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排水性舗装の骨材飛散抵抗性に関する検討

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Academic year: 2022

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(1)

【土木学会舗装工学論文集 第 8 巻 2003 年 12 月】 

 

排水性舗装の骨材飛散抵抗性に関する検討  

渡貫辰彦

1

・向後憲一

2

・井上武美

3

 

 

1正会員       日本鋪道株式会社 技術研究所 (〒140-0002 東京都品川区東品川3-32-34) 

2正会員       日本鋪道株式会社 技術研究所 (〒140-0002 東京都品川区東品川3-32-34)

3フェロー会員 工博 日本鋪道株式会社 技術研究所 (〒140-0002 東京都品川区東品川3-32-34) 

   

 本検討は,排水性舗装の骨材飛散抵抗性を混合物の水平方向のせん断力による繰返しせん断 試験により評価した.その結果,使用したバインダー特性との相関から,曲げ仕事量の大きい バインダー(曲げスティフネスの小さいバインダー)を使用することが排水性混合物の骨材飛 散対策に有効であることを確認した.さらに,表層混合物層に作用するせん断応力の試算との 比較から,高性能なバインダーの選択だけでは骨材飛散対策として必ずしも十分ではないこと,

舗装表面の温度を低下することができる技術を併用することで,より有効な対策が可能である ことを示した.

 

Key Words:porous asphalt mixture, aggregate fretting, bending test,

elastic recovery test, repeated shear test

 

   

1.まえがき

 

大型車交通量の多い交差点や民地乗り入れなど荷 重条件が特殊となる箇所に排水性アスファルト舗装

(以下,排水性舗装)を適用する場合,骨材の飛散 が問題となることが多く,舗設後短期間に発生する こともある1),2).排水性舗装の骨材飛散は,積雪寒 冷地でのタイヤチェーンの打撃によるものを除けば,

水平方向のせん断力やねじり荷重などの特殊な荷重 条件によるものであると考えられる3)

 既報 4)では,空隙率やバインダーの種類が異なる 排水性アスファルト混合物(以下,排水性混合物)

について特殊な荷重条件に対する抵抗特性を検討し,

高性能なバインダーの選択や樹脂コーティングなど が骨材飛散抵抗性の改善に有効であることを報告し ている.しかしながら,ここで示した改善策が,想 定される荷重に対しどの程度の効果があるかの定量 的な評価は行っていない.

本報告は,アスファルト混合物のせん断疲労に関 する報告がほとんどみられていないため,排水性混 合物の水平方向のせん断力による繰返しせん断試験 を実施して骨材飛散抵抗性を評価した.また,使用 したバインダーの特性(バインダーの曲げ試験や弾 性回復試験)との関連から,骨材飛散抵抗性の改善 効果について検討した.さらに,表層混合物層内に

作用するせん断応力の試算結果との比較から,骨材 飛散の発生機構とこれに対する改善策とその効果に ついて検討した. 

 

2.バインダーの性状

 

 

( 1 )   バ イ ン ダ ー の 種類 

 実験に使用したバインダーは,ストレートアスフ ァルト

60

80

(以下,ストアス),改質アスファル トⅡ型(以下,改質Ⅱ型),高粘度改質アスファルト

(以下,高粘度),高耐久型高粘度改質アスファルト

(以下,高耐久型),エポキシアスファルト(以下,

エポアス)の

5

種である.

 

( 2 )  試験方法 

 排水性混合物の骨材飛散抵抗性は,使用するバイ ンダーの骨材把握力による影響が大きく,通常その 評価はタフネス・テナシティ試験で行う.しかしな がら,タフネス・テナシティ試験は,排水性混合物 に使用される高粘度改質アスファルトのようなポリ マー添加量の多いアスファルトでは,正確な測定が 困難であるとされている(試験操作の過程で,アス ファルト試料が金属半球から脱落してしまうことが ある)5).そこで,本検討ではタフネス・テナシテ ィ試験に替わる試験として,バインダーの曲げ試験 

(2)

表 ‑ 1   バインダーの性状 

ス ト ア ス 改 質 Ⅱ 型 粘 度 高 耐 久 型 エ ポ ア ス

針 入 度 (25℃ ) 1/10m m 70 5 1 5 8 6 3 8 9

軟 化 点 4 7 . 5 6 7 . 5 9 8 . 5 1 0 2 . 0  

伸 度 (15℃ ) c m 1 00 + 8 2 9 7 102 86

フ ラ ー ス脆 化 点 - 2 3 - 2 8

引 火 点 ( C . O. C ) 3 6 4 32 9 3 1 2 3 2 0

薄 膜 加 熱 質 量 変 化 率 + 0 . 0 6 + 0 . 0 1 - 0 . 0 3 - 0 . 0 4

薄 膜 加 熱 針 入 度 残 留 率 70 8 2 . 4 8 1 . 0 8 4 . 1

6 0 ℃ 粘 度 (× 104) Pa ・ s 1 0 + 1 0 +

密 度 (-15℃ ) g / c m3 1 . 0 3 8 1 . 0 3 4 1 . 0 3 0 1 . 0 2 8 1 . 0 2 9

タ フ ネ ス (-25℃ ) N ・m 4. 5 25. 3 29. 4

テ ナ シ テ ィ (- 2 5 ℃ ) N ・ m 1 . 1 1 6 . 3 2 2 . 6

曲 げ 強 度 ( - 2 0 ℃ ) M p a 4 . 5 5 . 7 9 . 7 5 . 4 7 . 4

曲 げ ひ ず み (- 2 0 ℃ ) 1 1 . 7 × 1 0- 3 1 8 . 5 × 1 0- 3 3 6 . 5 × 1 0- 3 2 0 4 × 1 0- 3 2 4 3 × 1 0− 3 曲 げ 仕 事 量 ( - 2 0 ℃ ) M p a 5 2 . 7 × 1 0- 3 1 0 6 × 1 0- 3 3 5 4 × 1 0- 3 1 1 0 0 × 1 0- 3 1 8 0 0 × 1 0- 3

曲 げ ス テ ィ フ ネス (-20℃ ) M pa 385 30 8 26 6 26. 5 30 . 5

弾 性 回 復 率 (2 0 ℃ ) 3 . 3 8 5 . 0 9 1 . 7 9 5 . 7 9 4 . 7

試         験         項         目

   

およびバインダーの弾性回復試験を実施し,排水 性 混 合 物 の 骨 材 飛 散 抵 抗 性 と の 関 連 を 検 討 す る こととした.試験方法は以下のとおりである. 

a )  曲げ 試験 

 バインダーの曲げ試験は,JH試験研究所と日 本 改 質 ア ス フ ァ ル ト 協 会 の 共 同 研 究 に よ り 提 案 された方法で 5),バインダー単体の曲げ強度と曲 げひずみを測定し,次式により曲げ仕事量および 曲げスティフネスを算出する. 

 曲げ仕事量=σ×ε     曲げスティフネス=σ/ε 

      (σ:曲げ強度,ε:曲げひずみ) 

 なお,試験条件は以下のとおりである. 

   試験温度 :−20℃ 

   供試体寸法:120mm×20mm×20mm     載荷方法 :2点支持、中央1点載荷     スパン  :80mm 

   載荷速度 :100mm/min    b )  弾性回復試験 

 弾性回復試験は,改質アスファルトのゴム弾性 を測定する試験である.伸度試験機により伸度試 験用供試体を 20cm まで引き伸ばした後,供試体 中央を切断し,1hr 放置後の弾性回復率を次式に より求める. 

   弾性回復率(%)=回復した長さ/10×100   なお,試験条件は以下のとおりである. 

   試験温度  :20℃ 

   引伸ばし速度:5cm/min   

( 3 )  試験結果 

 バインダーの性状試験結果は,表‑ 1 に示すとお りである(バインダーの曲げ試験および弾性回復 試験の結果に加え各バインダーの一般性状(試験 成績表から)も併記した).       

図‑1は,曲げスティフネスと曲げ仕事量の関係 であり,熱可塑性バインダー(エポアスを除く)

では両者の間に負の相関が認められる. 

 また,熱可塑性バインダーの弾性回復率は高耐 久型≧高粘度≧改質Ⅱ型≧ストアスの順であり,

ポ リ マ ー 添 加 量 の 多 い 順 に 大 き な 値 を 示 し て い る. 

   

0 5 0 0 1 0 0 0 1 5 0 0 2 0 0 0

0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0

曲げスティ フネス ( MPa ) 曲げ仕事量×10-3 (MPa)

スト アス 改 質 Ⅱ 型 高 粘 度 高 耐 久 型 エポアス

 

図 ‑ 1   曲げスティフネスと曲げ仕事量 

   

表 ‑ 2   混合物の配合および粒度 

6号砕石 86

粗   砂 9

(%) 石   粉 5

13.2mm 10 0 4.75 16 .7 2.36 14 .0

600 μm 9.9

300 7.9

140 5.8

(%) 7 5 4.9

4.8

骨材配合

バインダー量 (%)  

(3)

  写 真 ‑ 1   繰返しせん断試験装置 

   

 【試験条件】

 制御方式 : 荷重制御  載荷波形 : ハー バー サイン波     ( 載荷0.1s ec ,  休止0.6 se c)

 試験温度 : 20 , 4 0, 6 0℃

供試体

( φ1 0 1 .6 mm)

図 ‑ 2   繰返しせん断試験の概要   

 

0 10 20 30 40 50

繰返しせん断回数    1

せん (%)

高 粘度

温       度   :  20 ℃ せん断応力 : 360k Pa

(回)

102 103 104 105 100 101

  図 ‑ 3   繰返しせん断試験の測定例 

    3.繰返しせん断試験

 

 

( 1 )  混合物の 配合 

 繰返しせん断試験に使用した混合物は,空隙率 20%の排水性混合物であり,その配合および粒度 を表‑ 2に示す. 

 

( 2 )  試験方法 

繰返し せん 断試験 の概 要を写 真‑1 および図‑ 2 に,試験結果の例を図‑3に示す.繰返しせん断試 験は,マーシャル安定度試験用の供試体を恒温槽 内の治 具にセ ット し(図‑ 2),水平方向 に繰 返し 載荷する.載荷条件は荷重制御のハーバーサイン

0 2 0 0 4 0 0 6 0 0 8 0 0

破壊 回数

せん応力 (kPa

ストア ス 改質Ⅱ 型 高粘度 高耐久 型 エポアス

1 01 1 02 1 03 1 04 1 05 1 06

( 回 ) 6 0 ℃

4 0 ℃ 2 0 ℃

図 ‑ 4   繰返しせん断試験結果 

波(0.1sec 載荷,0.6sec 休止)であり,載荷回数 毎のせん断ひずみ(変位と供試体の直径の比と定 義した)を測定する.なお,せん断疲労破壊は,

せ ん 断 ひ ず み の 急 激 な 増 大 が み ら れ る 載 荷 回 数 とした.試験温度は

20℃,40℃および 60℃であ

る.

 

( 3 )  試験結果 

図‑4 は試験温度

20

℃,

40

℃および

60

℃におけ る繰返しせん断試験の結果である.試験温度の上 昇 に と も な い 排 水 性 混 合 物 の せ ん 断 疲 労 破 壊 回 数は低下する.排水性舗装の骨材飛散が発生する 時点の詳細な調査はなされていないが,水平方向 の せ ん 断 力 が 優 先 す る 条 件 下 で は 排 水 性 混 合 物 の 骨 材 飛 散 は 夏 期 高 温 時 に 発 生 し 易 い も の と 考 えられる.

( 4 )   バ イ ン ダ ー 性状と せ ん 断疲労抵抗性  繰 返 し せ ん 断 試 験 の 結 果 を バ イ ン ダ ー の 種 類でみると,試験温度

60

℃では高性能な改質ア スファルトを使用することによりせん断疲労破 壊回数が改善するが,試験温度

20

℃では逆の結 果となるものもある.例えばストアスと高耐久 型を比較すると,試験温度

60

℃では高耐久型が せん断疲労抵抗性に優るが、試験温度

20

℃では ストアスが優る.これはポリマーの添加の有無 と添加量によるバインダーの感温性の違いによ るものと考えられ,熱可塑性バインダー(エポ アスを除く)では感温性の低いものが高温時の せん断疲労抵抗性に優る傾向がみられる.

図‑5は,バインダーの曲げ仕事量とせん断疲 労破壊回数の関係である(ここでは[試験温度:

60℃,せん断応力:100kPa]におけるせん断疲

(4)

0 5 0 0 1 0 0 0 1 5 0 0 2 0 0 0 曲げ仕事量×1 0- 3  ( MP a)

破壊回数 ()

ス トア ス 改 質Ⅱ型 高 粘度 高 耐久型 エ ポア ス 1 02

1 01 1 03 1 04 1 05

 60100kPa

lo g  y  =   1 .3 5 x  +   2 .3 3 r   =  0 .9 3

図 ‑ 5   曲げ仕事量とせん断疲労破壊回数 

0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0

曲げステ ィフ ネス ( MP a)

破壊回数 (

ス トア ス 改質Ⅱ型 高粘度 高耐久型 エ ポア ス

1 02

1 01 1 03 1 04 1 05

 60100kPa

lo g  y  =   6 .4 ×1 0- 3x  +   4 .5 5 r   =   0 .9 7

図 ‑ 6   曲げスティフネスとせん断疲労破壊回数 

労破壊回数の値を用いた.それは以下の理由によ る.バインダー種の違いによるせん断疲労破壊回 数の優劣は,前述のように,試験温度が変わると 逆の結果となるものもあるので,ここでは水平方 向 の せ ん 断 力 が 優 先 す る 条 件 下 で 排 水 性 混 合 物 の 骨 材 飛 散 が よ り 発 生 し 易 い と 考 え ら れ る 高 温 域(60℃)でのせん断疲労破壊回数とバインダー 特 性 の 関 係 を 検 討 す る こ と が 有 効 で あ る と 判 断 した.図‑ 6 ,図‑7も同様である).バインダーの 曲げ仕事量とせん断疲労破壊回数(60℃)には正 の相関が認められる.また,図‑ 6はバインダーの 曲 げ ス テ ィ フ ネ ス と せ ん 断 疲 労 破 壊 回 数 の 関 係 であり,両者の間には負の相関が認められる.こ れは,曲げ仕事量の大きいバインダー(曲げステ ィフネスの小さいバインダー)の選択は,水平方 向 の せ ん 断 力 が 優 先 す る 条 件 下 で の 排 水 性 混 合 物の骨材飛散対策として有効であるといえる.図

‑7は,バインダーの弾性回復率とせん断疲労破壊

0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0

弾性回復率 ( %)

破壊回数 (

スト アス 改質Ⅱ型 高粘度 高耐久型 エ ポ ア ス

1 02

1 01 1 03 1 04 1 05

 60100kPa

図 ‑ 7   弾性回復率とせん断疲労破壊回数 

回数の関係である.弾性回復率は,バインダーへ のポリマー添加の有無(ストアスと改質アスファ ルト)でグループに分かれているが,せん断疲労 抵抗性との関係は明確ではない. 

 

4.考察

   

( 1 )  舗装表面に 作用す る せ ん 断応力の 試算  図‑8 は舗装表面 に円形 等分 布の 鉛直 荷重 と水 平荷重が作用するとき,載荷中心直下の表層混合 物 に 働 く せ ん 断 応 力 を 弾 性 解 析 に よ り 試 算 し た 結果である 6).なお,ここ では鉛直荷重を

49kN

とし,水平荷重を

24.5kN

(荷重と舗装との摩擦係 数 μ=

0.5

における水平荷重の最大値),

4.3kN

( μ

0.7

相当),

44.1kN

( μ=

0.9

相当)としている.

また,図‑9 は試験温度

60

℃におけるせん断疲労 試験の結果(既報4)の単純載荷(50mm/min)によ るせん断強度を加えた)を示した.ここで,水平 荷重をタイヤと路面の摩擦係数が

0.7

0.9

程度で 作 用 す る 最 大 荷 重 と 仮 定 す れ ば , 舗 装 表 面 で は

400

500kPa

程度のせん断応力が,排水性舗装の

骨材飛散で問題となる深さ

5〜13mm

程度(粗骨 材の最大粒径に相当)では

300

400kPa

程度のせ ん断応力が作用すると推定される.この応力条件 下 で は 僅 か の 載 荷 回 数 で 舗 装 表 面 の バ イ ン ダ ー の は が れ や 粗 骨 材 の 飛 散 が 発 生 す る こ と が 予 測 される.実路の舗装と室内試験用供試体では側面 の拘束状態が異なり,単純な比較はできないが,

排水性舗装の骨材飛散対策として,特に過酷な条 件下では,高性能なバインダーの選択だけでは必 ず し も 十 分 な 効 果 が 期 待 で き に く い も の と 考 え られる.

(5)

0

1

2

3

4

5

1 00 2 0 0 30 0 4 00 5 0 0 60 0 7 00

せん 断応 力  0

 さ (cm

水 平荷重= 44 .1 kN 水 平荷重= 34 .3 kN 水 平荷重= 24 .5 kN 表 層

基 層 上層 路盤 下層 路盤 路 床

4 6 10 20 厚 さ (cm )

6 0 0

〔6 0 ℃〕

弾性係数 (MP a)

1,0 0 0

〔5 0 ℃〕

2,0 0 0

〔4 0 ℃〕

30 0 5 0

( kP a)

図 ‑ 8   表層に作用するせん断力 

0 1 00 2 00 3 00 4 00 5 00 6 00 7 00

破 壊回数 1

せん断応力 (kPa

100 1 01 1 02 103 1 04 1 06

試験温度: 60 ℃

1 05

( 回)

ストアス 改質Ⅱ型 高粘度 高耐久型 エ ポ ア ス

図 ‑ 9   繰返しせん断試験結果(60℃) 

(2)  舗 装 温 度の 低 下に よ る 骨 材 飛 散 抵 抗 性 の 改 善 

図‑10(図‑4 を再掲)に見られるように排水性 混 合 物 の せ ん 断 疲 労 抵 抗 性 は 温 度 の 影 響 を 大 き く受け,例えば温度が

20

℃低下(

60

℃→

40

℃)す ると,骨材飛散に対する改善効果はバインダーの 高性能化と同等以上ともみなせる(図中の破線矢 印をバインダーの高性能化による改善効果,実線 矢 印 を 舗 装 の 温 度 低 下 に よ る 改 善 効 果 と み な し た).近 年, 環境問 題へ の対 応から 開発 され た,

夏 期 高 温 時 に 通 常 の ア ス フ ァ ル ト 舗 装 よ り も

15

℃ 〜

20

℃ 程 度 舗 装 表 面 の 温 度 を 低 下 す る こ と ができる技術 7)を併用することで,より有効な骨 材飛散対策が実施可能と考えられる.

0 200 400 600 800

破壊回数

せん断応力 (kPa

ストアス 改質Ⅱ型 高粘度 高耐久型 エポアス

101 102 103 104 105 106 40℃

20℃

60℃

バインダーの 高性能化 による効果 温度低下 (60℃→40℃)

による効果 路面温度の上昇を

抑制(-20℃)

バインダーの高性 能化とほぼ同等の

改善効果

(回)  

図 ‑ 1 0   繰返しせん断試験結果(再掲) 

5.まとめ

 

 

本 検 討 に よ り 得 ら れ た 知 見 を ま と め れ ば 以 下 のとおりである. 

① 排水性混合物のせん断疲労抵抗性を確認し,

そ の 特 性 は 温 度 に よ る 影 響 が 大 き い こ と が 解った. 

②   バ イ ン ダ ー の 曲 げ 仕 事 量 と せ ん 断 疲 労 破 壊 回数(60℃)には正の相関が認められる.ま た,バインダーの曲げスティフネスとせん断 疲労破壊回数には負の相関が認められる.し た が っ て , 曲 げ 仕 事 量 の 大 き い バ イ ン ダ ー

(曲げスティフネスの小さいバインダー)の 選択は,水平方向のせん断力が優先する条件 下 で の 排 水 性 混 合 物 の 骨 材 飛 散 対 策 と し て 有効である.

③ 排水性混合物 のせん断 疲労試験 結果と表 層混 合物層内に作 用するせ ん断応力 の試算と の比 較から,舗装 の温度条 件やタイ ヤと路面 の摩 擦係数によっ ては,僅 かの載荷 回数で舗 装表 面のバインダ ーのはが れや粗骨 材の飛散 が発 生することが 予測され る.また ,そのよ うな 条件下では, 排水性舗 装の骨材 飛散対策 とし て,高性能な バインダ ーの選択 だけでは 必ず しも十分な効 果が期待 できない ものと考 えら れる.

④ 舗装表面の温 度を低下 すること ができる 技術 を 有 効 な 特 性 の バ イ ン ダ ー と 併 用 す る こ と で,より有効 な骨材飛 散対策が 可能と考 えら れる.

       

(6)

6.あとがき

 

 

本検討では,排水性混合物の骨材飛散抵抗性を水 平 方 向 の せ ん 断 力 に よ る 繰 返 し せ ん 断 試 験 に よ り評価し,バインダーの特性や試算した作用応力 との比較から,骨材飛散の発生とそれに対する改 善策とその効果を把握した. 

 今後は,試験施工による評価と実路での供用性 に関するデータを蓄積し,それらの関係を明らか にすることとしたい. 

   

参考文献 

1)  峰岸:低騒音舗装のねじれ抵抗性評価,平成 12 年 東京都土木技術年報,pp.99‑110,2000.9 

2)    阿 部 忠 行 : 東 京 都 の 低 騒 音 舗 装 , ア ス フ ァ ル ト               Vol.41,No.196,1998.7 

3)   (社)日本道路建設業協 会舗装技術 基準問題検 討ワ

ーキンググル ープ:舗装 要綱の改 訂に関する 提案

②,道路建設,pp.44‑55,2000.1 

4)   向後,渡貫 ,井上:排 水性舗装の 骨材の飛散 抵抗 性に関する検討,土木学会舗装工学論文集,Vol.7,

2002.12 

5)   高橋茂樹, 菅野勝一, 本松資朗, 大野滋也: 高粘 度改質アスフ ァルトの試 験方法お よび評価方 法に 関 す る 研 究 , 日 本 道 路 公 団 試 験 研 究 所 報 告   Vol.39,pp.68‑80,2000‑11 

6)  松井邦人,James Maina,董勤喜,小澤良明:鉛直 および水平方 向に円形等 分布の荷 重作用を受 ける 舗 装 構 造 の 弾 性 解 析 , 土 木 学 会 舗 装 工 学 論 文 集   Vol.6,2001 

7) 吉中,根本 ,深江:遮 熱性舗装の 路面温度上 昇抑 制効果に関する一検討,土木学会第 57 回年次学術 講演会,Ⅴ‑394,2001 

       

A STUDY OF RESISTANCE TO AGGREGATE FRETTING

 

OF POROUS ASPHALT PAVEMENTS

 

 

Tatsuhiko WATANUKI, Kenichi KOUGO and Takemi INOUE

 

 

We conducted horizontal repeated shear test in order to appreciate the resistance to aggregate fretting of porous asphalt pavement. Test results showed that the mixture which used the binder with higher bending work (the binder with lower stiffness) had good effect on the resistance to aggregate fretting. However, according to compare the test result with the calculation value of the shear stress acting on the surface layer, we recognized that using high quality binder was not always sufficient to control aggregate fretting. In addition, it suggested that the method to combine the technology to lower the surface temperature of porous asphalt layer with the high quality binder was better for aggregate fretting.

参照

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