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高圧巨大ひずみ加工法による高強度耐熱合金の結晶 粒超微細化と超塑性発現に関する研究
瀧沢, 陽一
http://hdl.handle.net/2324/1806997
出版情報:Kyushu University, 2016, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)
氏 名 :瀧沢陽一
論 文 名 高 圧 巨 大 ひ ず み 加 工 法 に よ る 高 強 度 耐 熱 合 金 の 結 晶 粒 超 微 細 化 と 超 塑 性 発 現 に 関 す る 研 究
区 分 : 甲
論 文 内 容 の 要 旨
(様式2)
自動車用ターボチャージャーの市場拡大とエンジンの高性能化に伴う排気温度上昇を背景に、タ ーボチャージャー用ウエストゲートパルプ やノ《ックプレートといった構成部品は従来用いられてい たステンレス製からインコネノレ718等のNi基超合金製へと置き換えが進んでいる。Ni基超合金は、
ジェットエンジンや発電用タービンといった高温、高腐食環境という極めて過酷な環境に用いられ る高強度耐熱合金で、優れた性能を有する反面、通常その成形性は非常に低く、製造技術の高度化 と低コストが課題となっている。
そこで本研究では、超塑性現象の利用により高強度耐熱合金の成形性の向上が図れるか、代表的 なNi基超合金であるインコネノレ718に巨大ひずみ加工(SPD: Severe Plastic Deformation)法の一種 である高圧ねじり加工法(HPT: High‑Pressure Torsion)法および高圧スライド加工法(RPS:
High‑Pressure Sliding)法を適用し、間合金の結晶粒超微細化と超塑性発現およびそのメカニズム の解明を行った。
RPS法についてはMg合金、 Al合金、 Ti合金への適用性も評価して実用化の可能性について検討 し、さらにはRPS法の応用技術として新たに考案したIF‑RPS法による基礎試験から、結品粒微細 化技術の量産化技術の検討を行った。また、超塑性成形した試料の強度復元処理を行って本来の耐 熱合金としての特性に戻すことを確認した。
復元処理を含めた一連の組織制御技術の実用化の可能性について調査を行った。
Fig. 1はインコネル718の受領材(市販材)と受領材の熱処理材(溶体化、溶体化+時効)、 15mmスラ イド加工したRPS加工材(受領材、溶体化材)を試験温度1073K、初期ひずみ速度2×10・2s‑1で引張 破断させた際の応力・ひずみ曲線と引張試験前後の試験片の外観を示している。受領材(RPS未加工 材)では熱処理の有無に関わらず35%以下の伸びと500MPaを超える変形応力であったのに対し、
RPS加工によっておよそ120n 皿まで結晶粒が超微細化されたRPS材で、は低温かっ高ひずみ速超塑 性領域で、400%を超える超塑性伸びの発現と200MPa以下の変形応力といった超塑性現象の発現が 確認できる。
スライド加工条件を5,10, 15, 20 m mとし、スライド加工量の影響を調査したところ、 X=5m皿 を除く、全てのRPS加工試料で500%を超える超塑性伸びを確認した。また、 X=15mmで恒PS加 工した試料を初期ひずみ速度5×10・4〜2×10・2s・1、試験温度973〜1173Kの範囲で引張試験を実施 したところ、 Fig.2に示す通り、 1073Kで以上では1×10・28‑1より速い速度で発現する超塑性と定 義された高ひずみ速度超塑性域での超塑性伸びも含め、試験を行った全てのひずみ速度で400%を超 える超塑性伸びの発現が確認された。これらの結果から、 RPS法はインコネル718の成形性改善に 有効であることが示される。HPT法でも同様の結果が得られたものの、円板状かリング状に試料形 状が限定されるHPT法に対し長尺の板状や棒材への適用が可能なRPS法で結晶粒微細化および超
これまで、課題で、あった実用素材への適用が可 塑性の発現が達成できたことは特筆すべき点であり、
能となった。
さらに帯状材料に対し連続的にHPS加工を行うことで結品粒微細化できる試料サイズを半無限 に拡大できる工法として新たにIF‑HPS法(IncrementalFeeding High‑Pressure Sliding)を考案し 基礎実験を行ったところ、試験に用いたFl295、インコネノレ718のいずれの試料も超塑性の発現が 確認でき、組織微細化技術の量産工法としての可能性を把握することができた。
一方、超微細化した試料は部品として使用する前に本来の強度に復元する必要があることから、
溶体化処理および時効処理による復元熱処理を行ったところ、時効時間の増加とともに変形応力が 上昇し、延性が低下した。これは受領材、 HPT材を熱処理したものと同様の結果であるとともに、
時効処理前の超塑性変形量によっても違いは見られなかった。このことから、超塑性変形を行った 材料でも出発材料と遜色ない状態に強度復元できることを明らかにした。
一連の研究を通じ、これまで課題であった部品加工時の成形性については超塑性現象を利用する ことで大幅に改善し、また使用時には本来の強度に復元が可能であるということを明らかにし、一 連の組織制御技術として実用化の可能性を示すとともに今後の高強度耐熱合金の製造技術発展に大
きく寄与する新たな知見を示すことができた。
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INCONEL 718 HPS: P= 4 GPa, x = 15 mm, 1 Pass
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Fig. 1 受領材と受領材の熱処理材(溶体化、溶体化+時効)、 HPS加工材(受領材および溶体化材)を試験混度 1073K、初期ひずみ速度2×1・20s・1で引張破断させた際の応力−ひずみ曲線(左)と引張試験前後の試験片外観(右)
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Fig. 2