• 検索結果がありません。

老年医学における鍼灸療法

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "老年医学における鍼灸療法"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

高等部理療科 臨床理療学(東洋医学臨床論)学習指導案 テーマ:「考える力を育てる授業」 授業者 広島中央特別支援学校 教 諭 戸 野 吉 浩 1 日 時 平成 27 年2月6日(金)9:20~10:10 2 場 所 高等部専攻科理療科第3学年教室 3 年 組 高等部専攻科理療科第3学年 2名(弱視2名) 4 めざす姿 患者の病態を的確に把握し,それに応じた施術ができるだけではなく,患者のQOL を最大限高めるための幅広い能力を備えた施術者となることを目指す。 生徒A:明瞭な発語を意識しながら自分の考えや意見を相手に伝える。 生徒B:体調を自己管理して安定的に学校生活を送るとともに,円滑な人間関係を築く ためのソーシャルスキルを身に付ける。 5 単元名 老年医学における鍼灸療法 6 単元設定の理由 (1) 単元観 65 歳以上の人を高齢者といい,65 歳から死に至る過程を老年期とする。加齢による変 化は,速度の差はあっても生体にとっては不可避なものであり,遺伝子によって引き起 こされ,30 歳頃から緩やかに進行し,機能低下を伴う。老年期になると,前傾姿勢など 外見上の変化が現れ,視力,聴力,味覚,嗅覚が低下する。また,呼吸器系,心・血管 系,消化器系,神経系,運動器,腎・泌尿器,内分泌にも加齢変化がおこる。 老年期の心理についてみると,知的機能の低下,感情面の変化,情動面の変化,性格 面の変化があらわれる。また,老年期の精神障害には,心身症,神経症,うつ病,認知 症などがあり,介護は困難を伴い,介護の問題は社会問題になっている。 高齢者に対する鍼灸治療は,身体特性や心理特性を理解していないと,治療効果がで にくかったり,事故につながったりする。生徒が高齢者と良好なコミュニケーションを とり,高齢者に対する適切な施術を行い,高齢者医療の向上に資することができるよう 本単元を設定した。 平成 25 年度の高齢化率は 25.1%であり,また,平成 24 年の平均寿命は男 79.94 年, 女 86.41 年(内閣府,平成 26 年)である。今後も高齢化は,進む見通しであり,高齢者 医療における鍼灸師の果たす役割は重要となる。 (2)生徒観 本学級は,弱視生徒2名である。 生徒たちは,生理学で老化の概略について,臨床医学各論で「痴呆性疾患」(認知症) について学習している。生理学では,細胞の寿命,生理的老化の特徴,身体機能の加齢 変化が扱われている。本単元では,加齢変化につながる内容である。また,臨床医学各 論では,「痴呆性疾患」として,「アルツハイマー型老年性痴呆」,「脳血管性痴呆」,「ピ

(2)

ック病」が取り上げられているが,疾患の概要に留まり,高齢者が抱える困難について は言及しきれていない。 生徒2名の課題は,コミュニケーション及び体調管理である。生徒Aは,自分の考え や思いをはっきりと相手に伝えることが苦手であり,自信がもてなかったり,緊張する と,口ごもったり,語尾が不明瞭となって聞き取れなかったりする。卒業後の就労に向 けては,明瞭な発語をすること,自分の考えを相手に伝えること,体調管理を自身で行 えるようになることが課題である。また,生徒Aは,3年次の夏休みに高齢者施設で就 業体験実習を行っており,進路も高齢者施設を希望している。実習においては,高齢者 とのコミュニケーションの難しさを実感したが,本校の臨床実習においては,相手の話 をよく聞き,患者と会話ができるよう努力している。 生徒Bは,学習内容に対する理解がよく,発展的な課題に取り組むこともできるが, 持病による体調不良のため遅刻や欠席が多く,学習時間の確保が難しい。また,難聴も あり,コミュニケーションに困難を抱えている。卒業後は,施術所への就職を希望して おり,高齢者と接する機会が多いと考えられる。 (3)指導観 生徒2名はコミュニケーションに課題がある。指導に当たっては,相手の話をよく聞 き,文脈を捉えて発言できるよう指導していきたい。そのため授業においては,知識の 伝達のみに終わるのではなく,書く,話す,発表するという活動を取り入れるとともに, 生徒が安心して発言できるような雰囲気をつくること,つぶやきを受け止め返していく ことに努める。 また,自分の思いを相手に伝えるためには,自分で考えなくてはならない。それには, 考えるための情報や手がかりが必要である。今年度,本学級は,「ICT を活用した反転授 業の研究」の対象となっており,3年次から学校の授業や家庭学習にタブレット端末を 導入した。生徒たちは,教材データベースを利用して,必要な情報にアクセスすること ができるようになった。タブレット端末は,文字や図を自由に拡大縮小して見ることが でき,生徒は,自分の実態に応じた文字の大きさやフォントを選択しており,タブレッ ト端末は教材提示装置として有効であると考えられる。しかし,文字を書いたりするこ とには課題が残る。また,書くことは,考えを整理したり,記憶を定着させたりするこ とに有効と考える。そこで,本授業を,考えるためのワークシートを活用する「ブレン ド型授業(デジタルとアナログの両立)」としていきたい。 ★研究テーマに基づいた工夫の観点 a 意欲 ・臨床実習と関連付けることで,学習内容をイメージしやすいものとする。 ・既習事項を基に学習活動を進めることで,学習内容を理解しやすいものとする。 ・肯定的評価を行うことにより安心・安全を確保する。 b 環境 ・タブレット端末と教材データベースを活用することで,学習上必要な資料を自分で集

(3)

めることができるようにする。 c 活動 ・ワークシートを利用することにより自分の考えをまとめやすくする。 ・考えたことを話したり,他者の意見を聞いたりすることにより自分の考えを深化させ る。 7 障害の状況 生 徒 A 眼 疾 患 名 右 未熟児網膜症 左 未熟児網膜症 教育的遠距離視力 右 0.08 左 0 両 0.08 教育的近距離視力 右 0.07 左 0 両 0.07 最大視認力 Max. 0.4 (1cm,右) 視力以外の視覚障害 視野狭窄 視覚補助具 遠用弱視レンズ(Specwell 10×30mm 可視視標 0.6) 近用弱視レンズ(ESCHENBACH ×10 可視視標 1.0) プレクストーク(PTR2) 生 徒 B 眼 疾 患 名 右 強度弱視,緑内障 左 強度弱視,緑内障 教育的遠距離視力 右 0.05 左 0.06 両 0.06 教育的近距離視力 右 0.05 左 0.06 両 0.07 最大視認力 Max. 1.0 (4.5cm,左右) 視力以外の視覚障害 視野狭窄,羞明,眼球振盪 視覚補助具 近用弱視レンズ(ESCHENBACH ×3.5 可視視標(1.0) 8 単元の目標 (1)人体の加齢変化について理解できる。 (2)老年期の心理について理解できる。 (3)老年期の精神障害について理解できる。 (4)高齢者のケアについて理解できる。 (5)高齢者の鍼灸治療を適切に行うことができる。 9 単元の評価規準 ア 関心・意欲・態度 イ 思考・判断・表現 ウ 技能 エ 知識・理解 ①臨床実習と関連 付けながら学習し ようとしている。 ②他者と協同的に ① 高齢者が抱える 困難を理解し,それ への対応を考えるこ とができる。 ① 高齢者の鍼灸治 療を適切に行うこと ができる。 ①人体の加齢変化に ついて理解できる。 ②老年期の心理に ついて理解できる。

(4)

学習を進めようと している。 ③老年期の精神障害 に つ い て 理 解 で き る。 ④高齢者施術の注意 点について理解でき る。 10 指導計画(全 105 時間) (1) 治療総論 20 時間 (2) 主要症候に対する鍼灸治療 70 時間 (3) スポーツ医学における鍼灸療法 10 時間 (4) 老年医学における鍼灸療法 5時間(本時4時間目) 11 本時の目標 (1)ユマニチュードを手がかりに,高齢者施術の注意点について考察できる。 12 座席配置 13 準備物 タブレット端末,ワークシート 14 学習指導過程 学習活動(時間) 指導上の留意事項 評価規準 (評価方法) 導入(5分) (1)本時の学習の目標及び内容を 知る。 ユマニチュードを手がかりに高 齢者に対する鍼灸施術の留意事項 について考察する。 B 入口 廊 下 窓 教卓 T A 黒板

(5)

展開1(30 分) (1) 認知症ケアについて,ワー クシート(課題)に書いてきた感想 を発表する。 (2) ユマニチュードについて説 明を聞く。 ・ユマニチュードの理念 ・ユマニチュードの四つの柱 「見る」 「話す」 「触れる」 「立つ」 (3) ユマニチュードについて感 想を述べる。その際,次の3点に気 付く。 ① 無意識のうちにネガティブなメ ッセージを送ってしまう場合が あるので注意する。 ② 同じ行為でも相手の状態によっ ては,害になることがあるので 注意する。 ○全体を通して次のことに留意す る。 生徒A ○発表できない場合は,つぶやいた 単語を受け止め,Bに返すようにす る。 生徒B ○相手に聞こえやすい話し方で発 言するよう促す。 ○相手の意見を聞いてから発言す るように促す。 (1) 質問 「資料1を読んでどう思い ましたか。」 質問 「お互いの意見を聞いてど う思いましたか。」 ○病気のためと思われる高齢者の 問題が,適切ではない介護によっ て引き起こされることに気付くよ う授業者も発言をし,討論を方向付 けるようにする。 (2) ○板書の代わりにタブレット端末 を使用する。 ○ノンバーバルコミュニケーショ ンの重要性について,分かりやす いように例を出して説明する。 ○まとめやすいようにワークシー トを用いて要点を整理させる。 (3) 質問 「ユマニチュードについて どのような感想をもちましたか発 表してください。」 ○左記3点に気付くよう授業者も 発言をし,討論を方向づける。 ○視覚障害者にとって,視線を合 わせて,話しかけ,適切に触れる ということの難しさについても, (1) ア-①② イ-① (発言内容) (3) イ-① (発言内容)

(6)

③ 適切な施術を行うためには絶え ず相手の立場に立って考えなけ ればならない。 自分に置き換えさせて考えさせる ようにする。 展開2(10 分) (1) 高齢者の施術について注意 する点を考える。 (1) 発問「高齢者の鍼灸施術ではど んなことを大切にしたらよいでし ょうか。」 ○時間制限をする。(5分) ○これまでの討論の内容を踏まえ て,適切な高齢者施術を行うため の手立てについて具体例を列挙さ せる。 エ-④ (発言内容) まとめ(5分) (1) 本時の学習のまとめ ・ 生徒は,本時に学習した内容を 整理し発言する。 (2)次時の学習内容を知る。 ○ 発言できない場合は,展開1 (3)の内容を思い出すよう授業者 も発言し支援する。 15 主要参考文献・資料 NHK取材班 望月健著(2014):『ユマニチュード 認知症ケア最前線』株式会社 KADOKAWA 本田美和子,イヴ・ジネスト,ロゼット・マレスコッティ著(2014):『ユマニチュ ード入門』株式会社医学書院 イヴ・ジネスト,ロゼット・マレスコッティ著(2014):『Humanitude』株式会社ト ライアリスト東京 内閣府編(平成 26 年):『高齢社会白書 平成 26 年版』日経印刷 日本老年行動科学会監(2014):『高齢者のこころとからだ事典』中央法規出版株式 会社

参照

関連したドキュメント

・平成29年3月1日以降に行われる医薬品(後発医薬品等)の承認申請

(Sexual Orientation and Gender

○ 発熱や呼吸器症状等により感染が疑われる職員等については、 「「 新型コロナ ウイルス 感染症についての相談・受診の目安」の改訂について」

1.制度の導入背景について・2ページ 2.報告対象貨物について・・3ページ

法・条例の措置:

使用済自動車に搭載されているエアコンディショナーに冷媒としてフロン類が含まれている かどうかを確認する次の体制を記入してください。 (1又は2に○印をつけてください。 )

(1)  研究課題に関して、 資料を収集し、 実験、 測定、 調査、 実践を行い、 分析する能力を身につけて いる.