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目   次 1.景気の現状 2.先行きを展望するうえでのポイント (1)個人消費の力強い回復に向けた課題 (2)住宅市場のバブル崩壊からの回復度合い (3)アメリカ経済と海外需要の関係 (4)設備投資を取り巻く環境の変化 (5)金融政策の行方 3.2015~2016年のアメリカ経済見通し 4.リスク要因

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1.アメリカ経済は、総じて回復基調が続いている。もっとも、2014年末以降、家計部門・企業部門と もに回復の動きに足踏み感がみられる。 2.アメリカ景気の先行きをみるうえでは、個人消費の力強い回復に向け、消費者の節約・貯蓄志向の 転換がカギとなる。先行き、労働需給の逼迫とともに賃金の上昇ペースは徐々に加速していくと予想 され、個人消費の回復を後押しする見込みである。もっとも、パートタイムの利用拡大など企業の人 件費抑制姿勢が構造化しつつあり、賃金の伸びは過去に比べ限定的にとどまる公算が大きい。  足踏みが続く住宅市場では、住宅バブル崩壊の後遺症が色濃く残るものの、世帯数の増勢が加速す るなど、潜在的な住宅需要が高まりつつある。また、足許で弱い動きがみられる輸出をめぐっては、 急速なドル高に歯止めがかかるなか、先行き持ち直しに転じると予想されるものの、近年、アメリカ 経済の海外需要への依存度が高まっており、従来以上に為替レートや新興国景気の動向を注視する必 要がある。設備投資については、原油安・ドル高による下押し圧力が一服するなか、老朽化設備の更 新需要が設備投資回復の下支えに寄与すると期待される。  金融政策をめぐっては、賃金上昇圧力の高まりなどを踏まえ、FRBは早ければ9月にも利上げに着 手するとみられる。もっとも、当面ディスインフレ傾向が続くなか、その後の利上げペースは極めて 緩やかとなる見込みである。 3.以上を踏まえ、2015~2016年のアメリカ経済を展望すると、2015年後半以降、賃金の伸びの拡大を 背景に個人消費が堅調に推移するほか、設備投資や輸出も緩やかに持ち直し、家計・企業部門のバラ ンスのとれた高めの成長となろう。もっとも、FRBの利上げに伴う金利の上昇が景気の抑制要因とな り、2%台後半の成長ペースが続く見通しである。 4.上記メインシナリオに対するリスクとしては、新興国景気の下振れや原油価格の急騰が想定される。 FRBの利上げを契機とした新興国景気の一段の減速や、中東産油国での地政学的混乱による原油価格 の急騰が、アメリカの輸出や個人消費の腰折れを招くリスクがある。 要  約

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1.景気の現状  アメリカ経済は、総じて回復基調が続いているものの、2014年末以降、家計部門・企業部門ともに、 回復の動きに足踏み感がみられる。  家計部門では、2015年入り後、寒波の影響を主 因に個人消費の伸びが大きく減速した(図表1)。 消費者マインドがリーマン・ショック前と同程度 の高水準で推移するなか、寒波の影響一巡後はガ ソリン価格の低下による購買力押し上げ効果が顕 在化すると期待されていたものの、春先にかけて 個人消費は伸び悩みが続いた。足許で、ようやく 回復の動きがみられ始めているものの、力強い回 復の持続性にはなお不透明感が残っている。  また、住宅市場でも、2014年末以降、住宅販売 件数に増加の動きがみられているものの、総じて みれば2013年半ば以降の足踏みが長期化している (図表2)。  一方、企業部門では、2014年半ば以降のドル 高・原油安の急速な進行、新興国景気の減速など を受けて製造業を中心に弱含んでいる(図表3)。 春以降、急速なドル高が一服したほか、原油価格 も底入れしていることから、先行き、輸出や設備 投資は持ち直しに転じると予想されるものの、依 然として輸出や設備投資に先行性を有する輸出受 注指数や資本財受注に力強い回復はみられていな い(図表4)。 (図表1)消費者マインドと個人消費 (%) (1985年=100)

(資料)The Conference Board Consumer Confidence Survey 、 Bureau of Economic Analysis Consumer Spending

(年/期) カンファレンスボード 消費者信頼感指数(右目盛) 実質個人消費 (3カ月移動平均、前月比、左目盛) ▲0.5 0.0 0.5 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 20 40 60 80 100 120 (図表2)住宅販売件数

(資料)U.S. Census Bureau、NAR

(万件) (万件) 20 40 60 80 100 120 140 160 新築(左目盛) 200420052006200720082009201020112012201320142015 (年/月) 300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 中古(右目盛) (年/月) 86 90 94 98 102 2015 2014 2013 2012 2011 45 50 55 60 ISM非製造業景況指数(右目盛) ISM製造業景況指数(右目盛) NFIB中小企業楽観度指数(左目盛) (図表3)企業マインド (資料)ISM、NFIB (1986年  =100) (ポイント) (図表4)資本財受注と輸出受注指数

(資料)ISM、U.S. Census Bureau Manufacturers Shipments, Inventories, and Orders

(億ドル) (ポイント) (年/月) 450 500 550 600 650 700 750 資本財受注 (除く国防・航空関連、左目盛) 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 30 35 40 45 50 55 60 65 70 ISM製造業輸出受注指数(右目盛)

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2.先行きを展望するうえでのポイント  以上のように、アメリカ経済には足踏み感がみられるものの、足踏みを招いていた要因、すなわち、 寒波や急速なドル高・原油安が一巡するなか、2015年後半以降は、再び回復基調が強まっていくと予想 される。とりわけ、回復の牽引役として期待される家計部門においては、①リーマン・ショック以降の 消費者の慎重姿勢が転換するかどうか、および、それを左右する賃金の伸びがどうなるのか、が個人消 費の力強い回復のカギとなるだろう。また、足踏みが続く住宅市場や、足許で弱い動きがみられる輸出 や設備投資の先行きをみるうえでは、中長期的な視点から、②住宅市場のバブル崩壊からの回復度合い、 ③アメリカ経済と海外需要の関係、④設備投資を取り巻く環境の変化、を把握する必要がある。そこで 以下では、これら4点について詳しく検討したうえで、最後に金融政策の行方に言及したい。 (1)個人消費の力強い回復に向けた課題 A.消費者の慎重姿勢の転換  アメリカの家計部門は、住宅バブル崩壊後、大 幅なバランスシート調整を余儀なくされてきたも のの、2013年末には可処分所得比でみた純資産が、 リーマン・ショック前のピーク近くまで回復した (図表5)。もっとも、こうした資産価格の上昇は、 従来ほど消費の押し上げにつながっていない。純 資産と貯蓄率の関係をみると、これまで両者の動 きに連動性がみられていたものの、足許で乖離が みられ、バランスシートの改善が進むなかでも、 消費者が貯蓄を優先している、すなわち、消費の 拡大に慎重な姿勢を堅持していることが示唆され る。  消費者の慎重姿勢は、クレジットカードを中心 としたリボルビング・ローン残高の動きからも確 認できる。リボルビング・ローン残高の増勢は足 許でやや加速しているものの、過去に比べ極めて 緩慢な伸びにとどまっており、消費者の借り入れ を伴う消費に対する慎重姿勢が根強い(図表6)。  こうした消費者の慎重姿勢の強まりは、期待所 得の低下による影響が大きいと推測される。家計 所得の推移と景気循環の関係を長期的にみると、 景気後退局面では所得が伸び悩むものの、その後、 景気の回復とともに再び増勢が加速する傾向があ る(図表7)。もっとも、今局面では、景気回復 (図表5)家計部門の純資産と貯蓄率

(資料)FRB Financial Accounts of the United States 、Bureau of Economic Analysis (注)2012年末の貯蓄率の大幅な上昇は、2013年初からの増税に備 えたボーナスの前倒し支給等によるもの。 (%) (%) 420 460 500 540 580 620 660 700 純資産(可処分所得比、左目盛) (年/期) 2015 2010 2005 2000 95 1990 10 9 3 7 6 5 4 3 2 1 貯蓄率(右逆目盛) (年/期末) 期末残高(右目盛) 前年差(左目盛) (図表6)リボルビング・ローン残高 (資料)FRB Consumer Credit (注)2015年4∼6月期は、5月末実績。 (億ドル) (億ドル) 0 20 40 60 80 100 ▲10 ▲5 0 5 10 2015 2010 2005 2000 95 1990

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局面入り後も所得の伸び悩みが常態化している。所得の先行きに対する不透明感が広がるなか、消費者 の節約・貯蓄志向が定着化し、消費に対する慎重姿勢を招いている公算が大きい。  ちなみに、今景気回復局面下での所得の伸び悩みは、とりわけ中低所得層で顕著にみられる(図表 8)。中低所得層では、株式など金融資産を有する世帯が相対的に少なく、配当やキャピタルゲインな どを得にくいことに加え、所得の大部分を占める賃金の伸び悩みが所得全体の伸びを抑制する格好とな っている。こうした点を踏まえると、先行き消費者の慎重姿勢の転換が進むかどうかについては、中低 所得層の所得の伸びを左右する賃金の伸びの行方がカギになるとみられる。 B.賃金の伸びの行方  賃金の伸びの行方を探るため、労働市場に目を転じると、雇用者数の伸びが堅調に推移するなか、失 業率はすでにリーマン・ショック前の水準まで低下している。一方、経済情勢を理由としたパートタイ ム従事者や、雇用情勢の悪化を理由に職探しを断 念した求職意欲喪失者が依然として高水準で推移 するなど、「雇用の質」の改善はなお道半ばの状 態にある。  もっとも、そうした人々を失業者として加味し た広義失業率も着実に低下している。広義失業率 と賃金の伸びの関係をみると、リーマン・ショッ ク以降、広義失業率が大幅に上昇するなかでも賃 金の伸びの低下幅が限定的にとどまる状況が続き、 両者の動きに乖離が生じていたものの、足許で賃 金の伸びに見合う水準まで広義失業率が低下し、 両者の乖離が解消している(図表9)。したがっ て、今後も広義失業率の低下が順調に進めば、失 業率の低下にあわせて賃金の上昇ペースが高まっ (図表7)名目家計所得の中央値

(資料)U.S. Census Bureau Current Population Survey (注)シャドー部分は景気後退期。四角内の数値は、各景気回復局 面における所得の年平均伸び率。 (万ドル) 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 2010 2005 2000 95 90 85 1980 (年) 5.6% 3.8% 3.4% 1.1% (図表8)所得階層別の名目家計所得伸び率

(資料)FRB “Survey of Consumer Finances” (注)名目家計所得は、税引き前所得の中央値。 (%) 0 2 4 6 8 10 12 14 2004→2007年 2010→2013年 <上位> 90%∼ 80∼ 89% 60∼ 79% 40∼ 59% 20∼ 39% <下位> ∼19% (図表9)賃金の伸びと広義失業率

(資料)Bureau of Labor Statistics Current Employment Statistics 、 Employment Cost Index

(注1)広義失業率=(完全失業者+縁辺労働者+経済情勢を理由 としたパートタイム従事者)╱(労働力人口+縁辺労働者)。 縁辺労働者は、就業を希望するものの、景気低迷などを理 由に適当な職がなく、職探しを断念した者(求職意欲喪失 者)など。 (注2)シャドー部分は、景気後退局面。 (%) (%) (年/期) ▲0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 2000 98 96 1994 雇用コスト指数:賃金・給与 (前年比、左目盛) 広義失業率(右逆目盛) 賃金・給与の伸びの 1994∼2007年平均(3.2%) 18 16 14 12 10 8 6

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ていくと見込まれる。また、求人率をみても、リ ーマン・ショック前のピークを大きく上回る水準 まで上昇するなか、それに伴い消費者の所得見通 しにも改善の動きがみられる(図表10)。  以上を踏まえると、賃金の伸びは依然として過 去の平均を下回る水準にあるものの、先行き、労 働需給の逼迫とともに賃金の上昇ペースは緩やか ながらも加速していくと見込まれ、所得の伸びの 拡大が中低所得層にも徐々に波及していくと予想 される。  ただし、パートタイム従事者の先行きには、な お懸念が残る。フルタイム従事者の時給は、リー マン・ショック以降も増加傾向にある一方、パー トタイム従事者の時給は伸び悩みが続いており、 両者の賃金格差が拡大している(図表11)。また、 パートタイム従事者のうち、経済情勢を理由にや むを得ずパートタイムに従事する人の内訳をさら に詳しくみると、フルタイムの仕事が見つからな いことを理由としたパートタイム従事者の減少ペ ースが極めて緩慢にとどまっており、フルタイム 従事者の新規採用に対する企業の慎重姿勢が根強 いことが示唆される(図表12)。  こうしたパートタイム従事者を取り巻く環境の ▲20 ▲15 ▲10 ▲5 0 5 10 15 20 消費者の所得見通し (6カ月後、左目盛) 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 (年/月) (図表10)消費者の所得見通しと求人率

(資料)The Conference Board “Consumer Confidence Index”、 Bureau of Labor Statistics “Job Openings and Labor Turnover Survey” (注)求人率=求人件数╱(雇用者数+求人件数)。 (「増加」−「減少」、%ポイント) (%) 1.4 1.8 2.2 2.6 3.0 3.4 3.8 求人率(右目盛) 9 10 11 12 13 14 15 16 17 パートタイム(左目盛) 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 (年/期) 25.2 12.8 (図表11)就業形態別の時間当たり賃金

(資料)Bureau of Labor Statistics “Employer Costs for Employee Compensation” (ドル/時間) (ドル/時間) 18 19 20 21 22 23 24 25 26 フルタイム(右目盛) (年/月) 0 1 2 3 4 5 2014 2012 2010 2008 2006 2004 2002 2000 (図表12)経済情勢を理由としたパートタイム従事者

(資料)Bureau of Labor Statistics “Current Employment Statistics” (注)週労働時間が35時間を下回るとパートタイム従事者とみなさ れる。 (対就業者数比、%) 事業環境の悪化を理由とした 労働時間の削減による パートタイム従事者 フルタイムの仕事が 見つからないことによる パートタイム従事者 (図表13)労働分配率

(資料)U.S. Bureau of Economic Analysis

(注1)労働分配率=雇用者報酬╱法人企業総付加価値。 (注2)シャドー部分は景気後退期。 (%) (年/期) 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 2015 2010 2005 2000 95 90 85 1980

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厳しさは、企業の人件費抑制姿勢の強まりを反映したものといえる。グローバル化やIT化が本格的に 進んだ2000年以降、労働分配率は趨勢として低下基調にあり、リーマン・ショック後の深刻な景気の落 ち込みを契機に一段と低下している(図表13)。企業の人材投資への消極姿勢が構造化しつつあるとみ られ、先行き景気の回復が続くなかでも、フルタイム従事者の採用拡大やパートタイム従事者の賃上げ は、過去の景気回復局面に比べ限定的にとどまる可能性が高い。 (2)住宅市場のバブル崩壊からの回復度合い  リーマン・ショック以降の賃金の伸び悩みは、 個人消費だけでなく、当然ながら住宅市場にお いても、消費者の住宅取得能力の低下という面 で大きな重石となっている。住宅市場では、持 ち家比率が1990年代前半の水準まで低下してい るほか、住宅販売に占める中古住宅の割合が9 割を超える水準で高止まっており、住宅バブル 崩壊の後遺症が色濃く残存している(図表14)。 所得環境の改善が緩慢にとどまるなか、当面、 消費者の賃貸・中古住宅志向が根強く残ると見 込まれる。  こうした状況下、住宅投資の面では、賃貸・ 中古住宅のリフォーム投資のウエートが高まっ ている。住宅改修業者の景況感を表す住宅改修 市場指数は、足許で住宅バブル崩壊前を上回る 水準で推移しており、先行き実質住宅投資の約 3割を占める修繕・改修投資が堅調に推移し、 住宅投資の下支え役になると期待される(図表 15)。  一方、新築住宅についても、ここにきて明る い兆しがみられている。2014年末以降、世帯数 の増勢が加速しているほか、住宅在庫率が低水 準にとどまっている。さらに、持ち家比率が過 去最低水準まで低下していることなどを踏まえ れば、新築住宅に対する潜在的な需要が高まりつつあるといえる(図表16)。こうした状況下、緩やか ながらも賃金の伸びが徐々に高まっていけば、消費者の信用力の向上とともに、先行き、新築住宅への 需要が徐々に顕在化してくると予想される。  なお、FRBの利上げに伴う住宅ローン金利の上昇が住宅市場回復の重石となる可能性があるものの、 過度に懸念視する必要はないと判断される。2016年末にかけて長期金利が3%台前半まで上昇した場合 (図表15)NAHB住宅市場指数と住宅改修市場指数

(資料)NAHB Housing Indexes

(注)住宅改修市場指数は、住宅のリフォーム市場に対する住宅改修業 者の景況感、住宅市場指数は、新築一戸建て住宅市場に対する建 設業者の景況感を示す。 (ポイント、「良い」−「悪い」) (年/期) 0 10 20 30 40 50 60 70 住宅改修市場指数住宅市場指数 2015 2013 2011 2009 2007 2005 2003 2001 (図表14)持ち家比率と住宅販売に占める中古住宅比率

(資料)U.S. Census Bureau、NAR Housing Statistics

(%) (%) (年/期) 住宅販売に占める中古 住宅の割合(左目盛) 2015 2010 2005 2000 95 90 85 1980 78 80 82 84 86 88 90 92 94 62 63 64 65 66 67 68 69 70 持ち家比率(右目盛)

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(日本総合研究所見通し)、住宅ローン金利は 5%前後まで上昇すると予想されるものの、 それでも家計の住宅ローン返済負担は住宅バ ブル前と同程度の水準にとどまると試算され る(図表17)。金利の上昇による返済負担の 増加は免れないものの、消費者の住宅購入意 欲が高まるもと、住宅販売の腰折れを招くこ とはないと見込まれる。 (3)アメリカ経済と海外需要の関係  これまでみてきたように、賃金の伸び悩み を主因に個人消費や住宅投資の回復が力強さ に欠けるなか、2014年夏場にかけては企業部 門の回復ペースが加速し、景気の牽引役とし ての役割が期待された。もっとも2014年半ば 以降に急速に進んだドル高や原油価格の下落 を受け、2014年末以降、企業部門の回復にも 大きくブレーキがかかることとなった。  とりわけ、2014年半ば以降の急速なドル高 の進行や海外景気の減速が、アメリカ製造業 の輸出の重石となっている(図表18)。足許 で急速なドル高に歯止めがかかるなか、先行 き輸出は持ち直しに転じると予想されるもの の、すでに利上げが視野に入りつつあるアメ (図表17)住宅ローン返済額の対世帯収入比 (資料)NARをもとに日本総合研究所作成 (注)世帯収入中央値の世帯が、住宅価格中央値の一戸建て中古住宅 を、頭金20%、30年固定金利ローンで購入する場合。 (%) 4.0%(以降、 0.5%刻み) 5.5% (年/月) <住宅ローン金利別試算> 10 12 14 16 18 20 22 24 26 2015 2010 2005 2000 95 1990 (2016年末時点。住宅価格・ 世帯収入については、過去 一年と同じペースで上昇が 続くと想定) ▲50 0 50 100 150 200 250 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 (図表16)住宅着工件数と世帯数(3カ月移動平均)

(資料)U.S. Census Bureau、NAR “Housing Statistics” (万件、 万世帯) <在庫率(右目盛)>(カ月) 2 4 6 8 10 12 中古 新築 着工件数 (左目盛) 世帯数 (前年差、左目盛) (年/月) (図表18)アメリカの実質輸出と世界輸入数量、 実質実効為替レート(前年比)

(資料)U.S. Bureau of Economic Analysis、FRB、CPB “World trade monitor” (%) ▲20 ▲15 ▲10 ▲5 0 5 10 15 20 25 アメリカ実質輸出 2015 2010 2005 2000 95 1990 ドル高 輸入数量減 世界輸入数量(アメリカ除く、左目盛) ドル実質実効レート(逆目盛) (年/期)

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リカと依然として量的緩和を続ける日欧の金融政策の方向性の違いなどを踏まえると、今後も緩やかな がらもドル高基調が続くと見込まれるほか、海外景気の先行きになお不透明感が強いことなどから、輸 出の回復ペースは緩慢にとどまる公算が大きい。  こうした輸出の伸び悩みによるアメリカ経済に 対する下押し圧力が近年高まる方向にある点に留 意する必要がある。元来、アメリカは経済に占め る内需の割合が相対的に大きく、先進国のなかで は為替や海外景気の影響を受けにくい経済構造を 有している。もっとも、近年、アメリカ経済の海 外需要への依存度が高まっている。実際、住宅投 資や政府支出が伸び悩むなかでGDPに占める輸 出の割合が上昇しているほか、2000年代入り後、 アメリカ企業の海外売上高比率の上昇ペースが加 速している(図表19)。  また、アメリカの輸出を取り巻く環境の変化を さらに詳しくみると、2000年代以降、輸出に対する為替レートの影響度が増している。1980年代以降の 実質輸出における為替弾性値をみると、2000年代に入り急上昇しており、新興国による技術面のキャッ チアップなどを背景に、アメリカの輸出製品の非価格競争力が低下し、輸出に対する価格面の影響が増 している可能性がある(図表20)。加えて、アメリカの輸出先を地域別にみると、2000年代半ば以降、 先進国のシェアが低下する一方、中国・中南米を中心とした新興国のシェアが拡大している(図表21)。  これらを踏まえると、アメリカの輸出や企業業績、ひいてはアメリカ経済の先行きをみるうえでは、 従来以上に為替レートや新興国景気の動向を注視する必要があるといえる。  なお、ドル高は過去、海外からの資金流入などを背景とした長期金利の安定や、輸入物価の押し下げ (年) (%) (%) 10 15 20 25 30 35 40 45 (図表19)アメリカ企業の海外売上高比率と GDPに占める輸出割合

(資料)Bureau of Economic Analysis

0 2 4 6 8 10 12 14 2010 2005 2000 95 90 1985 アメリカ企業の海外売上高比率(左目盛) GDPに占める輸出の割合(右目盛) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 2000年∼現在 1990年代 1980年代 (図表20)実質輸出の価格弾性値

(資料)IMF “International Financial Statistics”、FRB、U.S. Bureau of Economic Analysisなどを基に日本総合研究所 作成 (注1)推計式は、ln(実質輸出)=α+β*ln(アメリカ除く世界輸 入)+γ*ln(実質実効為替レート<後方4四半期移動平 均、−2期>)とし、各期間の四半期推計における弾性値を 算出。 (注2)いずれも、5%水準で有意。 (注3)価格弾性値の符号は負となるため、−1を乗している。 0 5 10 15 20 25 2014 2010 2005 2000 1995 (年) (図表21)アメリカの輸出先の地域別シェア

(資料)U.S. Census Bureau (%) ASEAN+インド 日韓台 中 国 ユーロ圏 中南米 メキシコ カナダ その他

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を通じたインフレの抑制などに寄与してきた。もっとも、アメリカ経済が超低金利・ディスインフレ傾 向にある現状では、そうしたメリットは享受しにくく、むしろ過度なドル高の進行は、アメリカ経済に とってデメリットとなる可能性が高くなっている。 (4)設備投資を取り巻く環境の変化  企業部門では、輸出に加え、設備投資も大き く落ち込んでいる。2014年後半以降の原油価格 の下落に伴い、2015年1~3月期に鉱業関連の 設備投資が大幅に減少したほか、鉱業関連以外 の設備投資も、2014年半ば以降、増勢が鈍化傾 向にある(図表22)。  鉱業関連以外の設備投資の増勢鈍化の背景に は、製造業における未稼働設備の残存が指摘で きる(図表23)。ドル高の進行や海外景気の減 速を背景とした輸出の伸び悩みを主因に、2015 年入り以降、製造業の生産活動はほぼ横ばいで の推移が続いている。この結果、設備稼働率が 低下しており、企業の設備投資に対する慎重姿 勢を招いていると推測される。  先行きについても、設備投資に先行性を有する資本財受注が依然として減少基調にあるなど、設備投 資は当面伸び悩みが続く可能性が高い。もっとも、原油価格の大幅な下落に伴いピーク時に比べ約6割 減少していた石油リグの稼働数は、原油価格の底打ちを受けて下げ止まりの兆しがみられる(図表24)。 原油価格の安定に伴い、原油生産が引き続き高水準で推移すると見込まれるもと、鉱業関連の設備投資 (図表22)原油価格と設備投資

(資料)Bureau of Economic Analysis、Bloomberg, L.P. (注)鉱業関連設備投資は、鉱業関連構築物投資と機械投資。 (%) (ドル/バレル) (年/期) 実質設備投資(前期比年率、左目盛) WTI原油先物価格(右目盛) ▲5 0 5 10 15 20 25 30 その他 鉱業関連設備投資 2015 2014 2013 2012 2011 40 80 120 92 94 96 98 100 102 104 106 108 110 製造業生産(左目盛) (図表23)製造業生産と設備稼働率 (資料)FRB (2007年=100) (%) (年/月) 73 74 75 76 77 78 設備稼働率(右目盛) 2015 2014 2013 2012 650 700 750 800 850 900 950 1,000 1,050 1,100 原油生産量(右目盛) 2017 2016 2015 2014 2013 (図表24)アメリカの石油掘削設備(リグ)稼働数と 原油生産量

(資料)Bloomberg L.P.、Baker Hughes、EIA“Short-Term Energy Outlook” (基) (万バレル/日) (年/週、期) 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000 石油リグ稼働数(左目盛) EIA見通し

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の一段の下振れは回避される公算が大きい。鉱業 関連以外についても、急速なドル高の影響が徐々 に弱まるなかで輸出の減速に歯止めがかかると予 想され、早晩持ち直しに転じると期待される。  さらに、中長期的な視点から企業の保有する設 備の経過年数(ヴィンテージ)をみると、リーマ ン・ショック以降、構造物で長期化しているほか、 機械についても、1990年前半の過去最長水準近く で高止まっている(図表25)。設備の老朽化に伴 い潜在的な更新需要が高まるなか、企業収益の持 ち直しにつれて更新投資が顕在化してくるとみら れ、設備投資を下支えする見通しである。 (5)金融政策の行方  以上のように、家計部門・企業部門ともに課題を抱えながらも、総じてみれば、アメリカ経済は回復 が続いており、今後も回復基調が維持される見通しである。こうしたなか、FRBは2014年10月にMBS や国債の買い入れ(QE3)を終了し、バランスシートの拡大という非伝統的な金融政策から脱しており、 今後は金融政策を、いつ、どういったペースで正常化させていくかが大きな焦点となっている。  そこで、労働市場および物価の動向を改めて確認すると、労働市場では、雇用者数の堅調な増加を背 景に、FOMCメンバーが実質的にインフレ加速の分岐点とみなす長期見通しレンジの上限近くまで失 業率が低下しており、賃金上昇圧力が高まりつつあると推測される(図表26)。物価面でも、消費者や 予測専門家の間で期待インフレ率の過度な下振れはみられておらず、これまでの急速なドル高や原油安 18 19 20 21 22 23 24 25 26 構造物(左目盛) (図表25)設備の平均経過年数

(資料)Bureau of Economic Analysis (注)対象は、民間非住宅固定資産。 (年) (年) (年) 6.4 6.6 6.8 7.0 7.2 7.4 7.6 7.8 8.0 機 械(右目盛) 2010 2000 90 80 70 60 1950 (図表26)失業率の推移

(資料)Bureau of Labor Statistics“Current Employment Statistics”、 FRB (注)シミュレーションは、労働参加率:横ばい、就業者数:月20 万人増が続くケース。FOMCの長期目標は、FOMCが想定 する自然失業率を意味。 (%) (年/月) 4 5 6 7 8 9 10 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 シミュレーション FOMCメンバーの 長期目標中心レンジ (2015年6月FOMC、 5.0−5.2%) (図表27)PCEデフレータと期待インフレ率

(資 料)Bureau of Economic analysis、University of Michigan“Survey of Consumers”、Federal Reserve Bank of Philadelphia “Survey of Professional Forecasters”

(注)消費者のインフレ期待はミシガン大学調べ。予測専門家調査 はフィラデルフィア連銀調べのPCEデフレータ見通し。 (%) (年/期、月) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 予測専門家調査(5年) 消費者のインフレ期待(5年) PCEデフレータ(総合指数) PCEデフレータ(コア指数) 2015 2014 2013 2012 2011 2010

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が一服するのに伴い、時間を要しながらも物価の伸びは徐々に高まっていく公算が大きい(図表27)。  こうした状況下、FRBは早ければ9月にも利上げに着手すると予想される。ただし、FRBは「利上 げ開始の判断は、経済情勢次第」との姿勢を再三強調しており、賃金の伸び悩みの長期化や、中国景 気・ギリシャ債務問題をはじめとした海外情勢の悪化などから、年後半にかけてもアメリカ景気の足踏 みが続けば、利上げの着手が年末あるいは年明けに先送りされる可能性も否定できない。  一方、高水準の需給ギャップが残存するもと、当面、ディスインフレ傾向が続くとみられるなか、利 上げ開始時期を問わず、その後の利上げペースは極めて緩やかとなる見込みである。加えて、ECBや 日銀が先行きも極めて緩和的な金融政策を維持すると見込まれるなか、FRBの利上げペースの加速は、 金融政策の方向性の違いを背景としたドル高の加速を通じてアメリカ経済の下押しに作用するとみられ る点も、利上げペースの慎重化をもたらす要因となる(図表28)。実際、FOMCメンバーのFF金利誘導 目標の見通しは、過去の利上げ局面に比べて緩やかな利上げペースを想定したものとなっており、FRB の金融政策正常化の動きは極めて慎重なものとならざるを得ないだろう(図表29)。 3.2015~2016年のアメリカ経済見通し  以上を踏まえ、2015~2016年のアメリカ経済を展望すると、海外景気の回復の遅れや、2014年半ば以 降の原油安・ドル高の影響などから、当面、設備投資や輸出は伸び悩みが続くと予想される。一方、家 計部門では、賃金の緩慢な伸びが重石となるものの、ガソリン価格の低下が購買力の押し上げに寄与し、 個人消費は拡大基調が続く見込みである。  2015年後半以降は、ガソリン価格低下の効果が徐々に減衰していくものの、ほぼ完全雇用に近づくな か、「雇用の質」の改善を背景に賃金の伸びが高まり、個人消費は堅調な推移が持続すると見込まれる。 また、急速なドル高や原油安の一服に伴い、設備投資や輸出も緩やかに持ち直すとみられ、家計部門・ 企業部門のバランスのとれた高めの成長となろう。もっとも、FRBの利上げに伴う金利の上昇が、2016 年入り以降の景気を抑制する要因となり、予測期間を通して2%台後半の成長ペースが続く見通しであ る(図表30)。 (図表28)FRB・ECB・日銀のバランスシート規模 (GDP比) (資料)FRB、ECB、日本銀行などをもとに日本総合研究所作成 (%) (年/月) 0 10 20 30 40 50 60 70 日銀 ECB FRB 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 今局面の FOMCメンバー予想 (2015年、2016年、2017年末) (図表29)過去の利上げ局面におけるFF金利誘導目標の引き上げ ペースと今局面のFOMCメンバー予想 (資料)FRBをもとに日本総合研究所作成 (注)今局面の利上げ開始時期は、2015年9月と想定。FOMCメ ンバーの予想は、2015年6月FOMCで公表された政策金利 見通しの中央値。 (%) (経過月数) 0 1 2 3 4 5 6 7 2004年6月∼2006年6月 1999年6月∼2000年5月 1994年2月∼95年2月 28 26 24 22 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0

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 物価面では、個人消費を中心とした内需の回復が物価押し上げに作用するものの、2015年末にかけて は原油安やドル高の影響が残存し、コア・インフレ率(コア消費者物価指数)は前年比1%台半ばから 後半の伸びにとどまると予想される。2016年入り後は、これらの下押し圧力が剥落し、前年比2%前後 の水準で推移する見通しである。 4.リスク要因  以上のメインシナリオに対し留意すべき景気の下振れリスクとして、新興国景気の一段の減速と原油 価格の急騰を指摘しておきたい。  中国やブラジルをはじめとした新興国では、足許で景気の減速傾向が鮮明となっている(図表31)。 景気の減速や、アメリカの金利上昇を受けた高金利通貨の相対的な魅力の低下を背景に、新興国では総 じて通貨安が進行している(図表32)。先行き、FRBの利上げを契機にドル高・新興国通貨安が加速す れば、インフレの高進や、それに伴う金融引き締めにより、新興国景気が一段と減速する恐れがあり、 (図表30)アメリカ経済成長率・物価見通し (四半期は季調済前期比年率、%、%ポイント) 2014年 2015年 2016年 2014年 2015年 2016年 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 10~12 (実績) (予測) (実績)(予測) 実質GDP 5.0 2.2 ▲0.2 2.6 2.9 2.8 2.7 2.8 2.7 2.7 2.4 2.3 2.8 個人消費 3.2 4.4 2.1 3.1 3.1 2.9 2.7 2.8 2.6 2.5 2.5 3.1 2.8 住宅投資 3.2 3.8 6.5 7.5 7.4 7.5 6.5 6.0 7.0 6.8 1.6 6.1 6.8 設備投資 8.9 4.7 ▲2.0 3.9 4.5 5.3 5.4 5.3 5.2 4.9 6.3 3.7 5.1 在庫投資 ▲0.0 ▲0.1 0.5 0.0 0.1 0.1 0.1 0.0 0.1 0.0 0.1 0.2 0.1 政府支出 4.4 ▲1.9 ▲0.6 0.4 0.2 0.1 0.0 0.2 ▲0.1 0.1 ▲0.2 0.2 0.1 純輸出 0.8 ▲1.0 ▲1.9 ▲0.3 ▲0.3 ▲0.2 ▲0.1 ▲0.1 ▲0.1 ▲0.0 ▲0.2 ▲0.7 ▲0.2 輸 出 4.5 4.5 ▲5.9 4.8 5.1 5.9 6.3 6.0 6.5 6.3 3.2 2.4 6.0 輸 入 ▲0.9 10.4 7.1 5.5 5.9 6.0 5.8 5.5 5.5 5.0 4.0 6.4 5.7 実質最終需要 5.0 2.3 ▲0.6 2.7 2.7 2.7 2.6 2.8 2.7 2.7 2.3 2.1 2.7 消費者物価 1.8 1.2 ▲0.1 0.0 0.5 1.4 2.3 2.4 2.1 2.1 1.6 0.5 2.2 除く食料・エネルギー 1.8 1.7 1.7 1.7 1.7 1.8 2.0 2.1 2.1 2.1 1.7 1.7 2.1 (資料)U.S. Bureau of Economic Analysis、U.S. Bureau of Labor Statistics

(注)在庫投資、純輸出の年間値は前年比寄与度、四半期値は前期比年率寄与度。消費者物価は前年(同期)比。

(図表31)主な新興国のOECD景気先行指数

(資料)OECD “Composite Leading Indicators” (長期平均=100) (年/月) 97 98 99 100 101 102 103 104 トルコ ロシア メキシコ インド 中 国 ブラジル 2015 2014 2013 2012 2011 (図表32)主要新興国通貨の対ドルレート (資料)Thomson Reuters (2013年1月=100) (年/月) 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 トルコ・リラ メキシコ・ペソ ロシア・ルーブル インド・ルピー ブラジル・レアル 2015 2014 2013 2012 2011 新興国通貨安

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海外景気の影響を受けやすくなっているアメリカ 経済にとって大きな下押し圧力となりかねない。  また、イラクやリビア、イランなど中東産油国 では、国内紛争に加え、過激派組織「イスラム 国」の台頭など、地政学リスクが根強く残る。こ れらの産油国では、先行き原油の増産が見込まれ ているものの、紛争の激化などから原油生産や輸 出に支障が生じれば、原油価格が再び急騰し、ア メリカの個人消費の腰折れを招くリスクがある (図表33)。 副主任研究員 藤山 光雄 (2015. 7. 10) (図表33)中東の政情不安国の原油生産量

(資料)IEA “Oil Market Report” (万バレル/日) (年/月) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 リビア イラク イラン 2015 2014 2013 2012 2011 2010

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