英 文 学 会 通 信 英 文 学 会 通 信
─日本大学英文学会─
第 114 号
目 次
《ご挨拶》
副会長挨拶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本大学英文学会副会長 飯田啓治朗 2
《年次大会プログラム》
《年次大会発表要旨》
経済教育と英語教育の融合の試み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 日本大学経済学部准教授 久井田直之 3 硬派な作家イライザ・ミーティヤードのご婦人向け軽い読み物の執筆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本大学文理学部教授 閑田 朋子 4
《エッセイ》
こんな中(コロナ禍)で好きなこと ・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本大学山形高等学校教諭 澁井 徹 4 コロナ禍の認定こども園 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本大学認定こども園職員 髙橋 友加 5
《検定試験奨学制度報告》
資格取得のために必要な2 つのこと ・・・・・・・・・・・・・・ 日本大学文理学部英文学科4年 細川 実玖 5 英検準一級取得までの道 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本大学文理学部英文学科4年 朝香 一帆 6 英検準1級合格体験記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本大学文理学部英文学科4年 中野 夏緒 6
《海外留学体験記》
海外留学体験記 ―ウェスタンミシガン大学交換留学―
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本大学文理学部英文学科4年 野村 仁美 7
《月例会関連》
《訃報》
《事務局だより》
発行:日本大学英文学会
〒156-8550 東京都世田谷区桜上水3-25-40 日本大学文理学部英文学研究室内 Tel. : 03-5317-9709(直通)
Fax : 03-5317-9336 E-mail : esanu@chs.nihon-u.ac.jp : esanu02@gmail.com
副会長挨拶
日本大学英文学会副会長 飯田 啓治朗
今 年 の 夏 は、 東 京2020オ リ ン ピ ッ ク・ パ ラ リ ン ピックが開催され、世界各国からのアスリートたちに よって繰り広げられる、史上最多の数の競技・種目の 熱戦や演技、そして数々の記録に、世界中の人びとが 驚嘆しているはずでした。イギリス文学史を読んでい ると、王政回復時代に、劇作家・批評家で、初代の桂 冠詩人 (poet laureate) ともなったジョン・ドライデン (John Dryden, 1631-1700) の、Annus Mirabilis (1667) という発音しにくいタイトルの付いた長編の韻文作品 が登場します。副題として、ラテン語の題名の言い換 えである、“The Year of Wonders” という言葉と、さら に、“1666” が添えられています。シェイクスピアが 亡くなって、ちょうど50年後の年です。ドライデン が長編詩Annus Mirabilisで描いているのは、1666年 の歴史的な出来事である、対オランダ戦の勝利と、ロ ンドン大火からの奇跡的な復興です。この年、ロンド ンはまだ、前前年から侵入し、小説家・ジャーナリス トのダニエル・デフォー (Daniel Defoe, 1660-1731) が A Journal of the Plague Year (1772) で描いていることで も有名な、疫病の大流行に見舞われていましたが、ロ ンドンの大悪疫は、大火によってその勢力を抑えられ たと言われています。今、日本では、新型コロナウイ ルス感染拡大に抗するさまざまな方策が行われつつあ りますが、いまだ終息に向けた出口は見えない状況で す。どうか2020年が “The Year of Wanders” として記 憶されることなく、一日でも早く “Annus Mirabilis” を 迎えることができるようにと願うばかりです。
感染拡大の状況が刻々と変化するなか、本学会の常 任委員会は、メール稟議により何度となく常に開催さ れ、今年度の学会活動についての議論を重ねてまいり ました。ご承知の通り、上半期に予定されていた4月 例会の研究発表、昨年10月の台風の影響による急遽 の中止のため仕切り直しとなった5月例会の英語学シ ンポジウム、そして6月例会の研究発表ならびに特別 講演は、感染拡大防止の観点から、中止とさせていた だきました。また、5月の予定が中止となった英語学 シンポジウムは、下半期最初の10月に開催する予定 として前号の「学会通信」でご案内いたしましたが、
残念ながら、さらなる中止を決めざるをえないことと なりました。
その後、常任委員会では、11月例会の研究発表、
《ご挨拶》
12月の学術研究発表会、そして1月例会の研究発表 の開催について議論がなされ、11月例会も開催を断 念することとなりました。しかしながら、12月の学 術研究発表会と1月の例会については、対面を避け、Zoomを用いたオンラインにより開催することになり ました。今年度の学術研究発表会は、例年とは異な り、2名の発表者での開催となります。発表者の数は 半分となりましたが、お二人の発表者にZoomによる 登壇にご対応いただけることにより、本学会の年次大 会の歴史を継承させていくことができました。さら に、年明け1月例会の研究発表のお二方にもオンライ ン開催にご対応いただけることで、2020年と2021年 と、本学会の研究活動をつないでいくことができま す。本稿執筆時において、年次大会における総会の開 催方法については、常任委員会で検討中です。年次大 会のプログラムや、Zoomによるオンライン開催の学 術研究発表会への参加方法につきましては、今号や学 会ホームページの案内をご覧ください。一人でも多く の会員のみなさまがご参加いただくことを期待してお ります。
《年次大会発表要旨》
経済教育と英語教育の融合の試み
日本大学経済学部准教授 久井田 直之
少子化問題や大学のグローバル化に対応すべく大学 教育改革が進んでおり、特に留学生の受け入れやグ ローバル人材の育成のために、英語による講義の実施 の拡大が日本で近年見られる。しかし、今まで日本語 で行っていた講義を英語化したものが多く、学生の英 語力への配慮や内容理解へのサポートが十分ではない という意見が多く聞かれる。本発表は、現状における 英語での大学講義の実施に関する問題の解決を目指 し、どのように英語で教えていくとよいかを検討す る。発表者の勤務校が経済学部であること、そして経 済学部生が日本の大学生の中で一番多いという理由か ら、経済教育と英語教育に焦点を絞って議論する。
日本に限らず経済学を英語で学ぶ場合、講義での形 式が多く、学生は教員の説明を理解することが求めら れる。その際に学生に必要とされるのは専門科目特有 の語彙の理解である。欧米の大学生とは事情が異な
日 時:12月12日(土)13:30より 場 所:Zoomにてオンライン開催 会長挨拶:塚本聡(文理学部教授)
学術研究発表会
司 会 飯田啓治朗
●語学の部:13:35~14:15
[発 表] 久井田直之(経済学部准教授)
休 憩:14:15~14:20(5分間)
●文学の部:14:20~15:00
[発 表] 閑田朋子(文理学部教授)
休 憩:15:00~15:10(10分間)
総 会:15:10~15:40
司 会 高橋利明(文理学部教授)
[会長挨拶]塚本聡(文理学部教授)
[会務報告]島本慎一朗(文理学部助手)
[会計報告]一條祐哉(文理学部准教授)
[役員改選]
そ の 他
*今年度の懇親会は中止とさせていただきます。
*参加URL等は同封の別紙「年次大会プログラム」
をご覧ください。学生会員で参加をご希望の方 は、英文学会事務局まで事前にご連絡ください。
日本大学英文学会 2020 年度 学術研究発表会・総会
《年次大会プログラム》
り、日本の学生の場合は大学で初めて経済学を学ぶの で、英語語彙に関するサポートが必要であるが、教え る教員が経済学の専門教員であるため、英語学習など の学生の英語面へのサポートが十分でない場合が多 い。本発表では、語彙面での経済教育と英語教育の融 合を検討することを出発点に、教授法や教材に議論を 広げていく。
語彙に関しては、学生の既習語彙とこれから学ぶ専 門語彙に焦点をあて、経済学を英語で学ぶ際に経済学 教員と英語教員が協力し合うモデルを示す。そのモデ ルの学習効果に関しては、次年度以降に日本の大学で 検証予定である。教授法と教材に関しては、日本での 経済教育の現状と、英語教育の教授法を組み合わせ て、文部科学省の掲げる「主体的 ・ 対話的で深い学 び」を大学教育でも実践するために必要とされる教授 方法への配慮のある教材の開発の試みを紹介する。
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硬派な作家イライザ・ミーティヤードの ご
レ デ ィ婦人向け軽い読み物の執筆
日本大学文理学部教授 閑田 朋子
ヴィクトリア朝ユニテリアン急進派の女性ジャーナ リスト、イライザ・ミーティヤード(Eliza Meteyard,
1816-79)は、1840年代後半の英国において、貧困や
売買春、労使問題などの時事問題を扱う硬派な記事を 書いていた。しかし主な寄稿先であった大衆向上雑誌 が1840年代終わり頃から50年代初めにかけて次々に 廃刊になると、ミーティヤードは食べていくために、
不本意ながらも女性ファッション雑誌に軽い読み物を 寄稿し続けなくてはならなかった。
ミーティヤードは1860年代に、同郷のチャール ズ・ダーウィン(Charles Darwin, 1809-82)の協力を 得て、今なお陶磁器メーカーとして有名なウエッジ ウッド(Wedgwood)の創設者の伝記『ジョサイア・ウ エッジウッドの人生』(The Life of Josiah Wedgwood, 2 vols, 1865-66)を書き上げ、これが評判となって一躍、
時の人になり、美術史に名を残すが、それまでの彼女 の生活は、かねてからの聴覚障害に加えて、病と貧困 の日々に耐える生活のための戦いであった。
本発表は、ミーティヤードが1850年代以降に女性 誌に投稿した短編小説や、当時の生活を追うことで、
ヴィクトリア朝のマイナーな女性作家がおかれた社会 的状況や読者との関係性を追究し、英国19世紀の定 期刊行物の社会的あり方とその文化に光を当てること を目的としたものである。有名作家の陰で、多くのマ イナーな作家たちがどのような生活を送っていたの か、その主な寄稿先となっていた雑誌類の出版事情と 合わせて考察したい。
こんな中(コロナ禍)で好きなこと
日本大学山形高等学校教諭 澁井 徹
3月、学年主任として初めて送り出す卒業式が急 遽、各教室で放送によるものになった。4月、やはり 学年主任として迎える入学式が、準備がほぼ整ったと ころで急遽延期が決定した。後日、やはり各教室で放
《エッセイ》
送により実施した。その後しばらくは必要最小限の登 校日のみ。山形ではさほど感染が広がらず、5月最終 週から通常授業を開始した。行事は皆無で、ひたすら 授業のみ。私はボクシング部顧問をしているが、大活 躍が期待できた大会がなくなった。それでも3年生部 員は、再開した練習で笑顔をみせて後輩の面倒をみて くれた。切ない気持ちになったが、勝ち負けより関 わっていることを好きになることが大切なのだと学ば せてもらった。
さて、私は外出自粛の時間を持て余さずに済んだ。
それは2年前にきっかけがあって途絶えていた音楽
(聴くだけです)への愛情が約30年ぶりに復活してい たからであった。ここで余談。私は塚本会長と大学と 大学院の同期だが、思い出がある。デジタル時代の到 来でアナログからデジタルへと一気に移り変わってい く折、レコードの方が音がいいと言う私と、CDに決 まっていると反論する塚本君と大論争?が勃発した。
会長が覚えているかどうかは知りませんが私はよく覚 えている。ところで、私が英語を好きになったのは洋 楽にハマったからであった。高校卒業を控えた頃、英 語学習に必要だからと親にオーディオ機器をおねだり してみた。英文学科入学のお祝いとしてならばと言わ れた。「えっ、いいの?いくらまでいいの?」と聞く と「いくらでもいいよ」と。零細の町工場で散々苦労 を見てきた私には耳を疑う言葉だった。オーディオマ ニアの友達にアシストを頼み、秋葉原で勧められるま まに注文して帰宅した。金額を伝えた時の表情と沈黙 から親の想定をはるかに超えていることを察した。
しっかり勉強するならと許してくれてホッとした。お かげで存分に洋楽を楽しめた。もとい!英語の学習が できた。山形に赴任する時もオーディオ機器とレコー ドは車に積んだ。今でもプレーヤーが健在で、ここに きてアナログレコードブーム到来。いわゆる「和モ ノ」にはまり「知る人ぞ知る」アーチストを見つけて は鑑賞するのが喜びになった。そんな折の外出自粛。
不謹慎に聞こえるかもしれないが、レコードを楽しむ 時間が存分にとれた。こんな中(コロナ禍)でなくて も、好きなことに没頭するのは必要だと悟った。
私は東京出身ですが、もともと田舎志向だったの で、付属高校の中で山形は喜びだった。なぜ私が「都 会嫌い」であるかというと、それは「密」だから。わ けのわからない満員電車。どう見ても災害時に逃げる 場所がない街。みんなが右に進めば左に進みたくなる のは、周りの人とのディスタンスが欲しいから。せっ かく交通や通信機器が発達しているのだから、都会的 な「密」に固執せず,豊かで幸せな人生を構築する チャンスであると思う。
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コロナ禍の認定こども園
日本大学認定こども園事務職員 髙橋 友加
母校であり以前の職場でもあった文理学部英文学科 を離れて3年が経ちました。現在は東京都世田谷区に ある日本大学認定こども園に勤めています。「認定こ ども園って何だろう」と思われる方もいらっしゃるか もしれません。認定こども園とは、待機児童問題の解 決や働く保護者への柔軟な保育提供のため、幼稚園と 保育園の機能を一体化し、地域の子育て支援事業を実 施する施設のことを指します。本園は日本大学130周 年記念事業の一つとして創設されました。園児は0歳 児から5歳児まで在籍しており、約190名の子どもた ちが一緒に生活をしています。今年で開設4年目とな る新しい園です。
開園して以来、本園は様々な事を乗り越えてきまし たが、今年2月頃から本格的に広まった新型コロナウ イルス感染症の流行は、これまでにない大きな出来事 となりました。小学校等では臨時休業の要請がありま したが、保育施設は原則として開所するように厚生労 働省から通知があり、開所要請に伴う感染拡大防止を 考慮した対応が求められてきました。
最初に直面したことは、3月の卒園式実施の検討で す。コロナの流行を受け、改めて行事実施を見直す必 要がありました。世田谷区、日本大学、そして園、そ れぞれの見解をもとに、式で例年どおり歌は歌うの か、その際マスクは外すのか、椅子の間隔はどうする のかなど様々な検討を重ねました。そして無事に、徹 底した感染対策の中で卒園式を執り行うことができ、
式当日に卒園生や保護者の感激する姿を目にして、実 施できたことを心から良かったと思いました。
4月以降は都内の感染者数が日々増加し、世間では 消毒液やマスク等の品薄が目立つ中、本園でも感染対 策物品の追加購入に奔走していました。そして国から 緊急事態宣言が出され、世田谷区では4月20日から 当面の間、保育施設の休園を決定しました。本園でも 原則休園となりましたが、完全に園を閉所していたわ けではありません。この期間は、医療従事者や社会生 活を維持する上で必要なサービスに従事し仕事を休む ことが困難な保護者を対象に、応急的な保育を行って いました。緊急事態宣言が出された中で、毎日通勤し 社会のために働く人々をサポートする業務に携わって いることを改めて実感しました。微力ながら私も社会 の一部として貢献できているのであれば幸いに思いま す。
未だ収束の目途が立たないコロナ禍で、当たり前の 日常がどれほど幸せかということ、そして人との支え 合いが必要不可欠だということを、改めて考えさせら
資格取得のために必要な 2 つのこと
日本大学文理学部英文学科
4
年 細川 実玖私が実用英語技能検定準1級を受験したきっかけ は、就職活動や仕事に活かしたいという思いからでし た。私は英語教員になるという夢があり、教員採用試 験までに教育委員会や文部科学省が英語教員の目標レ ベルとして掲げる準1級を取得したいと考えていまし た。しかし、受験に踏み切ったのが大学3年生の夏と 比較的遅く、教員採用試験までに受けることができる 回数を考慮すると難しい挑戦であるということを理解 していました。それでも、できるだけのことはやって みようと思い、当日まで勉強に励みました。
準1級の勉強にあたり、2つのことを心に留めてい ました。1つ目は、「弱点から逃げない」ということで す。以前は勉強中に見つけた疑問点や私生活での悩み を投げ出してしまうことがあったのですが、弱点と向 き合わなければ合格することはできないと気づき、弱 点の克服に向けて勉強に取り組みました。具体的に は、過去問を解いて弱点を把握し、克服に向けて対策 をし、一定の期間が経った後に別の過去問を解くとい うことを繰り返していました。私の場合、過去問を解 く度に単語力が足りないことを実感していたため、過 去に出題された単語の暗記を中心に取り組みました。
2つ目は、「短い時間でも毎日勉強に取り組む」とい うことです。実用英語技能検定の対策をしていた時期 は大学の授業やサークル活動で忙しい時期でもあった ため、毎日まとまった時間をとって勉強することがで きませんでした。そこで私は、スマートフォンのアプ リを使って、自宅だけでなく移動中も単語の暗記に時 間を充てることで勉強時間を確保していました。この ように、時間を効率良く使い短時間でも毎日勉強に取 り組むことで、当日までにできるだけの対策をするこ とができたという自信を持って試験に臨むことができ ました。
《検定試験奨学制度報告》
れました。新たな生活様式が定着し始め、制限される 日々が続きますが、園児、保護者、地域の子育て家庭 のために少しでも力になれるよう、これからも自分に 与えられた仕事を精一杯頑張っていこうと思います。
最後となりましたが、早くコロナが収束して、また皆 様と以前のようにお会いできる日が来ることを願って おります。
このような過程を経て、教員採用試験までに準1級 を取得することができました。私は実用英語技能検定 の受験を通し、弱点と向き合い、毎日地道に努力する ことの大切さを学びました。また、この経験で培った 忍耐力や困難を投げ出さない力が教員採用試験の勉強 にも役に立ったと考えています。しかし、準1級に相 当する実践的な英語力を身につけているかと問われた ら、そのように言うことはできないと感じています。
今後1級に挑戦する予定は今のところありませんが、
4年間英語を専門的に学んだ者として、これから仕事 で英語を使おうと考える者として、英語力を向上させ るための努力を続けたいと考えています。そして、グ ローバル社会で生き抜くための英語力を私自身が身に つけるとともに、それを子供たちに身につけさせるこ とができる人になりたいです。
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英検準一級取得までの道
日本大学文理学部英文学科
4
年 朝香 一帆まず、私が英検準一級取得を目指した理由は、将来 の夢が英語教師であり、そのために少しでも自分の英 語スキルを高めたいと思ったからです。大学在学中に 絶対に取得したいと思っていたので、毎日少しずつ英 検の勉強をしていましたが、試験勉強を始めて英検準 一級の難しさに苦戦し、なかなか合格することができ ませんでした。しかし、諦めずにチャレンジして合格 することができました。次に、勉強方法としては、単 語や熟語は知らないものが多かったので、単語帳を毎 日空き時間に見て、何周も繰り返しました。覚えられ ていない単語については、チェックや付箋をつけて分 かりやすいようにしていました。長文問題は得意なの で時間に余裕があるときに取り組み、読んだ英文は何 度も音読し、知らなかった単語や熟語は全て拾い、
ノートにまとめていました。また、そのノートも単語 帳とともに暇な時間に復習しました。ライティング は、大学の授業や英検の問題集から多くのヒントやコ ツを学んだことで高得点に繋がりました。一方、私は リスニングが以前から苦手で、リーディングやライ ティングの点数は取れても、リスニングで足を引っ 張ってしまい、何度か不合格になっていました。英語 のリスニング力は少しの勉強量ですぐに成果がでるも のではなく、毎日英語を聞き、耳に英語を慣らす必要 があるので、勉強法を特に工夫しました。英検の問題 集では、一度解いた問題は音声を聞きながらシャドー イングし、聞き取れなかったところは繰り返し聞いて
いました。何度も繰り返すことで少しずつ聞き取れる ようになっていったので、自信にもなりました。さら に、私は自分が英語を楽しみながら勉強できるよう
に、YouTubeやスマートフォンアプリも活用しまし
た。アプリには、社会問題や海外の文化などをテーマ とした動画があり、興味・関心のあるものを選んで見 ていました。YouTubeには、海外の方のスピーチや有 名人の一日など、見ていて勉強になるもの、楽しいも のを見て発音の練習や、リスニング練習をしていまし た。私は、楽しみながら勉強することはモチベーショ ンを保つためにとても大切なことであると考えるの で、問題集だけではなく、身近なものをたくさん活用 することも、とても勉強になると思います。自分は何 が得意で何が苦手なのかを分析して、自分に合った勉 強法を工夫していくことが合格に繋がると考えます。
最後に、私が英検準一級を取得するために最も大切 だと思うことは、諦めずに勉強を継続することと、復 習を怠らないことです。毎日30分でも、1ページだ けでも英語に触れ、それを続けることが重要だと思い ます。そして、一度解いた問題や自分の中で覚えたと 思ったものでも、復習することが知識の定着になると 考えます。そのためには、英検の問題集以外にもイン ターネットなど自分の身近なものも活用し、楽しみな がら勉強することが学習の継続に繋がると思います。
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英検準 1 級合格体験記
日本大学文理学部英文学科
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年 中野 夏緒私は大学3年生の前期に英語技能検定準1級を受験 しました。受験したきっかけは、自分の英語能力を向 上させたいという気持ちからです。英語技能検定に関 しては中学生時代に取得した4級しか持っていなかっ たため、勉強方法についてとても悩みました。私が考 えた勉強方法は通学時間や帰宅時間の有効活用法でし た。私は自宅から大学までが遠く、通学時間が約2時 間かかるため、電車内での時間を勉強に充てました。
電車内では主に単語とリスニングを毎日勉強しまし た。単語に関しては、英検準1級用の単語帳を購入 し、単語の意味を確認した後にアプリを使用して発音 を耳から覚えるよう心がけました。また1日になるべ く多くの単語に触れ、単語帳を何周も復習できるよう 計画を立てました。リスニングに関して私はとても苦 手意識を持っていたため、4技能の勉強の中でも多く 時間を取りました。勉強方法としては、過去問題集に 付属しているアプリを利用し、実際に問題を解いた後
にスクリプトを見ながら音声を流した後に音声と同じ 強弱や発音を意識し音読を行いました。また、過去問 題集のリスニングのみではなく、無料でダウンロード できるアプリを使用し、日常会話からニュースなど幅 広く聞くようにしました。勉強が辛いと感じた時は、
英語のアニメを見たり、洋楽の歌詞を見ながら聞いた りし、勉強のストレスを溜めすぎない工夫をしまし た。読解に関しては、過去問題集の問題を何回も解 き、解説をじっくり見て解き方の工夫を学んでいきま した。初めは時間内に解き終わらないことがほとんど でしたが、何回も繰り返し解くことで、読むスピード が速くなったり、問題を解いていくコツを掴めるよう になりました。そのためにも、毎日長文は読むことが 大事であると思います。過去問だけではなく、Japan
Timesなど長文ではなくても毎日英語を読む・触れる
ことが大切だと思います。ライティングに関しては、
英文学科の必修科目でエッセイの書き方を学んでいた ことから、あまり多くの時間をかけることはなく、そ の分苦手だったリスニングに時間をかけることができ ました。二次試験のスピーキングに関しては、オンラ イン英会話を利用し、英語で話すことに慣れる練習を しました。日本大学文理学部では、外国語教育セン ターでネイティブと英会話をする機会があるので活用 することは英語力向上に確実に繋がると思います。以 上が私の実践した勉強法ですが、反省点もあります。
私は、大学の授業と並行しての勉強だったことから、
課題との両立は難しく、春休みや夏休みを有効的に使 用するべきだったと後悔しています。
次回英検1級を受験する際は、事前に計画を立て、
毎日継続して勉強ができるよう努めていきたいです。
海外留学体験記
—ウェスタンミシガン大学交換留学—
日本大学文理学部英文学科
4
年 野村 仁美日本大学本部交換留学生として、アメリカのミシガ ン州にありますウェスタンミシガン大学に7ヶ月間滞 在しました。
留学を志したのは小学生の時で、映画作品を見てア メリカの学生生活に憧れを持ったのがきっかけです。
アメリカはエンターテイメント文化で有名のため映画 と、WEBメディアで記事を執筆していたこともあり
《海外留学体験記》
ジャーナリズムについて学び、ウェスタンミシガン大 学(WMU)は留学生が多いこと、そして街中でない ため勉強に集中できることが留学を希望した理由で す。日本の大学で先生が英語で行う授業を受講した り、海外ドラマ『フレンズ』を英語字幕無しで鑑賞す るなどし留学準備を行いました。そのおかげかアメリ カの授業はすんなりと受け入れることができました。
教授に授業後質問をしたり、提出物・授業内容につい ては全てシラバスに掲載されているのでそれを熟読す ることで勉強を進めました。現地大学はE-learningの システムが発達しており、教授のスライド、授業に関 するファイルをいつでも見直すことができ感動したの を覚えています。また生徒の主張・意見に関して人権 を守るガイドラインがあり、個人への配慮が人種のサ ラダボウルともいわれるアメリカならではだなと実感 しました。
留学生にとって海外で暮らすというものは慣れない うちはストレスがかかるものだと思います。私は日本 でずっと実家暮らしだったため、初めは寂しい思いを し体調を崩しがちでした。加えて初めての海外生活で す。果たして長期間ここで暮らしていけるのかと不安 でいっぱいでしたが、慣れてしまえば緑に囲まれた キャンパス内で暮らすという最高の生活環境でした。
その中でも生活において一番割合を占めたのは食事で す。最初の数週間はダイニングセンターの食事でも我 慢できましたが、いつも同じような食べ物にすぐ飽き てしまいます。そのときは日本から持ってきたインス タント食品や図書館に売っているお寿司をよく食べて いました。
留学生活で得た宝は友人です。今後の人生で一生付 き合って言っても良いと思えるような、多くの大切な 人ができました。WMUというある意味一つの街のよ うな小さなコミュニティに住んでいたおかげかもしれ ません。自分の部屋のドアを開ければ、すぐそこに友 達が住んでいる、また徒歩数分離れた寮には他の友人 が住んでいる。大学内に学生が住んでいる環境という のは、友情を大いに育むことができるという利点があ ります。WMUの韓国人の友人と冬休みにロサンゼル スへ約2週間旅行したのは良い思い出です。私はグ ループの中でたった1人の日本人で、皆韓国の人だっ たので価値観が合わず辛い思いをしたこともありまし た。今思えば自分を見直す良い機会だったなと思えま す。
留学先の大学で英語を通して異文化を持つ方々と交 流し、言語ももちろんですが客観的に物事を捉え状況 へ臨機応変に対応することを学びました。予期せぬト ラブルやカルチャーショックに直面しても、焦らず冷 静に行動できるようになったと考えております。
新型コロナ流行の影響で早期帰国となってしまった ことはとても残念でした。最後は全てオンライン授業 へと変更となり、先生方ときちんとお別れがいえな
●月例会報告
2020年度4月例会、5月例会、6月例会、10月英語 学シンポジウム、11月例会、ならびに2020年度特別 講演会は、新型コロナウイルスの影響により、発表 者・参加者の安全を優先し、中止とさせていただき ました。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
●月例会予定
2020年度行事の予定は以下のとおりです。詳細が 決まり次第、メールおよび、本学会ホームページにて ご案内いたします。
12月 2020年度学術研究発表会・総会(2020年12月12日)
詳細は≪年次大会プログラム≫をご覧ください。
1月 研究発表(2021年1月23日)
司 会 前島洋平(文理学部准教授)
発表者 1. 高坂徳子
2. 小川佳奈(文理学部講師)
《月例会関連》
《訃報》
2020年9月3日(木)文理学部講師岡田善明先生が ご逝去されました(享年69歳)。謹んでお悔やみ申し 上げます。
●卒業された同窓会員の皆様へ
卒業後のご登録情報について
日本大学英文学会では、会員・非会員にかかわら ず、卒業後は同窓生として英文学科全卒業生の個人 情報を保管しております。住所変更など、ご登録情報 に変更がございましたら、学会通信目次に記載されて いる宛先までお知らせください。
●会費納入のお願い
2020 年 度 学 会 費( 研 究 会 員4,000 円、 同 窓 会 員
1,000 円)を同封の郵便振込で納入くださいますよう
お願いいたします。なお年次大会受付を含む事務局で の現金による学会費納入はお取扱いできません。学会 費納入には、お手数ですが、郵便振込をご利用いただ きますようお願い申し上げます。
口座番号 : 00140 - 3 - 27474 加入者名 : 日本大学英文学会
なお日本大学英文学会会則により、年度末時点で 3 年間会費未納の場合には自動的に退会となります。
●研究発表者募集
当学会では、次年度の月例会(シンポジウムを含 む)・年次大会の発表者を募集しております。発表を ご希望の方は、以下の情報を事務局までお寄せくださ い。なお、検討の結果、ご希望に添えない場合がござ います。予めご了承ください。
1. 氏名
2. 住所・電話番号・メールアドレス
3. 所属
4. 発表希望年月 5. 発表題目
6. 要旨(日本語400字以内、英語200語以内)
●『英文学論叢』第 70 巻 原稿募集
日本大学英文学会機関誌『英文学論叢』第70巻
(2022年3月発行予定)の原稿を募集いたします。
投稿をご希望の方は、『英文学論叢』第69巻(2021年 3月発行予定)巻末の投稿規定をご覧ください。
《事務局だより》
かったことが心残りです。その上現地の友人たちと もっと時間を過ごしたかったとも思います。流行が収 まった後、友人と再会して楽しく食事ができる日が楽 しみです。