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JAXA Repository AIREX: 電動航空機の試験飛行許可取得

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(1)

宇宙航空研究開発機構研究開発報告

JAXA Research and Development Report

電動航空機の試験飛行許可取得

Acquisition Procedure of Permission for Electric Aircraft Test Flights

飯島朋子,小林宙,西沢啓,山崎宏二

Tomoko IIJIMA, Hiroshi KOBAYASHI, Akira NISHIZAWA and Kohji YAMAZAKI

2017年8月

宇宙航空研究開発機構

(2)

2 取得すべき飛行許可の種類 ··· 5

3 試験飛行許可取得プロセス ··· 6

  3.1 機材の選定(図3-1-①) ··· 6

    (1) 耐空類別の選定 ··· 6

      A.前例のある耐空類別を選定する観点 ··· 8

      B.技術開発における長所と短所の観点 ··· 8

    (2) 開発範囲の決定 ··· 9

    (3) 具体的な型式の選定 ··· 9

    (4) 型式選定後の飛行規程の改訂 ··· 9

 3.2 安全性確保の基本方針の確立(図3-1-②) ··· 9

 3.3 飛行試験場選定(図3-1-③) ··· 10

    (1) 一般論 ··· 10

    (2) FEATHER研究事業の場合 ··· 11

 3.4 適合性審査表作成(図3-1-④) ··· 11

 3.5 設計に反映(図3-1-⑤) ··· 13

 3.6 適合性証明方案作成と実際の証明 ··· 13

    (1) 電動ガイドライン・SCを修正した例 ··· 14

    (2) 基準の変更例 -非常着陸状態の強度の証明 ··· 14

    (3) 航空局に提示した試験方案例 ··· 15

      A.地上滑走試験方案例 ··· 15

      B.場周飛行試験方案例 ··· 16

 3.7 運用手順書作成(図3-1-⑧) ··· 16

 3.8 航空局への申請書類作成(図3-1-⑨) ··· 17

 3.9 試験飛行許可申請スケジュール ··· 17

4 その他の教訓 ··· 18

 4.1 搭載システムの代替案の想定 ··· 18

 4.2 検査官との密なコミュニケーション ··· 18

 4.3 パイロット保険 ··· 18

5 まとめ ··· 19

(3)

Acquisition Procedure of Permission for Electric Aircraft Test Flights

Tomoko IIJIMA*1、 Hiroshi KOBAYASHI *1

、Akira NISHIZAWA *1

、Kohji YAMAZAKI *2

ABSTRACT

This paper describes the acquisition process of permission for electric aircraft test flights. The Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA) conducted research project named “FEATHER (Flight demonstration of Electric Aircraft Technology for Harmonized Ecological Revolution) between 2012 and 2015. In order to conduct the FEATHER project, a test flight permission of electric aircraft from the Japan Civil Aviation Bureau (JCAB) of Ministry of Land, Infrastructure, Transportation and Tourism was required. However, such a permission for an airworthiness classification of the demonstration aircraft was unprecedented in Japan. Therefore, under the coordination of JCAB, we JAXA selected and corrected safety standards which our FEATHER project should comply based on a current airworthiness standard, JAR-22 preliminary guideline and CS-22 Special condition for the installation of electric propulsion units in powered sailplanes. We developed system design of electric aircraft for the FEATHER project and conducted various system tests to satisfy the standards mentioned above.

In this paper, we outlined the process of acquiring the test flight permission of the electric aircraft up to certify the compliance, including the selection of a demonstration testing machine and airfield, in order to share the know-how of an example of acquisition procedure of permission for electric aircraft test flights in Japan.

Keywords: Electric Aircraft, Electric Propulsion System, Motor Glider, Flight Test, Airworthiness, Certification, CS-22, Flight Permission in Japan

平成 年 月 日 受付

航空技術部門 次世代航空イノベーションハブ

有限会社 オリンポス

doi: 10.20637/JAXA-RR-17-001/0001

*

平成29年5月22日受付(Received May 22, 2017)

*1

航空技術部門 次世代航空イノベーションハブ

(Next Generation Aeronautical Innovation Hub Center, Aeronautical Technology Directorate) *2

(4)

概 要

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、独自に開発した航空機用電動推

進 シ ス テ ム 技 術 を 飛 行 実 証 す る た め 、FEATHER(Flight demonstration of Electric Aircraft Technology for Harmonized Ecological Revolution) と 呼 称 す る 研 究 事 業 を 2012 年~2015 年にかけて実施した。FEATHER 研究事業を実施するにあたり、国土交

通省航空局から電動航空機の試験許可取得が必須であるが、国内では当該実証機の耐空類

別における耐空性基準が存在しなかった。そこで航空局との調整の下、電動推進システム

を動力滑空機に搭載するためのJAR(Joint Aviation Requirement)-22 のガイドライン・ CS(Certification Specification)-22 の特別要件と現行の耐空性審査項目から、本件が準拠

すべき安全性基準の選定と修正を行い、基準への適合性を保証するための推進システム設

計及び試験等による各種証明に取り組んだ。本稿では実証試験機や飛行場の選定も含め、

各種システムの適合性証明に至るまでの電動航空機の試験飛行許可取得プロセスについて 、

前例としてのノウハウを国内で共有する観点で概説した。

略語

CB CS EMI FEATHER

FMEA FLT FTA JAXA JAR NTL LSA PC PWR RGN SAE SC Sim Fail S.O.C SW ULP UWC

Circuit Braker

Certification Specification Electro Magnetic Interference

Flight demonstration of Electric Aircraft Technology for Harmonized Ecological Revolution

Failure Mode Effective Analysis Flight

Fault Tree Analysis

Japan Aerospace Exploration Agency Joint Aviation Requirement

Neutral

Light Sports Aircraft Personal Computer Power

Re Generation

Society of Automotive Engineers Special Conditions

Simulated Fail State Of Charge Switch

(5)

1.

はじめに

航 空 機 の 電 動 化 は 燃 費 や 整 備 費 を 大 幅 に 低 減 で き る 革 新 技 術 の 候 補 で あ り、 将 来 の 航 空 機 の 競 争 力 を 左 右 す る 重 要 な 技 術 で あ る。 国 立 研 究 開 発 法 人 宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構(JAXA) で は、 独 自 に 開 発 し た 航 空 機 用 電 動 推 進 シ ス テ ム 技 術 を 飛 行 実 証 す る た め、FEATHER(Flight

demonstration of Electric Aircraft Technology for Harmonized Ecological Revolution) と 呼 称 す る 研 究 事 業

1)

2012年 ~2015年 に か け て 実 施 し た。 本

事 業 に お い て は、 技 術 実 証 が 主 目 的 で あ る が、 電 動 航 空 機 と し て の 飛 行 許 可 取 得 の 前 例 を 作 る こ と に よ り、 国 内 に お け る 電 動 航 空 機 開 発 促 進 に 寄 与 す る こ と も 重 要な目的と位置付けた。

  本 事 業 で は 既 存 の 単 発 航 空 機 の レ シ プ ロ エ ン ジ ン を、JAXAが 独 自 に 開 発 す る 航空機用電動推進システム(図1-1)

1)

に換 装 し て 飛 行 実 証 を 行 っ た。 当 概 シ ス テ ム は、 世 界 で 開 発 さ れ て い る 電 動 航 空 機 と は 異 な り、 一 つ の モ ー タ が 故 障 し た と し て も 離 陸 上 昇 が 継 続 可 能 な 4 重 化 モ ー タ を 有 し、 上 空 で の エ ネ ル ギ 回 生 を 可 能 と す る の が 特 徴 で あ る。 飛 行 実 証 を 行 う た め に は、 国 土 交 通 省 航 空 局 か ら 航 空 法 た だ し 書 き の 試 験 飛 行 等 の 許 可( 以 下、 試 験 飛 行 許 可 ) を 取 得 す る 必 要 が あ る。 し か し、2012年 当 時 は、 電 動 航 空 機 に 関 す る 耐 空 性 基 準 は 世 界 的 に 議 論 さ れ て い る 段 階 で あ り、LSA(Light Sports Aircraft)

カテゴリの暫定基準

2)

を除いて公的には発 行されていなかった。

しかし、欧州の電動航空機

e.g3),4),5)

は、 電 動 推 進 シ ス テ ム を 動 力 滑 空 機 に 搭載するためのJAR(Joint Aviation

Requirement)-22のガイドライン(以下、

電動ガイドライン)

6)

や、CS(Certification

Specification)-22の 特 別 要 件( 以 下、 電

動SC)

7)

を 基 に 安 全 性 の 証 明、 型 式 証 明 の取得が行われていた。

そ こ で、JAXAに お い て も 電 動 ガ イ ド ラ イ ン

6)

・ 電 動SC

7)

と 現 行 の 耐 空 性 審 査 項目

8)

を基に本件が準拠すべき安全性の基 準 を 検 討・ 整 理 し た。 さ ら に、 そ れ ら に 適 合 す る よ う に 航 空 機 用 電 動 推 進 シ ス テ ム を 設 計 し、 試 験 飛 行 許 可 に 必 要 な 各 種 証明を行った。

本 稿 で は 改 造 母 機 と な る 機 体 の 選 定、 飛 行 場 選 定 も 含 め、 各 種 シ ス テ ム の 適 合 性 証 明 に 至 る ま で の 電 動 航 空 機 の 試 験 飛 行 許 可 取 得 の プ ロ セ ス に つ い て、

FEATHER研 究 事 業 を 例 に 概 説 す る。 本

稿 は、 今 後、 航 空 局 か ら 電 動 航 空 機 の 試 験 飛 行 許 可、 及 び 耐 空 証 明 取 得 を 目 指 す 企 業・ 大 学 等 に と っ て 重 要 な 参 考 資 料 と な り、 幅 広 い 電 動 航 空 機 の 研 究 開 発 促 進 への寄与を目指すものである。

2.

取得すべき飛行許可の種類

有 人 の 航 空 機 で 飛 行 す る た め に は 原 則 と し て 国 土 交 通 大 臣 に よ る 耐 空 証 明

9)

が 必 要 で あ る。 し か し、 こ れ ら の 手 続 き は

図1-1  FEATHER事業で設計・開発を行った航空機用電動推進システムの構成

(購入品も含む)

A) 電動モータグライダシステム

A1-1)駆動システム

モータ インバータ

冷却装置 減速機 可変ピッチプロペラ

システム制御ユニット

航空用Li-Ion電池

A1-2)電力源システム

A1-3)操作システム

A1-4)制御システム

A1-5)表示システム

電動モータグライダシステム(2人乗りモータグライダー改造 )

原型機:Diamond aircraft社 HK36 TTC ECO

離陸総質量:850kg

翼幅:16.33m

航空用Li-Ion電池

電動モータ

可変ピッチプロペラ

システム制御ユニット

A1) 電動推進システム

冷却装置 インバータ

減速機

電動モータ インバータ

(6)

航空機製造検査認定事業場

10)

(当該航空機 の 製 造 及 び 完 成 後 の 検 査 の 能 力 に つ い て 国 土 交 通 大 臣 の 認 定 を 受 け た 者 ) が、 航 空 機 製 造 事 業 を 行 う こ と を 前 提 と し た 制 度 で あ る。 そ の た め、 研 究 機 関 な ど が 研 究 目 的 で そ の 都 度 新 規 に 開 発・ 製 造 さ れ る 航 空 機 等 に は 既 存 の 航 空 機 の 耐 空 類 別 に カ テ ゴ ラ イ ズ で き な い 等 そ ぐ わ な い こ とがある。

そこで、航空法

11)

には例外条項として、 第11条第1項ただし書等が規定されてい る。 そ れ ら の 規 程 に 基 づ き、 耐 空 証 明 を 有 し な い 航 空 機 等 に つ い て も 飛 行 を 許 可 する仕組みが「試験飛行等の許可」である。 試 験 飛 行 等 の 許 可 の 適 用 対 象

12)

と し て は 以下が挙げられる。

(1) 製 造 業 者、 研 究 機 関 等 が 航 空 機 ま た

は そ の 装 備 品 の 研 究、 開 発 の た め に 行う飛行

(2) 整 備 ま た は 改 造 の た め の そ の 実 施 基

地までの飛行

(3) 輸出入のための空輸

(4) 指 定 さ れ た 運 用 限 界 を 超 え て 行 う 飛

(5) 外 国 航 空 機 の 一 時 的 な 国 内 使 用 に 係

る飛行

(6) 外国航空機の(5)以外の国内使用の場

合 で あ っ て、 耐 空 証 明 の 取 得 が 困 難 な航空機の飛行

(7) 米 国 政 府 の 発 行 し たExperimental

Categoryの 耐 空 証 明 を 有 す る 航 空 機

の飛行

(8) 防衛庁納入予定航空機の飛行

上 記 の 場 合 に お け る 飛 行 許 可 手 続 き は 航 空 法 の 解 釈 及 び 運 用 の 細 則 を 記 し た 「 航 空 機 検 査 業 務 サ ー キ ュ ラ ー」

12)

の 内、

No.1-005「 試 験 飛 行 等 の 許 可 に つ い て 」

に則って実施される。

上 記 以 外 の 対 象 と し て、 サ ー キ ュ ラ ー

No.1-006「 自 作 航 空 機 に 関 す る 試 験 飛

行 等 の 許 可 に つ い て 」、 と サ ー キ ュ ラ ー

No.1-007「 超 軽 量 動 力 機 又 は ジ ャ イ ロ プ

レ ー ン に 関 す る 試 験 飛 行 等 の 許 可 に つ い て 」 が あ る。 こ れ ら は、 航 空 愛 好 家 が 本 来 飛 行 す る こ と 自 体 を 目 的 と し て い る も の、 ス ポ ー ツ や レ ク レ ー シ ョ ン 等 の 目 的 で 飛 行 す る も の に 限 り 許 可 が 行 わ れ る た め、 研 究 開 発 を 目 的 と し た 飛 行 に は そ ぐ

わない。

  こ れ ま で 国 内 に お い て、 電 動 航 空 機 の 有 人 飛 行 に 関 す る 飛 行 許 可 を 取 得 し た 例 と し て、(有)オ リ ン ポ ス と サ レ ジ オ 高 専 の 共 同 ソ ー ラ ー フ ラ イ ト プ ロ ジ ェ ク ト

13)

,14)

におけるSP-1、水島工業高校のメシア プ ロ ジ ェ ク ト

15)

に お け る エ ア ロ メ シ ア が あ る が、 い ず れ も サ ー キ ュ ラ ーNo.1-006 「自作航空機に関する試験飛行等の許可に つ い て 」 に 準 拠 し た も の で あ る。 ま た、 電 動 航 空 機 の 開 発 を 試 み て い る 大 学 や 国 内 企 業 等 も あ る が、 飛 行 許 可 の 取 得 ま で に は 至 っ て い な い。 従 っ て、JAXAで は 上 記 の(1) 「 製 造 業 者、 研 究 機 関 等 が 航 空 機 ま た は そ の 装 備 品 の 研 究、 開 発 の た め に 行 う 飛 行 」 を 対 象 と し て サ ー キ ュ ラ ー

No.1-005に 則 っ た 飛 行 許 可 取 得 の 前 例 を

作 る こ と を 課 題 と し た。 そ の 意 義 は 後 述 す る が、 重 量 と 出 力 が あ る 程 度 大 き い 規 模 の 航 空 機 を 対 象 と す る の で、 実 用 機 へ の 応 用 性 が 期 待 で き る こ と と、 耐 空 性 審 査 要 領 に 準 拠 し た 適 合 性 判 定 を 実 施 す る た め、 将 来 の 型 式 証 明 取 得 プ ロ セ ス に も 有 用 な 事 例 と な り 得 る と 考 え る こ と で あ る。

3.

試験飛行許可取得プロセス

  図3-1に 本 稿 で 提 案 す る 試 験 飛 行 許 可 取 得 の プ ロ セ ス を 示 す。 ス テ ッ プ は 概 ね

ABSTRACT

① ~ ⑩ に 区 分 さ れ、 航 空 局 と の 試 験 飛 行 許可に関する調整範囲は②以降となる。

FEATHER研 究 事 業 で は、 こ の プ ロ セ

スに基づいて試験飛行許可を取得したが、 他 の 電 動 航 空 機 開 発 に お い て も、 概 ね こ のプロセスに沿えば良いと考える。

次 セ ク シ ョ ン 以 降、 各 ス テ ッ プ に つ い て述べる。

3.1 機材の選定(図3-1-①)

(1) 耐空類別の選定

(7)

図3-1  電動航空機の試験飛行許可取得プロセス

図3-2  世界の電動航空機 最大離陸重量と最大出力の関係

 試験飛行許可取得の容易さの観点では、 各 試 験 の 目 的・ 予 算・ ス ケ ジ ュ ー ル を 考 慮 し た 上 で、 前 例 の あ る( 国 内 外 で 既 に

耐 空 証 明 を 取 得 し て い る ) 耐 空 類 別 を 選 定することが望ましい。

※ 実際に認証を受けたカテゴリは「実験機」が多く、必ずしも図中に示した重量区分に よるカテゴリで認証を受けたわけではないことに注意されたい。また航空分野では、

(8)

  以 下 に、FEATHER研 究 事 業 の 場 合 の 耐空類別選定プロセスについて述べる。

A.前例のある耐空類別を選定する観点

  世 界 各 国 で 開 発 さ れ た 電 動 航 空 機 に 関 し て、 最 大 離 陸 重 量 と 最 大 出 力 の 関 係 を 図3-2に 示 す。 最 大 離 陸 重 量 の 範 囲 か ら、 既 に 開 発 さ れ た 電 動 航 空 機 の 種 類 と し て

ULP(Ultra Light Plane)、LSA(Light

Sports Aircraft)、 動 力 滑 空 機、 飛 行 機

が 存 在 す る こ と が 分 か る。 国 外 の 場 合 は

Experimentalの 分 類 で 耐 空 証 明 を 取 得

す る 場 合 も 多 い こ と か ら、 必 ず し も そ の 重 量 に 該 当 す る 耐 空 類 別 の 耐 空 証 明 を 取 得 し て い る わ け で は な い。 具 体 的 に は、

LSAや 動 力 滑 空 機 の 耐 空 類 別 で 耐 空 証 明

を 取 得 し た 電 動 航 空 機 の 例 は あ る が、 飛 行 機 の 耐 空 類 別 に つ い て は 未 だ 世 界 で も 例 が な い。ULPに つ い て は、 そ も そ も 耐 空証明取得の必要はない。

また、国内の現状は以下の通りである。

・Experimentalの分類の制度はない。

・ULPに つ い て は、 サ ー キ ュ ラ ー

No.1-007の 許 可 は 必 要 で あ る も の の、 耐 空 証

明は必要ない。

・LSAに つ い て は、 耐 空 類 別 と し て 認 可 されていない。

飛 行 実 績 の な い 耐 空 類 別 を 選 択 し て、 試 験 飛 行 許 可 を 取 得 し よ う と す る と 前 例 が な い た め 多 く の 時 間 と コ ス ト を 要 す る

こ と が 予 想 さ れ る。 ま た、 飛 行 実 績 が あ っ て も 日 本 で 認 可 さ れ て い な い 耐 空 類 別 の 場 合 は、 や は り 許 可 取 得 に は 相 当 の リ スクがある。

そ こ で、 前 例 の あ る 耐 空 類 別 選 定 の 観 点 か ら は、ULPか 動 力 滑 空 機 が 適 切 で あ ると考えた。

B.技術開発における長所と短所の観点

  表3-1に、FEATHER研 究 事 業 に お け る 耐 空 類 別 を 選 定 す る 際 のULP、LSA、 動 力 滑 空 機、 飛 行 機 に 関 す る 長 所 と 短 所 を示す。

  耐 空 類 別 選 定 の 観 点 か ら は、ULPの 選 択 に メ リ ッ ト が あ る が、 短 所 と し て 事 業 ラ イ セ ン ス の 存 在 す る 実 用 性 の あ る 機 体 シ ス テ ム の 耐 空 証 明・ 試 験 飛 行 技 術 が 取 得 で き な い と い う の が あ る。 ま た、 飛 行 機 に 関 し て は 上 述 し た よ う に 未 だ に 世 界 で 例 が な い こ と と、 試 験 飛 行 許 可 を 取 得 す る 技 術 的 な 観 点 か ら は、 エ ン ジ ン を 停 止 し て の 滑 空 が 通 常 操 作 の 範 疇 で あ る 動 力 滑 空 機 の 方 が シ ス テ ム 故 障・ 異 常 時 に 有 利 で あ る と 考 え ら れ る。 有 利 な 点 を 活 かす詳細は、3.2にも述べる。

以 上 の 観 点 か ら、 耐 空 類 別 と し て 動 力 滑空機を選択した。

(9)

(2) 開発範囲の決定

 (1)での耐空類別選択後、目的によって 機 体 を 全 機 レ ベ ル で 開 発 す る か、 一 部 の み開発するかの開発範囲の決定を行う。

FEATHER研 究 事 業 は、 独 自 に 開 発 し

た 電 動 推 進 系 の 性 能 を 証 明 す る こ と が 目 的

1)

で あ る た め、 最 短 時 間・ 最 小 コ ス ト で 当 概 目 的 を 達 成 す る こ と を 優 先 し た。 そ こ で、 機 体 開 発 を 一 か ら 実 施 す る の で は な く、 既 存 の 機 体 の エ ン ジ ン を 換 装 す る方法を採用した。

(3) 具体的な型式の選定

(1)、(2)のプロセスを経た後、この段階

では実際の使用機材の型式を選定する。

 FEATHER研 究 事 業 で は、 電 力 源 と し て 選 定 し た 航 空 用 リ チ ウ ム イ オ ン 電 池 の 可 載 性 が 最 初 の 制 約 条 件 と な っ た。 後 述 す る が、 電 池 が 万 一 有 害 ガ ス を 発 生 し て も 乗 員 の 安 全 性 が 確 保 さ れ る こ と が 要 求 さ れ る た め、 当 概 電 池 を コ ッ ク ピ ッ ト 内 ではない場所に搭載できる必要があった。   そ の 結 果、 翼 の 下 に 搭 載 物 を 入 れ る た め のUWC(Under Wing Container、 以 下、 ポ ッ ド ) を 標 準 装 備 す る 唯 一 の 動 力 滑 空 機 で あ る ダ イ ヤ モ ン ド・ エ ア ク ラ フ ト 社 製、HK36TTC-ECO( 以 下、ECO、 図3-3)を選定した。

(4) 型式選定後の飛行規程の改訂

①一般論

  機 材 の 型 式 を 選 定 後、 そ の 型 式 を 飛 行 規 程 通 り 使 用 で き る 場 合 と、 搭 載 物 の 条 件 か ら 機 材 の 限 界 事 項 を 超 え る 等、 必 ず し も 既 存 の 飛 行 規 程 通 り に 使 用 で き な い 場 合 が あ る。 す な わ ち、 機 材 の 型 式 を 選 定 す れ ば 選 定 の プ ロ セ ス が 終 了 し た と は 限 ら な い こ と に 注 意 さ れ た い。 飛 行 規 程 通 り 使 用 で き な い 場 合 は、 原 型 機 材 の 飛 行 規 程 の 変 更 を 検 討 し、 使 用 機 材 の 選 択 肢 を 増 や す こ と が 必 要 と な る。 飛 行 規 程 変更に関しては、性能や限界事項変更等、 機 体 製 造 に 関 る 事 項 で あ る た め、 機 体 製 造メーカの協力が不可欠となる。

②FEATHER研 究 事 業 に お け る 飛 行 規 程 の改訂

 FEATHER研 究 事 業 に お い て も、 機 材 の 型 式 を 選 定 後 に 飛 行 規 程 を 改 訂 す る 必 要 が 生 じ た。 改 訂 理 由 と、 改 訂 の 際 に と った対策を以下に示す。

改訂理由:

  ポ ッ ド に 搭 載 す る 航 空 用 リ チ ウ ム イ オ ン 電 池 の 重 量 が、 ポ ッ ド の 許 容 積 載 重 量 を 超 え て い た。 そ の た め、 許 容 積 載 重 量 制限を変更する必要があった。

対策:

ポ ッ ド の 許 容 積 載 重 量 増 加 に 関 し て、 速度制限によって許容荷重倍数を低減し、 そ の 分 積 載 重 量 を 増 や す こ と を 機 体 メ ー カであるDiamond Aircraft社に相談した。 同 社 か ら は、 荷 重 倍 数 の 低 減 に よ る 積 載 重 量 の 増 加 に 問 題 の な い こ と を 示 すNon

Technical Objection Letterを 発 行 し て も

ら い、 そ れ に 基 づ き 飛 行 実 証 を 含 む 修 理 改 造 検 査 を 実 施 し、 原 型 機 の 個 別 飛 行 規 程 の 追 加 飛 行 規 程No.7( 主 翼 下 面 に ポ ッ ド を 装 備 し て の 運 用 ) を 改 訂 し た。 当 改 訂 は、 当 該 機 に 限 っ た も の で あ り、 動 力 滑 空 機 で あ る た め 航 空 局 の 承 認 は 不 要 で あ る。 従 っ て、 修 理 改 造 検 査 の 際 に 飛 行 規程について耐空検査員の承認を受けた。

(10)

3.2安全性確保の基本方針の確立(図3-1-

  ②)

  試 験 飛 行 許 可 取 得 に 対 し て、 最 初 に 安 全 性 確 保 の た め の 明 確 な 基 本 方 針 を 確 立 し、 関 係 者 間 で 共 有 す る こ と が 重 要 で あ る。 方 針 を 確 立 す る こ と に よ っ て、 飛 行 す る 範 囲 も 限 定 さ れ る た め、 証 明 す る 項 目 を 絞 り 込 め、 そ の 範 囲 内 で の 適 合 性 証 明に集中することが可能となる。

FEATHERの 試 験 飛 行 で は、 図3-4の

イ メ ー ジ 図 に 示 さ れ る よ う に、 離 陸 上 昇 し て、 ト ラ フ ィ ッ ク パ タ ー ン を 回 っ て 着 陸 す る と い う 基 本 的 な 場 周 飛 行 を 実 施 す る。

そ こ で 以 下 の 安 全 性 確 保 の 基 本 方 針 を 立 て、 そ の 方 針 内 で 試 験 許 可 に 必 要 な 証 明をすることを航空局に提示した。 ①緊 急 時 は 電 動 推 進 シ ス テ ム を 完 全 停 止

し、 原 型 機( 滑 空 機 ) に 復 帰 し て 帰 還 する。

②滑 空 機 と し て の フ ラ イ ト エ ッ セ ン シ ャ ルな個所(機体、操縦系統、計器類等) は変更しない。

③い つ で も 滑 走 路 に 帰 還 で き る エ リ ア 内 のみで飛行する。

④原型機の耐空証明を維持した期間内で、

新 規 シ ス テ ム を 換 装 時 の 試 験 飛 行許 可 を 取 得 す る。 原 型 機 の 耐 空 証 明 が 維 持 で き て い れ ば、 そ れ 以 外 の 範 囲 の 証 明 で 済 む た め で あ る。 な お、 原 型 機 の 耐 空 証 明 を 維 持 し た 期 間 内 で の 改 造 で あ り、 か つ 期 間 限 定 の 改 造 で あ る こ と か ら、16条 第3項 に お い て 準 用 す る 同 法 第11条第1項ただし書が適用された。

3.3飛行試験場選定(図3-1-③)

(1) 一般論

  飛 行 試 験 場 の 選 定 に は、 試 験 に お け る 飛 行 条 件 を 選 定 す る 技 術 が 必 要 に な る。 以 下 に 著 者 ら が 考 慮 し た 方 が 良 い と 考 え る 選 定 事 項 を 述 べ る。 こ の 条 件 は 電 動 航 空 機 に 限 ら ず 一 般 的 な 飛 行 試 験 で も 有 用 と考える。

①安全性確保の基本方針

 3.2に述べた安全性確保の基本方針の確 立 に、 飛 行 試 験 場 の 気 象 条 件 や 作 業 環 境 等に関する制約があればそれを考慮する。

②システム・飛行への気象の影響

  風 向・ 風 速、 温 度 条 件 が シ ス テ ム や 飛 行 に 適 し て い る か ど う か を 事 前 に 十 分 調 査 す る。 温 度 環 境 が 悪 く て シ ス テ ム に 不 具 合 を 起 こ す 場 合、 試 験 の 時 期 に 風 が 強 い、 降 水 量 が 多 い 等 で 試 験 に 支 障 を き た す 場 合 が あ る た め、 事 前 の 調 査 が 必 要 で あ る。 上 記 の 制 約 の 中 で 試 験 機 会 を 最 大 化 す る 選 定 が ス ケ ジ ュ ー ル リ ス ク へ の 対 処として有効である。

③関係者側の受け入れ体制

 試験場関係者(例:空港管理者、航空局、 自 衛 隊 等 ) の 受 け 入 れ が 可能 か ど う か を 調整する。

  試 験 に よ っ て 定 期 便 等 に 支 障 を き た す と 受 け 入 れ は 困 難 に な る し、 定 期 便 に よ っ て こ ち ら 側 の 試 験 に 支 障 を き た す か ど うかも十分に検討する必要がある。

④作業環境

 駐機、作業場所、電源等が確保でき、場 合によってはトレーラーなどにより機材が 搬入・設置できるかどうかを評価する。

(11)

  例 え ば、 飛 行 場 に よ っ て は、 機 体 組 み 立 て、 機 体 を 常 駐 さ せ る た め の 格 納 庫 の 借 用 が 困 難 な 場 合、 あ る い は 搭 載 物 を 運 搬 す る た め の ト レ ー ラ の 乗 り 入 れ が 困 難 な 場 合 等 が あ り う る た め、 事 前 に 調 整 を 行う。

⑤コスト・スケジュールの制限

  各 事 業 の 予 算 内 で の 試 験 実 施 が 可 能 か ど う か を 見 積 も る。 さ ら に、 試 験 場 に よ っ て は 特 定 の 曜 日 の み 試 験 が 可 能 で あ る 場 合 も あ る た め、 想 定 し た 試 験 ケ ー ス に 実際に充てられる日程も検討する。

(2) FEATHER研究事業の場合

 3.2-③ に 述 べ た よ う に、 飛 行 試 験 の 際 に シ ス テ ム に 異 常、 ま た は 故 障 が 発 生 し た と し て も、 飛 行 場 に 安 全 に 帰 還 で き る こ と が 必 要 と な る。 今 回 の 飛 行 試 験 で は 離 陸 し て 滑 走 路 の 周 り を 周 っ て 着 陸 す る 場 周 飛 行 を 実 施 す る が、 動 力 滑 空 機 は 上 空 で エ ン ジ ン を 止 め て 滑 空 で き る た め、 場 周 飛 行 中 の 巡 航 高 度 で エ ン ジ ン が 止 ま っ て も 滑 空 飛 行 し て 容 易 に 飛 行 場 に 着 陸 することが可能である。

  し か し、 離 陸 中 の 低 高 度 で シ ス テ ムが 故 障 し た 場 合 に は、 そ の ま ま 直 進 降 下 し て滑走路内に降りる(ジャンプ飛行)か、 反 転 し て 逆 向 き に 着 陸 す る( 反 転 飛 行 ) か( 図3-5参 照 ) を パ イ ロ ッ ト が 判 断 す る 必 要 が あ る。 す な わ ち ジ ャ ン プ 飛 行 時 に ど れ だ け 高 い 高 度 ま で 上 昇 で き、 反 転

飛 行 時 に ど れ だ け 低 い 高 度 で 旋 回 で き る の か、 相 反 す る 二 つ の 高 度 が 重 な っ て い ることが3-2-③を満たす必須条件となる。

そ こ で、 相 反 す る 二 つ の 高 度 が 重 な る 最 低 滑 走 路 長 を、 原 型 機 に よ る パ イ ロ ッ ト ワ ー ク ロ ー ド 評 価 試 験 も 考 慮 し て 決 定 し た

16), 17)

。 そ の 結 果、2700m級 の 滑 走 路 長 が 必 要 と な り、 そ の 他 の 風 向・ 風 速、 温 度 条 件、 定 期 便 に 支 障 を き た さ な い、 作業条件等(3-3-(1)-②~⑤の観点)も考 慮 に 入 れ、 航 空 自 衛 隊 の 岐 阜 飛 行 場( 滑

走路長=2700m)が選定された。

 試験時期(1月)の風向・風速、温度条 件 に 関 し て は、 岐 阜 飛 行 場 と 下 地 島 飛 行 場 を 比 較 し て お り、 比 較 表 を 表3-3に 示 す。 な お、 本 比 較 表 は 気 象 庁 の 過 去 の 気 象 デ ー タ

18)

で あ る2012年9月 か ら2013 年1月までの前年5ヶ月間のデータ(天候、 気温、横風)から算出した。

3.4適合性審査表作成(図3-1-④)

サ ー キ ュ ラ ーNo.1-005に お い て、「 当 該 期 の 安 全 性 に 関 す る 技 術 上 の 基 準 及 び そ れ と の 合 致 を 証 明 す る 資 料 」 が 求 め ら れ て い る こ と か ら、 こ の ス テ ッ プ で は、 適 合 性 審 査 表 を 作 成 す る。 適 合 性 審 査 表 を 作 成 す る 前 に、 下 記 の(1)、(2)の よ う に 適 合 性 審 査 区 分 を 明 確 に す る の が 効 率 的である。

(1) 新規証明不要、必要な項目を明確にす

  る 図3-5 飛行試験場の選定条件

(12)
(13)

(2) 新規証明必要な項目は、

①現行の耐空性審査項目を用いる。 ② JAR-22電動ガイドライン6)、CS-22

電動SC

7)

を基に、現行の耐空性審査項 目を変更する。

③上記で変更した項目を、本試験の目的・

条件に合うように修正する。

  図3-6に、FEATHERに お け る 適 合 性 審 査 表 作 成 の た め の 適 合 性 審 査 区 分 の 決 定 方 法 に つ い て 示 す。 こ の 図 に 示 さ れ る 通 り、 審 査 の 区 分 を フ ロ ー チ ャ ー ト で 明 確 に し て い る が、 新 規 証 明 不 要 の 項 目 と 必 要 な 項 目 に 分 か れ、 新 規 証 明 必 要 な 項 目 に つ い て 証 明 を 行 う。 こ の フ ロ ー チ ャ ー ト は、FEATHER研 究 事 業 に 限 ら ず、 他 の 電 動 航 空 機 開 発 に お い て も 有 用 で あ ると考える。

  図3-6に 示 す フ ロ ー チ ャ ー ト に 基 づ い て 作 成 し たFEATHERの 適 合 性 審 査 表 の 一部を例として表3-4に示す。

  適 合 性 審 査 表 の フ ォ ー マ ッ ト 自 体 は、 電 動 航 空 機 特 有 の も の で は な い た め、 詳 細 説 明 は 割 愛 す る が、 こ の 表 に お い て、 フローチャートに基づいて決定された

・現行の耐空性審査項目を用いる項目 ・電動ガイドラインで置き換えた項目 ・電動航空機に必要ないためその項目自体

を削除した項目

が 明 確 化 さ れ て い る。 ま た、 各 項 目 に 関 し て、 図 面、 解 析、 試 験 等、 ど の よ う な 方 法 で 証 明 す る か を 一 覧 と し て 示 し、 対 応 す る 資 料 番 号( 例:FTHR-CS-5.1.1) が示されている。

3.5設計に反映(図3-1-⑤)

  こ の ス テ ッ プ で は、 各 事 業 で 要 求 さ れ る シ ス テ ム 仕 様 と、 適 合 性 審 査 表 に 示 し た 項 目 の 双 方 に 適 合 す る よ う に 設 計 を 行 う。 基 準 が 曖 昧 な 項 目 に つ い て は、 基 準 に 適 合 す る た め の 具 体 的 な 証 明 方 法 を 検 討 す る た め、 適 宜、 他 の 各 種 ガ イ ド ラ イ ン

e.g19)~22)

を参照する。

 FEATHER研 究 事 業 に お け る 各 種 シ ス テ ム の 設 計 方 針 等 に 関 し て は、 文 献

23)~28)を 参 照 さ れ た い。 文 献23)で は

設 計 方 針 全 般、24)、 及 び25)で は 回 生 シ ス テ ム、26)で は 多 重 化 モ ー タ シ ス テ ム、

27)ではパイロットインターフェース、28)

(14)

3.6適合性証明方案作成と実際の証明

  (図3-1-⑥、⑦)

  こ の ス テ ッ プ で は、 新 規 証 明 必 要 な 項 目 に つ い て は 証 明 方 案 を、 さ ら に 試 験 が 必 要 で あ れ ば 試 験 方 案 を 予 め 作 成 し、 航 空 局 と 事 前 調 整 を 行 い、 合 意 の 上 で 試 験 等 を 実 施 す る。 な お 前 述 し た 通 り、 航 空 局とは、3.2以降は適宜調整の上、進めて いる。

以 下 にFEATHER研 究 事 業 に お け る 証 明 方 案 の 例 を 述 べ る。 ま た、 そ の 他 の 各 種試験による証明の概観を図3-7に示す。

(1) 電動ガイドライン ・ SC を修正した例

  図3-6の「 電 動: 修 正 」 の 例 と し て、 電動推進系の耐久試験の証明方法を表3-5 に 示 す。 表3-5は、 耐 久 試 験 に 必 要 な 動 力( 電 動 モ ー タ ) の 運 用 条 件 と 運 用 時 間 (Duration(分))を示している。

  今 回 の 飛 行 試 験 は ジ ャ ン プ 飛 行 や 場 周

飛行のみに限定されており、1回あたりの 飛行時間が電動ガイドライン・SCの耐久 試 験 が 要 求 す る 離 陸 出 力 時 間 に 比 べ て 非 常 に 短 く1分 程 度 し か な い。 従 っ て、 限 定 さ れ た 飛行 プ ロ フ ァ イ ル に 適 切 な 時 間 と す る た め、 航 空 局 と の 調 整 の 上 で 耐 久 試 験 に お け る 離 陸 出 力 時 間 を4分 か ら2 分に短縮した。

(2) 基準の変更例 - 非常着陸状態の強度の

  証明

-  基 準 の 変 更 例 と し て、 非 常 着 陸 状 態 の 強 度 に 関 す る 基 準 と、 そ れ に 対 す る 証 明 の 方 針 案 を 比 較 し た 表 を 表3-6に 示 す。 表3-6に 示 す 通 り、 耐 空 性 審 査 基 準 第3 部の3-9-1-4は、CS-22.561に準拠してい る。しかし原型機ECOは、CS-22ではな

く、JAR-22に準拠して設計されているた

め、 搭 載 物 強 度 の みCS-22に 準 拠 し て も 構 造 的 に 意 味 が な い。 従 っ て、 搭 載 物 の 強 度 の 基 準 はJAR-22.561に 準 拠 す る こ 表3-5 電動ガイドライン・SCを修正した例、耐久試験

(15)

とで証明を行った。

(3) 航空局に提示した試験方案例

A.地上滑走試験方案例

 FEATHER研究事業では、最終的な場

周飛行試験を実施する前に、地上静止試 験、滑走試験、2箇所でのジャンプ飛行試 験を実施した。2箇所とは、600m級の滑 走路のある大利根飛行場と、2000m級の 滑走路のある飛行場であるが、2000m級

の滑走路の飛行場名は、飛行場関係者と の約定によりここでは言及しない。   ジ ャ ン プ 飛 行 試 験 の 試 験 飛 行 許 可 を 航 空 局 か ら 取 得 す る た め に、 航 空 局 と 滑 走 試 験 の 内 容 を 調 整 し、 試 験 結 果 を 提 示 す る必要があった。

  航 空 局 に 提 示 し て 認 め ら れ た 滑 走 試 験 方 案 例 を 表3-7に、 概 要 を 図3-8に 示 す。 実 際 に 使 用 し た 試 験 方 案 は、 さ ら に 詳 細 になることに注意されたい。

(16)

図3-9 滑走試験結果

  当 該 試 験 で 各 種 デ ー タ、 及 び パ イ ロ ッ ト の 主 観 評 価 結 果( 図3-9参 照 ) を 取 得 し て 航 空 局 に 提 示 し、 ジ ャ ン プ 飛 行 の 試 験飛行許可を取得した。

  な お、 試 験 飛 行 を 担 当 す る パ イ ロ ッ ト は原型機ECOの操縦に十分慣熟した、動 力 滑 空 機、 滑 空 機、 飛 行 機 の 資 格 を 有 す る 事 業 用 操 縦 士 で あ り、 当 該 資 格 に 関 す る経験を十分に有している。

B.場周飛行試験方案例

  場 周 飛 行 試 験 許 可 を 取 得 す る た め に 航 空 局 に 提 示 し た 飛 行 試 験 方 案 例 を 表3-8 に 示 す。 表3-8に 示 さ れ る よ う に 滑 走、 ジ ャ ン プ 飛 行 で 機 体 挙 動 や シ ス テ ム 健 全 性 の 確 認 を 行 っ た 後、 場 周 飛 行 に 移 行 し た。

  段 階 的 な 試 験 の 実 施 理 由 は、JAXAと 航 空 局 双 方 に と っ て 前 例 の な い シ ス テ ム であったことから万全を期すためであり、

さ ら に ジ ャ ン プ 飛 行 は 東 京 航 空 局 の 管 轄 圏 内、 場 周 飛 行 は 大 阪 航 空 局 の 管 轄 圏 内 と な り 飛 行 試 験 場 が 異 な る た め 各 局 へ の 申請が必要なためである。

3.7運用手順書作成(図3-1-⑧)

  こ の ス テ ッ プ で は、 適 合 性 証 明 結 果 の 一部から、新規システム構成、組み立て、 動 力 装 置 等 の 限 界 事 項、 性 能、 パ イ ロ ッ ト の 通 常・ 非 通 常 操 作 手 順 等 を 追 加 し た 追 加 飛 行 規 程 に 相 当 す る 運 用 手 順 書 を 作 成 す る。 試 験 飛 行 許 可 で は な く、 耐 空 証 明 を 取 得 す る 場 合 は、 追 加 飛 行 規 程 と な る。

  運 用 手 順 書 作 成 の 際 に は、 他 社 の 電 動 航 空 機 の 飛 行 規 程 を 参 考 に す る の が 容 易 で あ る た め、 入 手 が 可 能 な ら 利 用 す る こ とが望ましい。

 FEATHER研 究 事 業 に お い て も、 他 社 の 電 動 航 空 機 の 飛 行 規 定

e.g. 29)

(17)

表3-8 場周飛行試験方案例

成 し た。 た だ し、 運 用 者 の 理 解 を 妨 げ な い よ う 現 在 の 飛 行 規 程

30)

と 可 能 な 限 り 書 き方を変更しないように配慮した。   運 用 手 順 書 か ら、 航 空 機 携 帯 用 と し て チ ェ ッ ク リ ス ト 化 し た 通 常 操 作 手 順、 非 通常操作手順を参考として付録1に示す。

3.8航空局への申請書類作成(図3-1-⑨)

  こ の ス テ ッ プ で は、11条 た だ し 書 き 試 験 飛 行 許 可 申 請 書 類 を 作 成 し、 航 空 局 に 申 請 す る。 通 常 な ら ば、 当 該 申 請 書 類 の み で 良 い と 考 え ら れ る が、 推 進 シ ス テ ム の 独 自 開 発 等、 重 要 箇 所 の 変 更 を 伴 う 場 合には28条第3項の許可(操縦者の許可、 航 空 局 運 用 課 担 当 ) も 必 要 に な る こ と を 認識しておくことが望ましい。

 FEATHER研究事業についても28条第

3項の許可申請については、操縦方式の変

更 点・ 非 変 更 点 を 示 し た 申 請 書 を 提 出 し た。

3.9試験飛行許可申請スケジュール

  最 後 に、 試 験 飛 行 許 可 申 請 ス ケ ジ ュ ー

ル に つ い てFEATHER研 究 事 業 の 例 を 示 す。

 FEATHER研 究 事 業 の 試 験 飛 行 許 可 申 請スケジュール全体を図3-10に、申請書 類 の 提 出 時 期 と 提 出 書 類 の 例 を 表3-9に 示す。

  前 述 し た 通 り 予 め 証 明 方 針 を 航 空 局 に 提案し、図3-10に示される許可申請スケ ジ ュ ー ル の 通 り、 複 数 回 に 分 け て 申 請 を 行った。また、航空局との調整は2013年

5月に始まり、各種証明、証明書提出を経

て、 最 初 の 試 験 許 可 取 得 ま で に は1年 半 を要した。調整の相手先は、本省に始まり、 大 利 根 飛 行 場 と2,000m級 の 滑 走 路 の 飛 行 場 の 試 験 は 東 京 局、 岐 阜 飛 行 場 で の 試 験は大阪局となった。

(18)

表3-9 申請書対の提出時期と提出書類

想定するのが望ましい。

4.

その他の教訓

  以 下 に、FEATHER 研 究 事 業 で 取 得 し た 試 験 飛 行 許 可 を 取 得 す る 上 で の そ の 他 の 知 見 を ま と め る。 な お、 当 知 見 は

FEATHER研 究 事 業 で 取 得 し た も の で あ

り、 一 般 的 で な い 可 能 性 が あ る こ と に 注 意されたい。

4.1搭載システムの代替案の想定

  開 発 品 で は な い 搭 載 シ ス テ ム に つ い て は、 搭 載 品 の リ コ ー ル 等 の 外 的 要 因 に よ り、 突 然 使 用 不 可 能 な 状 態 に な る 可 能 性 が あ る。 試 験 計 画 段 階 に お い て、 上 記 の 状 況 を 想 定 し、 代 替 案 を 検 討 し て お く こ

とが望ましい。

4.2検査官との密なコミュニケーション

  航 空 局 と の 調 整 に よ る 遅 延 の リ ス ク は 想 定 し て お く 必 要 が あ る が、 検 査 官 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に よ る と こ ろ が 大 き い。 上 記 の 合 意 の 積 み 重 ね と 同 時 に 信 頼 関 係 を 構 築 し て い く こ と が 申 請 直 前 の 調 整 や、 申 請 後 の ア ク シ ョ ン ア イ テ ム 対 応 等に重要と考える。

4.3パイロット保険

(19)

 FEATHER研 究 事 業 に お い て も、 国 内 の 保 険 で は 対 処 で き な い こ と が 飛 行 試 験 直 前 に 発 覚 し た。 し か し、 急 遽 海 外 の 保 険 に 切 り 替 え た た め、 ス ケ ジ ュ ー ル に 影 響与えずに済んだ。

5.

まとめ

 本稿では、電動航空機の試験飛行許可取

得 の プ ロ セ ス に つ い て、 今 後、 航 空 局 か ら 電 動 航 空 機 の 試 験 飛 行 許 可 を 取 得 す る 企 業・ 大 学 の ガ イ ド ラ イ ン と な る よ う な 観点で、FEATHER(Flight monstration

of Electric Aircraft Technology for Harmonized Ecological Revolution) の

研究事業を例に概説した。

 2012年当時、世界的にも電動航空機の 耐 空 性 基 準 が ほ と ん ど 存 在 し な か っ た。 そ こ で、FEATHER研 究 事 業 で は 現 行 の 耐 空 性 審 査 項 目 と、 電 動 推 進 シ ス テ ム を 動 力 滑 空 機 に 搭 載 す る た め のJAR-22の ガ イ ド ラ イ ン や、CS-22の 特 別 要 件 を 基 に 基 準 を 整 理・ 修 正 し、 そ れ ら へ の 適 合 性 を 証 明 す る こ と で、 試 験 飛 行 許 可 を 取 得した。

  試 験 飛 行 許 可 取 得 後、 電 動 化 さ れ た ダ イ ヤ モ ン ド・ エ ア ク ラ フ ト 社 製 の 動 力 滑 空 機、HK36TTC-ECOの 飛 行 試 験 は

2015年2月に成功裏に終了した。

  今 後、 海 外 で 製 造 さ れ た 電 動 航 空 機 の 我 が 国 へ の 輸 入 や、 国 内 に お け る 新 た な 電 動 航 空 機 開 発 に 伴 っ て、 航 空 局 か ら の 試 験 飛 行 許 可 や 耐 空 証 明 取 得 の 技 術 お よ び ノ ウ ハ ウ が 一 層 必 要 に な る と 考 え ら れ る。 本 報 告 で 紹 介 し た 試 験 飛 行 許 可 取 得 プ ロ セ ス に 関 す る 各 種 の 知 見 は、 そ の 際 に 必 須 と な る 国 内 で の 最 初 の 前 例 と し て 位 置 付 け ら れ る。 今 後 も 新 た な 電 動 航 空 機 を 提 案、 設 計 し て い く 上 で 必 要 と な る で あ ろ う 適 合 性 証 明 基 準 や 飛 行 試 験 技 術 を 予 測 し、 国 内 の 電 動 航 空 機 開 発 を 促 進 す る 上 で 有 用 と な る 知 見 を 整 理・ 構 築 し ていく予定である。

6.

参考文献

1) 西沢啓、小林宙、飯島朋子、山崎宏二、

奥山政広、田頭剛、平野義鎭、吉村彰記、 進藤重美、“航空用電動推進システムの飛 行 実 証”、第53回 飛 行 機 シ ン ポ ジ ウ ム、

1A03、 2015年11月、松山.

2) Standard Practice for Design and Manufacture of Electric Propulsion Units for Light Sport Aircraft, Designation: F2840 – 11, 2013.

3) Tomazic,T., Plevnik, V., Veble, G., Tomazic, J., Popit, F., Kolar, S., Kikelj., R., Langelaan, J. W., and Miles, K. : Pipistrel Taurus G4: on Creation and Evolution of the Winning Aeroplane of NASA Green Flight Challenge 2011, J. of Mechanical Engineering, 57(2011)12, 869-878; DOI: 10.5545/sv-jme.2011.212

4) https://www.schempp-hirth.com/en/ sailplanes/arcus/arcus-e.html

5) https://gbmc-blog.biz/2016/04/04/e-fan- airbus-groups-electric-plane-crossed-the-channel-in-2015/

6) Ausgabe Vorlaeufige Richtlinie fuer den Einbau von Elektroantrieben in Motorseglern (2nd Issue Preliminary Guidelines for the Installation of Electric Propulsion Systems in Motorgliders), Luftfahrt-Bundesamt Abteilung Technik I 421-Elektro-97, Braunschweig, den 10. 01. 2011.

7) Special Condition CS-22, Installation of electric propulsion units in powered sailplanes, SC-22.2014-01, 20-March, 2014. 8) 国土交通省航空局技術部 航空機安全課、

耐空性審査要領、平成24年5月 現行 改正第5版.

9) 航空法第十条(平成二八年五月二七日法

律第五一号).

10) 航空法第二十条(平成二八年五月二七日

法律第五一号).

11) 航空法第十一条(平成二八年五月二七日

法律第五一号).

12) 国土交通省 航空機検査業務サーキュラ

ー(平成26年1月22日 (国空機第1079 号)).

(20)

付録 通常操作手順 14) http://www.ac-olympos.com/project/sp-1/

sp-1_top.html

15) http://www.mizuko.okayama-c.ed.jp/ wordpress/?page_id=2626

16) 飯島朋子、小林宙、西沢啓、“電動推進シ

ステム故障時のパイロットワークロード 解析”、JAXA-RM-14-008、2015年3月.

17) 小林宙、飯島朋子、西沢啓、“原型機飛行

試験による航空機用電動推進系の仕様検 討”、JAXA-RM-14-005、2015年3月.

18) http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/ 19) SAE J2344, Surface Vehicle Information

Report: Guidelines for Electric Vehicle Safety, Issues Jun, 1998.

20) AC 43.13-1B, Chapter 11. Aircraft Electrical Systems, FAA, 9/8/98.

21) NM375 Special Conditions No. 25-359-SC, Boeing Model 787-8 Airplane; Lithium Ion Battery Installation, FAA, Oct. 11, 2007. 22) MIL-W-22759/34 (SAE As22759/34), Wire

(M22759/34 Wire) Construction.

23) 小林宙、西沢啓、“JAXA における航空機

用電動推進システム技術の研究開発”第

55回航空原動機・宇宙推進講演会、2015.

24) Nishizawa,A., Kobayashi H. and Fujimoto H., ”Development and flight demonstration of regenerative electric propulsion system for aircraft application” AJCPP2016 , 2016.

25) 西沢啓、小林宙、藤本博志、“航空機用回

生型電動推進システムの飛行実験”第47 回日本航空宇宙学会年会講演会、 2016.

26) 小林宙、西沢啓、飯島朋子、山崎宏二、“航

空推進用多重化モータの開発と飛行実証” 第54回飛行機シンポジウム、2016年10 月、富山.

27) 飯島朋子、小林宙、田頭剛、西沢啓、“電

動航空機用パイロットインターフェース の 開 発”、第53回 飛 行 機 シ ン ポ ジ ウ ム、

2G04、 2015年10月、松山.

28) Nishizawa,A. and Kobayashi H. “Flight demonstration of lithium-ion battery system under high C-rate operation” Electric & Hybrid Aerospace Technology Symposium, 2016.

29) Pipistrel, Flight manual and Maintenance manual applies to Taurus Electro G2, 9 March, 2011.

30) 日本モーターグライダークラブ(株)、ダ

イヤモンド・エアクラフト式

HK36TTC-ECO型 JA07EC 個別飛行規程, 平成19

(21)
(22)

通常操

作手

(23)

発 行

発 行 日

電 子 出 版 制 作

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 〒182-8522 東京都調布市深大寺東町7-44-1 URL: http://www.jaxa.jp/

平成29年8月31日 松枝印刷株式会社

©2017 JAXA

※本書の一部または全部を無断複写・転載・電子媒体等に加工することを禁じます。

Unauthorized copying, replication and storage degital media of the contents of this publication, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

(24)

図 3-1   電動航空機の試験飛行許可取得プロセス 図 3-2   世界の電動航空機 最大離陸重量と最大出力の関係  試験飛行許可取得の容易さの観点では、 各 試 験 の 目 的・ 予 算・ ス ケ ジ ュ ー ル を 考 慮 し た 上 で、 前 例 の あ る( 国 内 外 で 既 に 耐 空 証 明 を 取 得 し て い る ) 耐 空 類 別 を 選定することが望ましい。※  実際に認証を受けたカテゴリは「実験機」が多く、必ずしも図中に示した重量区分によるカテゴリで認証を受けたわけではないことに
図 3-6  適合性審査区分の決定方法
図 3-9  滑走試験結果   当 該 試 験 で 各 種 デ ー タ、 及 び パ イ ロ ッ ト の 主 観 評 価 結 果( 図 3-9 参 照 ) を 取 得 し て 航 空 局 に 提 示 し、 ジ ャ ン プ 飛 行 の 試 験飛行許可を取得した。   な お、 試 験 飛 行 を 担 当 す る パ イ ロ ッ ト は原型機 ECO の操縦に十分慣熟した、動 力 滑 空 機、 滑 空 機、 飛 行 機 の 資 格 を 有 す る 事 業 用 操 縦 士 で あ り、 当 該 資 格 に 関 す
表 3-8  場周飛行試験方案例 成 し た。 た だ し、 運 用 者 の 理 解 を 妨 げ な い よ う 現 在 の 飛 行 規 程 30) と 可 能 な 限 り 書 き方を変更しないように配慮した。   運 用 手 順 書 か ら、 航 空 機 携 帯 用 と し て チ ェ ッ ク リ ス ト 化 し た 通 常 操 作 手 順、 非 通常操作手順を参考として付録 1 に示す。 3.8 航空局への申請書類作成(図 3-1- ⑨)   こ の ス テ ッ プ で は、 11 条 た だ し 書
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