新規クロスリンカーの合成と応用に関する研究
研究代表者理工学研究部(工学系) 森田 弘之
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)プロジェクトの背景・目的極微量で生体に重大な影響を与えるものの代表として,内分泌撹乱物質(環境ホルモンと して総称される)があるが これらの有機化合物を特異的にかつ十分に鋭敏に定量する統一 的なフ。ロトコルは知られていない。これが可能になれば,環境ホルモンに限らずその他の比 較的低分子の極微量生理活性化合物の生体内での挙動を追跡することが不可欠な医学および その関連分野の発展に多大な貢献をするものと考えられる。例えばこれまで単純に高コレス テロールに由来すると考えられて来た動脈硬化症やそれを原因とする様々な疾病の直接原因 は,生体内の酸化的環境等で生じた(あるいは体外から摂取した)各種酸化コレステロール 誘導体に依るものであるとの報告がある(最近の報告:
TheJ o u r n a l of J a p a n A t h r e o s c l e r o s i s S o c i e t y
)。しかし,生体組織中から極微量のこれらの化学物質を検出することはこれまでの最 新の機器分析装置(GC‑o r LC‑mass
等)を用いても容易とは言えない。我々は前述の各種酸 化コレステロールと動脈硬化由来の疾病との因果関係の解明研究に寄与すべく,各種酸化コレステロール誘導体を確実に特異的に認識させるためのモノクロナール抗体産生を目的とし て,適当なクロスリンカーに結合可能な各種酸化コレステロールを合成しKLH等の蛋白に化 学修飾する合成化学的な研究を行なって来た。我々が合成した抗原をもとに,関係企業側で
2002
年に7
・ケトコレステロールを特異的に認識するモノクロナール抗体の産生に成功し,イ ムノアッセイ法のプロトコル確立を行なっている。これまでの研究をさらに発展させるためには,既存のクロスリンキング試薬では,例えば,
MSB
等をクロスリンキング剤とする場合にはそれ自身がエピトープとして認識されるとい う免疫化の問題がありモノクロナール抗体産製上問題が有る場合もあること,又合成ルート の選定上制約が大きく実際の合成に於いても多段階を要する等,新規クロスリンカー開発の 必要性を痛感した。この問題を解決し,コレステロール以外の生理活性化合物をハフ。テンと する抗原創製には新規クロスリンキング試薬の創出が不可欠で、あるとの考えに至った。本研 究では,より汎用性のあるクロスリンカーの創製を目指している。( 2
)研究成果本研究では,より汎用性のあるクロスリンカーの創製を目指して,同じ官能基との反応で ハフ。テン部位と蛋白を結合させるためには,二つのリンキング部位の反応性に差を持たせる ことが考えられる。このような活性化反応部位については,それぞれ単独の反応として基礎 研究を進めており,既にモデル実験で、アルコールやその他の求核剤との反応性が大きく異な
る活性部位の候補を見出だすことに成功している。
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)プロジェクト成果現時点では,基礎研究での十分なデータの蓄積を得ている段階で新規クロスリンカーの開 発に関しては未だ成功しておらず,プロジェクトの成果(特許,企業。技術移転等)を得る
には至っていない。
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)プロジェクト成果の応用・効果・構想11
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目的とした機能を有するクロスリンカーが開発されれば,その応用範囲は極めて広く,イ ムノアッセイへの応用や,糖・蛋白の生体ないでの挙動の解明など基礎医学的研究,及び医 療医学に与える影響は極めて大きいものと考えられる。
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)利用施設高分解能質量分析装置を利用した(頻度: