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EUにおける従業員の情報入手権および協議権 1994年指令について

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(1)

EUに

お ける従業員 の情報入手権 お よび協議権

-1994年 指 令 に つ い

て-正

は じ め に

(1) EU(ヨ ー ロ ッパ 連 合)で は,長 期 間 に わ た る 激 し い 論 争 の 後,1994年9月 22日 に,い わ ゆ る ヨ ー ロ ッパ 事 業 所 委 員 会(European Works Council)指 令 が

採 択 さ れ た(以 下,EWC指 令 また は指 令 と い う)。 こ れ は,マ ー ス ト リ ヒ ト条 約 (93年11月1日 発 効)に 付 属 す る 社 会 政 策 に 関 す る 議 定 書(Protocol)お よ び そ れ に 付 属 す る 社 会 政 策 協 定(Agreement)に も とつ く最 初 の 法 的 措 置 で あ る 。 (2) 現 在,多 くの 企 業 は 集 団(グ ル ー プ)を 形 成 し,そ し て 国 境 を 越 え て 事 業 を 展 開 し て い る 。EU域 内 に 本 拠 を 置 く企 業 に お い て も同 様 で あ る 。 と こ ろ で, 国 家 法 と して の 労 働 法 は,国 家 の 領 域 に あ る企 業 お よ び そ の 事 業 所 に の み 適 用 さ れ る 。 従 業 員 の利 益 代 表 が 個 々 の 国 内 の 領 域 に 限 定 さ れ る こ と は,企 業 グ ル ー プ の頂 点 の企 業 が在 る 国 の外 で働 い て い る従 業 員 に は,自 らの運 命(た と えば事業所の 閉鎖)に つ い て の 決定 が な され る前 に,そ の こ とにつ き決 して知 ら され る こ とが な い とい う結 果 とな る。 この よ うな状 況 を打 破 す べ く考 え 出 され た の がEWC指 令 で あ る 。 1) 「従業員 の情報入手 お よび協議 のため に,共 同体 規模 の企業 お よび企業 グルー プにおけ る 1

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ヨー ロ ッパ 事 業 所 委 員 会 ま た は手 続 きの 設 置 に関 す る理 事 会 指 令 」(OJ No L254,30.9.

1994,p.64)。 な お,本 稿 で は,European Works Council,Europaischer Betriebsrat,comite

d'entreprise europeenを,「 ヨー ロ ッパ事 業 所 委 員 会 」 と した(ド イ ツ語 のBetriebsratは 「事

業 所 委 員 会 」 と訳 さ れ る こ とが 多 い た め)(以 下,EWCと す る)。 こ の ほか,「 欧 州 労 使 協 議 会」,「欧 州 従 業 員 代 表 委 員 会 」 と も訳 され て い る(後 掲 荒 木 ・24頁注1参 照)。 筆者 は,す で に本 指 令 の 沿 革,内 容 な ど につ い て 詳 し く紹介 した(正 井 章 筰 「超 国 家 的 企 業 に お け る労 働 者 の情 報 入 手 権 ・協 議 権 」 姫 路 法 学16・17合 併号(1995)39-109頁-こ の 要 約 は, 国 際 商 事 法 務23巻1号(1995)に 掲 載)。 本 稿 は,そ の 後 の 資 料 ・文 献 を 用 い て 新 た に書 き直 した 。 しか し,指 令 に関 す る多 くの 問 題 の 一 部 につ い て 論 じる に す ぎな い。

参考 文 献 と して,Wolfgang Goos,Kommt der Europaische Betriebsrat?,NZA

1994,776-781; Heiner Klinkhammer/Dietmer Welslau, Der Europaische Betriebsrat, AG 1994, 488-486: Anton Winner, Die Richtlinie Europaische Betriebsrate-Ein Zentrale Baustein euro-paischer Sozialpolitik, DB 1994, 2134-2137; Bjorn Gaul, Die Einrichtung Euroeuro-paischer Be-triebsrate, NJW 1995, 228-232; Klaus-Stefan Hohenstatt, Der Europaische Betriebsrat and seine Alternativen, EuZW 1995, 169-172; Udo R. Mayer, Richtlinie Europaische Betrieb-srate-Harmonisierungsprobleme bei der Umsetzung, BB 1995, 1794-1798; Meinhard Heinze, Der Europaische Betriebsrat, Die Richtlinie and ihre Alternative, AG 1995, 385-402; Wolfgang Daubler, Die Richtlinie fiber Europaische Betriebsrate, AuA 1995, 153-156; Wolfgang Hromadka, Rechtsfragen zum Eurobetriebsrat, DB 1995, 1125-1131; Ludiger Felix Ramme, Leitende Angestellte im Europaischen Betriebsrat - Information and Kon-sultation fur alle Arbeitnehmer, DB 1995, 2066-2068; Manfred Weiss, Die Umsetzung der Richtlinie uiber Europaische Betriebsrate, AuR 1995, 438-444; Sylvaine Laulom, La direc-tive sur les comites d'entreprise europeens: l'importance d'une transition, Droit Social 1995, 1026-1035; EIRR 256 (1995), 14-22, 34-36; EIRR 263 (1995), 18-20; European Works

Councils Bulletin Previewissue,Winter 1995;ヤ ン ・ヴ ァン ・ギ スゲ ム=柴 崎 洋 一=川 合 弘 造

「欧 州 労 使 協 議 会 設 立 に 関 す るEU指 令 」 国 際 商 事 法 務22巻12号(1994) 1377-1381頁,荒 木 尚志 「欧 州 従 業 員 代 表 委 員一会 指 令 とEU労 働 法 の 新 局 面」 日本 労 働研 究 雑 誌421号(1995) 15 -32頁(明 解 な解 説 。 指 令 の 邦 訳 を含 む),上 田廣 美 「コ ー ポ レ ー ト ・ガバ ナ ンス 『従 業 員 の経 営 参 加 』」 判例 タ イ ムズ865号(1995)31-37頁,井 上 忠 久 「EU労 使 協 議 会 指 令 を め ぐる諸 問 題 」 世 界 の労 働45巻2号(1995) 60-63頁,伊 澤章 「EUを と りま く最 近 の 状 況 一 労 働 社 会 政 策 の 現 状-」 世 界 の労 働45巻7号(1995) 2-12頁,な ど。 2) ドイ ツに つ い て い え ば,コ ン ツ ェル ンの 頂 点 に位 置 す る企 業 が ドイ ツ に在 る場 合,コ ン ツ ェ ル ン事 業 所 委 員 会(Konzernbetriebsrat)に お い て,ド イ ツ の 全 体 事 業 所 委 員

会(Gesamt-betriebsrat)の みが 代 表 さ れ,フ ラ ンス の 事 業 所 委 員 会(comite d'entreprise)ま た は スペ イ

ンの 事 業 所 委 員 会(comite de empresa)は,代 表 され な い。 ま た,監 査 役 会(Aufsichtsrat)

の選 挙 に も,外 国 の子 会 社 お よ び支 店 の 従 業 員 は参 加 しない 。 た とえ ば,オ ラ ンダ に本 拠 を置

くフ ィ リ ップ ス(Philips)や ユ ニ リー バ ー(Unilever)の ドイ ツ の子 会 社 ・事 業 所 にお け る従

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EUに おける従 業員の情報入手権 および協議権(正 井)

ラ ン ス の 中 央 事 業 所 委 員 会(comite central d'entreprise)に,ド イ ツ の 事 業 所 委 員 会 ま た は 全

体 事 業 所 委 員 会 が 参 加 す る こ と も,見 込 み が な い(Daubler,AuA 1995,153)。EU加 盟 国 な ど の 従 業 員 代 表 制 度 ・参 加 制 度 の 概 観 と し て,Rolf Jaeger,Arbeitnehmervertretung und

Arbeitnehmerrechte in der Unternehmen Westeuropas, in Hans-Buckler-Stiftung (Hrsg.), Europaische Betriebsrate,5, Aufl.,1994,103-140.ま た, cf. Roger Blanpain, Managerial Initiatives and Rights to Information, Consultation and Workers'Participation in the EC

Countries,BCLR (specialissue),27-1993,25-41,な ど 。 3) 1993年1月 に,ア メ リ カ の 企 業 で あ る フ ー ヴ ァ ー 社(Hoover Europe)は,従 業 員 へ の 事 前 の 情 報 開 示 な し に,フ ラ ン ス に 在 る 工 場 を 閉 鎖 して,労 働 コ ス トの 低 い イ ギ リ ス(ス コ ッ ト ラ ン ド)に 移 す と 発 表 。 そ の 結 果,フ ラ ン ス の 労 働 者600人 が 職 を 失 っ た 。 詳 し く は,EIRR 230 (1993),14-20.ま た,荒 木 ・前 掲25頁 注25,伊 澤 ・前 掲10頁,日 本 経 済 新 聞1993年2,月2日 夕 刊5面,同2月17日9面,な ど 参 照 。 4) Daubler, AuA 1995, 153f. Ⅰ EWC指 令 の 概観 (1) EWC指 令 は,イ ギ リス に は 適 用 さ れ な い(社 会 政 策協 定 に調 印 しな か った た め)。 し か し,残 り の14のEU加 盟 国 の ほ か,ヨ ー ロ ッパ 経 済 地 域(EEA)協 定 に 調 印(1994年1月1日 よ り発 効)し た3力 国(ア イ ス ラ ン ド,リ ヒテ ンシ ュ タイ ンお よび ノ ル ウ ェ ー)に 適 用 さ れ る 。 (2) 指 令 は,複 数 の 国 で 事 業 活 動 を し て い る 企 業 ・企 業 グ ル ー プ に お け る 従 業 員 の 情 報 入 手 権 ・協 議 権 を 強 化 す る こ と を 目 的 とす る(指 令 前 文,1条 。 以 下, 条 文 の み で 引 用)。 そ して,企 業 ・企 業 グ ル ー プ が,指 令 の 適 用 を 受 け る17力 国 (以 下,適 用 国 とす る)に お い て 少 な く と も1,000人 を 雇 用 し,か つ そ れ ら の 国 の 少 な く と も2力 国 に お い て,そ れ ぞ れ 少 な く と も150人 を 雇 用 して い る 場 合 に 適 用 さ れ る(1条2項,2条1項a,b号)。 こ の よ う な 企 業 ・企 業 グ ル ー プ に お い て,EWCま た は 従 業 員 の 情 報 入 手 ・協 議 に 関 す る 手 続 き が 設 置 さ れ る(1 条2項)。 (3) EWCま た は従 業 員 の 情 報 入 手 ・協 議 の 手 続 き を 設 け る 条 件 を 作 り 出 し, か つ 手 段 を 用 意 す る 責 任 は,経 営 の 中 枢(central management)に あ る(4条1

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項)。 た とえ経 営 の 中枢 が,適 用 国 に存 在 しな い と して も,企 業 ・企 業 グ ル ー プ は,そ の 他 の 点 で 適 用 の 要件 を満 た す場 合,指 令 の適 用 を 回避 す る こ とは で き ない 。 こ こで は,経 営 の 中枢 の 機 能 は,適 用 国 に お け る指 名 され た代 表 者 ま た は最 も多 くの 従 業 員 を雇 用 す る事 業 所 ・企業 グ ル ー プ に所 属 す る企 業 の経 営 者 の どち らか に よ って 引 き受 け られ る(4条2項)。 (4) 指 令 は,EWCま た は従 業 員 の情 報 入手 ・協 議 の手 続 きの設 置 に関 す る協 定 へ と導 く準 則 を含 む。 この 協 定 の 内 容 の 決 定 につ い て は,企 業 また は企 業 グ ル ー プ の 経 営 の 中枢 お よび 労 働 者 側 と して の 特 別 の交 渉 機 関(special negotia-tion body)が,広 い 自由 を有 して い る。 つ ま り,指 令 に は,協 定 にお い て 定 め られ るべ き最 低 限 の カ タ ロ グが 確 定 され て い るにす ぎな い。 また,経 営 の 中枢 と特 別 の 交 渉 機 関 とで,EWCの 代 わ りと して,情 報 入 手 ・協 議の 手 続 きが 設 置 され る こ とを決 定 す る こ とが で き る(6条3項)。 (5) 付 則 の補 充 規 定 に よ るEWCは,次 の要 件 の下 で の み 設 置 され る。 す な わ ち,① 経 営 の 中枢 と特 別 の交 渉 機 関 との 間 で,そ の こ とが 合 意 され た 場 合, ② 従 業 員 また はそ の 代 表 が,EWCの 設 置 また は情 報 入 手 ・協 議 の 手続 きの設 置 の 交 渉 を請 求 した に もか か わ らず,経 営 の 中枢 が,一 定 期 間内 に交 渉 の 開 始 を拒 否 した 場 合,ま た は③ そ の よ う な請 求 後3年 内 に,特 別 の交 渉 機 関 が協 定 を締 結 し よ う と した に もか か わ らず,協 定 に至 らな か った場 合,で あ る(7条 1項,付 則)。 (6) 指 令 に服 す る企 業 ・企 業 グ ル ー プ にお い て,す で に従 業 員 の 情 報 入手 権 ・ 協 議権 が 定 め られ て い る協 定 が 成 立 して い る場 合 に は,指 令 は適 用 され な い (13条1項)。 この 協 定 に よ り指 令 の適 用 を 回 避 し よ う とす る場 合 に は,経 営 の 中枢 が 在 る国 にお い て 指令 が転 換 さ れ る時 点一 遅 く と も1996年9月22日 一 まで に,(協 定が)締 結 され て い な け れ ば な ら ない 。 そ の よ うな 自発 的 に結 ば れ た協 定 の期 間満 了 後,協 定 の 当事 者 は,そ れが さ らに適 用 さ れ る こ と を決定 す る こ とが で き(13条2項),こ の よ う に して,当 事 者 は指 令 の 介 入 を継 続 して免 れ る こ と が で き る 。

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EUに お ける従業員の情報入手権 および協 議権(正 井)

(7) 指 令 は,そ の 適 用 国 に お い て,1996年9月22日 ま で に 国 内 法 に 転 換 さ れ ね

ば な ら な い(14条1項)。

5) ス イ ス を除 く,EFTA(ヨ ー ロ ッパ 自 由貿 易 連 合)加 盟3カ 国 に 本 指 令 が 適 用 され るの は,

EEA協 定(Agreement EEA)68条 お よ び付 則XVIIIに も とつ く。cf.EIRR256,P.34;荒

木 ・前 掲25頁 注28;伊 澤 ・前 掲5-6頁 。 6) この ほ か,「 中央 経 営 組 織 」(荒 木 ・前 掲),「 中央 管 理 部 門」(ギ ス ゲ ム ほ か ・前 掲)「 中 心 的 経 営 者 」(正 井 ・前 掲)と い った 訳 が あ る。 な お,「 経 営 の 中枢 」 に つ い て,指 令 は 定 義 して い な い 。 そ れ は,機 関(body)を 指 す の か,そ れ と も特 定 の 個 人 を い う の か 明 ら か で な い (EIRR 256,p.34,35)。 7) 荒 木 ・前 掲19頁 の 図 お よ び21-22頁 参 照 。付 則 で 定 め られ た補 充 規 定 は,最 低 の規 準 と して 加 盟 国 の 法 律 に導 入 され ね ば な らな い(7条2項)。 付 則2条 に よ る と,EWCは,1年 に1回,経 営 の 中枢 と会 合 を持 ち,そ こで,企 業 ・企 業 グ ル ー プの 経 営 の 進 展 ・予 想 に つ い て情 報 を付 与 さ れ,か つ 協 議 をす る 。 こ の会 合 は,と くに, 企 業 の 構 造,経 済 的 ・財 政 的 状 況,投 資 計 画,生 産 の 移転,合 併,企 業 ・事 業 所 の 統 合 ・縮 小 ・閉鎖 お よ び大 量 解 雇 な どに 関係 す る 。荒 木 ・前 掲22頁;正 井 ・前 掲91,93-94頁 参 照 。 8) 後 述 皿参 照 。 9) Weiss,AuR 1995,438参 照 。 Ⅱ 指 令 の 国 内 法 へ の 転 換 1 総 説 (1) EWC指 令 は,EWCの 法 的 枠 組 を 設 け る こ と に つ き,国 内 の 伝 統 お よ び 慣 行 を 尊 重 し て,適 用 国 に 広 い 裁 量 権 を 認 め る 。 適 用 国 に よ っ て 一 指 令 に も と つ い て 一 定 め ら れ た 規 定(た と え ば,指 令 の 補 充 規 定 に 適 用 さ れ る 規 制)の ほ と ん ど は,そ の 国 を 越 え た 効 果 を 有 す る 。 な ぜ な ら,複 数 の 適 用 国 で 事 業 を お こ な っ て い る 企 業 ・企 業 グ ル ー プ は,そ れ ら が,経 営 の 中 枢(ま た は 代 表 者)を 置 い て い る 国 の 法 制 度 に し た が う こ と に な る か ら で あ る 。 ま た,他 の あ る 規 定 (た と え ば,特 別 の 交 渉 機 関 の 国 内 の 構 成 員 を 選 任 ま た は 指 名 す る た め に 適 用 国 が 定 め な け れ ば な ら な い 手 続 き)は,国 家 法 の 規 定 で あ る に も か か わ ら ず,そ の 領 土 に

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事 業 所 ・企 業 を置 く一 指 令 の 適 用 を受 け る一 すべ て の企 業 ・企 業 グル ー プ に適 用 さ れ る 。 (2) と こ ろ で,欧 州 委 員 会(European Commission)は,過 去1年 の 問,適 用 国 の専 門家(指 令 の実施責任者)か ら成 る作 業 部 会 を設 置 した。 そ の 目的 は,指 令 の さま ざ ま な側 面 へ の 適 用 国 間 の 接 近 方 法 の不 一 致 を避 け る こ とに あ る。 作 業 部 会 が到 達 した一 定 の 結 論 は,適 用 国 を拘 束 す る もの で は な い。 しか し,そ れ は,指 令 の 「灰 色 の領 域 」 を明 らか にす る こ とに役 立 つ で あ ろ う。 以 下 で は, そ の結 論 を 中心 に,指 令 の問 題 点 を見 て い くこ とに し よ う。 2 転換 に お け る問 題 点 (a) 共 通 の実 施 期 日 指 令 を転 換 す る各 適 用 国 内 の す べ て の措 置(法 律 な ど)は,1996年9月22日 に,同 時 に効 力 を生 じる,と す る必 要 が あ る。 そ れ は,開 始 の時 点 が 異 な る こ とか ら生 じ るか も知 れ な い 問題 を 回避 す るた め で あ る。 しか しなが ら,こ の 義 務 は,い くつ か の 国 が そ の期 限 を守 る こ とが で きな い可 能 性 を排 除 す る もの で は ない 。 作 業 部 会 は,以 下 の よ う に い う。 す な わ ち,適 用 国 は,(支 配)企 業 が,指 令 が まだ 実 施 さ れ て い な い 国 に事 業 所 ・(従属)企 業 を置 い て い る と して も, 指 令 の 手 続 きに した が っ てEWC設 置 の交 渉 をす る よ う に と の従 業 員 の要 求 に応 え る義 務 を(支 配)企 業 に課 す こ とが で きる で あ ろ う,と 。 (b) 「支 配 企 業 」 の定 義 (1) 企 業 グ ル ー プ は,支 配 企 業 と従 属 企 業 と に よ って 構 成 さ れ る(2条1項b 号)。 支 配 企 業 と は,た とえ ば,所 有,金 融 上 の 参 加 ま た は企 業 の 活 動 を規 制 す る規 定 に よ り,他 の企 業(従 属企 業)に 対 して 支 配 的 影 響 力 を 行 使 す る こ と が で きる企 業 を い う(3条1項)。 この支 配 企 業概 念 に関 す る 国 内法 の衝 突 可 能 性 を,ど の よ う にす れ ば取 り除 くこ とが で きる かが 問 題 と な る。指 令 は,次 の 場 合 に は支 配 的 影 響 力 が推 定 さ れ る とす る。 す な わ ち,他 の 企業 に 関 して,直

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EUに おける従業員の情報入手権および協議権(正 井) 接 的 また は 間接 的 に,① そ の企 業 の 引 受 済 み 資 本 の過 半 数 を保 有 す る場 合,ま た は,② そ の企 業 が発 行 した株 式 資 本 に付 与 され た議 決 権 の 過 半 数 を支 配 す る 場 合,ま た は,③ 企 業 の管 理 機 関,経 営 機 関 また は監 督 機 関 の構 成 員 の 過 半 数 を選任 す る こ とが で き る場 合,で あ る(3条2項)。 この よ うな,法 律 的 観 点 か らの確 定 の ほ か,他 の規 準,た とえ ば,経 済 的 依 存 とい った事 実 上 の 関 係 お よ び フ ラ ンチ ャイ ズ の よ うな契 約 上 の 関係,が 適 用 国 に よ って 導 入 され う るの か とい った 点 につ き,法 の衝 突 可 能 性 が 残 って い る。 (2) 支 配 企 業 お よび従 属 企業 の法 的 形 態 は重 要 で ない 。 つ ま り,そ れ らが,資 本 会 社(株 式会社,有 限会社 な ど)で あ る必 要 は な く,人 的 会 社(合 名 会社,合 資 会社 な ど)で あ って も,さ ら に は個 人 商 人 で も よい 。 もっ と も,支 配 企 業 とい うた め に は,単 な る投 資 ・財 務 管 理 を越 え る独 立 の企 業 活 動 が必 要 で あ る。 ま た,支 配 企 業 が 自己 の 事 業所 を持 っ て い る こ とか ど うか は問題 で な く,そ れ が 労 働 者 を 雇 用 して い る こ と も 問 題 で は な い 。 (c) 代 表 者(representative agent)の 指 名 に 関 す る 制 限 経 営 の 中 枢 が 適 用 国 外 に在 る場 合,企 業 ・企 業 グ ル ー プ が,指 令 に よ っ て 要 求 さ れ た 責 任 を 果 た す た め に 「代 表 者 」 を 指 名 す る こ と に つ き,作 業 部 会 は, 次 の 制 限 を 提 案 す る 。 す な わ ち,企 業Aは,適 用 国 内 に あ る 企 業Aの1つ の 事 業 所 が,す で に 適 用 国 内 の す べ て の 事 業 活 動 を 支 配 して い る 場 合(い い か え る と,適 用 国 に お い てAが す で に経 営 の 中枢 構 造 を持 っ て い る と き),代 表 者 を 指 名 す る こ と が で き な い,と い う こ と を 。 よ り一 般 的 に い う と,代 表 者 は 企 業 の 一 部 で な け れ ば な らず,独 立 した 組 織 ま た は 個 人 で あ っ て は な ら な い,と い う こ と で あ る。 (d) 特 別 の交 渉 機 関 の構 成 員 の配 分 (1) 作 業 部会 は,特 別 の交 渉 機 関 に関 し,事 業 所 また は企 業 が存 在 す る 「1カ 国 につ き1名 の構 成 員」 とい う ル ー ル(5条2項c号)に 付 加 して,次 の よ う に構 成員 が 追加 配分 され るべ き もの とす る。 す なわ ち,従 業 員 の少 な くと も, ①25%が 雇 用 され て い る適 用 国 につ き1名,②50%が 雇用 されて い る適 用 国 に

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つ き2名,③75%が 雇 用 さ れ て い る適 用 国 につ き3名 。 この 公 式 は,対 象 とな る企 業 ・企 業 グ ル ー プが,ほ とん どの適 用 国 にお い て 活 動 して い る場 合,17名 とい う構 成 員 の最 大 数(5条2項b号)を 増 加 させ る効 果 を持 つ(な お,指 令採 択 後,適 用国の範 囲が11カ 国か ら17力国へ と拡大 した ことによって も影 響 を受 ける)。 (2) また,作 業 部 会 に よる と,適 用 国 の規 定 は,適 用 国 の 外 か らの 従 業 員 代 表 が,特 別 の交 渉 機 関 に参 加 す る こ とを許 容 す る こ とが で き る。 しか し,作 業 部 会 は,そ れ が,特 別 の交 渉 機 関 に お け る決 定 に重 要 な影 響 を及 ぼ す こ と は妥 当 で ない,と す る 。 そ こで,た とえ ば,た ん に オブ ザ ー バ ー と して,ま た は議決 権 を持 た ず に一 特 別 の交 渉 機 関 に一 参 加 す る権 利 が 与 え られ るで あ ろ う。 も っ と も,こ れ と異 な る定 め をす る こ とは,従 業 員 代 表 との協 定 に よれ ば 可 能 で あ ろ う。 (e)特 別 の 交 渉機 関 お よびEWCの 構 成 員 を選 出 す る国 内 手 続 き 補 充 規 定 に も とつ い て設 置 さ れ た特 別 の交 渉 機 関 お よびEWCの 構 成 員 の 選 挙 また は指 名 の た め に用 い られ る方 法 の決 定 は,各 適用 国 の任 務 で あ る 。作 業 部 会 は,国 内 の 規 定 は,既 存 の従 業 員 代 表 構 造 に 基礎 を置 くか,ま た は そ れ に 類 似 す る こ とが 望 ま しい,と す る。 そ して,特 別 の 交 渉 機 関 また はEWC に選 出 ・指 名 され る従 業 員代 表 は,そ の適 用 国 にお け る 企業 グ ル ー プ の従 属 企 業 の 全 従 業 員 を 代 表 し な け れ ば な ら な い で あ ろ う,と い う 。 し か し,指 令 で は, そ も そ も従 業 員(employee)概 念 に つ い て 定 義 さ れ て い な い 。 国 内 法 に 委 ね て い る(た とえ ば,ド イ ツで い う管 理 職 員(leitende Angestellte)が 指 令 に い う従 業 員 に 含 まれ るかが 問題 となる)。 そ して,ど の よ う な場 合 に全 従 業 員 を代 表 して い る と判 断 され る か,13条 にお け る と同様,問 題 は残 され て い る 。 (f) 交渉 の 開始 EWCま た は情 報 入 手 ・協 議 の手 続 き を設 け るた め の 交 渉 は,少 な くと も2 つ の事 業 所 ま た は企 業 の,少 な く と も100人 の 従 業 員 ま た は従 業 員 代 表 の書 面 に よ る請 求 に よ って,開 始 さ れ る(5条1項)。 作 業 部 会 に よ る と,こ の こ とは, 累 積 的 過 程 と して見 られ るべ きで あ り,ま と まっ て100人 で 請 求 す る必 要 は な

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EUに おける従業員の情報入手権 および協 議権(正 井) く,別 個 に請 求 して もそ の 数 が合 わせ て100人 に達 して お れ ば足 りる。 (g) 企 業 の構 造 変化 へ の対 応 現 在,多 くの 企 業 は事 業 の再 構 築(restructuring)を 進 め て い る。EWCの 適 用 範 囲 につ い て,適 用 国 は企 業 の再 編 成 の影 響 を考 慮 す る こ とが 求 め られ て き た。 た とえ ば,EWCを 企 業 グ ル ー プ の構 造 変化 に適 合 させ る方 法 に 関す る規 定 を,EWC協 定 が 確 定 しな け れ ば な らな い 事 項(6条2項)の リ ス トに付 加 し よ う と思 え ば で き る 。 10) EWCB-Preview issue, p. 8.

11) EIRR 256, p. 34; EWCB-Preview issue, p. 8.

12) EWCBPreview issue,p.8-9に よ る 。 13) EWCB-Preview issue, p.8. 14) EWCB-Preview issue, p. 8. 15) 詳 し くは,正 井 ・前 掲76頁 以 下。 16) EWCB-Preview issue, p. 8-9. 17) Hromadoka, DB 1995, 1125; Heinze, AG 1995, 388. 18) EWCB-Preview issue, p.9. 19) EWCB-Preview issue, p.9. 20) EWCB-Preview issue, p.9. 21) Hromadka,DB 1995,1128; Ramme,DB 1995,2066-2068は,と も に 管 理 職 員 を 指 令 の 従

業 員 に 含 め る 。 な お,管 理 職 員 に 関 し,Jan Geert Meesen,Leitende Angestellte und ihre

Sonderstellung im Gesetz,DStR 1995,1353-1359;吉 田 美 喜 夫 「ド イ ツ に お け る 管 理 職 員 の 利 益 代 表 法 」 立 命 館 法 学1993年5・6号1524-1570頁 参 照 。 22) EWCB-Preview issue, p.9. 23) EWCB-Preview issue, p.9. Ⅲ 指 令 第13条 に つ い て 1 第13条 制 定 の 背 景 従 業 員 に ヨー ロ ッパ ・レ ヴ ェル の情 報 入 手 権 お よび協 議 権 を付 与 して い る企 9

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業 ・企 業 グ ル ー プ は,指 令 の 適 用 を 免 除 さ れ る と す る 考 え は,1990年 のEWC 原 始 提 案 に は 定 め ら れ て い な か っ た 。 当 時 は,そ の よ う な 協 定 を結 ん で い る 企 業 ・企 業 グ ル ー プ の 数 が き わ め て わ ず か で あ っ た(1990年 末 で は10未 満)こ と に よる の で あ ろ う。 適 用 除 外 条 項 は,1993年 の後 半 にベ ル ギ ー に よっ て作 成 され た妥 協 案 に お いて 初 めて 現 れ た(そ の当時には,約30のEWCが 設置 されていた)。 13条 は,経 営 者 と従 業 員 代 表 ・労働 組 合 との 間 の交 渉 で ま と まっ た一 企 業 に 特 有 の一 協 定(以 下,自 発的協定 とい う)に 優 先 権 を与 え る とい う指 令 の 一 般 的 姿 勢 を反 映す る と と もに,経 営 者 と従 業 員代 表 ・労働 組 合 とが,EWC設 置 の 討 議 に お い て重 要 な役 割 を演 じた こ と を欧州 委 員 会 と閣僚 理 事 会 が 承 認 した こ との 表現 で もあ る。 2 第13条 の文 言 (1) 自発 的協 定 が,次 の条 件 を満 た す場 合 に は,指 令 の 適 用 を免 れ る。 す な わ ち,①1996年9月22日 の 指 令 施 行 時 よ り前 に存 在 して い る こ と,② 全 従 業 員 (entire workforce)を 包 含 して い る こ と,③ 従 業 員 の国 境 を越 え た情 報 入 手 権 お よび協 議 権 を定 め て い る こ と,で あ る(13条1項)。 (2) 作 業 部 会 は,ま ず,13条 の 国 内法 へ の転 換 の 目的 は,EWC協 定 の 交 渉, 締 結 お よび維 持 を促 進 す る もの で あ るべ きで あ る と し,次 の3つ の要 件 を設 定 す る。 つ ま り, ① 国 内 の 実施 規 定 は,す で に13条 に定 め られて い る要 件 に付 加 的要 件 を導 入 す べ きで は な い 。 ② 適 用 国 の外 で締 結 され た協 定 は,そ れが,指 令13条 を実 施 す る国 内 の 規 定 に定 め られ た要 件 に合 致 して い る場 合 に は,認 め られ るべ きで あ る。 どの 国 内 法 が 適 用 され る かが 協 定 にお い て定 め られ てい ない と きは,企 業 の代 表 者 が存 在 す る国 の法 が適 用 され る。 ③ 企 業 グル ー プ が,複 数 の協 定(た とえば,異 なる部門ご との格 別の協定)を 有 す る場 合,そ れ らは,適 用 可 能 な 国 内法 にお い て定 め られ た他 の 要 件 に合 致 す

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EUに おける従業員 の情報入手権お よび協 議権(正 井) れ ば-13条 の 要 件 に 合 致 し た もの と して-,承 認 さ れ るべ き で あ る,と 。 作 業 部 会 は,上 述 の よ う に い う が,付 加 的 要 件 の 設 定 の 禁 止 が,既 存 の 要 件 につ い て,よ り詳 し く定 義 す る こ と も排 除 す るの か ど うか 明 らか で ない 。 3 影 響 を受 け る既 存 の 協 定 1996年9月22日 の後 は,既 存 の協 定 は,お そ ら く次 の場 合 に の み 問 題 と な る で あ ろ う。 す な わ ち,適 用 国 の う ち の2カ 国以 上 か らの 少 な く と も100人 の 従 業 員 ま た はそ の代 表 が,経 営 の 中枢 に,特 別 の交 渉 機 関 とEWC設 置 の手 続 きを 開始 す る よ うに要 求 す る場 合 で あ る(5条)。 経 営 の 中枢 が,こ の 要 求 を, 協 定 が す で に存 在 して い る との理 由 で 拒 否 す る場 合,従 業 員 の代 表 に は行 政 上 また は裁 判 上 の手 続 き(こ れは適 用国 によって定 められる-11条3項)に よ る救 済 を求 め る こ とが で き よ う。 こ の場 合,関 係 す る行 政機 関 ま た は裁 判 所 が,問 題 の企 業 ・企 業 グル ー プ に お い て,指 令13条 の 要 件 に合 致 す る有 効 な協 定 が 存 在 す るか 否 か を評 価 ・判 断 す る。 最 終 的 に は ヨ ー ロ ッパ 司 法 裁 判 所(European Court of Justice)に よ って決 定 さ れ る。 4 第13条 に関 す る解 釈 問 題 (1) 有 効 な協 定 が存 在 す る か 有 効 な協 定 の存 在 を証 明す る こ とは,必 ず し も簡 単 で は ない 。 次 の点 が 問 題 とな る。 つ ま り,① 協 定 は,経 営 者 と従 業 員代 表 ・労 働 組 合 と の 間 の有 意 義 な 交 渉 過 程 を定 め て い るか,② 協 定 の 条 項 が も っぱ ら一 方 の 側 の み に よ って作 成 され,他 方 に はそ の署 名 の た め だ け に提 示 され る とい っ た こ と を排 除 して い る か,③ 適 用 国 にお い て,協 定 は,署 名 者 お よび 内容 に 関 して,そ の 国 の 法律 に お い て用 い られ る労働 協 約 の定 義 に従 って い る場 合 にの み 有効 な もの と考 え ら れ る の か否 か,と い う点 で あ る。 た と えば,フ ラ ンスで は,労 働 組 合 の み が 団 体 交 渉 権 を有 し,か つ労 働 協 約 は一 定 の 形 式 上 の手 続 き を遵 守 しな け れ ば な ら な い。 他 方,ド イ ツで は,法 律 が,労 働 組 合 お よび事 業 所 委員 会 に別個 の 団体

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交 渉 の 役 割 を与 えて い る。 (2) 国 境 を越 えた情 報 入 手権 お よび協 議 権 が 存 在 す る か 指 令 は,「 協 議 」 を2条1項f号 で 定 義 して い る。 しか し,「 国境 を越 え た情 報 入 手 権 お よ び協 議権 」 とい う文 言 が,国 内法 に お い て いか に定 義 さ れ る か, そ して 裁 判 所 に よ って い か に解釈 され る か は,後 に な らな い と分 か らない 。 (3) 全 従 業 員 に適 用 され るか 全 従 業 員 へ の 適 用 の 有 無 の 問 題 は,2つ の側 面 を有 す る。 す な わ ち,① 全 従 業 員 が 協 定 の 交 渉 お よ び締 結 にお い て代 表 さ れ て きた か ど うか,② 全 従 業 員 が 協 定 の範 囲 内 に含 まれ るか ど うか で あ る 。① こ れ まで,協 定 の 交 渉 お よ び締 結 に 関 し,多 くの当 事 者 が 参 加 して きた 。 そ れ は,1つ の国 にお け る個 別 の 事 業 所 委 員 会 か ら,多 くの 国 内 の 労働 組 合 お よび 国際 的 な労 働 組 合 また は多 数 の 国 か らの 未確 認 の 従 業 員 代 表 まで 及 ん で い る。 協 定 の評 価 に つ い て,「 合 意 され た協 定 の条 項 か ら,そ れ に至 る まで の 交渉 経 過 につ いて の 明確 な像 を手 に 入 れ る こ とは,し ば しば困 難 で あ る」 と され る。 全 従 業 員 に適 用 され る もの で あ る か否 か は,個 々 の事 例 につ い て 判 断 しな け れ ば な ら ない 。② にお い て重 要 な の は,「 全 従 業 員」 の 定 義 で あ る。 そ れ は,す べ て の個 々 の従 業 員 を意 味 す る の か,そ れ と も小 規 模 な事 業 所 の 従 業員 は排 除 さ れ う るの か 。既 存 の協 定 の い く つ か は,EWCへ の参 加 を一定 の数 を超 え る従 業 員 を雇 用 して い る事 業 所 に 限 定 して い る 。 5 使 用 者 と労 働 組 合 との 論争 ヨ ー ロ ッパ 使 用 者連 盟(UNICE)は,特 別 の交 渉 機 関 が,す で に協 定 が 成 立 して い る場 合 で あ っ て もEWC協 定 の締 結 を求 め る こ とが で き る とす る こ と に反対 し,さ らに,既 存 の協 定 の効 力 を裁 判 所 で 争 う こ とが で きる とす る こ と に も反対 す る 。す な わ ち,そ れ で は,指 令13条 は完 全 に無意 味 に な って しま う と し,ま た,同 条 は企 業 内の 従 業 員 と協 定 を結 ぶ こ と を認 め て い る,と い う。 これ に対 し,ヨ ー ロ ッパ 労 働 組 合 連 合(ETUC)は,13条 は,使 用 者 が こ れ ま

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EUに おける従業員の情報入手権および協議権(正 井) で決 定 で きた よ う ない か な る協 定 も有効 とす る 白紙委 任 状 を与 え る も ので は な い,と 主 張 す る。 6 作 業 部 会 での議 論 13条 につ い て,作 業 部 会 にお け る議 論 で 明確 にな った の は,以 下 の 点 で あ る。 す な わ ち, ① 協 定 が全 従 業 員 に適 用 さ れね ば な ら ない とい う こ とは,企 業 ・企 業 グル ー プ の すべ て の従 業 員 が,直 接 ま た は間 接 に,交 渉 お よ び署 名 に お い て 代 表 され て い な け れ ば な らな い,と い う意 味 で あ る。 ② 協 定 の 署 名者 の地 位 につ き,国 内 法 の規 定 は,今 日 まで の 自発 的慣 行 を考 慮 す るべ きで あ り,こ の領 域 で ヨー ロ ッパ お よ び国 内 の 労働 組 合 が 果 た して い る主 な役 割 お よ び国 内 の 従 業 員 の 代 表 構 造(た とえば,事 業 所委員会)を 認 め る べ きで あ る。 ③13条 にお け る 「国境 を越 え た情 報 入 手 権 お よ び協 議権 」 の概 念 は,協 定 が, 従 業 員 の 代 表 に少 な くと も組 織 の基 本 的権 利 を与 え な けれ ば な らな い とい う こ と を 包 含 し て い る 。 24) 正 井 ・EC国 際 企 業 法(1994,中 央 経 済 社)429頁 以 下 参 照 。 25) EWCB-Preview issue,p.10. 26) ベ ル ギ ー の妥 協 案 は,ま ず,指 令 が 採 択 され る時 に,す で に 共 同体 レヴ ェ ル で の情 報 入 手 権 お よ び協 議 権 に関 す る協 定 が 発効 して お り,そ れ が 効 力 を有 す る 間 は,本 指 令 は適 用 され ない, と し,し か し,指 令 の 補 充 的 要件 で あ る最 低 限 の情 報 入 手 権 お よび協 議 権 は,協 定 にお い て 保 障 さ れ ね ば な らない,と す る 。 そ して,こ の適 用 除 外 は,指 令 の採 択 か ら7年 経 過 す る こ と に よ り終 了 す る,と した 。 そ の後,マ ー ス トリ ヒ ト条約 に付 属 す る社 会 政 策 に関 す る 議 定書 お よ び協 定 の採 択 を経 て, 既 存 の協 定 の適 用 除 外 に対 す る-7年 で終 了 す る との一 制 限 は,最 終 的 に削 除 され た。 削 除 の

理 由 と して,社 会 問 題 担 当 のEU委 員 会 委 員 で あ るパ ドリ グ ・ブ リ ン(Padraig Flynn)は,

次 の よ うに述 べ た。 す なわ ち,経 営 者 と従 業 員 代 表 が,情 報 入 手権 お よ び協 議 権 に関 す るル ー

ル を取 り決 め る こ とが で きた と ころ で は,最 低 限 の 要 件 をそ れ らに押 しつ け る正 当 な理 由 が な 13

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い 。 こ の 押 し つ け は,経 営 者 と従 業 員 代 表 の 需 要 と利 益 に 最 も 良 く適 合 し た 具 体 的 解 決 を 見 い 出 す そ れ ら の 自 治 お よ び 自 由 を,明 ら か に 侵 害 す る で あ ろ う,と(EWCB-Preview issue,p. 10に よ る)。 ハ イ ン ツ ェ は,自 発 的 協 定 は,安 い 費 用 で,時 間 的 に も 早 く,企 業 に 適 合 し た 解 決 が 可 能 と な り,そ れ は 従 業 員 の 利 益 に も な る と し て,協 定 の 効 用 を 強 調 す る(Heinze,AG 1995, 395ff.)a 27) 1989年 の 社 会 憲 章12,EC条 約118b条 お よ び 社 会 政 策 協 定1条,3条,4条 に も,は っ き り と 経 営 者 と 労 働 者 の 対 話(社 会 的 対 話)の 促 進 が 表 明 さ れ て い る 。 な お,Martin Le Friant, Die Tarifverhandlungen in grenziiberschreitenden Unternehmen,NZA 1994,158-162参 照 。

28) EWCB-Preview issue, p. 10-11.

29) こ の こ と が 問 題 と な る の は,企 業 ・企 業 グ ル ー プ が,そ の 中 に 経 営 の 中 枢 を 置 い て い る 国

(ま た は 企 業 ・企 業 グ ル ー プ が 適 用 国 の 外 に 本 拠 を 置 く と き は,そ の 中 に そ の 「代 表 者 」 を 持 つ 国)で あ る(EWCB-Preview issue,p.11)。

30) EWCB-Preview issue,p.11.

31) EWCB-Preview issue,p.11.な お,Jaeger,a.a.O,107ff.参 照 。

32) EWCB-Preview issue,p.11. 33) EWC協 定 の 労 働 者 側 の 署 名 者 は,以 下 の よ う に,さ ま ざ ま で あ る が,ほ と ん ど は 労 働 組 合 が 関 与 し て い る 。 す な わ ち,① 国 際 的 労 働 組 合 組 織(た と え ば,ETUC)(既 存 の66の 協 定 の う ち 約40%を 占 め る),② 国 内 の 労 働 組 合 組 織(同 約 半 数),③ 国 内 の 事 業 所 委 員 会 の 組 織 ④ ヨ ー ロ ッパ ま た は 国 際 的 従 業 員 代 表 組 織 ⑤ 不 明 ま た は 分 類 で き な い 「従 業 員 代 表 」。 協 定 は, こ れ ら5つ の カ テ ゴ リ ー の1つ ま た は そ れ ら の 組 み 合 わ せ に よ っ て 調 印 さ れ て い る(EWCB-Preview issue,p.11に よ る)。 な お,日 本 の 企 業Hondaの 協 定(1994年12月)は,労 働 組 合 を 通 さ ず に 企 業 内 の 従 業 員 代 表 の み と締 結(EIRR 256,p.16;日 本 経 済 新 聞1995年3,月29日11面)。 こ の 協 定 をETUCな ど は 認 め な い よ う で あ る(伊 澤 ・前 掲12頁 参 照)。 こ の よ う な 協 定 の 有 効 性 は,最 終 的 に,ヨ ー ロ ッ パ 司 法 裁 判 所 に よ っ て 判 断 さ れ よ う 。 そ の 後,Panasonic/Matsushitaは,労 働 組 合 と 協

定 を 結 ん だ 。 ヨ ー ロ ッパ 金 属 労 働 者 連 盟(European Metalworkers' Federation)は,日 本 に

本 拠 を 置 く 企 業 と の 最 初 の 「正 当 な(legitimate)」 協 定 で あ る,と 評 価 す る(EIRR 263 (1995),p.4)。 34) EWCB-Preview issue, p.11. 35) EWCB-Preview issue, p.11. 36) EWCBPreview issue, p.12に よ る 。 ま た,1995年4月12日 に 公 表 さ れ た,委 員 会 の 中 期 (95-97年)社 会 行 動 計 画(競 争 と 職 場 の 創 出 を 優 先 さ せ る 。cf.EIRR 257,p.12-19)に 対 す る

労 使 の 反 応 に つ き,Financial Times,April 12.1995,p.1,2 (R.Taylor).

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EUに おける従業員の情報入手権および協議権(正 井) お わ り に EWC指 令 は,国 家 法 の枠 組 を越 え た 性 格 を持 つ 点 で注 目 され る。 同 様 に, 経 営 者 と従 業 員 代 表 ・労 働 組 合 との 間で 結 ばれ た協 定 も,国 家 の 領 域 を越 え た 影響 力 を有 す る 。 た とえ ば,イ ギ リス に本 拠 を置 く企 業 グル ー プ が イギ リス に お い て締 結 した協 定 は,ヨ ー ロ ッパ 大 陸 に あ る グル ー プの 企 業 お よ び従 業 員 に も効 力 を及 ぼ す 。 EWC指 令 は,従 業 員 の 情 報 入 手 権 ・協 議 権 を保 障 す る もので あ り,企 業 ・ 企 業 グ ル ー プの 意 思 決 定 へ の 参 加 権(共 同決定権)ま で 定 め る もの で は な い 。 しか し,企 業 の経 営 者 に は,従 業 員 代 表 に一 定 の 事 項 の情 報 を提 供 し,か つ そ れ との 協 議 を義 務 づ け られ る。 こ の点 で,経 営 者 に対 す る コ ン トロ ール が働 く。 す な わ ち,EWC指 令 は,単 に従 業 員 の保 護 とい う労 働 法 上 の 性 格 を越 え た 企 業 法 的性 格(従 業員 による経営者 の監 督お よび情報へ の参加)を も有 す る こ とに な る 。 EUで は,失 業 者 の 増 加 と い う 困 難 な 時 代 を 迎 え て い る 。 企 業 経 営 者 の 違 法 ・不 正 行 為 も な く な っ て は い な い 。 本 指 令 お よ び 指 令 を 転 換 し た 国 内 法 な ら び に 自 発 的 協 定 が,ど こ ま で 従 業 員 の 保 護 に 役 立 つ か,ま た 経 営 者 の 監 督 に 有 効 に 機 能 す る か,「 実 験 」 は 始 ま っ た ば か り で あ る 。 38) 逆 に,た と え ば,イ ギ リス に経 営 の 中枢 が 在 る企 業 が,ド イ ツ に お いて 従 業 員 代 表 ・労 働 組 合 と協 定 を結 ん だ場 合,そ の 協 定 を イ ギ リス の 従 業 員 に は適 用 しな い とす る こ とは,同 じ企 業 ・企業 グ ル ー プの 従 業 員 を差 別 す る こ と に な り,事 実 上,困 難 で あ ろ う。 同 旨,Mayer,BB 1995,1975.cf.EIRR 258(1995),p.3-4;荒 木 ・前 掲26頁 注31,朝 日新 聞1994年11,月5日12面, 日本経 済新 聞1995年11,月1日9面 。 39) 酒 巻俊 雄 教授 は,EWC指 令 に も とづ く従 業 員 の権 利 を,情 報 参 加 の 形 式 を と っ たチ ェ ック シ ス テ ム と評 価 し,労 働 法 的 側 面 で と らえ るべ きで は な く,会 社 法 的 な側 面 で と ら え るべ きで あ る,と 主 張 さ れ る(シ ンポ ジ ウ ム 「株 主 の経 営 監 督 機 能」 判 例 タ イ ムズ872号(1995)53頁)。 15

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同 旨,上 田 ・前 掲31頁 以 下 。

40) EWC指 令 は,ヨ ー ロ ッパ 株 式 会 社(SE)法 の 制 定 に も影 響 を与 え る こ とが 予 想 され て い

る 。 近 く,SE法 補 充 指 令 案 に つ い て,共 同 の立 場(common position)が 出 さ れ る よ うで あ

る 。 こ れ ま でSE法 案 が 未 採 択 とな っ て い た の は,主 に企 業 レ ヴ ェ ル の労 働 者 の 参 加(共 同 決

定)の 法 的規 制 に 対 す る イギ リス の強 硬 な反 対 に よ る(正 井 ・EC国 際 企 業 法111頁 以 下 参 照)。

共 同 の 立場 で は,企 業 レ ヴ ェル の 共 同 決 定 を定 め る こ とが 断 念 され,そ の 代 わ りに,EWC指

令 が 引 用 さ れ る よ う で あ る(Peter Wiesner,Stand des Europaischen Unternehmensrecht,

EuZW 1995,823)。 こ の結 果,イ ギ リ ス は,イ ギ リス に 本 店 を 置 く ヨー ロ ッパ株 式 会 社 の た め に,EWC指 令 に対 応 す る事 業 所 組 織 法 上 の 規 制 を し な けれ ば な ら な くな る 。 そ の 反 面,ド イ ツの 共 同 決定 方 式 の流 れ が細 くな って い くこ とが-と くに ドイ ツ の労 働 組 合 か ら-懸 念 され よ う。 (1996.2.28) (雑 誌 の 略 語 表) AG=Die Aktiengesellschaft

AuA=Arbeit and Arbeitsrecht

AuR=Arbeit and Recht

BB=Betriebs-Berater

BCLR=Bulletin of Comparative Labour Relations

DB=Der Betrieb

DStR=Deutsches Steuerrecht

EIRR=European Industrial Relations Review

EuZW=Europaische Zeitschrift fur Wirtschaftsrecht

EWCB=European Works Councils Bulletin

NZA=Neue Zeitschrift fiir Arbeitsrecht

NJW=Neue Juristische Wochenschrift

質疑 応 答 (質 問)イ ギ リス は,社 会 政策 に 関す る議 定書 に は調 印 し,そ れ に付 属 す る協 定 に 調 印 しな か った の で はあ りませ ん か(山 手 治 之教 授-京 都 学 園 大 学)。 (答)そ の とお りで す 。 論文(正 井 ・本文注1)63頁 で,イ ギ リス が 「議 定書 お よび協 定 に は署 名せ ず … …」 と した の は誤 りで す の で,訂 正 させ て い

(17)

EUに おける従業員の情報入手権および協議権(正 井) た だ き ます 。 (質 問)「 超 国家 的 企 業」 と い う語 を,企 業 が 「国 境 を越 え て」 事 業 活 動 を し て い る場 合 に用 い る の は適 切 で ない と思 い ます 。 なぜ な ら,「 超 国家 的」 とい う語 は,EUの よ うに,加 盟 国 の 国 の 主権 の一 部 が(理 事 会 ・委員会 に)委 譲 され て い る よ う な場 合 に使 うべ きで あ る か らで す(小 原 喜 雄 教 授一 神 奈 川 大 学)。 (答)国 際 法 にお い て用 い られて る語 法 に した が えば,ご 指 摘 の 通 りで あ る と考 え ます 。 私 は,英 語 の 「transnational」とい う語 を,そ の よ う に訳 し ま した。 つ ま り,「 国 境 を 越 え た 」 とい う,い わ ば事 実 上 の 意 味 で 「超 国家 的」 とい う語 を使 った次 第 で す 。 (質 問)本 指 令 とい わ ゆ る フ レデ リ ング法 案 との 間 に根 本 的 な違 い が あ る の で し ょうか,あ る とす れ ば それ は何 で す か(澤 田 マ ル ガ レー テ教 授-高 千 穂 商 科 大 学)。 (答)採 択 され ず に終 った フ レデ リン グ法 案 で は,親 企 業 か ら子 企 業 の経 営 者 に一 定 の 情 報 を伝 達 し,子 企 業 の経 営 者 は,そ れ を従 業 員 の代 表 に伝 え な け れ ば な ら な い とい う も ので す 。 と もに企 業 の 従 業 員 に情 報 入 手 権 ・協 議 権 を付 与 す る点 で は 同 じで す の で,根 本 的違 い は な い とい え ま す 。 もっ と も,同 法 案 に は,EWCと い った従 業 員 代 表機 関 の 設 置 につ い て の規 定 はな く,情 報 入 手 ・協 議 の 手 続 き も,加 盟 国で 実 施 され て い る従 業 員 代 表 制 度 を通 じて行 われ る こ と にな って い ます 。 (質 問)ヨ ー ロ ッパ 株 式 会 社(SE)法 が まだ採 択 され て い な い 現 状 で は,結 局,補 充 規 定(7条)が 多 用 され る こ と に な る の で は な い で し ょ うか (島 野 卓 爾教 授-学 習 院 大 学)。 (答)7条,13条 に も とつ い て,EWC協 定 が結 ば れ て い ます 。 そ の協 定 の 内容 と して,7条 に も とづ く補 充 規 定(付 則)の 規 準 を満 た す必 要 が あ り,そ の意 味 で,ご 指 摘 の よ う に,補 充規 定 が 多 用 され る と考 え られ ま す 。 な お,SE法 案 が採 択 さ れ た と して も,既 存 の 株 式 会 社 が,SEを 17

(18)

設 立 す る こ と,ま た はSEへ 組 織 変 更 す る こ と を強 制 され る もの で は な い 点 に 注 意 して お く必 要 が あ る と思 い ます 。 (質 問)指 令 は,EU域 内 で 活 動 す る 日本 の企 業 に どの よ うな影 響 を与 え る の で し ょうか 。 また,指 令 の適 用 対 象 とな る 日本 企 業 は,指 令 に どの よ う に対 処 して い る の で す か(岡 村 発 教 授-上 智 大 学,澤 田昭 夫 教 授-日 本 大 学)。 (答)EU域 内 で 事 業 を展 開 して い る 日本 企 業 の うち,約30社 がEWC指 令 の適 用 を受 け る,と い わ れて い ます 。EU加 盟 国 内 に本 拠 を置 く企 業 と 比 べ ます と時 間 的 に遅 れ て い ま したが,日 本 企 業 も従 業 員 の 代 表 また は 労 働 組 合 との 問 で,EWC協 定 を結 びつ つ あ る よ うで す(本 文注33参照)。

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