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木曽川水系統合流出解析モデルの高度化Upgrading the Integrated Hydrological Model for the Kiso River System

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Academic year: 2021

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C29

木曽川水系統合流出解析モデルの高度化

Upgrading the Integrated Hydrological Model for the Kiso River System

〇佐藤嘉展・道広有理・鈴木靖

〇Yoshinobu SATO, Yuri MICHIHIRO, Yasushi SUZUKI

In the Kiso river system, the river flow is controlled by the many multi-purpose reservoirs operation located in the upstream of the basin. Thus, in order to simulate river flow more realistically, we upgraded our distributed hydrological model by considering actual reservoirs operation and water withdrawal from the river channel. The results indicate that our new model shows better performance than the previous one. However, we also found that further improvement is needed to the maintenance flow modeling for more realistic river flow simulation.

1.背景と目的 木曽川水系では, 1959 年 9 月の伊勢湾台風に 伴う高潮をはじめ,1975 年 8 月の揖斐川洪水,1983 年 9 月の木曽川洪水, 2004 年 10 月の長良川洪水, など,洪水や高潮に伴う甚大な災害が頻繁に発生 している一方,1994 年 8 年には主要水源ダムの利 水容量が枯渇するなど,深刻な渇水被害も起きて おり,治水と利水の両面からの総合的な河川管理 が重要な課題となっている。さらに,気候モデル を用いた将来の流出解析の結果からは,木曽川水 系における洪水の増加および渇水の深刻化が予測 されている(佐藤ら,2010)。 木曽川水系では,洪水調節,不特定供給,水道・ 工業・かんがい用水供給,発電などを目的とした 多目的ダムが多数設置されており,河川の流水は 高度に管理されている。このため,河川を流れる 水量は自然状態とは大きく異なる挙動を示し,洪 水時には,ダムによる洪水調節により,洪水のピ ークが低減され,渇水時には,利水補給や正常流 量を維持するために維持流量の補給が行われる。 したがって,温暖化に伴う将来の河川流量を,分 布型流出モデルなどを用いて推定する際にも,流 域内に設置されたダム群の運用操作の影響を考慮 しなければ,外力となる気候条件の変化に伴った 河川流量の相対的な変化は把握できても,実際の 流域内の任意の地点における将来の河川流量の値 を正確に予測することができない。そのため,現 行の洪水期・非洪水期の設定,洪水調節容量の妥 当性や,主要取水地点における利水の安全性や, (利水調整を行う必要のある)渇水の発生頻度予 測,水源の多系統化,ダム群の統合管理(治水, 利水,不特定容量の総合運用),既存ダムの維持管 理,(堤体や堤防の嵩上げなどの)機能補強や導水 路建設などの,河川管理における重要な温暖化適 応策を検討するために必要な定量的な情報を提供 することも難しい。そこで,本研究では,木曽川 水系河川整備基本方針および河川整備計画で考慮 されている主要ダム(丸山,牧尾,横山,岩屋, 阿木川,味噌川,徳山)の運用操作と主要な水利 用の実態をより厳密に考慮できるように,これま で木曽三川流域に適用してきた分布型流出解析モ デルを高度化し,河川流況の再現性向上を試みた。 2.結果と考察 支流単位で河道網を厳密にモデル化することに より,ダム集水域の再現精度が向上し,ダムへの 流入量予測精度が向上したことで,洪水調節機能 の再現性が向上した。実際の取水地点における実 績取水量を流出モデル内でも考慮し,各ダムの利 水容量と実際の操作規則をより厳密にモデル化す ることで,渇水時における流況の再現性も大幅に 向上し,(10 年に1度の頻度で発生する規模の) 異常渇水時における各ダムの貯水量の挙動の再現 性も向上した。しかし,不特定利水補給の効果に ついては,河川管理者へのヒアリング等を実施し て,さらなる検討が必要であることがわかった。 参考文献 佐藤嘉展ら(2010):気候変動に伴う木曽三川流域 の流況予測.京大防災研年報 53B:723-735.

参照

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