Title
The study of modulatory effects of APGW-amide on Achatina
neurones (1) Modulation by APGW-amide an Achatina
endogenous inhibitory tetrapeptide, of currents induced by
neuroactive compounds on Achatina neurones : amines and amino
acids. (2) Modulation by APGW-amide, an Achatina endogenous
inhibitory tetrapeptide, of currents induced by neuroactive
compounds on Achatina neurones : peptides.( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
韓, 暁燕
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第363号
Issue Date
1998-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14743
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 韓 暁 燕(中華人民共和国) 博 士(医学) 甲第 363 号 平成10 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
The study of modu]atory effects of APGW-8mide on Achath7a
(1)ModuIation by APGW-amide,anAchatk7a endogenous
inhibitory tetr8PePtide,Of currentsinduced by neuroactive COmPOunds on Ach8tina neurones:amines and8mino acids.
(2)ModuIation by APGW-8mide,8nAchatk7a endogenous
inhibitory tetrapeptide,Of cu(rentsinduced by neuroactive COmPOunds on Achatk7a neurOneS:PePtides.
(主査)教授 松 波 謙 一 (副査)教授 野 沢 義 則 教授 植 松 俊 彦 論文内容の要旨 APGW-amide(L.Ala-L-Pro-Gly-L-Trp-NH2)は.アフ])カマイマイ(AchatiTZajuica F6russac)神経節 より分離されたtetrapeptideであり,この動物の神経細胞のあるものの抑制性神経伝達物質と考えられている。 本研究でほ.この動物の巨大神経細胞を用いて.膜電位固定下で神経伝達物質候補の作用に対するAPGW-amideの修飾作用を検討した。本研究で用いられた実験系は,巨大神経細胞v-RCDN(ventral-right cerebral
distinctneurone)におけるerythro-β-hydroxy-L-glutamicacid(erythro-L-BHGA)寧よぴdopamine(DA)
の投与により発生する外向き電流(LN,),TAN(tonically autoactive neurone)における5-hydroxytryptamine(5-HT)による内向き電流(1h)(速い成分と遅い成分).v-RCDNにおけるacetylcholine (ACh)およぴGABAによるIin.RAPN(rightanteriorpallialnerveneurone)におけるL-glutamicacid(L- Glu)によるL..v-RCDNにおけるachatin-Ⅰ(AchatiTW神経節より分離された神経興奮性tetrapeptide,Gly-D-Phe-しAla-しAsp)によるL..同じ細胞におけるFMRF-amide(ある種の貝(Macrocallista nimbosa)の神経 節から分離された神経抑制性tetrapeptide,L-Phe-L-Met-L-Arg-L-Phe-NH2),APGW-amide,[Ser2]-Mytilusinhibitory peptide([Ser2]-MIP,他種の貝(Mytilusedulis)の神経節から分離された神経抑制性 hexapeptide,Gly-L-Ser-L-Pro-L-Met-L-Phe-L-Val-NH2)によるLx.,またPON(periodically oscillating neurone)における0ⅩytOCinによるL.であった。 材料と方法 AchatirzaJuicaはフィリピンより輸入された。実験には.この動物の神経節のなかに同定された.v-RCDN, TAN,RAPNおよびPONの4種の巨大神経細胞が用いられた。これら神経細胞の細胞体に微小電極2本が刺入さ れ,膜電位固定が行われた。神経伝達物質候補の1種がマイクロピペットに充填され,これが圧(2Eg/cⅢf,400 msec.10,2-10.3M)により神経細胞に局所的に投与された。その神経修飾作用を検定する場合,APGW-amideは主として3×10-6Mの濃度で海流により与えられた。神経細胞膜のコンダクタンスを測定するため,膜 に過分極性のパルスが通電された。ある神経伝達物質候補の作用がAPGW-amideにより修飾された場合,その 修飾作用の様式を検討するため,生理溶液中ならびに,APGW-amideの存在下でその神経伝達物質候補の用量・ 作用曲線が測定され.その結果がLineweaver-Burkplotにより検討された。 結果と考察 V-RCDNにおけるerythro-しBHGAによる1。dは.K+依存性と考えられた。APGW-amide投与下では,神経膜 コンダクタンスの増加とともに,この1。.aが増強された。生理溶液中およびAPGW-amide存在下でerythro-L-BHGAの用量・作用曲線を求めそれをLineweaver-Burk plotしたところ.この2つの直線は横軸で交叉した。同
-37-じ神経細胞におけるDAによるIoutも.K+依存性であった。しかしながらAPGW-amideの存在下で,神経膜コ ンダクタンスの増加とともに,このLM,は抑制された。その抑制様式は,主としてnoncompetitive.部分的に uncompetitiveであった。 TANにおける5_HTによるんは,2つの成分ともにNa+依存性と考えられた。APGW-amideの存在下でこの神経 膜コンダクタンスは変化しなかったが,5-HTによるL.のうちその速い成分が抑制された0その抑制様式は・nOn competitiveであった0一方その遅い成分は・APGW-amideにより修飾されなかったo v_RCDNにおけるGABAによるL.は.Cl-依存性と考えられた。この揖ま,APGW-amideにより修飾されなかっ た。同じ細胞におけるAChによるんまたRAPNにおけるIrGluによるLは.双方ともNa十依存性と想像されたが, これらはともにAPGW-amideにより修飾されなかった。 ペプチドの神経伝達物質候補の作用については,V-RCDNにおけるachatin-Iによるんは,少なくとも部分的に はNa・依存性であった。このIinはAPGW-amideにより抑制され,その抑制様式はnoncompetitiveであった。同 じ細胞におけるFMRFamideによる1q`はK+依存性と思われた。APGW-amideの存在下で.神経膜コンダクタ ンスの増加とともにこのん`は抑制され.その様式はuncompetitiveであった。同じ神経細胞におけるAPGW-amideによるLwも,K+依存性と考えられた。APGW-amideの存在下で,神経膜コンダクタンスの増加とともに この1wも抑制され,その様式は部分的にcompetitive,部分的にnoncompetitiveであった。また同じ神経細胞で, [Se,2]-MIPによる1。dも,やはりK+依存性と考えられた。この1。.dもAPGW-amideにより抑制されたが,その程 度は弱かった。 一方PONにおけるoxytocinによるLtは.Na+依存性と考えられた。APGW-amide存在下で,神経膜コンダク タンスは変化しなかったが,このIinも修飾されなかった。 以上の結果より,V-RCDNにおけるAPGW-amideの抑制作用については部分的に,膜コンダクタンスの増加 により説明できるであろう。またAPGW-amide自身によるLdについては,この同じペプチドによる抑制作用は 部分的に,レセプターにおけるこの物質の競合で説明されるであろう。しかしながらこれだけでほ,APGW-amideの修飾作用のすべてを説明するわけには行かず,この修飾作用の機構は恐らく多様であり,場合によって は細胞内シグナル伝達機構の関与も想像される。 先に本研究と同一の実験系を用いて,aCbatin-Ⅰを潅流で与えた場合,いくつかの実験系でその修飾作用が見 られることを観測した。'=のことより,APGW-amidet achatin-Iなど神経作用性ペプチドの神経修飾作用は, かなりありふれたものと考えられる。しかしながらその修飾作用が見られる実験系は.APGW-amideと achatinJとでかなり異なっており,与えられたペプチドによる選択性が考えられた。しかしこの選択性は,神 経伝達物質候補により引き起こされた電流のイオン機構によるものではない。 論文審査の結果の要旨 申請者韓 暁燕は本研究において,Acんα血αルJわα巨大神経細胞における神経伝達物質候補の作用を指標と して,膜電位固定下で,神経作用性ペプチド,APGW-amideの修飾作用を証明し.その機構を解明した。本研 究の成果は,神経細胞の生理・薬理学的研究に,多大の進歩をもたらすものと考えられる。 [主論文公表誌]
The study of modulatory effects of APGW-amide onAchatinaneuroTWS
(1)Modulation by APGW-amide,anAchatinaendogenousinhibitory tetrapeptide,Of currents
induced by neuroactive compoundsonAchatinaneurones:aminesand amino acids・ GeneralPharmacology 29:523∼530,1997
(2)Modulation by APGW-amide,anAchatinaendogenousinhibitory tetrapeptide,Of currents
induced by neuroactive compounds onAchatinaneurones:Peptides・ GeneralPharmacology 29:531∼538,1997