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Proposal of a Timetable Which Is Convenient for Transit Passengers in International Regular Airlines

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Academic year: 2021

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国際航空における乗継客の利便性を考慮した時刻表の提案

Proposal of a Timetable Which Is Convenient for Transit Passengers in International Regular Airlines

情報工学専攻 髙橋 莉里香

TAKAHASHI Ririka

要約:乗継客の利便性を考慮した時刻表を提案する.ま ず,航空時刻表をもとに時空間ネットワークを構築し,

航空旅客データを用いて時空間ネットワーク上で旅客の 移動を再現する.乗継客の利便性の指標を乗継時間の大 きさとし,乗継時間の総和が小さくなる時刻表を求める 問題を混合整数計画問題として定式化する.得られた解 から時刻表の提案を行い,実際の時刻表との比較を行う.

キーワード:航空,時刻表,時空間ネットワーク,旅客 流動,混合整数計画問題

1

序論

近年,航空旅客数の増加などにより航空輸送業界は新 たな局面を迎えている.このような状況に対応するため に航空ネットワークの拡充や空港の基盤整備などが必要 となり,それらの対策の一つとして航空時刻表の整備が 挙げられる.現在,運用されている航空時刻表は航空会 社,空港,国の機関により総合的に判断して作成されて いる.しかし,利用者側から見た現在の時刻表は必ずし も利用しやすいとは言えない.そこで,利用者,その中 でも空港で乗継を行って,出発空港から目的空港まで飛 行機を使って移動する乗継客に焦点を当て,乗継客が利 用しやすいフライトの出発時刻と到着時刻を考える.

本稿では,時刻表を用いて航空の時空間ネットワーク を構築する.さらに,国際航空旅客データを用いて,時 空間ネットワークの上で旅客流動を再現する.また,乗 継客の利便性の指標を乗継時間の大きさとし,乗継時間 の総和を小さくすることを考え,時刻表を求める問題を 混合整数計画問題として定式化する.問題を解くことに より得られる時刻表と実際の時刻表を比較することで,

乗継客にとって利便性の良い時刻表を提案する.

2

時空間ネットワーク

2.1 航空時刻表データと時差データ

時空間ネットワークを構築するためにOAGの航空時

刻表 [4] に含まれる発着空港,発着時刻のデータを用い る.また,世界の航空輸送を扱うために時差を考慮する 必要がある.そこで,時差データ [2] を用いることで,

タイムゾーンポリゴンの座標系列と各空港の経緯度から,

空港が含まれるポリゴンを求め,そのポリゴンの時差を 空港の時差とし,現地時刻と合わせてグリニッジ標準時 へと変換する.

2.2 航空の時空間ネットワークの構築

時空間ネットワークを構築するために [1] を参考にし て以下のノードとリンクを定義する.

 出発ノード:各空港における各フライトの出発

 到着ノード:各空港における各フライトの到着

 着発間リンク:空港に到着した経由便で次の出発を待つ 行動

 フライトリンク:飛行機で空港間を移動する行動

 待ちリンク:空港で次の飛行機を待つ行動

 乗継リンク:空港で別の飛行機へ乗り継ぐ行動 空間ネットワークに時間軸を設けて,これらのノード とリンクを用いて,時空間ネットワークへと拡張を行う と図

2.1

のようになる.

図2.1 時空間ネットワークへの拡張

2.3 構築した航空の時空間ネットワーク

構築した時空間ネットワークは図

2.2

のようになる.

ネットワークの規模は総ノード数が133,680,総リンク 数が191,425となる.

空間ネットワーク 時空間ネットワーク

:出発ノード

:到着ノード

:フライトリンク

:着発間リンク

A空港 B空港 C空港

時間

(2)

2

図2.2 世界の航空の時空間ネットワーク

3

旅客流動の再現 3.1 ODデータの作成

旅客の移動を再現するために,航空旅客データとして ICAOのOFOD統計 [3] の発着都市,旅客数を用いる.

この国際航空旅客データは都市間の年間旅客数であるの で,時空間ネットワークの上で旅客を流すために空港間 の時間あたりのODデータを作成する必要がある.

まず,都市間データの旅客数を空港間データへと割り 当てる.都市に存在する空港が1つのみの場合は,都市 の旅客数を空港の旅客数として扱う.一方,1つの都市に 複数の空港が存在する場合は,空港の発着フライト数と 空港に割り当てられる旅客数が比例するように都市間の 旅客数を空港へと割り当てる.このようにして,OFOD 統計の都市間の旅客数を空港間の旅客数へ割り当てる.

次に,旅客数の年間データを時間あたりのデータへ変 換する.はじめに,年間旅客数から1日あたりの平均旅 客数を求める.時刻表からは,1日のフライトの出発便の 時間分布を集計し,分布に従うように1日の旅客数を割 り振る.このようにして,年間旅客数および出発フライ ト数から時間あたりの旅客数を求める.

3.2 旅客流動の再現方法

時空間ネットワークは時刻ごとにノードを定義してい るため,目的空港に複数のノードが存在する.そこで,

目的空港のノードへ到着する旅客を空港に対応する新た なノードへと集約する.この新たなノードをシンクノー ドと定義し,2.3節の時空間ネットワークに付加する.

OD データを用いてシンクを付加した時空間ネットワ ークの上で旅客流動を再現する.ただし,旅客は出発空 港から目的空港までDijkstra法による最短時間経路を移 動すると仮定し,時空間ネットワークの上で旅客の移動

を再現する.

3.3 旅客流動の再現結果

旅客の移動を再現した結果, 1日あたりの実際の航空 旅客を約208万人と考えると,約50%を再現することが でき,これは入力したODデータの約60%にあたる.

また,時間ごとの移動旅客数を集計したものが図

3.1

である.旅客の出発時刻は0時から24時の間に設定した が,24時を超えても旅客が移動しており,60時になると すべての旅客が移動を終了することがわかる.

図3.1 時間あたりの移動旅客数

次に,各旅客が通る経路を調べ,乗継を行う空港や乗 継にかかる時間について考察を行う.空港別の乗継時間 の合計の上位10空港を表したものが図

3.2

である.横軸 はIATAの空港コードである.ヨーロッパの多くの空港 が乗継に利用されることがわかる.

図3.2 空港別の乗継時間の合計

4

乗継客の利便性を考慮した時刻表の提案 4.1 乗継客の利便性

本稿では,乗継便および経由便を利用する旅客を乗継 客と考える.そして,乗継客の利便性の指標として,出 発空港から目的空港へ移動する旅客が乗継空港において 乗継を行うときの乗継時間と考え,乗継時間が小さいほ

0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000

0 6 12 18 24 30 36 42 48 54 60 66

旅客数[人]

時刻[時]

0 100,000 200,000 300,000

アムステルダム フランクフルト シャルルドゴール ヒースロー オークランド スタンステッド ダブリン マドリード フィウミチーノ JFケネディ

乗継時間の合計[分]

空港名

時間

(3)

3

ど利便性が良い時刻表とする.

4.2 混合整数計画問題による定式化

時空間ネットワークにおけるフライトリンク,待ちリ ンク,空港の発着ノード,旅客の経路,経路ごとの旅客 数が与えられたときに,乗継客の利便性を向上させる時 刻表を求める問題を混合整数計画問題として定式化する.

4.3 仮定

定式化を行うにあたり,以下を仮定する.

(i) 乗継回数は1 回のみ行う.

(ii) 旅客の移動する経路は与えられる.

(iii) 旅客が乗継に失敗した場合は,予定の1つ遅いフラ

イトに必ず乗る.ただし,1つ遅いフライトが存在 しない場合は (iv) とする.

(iv) 旅客が乗継に失敗し,予定のフライトの1つ遅いフ

ライトに乗れず,目的空港に到達できないときのペ ナルティを与えるためにペナルティノードを定義 し,時空間ネットワークに付加して旅客を集める.

4.4 記号の定義

定式化を行うために以下の記号を定義する.

集合

𝐴𝑃𝑇:空港の集合.

𝐴𝑃𝑇𝑑𝑒𝑝:時空間ネットワークの出発ノードの集合.

𝐴𝑃𝑇𝑎𝑟𝑟:時空間ネットワークの到着ノードの集合.

𝑃:旅客の移動経路の集合.

𝐴𝑓𝑙𝑖𝑔ℎ𝑡:時空間ネットワークのフライトリンクの集合.

𝐴𝑤𝑎𝑖𝑡:時空間ネットワークの待ちリンクの集合.

𝐴𝑝𝑒𝑛𝑎𝑙𝑡𝑦:ペナルティリンクの集合.

与えられるもの

𝑝 = (𝑖𝑑𝑒𝑝, 𝑗𝑎𝑟𝑟, 𝑗𝑑𝑒𝑝, 𝑘𝑎𝑟𝑟), 𝑝 ∈ 𝑃:旅客の時空間ネッ トワーク上の経路.経路𝑝は,𝑖空港を出発し,𝑗空港で 乗継を行い,𝑘空港に到着する経路とする.

𝑤𝑝, 𝑝 ∈ 𝑃:経路𝑝を通る旅客数.

𝑇𝑖𝑗, 𝑖 ∈ 𝐴𝑃𝑇, 𝑗 ∈ 𝐴𝑃𝑇:空港𝑖から空港 𝑗への移動時間.

𝐶:最低乗継時間.

𝑊:目的空港へ到達できない旅客に対するペナルティ.

𝑠𝑗𝑑𝑒𝑝, 𝑗𝑑𝑒𝑝∈ 𝑝 ∈ 𝑃:経路𝑝の乗継空港𝑗における出発ノ ード𝑗𝑑𝑒𝑝の1 つ遅い出発ノード𝑗̃𝑑𝑒𝑝がペナルティノー

ドならば1,それ以外ならば0.

𝑀:十分大きな定数.

変数

𝑦𝑗𝑑𝑒𝑝, 𝑗𝑑𝑒𝑝∈ 𝐴𝑃𝑇𝑑𝑒𝑝:出発ノード𝑗𝑑𝑒𝑝の出発時刻.

𝑦𝑗𝑎𝑟𝑟, 𝑗𝑎𝑟𝑟∈ 𝐴𝑃𝑇𝑎𝑟𝑟:到着ノード𝑗𝑎𝑟𝑟の到着時刻.

𝑧𝑝, 𝑝 ∈ 𝑃:経路𝑝の乗継が予定通りならば0,乗継に失 敗したら1.

4.5 定式化

時刻表を求めるために以下の定式化を行う.

min. 𝑓 = ∑ 𝑤𝑝((𝑦𝑗𝑑𝑒𝑝− 𝑦𝑗𝑎𝑟𝑟)(1 − 𝑧𝑝)

𝑝∈𝑃

+ (𝑦𝑗̃𝑑𝑒𝑝− 𝑦𝑗𝑎𝑟𝑟)𝑧𝑝) + ∑ 𝑤𝑝𝑧𝑝𝑠𝑗𝑑𝑒𝑝𝑊

𝑝∈𝑃

(1)

s. t. 𝑦𝑗𝑎𝑟𝑟− 𝑦𝑖𝑑𝑒𝑝= 𝑇𝑖𝑗 ∀(𝑖, 𝑗) ∈ 𝐴𝑓𝑙𝑖𝑔ℎ𝑡, (2) 𝑦𝑖− 𝑦𝑗≤ 0 ∀(𝑖, 𝑗) ∈ 𝐴𝑤𝑎𝑖𝑡, (3)

−𝑀𝑧𝑝+ 𝑦𝑗𝑎𝑟𝑟− 𝑦𝑗𝑑𝑒𝑝+ 𝐶 ≤ 0 ∀𝑝 ∈ 𝑃, (4)

−𝑀(1 − 𝑧𝑝) + 𝑦𝑗𝑎𝑟𝑟− 𝑦𝑗̃𝑑𝑒𝑝+ 𝐶 ≤ 0 ∀𝑝 ∈ 𝑃, (5) 0 ≤ 𝑦𝑗𝑑𝑒𝑝≤ 4320 ∀𝑗𝑑𝑒𝑝∈ 𝐴𝑃𝑇𝑑𝑒𝑝, (6) 0 ≤ 𝑦𝑗𝑎𝑟𝑟≤ 4320 ∀𝑗𝑎𝑟𝑟∈ 𝐴𝑃𝑇𝑎𝑟𝑟, (7)

𝑧𝑝∈ {0, 1} ∀𝑝 ∈ 𝑃, (8)

𝑦𝑖− 𝑦𝑗≤ 0 ∀(𝑖, 𝑗) ∈ 𝐴𝑝𝑒𝑛𝑎𝑙𝑡𝑦, (9)

𝑠𝑗𝑑𝑒𝑝∈ {0, 1} ∀𝑝 ∈ 𝑃. (10)

各式の意味は以下のとおりである.ここで,時間の単 位は[分]とする.

(1) 式:すべての旅客の乗継時間の合計と旅客が目的空港 へ到達できない場合のペナルティを最小化する.(2) 式:

空港𝑖を出発して空港𝑗に到着するまでの時間は,空港間の 飛行時間と等しい.(3) 式:待ちリンクを構成するノード は並ぶ順番を守る.(4) 式:空港𝑗で乗継に成功する

(𝑧𝑝= 0)とき,出発ノードの時刻は到着ノードの時刻

よりも最低乗継時間𝐶以上大きい.(5) 式:空港𝑗で乗継に 失敗した(𝑧𝑝= 1)とき,予定していた出発ノードより も1つ遅い出発ノード𝑗̃𝑑𝑒𝑝の時刻は,到着ノードの時刻 よりも最低乗継時間𝐶以上大きい.(6) 式:出発ノードの 時刻𝑦𝑗𝑑𝑒𝑝は0以上4320以下の実数とする.(7) 式:到着 ノードの時刻𝑦𝑗𝑎𝑟𝑟は0以上4320以下の実数とする.(8) 式:𝑧𝑝は0-1変数である.(9) 式:ペナルティリンクを構 成するノードは並ぶ順番を守る.(10) 式:𝑠𝑗𝑑𝑒𝑝は0-1変 数である.

4.6 フライトの発着時刻に対する制約

フライトの発着時刻に対する制約を追加する.1つめは,

実際の時刻表におけるフライトの発着時刻から,そのフ ライトが属する時間帯を定め,その時間帯の中で発着時 刻を求めるものとする.時間帯は0時から6時間ごとに 区切ったものとする.この制約を加えて得られた時刻表

(4)

4

を提案Aとする.2つめに,時間帯の制約に加えてフラ イトの発着時刻の時間間隔を空ける制約を追加する.同 じ空港においてフライトの発着は必ず5分以上の間隔を 空けるものとする.この制約を加えて得られて時刻表を 提案Bとする.

5

実際の時刻表との比較 5.1 適用データの作成

成田国際空港(以下NRT)に絞ってデータを作成する.

ネットワークからNRTと日本の空港間またはNRTとア メリカの空港間を運航するフライトを抽出する.旅客の 経路からは3空港を経由する経路,NRTを乗継する経路 かつ出発空港と目的空港が日本またはアメリカの経路を 抽出する.

5.2 現在の時刻表との比較

4.5 節で定式化した問題から求めた時刻表と現在運用 されている時刻表を乗継客の利便性に関して比較する.

NRT を乗継空港とした場合のデータで求めた時刻表 の目的関数値と実際の総乗継時間を図

5.1

に示す.50経 路に対して実験を行った結果,NRTを乗継空港とした場 合のデータでは実際の時刻表での総乗継時間が30,885で あるのに対して,提案Aでの目的関数値は15,135と約 50%になり,提案Bでの目的関数値は21,524と約70%

になる.提案する時刻表では,実際と比べて総乗継時間 が小さくなり,乗継客の利便性は向上している.

図5.1 提案時刻表と実際の時刻表の総乗継時間

NRT を乗継空港とした場合のデータで求めた時刻表 の乗継空港における発着フライト数の時間分布を図

5.2

に示す.実際の時刻表と比べ,提案Aも提案Bも発着の ピーク時刻は近い.ピーク時の発着フライト数を比較す ると提案Aでは差がみられ,提案Bでは到着フライト数 に差がみられるが,出発フライト数はほぼ同じになった.

実際はピーク時刻の前後の時間にもフライトが分散して いるが,提案Aや提案Bの到着便ではピーク時刻のみに フライトが集中しており,空港の容量を考えるとやや多 くなっている.

図5.2 NRTにおける発着フライト数の分布

6

結論

本稿では,乗継客の利便性を向上させる航空時刻表の 提案を行うために,航空の時空間ネットワークを構築し,

航空旅客データを用いて旅客流動を再現した.旅客の移 動経路をもとに,旅客が乗継を行うときの乗継時間が小 さくなる時刻表の提案を行った.提案した時刻表は実際 と比べ,総乗継時間を減らすことができたが,ピーク時 の発着フライト数が分散するような制約を考慮する必要 がある.

謝辞

本稿を進めるにあたり,多大なるご指導,ご助言をい ただいた中央大学理工学部田口東教授に心より深く感謝 いたします.また,さまざまな場面で貴重なご助言をい ただいた中央大学理工学部鳥海重喜助教,高松瑞代助教 に心から感謝いたします.

参考文献

[1] 田口東,首都圏電車ネットワークに対する時間依存 通勤交通配分モデル,日本オペレーションズ・リサ ーチ学会和文論文誌,Vol.48,pp.85-108,2005.

[2] ADC WorldMap version 5.2,Time_Zone.

[3] International Civil Aviation Organization (ICAO),

Airline On-Flight Origin and Destination (OFOD).

[4] Official Airline Guide (OAG),2007年4 月から 2007年9月の航空時刻表データ.

0 10,000 20,000 30,000 40,000

10 20 30 40 50

総乗継時間

経路数

実際 提案A 提案B

0 10 20 30 40

10 12 14 16 18 20 22 24 2 4 6 8

フライト数

日本時間[時]

出発便(実際)

到着便(実際)

出発便(提案A)

到着便(提案A)

出発便(提案B)

到着便(提案B)

参照

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