[Water Resources Development Projects: Several Reports of the Water Resources Development Projects: Pattani Project in Southern Thailand]

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開 発 計 画

電源開発株式会社海外技術協力部

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義 ま え が き 電源 開発 株式会社 で は,かね てか ら外 国 にお け る電源 開発 お よび これ に関連す る大規模土 木 工 事 に関す る調査設計 と工事 監督 その他技 術援 助 に関す る事業 を行 な ってお り,南 米諸 国,東 南 ア ジアは じめ諸外 国 において,いわゆ る コ ンサル タ ン トエ ンジニヤ - と して活躍 してい る｡ 特 に タイ- は数 ヶ所 の開発計画 に調査団 を派遣 してお り,Mekong河総合 開発計画 の一 環 で あ る Nam Pungダ ムは電源 開発 KKの コ ンサル タ ン トの下 に 目下建設 を急 いで い る｡

私 達 は電源 開発KKとタイ NEAl)との 問 に結 ばれ た, タイ南 端 部 に位 置す る Pattani河流 域 の水 力発電 ,農 業 開発 ,洪水調 節 な どの開発計 画 に関す る技術 援 助協 定 の うち,農 業 開発計 画樹立 のた め1964年 6月か ら約1ケ月半 にわた り現 地で の調査資料 収集 に従事 した｡

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開発計 画地 域 の概況

1

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位 置 南 タイは Malay半 島の中央部 か ら北部 にか けて広が り,西 は ビル マ,南 は マ レー シアに国 境 を接 し, タイ全 国土 の14%に当 る約70,000km2の面積 を有 して い る｡ 中で も本 開発計画 にか か わ るYala,Pattani,Narathiwat三 県 は南 タイ開発計 画 の要衝 と して非 常 に重要 な役割 を果 してい る｡ 約 210km の河 長 と4,200km2の流域面積 を有 す るPattani河 はマ レー シア との国 境 の山岳 地帯 に源 を発 し,上流 部で は勾配 1/450, 中下 流 部 で 1/2000-1/3000の勾配 で Yala,

Pattani県 の中央 部 を貫 いて北流 し,Thai湾 に注 ぐ｡ (図-1,2参照)

2.

地 形 およ び地 質

Yala,Pattani,Naratbiwat三県 は地形 的 にみ て大 き く山岳 地帯 ,丘 陵地帯 , 海岸 地帯 に分 け られ る｡ この うち海岸 地帯 が最 も広 く分布 し,新 世代 地質か らな り低平 で大部分 が農 地 と し て利 用 され てい る｡ マ レー シア との国境 に沿 って広 が る山岳 地胃 は主 と して古生 代 の地質 構成 で あ って,厚 く樹林 に覆 われ てい る｡

山岳 地帯 と海 岸 地帯 の中間 に位す る丘 陵部分 は 中生 代 の地質 構成 で あ って,主 と して, ゴム 園 ,果 樹園 と して利 用 され てい る｡

水 資 源 開 発 利 用 事 業 図-1 Pattani開 発 計 画 地 域 概 況 図

3

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気 候 熱帯性 気候 圏 に属 す る この地方 は年 間 を通 じて, ほ ぼ一定 の気 温 を示 し,図

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3

の如 く月平 均 気 温 の最高 は5月 に起 り,28.OoC,また,最低 は12月 の 25.7oC と気 温 の較差 は非 常 に小 さい ｡ モ ンスー ンと台 風の影 響 を受 け るこの地方 の年 間降雨 量 は 2,000mm そ こえ ること もあ るが, これ らの降雨 は主 と して5月 , 9-12月の年二 回 の雨季 に集 中す る｡

4･

人 口およ び就 業状況 ｢250m

表-1は Yala,Pattani,

Narathiwat 三 県 の人 口と 農家戸 数 ,農 業人 口を示す もので あ り,何 れ も70%以 上 が農 業 に従事 してい るこ とが わか る｡

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南 タイの主要 産 業 の 概 況 (1) 農 林 業 200 150 loo 50 図-2 Pattani河 の 縦 断 曲 線

水 稲栽 培 を 中心 とす るタイ東北 ,北 , 中央 部 の農業経 営 とは異 な り,南 タイ 農 業 の特 徴 は , ゴム,果 樹 の栽 培 にあ ると言 われ て い る｡農 業収入 の うち, 果 樹 , ゴムに よ る収入 の割合 は,南 部 地方 で は西 南 部 に次 いで 約62%と大 き な比率 を しめてい る｡ 南 部 地方 は地域面積 に対 して農 用地 面 積 の 占め る割 合 は15.7%と他 地域 に 比 べ低 い が,農 用地面積 中 に 占め るゴ ム,果 樹等 の栽 培面 積 は,42.4%と他 地域 に比 べ て高率 を示 し, この地方 の 農 業経 営 の特色 を よ く表 わ してい る｡

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.TEMP. MONTH I 2 3 4 5 6 7 8 9 一〇 日 l2 図-3平均気温 (Narathiwat,1943-1960) 海岸 沿 いの低平 地 は主 と して米 作 ,丘 陵部 は ゴム,果 樹栽 培 , また 山岳 地帯 は森林経 営 を主 と した農林業 が営 まれ て い る｡

(i) ゴ ム Yala,Pattani,Narathiwat三 県 の ゴムの生 産 量 は,全 国 の輸 出量 の約1/2

に相 当す る 84

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に達 し, タイ貿易 に重要 な役割 を果 して い る｡ 南 部 地方 の ゴム閲経営 は ,一 部 の大規 模 な ゴム園 を除 いては一般 に 8.5ha以下 の小 経営 で , また在 来 品種 の樹 令 を経 た ものが多 く,各農家 で行 な う生 ゴム シー トの加工程 度 も優良 とはい え ない｡ タイ政府 は ゴム価格 の変 動 や人造 ゴムの進 出 にそ なえ ,輸 出品 と して重要 な地位 を 占め るゴ ムの生産性 を益 々高 め るた め,試験場 を設 けて育苗 や古 木 の植え番 え を奨 励 し,資 金 的な援 助 蓑-1 南タイ三県の人口,戸数,就農状況 盲 目 ､--竺 空 夢 全 国 r : -T二_ ∴ --I_:-_ii-二 農 家 数 農 業 人 口

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73.9 1 19,589,805 (%) 76.4

Pattani iNarathiwat 149,348 E 281,587 i 266,038 1 1 ら 21,891 r 45,673 72.0 77.1 71.1 ･ 78.0 188,390 70.8 (StatisticalYearbook,Thailand,No.24,1963)

輸 出 品 1. 米 項 軒 2. コ ム 3. 錫 切 目 水 資 源 開 発 利 用 事 業 表-2 タイの主 要輸 出品 金 額 輸 出 量 155.5(106番) 101.3 32.9 1,271,023(ton) 194,179 19,841 (StatisticalYearbook,No.24) 表-3 南タイ三上具のゴムの作付面積と生産高 (喜多村)

地 蔵 Yala Pattani Narathiwat 全 回

ゴム栽培面積 ! 64,093(ha) 49,740 85,340 199,170 生 産 高 26,915(ton) 20,899 35,862 170,848 を行 な ってい るo表-3は三 児 の ゴムの栽 培面 積 と生産 高 を示 してい る｡ (ii) 果 樹 ゴム と共 に南 部 の特産 物 で あ る果樹 は ,気 候 に恵 まれ , ドリヤ ン, ココナ ッ ト,パ イナ ップル ,バ ナナな ど種類 ,産 出量共 に豊 富で, Bangkokを市場 と して農 業経営 の支 柱 をな してい る｡ (iii) 水 稲 南 部 地方 の水 稲栽培面 積 の農 用地

面積丁

回

こ占め る割 合は約

4

2

,

% と他 地 域に 比べ著 しく低 く, タイ国 内にお け る消 費地 とな ってい る｡ この地方 の水 稲栽 培 も,雨季 レ)天水

を利 用す る一 期 作で ,一般 に播 種8月 ,移 植9- 1O月 ,収 穫2月 と, 通称 heavy type と

呼

ばれ る比 較 的〈生育 期 問 の長 い品種 が栽 培 され てい る｡か ん がい排水施設 が完 備 して いない〃)で, 田植え の遅 延 ,か ん ばつ , それ に両手 の混水 ,浸水 によ る被害 は毎 年繰 り返 され て い る｡

この南 部地方 の水 稲 の平 均収 量 は約 140kg/10a と全 国平 均 に近 いが, 無方捌巴の 自然

農法左

繰 り返 す ことによ り著 しく土 地 の往産性 は低下 を きた して い る.Yala,PattaniLr.壬の一一郡で は 試験 的 に 二 期水稲 の 栽 培 を行 ない, 好 成績 を 上 げて い るが, これ に用 い られ る 品

種

は通 称 1igh ttypeと言 われ ,比較 的生育 期 FE与Ic/)短 い もので ,播種 3月下 旬 ,移 植5月上 旬 ,収穫9月 を標準 と してい る｡ (iv) 畑 作物 農 用 地面積 に 占め る畑 作面 精 は ご くわず か で あ り, 収穫物 はすべて自家 消 費 に充 て られ るo コー ン,バ レイ シ ョ, グ ラ ン ドナ ッ ト,豆 類 が主 な畑 作物 で あ るが

,

農業試 験 場 で は収益性 の高 い コー ヒー,ペ ッパ ーな どの普 及 に努力 して い るO (2) 畜 産 この地方 の中流農家 で は平 均 1- 2gfiの水 牛 も しくは役牛 と若 干数 の豚

,

鶏 , あひ るを銅否 して い るにす ぎない｡従 って ,酪

乳

品はす べ て他 地方 か らの購 入 に よ り賄 われて お り,

県

当局 で も政府 の農 業政 策 に則 り,畜産振 興 に意 を もちいてい る｡

南 タイは湿度 が高 く,飼料 と しての牧草栽 培 が非 常 に難 しい と言 われてい る｡ (3) 鉱工業 その他 Yala県 のBanTo,BannangSata周辺 には,錫をは じめ,黄鉄鉱 , タ ングステ ン原鉱 の鉱 床があ り,鉱業 は南 タイの主要産業 の一つ に数 え られてい る｡ その他 ,小規模 な飲食料 品加工 業, ゴム加工業 がみ られ る程 度で,現在 は特 筆すべ き産業 は み られ ない｡

Ⅲ Pat

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開 発 計 画

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概 要

Pattani開発計画 は Pattani河 の上流 に, 有 効貯水 量 約1億 トンの貯水 池を建設 し, 流域 の洪水調節,Pattani県 を中心 に広 が る2万 haの耕 地 のか ん がい用水 の確保 な どと併せ て, 年 間 863×105kwHの電力を Yala,Pattani,Narathiwat三県 に供給 して住民 の生活 の安定 向

上 と地域産業 の発展 に寄与せ ん とす るものであ る｡ (図-1参照)

2

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ダムおよび貯水池計画

BannangSataよ り約 11km上流 , 標高 40m 付近 に位す る Pattaniダ ム地点 は, この付 近 の川筋で最 も狭搾 した個所で あ り,数 mの砂硬 の堆積 の下 は,珪岩及 び珪質砂岩か らな る砂 質岩類 と千枚岩 と変成 され た粘板岩か らな る泥土岩類 の互層 とな ってい る｡ この地点 に建設 され るダ ムの型式 と して,重力, フ ィル, ア∼チグ ラビテ ィのダ ムが主 と し 6005.00 00 >4.∝ 0 ○ ⊂OQ>l ne 5CE1三1.(.00X)W0

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EFfECTIVE STORAGE; Ve=109.5x106rn3 l ∼

水 資 虎 開 発 利 用 事 業 て 地盤支 持 力 ,材 料 ,建 設 費 な どの点 か ら検 討 され た｡ 活水 位 標 高 につ い て も,発 生電 力kwH 当 りの建 設 費 が最 も低 廉 な るよ う比 較検 討 の結果 ,総 合 的 に最 も経 済 的 と考 え られ るダ ムお よ び貯 水 池 の諸 元 が次 の ご と く決 定 され た｡ 型 式 ;ア ー チ グ ラビ テ ィ式 湛 水 面 積 ;18.5km2 高 さ × 長 さ ;60mx278.5m 有 効 貯 水 量 ;109.5×106m3 ク レ ス ト幅 ;5.5m 平 均 放 流 量 ;20.9m3/sec 計 画 高水 流 量 ;3,000m3/sec 有 効 落 差 ;35.2m 流 域 面 積 ;2,100km2 本 貯水 池 の マ ス カ ー ブは図-4の通 りで あ り, 1月 よ り9月 の乾季 にお け る水 利 用 に備 え て10 月 よ り12月 の降雨 を貯留 す る｡ この よ うな運 用 計 画 に よ り,Pattani河 の 自然 流 量 は調 整 され, 乾季 にお い て も下 流 2万 haのか ん がい用水 が確 保 され る｡

な お ,将 来 開発 を 予 想 され る Pattani第二 ,Hala貯水 池 を も併 せ て , 本 Pattaniダ ム

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マ ス カ ーブを想 定 した場 合 , 図

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4

の実 線 の示 す とお りで あ り,水 資源 の利 用 お よび洪 水 調 節等 の よ り大 きい総 合 的効 果 が期待 で きよ う｡

3. 発 電 計 画

現 在 Yala,Pattani,Narathiwat三 県 の電 力需 要 は,1962年 で 約 4,800kwで あ るが ,将来 この地方 の一 般家庭 及 び工 業 用電 力 の 需要 は 急速 に延 び ると 予想 され るので , 本計 画 で は,

1974年 まで に 18,000kw,1979年 まで に 30,000kwの発 電 能 力 を設 備 す る ことに した｡ 初 期投 賢 を小 さ くす るた め に当初 は 10,000kw の発 電 機2台 によ り, 常 時 電 力 53.9:く106kwH,尖頭電

力 29.1×106kwHを発 生 せ しめ,需要 の伸 び に伴 って ,最 終 的 に合 計 30,000kwの設 備 を完 備

して , 常 時 63.6×106kwH,尖 頭 22.7×106kwHの電 力 を得 る こと とす る｡

Pattani発 電 所 で発 生 した電 力 は 115kVの送 電 線 で ,Yala,Narathiwat変 電 所 に送 電 し, 更 に 33kVに降圧 して各 需要 端 に配 電 され る｡

4

.

洪 水 調 節 計 画

海 岸平 野 を流 れ る Pattani河 は勾配 もゆ る く,部分 的 に河 床 が周 辺 耕 地 よ りも高 く, 毎 年

Pattani河 か らのは ん濫 によ る洪水 被害 を被 って い る｡ この付 近 の Pattani河 の限 界 容 量 は 約

390m3/secと推 定 され , 一方 , ダ ムサイ トにお け る過 去 の最 大 高水 量 は 460m3/sec,Yala付 近 まで の残 流域 約1,700km2の集水 量60m3/secを 併せ て,懸 案 地点 で の計 画 高水 量 は520m3/sec と推 定 され る｡ この うち,上 流 Pattaniダ ムに 160m3/secの貯 留能 力 を もたせ る ことに よ り, 下 流 耕 地 の洪水 被 害 は著 しく軽 減 す る ことがで きる｡ Ⅲ 兼 業 開 発 計 画

1

.

農業 開 発 の方 向 人 口の増 加 とと もに,水 田面 積 の少 な い この地方 の食 糧 事 情 は ます ます逼 迫 す る こと とな り,

水稲 は じめ,農作物 の生産性 の向上 は, この地方 の農業 にとって大 きな課題 とな ってい る｡ この地域 には最 早,農耕地 と して新 しく開発す る余裕 は残 されていないので,現在 あ る限 ら れた土 地の高度利用 が農業開発 の一方 向 と考 え られ る｡ この限 られた土 地資源 の生産性 を増強 す るためには,現在 の一期水 稲 に加 えて,水 稲二 期作の導 入,更 に一期水 稲の安定 した栽 培 と, 収益性 の高 い畑 作物 の導入が必要 と考 え られ る｡ また,飼肥料作物 の栽 培は将来の畜産 の進展, 土壌 の改良 な どに非 常 に有 効 な手段 とも考 え られ る｡ 上 流 Pattaniダ ムか らの安定 した流量の利用, 洪水調節の効果 と相 まって雨季 , 乾季 を通 じて安定 した農業生産 を計 るため,か んがい排水施設 の完備 な ど農業生産 の ための基盤 を提供 す ることが最 も基本 的な要件 と考 え られ る｡

2.

農業 開発地域 の概況

Pattani開発計画 によ る受益 地は Yalaか ら Pattaniに向い一扇状 にひ ろが る Pattani河 の 左右両岸 18,700haの水 田と左岸側 の荒 蕪地の耕 地化 1,300ha,合計 20,000haで あ る｡ この付 近一帯 の水 田は主 と して,壌土 お よび粘質壌土 の粘質土壌 で構成 されてい るが,NH4-N,NO3-N, P205,K20,MgO,Mn203な どをほ とん ど含んでお らず ,土壌 の化学 的性質 は非常 に悪 い｡ す で に述 べ たどと く,年 間降雨量 はわが国 に比べ決 して低 くないが,乾季 にはほ とん ど降雨 をみず ,田植えの遅延や,生育 期 間中の降雨量の不足 によ って生 じる早バ ツ被害が非 常 に大 き い｡一方 雨季 には大 きい強度 の降雨 によ り水 田は毎年0.5-1.0mの浸水被害 を受 けてい るO ま た,病虫害 による被害 は年 によ り非常 に大 きい もの とな ってい る｡ 本 地区におけ る気象記録お よび Pattani河沿 い耕地の被害状況 を表-4,5に示 す｡ 0 表-4 気 象 記 録 月 別 降 雨 量

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1952∼'60 Yanang 1952∼'53 1961∼ '63

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52∼ '63 計 1 1,901･7 1 1･395･O F 1,436･3

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-Bannang Sata 1962∼ '63

水 資 源 開 発 利 用 事 業 義一5 Pattani河 沿 い耕地 の被害状況 耕 地 面 積 項 目 午 作 一 二 卜 砂 甘 力 西 落 昆 茄 5 6 7 8 9 0 1▲ ∩/︺ 義 5 5 5 5 6 6 6 物 議 期 モ ウ 糖 ツ 花 20,311 19,204 17,865 12,721 10,371 9,208 13,744 15,262 ha 被 害 面 積 面 積 . 比 率 2,778 3,091 5,064 6,762 4,101 338 144 398 ha

義一6 Pattani,Yala県 の主要 作物 の栽培 状況

項 目 栽 培 面 積 (ha)

Yala Pattani

山⋮ 稲 稲 . 水 水 ロ キ サ ヨ ツ ヾ ノ シ ポ タ 胡 カ ゴ シ ビ 藷 バ 瓜 生 豆 子 一 コ コ 巾 / ク 12,517 50 4 182 12 198 33 6 180 260 80 4 190 100 13.7 % 16.1 28.3 53.2 39.5 3.7 0.9 2.6 両 県 平 均 収 量 53,854 1,630 kg/ha 40 1,440 〝 52 1,750- 3,000 〝 73 6,300- 9,400 〝 179 6,560- 7,190 〝 129 . 5,600- 7,800 〝 75 . 6,000-ll,000 〝 32 1,160- 2,190 〝 一 65 44 一 ム 75,130 29,372 コ コ ナ ッ ト 570 13,736 パ イ ナ ッ プ ル 400 バ ナ ナ 290 ラ ン ブ ー タ ン 295 マ ン ゴ ー 30 パ ､ ヤ 16 オ レ ン ジ 45 1,900 〝 2,500- 4,000 〝 2,800 〝 600∼900 n 2,500 〝 1,900 〝 1,100 〝 7,810 fruits/ha 163 . 7,810 kg/ha 460 4,700- 5,000 kg/ha 600-900 kg/ha 18,500 fr/ha 25,000-47,000 kg/ha

すで に述べ たよ うに,南 タイの農業経営 は ゴム,果樹栽培 に代表 され,水 田面積 は農 用地面 積の42% を 占め るにす ぎないが,本 Projectの農業開発 地域 の重要 部分 は海岸平野 の水稲作地 帯 にあ るのが特色で あ る｡Pattani県 にお ける主要作物 の栽 培面積 と各 作物 の平均収量 とを, Yala県 のそれ らと対比 して表-6に掲 げ る｡

3.

か ん が い 計 画 (1) 計画基準雨量 計画地域 の中央部 にあた る Yarang の1952-1955, 1961-1963の 6ヶ年 の年降雨量か ら 5 年 に1度の確率雨量 に相 当す る 1,200mm を計画基準 雨量 と し, その月別分布 は計画基準 雨量 に最 も近 い1961年 の降雨分布 を採用 した｡ 表-7 Yarangの1961年の月別降雨量 〒 言〒(､ ｢ ･ir･T,m-11十 日･･･ .丁･六

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° .- ,t･｡ -:7t(I 49車 65･9i217･0聖326･61287･411,214･2 (2) Pattani河 の利 用可能水量

上流 Pattaniダ ムか らの放流 量は約 20m3/secで あ り, これ にか んがい用水取水 地点 までの

渇水流量 (残 流域面積 1,670km2) を加 え,合計 23m3/secを利 用可能水量 と した｡

4.

用 水 量 の 算 定

計画 地域 内にお ける減水深測定 記録 は皆無 なので我 々は粘質土壌か らな る受益地の水 田計 画 用水 量を 10mm/day と した｡

畑作物 の単 位用水 量 は Blaney-Criddle式 によ る乾季 の平 均蒸発散壷 4.2mm/dayにか んが い効率 を70% と して 6.0mm/day を採用 した｡計画基準 降雨の70%を有効 雨量 と し, また,水 路の搬送効率 を80% と した｡か んがい期 間 と単位用水 量の閑係 を示せ ば,次表 の とお りとな り, 6月 に約 21m3/secの最 大粗用水量が必要 とな った｡ 義一8 水田及び畑の用水量とかんがい期間 単位

用

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一 期

水稲

しろかき用水 ㌔150mm '9月中一10月中 水 田 用 水 ! 10mm/day:8月中一2月中 畑 用 水 弓 6mm/dayi

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4月上∼5月上 3月上∼8月上 2月中∼8月上 備 考 苗代は本田の

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苗代40日間

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水 利 構 造 物

Yalaよ り約 5km 下 流の Pattani河 の両 岸 に取水施設 を設 けて右岸 13.3m3/sec,左岸5.3m3/

永 資 源 開 発 利 用 事 業

6.

兼 業 便 益 農 業 便益 の算 定 に あ た り次 の ご と く作付 率 を想 定 した｡す な わ ち,一 期水 稲 の後,40% には 二 期水 稲 を ,30%には グ ラ ン ドナ ッ ト, タバ コな どの畑 作物 ,残 り30%は一 応 休 閑地 と して緑 肥 作 物 を栽 培 して地 味 の向上 を計 る こ とと した｡ 上 記 の想 定 に基 き耕 地 1,000ha当 り, 約 150×103ドル の農 業 粗 収益 を期 待 しうる｡ 用水 補 給 地域 18,700haに対 す る純 収益 率 を58%,新 規 開 田｣也域 1,300haに対 す るそれ を51% と し, 本 農 業 開発計 画 に よ る年 間 農業

純

収益 を求 め る と表-9の とお りで あ る｡ 表-9 農 業 開 発 に よ る 便 益 項 目 ･ 補給 ･新規 増加粗収益 純 収 益 率 年間純収入 維 持 管 理 費 年 間 純 収 益 新規開田(1,300) 354 51 181 8 173 計 3,995 2,293 120 2,173 全 計 画 地域 の年 間粗収 入 は 3,995×103ドルで あ り,うち農 業経 営 費 と推 持 管理 費 を含 め た年 間経 費 は 1,822×103ドル で あ る

C

/)で ,年 間農 業 純 収益 は 2,173〉く103ドル とな り,本 農業 開発 は充分 な経 済 的妥 当性 を有 す る もの と考 え られ るO む す び タイの水 系 開発 は上 水 道 ,か ん が い水 の 供給 ,動 力源 の開発 な ど とい った面か ら取 り上 げ ら れ ,最 近 の Projectは いず れ もこの よ うな 多 目的開発 の性 格 を有 して い る｡

最

近 ,世 界 銀行 の農 業 部門- の投 資 の再 認識 や , ア ジア農業 闘発基 金 な どの構 想 が生 まれ , 農業- の 投 資 が_重視 され て きて い るが , 東南 ア ジア諸 国 白体 に と って も,現 在 の主 要 産 業 を に な う農 業 の育 成 発展 は国民 娃 活 の安 定 と向上 に資 す る と ころ非 常 に大 き く.農 業 生産 の基 礎 的 要

件

を整 備 して農 業生産 の拡 充 ,資本 の蓄 積 ,経 済 力 の増 強を 図 る ことが , 自 ら高 度産 業 へ の 道 を 開 くことにな ろ う｡