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薔薇茎蜂の研究 : 第一報 生活史及び習性

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Academic year: 2022

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(1)九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository. 薔薇茎蜂の研究 : 第一報. 生活史及び習性. 何, 國模 九州帝國大学農學部昆蟲學教室. https://doi.org/10.15017/20900 出版情報:九州帝國大學農學部學藝雜誌. 7 (2), pp.185-210, 1936-12. 九州帝國大學農學部 バージョン: 権利関係:.

(2) 薔 薇茎 第一報. 蜂 の 研 究 生活史及 び習性. 何. 國. 模. (昭 和十一年十一月四 日受理) (第 七 圓 版 附). 目 言186. 三. 卵 の 位 置1gS. 稽 .186. 四. 卵 の発育Ig8. 五. 卵. 六. 卵 の孵化 寧200. 緒 一. 名. 二茎. 次. 蜂 科 (Ceph idae) の生 態 の 研究 史186 布187. 期199. 三. 分. 四. 研 究 の範囲187. 五. 研 究 の 材 料 と方 法187. 一孵化200. 六. 加 害 概 況187. 二. 食JIAIと習'1生200. 三. 繭 腔 の 造 成201. 11.成. い幼蟲200. 錨188. 一. 朋 化 及 び 出 梢 状 態188. 四. 被 害 梢 の 噺 節201. 二. 交. 尾18g. 五. 各 齢幼蟲. 三. 産. 卵189. 四生殖191 五成蟲. の 食 性192. 六成蟲. の壽 命. 111.被. 害. 「g2. ネ銭lIg2. ・ 一. 被 害 梢 の 傷 勢 概 要192. 二. 内 部 傷 害 の 測 定193. 三. 外 部 傷 害 の 測 定194. 四. 薔 薇茎 裡 の 大 小 と幼蟲. の変化201. 六幼蟲. の 暦 時203. 七幼蟲. の 死 亡 率203. 八. 繭 の 大 き さ と雌 雄 の 關 係203. 九. 前蛹204. VI.蛹204 VII・. バ ラ ク キ バ チ の 生 活 年 史204. ‑一個体 二i935及 と の 關 係Ig7. の 各 態 経 過 に 要 す ろ時 間205 びIg36年. バ ラ ク キ バ チ発生 時 期 の 比 較206. 1V.卵Ig8 VIII・ ‑・ ・A産 卵. 摘. 要207. 卵 の 開 始 期198 1X.参. 二. 鍛lg8. 度輪岡にて の. 考文献208.

(3) 1.緒. 言. バ ラ クキバ チ(薔 薇茎 蜂)は 從 來福岡 縣 下 及 び 日本 各地 に於 て蕎 薇 の大 害 蝕 の 一 つ と して 世 人 に 知 られ て 屠 た が,今 迄 本 種 に就 いて 何 等 研 究発表 され た もの が な い標 で あ る。 著 者 は教授 江 崎 悌 三 博 士 の御 提 示 を受 け,本 種 の藤 岡 市近 傍 に於 け る被 害 の惨 酷 な るに鑑 み,1935年4月 よ り本 研 究 に 着 手 した 。 か くて 野生(主. εして福岡 市近 傍)及. び室 内 の両 観 1日 察 を綾行 し ほ. ぼ その 生 活 習 性 の 全貌 を明 か に し得 た の で,以 下 に少 し く研 究 結 果0)報 告 を な す こ と とし た。 本研 究途 行 に當 り九 州 帝 國大 學 農 學 部教授 理 學 博 士江 崎 悌 三先 生 に1ま始 終 御 懇 篤 な る御 指 導 を 賜 り,蜂 類 專 攻 家 安松 京 三 氏 に は 煩 累 を 顧 み ず文 献 に研 究 方法 に莫 大 な る御 助 力 を 與 へ られ た 。 叉 京 都 の竹 内吉 藏 氏 に は蜂 の種 名 の 同 定 を,九 州 帝 國大 學農 學 部昆 鹸 學 教 室藤 野政 雄 氏 に は写真 撮 影 の勢 を煩 は した。 班 に 同教 室堀 浩 氏 及 び 諸先 學 か らは懇 切 な る御援 助 を 添 うし た。 に記 して深 厚 な る謝 意 を表 す る。. 数 一 .名. 本種 は 膜 翅 目茎Hymenoptera. 蜂 科 Cephidae. 辮 の 一種 に して Neosyrista. similis. (MocsARv. バ ラ ク キバ チ(蕎 薇 輩 蜂)ε 縛 す 。 1896年 1918年 氏は. 氏 は本 種 に. McusARY. 松 村松 年 氏 は本 種 を. Syrista. similis. CefiIaus subrufa. ε云 ふ 學 名 を與 へ,初. な る新 種 と して 再 び記 載 し た。1935年. な る新 厨 を 設 け,そ の模 式種 として Neosyrista. Neosvrista 、. め て記 載 した 。其 の 後. japonica. BENSON. な る新 種 を記 載 せ. る も,之 亦 本 種 と同種 な り εす 。 從 つ て 本種 は Neosyrista similis (MocsARv) と稔 すべ き も の とす 。 1896. Syrista. similis. MocsARv. 1918. C,efihus subrufa. 1932. C. subru f us MATSUMURA. 1935. Neosyrista. MATSUMURA. ja fiouica BENSON 二.茎. 蜂 科 (Cephidae) の 生 態 の研 究 史. バ ラ クキ バ チの生 態 に就 い て は從 來 何 等 研 究発表 され た もの が な い様 で あ るが,茎 蜂科 中 の 他 の厨 の数種 の 生 活 史 及 び習 性 は バ ラ クキ バ チに 近似 す る所 が 多 い 故,そ れ らσ)生態 研 究 史 に 就 い て 一 二從 來 の知 見 を示 す 。 1923年. N.. GRIDDLE. 氏 は Manitoba (Canada). に て小 夢 の害蟲. Ceblaus cinctus. Nox'r,. の生. 活 習 性 を 調 査 し発表 し た が(加 害 作 物 は禾 穀類 で特 に小 夢 が惨 害 を受 け る)こ れ が本 科 の生 態.

(4) を詳 細 に 研 究 せ る最 古 の文 献 ε思 は れ る。 其 の 後1925年. に は岡 本 孚次 郎,村 松 茂両 氏 は朝 鮮 の梨茎 蜂 Janus piri. の 研 究 を,翌1926年. には. D.. 氏 は小 夢 の茎 蜂 Cephus pygmaeus (LINNAEUS)の 研 究 を. T. RIES. した 。 後 者 は 欧 洲 及 び北 米 に廣 く分 布 して 居 て,そ Chess. OKAMOTO et MURAMATSU. の 加 害 作 物 は小 夢 ・裸 夢 ・ラ イ 夢 発表 及. の 一種 で,オ ー ト夢 に は 害 が な い。. 更 に1929年 japonicus. に は 名古 屋 税 關 支署 の 野 依 力 ・ 小 寺 專 讃両 氏 は珊 瑚 樹 の害 蝕 モ ン ク キバ チ. Janus. SATOに就 い て その生 活 史 を 調 べ た。その 生 活習 性 は バ ラ ク キバ チ と殆 ♂同様 で あ る。. 叉 最 近 の 研究 と して は1931年. の G. SALT 氏 の 英 國 に 於 け る Cephus pygmaeus. LINNAEUSの寄. 生 贔 に 關 す る論 文 中 に も少 し く生 態 に 就 いて 論 及 して あ る 。 三.分. 布. 本種 の 已 知 の分 布 地 は殆 と 日本 全 土 に瓦 り,北 海 道 ・本 州(播 磨 ・京都)九. 州に分布す。殊 に. 市 近 傍 に於 け る被 害 は惨 状 を 呈 し,薔 薇 の最 も重 要 な る害蟲 の 一 に数 へ られ る。. 福岡. 叉 著 者 は 六 月 の 中旬 頃 中華 民 國 の 南 京 に て も本種 の幼蟲 を採集 し た。 未 だ成蟲 を 得 て ゐ な い が,幼蟲. の 形 態 は 日本 産 の もの と全 く一致 す るを 以 て,本 種 は 中 華 民 國 に も産 す る もの と見 倣. して 良 い と思 ふ 。 四,研. 究. の範囲. 本 研 究 は バ ラ クキ バ チの害蟲 として の 重 要 性 を 明 か に し,且 そ の騙 除 豫 防 法 の 完 成 を 圖 るの を 以 て 目 的 とす る も の で,そ の生 態 ・形 態 及 び天 敵 の 三 部分 に渉 る もの で あ る が形 態 と天 敵 の に就 い て は第 二 報 以 下 に発表 す る豫 定 で,薙 に は 唯 生 態 に 就 いて 報 告 す る。 五,研. 究 の 材 料. 両者. と 方 法. 研究 用 の 材 料 は圭 εして福岡 市外 箱 崎 町 附近 に於 て採 集 した もの で,そ. の 中 に は 品種 の 相 違. せ る薔 薇 も あ る が,其 の寄 生 を 受 け た場 合 の被 害 状 態 は殆 さ 一様 で あ る。 研 究 に當 つ て は 野外 の観 察 を 行 ふ と同時 に結 果 の 正 確 を期 す る爲 に室 両 内飼 育 を も行 つ た 。 特 に数 個 の薔 薇 鉢 植 及 び大 型 寒 冷 紗 椎 を備 へ て産 卵 等 の 行動 の 観 察 に便 宜 を得 た 。 六,加. 害. 概. 況. バ ラ ク キバ チは 一 年 唯 一世 代 を経 過 す る もの で,そ の成蟲 期 の数 日間 を 除 く,殆 と一・ 箇年間 を 薔 薇 の茎の 内に て過 す 。福岡市 附近 に於 い て は雌 蜂 は春4月 下 旬 頃 出現 し,特 に 薔 薇 の 太 き新 棺 に産 卵 器 を 以 て 傷 を 與 へ る爲 に,間. も な く被 害 新 梢 は垂 れ て垂 下 す る。卵 は 一 本 の茎の 中 に. 僅 か に一 つ 宛 産 附 され るの で あ るが,そ. め鋸 害 され る部 分 は 各新 梢 に 於 て常 に6,7箇. 虜 を数 へ.

(5) る。 その 爲 に 被 害 梢 は 汁 液 の上 昇 す る 通路 を遮 断 せ られ,途 に麥 凋 乾 枯 す る に至 る。 卵 は茎 内の 髄 部 に産 まれ,数. 日に し. て孵化 す る。幼蟲 は 最 初茎 内を茎の 先 端 に 向 つ て 喰 害 し,間 もな く方 向 を転 じ,茎の. 基 部 に 向 つ て 進 む 。幼蟲 は外. 部皮層 を 残 し,茎の. 中央 部 を 全部 喰 害. し,爲 に生 じ た室 所 に は 糞 粒 が充 満 し て 居 るが,か か る喰 害 の 結 果 と して被 害梢 は 完 全 に 乾 枯 の状 態 に陪 る。 は6月 中 旬 頃 十 分 成 熟 し,管 幼蟲 繭 Fig.1パ. ラ ク キバ チに よ る パ ラの 新 梢 の 被 害 状 態. 越 多 の 準 備 に移 る。最 初 に特 に 口器 で. 傷 口 附近 の虎 の 皮 膚 を咬 ん で,皮 膚 を 薄 くす る ε,そ の部 分 よ り先 端 は 自然 に折 れ 脱 落 す る似 そ して 該 切 断 口 の 部 分 は 之 を 糞 粒 で 墳対し,此. の部 分 が翌 春 羽 化 す る時 の 脱 出 の通 路 とな る。. は 其 の 下 に繭 を作 つ て蟄 居 し,休 眠 状 態 に 入 る。 か くして翌 春31s月下旬 に 至 つ て 初 めて 嫡 幼蟲 化 し,4月 下 旬 に 羽 化 し,薔 薇 に 加 害 す るに至 る。 北 九 州 地 方 に於 て は此 の バ ラ クキ バ チの被 害 は 相當 に大 な る もの で あ つ で,園 藝 家 に は 既 に 早 くか ら注 目 され て 居 た 。 これ が騙 除 に當 つ て は 親 蜂 の捕 殺 ε被 害梢 の勇 定 等 に よ る外 な く, 特 に 野外 に 自生 す る ノ イバ ラに もよ く寄 生 す る爲 に,バ. ラの栽 培 地 附 近 に ノ イバ ラの 存 す る事. は 防 除 の効 を 著 し く減 退 させ る もの で あ る。 II.成蟲 一.羽. 化 及 び 出 梢 状 態. は4月 中旬 乃至 下 旬 に羽 化 す る が,一 般昆蟲 類 に於 け る 成蟲 と同様 に雄 蜂 は雌 蜂 よ り も早 く 出 現 す る。 即 ち著 者 は4月15日. 頃 既 に 雄 蜂 が 薔 薇 叢 間 に 飛 翔 して 居 るの を見 た が,雌 蜂 は 同 月. 20日 頃 に 至 り初 めて その姿 を認 め得 た。成蟲 は茎 内に て 完 全 にM化. し,枝 梢 よ り脱 出す る に際. して は 先 づ そ の薄 繭 の頭 部 に接 せ る一 部 分 を破 り,次 に糞 粒 で 填 塞 した 出 口の 壁 を 次第 に 咬 み 破 る。 此 の 仕 事に 約6‑7分. 間 を費 す が,脱 出 す れ ば 直 に 脱 糞 して飛 翔 を試 み る。飛 翔 姿 態 は敦. れ も頭 尾 を塞 げ,從 つ て 腹 部 基 部 は割 合 に下 方 に位 置 す る。雌 蜂 は勿 化 後2日 間 位 を 経 て 産 卵.

(6) を 開始 す る。 二,交 昨1935年. 尾. に は バ ラ ク キバ チの交 尾 行 動 を観 察 す る爲 に5鉢 の 薔薇 を 用 意 して,之 を セ ロ フ ア. ン紙 に て覆 ひ,實 験 室 にて 随 時 に観 察 を試 み たが,此 の 方 法 は 不 適 當 で あつ て,失 敗 に蹄 した 。 今 年(1936)は 大 型 寒 冷 紗 椎 をi採用し,室 外 に て實 験 を行 つ た。 即 ち羽 化 直 後 の雌 雄 蜂 を 其 の 中 に放 飼 し,自 由 に交 尾 と産 卵 とを なす 機 會 を 與 へ た 。其 の結 果 は非 常 に好 成 績 で あつ て,放 飼 の 常 日は天 氣 良好 とな つ た爲. 雌 雄 は間 もな く交 尾 を な し,而 も一 回 の み な らず短 時 間 内に 於. て 数 回 の交 尾 を な す もの もあつ た。 一 一 一 一回 の 交 尾 を なす に要 す る時 間 は約2‑3分. で あ つ た。. 尚 未 だ 交 尾 を し な い慮 女 蜂 に して,羽 化 當 日に既に 産 卵 行 動 を なす もの が あ り,そ の鋸 害 に 要 す る時 醐 とそ の 方 法 とは 交 尾 し た 癒の に於 け るの と何 等 の 相違 を認 めな か つ た。 交 尾 の 方式. 虞 女 蜂 は薔 薇 叢 間 を飛 翔 す る時 に 雄 蜂 の追 求 行 動 を爽 見 す れ ば 葉 面 に 止 り,雄. の行 動 に対し 少 し も拒 絶 せ ず,直 ちに 交 尾 目 的を 達 す る。茎 蜂 の交 尾 方 式 は バ ツ タ(蛙)の. 交. 尾 方式 と全 く同 じ,即 ち雄 蜂 は雌 蜂 の 背 上 に 乗 り,そ の 尾 端 を雌体 の側 下 方 に 曲 げて,之 を雌 器 に接 合 す る。 一回 の交 尾 を終 へ て 後 直 に産 卵 す る もの も あ る し,叉 時 に は 二 回 或 は三 回 の 交 '、. 尾 を行 ふ もの も あ る。 然 し此 の時 の雌 蜂 は拒 否 の 態 度 を 示 す もの の様 で あ る。 三,産 産卵場所 の選定 梢 は,幼蟲. 卵. 雌 蜂 は産 卵 に 當 り,先 づ 當年 の 新 梢 を 選 定 す るが,そ の最 も理 想 とす る枝. に食 料 を 不足 な く供 給 し得 る程 度 に 伸 長 せ るの で な けれ ば な らぬ 。越 年 せ る(昨 年. の)老 枝 或 は新 梢 と錐 も比 較 的細 く硬 化 し た もの 叉 は他 の 蜂 の 一 度 産 卵 した茎 に は決 して産 卵 しな い様 で あ る 。其 の 選 定 は甚 だ敏 速 で あつ て,一,二 回 上 下 に 俳 徊 す るや 直 ちに適 當 な る産 卵 場 所 を決 定 し,次 に そ の茎 に鋸 状 産 卵 器 を 以 て 数箇 所 の 傷 を 與 へ る。 其 の選 定 し た茎の 直径 は 通 常6mm.位,最 産 卵 の状 況. 大11・5mm・. 最 小3mm・. 位 で あ る。. 雌 蜂 が鋸 害 す るに當 つ て は常 に茎の 基 方 に向 つ て 位 置 し,尾 端 を梢 面 に接 近 し,. 其 の下 方 に 位 す る鋸 状 産 卵 器 を茎の 内部 に 挿 入 す る,そ の爲 に上 方 に位 す る保 護 器 は それ か ら 次 第 に分 離 す る。 その 仕 事o)激 し き時 に は 保護 器 と産卵 器 との なす 角 度 が常 に鈍 角 を 呈 す 。 被 害 梢 は 之 を精 楡 す る に いつ れ の傷 痕 も茎の 髄 部 に深 く達 す る。 故 に 産 卵 器 の挿 入 す る深 両 度 は茎の 太 さに 依 つ て 異 り,一 ・ 般 に は茎の 太 い もの で は そ の挿 入 程 度 が深 く,殆 さ産 卵 器 の 全 部 を茎 中 に埋 浸 す るが,茎の 細 い の で は産 卵 管 の半分 を も容 れ な い もの も あ る。 尚 鋸 害 す る間 は触角 を振 動 させ て産 卵 管 を 絶 え ず左 右 に動 か して之 を挿 入 す る事 に專 念 し,.

(7) 外 部 よ りの 僅 か の刺 戟 や 異性 の 誘 引 が あつ て も何 等 の反応 を も示 さな い 。 一箇 所 の傷 痕 は産 卵 器 の挿 入 孔 の両 側 に各 一つ の 牛 圓 形 を な して形 成 せ られ,之 の完 成 に 要 す る時 間 は韮 の大 な る もの に て は約4‑7分,小. な る もの に て は 約2・一一4分で あ る。 加 害 の 動 作 は挿 入 孔 の 各側 毎 に 別. 々 に行 は れ,片 側 の 傷 が 出 來 る と産 卵 器 の大 部 分 は 一 時茎 中 よ り引 出 され,分 離 し た保護 器 と 合 せ,殆. ん さ李 時 の姿 勢 に も♂ り,暫 時 に して 更 に 他 側 の 載 鋸 に移 る。 一箇 所 の 傷痕 を 與 へ終. れ ば雌 蜂 は 方 向 を 輻 換 し て茎の 先 端 の 方 向 に 進 み,第 二 の場所 を 探 ね,適 當 の場所 を 選 定 す れ ば 更 に 方 向 を 韓 換 して,茎の. 基 方 に髄 を 向 け第 二 傷 を 奥 へ る。 か くして 順 次 に 第 三 第 四 と加 害. す るが,最 後即ち茎の 先 端 に最 も近 い 一 傷 に は卵 を 産 附 す る故,此. の場合 の み は そ の鋸 害 は 三. つ の段 階 に分 け られ る,即ち 先 づ 左 右 の鋸 害 を行 ひ,更 に その 中 央 部 に卵 腔 を作 る。此 の 最 後 の左 右鋸 害 は 他 の場合 よ りも幾 分 入 念 で な い の で所 要 時 間 も少 い 。然 し第 三 段 階 の産 卵 腔 の 作 製 及 び産 卵 に 要 す る時 間 は 比 較 的 に 長 く,雌 蜂 は最 後 に 瞬時 全 く静 止 し,触角. の振 動 を も中 止. す る。 此 の 時 に恐 ら く産 卵 が 行 は れ る もの と思 ふ。 蜂 の鋸 害 順 序 は常 に下 方 よ り上 方 へ 向 つ て 行 は 茎れ る も鋸 害 の傷 痕 は決 して 同一 直 線 上 に は 存 し な い。 各 傷 痕 は 螺 旋 上 に 排 列 す 。 鋸 害の所要時間. 雌 蜂 の鋸 害 す る茎の 太 さ及 び硬 さに依 つ て その 所 要 時 間 が 一定 しな い 。大. 燈 に 於 て茎の 細 く軟 か い もの で は 太 く硬 い もの よ り も所 要 時 間 が 短 い。 次 に詳 細 な測 定 を例 示 す るρ 第1表 雌 蜂 の鋸 害 す る1二要 す る時 間(時. 間単位 は分).

(8) 上 表 中 各段 階 に 分 け ず 示 した鋸 害 所 要 時 間 は 左 及 び右 の鋸 害 を夫 々区 別 して 観 察 出 來 な か つ た場合 を 指 す 。從 つ て 普 通 は 左 右 鋸 害 所 要 時 間 の合 計 で あ り,最 後 の 場 合 に は 更 に 之 に 産卵 に 要 した 時 間 を も含 ま し め る もので あ る。此 の表 に依 つ て最 後 の 傷 害 且 産 卵 を なす に要 す る時 間 の 相 當 に大 な る こ とを 知 る。両 鋸 害段 階 の 順 序 即 ち左 よ り先 に鋸 害 す るか,或 は 右 よ り先 に な す か は,こ れ を 外 部 よ り観 察 す る こ とは 不 可能 で あ る,、 次 に か くの 如 く多 くの鋸 害 を な す こ とに 就 いて 考察 す る, 被 害 梢 は その 四 周 を鋸 害 され る爲 に樹 液 のh昇 を遮 断 され,其o)上. 方 は麥 れ る。即ち 髄 中 に. あ る卵 或 は幼蟲 は液 汁 過 多 に よ る溺 死 を免 か れ る事 が 出來 る。 か か る習 性 は 歓洲 産 の. Ce 5/ius. が産 卵 す る時 に 多 量 の水 分 を含 ん で 居 る麥 稗 に産 卵 し な い こ と と同様 の (LINNAEUS). /ygmaeus. 適 懸 ε見 られ る と思 ふ 。 一雌 の産 卵 激. 雌 蜂 が 一茎 に唯 一 つ の卵 を産 むσ)は既 知 の 事 實 で あ るが ,一 雌 の 産 卵数 を 知. る こ ごは種 々の 困 難 が あ るの で 出 來 な かつ た。 著 者 の観 察 に よれ ば 一 短 時 間 内に 一匹 の雌 蜂 は して 三 箇 の 卵 を産 下 し た こ とが あ る。両1925年 5iri. 岡 本 牛 訳 郎,村 松 茂両 氏 は 同科 の Janus連続. の産 卵 激 に 就 いて 次 の如 く述 べ て 層 晋る○ " A. of time, periods a single. single after of. egg. is laid. in each. shoot , and. none. are laid. for. which. oviposition. female. range. may from. recur. 8 or. 2 or 3 days,. 2 to 4 times,. thus. 9. may. the. be. process. making. deposited then. the. total. in a short. being. repeated.. number. of. period These. eggs. from. 16 to 36.". 即ち一つ の 雌 蜂 は 一本 の 華 の 中 に 僅 か に 一 の卵 を産 附 す る もの で ,此 の 習 性 は バ ラ クキ バ チ に於 け る ε同 じで あ る。' 産 卵S氣. 候. 雌 蜂 の 出現 す る時 期 は福岡 縣 下 に 於 て は4月 下 旬 乃至5月 上 旬 頃 で あつ て,九. 州 帝 國 大 學 農 學部 氣 象 學 教 室 に 於 て測 定 した そ の期 間 の氣 温 は平均15・1。C・ 最 高21・3。C・最 低10.5。C.平均. の濕度 は74.09%で. あ る。 産 卵 す るに適 せ る環 境 は風 少 く暖 か な る 日中で,常. に晴 天 の毎Fl午 前 十時 乃 至 午 後 三 時 頃 が最 も盛 ん な 活動 を す る時 刻 で あ る。 そ の詳 細 な氣 象 測 定 は 文 末 第14表 被 害 の植 物. を 参 照 せ られ た し。 著 者 及 び 園藝 當 事 者 等 の福岡 縣 に 於 け る調 査 に よれ ば バ ラ ク キバ チは蕎 薇 の み. を害 す るが,1918年. Cephu.s subrufa 松 村 松 年 博 士 は本 種 に(和. 名 ナ カ ァ カ ム ギバ チ)な る學. 名與 へ,禾 本 科 植 物 を加 害 す る と記 され た 。 これ は 本種 の 所属 を 誤 り,且 想 像 に よつ て か く述 へこられ た もの で あ ら う。 四.生. 殖.

(9) 著 者 の 實験 に よれ ば薔 薇茎 峰 は 軍性 生殖 を 行 ふ こ と も出 來 る様 で あ る。 即 ち慮 女 蜂 を 野外 飼 育 箱 に 放 飼 した る に勿 化 當 日翌 日に産 卵 行動 が 起 り,そ の 後数 日間 を経 へ,又 被 害 梢 を 検 査 し た 結 果 産 付 した卵 が皆発育 して 幼蟲 に なつ た 。 五,成蟲. の. 食. 性. 野外 に 於 て成蟲 の 概 食 す る もの は薔 薇 梢 端 の徽 芽 の養 液 で あつ て,此 種 の行 動 は特 に雌 蜂o) 毎 回 の 産 卵 終 了後 に見 られ る。然 し著 者 は 實験 室 に て蜜 汁 を 與 へ て も雌 雄 蜂 共 に これ を摂取 し た こ とが あ る。 六.成. 巌. の. 壽. 命. 實 験 した結 果 に よれ ば雌 の 壽 命 は雄 蜂 よ りも長 い。即ち 雌 の 長 命 な る 者 は約15H間. 生 存 し,. 短 命 な る者 は6日 間生 活 し た(両 庭 女 蜂 は交 尾 峰 よ りも長 い らし い)。 雄 の 長 命 な る者 は約7日, 短 命 な る者 は 唯5日 間位 生 存 した に過 ぎな い。 第2表 雌 雄 別. 雌雄 蜂 の壽 命比 較 表 備. 生 活 期 間. 考. ♀15日. 塵. 女. 蜂. ♀8日. 虜. 女. 蜂. ?9日. 交. 尾. 蜂. ♀6日. 交. 尾. 蜂. 67日 67日 65日. 皿.被 一,被 皮層部 の傷 害. 害. 梢. 害 梢 の 傷 勢 概 要. バ ラ クキ バ チに鋸 害 せ られ た梢 部 を 検 べ て 見 る と産 卵 器 に依 つ て傷 け られ た. 樹 梢 の 表 皮 に は5,6簡 所 の 暗 褐 色の 縦 縫 が発見 せ られ る。一 つ の縦 縫 の長 さは約0.8mm・. でs‑‑4. 定 の排 列 を して 居 な い が,各 傷 口 を連 綾 す れ ば螺 旋 上 に配 列 して 居 る様 で あ る 。 木 質 部 及髄 部 の傷 害. 次 は皮層 部 を 剥 除 す れ ば木 質 部 の上 に5,6箇. る。 此 の傷 痕 は皮層 の 直 下 に あつ て,互. のw}伏 の 傷 痕 が現 は れ. に連接 し,且 髄 部 に 深 入 して 居 る。 即 ち鋸 状 産 卵 器 に. よつ て 左 右 に横 戴 せ られf爲 で あ る。 唯 木 質 部 の 表 面 に依 つ て見 る と基 部 に近 い数 傷 の み そo) 傷 痕 が割 合 に顯 著 で,最 先 端 の 一 傷 は顯 著 で な い 。卵 は 丁 度此 の最 先 端 の 傷 の 直 下 の 髄 部 内 に 産 まれ る。髄 部 は雌 蜂 の鋸 状 産 卵 管 の歴 力 に よ り,一 つ の卵 を容 れ る小 窩 を 形 成 して,其 の 附 近 の体質 は間 もな く乾涸 す るが,基 部 に 近 い数 傷 は唯 横 戴 され た ば か りで,体 質 に多 大 な変化.

(10) を起 さ な い。 小 窩 の部 分 は 普 麺 の体質 とその構 造 を 異 に し,強 靱 で あつ て,此 れ は雌 蜂 か産 卵 に 常 つ て 或 種 の液体 を 分 泌 す る結 果 に よ るの で は な い か と思 はれ る。小 窩 は髄 部 の正 中 部 に位 し,貝 殻 形 を な し,そ の 内面 は平滑 で卵 を 包藏 す る。卵 は 此 の 窩 中 の位 置 に す るが,茎の 縦 軸 と或 角 度 を な し,頭 端 は茎の 先 端 の 方 に 向 つ て 居 る。鰐 化 した幼蟲 は殻 を 出 で 先 端 に向 つ て喰 害 す る。新 梢 は鋸 害 を受 け て,上 昇 樹 液 の 通 路 を遮 断 され る爲 に,翌. 日に. な る ε上 部 の幼 轍 部 分 は次 第 に垂麥 す るに 至 る。 二,内. 部 傷 害 の 測 定. 木 質 部 傷 害 部 位 の測 定. 木 質 部 に存 す る一 箇 所 の 傷 痕. は前 述 の 如 く,産 卵 器 の挿 入 孔 の両 側 に 各 … の 牛 圓形 を な して形 成 せ られ る が,そ の 傷痕 を 圖 の 如 き方 法 に よつ て,そ の 幅 と高 さ εを測 定 しf。 部 ち10例 で は傷 痕 の 高 さはlmm・. に就 いて の. 傷 の幅 は5・4mm・. で あつ 平均. 汁 液 の 通過 を 妨 げ られ れ 部 分, E・ 卵,P・ 髄 部 ・X・ 木 質 部. て,大体 各梢 に 於 け る相 違 は非 常 に小 さい 。. Fig.3.. 一箇 所 の傷 痕 の 模 式 圖. 0・ 産 卵 孔・W・ 傷 の幅,h・. 一梢 上 の 傷痕 数 及 び卵数. Fig・2・ 初 期 被 害梢 の縫 噺 面 D・ 産 卵 管 に よ り傷 害 ぜ られ 爲 に. 左 叉 は 右 の 牛 圓形 傷 痕 の 高 さ. 傷 痕 の数 は 一一 定 しな い が,大 概 一 の 梢 には5,6箇. 傷 口 の あ る もの. が普 通 で あ る。 多 い場 合 に は7β 僑 所 に達 す る が,少 い時 に は3・4箇 傷 を認 め得 るに過 ぎ ず,特 に3箇 傷 の場 合 に は卵 の 存 在 し な かつ た 事 もあ る。倫 著 者 は 同 一 の梢 上 に傷 痕 が2組 あ つ て,各 組 毎 に7箇 所 の 傷 痕0)あ る もの を観 察 した が,此 れ は2頭 の雌 蜂 の加 害 し た結 果 と考 へ る。 術 或 時 は1組 の 傷 痕 中 の最 ヒの2傷 に 各一 つ づ つ の卵 を発見 した場合 もあつ た 。 叉傷 痕数 の 多 少 と茎径 の大 小 と0)關 係 は 第3表 0)な らば そ の 傷痕 の数 も多 く,之 に 反 してN・. に依 つ て 容 易 に知 られ る。21Jち茎径 の大 な も. ・1,N・・2等 の 如 く茎径 が小 い もの で は 傷痕 の. 数 も比 較 的 に少 い 。 この 理 由 を 考 察 す る に そ の水 分 上 昇 の経 路 を 隔 維 す るに 十 分 な る工 作 を す る爲 ε思 は れ るo.

(11) 三,外 傷区 の 長 さ此処. に指 す 長 さ とは最 下 か ら最 上 の 一 傷 迄 の 長 さで,著 者 は傷 梢 に よつ て 測 量. し た結 果 は最 短12mm.最 侮 第3表. 都 傷 害 の 測 定. 長38mm・17例. の平均23・5mm・. で あ る。. に 依 つ て 見 れ ば その 韮 径 の 小 い もの 或 は傷数 の少 な い もの が 必 ず し も傷 画 が 短 い と. は限 らな い6こ れ は風 力 に依 つ て折 れ る虞 を 少 か ら しめ る爲 の適応 と思 は れ るし. 第3表 傷茎番號. 最 下 の 一傷 か ら 傷区 の 長 さ 梢 端 に至 ろ長 さ. 傷茎の半径. 薬上の傷数. Fig.4.. 各傷 口間の距離測定 の 模式圖. 次 に 傷 口 間 の距 離 を 知 る爲 に傷 痕 の縦 距(h)及 Fig.4.の. 雌 峰 は先 づOに. 鋸 害 し,次. し,か か る規 定 の下 に両 脚 規 す る。. 模 式 圖 中 に 示 した様 に定 め れ ば 第4表. に斜 上 に進 み,0ノ. (divider). に鋸 害 を な し,更. び 横 距(w)を の 如 くで あ る。. に0ノ'へS進. に て 相 隣 れ る傷 口間 の横 距(w)及. む こと と. び縦 距(h)を. 測定.

(12) 第4表 No.1. No.2. No.3. No.4'. No.5. No.6. 上 表 に依 つ て 見 る とそ の傷 口 の縦 横 間 の距 離 の 差 は 共 に 小 さ く,其 の配 列 は非 常 に集 中 の 傾 向 を 示 して 居 る。 其 の 理 由 は根 部 か ら上 昇水 分 を 断 絶 し易 い爲 と思 は れ る。 傷痕 の 排 列. 雌 蜂 は樹 梢 を め ぐつ て,之 を 傷 け鋸 害 す る習 性 が あ り,其 の 上 行 の 方 向 に 依 つ.

(13) て,左 旋 及 び右 旋 の 二種 の 旋 廻 方式 が 出 來 る。 郎 一茎 上 に鋸 害 す る時 に は 右 旋鋸 害 す る もの は 常 に右 旋 し,左 旋 の は常 に左 旋 す る(,. Fig.5.傷. 痕 排 列 の若 干 例lN・. ・1乃 至13は. 左 旋 式・N・ ・14乃 至N・ ・16は 右 旋 式 ・. 黒点 及 び實 線 は茎の 表 側 にあ ろ傷 痕 及 び雌 蜂 が鋸 害 の 際 歩 行 の 経 路,白点 及 び点 線 は裏 側 に あ る傷 痕 及 び経 路. 圏数. 雌 蜂 は樹 梢 を廻 つ て鋸 害 す る特 性 が あ るか ら,そ の 旋 式 に依 つ て 圏数 を計 るぺ く,即. ち茎の 基 部 に 近 い一 傷 を 起 貼 とし,梢 端 に 向 つ て 順 序 に各 傷痕 を 連 綴 して,莚 を 一回転 した時 その 貼 まで を 第 一 圏 と呼 ぴ,か くして その 次 を 第 二圏 と云 へ ば,此 の 圏数 の 多 少 ε縦 横 の距 離 の大 小 に 依 つ て 水 分 の 隔 縄 す る程 度 が 直 に 決 定 され る筈 で あ る。総 べ て 圏 敏 が 多 く距 離 が小 さけれ ば水 分 の 隔 維 も容 易 な 筈 で あ る。6本0)傷 普 通 で あ る。 次 に其 の結 果 を表 に示 す 。. 梢 の 測 定 の結 果 は1圏. 鯨 乃 至2圏. 位 のが.

(14) 第5表. No.1第1乃. 歪 第3傷. 第3乃. 至 第6傷. No・2第1乃. 至 第5傷. 第5傷. は 第2圏. の起点. No.3第1乃. 至 第6傷'第6傷. は 第2圏. の起点. No.4第1乃. 至 第4傷. 第4傷. は 第2圏. の起点. No.5第1乃. 至 第4傷. 第4傷. は 第2圏. の起点. No・6第1乃. 至 第6傷. 第6傷. は 第2圏. の趨点. 四.蕎. 薇 莚 径 の 大 小. と幼蟲. との 關 係. バ ラ クキバ チ が 專 ら薔 薇 の莚 に 寄 生 す る事 は 既 に上 に述 べ た 如 くで あ るが,薔 薇 の茎 径 の 大 小 に依 つ て其 の 生 活 習 性 に は 多 少 の区 別 が あ る が,第6表 の 薔 薇 はNo.1に. 麗 し,其 の数 は約 全 蕎 薇 の80%位. に就 い て見 る と福 岡 縣 下 の多数. を 占 め,其 の茎の 太 さは6mm・. 即 ち中. 庸 の 太 さで あつ て,蕎 薇茎 蜂 の寄 生 生 活 に最 も適 し,こ れ に厩 す る もの に は 野 生 の も の 及 び 栽 培 され た もの が あ るo 次 はN・.2の. 種 類 で,野 生 の 小 形 の蕎 薇 が これ に 屡 し,蓮 の 直 径 は3mm・. 位 で,前 種 よ り. も其 の数 は少 く,雄 蜂 の幼蟲o)焦 育 に は適 して 居 る が,寄 生 蜂 の 寄 生 を 受 け易 い 。 N・.3の. 種 類 は栽 培 種 で,壮 健 な もσ)では直 径 約115mm・. で あ るが,其 の 数 は更 に 少 い。. 枝 梢 の 生 長 が速 い か ら材 質 も硬 化 し易 い。 成 長 幼 巌 は断 節 す る能 力 が 不 足 なの で,翌 年 の朋 化 出 梢 す る事 が 困難 で あ る。. 第6表. バ ラ 〃 キバ チ と薔 薇茎 径 の關 係 の. 栽 培 ・野 生 テ リハ ノ イ パ ラ. 両著 者 の 研 究 は主 εしてNo・1の. 中. 形6mm・80%. 野. 生. 小. 形3mm・15%. 栽. 培. 大. 形H・5mm・5%. 種 類 に 就 い て行 つ た もの で あ る。.

(15) IV.卵 一。. 産. 卵. の. 開. 始. 期. 野外 飼 育 に於 て観 察 し た εころ に よ る ε雌 蜂 は 朋 化 當 日 或 は 其 の翌 日に産 卵 す る事 が 出 來 る。 故 に其 の preoviposition. period. は非 常 に短 い の で あ る。. 二,卵. 数. 通常 一 の禰 こは 一 の卵 を産 附 す る。 著 者 は30本 上 に'各2卵 各1卵. の傷茎 を検査 した が,其 中唯2本0)枝. を発見 し た。其 の 一 つ は 梢 上 の 傷 口 が10箇. 所 もあ つ て,最 上0)2傷. が あ り,他 の 一 つ は 同一 の 梢 上 に 傷 痕 は 二組 が あつ て,各 組 毎 に7箇. る。 各組 の最 上 の 傷痕 に1卵. 痕 の場 所 に 所 の傷痕 が あ. が あ つ たが,こ れ 等 は 例外 と認 むべ き もの で あ ら う。両 一梢 の. 中 に一2卵 の あ る もの に 於 け る牌 化 後0)2匹 即 ち 一つ は其 の2匹. 梢. の幼蟲 の運命 に 關 して は訳 の 二つ の場合 が あ る。. 共 に 同一茎 内に て 管 繭 越 冬 し得 る場合 で,此 の 時 は茎の 牛fが 大 な る も. の に 限 る。一 第 二 は普 通 の茎 に於 て 基 部 に 近 く寄 生 して 居 る幼蟲 は 管 繭 の 直 前 に枝 梢 を 咬 断 し て 仕 舞 ふの で,上 部 に 居 る幼蟲 は枝 梢 と一 緒 に地 面 に落 下 して死 す る もの で あ る。. 三.卵. の. 位. 置. 卵 は常 に最 上 の 一 傷痕 の鬼 の新 梢 の髄 部 内 に産 まれ る。 著 者 が数多 の茎 梢 を検査 した 結 果 に よつ て 見 る ε例 外 は 殆 さ な い。 前 述 の如 く其 の 四周 の体質 は産 卵 器 に よつ て圧 迫 を受 け る の で,水 分 が 喪 失 し,組 織 の 色 も褐 色 に変化 す る。 卵 及 び幼蟲 は 此 の環 境 下 に於 て呼 吸 を妨 げ られ る こ とが な い 。 四,卵. の発育. バ ラ ク キバ チの卵 は 乳 白色,半透明,平滑. で,光 澤 が あ るが 内容 充 實 し,産 下 當 時 の もの は細. 長 槽 圓形 を 呈 し,次 第 に太 くな り緑 豆形 或 は 長 鮪 圓形 とな る。 其 の長 さは終 始大 差 が なか つ た 。 その 若 干 の 例 に 就 いて の 詳 細 な測 定 は 次 の 如 し。.

(16) 第7表. 卵. の 測. 定(但. し20単位=lmM・). 童. 繭. 形. 禰. 圓 形. 微. 腎. 擶. 圓 形. 禰. 卵 形. 形. 大 臆黄褐 色 な呈す. 孵化直 前 の 卵 に於 て は胚 子 の黄 褐 色 の大 臆 の運動 が明 瞭 に透視 され る。 1929年 jajonicus. 野 依 力 及 び 小 寺 專 讃 雨 氏 の 饗 表 され た 珊 瑚 樹 の害蟲 モ両ン クキ バ チ. SAT() に於 て は産 下 當 時 の卵 は 乳 白 色,長 腎 臓 形 で,平滑,軟. Janus. か く且透 明 で あ るが,. 鯉 化 前 に至 れ ば 短 く太 くな る と述 べ て 居 る。. 五.卵. 期. 野外 に 於 け る観 察 に よれ ば卵 は4月. Incubation. period. 下 旬 よ り5月. 中旬 まで発 見 され た 。卵 期 を 調 査 す る 爲.

(17) に野 外 か ら数多 の被 害茎 を採 集 し,實 験室内 に 置 き,日 々 これ を観 察 した が,其 ば大体 産 下 後10日間. の結 果 に よれ. を経 て瑠 化 す る。. 六,卵. の孵化. 牽. 其 の孵化 牽 は非 常 に大 で,著 者 の検査 し た数多 の 被 害 梢 に於 て は その卵 の孵化 しな か つ た も の は殆 と見 られ な か つ た。両 被 害 梢 を剖 閥 して卵 を露 出 させ て 硝 子管 の 車 に 置 きて 観 察 せ る に唯少数 は菌 類 の寄 生 を 受 け た が,其 の大 部 分 は皆孵化 した。. 幼蟲. い. 一 .瑠. 化. 最 も早 く産 下 され た(4月21H頃)卵. は4月30日. 頃 に な る ご瑠 化 し始 め る。孵化 す る. 時 に は先 づ 卵 殻 の上 端 を咬 み破 り,徐 々に脱 出 す る。 この 際 卵 の華 の先 端 の 方 に 向 つ て 居 る部 分 に胚 子 の頭 部 が 來 る。. Fig.6.バ. ラ. 二.食. ク キ. パ チ. 性. の. 第1齢. と 習. 幼1姦. 性. は孵化 後 堅 強 な ロ器 に依 つ て 牛 ば麥 凋 しゾこ新 梢 の先 幼蟲 端 の 方 に 向 つ て喰 害 し始 め る爲 に, 梢 に は 燧 道 が 出來 る。幼蟲 は常 に髄 の 中 心 部 を茎の 先 端 に 向 つ τ進 み,組 織 を喰 ひな が ら糞 を 排 泄 す る故,迂 曲 し た燧 道 の 中 は途 に糞 粒 で満 た され る。普 通0)場 合 に は第3齢. に な る と幼蟲. は 途 に梢 端 に達 す る。其 の ロ器 と尾 端 の 部分 は 黒 褐 色 を 呈 す る。次 で蟲体 は 方 向 を 轄 じて茎0) 基 部 に 向 ひて 進 む が,其 の経 由 した所 は外 部 の皮層 を 除 き,排 泄 し た糞 粒 で 墳 充 され る。 第4齢幼蟲. の 頭 部 と尾 端 との 色彩 は更 に濃 厚 とな り,腹 部 の 第5笛. 乃至 第8節. 腹面 の一.

(18) 黄 色斑 紋 も非 常 に顯 著 とな る。幼 鹸 は愈 々茎の 基 部 へ 向 つ て喰 込 み,親 蜂 の産 卵 管 に よ る傷 口 の部 分(即ち孵化. 當 時 の所 在 地)を 通過 して,更 に基 方 に達 す る。. 三.繭. 腔. の. 造. 成. 6月 初 旬 に な る ε贔体 は 既 に 充 分発育 し,休 眠 の準 備 に か か る。 先 づ 傷 口 よ り相當 下 の 場 所 に於 て 四周 の皮層 部 を咀 嘱 して,梢 壁 の薄 い部 分 を つ く る。 更 に下 行 し,其 の直 下 の茎の 中 心 部 に於 け る喰 害 に よ り出 來'こ室 洞 を 修 理 し,四 壁 を平滑 に して,圓 筒 形 の部 屋 を作 る。 其 の部 屋 の 前 後両 端 は排 泄 し た贔 糞 で 充 墳 す る。 但 し下 端 の贔 糞 は錨 髄 韓 向 後 排泄 し た も の で あ る か ら少量 で あ り,部 屋 は轟 髄 よ り も僅 か に 太 く,長 さは愚体 の 二倍 牛 位 あ り,薄 い 繭 は 此 の 部 縫 の 壁 に 沿 つ て 造 つ た もの で あ るか ら,そ の 繭0)形 状 大 小 も概 ね察 洞 と同 じ位 で あ るo繭 の長 さの平均 ば25mm.で,幅. は4mm.,半透明. な薄 膜 よ りな り,蟲体 に 比 し大 き い 。幼蟲 は 此. の外 部 の 莚 梢 に保 護 され る薄 繭 中 に て 冬 眠 状 態 で越 冬 す る。. 四.被. 害. 梢. の. 断. 節. が 繭 を 作 つ て休 眠 した後,間 もな く茎は皮層 の蟲 に幼蟲 よつ て環 状 に薄 くされ た部 分 か ら自 然 に折 れ,そ れ に よつ て翌 春勿 化 時0)通 路 が形 成 され る 。 其 の 断 ロ は常 に 繭 の 上 部 約2mm・ 0)虜 で あ る。 倫 被 害 梢 の断 口の 近 傍 に於 て 一 の 小枝 を 附 屡 す る もの が 多 い 。. ff,各. 齢幼蟲0)変化. バ ラ ク キバ チ の幼蟲 は茎 内寄 生 生 活 を管 む 故 に 脱 皮 等 の 現 象 の観察 は 困難 で あ る。 それ で 脱 皮回数 等 も計 算 に よつ て推 定 し た。 り,所 謂. PRZUBRAM'S. factor. 著 者 は 各 齢 の幼蟲 を 随 時 に採 集 し來 り,そ の 頭 幅 を 測. に 適 用 し,大{獲 バ ラ クキ バ ヂの幼蟲 は6齢. を 経 過 す る もの と推 定. した。 今 野外 よ り得 た る幼蟲 の測 定 結 果 を 推 定 に よつ て 各齢 に遜 別 し,表 記 す れ ば 訳 の 如 くで あ る。.

(19) 第8表 推 定 に よ う各 齢幼蟲 の頭 幅 の實 測 値(但. し20単位. 甥1mm・). 一般 に幼蟲 に よ る雌 雄 の 判 別 は 不 可能 で あ る が ,第 五 及 び第 六 齢 に至 る ε撃 その大 き さに よ つ て稽 明 瞭 に大 小 の 二 群 に医 別 す る こ とが 出 來 る。 之 は雌 雄 に よ る差 異 ε推 定 され る。 よつ て これ 等 の両 齢 の 各個体 を更 に雌 雄 の 二 群 に区 別 を 試 み,次 に 計 算 に よ り得 た数値 この比 較 を な し たが,両者 の 間 の 誤 差 は割 合 に小 な る結 果 を得 た 。 衙 バ バ チ類 に 於 て 見 受 け られ る雌 雄 に よ る経 過 齢 数 の 相 違 す る現 象 に も留 意 し たが,計 算 を 基 礎 ε した研 究 に よれ ば,バ ラ クキ バ チ の幼蟲 期 に は か か る こ εは先 つ な い ε推 定 す るの安 當 の様 に 思 は れ る。 次 に 参 考 まで に 實 測 値 と計 算 値 εの比 較 を表 出 す る。 第9表 推 定 に よる 各齢幼蟲 の 頭 幅 の 實 測平均 値 と計 算 値 との 比 較(単位. 前表 に 同 じ).

(20) 六 、幼蟲 幼 愚 は5月. 上 旬 餌 化 し,6月. の. 暦. 時. 中 旬 老 熟 し,繭 を 造 り,其 の 中 で休 眠越 冬 し,翌 春 の3月. 旬 に始 め て蛹化 す る。 この 繭 中 に て過 す 期 間 は 約7箇 際 に植物体 に加 害 す るの は約1箇. 月で あ るが,(但. 下. し前蛹期 を 除 き)實. 月 に過 ぎ な い 。. 七.幼蟲. の. 死. 亡率. は茎 内 に の み 生活 す る もの 故,あ らゆ る外囲 の 脅 幼蟲 威 か ら保 護 され て 居 るか の 如 く考 へ ら れ るが,著 者 の 調 査 に よれ ば 其 の 敵 は非 常 に 多 く,殊 に枝 梢o)痩 弱 な る テ リハ ノ イバ ラに於 て は,約80%の. もの が外 敵(小 蜂)0)寄. 生 を受 け死 滅 す る。. 中形 品種 に 於 て は幼蟲0)害 敵 に は小 蜂 及 び 姫 蜂 が あ るが,其 の被 寄 生傘 は20%以. 下 こ考. へ る。 八,繭. の 大 き さ と雌 雄 の 關 係. バ ラ クキ バ チ は幼蟲 期 に於 て は 雌 雄 を判 別 し得 な いが,充 分発育 して 作 繭 休 眠 の時 に至 れ ば,其 の 繭 の大 さに よつ て,雌 雄 を大 略 判 定 し得 る様 で あ る。 即 ち10箇 ろ に よ れ ば,雌 の 繭 は雄 の そ れ よ り も比 較 的 に大 な る傾 向 を認 め得 る。. 第Io表. 繭 の 大 小 と 雌 雄 別. の繭 を 調 査 した と こ.

(21) 上 表 中1は. 雄 の繭 で あ るが 例 外 的 に大 な る もの で あ る。 雌 雄 の区 別 は蛹 の 尾 端 を樵 して決. 定 した。 九,前. Prepupa. 蠕. 幼蟲は冬 季 に至 る と体脳 が多 少収縮 し,前 蠕 とな り,複 眼 は 黄 褐 色 を 呈 す る。 著 春 の観 察 に よれ ば11月. 頃 検 査 した時 に は未 だ幼蟲 で あつ て,何 等 の変化 もな か つ た が,1,4Fiの 一 月 頃 再. び調 べ て見 る と,前 蠕 に な つ て ゐ た。3月. 下 旬 或 は4月. 上 旬 迄 此 の状 態 を持続 して 房 る故 に,. バ ラ クキ バ チの越 冬 は 前蛹 に よ る ε見 られ る(,. VI.蜻 越 冬 し た前 蠕 は 春3月. 下 旬 或 は4月. し,数 日を経 て,複 眼,頭,翅,胸 論 で あ る(雌. 蠕 は平均体. 上 旬 に な る と蛹化 す る。蛹の体. 等 の 部 分 は暗 褐 色 εな る・雌 蠕 が雄 蠕 よ り も大 な る こ とは 勿. 長17・5mm・. 雄蛹14mm・)、. 勿 化 前 に は 燭 鮪,腹. 述 し た 各 部 分 も黒 褐 色 に変 じ,途 に 羽 化 す る 。蛹期. Fig・7.バ. V皿. 色は 最 初 淡 黄 色 を 呈. バ. ラ. ク. キ バ. は 約20H乃. チ. の 雄. 至25"間. 部 の・ 一 ・ ・ras及び 」1 で あ る・. 蠕. ラ ク キ ノ"チ の 生 活 年 史. 次 に バ ラ クキ バ チ の 生 活 史 を概 観 す れ ば,本 種 は一 年 唯 一世 代 で,其 の成蟲 期 の数 日闘 を 除 く,殆E"一一 一 一 ・ 年 間 を薔 薇 の茎 内 にて 過 す 。 殊 に幼蟲 期 は最 も長 く,1935年. 度 の 著 者 の實 験 に依.

(22) 幼蟲. れ ば,幼蟲. 期 は(前蛹期. に互 る。成蟲. を も含 ま し む)同 年 の4月30日. 出現 期 は約4月. 中 旬 乃 至5月. 20日 間 で あ る。 術幼蟲 期 の11箇 は 唯1箇. か ら翌 年 の3月. 中旬 迄 。 卵 期 は4月. 月 中 に は9箇. 下 旬 迄 約11ク. 下 旬 か ら5月. 月. 下 旬 迄,約. 月牛 位 繭 中 に て 休 眠 生 活 を管 み,活 動 喰 害. 月絵 位 で あ る。 其 の 周 年 脛 過 の大 要 は 次 表 を 参 照 すべ し。. 時間. 第II表 バ ラ ク キ バ チ の 生 活 史 圖 式. 一成蟲. 期,一. 卵 期,・幼蟲. … ,一. 囁 食 期 ・o老 熟幼蟲. 繭 内 蟄 居 期,□. 前蛹期. ・ △蛹期. ・. 一個 罷 の 各 態 縄 過 に 要 す る時 間'. バ ラ クキ バ チは一 生 中 の大 部 分 を茎 内生 活 に て過 す の で,そ の 各 態 経 過 時 間 の分 配 を 調 べ る 繋が割 合 に困 難 で あ るが,大体 第12表 卵 期 の 時 間数 は 各1011開,蛹期. に於 け る著 春 の 観 察 に依 つ て算 定 す れ ば,成 鹸 期 及 び. は20H間. 位 で あ る。. 此 の3期. の も0)の 時 間 は比 較 的短. いの で,其 の誤 差 も少 な い と思 は れ る。 之 に反 して幼蟲 期 は甚 だ 長 く,特 に 越 冬 中 に氣 温 の影 響 を 受 け 易 い の で,其 の 時 間 は 約 】0箇 月 雫 乃至11箇. 月 を要 す る もの で あ る。. 第12表 1935年 度 バ ラ ク キ パチ の 野 外 に 於 け る経 過. 変態 時. 期. 成. 鍛. 最 早出現期 日. 1閥1謂14月. 最. 4月. 盛. 期. 最遅 出現期 日. 下 句. 95月13日. 幼蟲期 卵. }. ・・ 日 4A下. 5月. 中. 旬. 5月 乃 至II月. 旬. II月 中旬 以 後. 期 間. 30日. 30‑40日. 円 中旬 前. 翌 年3月 下 旬 4箇. 月 位. 間. II箇. 一 一. 月. 蠕. 蠕. 4月30Hl鮮. 7箇. 山現. 前. 位. 月 位. 鞠. 肝. 翌 年4月. 20日. 旬. 中旬. 位.

(23) 二,1935及 1935及. び1936年. び1936年. 度 に於 け る福岡 に て の バ ラ クキ バ チ発生 時 期 の比 較. 度福岡 に於 て は冬 季氣 候 に非 常 な差 異 が あつ た 。2Pち1935年. 暖 く,少 し も雪 が 降 らな か つ た の に反 し1936年. 度 の冬 は. 度 の 多 は数 十 年 來 稀 有 の嚴 寒 で あつ た。 從 つ. て こ の雨 年 に於 け る バ ラ クキ バ チの変 態 に も非 常 な差 異 を示 し,下 表 の 如 く蛹化 期 や 羽 化 期 は 1936年. 度 の 方 が1935年. 度 よ り も10日. 閥 位 邊 れ た 。 同時 に産 卵 期 や餌 化 期 も之 に件 つ て 同. 様 な現 象 を 呈 した 。 第13表 i935及. びIg36年. 度 に於 け る福岡 市近 傍 の 野 外 に ての バ ラ ク キバ チ発 生 時 期 の 比 較 表. 1935年. 度Ig36年. 度. 備. 64月13日64月22日. 最. 早{ ♀4月20日. ♀4月30圓. 最. 感. 4月. 化. 最. 遽. 5月=3日. 産. 最. 早. 4月21Hl朋30日. 最. 盛. 4月. 最. 遅. 5月13日5月. 最. 早. 4月30日5月lo日. 造孵化 繭. 最. 早. 6月. 豫蛹. 最. 早. 蜥. 最. 盛. 下. 旬5月. 上. 旬. 上. 旬. 中. 旬. 1. 卵. 化. 胡. 下. 上. 旬5月. 旬 中旬 前. 、月. 上 旬. 下 副. 翌年r月. 第14表 lg35及. び1936年1月. 乃 至4月. 氣. 象対照. 表. 考.

(24) 両平年 の冬 の氣 温 は大体1935年. 及 び1936年. 度 の 間 に位 す る。 從 っ て平年 の バ ラ クキ バ チ. の 各態 経 過 の時 期 も上 述両者 の 間 に位 すべ き で あ る。. VIH.摘. 要. 本 篇 は 著 者 が 日本 に於 け る蕎 薇 の 重 要害蟲 の 一 な る蕎 薇茎 蜂 Neosyrista. similis (1V1ocs &Rv). に 就 いて 昭 和10年 以 降 に福 岡 に於 て観 察 せ る結 果 を 報 告 せ る もの に して,九 州 帝 國 大 學教授 江 崎 悌 三 博 士 の指 導 に な る もので あ る。 本 篇 は 叉著 者 の 研 究 せ る事 項 の 中 同種 の生 活 史 及 び 習 性 に 關 して 記 述 した もの で,そ の形 態,天 敵 及 び 防 除 法 に 關 して は更 に將 來 第2報Sし 本 種 は1箇 年1世. て 報 告 し た い と思 ふ 。. 代 を経 過 す る。 産 卵 は4月 下 旬 に 始 ま り5月 初 旬 まで継続 す る。 卵 は1. 箇 つ つ 新 梢 の髄 部 に産 附 され る。1雌. の 産 附 す る卵 の 鰍 は両 明 か で な い 。 雌 は産 卵 に適 す る. 位 置 を愼 重 に撰 定 す るや,先 づ そ の頭 部 を 下 に 向 け,腹 部 を燈 の 下 面 に 引 き 入れ,鋸 状 の産 卵 管 を新 梢 内 に挿 入 して孔 を穿 つ 。 産 卵 の 位 置 と して は新 梢o)中 央 部 を特 に好 む 。 産 卵 を なす 前 に は雌 は その産 卵 器 を 以 て,新 梢 の周 園 に3乃 至8箇 所 の 傷痕 を 與 へ る が,之 等 の 傷 痕 は結 局 そ の新 梢 の周 園 を 総 て 圃 む こ εに な る。 之 は植物体 の 導 管 を 全 部 切 断 して榮 養 の 通 過 を 遮 断 す る爲 で あ る◎ 雌 は通 常 雄 よ り も数 日遅 れ て勿 化 す る。 産 卵 は午 前10時 よ り午 後3時. までの間 に 行 はれ,日. 照 多 き温 暖 な る 日に は 活 動 が敏 速 で あ る。 卵 は楕 圓体 叉 は 腎 臓 形 を 呈 し,乳 白 色 で あ る。 卵 期 は7乃 至10日 間 で あ る。 は瑠 化 す るや 直 ちに喰 害 を 初 め る。 先 づ 新 梢 の 内部 の柔 軟 細 胞 組織 を 食 しつ 幼蟲つ,一 定 の 長 さ まで 屈 曲 せ る燧 道 を穿 つ こ,そ れ よ り幼 愚 は方 向 を 韓 換 して表 皮 を 残 す まで に周 國 の組 織 を 食 害 しつ つ 下 向 し,坑 道 内 に は排 泄 物 が 充 填 され る。 著 者 の観 察 に よれ ば 幼 鵡 の発育期間 は約1箇. 月 で あつ て,幼蟲. は成 熟 す れ ばp一その大 腸 を 以. て その周 壁 を 切 る。 その 爲 に この咬 傷 の 上 部 は 殆 と憶 き外 皮 の み を 以 て連 結 す る の み とな り, 或 は離 勉 落 ち る こ εもあ る。 この 咬 傷 部 の下 方 は 食 害 物 を 以 て 充 填 し,そ の下 方 に髄 よ り僅.

(25) か に長 き腔所 を 残 し,こ こに 薄 き繭 を管 む,繭 は繊 弱 で あ つ て 灰 色 を 呈 す る。 は 繭 内に 於 て 多 期 まで過 し,1多 來 りて 始 めて 前 蠕 とな りて越 年 し,翌 幼蟲 年3月 す る。蛹化. 後 約20日. 下旬 に蛹化. を経 過 す れ ば成蟲 となつ て勿 化 す る。 成蟲 は 繭 よ り その上 方 の 充 填 物. を 咬 み破 りて通 路 を穿 ち脱 出 す る。. IX,参考 I.. BENSON,R. B.. 1935. 文. 献. On the genera of the Cephidae, and the erection of a new femily Syntexidae.. Ann. Mag. Nat. Hist., ser. 1o, vol. 16, no. 95, p. 535-553. 2.. CRAMPTON,G. C.. 1919 The genitalia and terminal abdominal structures of males, and the. terminal abdominal. structures of the larvae of " Chalastogastrous " Hymenoptera.. Proc.. Entom. Soc. Washington, vol. 21, no. 6, p. 129-151, 4 pls. 3.. CRIDDLE,N. 1923 The life habits of Cephus cinctus NoRT. in Manitoba. Canadian Entom., vol. 55, no. 1 p. 1-4.. 4.. IIEDICKE,H.. 1930. Die Tierwelt Mitteleuropas, Bd. V, Lief. I, Hautflugler, Ilymenoptera, p. 72-74.. 5. KoNOw, W. 1896 Ueber Blattwespen. Wiener Entom. Zeitung, Jahrg. XV, Heft IV-V, p. 150-179. 6. MATSUMURA, S. 1918 Thousand Insects of Japan, Suppl., Tokyo. vol. 4, d. 212, pl. liv, fig. 24. 7.. MATSUMURA, S. fig. 24.. 1930. 8.. MATSUMURA, S.. 1931' 60oo Illustrated Insects of Japan-Empire, Tokyo, p. 77.. 9.. MATSUMURA, S.. 1932. I0野. 依 力,小. Illustrated Thousand Insects of Japan, Tokyo, rev. ed., vol. 2, p. ISo, pl. 17,. Illustrated Common Insects of Japan, Tokyo, p. 35, pl. ix, fig. 1o.. 寺 專 醗 ・1929珊. World,. vol. xxxiii,. 瑚 樹 の害蟲 no. 387,. 毛 ンク キバ チ. janus jnponicus SATO に 就 て ・. The. Insect. p.. II.. OKAMOTO,H. and S. MURAMATSU.1925 Studies on the pear stem girdler, Janus piri n. sp.. 12.. RIES, D. T.. Bull; Agric. Exp. Stat. Govern. General Chosen, vol. ii, no. 1, p. 9-16, pl. 1. 1926. A biological study of Cephuspygmaeus (LINNAEUS),the wheat stem sawfly.. Jour. Agric. Research, vol. xxxii, p. 277-295, 10 figs. 13. SALT,G. 1931 Parasites of the wheat•stem sawfly, Cephuspygmaeus L. in England. Bull. Entom. Research, vol. 22, pt. 4, P. 479-545. 14. SATO,K. 1926 On the Genus Janus STEPHENS,with descriptions of two new species from Japan. KontyQ, Tokyo, vol. 1, p. 19-27, 2 figs. 15. SIICIIEGOLEV, V. N. 1926 Morphological differences of the larvae of Cephus pygmaeus L. and • Trachelus tabidus F. Jour. Agric., Research, N. Caucasus, no. 9, p. 258-264, 9 figs. 16. VELLTSHKEVITCH, A. J. 1933 Zur Biologie der Cephiden, die in Futtergaassern leben. Revue d'Entomologie de l'URSS, t. xxv, nos. 1-2, p. 58 68. 17. WILLIAM,M. 1917 Notes on the larvae of some Cephidae. Proc. Entoni. Soc. Washington, vol. xix, nos. 1-4, p. 174-179. 18. YANO,M. and K. SATO 1928 Two new species of Chalastogastra from Japan. KontyQ, Tokyo, vol, 2, p. 209-212. 19. YANO,M. 1932 20.. YUASA,H.. Iconographia Insectorum Japonicorum, Ifokuryukan, Tokyo, p. 475-476.. 1922 A classification of the larvae of the Tenthredinoidea. Illinois Biological Mono-. graphs, vol. vii, no. 4, p. I08- I I2..

(26) STUDIES ON THE ROSE-BORER, NEOSYRISTA SIMILIS (MOCSARY) (HYMENOPTERA:. CEPHIDAE). Resume. Kwo-Mo. The. Ho.. observation on the Japanese rose-stem borer,. . Veosyrista similis. (MocsARY),an important pest of the rose, described in the present paper, were carried out by the author in Fukuoka, Kyushu in 1935.,under the kind guidance of Professor TEISOESAKIof the Kyushu Imperial University. The prese'nt paper represents a part of the author's studies of Neosyrista similis (M0csARY)and contains descriptions of the life-history and habits. A second report on the morphology, natural enemies and the methods of control will be published in the future. This Cephid-wasp has a single generation in a year. The oviposition begins in late April and lasts as late as the first part of May. The egg is laid separately in the centre of the pith of the younger shoot. The number of eggs deposited by a single female is still unknown. After a careful examination the female chooses the suitable place for oviposition, directs her head downwards, draws her abdomen under herself, and thrusts the saw-like ovipositor into the shoot in order to bore a hollow. In depositing egg, a preference is always shown for a position near- the half-way of the shoot. Before the oviposition takes place the female incises the shoot with the ovipositor at three to seven places, the track connecting these places girdles the entire shoot, and this action causes the amputation of the vessels, thus interrupting the movement of the nutrient. The females are on the wing generally several days after the emergence of the opposite sex and deposit eggs during the times from IO a.m. to 3 p.m. Generally the adults are most active on sunny, warm days. The eggs are ellipsoid or kidney-shaped in outline, milky-white in coloration. The incubation period lasts seven to ten days. The larva immediately after hatching bores its way up the shoot, at first eats the delicate parenchymatous tissue lining the inner side of the shoot and forming a curved tunnel as far as a certain point. Then the larva works its way down-.

(27) •. wards by eating the surrounding tissues thus made is filled with the excrements According larvae deep. to the author's. to complete incision. observation. its growth.. arround. When. frass leaving. away.. spin their cocoons When and winters. Below. a cavity. slightly. of very. the winter. severed the. incision than. becomes. portion. it fills the tunnel. texture inside. March.. Later. below. cocoon. in March. 1.バ 2.雌 3、茎. 版説明'. ラ クキ バ チの雄 蜂 蜂 中 に 於 け る バ ラ ク キ バ チ の 老 熟 せ る幼蟲. mandibles,. for the it makes so that. above the incision with the. plug. the. of. they. coloration.. changes. pupa emerges about twenty days after pupation. The adult biting its way through the plug above the cocoon.. 圖. is required. the plug, where. and greyish the. The tunnel. fully grown,. with their. the body. larva. until the following. month. and the upper. longer. the. the epidermis.. one. of the shoot. thin, delicate. comes. about. the larva. the inner inside. the wall of the shoot is nearly may be broken. only leaving of them .. larva. into. prepupa. pupates,. wasp conies. the. out by.

(28) 學 藝 雑 誌. 第 七 巻,. Bulteno. Scienca. Vol.. 7. 第 七 圖 版,. 何:薔 Ho. 薇茎 :. 蜂 の 研 究. Rose-borer. Tab.. VII.

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