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Eurocode 7における杭基礎設計に関する規定

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Academic year: 2021

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(1)20. A - 08. 第39回地盤工学研究発表会 (新 潟)  2 0 0 4 年 7 月. Eurocode 7 における杭基礎設計に関する規定 杭,限界状態設計法,基準. 大成建設(株)土木技術研究所 国際会員. 堀越 研一. 本報告では, (欧州技術標準) Eurocode 7(以下 EC7 と略記,prEN 1997-1 Geotechnical design (N375, 2003-10-10)を参照)に記載され た杭基礎に関する規定の概要を示す。 規定の対象…EC7 では,第 7 章として 20 ページが杭基礎に関する規定となっている。その内訳は,一般(7.1) ,限界状態(7.2) ,作 用と設計状態(7.3) ,設計法と設計で考慮すべき項目(7.4) ,載荷試験(7.5) ,軸方向載荷杭(7.6) ,軸直角方向載荷杭(7.7) ,杭体 の設計(7.8) ,建設管理(7.9)に分かれている。規定の対象は,あらゆる方法で施工される先端支持杭,摩擦杭で,軸方向および軸 直角方向に載荷される杭であるが,パイルド・ラフト基礎などの沈下抑止杭は対象外となっている。また,杭の施工に関しては,別 の欧州基準 EN1536(場所打ち杭) ,EN12063(矢板壁),EN12699(打ち込み杭) ,EN14199(マイクロパイル)を参照しなければならな いとしている。 限界状態…考慮すべき限界状態として,全体安全性の喪失,支持力破壊,浮き上がりや引き抜き抵抗の不足,軸直角方向載荷による 地盤の破壊,杭の構造的破壊,地盤と杭基礎/構造物の複合破壊,過度な沈下・隆起・水平変位,許容限度を超えた振動,などがリス ト化されている。また,設計状態(design situation)として,長期と短期を考慮しなければならない。 設計法および設計での留意点…EC7 では,杭基礎は,以下の方法をもとに設計されねければならないと規定されている。 ①. 計算もしくは同種の事例によってその妥当性が示された静的載荷試験結果. ②. その妥当性が同様な状態(comparable situations)での静的載荷試験で確認されている経験的もしくは解析的な方法. ③. その妥当性が同様な状態での静的載荷試験で確認されている衝撃載荷試験結果. ④. 現地調査や地盤試験によって裏付けされている,類似の杭基礎の観測挙動. また,杭の設計や施工に際して考慮すべき項目が以下のようにリスト化されている(具体的な方法は記載されていない) 。 ・ 杭の設計に際して考慮すべき項目:個々の杭や群杭の挙動,杭に結合される構造物の剛性と強度,載荷継続時間とその変動,将 来の載荷除荷計画,地下水状況の変化 ・ 杭の種類を選定する際に考慮しなければならない項目:地盤や地下水,障害物の状態,杭打設時の応力度,打設された杭の健全 度確認の可能性,打設方法や順序が既設の杭や構造体あるいはその機能に及ぼす影響,施工精度,地中の化学物質の影響,地下 水系への影響,杭の扱いや輸送,杭の施工が周辺建物に及ぼす影響 ・ さらに,留意すべき項目として:杭の打設間隔,杭施工時の近傍構造物の変位と振動,ハンマーや加振機のタイプ,くい打撃中 の動的な応力,孔壁崩壊の防止,スライム除去,コンクリート打設時の杭径の確保,まだ固まらないコンクリート中への土や水 の浸入,周辺の不飽和層への水分の流出,地中の化学物質による遅延効果,打ち込み杭打設による地盤の締固め効果,削孔によ る杭周辺地盤の乱れ 杭の載荷試験…EC7 では,以下の場合に杭の載荷試験を実施しなければならない,としている。 ①. 経験のない杭のタイプや方法で杭を打設する場合. ②. 類似の地盤や載荷条件での載荷試験が実施されていない場合. ③. 設計に際して理論や経験のみでは確定できない荷重を受ける場合. ④. 杭施工記録が現地調査や経験をもとに推定した挙動と大きくかけ離れ,危険側となる場合,追加地盤調査を実施しても,そ の挙動の原因を明らかにできない場合. その他,記載内容をまとめると以下のようになる。 ・ 載荷試験は,試験杭もしくは本杭に対して実施できる。 ・ (繰返し載荷など)荷重の変動を再現することが困難で,載荷試験が難しい場合,材料特性として非常に注意深い設計値(very cautious design value) を使用するべきである。 ・. 1 本の載荷試験しか行わない場合,最も厳しい地盤条件にて試験を実施しなければならない。これが難しい場合には,押し込み 抵抗の特性値を算出するに際して,この分を考慮しなければならない。. ・. 2 本以上の杭に対して載荷試験を行う場合には,現場の地盤条件を代表する地点で 1 本,残りの杭のうちの 1 本は,最も厳しい とされる地盤条件で実施しなければならない。. ・ 杭の施工から載荷試験の開始までの時間は,杭材の必要強度が発揮され,地中の間隙水圧が消散するまでの十分な時間をおくも のとする。場合によっては,載荷試験実施時期を判断する目的で,杭打設中の過剰間隙水圧とその消散過程を計測してもよい。 ・ 静的載荷試験は,ISSMGE(国際地盤工学会)レポートに基づき実施する。引き抜き試験は,破壊まで行うべきであり,結果の 外挿を行うべきではない。 Design of pile foundation described in Eurocode 7. K. Horikoshi (Taisei Corporation). - 39 -.

(2) ・ 本杭の載荷試験数は,杭施工時の記録を考慮して決定するものとし,載荷荷重は,少なくとも基礎の設計荷重に等しくなければ ならない。本杭が大口径杭の場合,小口径の試験杭で載荷試験を実施してもよい。この場合,試験杭の直径は,本杭の直径の 0.5 倍以上であることがよい。小口径開端杭で載荷試験を行う場合には,先端閉塞の相違に注意するべきである。 ・ 類似の杭や地盤条件での静的載荷試験によって精度が確認され,かつ適切な現地調査が実施される場合には,押し込み抵抗を推 定する目的で衝撃載荷試験を利用してもよい。 (急速載荷試験に関する記載は見当たらない。 ) 軸方向荷重を受ける杭の設計 ここでは,一例として,軸方向押し込み荷重を受ける杭の設計に関する規定を示す。 ・ 載荷試験結果から,終局限界状態を定義することが難しい場合,杭頭における沈下量が杭先端直径の 10%となった時点を 破壊 とみなす。 ・ 顕著な沈下を生ずる杭では,杭の抵抗が十分に発揮される前に,支持されている構造物が終局限界状態に至る場合があり,起こ り得る沈下の範囲に十分注意しなければならない。 ・ 杭が剛な構造物を支持する場合,荷重再配分が可能であり,多数の杭が同時に破壊する場合にのみ限界状態にいたるので,1 本 の杭のみが破壊するようなモードは考慮する必要はない。柔な構造を支持する場合,押し込み抵抗の最も低い杭が限界状態の発 生を支配する。 ・. 500 mm 以上の開口部がある開端杭で,内部に先端閉塞を誘引するしくみがない場合には,先端抵抗は,管内土と杭内面との間 のせん断抵抗,先端の断面積を使用して得られた先端抵抗のうちの小さい方とするべきである。. ・ 載荷試験結果から杭の終局押し込み抵抗を算定する場合,以下の式によらなければならない。. (R ) ⎫ ⎧ (R ) R c ;k = Min⎨ c;m mean ; c;m min ⎬ ξ1 ξ2 ⎭ ⎩. 表-1 試験杭の本数に応じた補正係数. (1). ξ for n=. Rc;k:押し込み抵抗の特性値,Rc;m:載荷試験での計測押し込み抵抗,mean, minはそれぞれ平均値,下限値を示す。ξ1,ξ2は,杭の載荷試験数に依存 した補正係数で推奨値が附属資料(Annex)に示されている(表−1)。また,. 1. 2. 3. 4. ≥5. ξ1. 1.4. 1.3. 1.2. 1.10. 1.00. ξ2. 1.4. 1.2. 1.05. 1.00. 1.00. 表-2 衝撃載荷試験の数に応じた補正係数. 衝撃載荷試験に対しては,ξ1,ξ2をξ5,ξ6に置き換えた別の推奨値(表−2). ξ for n=. ≥2. ≥5. ≥10. ≥15. ≥20. が示されている。. ξ5. 1.60. 1.50. 1.45. 1.42. 1.40. ξ6. 1.50. 1.35. 1.30. 1.25. 1.25. ・ 設計終局抵抗は,杭の抵抗に関する部分係数を用いて以下の式で与えられ る。. 波形マッチングを行う場合には,0.85 を乗. Rc ;d = Rc;k / γ t. or. Rc ; d = Rb; k / γ b + Rs ; k / γ s. じてもよい。Pile driving formula を使用する. (2). 場合,杭頭の変位を計測する場合には 1.1,. γt ,γb ,γsは部分係数で,杭の施工方法と設計アプローチの種類によって. 計測しない場合には 1.2 を乗ずるべきであ. 1.0∼1.6 までの推奨値が附属資料に記載されている。 (表-3 に打ち込み杭. る。異なる杭が存在する場合は,同種の杭. の例を示した。 )EC7 では,多くの場合,部分係数は地盤定数に与えられ. 群をもってその試験数とする。. るが,杭やアンカーの設計に対しては,抵抗に与えられている。 表-3 打ち込み杭の抵抗に対する部分係数. ・ また,地盤調査結果(地盤調査の種類は規定していない。 )をもとに,杭 の終局押し込み抵抗を推定する方法は,以下のように規定されている。 (ξ3,. Set. Resistance. ξ4の値は表−4を参照). R c ;k = ( R b ; k. (R ) ⎫ ⎧ (R ) + R s ;k ) = Min⎨ c;cal mean ; c; cal min ⎬ ξ3 ξ4 ⎩ ⎭. (3). ・ また,荷重再配分が期待できる十分に剛な構造物の場合,ξ1,ξ2(地盤調. R1. R2. R3. R4. Base. γb. 1.0. 1.1. 1.0. 1.3. Shaft :compression. γs. 1.0. 1.1. 1.0. 1.3. Total :compression. γt. 1.0. 1.1. 1.0. 1.3. Shaft in tension. γs;t. 1.25. 1.15. 1.1. 1.6. 査結果を基にする場合にはξ3,ξ4)を 1.1 で除してもよい。 構造物の変位に関する規定. 表-4 地盤調査数に応じた補正係数. 構造物の沈下や回転に関しては,Annex H に以下が示されている。 ・ 構造物の使用性に影響を及ぼす最大許容相対回転角は 1/2000∼ 1/300 の範囲にあり多くの構造物では 1/500 は許容できる。 終局限界 状態に至る構造物の相対回転は 1/150 程度である。周辺が下がるモ. ξ for n=. 1. 2. 3. 4. 5. 7. 10. ξ3. 1.40. 1.35. 1.33. 1.31. 1.29. 1.27. 1.25. ξ4. 1.40. 1.27. 1.23. 1.20. 1.15. 1.12. 1.08. ード(hogging mode)の場合にはこの半分の値とするべきである。 ・ 通常の構造物の場合,50 mm までの総沈下(total settlement)は許容される。相対回転角が許容範囲内であれば,さらに大きな沈下 を許容される場合もある。ここに示した指標は,通常の構造物に対するものであり,通常ではない構造物や荷重が不均一な構造 物に対しては適用するべきではない。. - 40 -.

(3)

参照

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