 臨 時 教 育 審 議 会     ③(S60.8)「 情 報 化 社 会 に対 応 す る初 等 中     等 教 育 の 在 り方 に 関 す る調 査 研 究 協 力者 会     議 第 一 次 審 議 と り ま と め」 文 部 省 初 等 中 等     教 育 局   ④(S60.12)「 教 育 用 ソ フ トウ ェ アの 開 発 指     針(報 告)」 社 会 教 育 審 議 会(教 育 メ デ ィ ア     分 科会)   ⑤(S61.3)「 新 教 育 機 器 教 育 方 法 開 発 研 究     報 告書 」 日本 教 育 工 学 振 興 会   ⑥(S61.3)「 諸 外 国 の初 等 中 等 教 育 に お け     る コ ン ピュ ー タに 関 す る教 育 の 実 態 及 び 我     が 国 の 教 育 の 在 り方 につ い て の 調 査 研 究 総     論 編,各 論 編 。 文 部 省 科 学 研 究 費 特 定 研 究     (1)研 究 成果 報 告 書   ⑦(S61.4)「 教 育 改 革 に 関 す る第 二 次 答     申 」 臨 時 教育 審 議 会   ⑧(S62.3)「 初 等 中等 教 育 の コ ン ピュ ー タ     に関 す る教 育 の カ リキ ュ ラ ム開 発 等 に 関 す     る基 礎 的 研 究」 昭和61年 度 科 学 研 究 費 補 助     金 特 定 研 究(1)研 究 経 過 ノ ー ト     ⑨(S62.3)「 新 教 育 機 器 教 育 方 法 開 発 研 究     報 告 書 」 新 教 育 機 器 を活 用 し た効 果 的 な教     育 方 法 開 発 研 究 。 昭 和61年 度 文 部 省 委 託 事     業,日 本 教 育 工 学 振 興 会     ⑩(S62.3)「 情 報 化 に対 応 す る教 育 に関 す     る研 究 調 査 報 告 書 」 臨 時 教 育 審 議 会 情 報 化     に対 応 す る教 育 研 究 会     ⑪(S62.4)「 教 育 改 革 に 関 す る第 三 次 答     申」 臨 時 教 育 審 議 会     ⑫   (S62.7)  「情 報 教 育 小委 員 会 中間 報 告     日本 教 育 大 学 協 会 全 国 技 術 ・職 業 ・職 業 指     導 部 門 情 報 教 育 小 委 員 会     ⑬   (S62.8)「 教 育 改 革 に 関 す る第 四 次 答     申」 臨 時 教 育 審 議 会     ⑭(S62.12)「 教 員 の 資 質 能力 の 向上 方 策 等     に つ い て」 教 育 職 員 養 成 審 議 会答 申     ⑮   (S62.12)「 幼 稚 園,小 学 校,中 学 校 及 び     高 等 学 校 の教 育 課 程 の 基 準 の改 善 に つ いて     (答 申)」 教 育 課 程 審 議 会     ⑯(H1.3)「 学 習 指 導 要 領 付 学 校 教 育 法 施     行規 則(抄)」 文 部 省 11)た と え ば,正 田 實,吉 村 啓 編 『数 学 セ ミ     ナ ー増 刊,教 育 用 コ ン ピ ュ ー タ ハ ン ドブ ッ ク     '89』  (日本 評 論 社, 1989) や, 教 育 課 禾呈検 討     委 員 会 編 『コ ン ピ ュ ー タ は 教 育 を か え る か』     (日 本 教 職 員 組 合No.15情 報 化 と教 育 編     1989年)な どが あ り,学 校 教 育 にお け る コ ン     ピュ 一 夕利 用 につ い て各 種 答 申 や 報 告 書 の概     要 と と もに記 さ れて い る。 12)佐 藤 隆 博 「教 育 情 報 工 学 のす す あ』(日 本 電 気     文 化 セ ン ター,1987) 13)  藤 田 広 一 『教 育 情 報 工 学 概 論 』(コ ロ ナ 社,     1975) 14)同 上 書 15)前 掲10)の ⑧ 16)「 情 報 化 の 進 展 に対 応 した教 育 環 境 の 実 現 に 向     け て一 最 終 報 告一 」(情 報 化 の 進 展 に 対 応 した

(10)

48 松  原 伸 一     初 等 中 等 教 育 に お け る情 報 教 育 の推 進 等 に関     す る調 査 研 究 協 力者 会 議,1998) 17)  松 原 伸 一 『小学 校 ・中学 校 ・高 等 学 校 に お け     る ソフ トウ ェア教 育 』(電 気 学 会編 ソフ トウ ェ     ア教 育 へ の 提 言,第5章 第2節,PP.39-42,     1989) 18)  問題 解 決 につ い て は,James  G, Greeno著     山 口 修 平,東 洋 共 訳 の 『問 題 解 決 の過 程』(サ     イ ェ ン ス社,1985)が あ り,そ の 中 の2頁 に     「この論 文 の 中心 的 な内 容 は,中 学 校 ・高 校 段     階 に お け る幾 何 で の 問 題 解 決 につ い て の 研 究     で 得 られ た 改 め て 検 討 す る こ と で あ る。 こ の     研 究 は,最 近 の情 報 処 理 の諸 理 論 の考 え 方 を     利 用 して 行 わ れ た」 と記 さ れて い る。 19)  松 原 伸 一 著 『新 教 育 課 程 準 拠:学 校 に お け る     プ ロ グ ラ ミン グ教 育 』(オ ー ム社,1990)

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