U.D.C.624.21.037:624.012.46
エレクションタワーを用いた PC けたの架設
Pr e c a s tGi r de rEr e c t i o nbyEr e c t i o nTo we rSys t e m
川崎 芳昭*
Yoshiaki Kawasaki
富 国幸太郎 ***
Kotar° Miyazono
要 約
西松 建設技 報 VOL5/1982
遠 山 正義 **
Masayoshi Toyama
本報文は日本鉄道建 設公団札幌支社発注 による 「名羽 中の二股川B他工事」の内, PC けた径間31.3m, 3径間の架設 に関す る施工報告であ る。
現地 は,橋脚が15‑20mと高 く,両岸の傾斜 も急峻で,通常のエ レクシ ョンガーダ法(柄 使用架設法)や クレー ン方法 を使用で きなかったので,エ レクシ ョンタ ワーを現地 に建 て, 重義 80t,橋長32mのPCけfJを架設 した。
目 次
§1.は じめに
§2.工法の選 定
§3.施工概 要
§4.工程 及 び主要機材
§5.おわ りに
§1.はじめに
しんめい しiおまりない 名羽線 は羽幌線御 願沢を起点 として深 名線朱鞠 内駅 を
そうや J‑1 よろ
経 て宗谷本線 名寄駅 を終点 とす る延長約94kmの計画路線 で,現在,朱鞠 内,名寄問 は営業 中で羽 幌へ朱鞠内約51 km区間が建設中であ る。
現場 は, 日本海側か ら羽幌川,中の二
月
影吊餌 、に約30Fig‑1 名羽線計 画 図
RouteplanofMeinline
*札幌 (支)羽幌 (班)
**札幌 (支)羽幌 (也)係長
***札幌 (支)羽幌 (出)所長
km上流 にさかのぼった地点 にあ り,羽幌駅 か らの距自陣芸 は30km345m付近で あ る (Fig.‑1)0
現場 は道 内 における3大豪雪地葦の一つで,例年 の施 工可能期 間は, 6月初旬か ら10月未 の約5ヶ月で あ り8 月中旬以降 は雨天が多 く,稼働 日数 は低下 す る。
当社 の受注 した工 事 は次 の とお りで あ る。
企業先 :日本鉄道建 設公団札 幌支社 工事 名 :名羽 中の二股jHB他工事 請負食 :376,700,000円
1‑̲
事
場所 :北海道苫前郡羽幌町奥 羽幌Figr2は橋梁部の側面図及 び平面図であ る。既 設第8 二股 トンネル は途 中か らr‑500mのFul線形で計画 され, トンネル出口よ り1mの位置 に橋 台が構築済 みで, FPの 二股町の河床 までの高低差 は16mで,両岸の傾斜 は約1 割 の切 り立 った勾配 になってい る。
橋梁の断面 はFigr3に示す とお り3主 げた横締 め
,上
版 現場打 スラブ構 造で,橋 長32.06m(支間31.30m)3 径 間で あ る。
PCげたの諸元 は次 の とお りであ る。
型式 :ポ ス トテンシ ョン3主 げた 幅員 :5.45m
けた長 :32.06m けた高 :2.15m 重 量 :80t/本
PCケーブル :15本‑12¢7mm
現場‑の資材 の搬 入路 は林道 を経 由,途 中か ら既設路 盟 (27km465m)付 近を利用 した (Fig.‑4).
西松建設亨支報 VOL5 エレクションタワーを用いたPCけたの架設
Fig‑2 中の二股川橋梁
Nakanofutamatabridge
Fig‑3 PC桁断面図(3主 げた3遵 )
crosssectionbfPCgirder(3spans)
27km地点 と第8二股 トンネルの出 口までの途 中28km 900m
付
近に前年他業者にて施
工 した第2二月射り橋梁(126 m),第7二股 トンネル (既設380m)明 り部 (50m)及 び第8二股 トンネル (既設678m)を経て現場に至 る状況 で,他に資材運搬路はなかった。隻2. 工法の選定
2‑ 1 架設方法
pc桁の架設方法の選定に当っては,Table‑1のよう にクレーン,エ レクションガーダ,足場,エ レクション タワー方法の比較を行い "4''のエレクションタワー方 法を採用す ることとした。
Table‑1架設方法の検討
Comparisonoferectionmethods
方 法 検 討 事 項
1.クレ‑ン lクレーンの回送が不能(退路がない○)
3.足 場 4.エレクションタワー
河床
より椅繭までの高さが高く経済性に乏しい。やゝ
安全性で他の方法におとるが工法あり 、
如】何様にも対応する率ができる.製作ヤー ドは,運搬
距
離が1,300mと遠かったが,28kmェレクションタワーを用いたPCけたの架設 西松 建 設子支報 VOL 5
900m付近の前回のPCけた製作ヤー ド以外には適当な広 さの場所がな く, そこに選定せざるを得なかった。
2‑ 3 運搬方法
pcけたは1本当り重量約80t(長さ32m,高さ2・15m) もあるため運搬中における振軌 ねじれ,転倒防止及び 坑 口における引出 し等を考慮 して, トロ台車を用いて ト
ンわ レ(幅4.56m,高さ5.0m)内を運搬することとした。
台車の牽引はウインチによる方法 と,ディーゼル車の 利用 とを掴 融灸許 した結果,ディゼ‑ル車は他の資材の 運搬 にも利用で きる 観 場への搬入機材,資材は全てP
cげた製作ヤー ド付近 まで トラックで運搬 し, トロ台車 に積み替 え,現場 まで搬入 した)利点があるため後者に 決定 した。
§ 3. 施工概要
3‑ 1 PCけたの運搬ディーゼル機関車は,国鉄駅構内入替用の15t時 を倍
上げ活用 した。また,PCけた運搬の為,約1・3kmの区間 は30kg/m軌条を用い枕木は全て国鉄の払下品を利用 し て敷設 した。全線20/1000の登 り勾配の為,ディーゼル 機関車で直接台車を後押 しすることは避 け, トンか レ覆 工 に100m間隔でアンカを設け,台車前方のアンカに複 胴金率を取 り付 け,矧 こ減速させたワイヤを機 関車
で
後 方に牽引することによって台車を前方に走行させ る苅 表を取 り,100m毎に段取替 え
を
行いなが ら運搬 したo (Figr5)運搬作業
中軌
道 の補修 には注意 をしたが, レールの沈 千,枕木の圧絶 レールの曲が り等の トラブルが発生 したO運搬台車にPCけたを載せた状況はFig.‑6の とお り で運搬途中の転倒防止に留意 した。
3‑ 2 エレクションタワーの組立
ェ レクションタワー は,後方 タワー (No.1)と前方 タワー (Ⅳ0.2)を
1
組 として使用する。pcけたの架設は,次の順序で施工 した(Fig.‑7)0
52
Fig‑5 PC桁 トンネル内運搬要領図
PCgirderhaulingsystem intunnel
西松建 設 子支手短VOL 5
,声 二 ; rと き 誓 言 璽
IメlL一一HE ̲ ̲ JlLl 一 一 一 一 J十 事〜E 一 一
‑金物
ンカー◆O:LーO 30k台数しg/董ニ」「‡I】】Iillm・..ヒ 巧
二 ■ 二 / /
:廃i∴IF㌔】( 1 4 0 x
∴200× 2[100)oo、(
冨NFig‑6 PC桁 運搬 要領 図 (トンネ ル内)
PCgirderhaulingintunnel(crosssection)
(∋第1支間 (A1‑Pl間)
No.1タワー をAl上 に,No.2タワー をPl上 に建 てP cけたを第
1
支間に架設す る (Fig.‑7(1 ) 〜( 6 ) )
0②第2支間 (Pl〜P2間)
No.1タワー をPl上 に,No.2タワー をP2上 に建 てP Cけたを第2支間に架設す る。
③第3支間 (P2‑P3間)
No.1タワー をP2上 に,No,2タワー をP3上 に建 てP Cけたを第3支 間に架設す る。
次 に第1支間のPCけた架設の為のタワーの建込 につ いて説明す る。
エ レクシ ョンタワー は, 2基 とも分解 して現場 に搬 入 し,あ らか じめ設備 した坑 口前の踊場 を使用 し簡易索道 (簡索,2.8tfキャ リア付)を利用 して河川 敷 斜 面 に下 し 組立てた (Fig.‑7(1))0
簡索 は, タワーの組立て と操作用 ワイヤー 1)ングの整 備 に利用 し, その後,撤去 した。
Fig.‑7(2
)
〜7(5)は,第1支間のNo.1タワー,No.2タ ワーの建込順序 を図示 してい る。 斜面を利用 してNo.2 タワー を組 立て後,Plに添 えて引 き起 こす(Fig.‑7(2))。 斜面 を利 用 してNo.1タワー を組立 て,Al上 にNo,1 タワー を建込む (Fig.イ(3))oINo.2タワーの下端 に補助ブー ムを取 り付 け下端 をPl 上 に設置,補 助ブー ムを利 用 してNo.2タワー を連 込 む
(Fig.‑7(4
)
〜(6),Photo‑1)0エレクションタワーを用いたPCけたの架設
N=:1. (4)Nalクワ‑港定他 2タワー引き上げ
Fig‑7 タワー段取
Erectionprocedure
エ レクションタワーを用いたPCけたの架設
/き三ぺ.J=l11V
= ■ p
∴.十㌧.\\
Fig‑8 けf=架設アンカー、ウインチ配置図 Layoutoftowers,anchorsandwinches
Photo‑1 No.2タワーの媛込み Towerinstallation
Photo12 後方は台車 にのせた まま、PC桁先端 を吊 り上 げ前方 に送 り込む
Liftingandlaunchinggirderfrontwiththe girderrearonthewagon
Photo‑3 吊込 ワイヤー をPC桁後方 にもり替 え Shiftingliftingwiretogirderrear 54
‑=. ̀..・:.
西青史建 設言文毒EVOL5
Photo‑1 PC桁 をワイヤーで2点吊 2‑pointliftingofPCgirder
Photo‑5 PC桁の両端 を吊 り上 げ所定の位置にセ ッ トす る
Installinggirderinposition
タワーのエ レクションに使用す るウインチは全てPC けた掩上 げ架設用の ものを流用 した
。 稼
働 ウインチは, 7・5KW1台,20KWl台,22K畔1台,計 3台を対岸に
据付け流用 した
く Fi gr8 )
03‑ 3 PCけたの架設
( Fi g∴9 )
運搬 台車上 にあ るPCけたの先端④ を⑤ 及び④ を介 したワイヤで漸 汚りし,後方は台車 に乗せた ままG)‑㊨
‑① と引 き出す (Photo‑2)
0
PCけたの先端がNo.2タワーの近 くになるとNo.1タ ワーの吊 りワイヤをPCけた後方6)に もり替 え(Photo
‑3)pCけたを2点吊 りとした上で (Photo‑4)橋台及
西松廷設手支毒琵VOL 5
2設10牽プロ ソク
Fig‑9 けた架設
Erectionofgirder
び
橋姻
LLにPCけたを下す(Photo‑ 5 )
。 この間PCけた の後視④ には引 きワイヤを取 i用 一け前方への暴走 を制止 す る (Fig.‑9・2)0PCけたはFig.‑10の よ うに側 けたを咽頭 の中央部 に 下 した後, レバーブ ロック(3tf)を
用
いて横移動 を行 い, 左側,右側,中央 と取 り込み完了 した。設置 を完 了した3本のPCけたはPC
鋼
棒 (¢24mm)で
仮締 めを行った。3‑4
エ レクシ ョンクワ‑の移設第1支 間のPCけた架設完了後,エ レクシ ョンタワー のN0.1をAlよ りPlに,N0,2をPlよ りP2に移動 さ せ
る。作業順序 はFig∴川
1 ト
(3)に示す とお りで先づⅣ0. 1タ ワー をAlよ りPlに移動 させ,No.1タワー を利用 L てNo.2タワーの頭部 を吊 り上 げP2方向 に移軌 脚部 を P2上部 に載せた後,No.2タワー を立 ち上げ Fig.一日(3) の ような状態で準備 を完 了す る。3‑5
第2
支間及び第3
支間のPCけたの架設 エ レクションタワーの準fFtfY完了後第1支間の けた上 に 軌 条 を延長 し,Pl橋脚近 く迄PCけたを搬 入 L,第1支間のPCけた架設 と同様の
方
法で3
連 けたを架設す る。第3支 間のPCけたの架設及びェ レクションタワーの 移動 は, 第2支間に於 ける工程 を繰 り返 す。 第 3支 間の 作業修了後エ レクシ ョンタワー を橋 けた上 に倒 して解体,
エレクションタワーを用いたPCけたの架設
蔀ラは中央 に下 ろ した後、横移勤 を行 う。
i (
/ 購裂 夕
」 」十 ‑ ‑‑ 1 、
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∴ ゾ ;Lt ∴リ ーLI
」…L̲J i,̲」
Fig‑10 桁 は中央 に下 ろ した後、横移動 を行 うo
Aftersettlnggirderin.centreofpiertempora‑
1ily,movetorightposltlOn.
(1)Nalタワー をAlか らP2側 に移豹
一・ゝ1.」.JHテチチテンンンン/イイイイJワウワウ
(2日ぬ1ダウ‑を利用 して恥2タワー を吊 り上げP2方向に移勤
t33NQ2タワー真頚部 をP2上部 に範せ、立ち上 げる。
Fig‑11 タワー移設図 Movingtower
エレクションタワーを用いたPCけたの架設
i‑. を農 5 '7‑7 7声∋ 85… i
‑ ㌫
PC!一丁を1
EtI=Y ヽ
I■ ■
】
Fig‑12 全体案施工程
Constructionschedule
2JSl∴6臼8⊥UI42E6813告 0 汁的∵十
エ
手芸 ‑ 30O
梢取り 130
逐飽 【 】 700 300 I 13〔l 115 180 +1i+815
Fig‑13 実施サ イクルタイム(けた1本 当 りの架設平均サ イクルタイム)
Erectioncycletimepergirder(actual) 搬 出 した。
§ 4. 工程及び主要機材
全体工程 は,Fig.‑12の とお りであ る。PCけたをヤ ー ドか ら横取 りして台車 に載せ運搬 し,PCけたを架設 す るのに要 した標 準 的なサ イクル タイムは,Fig.‑13の
とお りであ る。
タワーの準備 は,第1回建込みが13日,移動 を各 々4 日,撤去 には7日を要 した。Table‑2にけた運搬 及びエ レクシ ョンタワー用機材 を示す。
§5. おわ りに
エ レクシ ョンタワー による架設 は,熟練 した職 人の不 足, アンカー位置の制限,工程等 に難点があ り
,
最 近で はあ ま り用 い られない方法で あ るが,今回の様 な地形的 条件の場所では有効 な方法であ る。率 い今回は,道 内に 機材の所有者があ り, それを借上 げる事がで き,熟練工の手配が付 いた事で李蛸 を工事 を完 了す る事がで きた。
施工 中,数 々の障害 に遭遇 したが,施主,本社及び支 店 の関係各位の笹酵旨導,御協 力を賜 わ り切 り抜 けられた 事 を深 く感謝致 します。
最後 に当現場 にて殉職 された紋前田勝彦氏 に深 い哀悼 意 を表 します。
56
西松建設枝幸琵VOL 5
Tab一e‑2ェ レクションタワー架設機材一覧表 Materialsandequipmentslistoferection
towersystem
tL,LJ. +, 寸 法 仕 梯 単位 衣 儒 者 1.横 取 り
台 6予備 2
上 用 ト200×90 秦 2
下用 h 6
≠75 個 100
レパ ブ ロ ック 3tf ム 4 運駁.爽 設漁)7】
個 4
台付 ワイヤ ¢16 本 4
式 2
サ ン ドル材 ゾヤ ツklfば二号琵L6‑12 1
授動 ウインチ ̀22kW i‑ ≦ 1
畿蕊 トロ リ SOtf 2
鉄ブ ロ ック 8■×3祁 書 2
≡ E6'×2非 2
】
≡ 6'× 1聯 2
ワイヤ ロ‑プ 巨¢14 m 一oo
喜4,14 喜 800
∃台付 ワイヤ 4,24 本 2
レ .一一 JL, 30k m 2,880≡t
枕 木 書 本 2.230
′色 一一 シ 】枚 600
Jモ ー..ル …30k用 jt i,360 ス パ イ キ ̲30k用 書 8,920
ワイヤ ロープ 喜lO¢ 喜 m 150
軌 力 率 妻デ イ‑ゼル機馴 i15tE喜 缶 1 .3.架 設
鋼 製 タ ワー ∃ 遊 2
∃Stロ‑プスピー ド149㍍..n】∃台 1 祖釦 ウインチ ヨ22kW
喜10'x1坤 喜 4
∃8一Xl坤 8
8'×33ri 4
喜6x24 184' ∃ 380Wl部 トラ 184,75mX4 】 300荊 トテ 材 38さ50mX4 ∃ 200級 トラ
16¢ 600タ ワー移助川
【 16¢ 400
q 24や 弓 300
E q 344, 200Eア ンか ‑川 他
12¢ 200
6×37 56や20m . 本 2 6×37 56¢ 5m 2 喜6×24 384.8.5m 9
24¢ 6m 2水 平 トラJR
〝 20や 5m ∃ 12
120¢ 個 2
書504, 】a 2
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ワイヤ ク リップ 38¢ 48≡⊆
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12¢19 +O
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