各 種 可 欠 ア ミノ酸 の骨髄 造 血機能 に及 ぼす影響
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(2) 5068. 李. 敏. 果 は 必 須 ア ミ ノ酸 には 白血 球 系 造血 促 進 作 用 は 認 め ら れ ず,僅. に ヒ スチ ヂ ン,チ ステ イ ン等 の可 欠 ア ミ ノ酸. に 白 血球 増 生 作 用 を認 め るに す ぎな か つ た.. 然. に骨 髄 組 織 片 を置 き,更 に ツべ ル ク リ ン用 注射 器 を用 い て,ビ タ ミ ンB12溶 液 と添 加 す べ きア ミ ノ酸 溶 液 を 等量 に混 和 し た も の1滴 を 加 え て後,被. そ の 後 牛 乳 カゼ イ ン酵 素 分 解 産物 よ りな るポ リタ ミ. 覆硝 子 で覆 い. そ の 周 囲 をパ ラ フ ィン で 十 分 に 封 じ る.斯 くし て 出来. ンの 大 量 投 与 が再 生不 良性 貧血 患者 に有 効 な場 合 が あ. た培 養 標 本 は被 覆硝 子 面 を下 に し て37℃. る事 に着 目し,私 は ポ リ タ ミ ン中 に 含 まれ る必 須 ア ミ. 静置 し,観 察 に際 し て は被 覆硝 子面 を上 に 向 け て37. ノ酸 以 外 の 可 欠ア ミ ノ酸 の骨 髄 造 血 に及 ぼ す 影 響 を検. ℃保 温 箱 内 で顕 微 鏡 を使 用 して 観 察 し た.. 討 せ ん と して,こ れ 等 ア ミ ノ酸 を家 兎骨 髄 組 織 簡 易培. の孵 卵 器 に. 観 察方 法:組 織 増 生 の観 察 に は増 生面 積 及 び細 胞 密. 養 に直 接 添 加 し興 味 あ る知 見 を得 た の で藍 に 報告 し諸. 度 の 測定 を行 つ た.即 ち標 本 作製 後3,. 6, 12, 24時 間. 賢 の 御批 判 を 仰 ぐ もの であ る.. 目に 於 て,夫 々顕 微 鏡 に て接 眼5×,対. 物4× の 倍 率. で ア ッベ 氏描 画 器 を使 用 し て,原 組 織 及 び増 生帯 を描 第2章 1.. 実験 材 料 並 に 実験 方 法. 写 し,そ の 面積 を ブ ラ ニ メ ー タ ー で測 定 し た。 新 生 増. 実験材料 体 重2kg内. 生 面 積 の 原組 織 面積 に 対 す る比 率 を比較 成 長価 と し, 外 の成 熟 雄 性 家 兎 を一 定 期 間 一定 の 食. 餌 を与 え て飼 育 し た後 健 康 で 貧 血 の な い も の を 選 ん. 需 め られ た 比 較 成 長 価 の 対 照実 験 に 対 す る比 率 を成 長 係 数 と した.次 い で 細 胞 密 度 の 測 定 は標 本 作 製 後3,. だ.実 験 に 際 し て此 の 家 兎 を撲 殺 し,大 腿骨 よ り無菌. 6,. 的 に 骨髄 を取 り出 し て,こ れ を約1mm2の. 100×)を. 大 き さに. 12, 24時 間 目に 於 て,顕. 微 鏡(接. 眼5×,対. 物. 用 い て 増 生 帯 周 辺 部,中 間部,中 心 部 の 夫. 々1視 野 内 の 細胞 数 を算 定 し,そ の和 を密 度 指 数 と し. 切 つ て 培 養 原組 織 片 と し た. 添 加 実 験 に 用 い た ア ミ ノ 酸 はL‑ヒ. ドロキ シプ ロ リ. た.. ン, L‑プ ロ リン, L‑ア ル ギ ニ ン(塩 酸 塩), L‑シ ス チ ン, L‑チ ロ ジ ン, DL‑セ L‑ア スパ ラ ギ ン酸,グ. 第3章. リン, L‑グ ル タ ミ ン酸,. 験. 成. 績. リシ ン, L‑オ ル ニ チ ン(塩 酸. 塩)の そ れ ぞ れ 純 結 晶 と,ポ. リタ ミ ン原 末,カ ゼ イ ン. 実 験 は い ずれ も3例 につ い て 行 い,以 下 そ の 平均 値. 酸 分 解 産 物 を リンゲ ル 氏 液 に 溶 解 して 培 地 に添 加 し. を示 す.. た.対 照 に は リンゲ ル 氏液 のみ を添 加 し た。. 1). 2.. 実. ポ リタ ミンの 添 加(表1,. 2, 3. 図2). 図 に示 す如 く添 加濃 度 の 増 加 に従 つ て 骨 髄 増 生 は 促. 実験方法 教 室 考 案 の 簡 易骨 髄 組 織 培 養 法 を用 い た 。組 織 培 養. 盤 と して は 乾 熱 減 菌 した厚 さ0.9mmの. 良質 の 載 物 硝. 進 され,成 長 係 数 は3,. 6, 12, 24の 各 時 間共 に1以 上. を 示 し た.即 ち0.1%添. 加 では24時 間後 には 対 照 の1.. 子 に図1の 如 き高 さ150〜200μ. の 土手 を作 つ た もの. 56倍 の 増 生 を認 め た.密 度指 数 は高 濃 度添 加 に よ り若. を 用い,被 覆 硝 子 は24×32mmの. 大 き さの もの を使. 干 対 照 よ り増 加 を 示 した が,増 生面 積 の 増大 の程 度 に. 用 し た.培 地 と して は 健 康 家 兎 心臓 穿 刺 に よ り血 液 を. は 及 ば な か つ た.以 上 ポ リタ ミ ンは0.1〜0.0001%の. 採 取 し,凝 固 を まつ て 血 清 を分 離 し,更 に こ れ に ビ タ. 濃 度 で す べ て骨 髄 増 生 に刺 戟的 に 作 用 し,高 濃 度 程 そ. ミ ンB12(1cc中100γ. の 作 用 は 著 明 であ る.. 含有)を. 加 え て培 地 と し た.. 培 養 操 作:上 記 組 織 培 養 盤 の 中 央 に ツ べ ル ク リン用 注射 器(1cc1/3針)を. 用 い て血 清1滴. 棒 に て 直 径1.5cmの. 円形 に 拡 げ る.次. 第1図. 標. 本. 模. を落 し,硝. 子. いで その中央. 型. 第1表. ポ リタ ミ ン添 加 比較 成 長 価.
(3) 各 種 可 欠ア ミ ノ酸 の 骨髄 造 血 機 能 に及 ぼ す 影 響 第2表. ポ リタ ミン添 加 成 長 係 数. 第3表. ポ リタ ミ ン添 加 密 度 指 数. 第2図. 第4表. カゼ イン酸 分解産物添加比較成長価. 第5表. カ ゼ イ ン酸 分解 物 添 加 成 長 係 数. 第6表. カ ゼ イ ン酸 分解 産 物 添 加 密 度 指 数. ポ リ タ ミ ン添 加 比 較 成 長 価. 第3図. 2). カ ゼ イ ン 酸 分 解 物 の 添 加(表4,. 5,. 6.図3). 骨 髄 細胞 増 生 は ポ リタ ミン 同様 に添 加濃 度 の 高 い も の ほ ど 著 明 に 刺 戟 促 進 さ れ,成 0.001, 1.49,. 0.0001%添 1.42を. を 示 し た.. 5069. 長 係 数 が0.1,. 加 で24時 間 後 夫 々1.77,. 示 し た.密. 0.01, 1.62,. 度 指 数 も 同様 に増 加 の 傾 向. カ ゼ イン酸 分 解 物 添 加 比 較 成 長 価.
(4) 5070. 3). 李. L‑ヒ ドロキ シ プ ロ リン の添 加(表7,. 8,. 敏. 然. 第4図. 9,. ヒ ドロキ シ プ ロ リン添 加 比 較成 長価. 図4) 骨 髄 細 胞 増 生は0.1〜0.0001%添 に 於 て著 明 に刺 戟 促 進 され,特 0.001, 0.0001%の. 加のすべての濃度 に培 養12時 間 目頃 迄 は. 低 濃 度 の方 が む し ろ増 生 著 明 で成. 長係 数 も3前 後 を 示 し た.一 方 密 度 指 数 は 高 濃 度 に 於 て増 加 を 認 め た が 増生 面積 程 には 著 明で な く, 24時 間 目で は 対 照 と 殆 ん ど差 を見 なか つ た.. 第7表. ヒ ドロキ シプ ロ リン添 加 比 較 成 長 価. 4). L‑プ. ロ リ ン の 添 加(表10,. 骨 髄 細 胞 増 生 は 培 養 後6時. 第9表. ヒ ドロ キ シ プ ロ リン添 加 成 長係 数. 間 目 で 添 加 濃 度0.1,. 0.001,. 1.95,. 1.63,. 1.39を 示 し略 々 濃 度 に 比 例 し て 促 進 作 用. を 認 め た.そ. の 後 も 培 養 経 過 を追 つ て 同 じ値 を維 持 し. 於 て 成 長 係 数 は 夫 々2.30,. 度 指 数 は 培 養 後12時 間 目 迄 は 添 加 例 で は 濃 度 に. 従 つ て 対 照 の2倍. 第8表. 12,図5). 0.01,. た.密. 0.0001%に. 11,. 近 く ま で 増 加 し た が, 24時 間 目 で は. 対 照 と 差 を 認 め な か つ た.. 第10表. プ ロ リン添 加 比 較 成 長 価. 第11表. プ ロ リン添 加 成 長 係 数. ヒ ドロキ シ プ ロ リン添 加 密 度 指 数.
(5) 各 種 可 欠 ア ミ ノ酸 の骨 髄 造 血 機 能 に 及 ぼす 影 響 第12表. プ ロ リ ン添 加密 度 指 数. 第5図. 5071. 第14表. アル ギ ニ ン添 加成 長 係 数. 第15表. ア ル ギ ニ ン添 加 密 度 指 数. プ ロ リン添 加比 較成 長 価. 第6図. 5). Lア. ルギ 呂 ンの 添 加(表13,. ア ル ギ ニ ン添 加 比 較 成 長 価. 14, 15,図6). 図 に示 す 如 く添 加濃 度 の 高 くな るにつ れ て骨 髄 増 生 は刺 戟 され,成 長係 数 は最 高0.1%添. 加 で2を. 示し. た.培 養 経 過 で は 大体 同 じ傾 向 を維 持 し た.密 度 指 数 は 高 濃 度 添 加 例 で 僅 に増 加 した が,殆 ん ど有 意 の 差 は 認 め られ な か つ た.. 第13表. ア ル ギ ニ ン添 加 比 較 成 長 価. 6). L‑シ. ス チ ン の 添 加(表16,. 17,. 18,図7). 本 ア ミ ノ酸 は リ ン ゲ ル 氏 液 に0.01%が そ れ 以 上 は 溶 解 し な い の で,こ 0.01%で. は 成 長 係 数 は1以. 碍 を 示 し た.. 0.001%で. 最 高 濃 高 で,. れ を 用 い た.添. 加濃度. 下 で 明 らか に 骨 髄 増 生 の 障. は 対 照 と 殆 ん ど 差 が 見 られ. ず, 0.0001〜0.00001%に を 示 し成 長 係 数 は 最 高1.77を. なつ て始 め て 増 生 促進 作 用 示 し た.密. 度 共 に 対 照 と有 意 の 差 が な か つ た.. 度指 数は 各 濃.
(6) 5072. 李 第16表. シ ス チ ン添 加比 較 成 長 価. 敏. 然 7). L‑チ ロジ ンの 添 加(表19,. 20, 21,図8). 骨 髄 細胞 増 生 は 高濃 度添 加 で は 抑 制 的 に低 濃度 で促 進 的 に作 用 した.促 進 作 用 は 培 養 初 期 に 於 て 著 明 で あ つ た.成 長係 数 は 添 加 濃 度0.0001%で. 最 高2.15を 示 し. た.密 度 指 数 は添 加群 と対 照 の 間 に有 意 の 差 を認 め な か つ た.. 第17表. 第18表. 第7図. 第19表. チ ロ ジ ン添 加 比 較 成 長 価. 第20表. チ ロ ジ ン添 加 成 長 係 数. 第21表. チ ロ ジ ン添 加 密 度 指 数. シス チ ン添 加成 長係 数. シ ス チ ン添 加 密 度 指 数. シ スチ ン添 加 比 較 成 長 価.
(7) 各種 可 欠 ア ミ ノ酸 の 骨 髄 造 血機 能 に及 ぼ す 影 響. 第8図. 第24表. チ ロ ジ ン添 加比 較 成 長 価. 第9図. 8). DL‑セ. リ ン の 添 加(表22,. シ ス チ ン,チ. 23,. セ リン添 加 密 度 指 数. セ リン添 加 比 較 成 長 価. 24,図9). ロ ジ ン と 同 様 に 添 加 濃 度0.1%で. は骨. 髄 細 胞 増 生 に 抑 制 的 に 作 用 し た. 0.01%添. 加 では 僅 に. 促 進 的 に 作 用 し 成 長 係 数1.5を. 0.001%と. 0.0001%と. 5073. 示 し た.. で は 略 々 等 し く可 成 りの 促 進 作 用 を 認 め,. 成 長 係 数 は1.9を. 夫 々 示 し た.密. 度 指 数 では 対照 と殆. ん ど 差 を 認 め な か つ た.. 第22表. セ リ ン添 加 比 較 成 長 価. 9). L‑グ ル タ ミン酸 の添 加(表25,. 骨 髄 細 胞 増 生 は 添 加 濃 度0.01%で. 26, 27,図10) 僅に比較成長価が. 対 照 を上 廻 り,成 長 係 数 最 高1.24を 示 した が,他 の 濃 度 では 成 長 係 数は1を 上下 す る値 を示 し影響 は 認 め ら れ なか つ た.密 度 指 数 も添 加 群 と対 照 の 問 に 差 は 見 ら れ なか つ た.. 第25表 第23表. セ リ ン添 加 成 長 係 数. グ ル タ ミン酸 添 加 比 較 成 長 価.
(8) 5074. 李. 第26表. グ ル タ ミ ン酸 添 加 成 長 係 数. 第27表. グ ル タ ミ ン酸 添 加 密 度 指 数. 第10図. 敏. 然. 第28表. アス パ ラ ギ ン酸 添 加 比 較 成 長 価. 第29表. ア ス パ ラ ギ ン酸 添 加 成 長 係 数. 第30表. ア スパ ラ ギ ン酸 添 加密 度 指 数. グ ル タ ミン酸 添 加 比 較成 長価. 第11図. 10) L‑ア ス パ ラ ギ ン酸 の添 加(表28, 添 加 濃 度0.1〜0.0001%の. 29, 30,図11). す べ て に 於 て成 長 係 数 は. 1附 近 の値 を 示 し,骨 髄 増 生 に は 対 照 との 間 に何 等有 意 の差 を 示 さな か つ た.一 方 密 度 指 数 も全 培 養 経 過 を 通 じ て対 照 と 殆 ん ど同 じ値 を示 した.. ア スパ ラ ギ ン酸 添 加 比 較成 長 価.
(9) 各種 可 欠 ア ミ ノ酸 の 骨 髄 造 血機 能 に及 ぼ す 影 響 11) グ リシ ン の 添 加(表31, 添 加 濃 度0.1%で. 32,. 33,図12). 目 で 約1に. 第31表. 第12図. は 培 養 後24時 間 で 成 長 係 数0.65と. 可 成 り骨 髄 増 生 を 抑 制 し た. 0.01%以 べ て 成 長 係 数1以. 下 を 示 し,密. 5075. グ リシ ン添 加 比 較 成 長 価.. 下 の 濃 度 で もす. 度 指 数 も 培 養 後24時 間. 低 下 し た.. グ リシ ン添 加 比 較成 長 価. 12). L‑オ. ル ニ チ ン の 添 加(表34,. 添 加 濃 度0.1%で. 35,. 36,図13). は 成 長 係 数 が0.92以. 骨 髄 増 生 に 僅 に 抑 制 的 に 作 用 し た が,そ. 第32表. グ リシ ン添 加 成 長 係 数. 0.01〜0.0001%で し,一. は 成 長 係 数 が1を. 下 を 示 し, れ 以下 の濃 度. 上 下 す る値 を 示. 方 密 度 指 数 も対 照 と添 加 群 との 間 に有 意 の 差 を. 認 め な か つ た.. 第33表. 第34表. オ ル ニ チ ン添 加 比 較 成 長 価. 第35表. オ ル ニ チ ン添 加 成 長 係 数. ク リシ ン添 加 密 度 指 数.
(10) 5076. 李. 第36表. 敏. オ ル ニチ ン添 加 密 度 指 数. 然. <,最. 初 生物 は 生 命維 持 の 為 の 蛋 白 を,蛋 白 そ の もの. と して要 求 す るも の と考 え られ た が,そ の 後 の研 究 に 依 りア ミ ノ酸 の 混 合物 で も 生 命 を維 持 し得 る事が 明白 と な つ た 。今 日知 られ て い る各種 ア ミ ノ酸 中生 命 維 持 に 不 可 欠 の も の と して は,イ ソ ロ イチ ン,ロ イ チ ン, メ チ オ ニ ン,フ ェ ニ ー ル ア ラ ニ ン,ス レ オ ニ ン,ト リ プ トフ ァ ン.ヴ ァ リ ンの8種 類 の ア ミ ノ酸 が 挙 げ られ て い るが,ネ ズ ミの成 長 に必 要 な も の と し ては,こ の 他 に ア ル ギ ニ ン,ヒ ス チ ジ ンの2種 類,計10種. 類が挙. げ られ て い る。 然 し人 で も ア ル ギ ニ ン と ヒ ス チ ジ ンが 欠 乏 す る と,な ん らか の代 謝 異 常 が 想 像 され る. 各 種 ア ミ ノ酸 に は蛋 白 合成 に関 与 す ると 云 う共 通 の 第13図. 作 用 とは 別 個 に,そ の 種 類 に よ り特 異 的 な生 物 学 的作. オ ル ニチ ン添 加 比 較 成長 価. 用 を示 し得 るも の で あ る.例 え ば発 生学 的 に は ア ミ ノ 酸 の 内 で も,あ. るア ミ ノ酸 は主 と し て生 命維 持に,他. の 物 は成 長 に 又 分 化 に,更 に変 態 に も関 係 す る事が 動 物 実 験 に よ り明 らか とな つ た.即 ち ヂ ア ミ ノ酸 は 成 長 に,芳 香 族 又 は 異 節環 状 核 を 有 す るア ミ ノ酸 は 分 化 に,脂 肪 族 モ ノア ミ ノカ ルボ ン酸 は 生 命 維 持 に,含 硫 ア ミ ノ酸 は 有 糸 分 裂 に 夫 々 関 係 が あ ると 云わ れ てい る。 ア ミ ノ酸 の 血 液 に 及 ぼ す 影響 に つ い て は,種 々の 不 完 全 食 餌 や 瀉 血 実 験 の 回 復 に 及 ぼ す ア ミ ノ酸 の影 響 を 検 討 した も の は 枚 挙 に 遑 が な い が,主 と し て血 液 有 形 成 分 と血 漿 蛋 白 に 就 て 注 目され て い る.赤 血 球 系 に対 して は, Fontes6)は. 実験 的 に ト リプ トフ ァ ン及 び ヒ. ス チヂ ン 欠乏 貧 血 を起 し,そ の 補 充 に よ り貧血 を 回復 せ しめ たが,ト 第4章. る事 は古 武25)等. 総 括 並 に考 按. た.ト 以上 の実 験 成 績 を総 括 す る に,ポ. リタ ミ ン及 び カ ゼ. イ ン酸 分 解 物 は共 に高 濃 度 に 於 て の み 白 血球 増 生 に 対 して若 干 刺 戟 的 に作 用 し たが,両 者 の 間 に は 有 意 の 差 は 認 め られ な かつ た.実 験 に 用い た10種 類 の 可 欠ア ミ ノ酸 の 中,白 血 球 増 生 作 用 の 最 も大 な るも の は ヒ ドロ キ シ・プ. ロ リン で,添 加 濃 度0.1〜0.0001%の. リプ トフ ァ ンが血 色 素 形 成 に 関 係 の あ. いつれ. の濃 度 に 於 て も 増生 面積 並 に密 度 指 数 が 対 照 の2〜3 倍 に達 した.次 に プ ロ リ ン,ア ル ギニ ンが 白 血球 系造 血 に 対 し促 進 的 に作 用 す る.こ の 場 合 は 高 濃 度 に 於 て は 対 照 の2倍 近 くの 値 を示 し たが,低 濃 度 で は そ の 増 生 面 積 は 対 照 に 比 し若 千 大 で あ るに 止 まつ た 。 そ の 他. 村33)が. の種 々 の 研 究 に よ り明 らか となつ. リブ トフ ァ ン以 外 の ア ミ ノ酸 に つ い て も,田 各 種 ア ミ ノ酸 を家 兎 に皮 下 注 射 して,そ の赤. 血 球 数 に 及 ぼ す 影 響 を,本 間19)は. 実験的貧血家兎に. 静 注 して そ の 影 響 を夫 々 観 察 して い る. 白 血 球 系 に及 ぼ す 影 響 につ い て は, Ahlborg2)は グ リシ ン,グ ル タ ミ ン酸 の 経 口投 与 で 白血 球 増 多 特 に 好 中球 の 増 多 を来 す と述 べ て い る.本 邦 で は 市 川19) が 各種 ア ミ ノ酸0.1%溶 射 して 白血 球 増 多 症,活. 液2ccを. 健 康 海 〓 に皮 下 注. 動型 リン パ球 増 多 症,単 球 増. 多 症,顆 粒 球 増 多 症 につ い て し らべ て い る.そ の結 果 白血 球 増 多 作 用 の強 い ア ミ ノ酸 を順 に 並 べ る と ヒス チ. の ア ミ ノ酸 で は チス チ ン,チ ロ ジ ン,セ リ ン等 が 夫 々. ヂ ン>ロ イ チ ン>ク. 至 適 濃 度 に 於 て 対 照 よ り僅 に 増 生 面 積 が 大 で あ るに 過. チ ロ ジ ン>ト. ぎ な か つ た.ア ス パ ラギ ン酸,グ ル タ ミ ン酸,グ. チ ン>チ ステ ィ ン>フ ェ ニ ール ア ラニ ン>ア ル ギニ ン. リシ. レア チ ン>ノ ル パ リン>パ. リプ トフ ァ ン>リ ジ ン>タ ウ リンオ ル ニ. ン,オ ル ニ チ ン等 は 対 照 と全 く同 じ値 を示 し,白 血球. >ア ス パ ラ ギ ン>チ スチ ン=0<ア. 増 生 に対 し て何 等 の影 響 を 認 め な か つ た.. ル タ ミ ン酸 の 順 序 で あつ て,モ. こ こ で ア ミ ノ酸 の必 須性 に つ い て み るに,周 知 の如. リン>. 酸 が 最 強 で あ る.即 ち‑HH2基. ス パ ラ ギ ン酸 く グ. ノア ミ ノモ ノカ ル ボ ン と‑COOH基. との 調.
(11) 各 種 可 欠ア ミ ノ酸 の骨 髄 造 血 機 能 に 及 ぼ す 影 和 し た もの が 白血 球 増 多 を来 し,‑COOH基. の 多い も. く430mg/dlで. 5077. ク ル タ ミ ン酸 に 次 い で 第2位 を 占 め,. の が抑 制 の 傾 向 を示 す と述 べ てい る.一 方 渡 辺44)は. ア ル ギ ニ ンは200mg/dl含. 各種 ア ミ ノ酸 家 兎注 射 実 験 で 白血 球 増 多 作 用 は,チ ス. プ ロ リ ンは 極 く微 量 に 含 まれ るに過 ぎ ない か,三 者 中. チ ン>チ ス テ イン>グ ル タ ミ ン酸>グ. 最 も強 力 に 作 用 し,低 濃 度 で も 効果 を有 す る点 が 注 目. リシ ン>ロ イチ. ン>ト リプ トフ ァ ン>ヒ スチ ヂ ンの順 で あ ると.市 川. ま れ て お り,ヒ. ドロキ シ. され る.. とは 相 違 す る結 果 を報 告 し てい る.以 上 の 如 く従 来 ア. プ ロ リンは 生 体 内 で グ ル タ ミ ン酸 及 び オ ルニ チ ン よ. ミ ノ酸 の 白血 球 系造 血 に及 ぼ す 影 響 は 末 梢 血 白血 球 数. り形 成 され る事 が 知 られ て い るが,私 の 添 加 実 験 の 結. の 増減 を観 察 す る に 止 ま り骨 髄 を見 た も の は なか つ. 果 で は グル タ ミ ン酸,オ ル ニ チ ンに は共 に 白血 球 増 生. た.平 木教 授13)は. 作 用が 全 く認 め られ ず,プ. ア ミ ノ酸(必 須 ア ミ ノ酸 とチ ス. ロ リンは 高 濃 度 で ヒ ドロ キ. テ ィ ン,ヒ スチ ヂ ン)を 家 兎 骨髄 組 織 培 養 に添 加 し 白. シ プ ロ リンに 近 い 作 用 を有 す る.ヒ. 血 球造 血 に及 ぼ す 影 響 を検 討 した 結 果,チ ス テ インが. は 生 体 内 で プ ロ リンの 酸 化 に よ り形 成 され るが,逆 に. ドロ キ シ プ ロ リン. 白血球 増生 最 も強 く ヒス チ ヂ ンが これ に次 ぎ,必 須 ア. ヒ ドロキ シ プ ロ リンか らプ ロ リン の形 成 は 証 明 され て. ミ ノ酸 に は 白血 球 増 血 促 進 作 用 を全 く見 な かつ た.そ. い な い.生 体 内で は プ ロ リンが ヒ ドロ キ シ プ ロ リンに. の 後教 室 に 於 て再 生 不 良 性 貧 血 に ポ リ タ ミ ン(牛 乳 カ. なつ て始 め て強 力 な 白 血球 系造 血 促 進 作 用 を発 揮 す る. ゼ イン酵 素 分 解 産 物)の 大量 静注 を行 い経 過 良 好 な る. もの であ る.私 の 実験 で,培 地 中 で プ ロ リ ンの 極 く一. 例 を経 験 し,ポ. 部 が ヒ ドロキ シ プ ロ リン に変 化 す る可 能 性 は 充 分 に 考. リタ ミ ン中 に含 ま れ る必 須 ア ミ ノ酸 以. 外 の もの で 本 症 に有 効 な物 質 の存 在 が 想 像 され,先 づ そ の 中 に含 まれ る各 種 可 欠 ア ミ ノ酸 を骨 髄 組 織 培 養 に 添 加 し,そ の 影響 を検 討 した.. 半 必 須 ア ミ ノ酸 と考 え られ るア ル ギ ニ ンが プ ロ リン に略 々近 い 白血 球 増 生 作 用 を示 した が,本 ア ミ ノ酸 は. ここ で必 須 ア ミ ノ酸 と可 欠 ア ミ ノ酸 の 相 互 関 係 に つ い てみ るに, Albanese1)に. え られ る.. よれ ば 体 内に 於 て は 蛋 白. 新 生 そ の 他 に必 要 な可 欠 ア ミ ノ酸 の 合 成 に は エ ネル ギ ー を要 す るの み な らず ,可 欠 ア ミ ノ酸 が 必 須 ア ミ ノ酸. オ ル ニチ ン よ りチ トル リ ンを 介 し て生 成 され るが,オ ル ニ チ ンに は既 述 した如 く白血 球 増 生 作 用 は 認 め られ な い. シス チ ンに つ い て は 古 くよ り白血 球 増 多 作 用 が 注 目. よ り生 成 され な け れ ば な らぬ こ と に な り更 に この 一時. され て い る.含 硫 ア ミ ノ酸 で あ るシ スチ ンは 嘗 ては 必. 的可 欠 ア ミ ノ酸 欠乏 状 態 が組 織 蛋 白合 成 の 速 度 を低下. 須 ア ミ ノ酸 と考 え られ た が,後 に ネ ズ ミの食 餌 中の シ. せ しめ,例 え ば10種 必 須 ア ミ ノ酸 混 合 物 の み を窒 素 源. ス チ ン を メチ オ ニ ンで 代 替 え 出 来 るこ と が判 明 し て以. と して 大黒 鼠 を飼 養 す ると き,そ の 成 長 は 蛋 白 含有 食. 来,動 物 体 内 で 合 成 され る事 が 明 らか と なつ た.シ ス. に及 ば な い. Rose33)も10種. ア ミ ノ酸 混 合 物 と19種 ア. チ ンは 生 体 内 で 多 くの 酸 化,還 元反 応 と相 対 し て シ ス. ミ ノ酸 混合 物 餌 育 に 於 け る成 長 を比 較 し,前 者 は 後者. テ イ ン と活 発 に 相 互 に 移 行 し合 つ て い る.先 に シ ス テ. の70〜75%に. 過 ぎな い と述 べ て い る.斯 様 な意 味 に於. て も可 欠 ア ミ ノ酸 を無 視 す るこ と は 出来 ない. 扨 て 私 の 得 た実 験 結 果 を考 案 す るに,ポ. リタ ミ ンは. 明 らか に 骨髄 の 白 血球 系造 血 に 対 して刺 戟 的 に作 用 し. インが 骨 髄 培 養 添 加 で 可 成 りの 白血 球 増 生作 用 を 認め て い るが,チ ス チ ンに も 同様 の 作用 が あ るこ と が 判 明 し た. 次 い で チ ロ ジ ン,セ リ ンに も シ ス チ ン と 同程 度 の作. た が,高 濃 度 に 於 て そ の作 用 が見 られ 低 濃 度 では か か. 用 が 認 め られ た.プ. る作 用 が 見 られ な い事 は,再 生 不 良性 貧 血 に 大 量 投 与. チ ロジ ンの代 謝 は ア ル カ プ トン尿 の 研 究 か ら発 展 し,. が有 効 で あ つ た の と考 え合 わ せ て興 味が あ る,而 して. 現 在 で は フ ェ ニ ール,ア ラ ニ ンか ら生 体 内 で形 成 され. 牛 乳 カゼ イ ン酸 分 解物 で も 同様 の作 用 が 見 られ た が,. るこ とが 証 明 され て い るが この フェ ニ ー ル ア ラ ニ ン に. ロ リ ンと 同 じ有 核 ア ミ ノ酸 で あ る. 周 知 の 如 く蛋 白 の酸 分解 で は酵 素 分 解 に比 し て トリプ. は 白血 球 系 に対 す る刺 戟 作 用 は 認め られ なか つ た.一. トフ ァ ン.シ スチ ンの 様 な ア ミ ノ酸 が 殆 ん ど完 全 に 破. 方 セ リ ンは グ リシ ンと代 謝 上 密 接 な関 係 を有 す るが 共. 壊 され て 了 うも の で,従 つ て ポ リタ ミ ンの 白血 球 系 造. に必 須 ア ミ ノ酸 で は な く,炭 水 化物 か ら誘 導 され 相互. 血 促進 作 用は シ ス チ ン に依 ら な い も の であ る と云 え. に変 換 し得 る.グ リシ ン に は 白血 球 増 生 作 用 は 認 め ら. る.事 実 シス チ ン よ り以 上 に ヒ ドロ キ レ プ ロ リン,プ. れ なか つ た.. ロ リン,ア ル ギニ ンが 強 力 な 白血 球 増 生 作 用 を有 す る 事 が 添 加 実験 に よ り確 認 され た.然. して これ 等 ア ミ ノ. 酸 の ポ リ タ ミ ン中 に含 ま れ る量 は,プ. ロ リ ンが最 も多. 以 上 ポ リタ ミ ン中 に含 まれ る各種 可 欠ア ミ ノ酸 の骨 髄 組 織培 養 に 於 け る白血 球 増 生 に及 ぼ す 促進 効 果 で は 全 く予期 し なか つ た ヒ ドロ キ シ プ ロ リン に最 も強 い 作.
(12) 5078. 李. 敏. 然. 用 を 認め,従 来 よ り云 は れ た シ スチ ン を遙 に 凌 駕 し,. い つ れ の 濃 度 に 於 て も増 生 面積 並 に 細胞 密 度 が 対照 の. ポ リタ ミン中 に於 け る含 量 は 最 も少 い が,低 濃 度 に於. 2〜3倍. て も 効果 が有 る点甚 だ 興 味 あ る点 で あ る。. 3). 第5章. 結. プ ロ リ ンと ア ル ギ ニ ンは高 濃 度 に 於 て 対 照 の約2. 倍,低 濃 度 で は僅 に 増 生面 積 の 増大 を示 し た.. 語. 4). 私 は綜 合 ア ミ ノ酸 製 剤 ポ リタ ミン(牛 乳 カゼ イン酵 素 分 解産 物)並. で他 の ア ミ ノ酸 に 比 し最 大 の値 を 示 した.. シ ス チ ン,チ ロ ジ ン,セ リンは 夫 々至 適 濃 度 に 於. て 対 照 よ り僅 に増 生 面 積 が 大 で あ るに過 ぎ なか つ た.. に牛 乳 カ ゼ イ ン酸 分解 物 とポ リタ ミ ン. 5). ア スパ ラ ギ ン酸,ク ル タ ミン酸,ク. リシ ン,オ ル. ニチ ン等 は 対 照 に 比 し全 く有 意 の 差 を示 さな か つ た.. 中 に含 まれ る10種 類 の 可 欠 ア ミ ノ酸 を夫 々家 兎骨 髄 組 織 培 養 に 直接 添 加 して,そ の組 織 増 生面 積,細 胞 密 度 を測 定 し,白 血 球 系造 血 に 及ぼ す 影 響 を検 討 し次 の 結. 擱 筆 す るに 当 り終 始 御 懇 篤 な る御 指 導,御 校 閲 を賜. 果 を得 た. 1). わ つ た恩 師 平 木 教 授 並 に角 南 講 師 に 深 謝 致 し ます.. ポ リタ ミ ン と カ ゼ イ ン酸 分 解 物 は 共 に 高 濃 度 に 於. (本 論 文 の 要 旨は1958年 台 湾 医 学 会 総 会に 於 て発 表 し. ての み 対 照 に比 し若 干増 生 面積 の 増 大 を示 した. 2). た). ヒ ドロ キ シ プ ロ リンは 添 加 濃 度0.1〜0.0001%の. Influences. of Various. Non-Essential. Amino. Acids. on the Hematopoiesis Part. 1.. Influences. of. various. leucocyte. growth. non-essential. in rabbit. amino. bone marrow. tissue. acids. on. culture. By Lee Bin Zen Department. of Internal. Medicine Okayama University. (Director:. Medical School. Prof. Kiyoshi Hiraki). By adding such substances as polytamine, a derivative of amino acids (a by-product of caseous fermentation of cow's milk), by-product of cow's milk caseous hydrolysis with acid, and ten different non-essential amino acids contained in polytamine directly to rabbit bone marrow tissue culture, the author estimated the tissue growth area and cell density and stud ied influences of these substances on the production of the leucocyte series in the bone ma rrow. The results are as follows. 1. Both polytamine and by-product of cow's milk caseous hydrolysis with acid can incr ease the growth area slightly more than the control only in a high concentration. 2. With addition of L-hydroxyproline in the concentration from 0.1 to 0.0001 per cent, this substance in any concentration within this range increases the growth area and cell density 2-3 times that of the control, showing the greatest values among amino acids used in the present experiment. 3. Both L-proline and L-arginine in high concentration increase the growth area twice the control, and slightly at low concentration. 4. L-Cysteine, L-tyrodine, and DL-serine each in a proximal concentration can only inc rease the growth area slightly more than the control. 5. L-Aspartic acid and L-glutamic acid, glycine, and L-ornithine show hardly any signifi cant difference as compared with the control..
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