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Examining the Internationalization of Cultural Identities:A mixed methods study of questionnaire surveys and identity maps from university students in the Greater Tokyo Area 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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文化アイデンティティの国際化の研究∼首都圏の大

学生における質問票調査とアイデンティティマップ

の混合手法

著者

小川 エリナ

学位授与大学

東洋大学

取得学位

博士

学位の分野

国際地域学

報告番号

32663甲第410号

学位授与年月日

2017-03-25

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00008962/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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 37 氏   名( 本 籍 地 ) 小 川 エリナ(ニュージーランド) 学 位 の 種 類 博士(国際地域学) 報 告・ 学 位 記 番 号 甲第410号(甲国第19号) 学 位 記 授 与 の 日 付 平成29年3月25日 学 位 記 授 与 の 要 件 本学学位規程第3条第1項該当

学 位 論 文 題 目 Examining the Internationalization of Cultural Identities: A mixed methods study of questionnaire surveys and identity maps from university students in the Greater Tokyo Area (和訳:文化アイデンティティの国際化の研究 ~ 首都圏の大学生における質問票調査とアイデン ティティマップの混合手法) 論 文 審 査 委 員 主査 教授 博士(学術) 中 挾 知延子 副査 教授 髙 橋 一 男 副査 准教授 Ph.D. 杉 田 映 理 本博士論文は、文化アイデンティティの国際性を検証するために、首都圏の大学生にお いて、多角的な手法により文化アイデンティティを調査分析したものである。分析手法と して量的と質的の両方を行う混合手法を用いて検証したことが新規である。文化アイデン ティティ研究において、このような混合手法を行うことは画期的な試みといえる。論文で は、量的には質問票による大学生へのアンケート調査、質的にはアイデンティティマップ という方法を用いた。 論文は大きく2つの部分で構成されている。1つ目は、2011年から2013年にわたり、 東洋大学と駿河台大学の学生に対して調査を行った。2011年の東日本大震災の前と後で の彼らの文化アイデンティティの変化を見た。3年間の調査で、3,004人の大学生、女性 1,259人と男性1,627人(性別が未記入の場合は除く)にアンケート調査を行った。大部分 が東洋大学で、学部も多様な学生であり、駿河台大学の学生はコントロールグループとし て用いた。大半が東洋大学の学生を対象としていることについては、首都圏の大学におい て平均的な大学生が集まっていると考えられ、アンバランスとは言えず、妥当な選択であ る。 調査した文化アイデンティティの項目は、Faculty、Academic Year、University、High School of Graduation、Region of Japan、Gender、Japanese、Global、Japanese Speaker、

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38 English Speaker である。これらの項目を調査対象の大学生に対して順位づけをしてもらっ た。このような順位付けされたデータを Rasch 法で分析した。分析の結果、ジェンダー = gender と日本人であること= Japanese の文化アイデンティティが最も強く、とりわけ 東日本大震災後に地域に帰属する文化アイデンティティ、その中でも東北出身の大学生に ついてとても強くなったことは世間的にも広く受け入れられるものであった。時系列で観 察すると、英語を話すこと= English Speaker とグローバルな感覚= Global が次第に強 まっている傾向が見られるが、特に女性のほうがその傾向が強く、それに対して男性はむ しろ出身高校= High School や性別= Gender に文化アイデンティティを強く感じている 者が多かった。総じてこの分析で得られた結果は、一般に受け入れられやすいものである が、大震災の後で、東北地方出身の大学生がより強く自分の故郷に帰属意識を感じるのは 当然のことである。そこで上記の結果を受けて、さらに深く大学生の文化アイデンティティ について2つ目の分析へ移っていく。なお、Rasch 法に関しては、この手法を考案した研 究者から直接交信を行っており、手法の適用に関して妥当なケースであるという確認をい ただいている。

2つ目は、質的な調査である。Sirin & Fine(2007)で提案されたアイデンティティマッ ピングに基づき行っている。大学生にテーマを提示して紙に絵を描いてもらい、あらかじ め用意されたアイデンティティマップのいくつかのコードに沿って各コードにあてはまる かどうかを検証していくというものである。この検証について調べた内容は、性別と海外 滞在経験の有無がどのように関係しているかどうかであった。調査対象の大学生を性別と 海外経験の有無で4つのグループに分けて調査を行った。予備調査で分かったことで特筆 すべきことは、海外経験のある男性は、同じく海外経験のある女性よりもより強く自国民 = National アイデンティティを感じているということである。さらに、海外経験のない 男性は、より強く類似すること= affinity アイデンティティを感じ、経験のある女性は、 より結びつきを持つこと= relationship アイデンティティを持っているということであっ た。予備調査を超えて、94人の首都圏の大学生にアイデンティティマップを書いてもら うことを行った。海外経験については6か月以上の滞在として、その滞在した国において は多様であった。この調査で確認したことで興味深いところは、男性は強い自分の住んで いる地域= regional アイデンティティがあり、一方で女性はより強い relationship アイデ ンティティを示すということであった。これについては、開発途上国ではコミュニティの 中で女性は relationship アイデンティティをとても大切にするということとも通じており 大変興味深い。国際地域学の大きな一角である開発途上国の支援に貢献するというミッ ションにおいて、コミュニティ開発は重要な課題の一つである。開発においては女性の果 たす役割が大変大きく、コミュニティの中でお互いにつながりを築き、社会ネットワーク が形成され、住民に生活向上の意識が生まれていく。このような観点からも、当該論文の

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 39 一つのアウトプットは貴重な成果と評価できる。 これらの分析を行うことで、海外渡航経験の有無とジェンダーの関係が明らかにされた。 つまり、海外経験のない男性は Affinity アイデンティティが強く、海外経験のある女性は 極めて強い Global アイデンティティを示すことが明らかになった。確かに、開発の現場 において、近年女性の参加が目覚ましい。開発ボランティアのメンバーを見ても、必ず女 性が入っており、男性を上回っているケースもある。一方で、異なる文化に適応する能力 も女性のほうが柔軟であると考えられ、Global アイデンティティの醸成につながってい くという流れを裏付けしている。 当該論文は、文化アイデンティティ研究において、先行する研究成果の十分な吸収の上 に立って、その適切な活用を行っていると同時に、アイデンティティ研究分野における新 たな知見を付与するものである。混合手法という新規な手法を用いており、十分に独創性 がある。さらに、当該論文が高い完成度を有し、首尾一貫した論理に支えられている。 データの分析結果についても、上記に述べたようないくつかの内容で、国際地域学分野 に照らしても大変興味深い内容が得られたことから、国際地域学研究科(国際地域学専攻) の博士学位審査基準に照らしても妥当な研究内容であると認められる。国際地域学の学問 的及び社会的発展に貢献すると評価できる。 したがって、所定の試験結果と論文評価に基づき、本審査委員会は全員一致をもって小 川氏の博士学位請求論文は、本学博士(国際地域学)の学位を授与するに相応しいものと 判断する。

参照

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