付録2 平成18年度卒業研究発表会要旨
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(2) 付録 2. 卒業論文. 1 . 電気電子工学科 津山健史 古谷野泰旭. l. ト エネルギー教育の教材製作と実践 J. 太田一平. 近畿大学原子炉の起動時反応度変化の連続測定. 大谷雄介. リストデータ収集法を用いた放射線時系列データ解析. 塩屋宏明. 傾斜線方式による中性子位置検出器の開発. 中西良樹. 固体飛跡検出器の重荷電粒子に対する飛跡生成感度に関する研究. 谷口真典. 2 2 2濃度の変動 三朝温泉地域におけるラドン -. 池 田 仁. シンチセル法による屋内ラドン 2 2 2濃度の変動. 吉井裕一. 2 2 2濃度の環境条件による影響 屋内ラドン -. 2 . 生命科学科 岡山哲也. 環境条件との関連に着目した自然放射線測定. 刑部亘弘. 18F-FDGによる被爆線量低減のための生薬の活用. 福本雅之. 人工ゼオライトの X線照射による大腸菌の増殖抑制. 東海晃大│. ト 原子炉放射線による DN A2本鎖切断とその修復. 岡 林 学 j. -1 1 6-.
(3) 近畿大学原子力研究所年報. Vo l . 44 ( 2 0 0 7 ). エネルギー教育の教材製作と実践 03・1・46・182 津 山 健 史 03・1・46・200 古 谷 野 泰 旭 (原子力研究所第 1研究室). 1.はじめに. 3. 結果と考察. 近年における資源エネルギー消費の増加によ. 体験教室での子供たちは計器の指示の動きに. り、資源の枯渇問題やエネルギーセキュリティ並. アーク灯」等を直 関心を示した他、「火起こし Jr. びに資源の開発や利用に伴う環境問題が顕在化. 接体験できることに強し、興味を示した。生石農場. している。この問題解決のためには、国民一人ひ. でのアンケート結果では、参加者の 90%が体験で. とりがエネルギー問題について考える必要があ. きてよかったという結果を得た。. り、学校教育においてエネルギー問題の理解を深 める教育が必要不可欠で、ある。 しかし、エネルギー教育は環境教育ほど学校教 育で実施されていないのが現状である。その理由 としては、教員から適切な教材や施設がないとい う指摘があり、それ故大学に対して、出前授業や. 図 2 エネルギー体験教室で、の子供たち. 情報の発信など期待される。 本研究では、近畿大学生石農場の活用を念頭に. また、化石燃料エネルギーに代わるものとして期. おいて、化石燃料エネルギーに代わる自然エネル. 待が大きくなりがちな「太陽光発電 J、「風力発電」. ギーとなる「太陽光や風力」、さらに「エネルギ. に関して、正確な情報を伝えることができるよう. ーの変遷」に関する体験学習を検討した。. スライドと説明用シナリオを作成した。 生石農場は海抜 805mの大峰山に位置し、敷地. 2 .方 法 体験学習の教材として、子供たちが「見て Jr 聞. 内での 1年間の風況観測データを解析したところ. いて J r 触って」を基本方針とし、数値で把握で. 年平均風速、風向出現率とも NEDOの基準を上. きるものを検討した。生石農場には子供たちに自. 回っており、風力発電が可能な場所と考えられる。. 然体験学習ができる環境と宿泊可能な研修棟が. 4. まとめと今後の課題. ある。 8月初旬に関西電力主催、近畿大学協力の. 小学生、中学生向けの体験型教材を製作し、エ. もと大阪・神戸市内に住む小学生親子 40組を対. ネルギー教室において使用することができた。子. 象とした夏休み自然教室を開催した。ここでは、. 供たちには見て聞くだけでなく自分の手で触れ. 教材として天候による変化を電流や電圧で確認. て確認することができる教材を用いた学習が有. できるようにした「太陽光発電機と風力発電機 J. 効であることがわかった。. を用いた。 8月末に近畿大学で中学生向けの夏休. また生石農場では、植物や昆虫などの自然観察. み科学実験室を開催し、ここで、はエネルギーの変. や、夜には星座観察もできるので、大型風力発電. 遷として「灯かり j を取上げ、「油、ろうそく」. 機が設置されるならば、体験学習施設としてさら. から「アーク灯、発光ダイオーれまでを揃え、. に有効活用できると考えられる。. その明るさを照度計 静 で測ることができる. 参考文献. [ I Jr 太陽光発電 J桜井薫ら,パワー社 [ 2 Jr 風力エネルギー読本 J牛山泉,オーム社 [ 3 Jr よくわかる!技術解説 JNEDO ホーム h t t p : / / w w w . n e d o . g o . j p ) ページ (. 体験学習を実践した。 この「灯かり」の体. 2月の樟 験教室は、 1 葉南小学校で、の出前 授業でも実施した。. 図 1生石農場での自然教室 門. i.
(4) 付録 2. 近畿大学原子炉の起働時反応度変化の連続測定 0 3 1 4 6 1 8 3 太田一平 (原子力研究所). 1.研究の背景と目的. か上昇しないが、シム安全棒の引き抜きにより急激. 研究用原子炉の起動時には、中性子源が炉心内に. に上昇する。. 挿入された後、中性子吸収体である制御棒が連続的. シム安全棒引き抜き後の時系列データに対して改. に引き抜かれる。従って、臨界からの超過度の尺度. 良最小自乗逆動特性法を適用することにより、実効. である原子炉反応度は、制御棒の引き抜きにともな. 中性子源強度として. って、大きな負の値(未臨界状態)から o(臨界). た 。. o .4364: t0 .0 2 2 9[ W / s ]の値を得. 又は正の値(超臨界)に向けて連続に変化する。こ の起動時の反応度変化は、原子炉の安全管理の観点. 3 . 起動時の反応度変化の解析結果 図 1の時系列データの逆動特性解析から得られる. から、連続監視することが望ましい。 発電用原子炉では、反応度の連続測定法として、逆. 反応度結果を図 2に示す。ただし、逆動特性解析に. 動特性解析法が採用されている。しかし、この逆動特. 必要な実効中性子源強度として、前章で求めた値. 性解析法を研究用原子炉の起動時の反応度測定に適用. ( 0. 4364[W / s ] ) を入力した。. する場合、中性子源の実効強度を決定しておかなけれ. 図 2から、安全棒 No.l、No.2、シム安全棒の上. ばならない。この実効中性子源強度は、中性子源の位. 昇時は、反応度が上昇していることが観察され、制. 置と中性子放出率ばかりでなく燃料配置等にも依存す. . 0 0 5O . 御棒 1本引き抜き当たりの反応度上昇は、 0. る炉物理量である。. k/k程度である。この制御棒 1本引き抜き当たりの. 本研究では、原子炉起動時のデータから実効中性子 源強度の測定と共に反応度変化の連続測定を試みる。. 反応度効果は、制御棒落下法等の従来の方法で推定 された値とほぼ一致する。. 具体的には、近畿大学原子炉起動時の核分裂計数管計. a ω R曲 目i v i! y. 数の時系列データを収録し、このデータの逆動特性解. 1 E. ト一一一叫. S a f c ! yN o . 1 w i l h d r " 叫o g. ( t . k I k : ). 4. 5 0 0. 内川町吋. 副. . 0 0 2. 側一. 砂金司 ι同 曲 一. 強度は、谷中ら1)の改良最小自乗逆動特性法を採用し. m m. aB & wL'. . 0 . 0 1. 析から反応度変化を算出した。ただし、実効中性子源. S h i m . S . f e t v w i t h 世 aw 回z. ト町一一--t 1 0 0 0. 1 5 0 0. 図 2 起動時の反応度変化. て求める。. 4 . 結論. 2 . 時系列データの収録と実効中性子源強度の決定. 近畿大学原子炉起動時の反応度変化の連続測定を、. 近畿大学原子炉の安全棒 No.l,安全棒 No.2,シ. 逆動特性解析法と改良最小自乗逆動特性法を適用す. ム安全棒の 3本の制御棒を順次引き抜き、核分裂計. ることにより実施し、その有効性を確認した。ただ. 数管言十数の時系列データを収録した。この結果を図. し、反応度変化測定結果の統計誤差削減が今後の課. //. 1に示す。計数値は安全棒の引き抜きにより僅かし 4000. COl U l t 3000. ←一一吋 S a f 町 N o . l 明 白d rawing. 卜一一一吋 S a f 町 N o . 2 wi 也drawing. 題である。 引用文献. l)H.TaninakaandK.Hashimoto, “Dependenceo f. 2000. p o s t d r o pr e a c t i v i t y on data a n a l y s i s modelf o r. 1000. r o ddrop experimenti ns u b c r i t i c a lr e a c t o rwith. 。. Time( s e c ). e x t e r n a ls o u r c e ",I n t .MeetingonReactorP h y s i c s,. 1000. 図 1 起動時の核分裂計数管計数率の時間変化. Vancouver( 2 0 0 6 ). - 1 1 8-.
(5) Vo l .4 4( 2 0 0 7 ). 近畿大学原子力研究所年報. リストデータ収集法を用いた放射線時系列データ解析 0 3・1 4 61 8 6 大谷雄介 事. ( 原 子 力 研 究 所 第 2研 究 室 ( 放 射 線 応 用 学 )) 1 . J まじめに. V訂 ( t )は. 近大原子炉では外部擾乱の少ない理想的な中性. 一刻 2. 均 r(t)=jui(t). 子相関系が実現されている。我々は最終的には、近. ( 2 ). 大炉を活用し原子炉中性子の時系列構造に新たな 知見を得たいと考えている。本研究室所有のマルチ. で与えられる。(1)式を用いて V釘. ・3 は時系列 パラメータリストデータ収集装置 MPA. ο )は. aI_ a I. V a r ( t )=斗 1一 一. データ測定にも利用できる可能性がある。本研究で. t o. ¥ t o). ・ 252、近大炉からの中性子線測定、及び一定 は 、 Cf. ( 3 ). u l s e rからの信号を 時間間隔の時系列データである P. と書ける。 ( 3 ) 式の V訂 ( t )は(1)式を通して tの関数で. 測定し、詳細な解析を行うことで、 MPA ・3の時系列. ある。約 1Hz及び約 1 0 0Hzの測定結果、及び( 3 ). データ収集能力を厳密に検証することを目的とす. 式に基づく理論計算結果を図 l 、図 2に示す。図 1 、. ここでは、 P u l s e rデータの解析を中心として報. a t eTime領域のみを示 図 2ともに 0から h近傍の G. る. D. してあり、. 告する。. t >1oの領域は周期 hの繰り返し構造様と. なる。 V訂 ( t )の値は t=1[ m s ]間隔で得られているが、. 2 . 実験方法. 図 1では理論値と実験値の比較を容易にするために. P u l s e r(ORTEC社 製. MODEL448)信号の周波数. t=20[ m s ]毎に P l o tしである。. を約 1Hz及び約 100Hzに調整し、1vlP A・3(FASTCom. Tec 社製)のリストモードで測定し、データストリ ームに 1[ m s ]間 隔 で TimeStampを刻印した。測定時. 4 . まとめ. 、図 2より明瞭なように測定結果と理論計算 図 1. 間 は 300秒とし、 1Hzで 2回 、 100Hzで 2回の計 4. 結果は完全に一致している。このことは t > t oの繰り. 回測定を行ったロ. 返し構造でも確認することができ、約 1 0 0Hzまで の周波数領域では理論通りの挙動を示すことを明. 3 . 測定結果および解析結果. 確にした。. GateTime (信号数を計数する時間幅)を t[ m s ]と. P u l s e rデータ解析の主目的は、装置の不感時間に. した場合の P u l s e r信 号 数 を Z l t )と記す。 nをサンプ. 関する情報を得ることにあるが、上記の結果から約. ル数とすると、 ~(t) の平均五7 は宗万 = ( l / n ) IZi と 書ける。%を P u l s e r信号の周期とすると、任意の t は 整 数m を用いて、. ・ 3の不感時間の影響 1 0 0Hzまでの計数率では MPA. t=mt o+a. (0豆aく 1 0 ). 高周波数領域の測定を行ない、理論的にも難しい時 系列データに対する不感時間効果の解明に役立て. ( 1 ). C t )の 分 散 ( V a r i a n c e )を V a r ( t )と記すと、 と表せる。 Zi 0 . 3. は無視できるほど小さいと考えられる。今後は更に. る予定である。. (p l _ D a t a ). 。 ' 2 _Dat 吋. 0 . 3. oExperimental. 0 . 2 5. 0 . 2 5. 0 . 2. 0 . 2. . .. 〆 蘭 陶 、. ー. 、 . H B. 同. 0 . 1 白"。. 0. o. 実u a0. •. 4 6 8 1 0 G a t eTimet[ m s ] 図2 約 1 0 0Hzの場合の V a r ( t )の測定結果と 理論計算結果. 2 0 0 4 0 0 6 0 0 8 0 0 1 0 0 0 GateTimet[ m s ] 図 1 約 1Hzの場合の V a r ( t)の測定結果と 理論計算結果. 2. - 1 1 9.
(6) 付録 2. 傾斜線方式による中性子位置検出器の開発 0 5 1 4 6 8 0 4 塩屋宏明 (原子力研究所第 2研究室(放射線応用学)). 射化された金箔を真性 G e半導体検出器(以下 P . G ). 1 . はじめに. 2本の傾斜 S e n s eW i r eを用いた位置読み取り法に. を使って 1 9 8 H gからの. 4 11 .8k e Vの γ線を測定した。. 基づく熱中性子用位置感応型比例計数管(以下. エネルギースベクトル測定結果の 1例を図 lに示すロ. TSW-PSPCという)の開発及び実験データの解析を TSW-PSPCは福井工業高等専門学校の前多. 3 .解析. 行った。. 先生が考案された検出器であり、原研第 2研究室と. 4 11 .8k e Vに対する P . Gの絶対検出効率 Epを各種. の共同研究として近大原子炉を用いて性能調査が行. γ線源を用いて決定した。このう及び実測した. われている。平成 17年には. 4 11 .8k e V光電ピークの収量より、. (TSW-PSPCの熱中性. 1 98Au の放射能. 子検出効率)X( 熱中性子 F l u x ) の積の値の相対値が. A i[ B q ]を求め、絶対的熱中性子 F l u xc tを(1)式よ. 入射位置の関数として得られた(相対測定1)。この. り算出した。. ため、. TSW-PSPCの重要な性能の一つである検出効. =三笠竺~1-exo( ,三笠竺) ~ exo( 三;竺 1( 1 ) ~ _ 'LI"¥η)/ 1 0 2 4I. 率に関する情報を得るため、熱中性子 F l u xの絶対測 定を行った。この絶対測定に関して得られた成果. 2 ここに、ゆ:熱中性子 F l u x[ l / cm e c ]、 Ni:被反 ・s. を、ここに報告する。. 応核数、 σ:断面積、 T i:半減期、 ε :0 . 6 9 3 (定数)、. T加:照射時間、 Tw:照射停止から測定までの時間 である。. 2 . 測定方法及び実験装置 絶対測定は金箔放射化法で、行った口金箔放射化法 は金箔 ( 1 9 7 Au) に 中 性 子 が 入 射 し 1 9 8 A u (半減期. 4 . まとめ. 2 . 6 9 5 d ) が生成され、崩壊過程で発生する 1 9 8 H gの γ. 、 2及び相対測定 1の結果をまと 図 2に絶対測定 1. 線を測定する手法である。近大原子炉を用いて絶対. めた。絶対測定値の誤差評価を行ったが、 Epの誤差. 測定を 2回行った。それらを絶対測定 1 (平成 1 8年. が主誤差源で、あった。絶対測定 lと 2の結果は誤差. 9月 1 9日)、絶対測定 2 (平成 1 8年 9月 20日)とす. る 。. ぺη j. 範囲で一致し、信頼性の高い測定が行われた。更に. TSW-PSPCは焼結体チッ化ボロンを熱中性子コ. 相対測定結果ともほぼ一致していることから、焼結. ンパータとして使用しているが、この固体ボロンの. 体チッ化ボロンを使用すれば、簡便に熱中性子検出. 替りに 10mm間隔で直径 5mm(厚み 30μm) の金箔. 効率の一様なコンバータが実現できることが. を 2枚重ねたもの、あるいは直径 10mm (厚み 3 0 μ m)の金箔を 2枚重ねたものを設置した。. 判った。 5 1 0. TSW-PSPC. を近大炉炉頂部に設置して、 lW 出力状態で絶対測. e:絶対澱定 1 A. 定 lは 239分、絶対測定 2は 360分間照射した。放. 絶対測定 2. 0:相対測定 1CMA65 、 p x p ) 箆. 白. 白 OAO O'. 咽 且. 、 岡 嗣ZZ︿国ハ︾. 品。白. ω. 官叫. " $ ~. : :. 10~. 同. O. 且. ω. ". ト ト. 。 品. ﹂. F z p c h v. 主 8 4 ト. 包且. 鳴隆起ヰ. 議 長 3 1 0 4. o. ー. 3 ・2 1 0 1 2 3 4 原子炉中央部からの距離 r c m l 図 2 近大原子炉炉頂部での絶対的熱中性子 F l u x (相対測定 1は距離 0で、絶対測定 1と 2の平 均値に規格化した。). 5 0 01 0 0 01 5 0 02 0 0 02 5 0 03 0 0 03 5 0 04 0 0 0 CHANNELS. 図 1 真性 G e半導体で測定した金箔 γ 線 スベクトル例(測定時間 7200秒) nL. n u.
(7) Vo l .44 (2007). 近畿大学原子力研究所年報. 固体飛跡検出器の重荷電粒子に対する飛跡生成感度に関する研究 03・1 ・4 6・1 1 8 中西良樹 (原子力研究所・放射線計測学研究室). DAP の比率の上昇に伴ってエッチピットが検出さ. 1 .研究の目的. 飛跡検出器として注目されている。. LETのしきい値が上昇することが分かつた。. れる. 近年、 CR-39と DAPの共重合樹脂が新しい固体. 図. CR-39と DAP. 1にAr及び Neイオンの LETと感度の関係を. 示す。どのイオンについても. は任意の割合で共重合させることができ、これらの. LETの上昇とともに. 感度が上昇してゆくことが分かつた。. 樹脂は、重合比の移行とともに飛跡生成のしきい値. R-39と DAPの共重合 これらの実験結果から、 C. が変化することが過去の研究で明らかにされている。. 樹脂はしきい値と飛跡生成感度を自由に調節可能な. そこで、本研究では種々の重合比の樹脂について、. 固体飛跡検出器として使用できると考えられる。. A r )及び、ネオン 種 々 の エ ネ ル ギ ー を 持 つ ア ル ゴ ン(. 表 1 Arイオンのエッチピットの検出. ( N e )イオンに対するエッチピット生成のしきい値と. エネルギー [MeV/n]. 1 6 9 . 0. 2 3 . 4 4 2 3 4 . 9 3 5 9 . 8. LE T[ MeV/(mg/cm2)]. 1 .70. 1 . 3 7. 1 . 1 4. 0 . 9 6. O. O. O. O. O. O. 飛跡生成感度を調べることを目的とする。. 2 .実 験 材 料 及 び 実 験 方 法. 00-025. CR-39樹 脂 ( D O )、 DAP樹 脂 ( D 1 0 0 )及び 1 0種類 D 1 0 ' " "D 9 0 )を山本光 の重合比の異なる共重合樹脂(. 040. 学株式会社に依頼して製作した。これらの樹脂に放. 050-0100. • • • • • ••••. 035. 射線医学総合研究所の医療用重イオン加速器. O. 表 2 Neイオンのエッチピットの検出. (HlMAC)を用いて Ar及 び Neイオンを照射した。 f 2 5 2からの核 また、比較対照用に真空容器中で C. エネルギー. 1 1 5 . 3. 1 4 7 . 3. 1 5 8 . 7. 1 9 6 . 5. 2 0 6 . 9. 3 6 8 . 5. LET. 0 . 6 6. 0 . 5 5. 0 . 5 2. 0. 45. 0. 4 4. 0 . 3 1. O. O. O. O. O. O. O. O. O. 圃. 0 . 5 1 .5 LET[MeV / .(mg /cm2) ]. 2. 分裂片を照射した。表 1・2中に照射したイオンの. 00-025. L i n e a rE n e r g y エ ネ ル ギ ー と 線 エ ネ ル ギ ー 付 与(. 035. Tr a n s f e r :L E T )を示す。照射した樹脂を 9 0Cの 30%. • • ••• ••. 0. 040.050. ー. KOH水溶液で、 1 5分 ' " ' " ' 1 2 0分間エッチングした。生 成したエッチピットを光学顕微鏡とデジタノレカメラ. Ne. を用いて撮影し、イオンのエッチピット直径 D と核. .Ar. f fを計測した。そして 分裂片のエッチピット直径 D 次式を用いて感度 S を求めた。. 8 = [ 1+ ( D I Dr V2]/[ 1-( DlDf f ) 2 ]- 1. 悩 歯. 3 .実験結果及び考察. 0 . 1. 表 1・2に各樹脂について照射したイオンのエネル ギーと. LETに対するエッチピットの検出の有無を. 示す。検出されたものは O、検出されなかったもの 0 . 0 1. は・で表す。これらの表から、一定の重合比の樹脂 では、あるイオンに対して. o. LETが一定値を下まわ. 図 1 LETと感度の関係. るとエッチピットが確認されなくなること、また、 唱EA. 唱EA. ワ ム.
(8) 付録 2. 三朝温泉地域におけるラドン圃 2 2 2濃度の変動 0 2 1 4 6 2 2 5 谷口真典 (原子力研究所・保健物理学研究室) 1 .. まじめに 人 が 1年間に受ける自然放射線による被ばくは世 界平均で約 2 .4mSvと言われており、その中で空気 中のラドン及びトロンの崩壊生成核種等による被ば くは 1 .2mSvと言われている。 近年、世界的に空気中の 222Rn(以下ラドンという) 濃度に対する関心が高まっているロ特に、空気中ラ ドン濃度が日本と比べて高い欧米での関心は非常に 高い。 なぜなら、ラドン濃度が高い地域では肺ガンを引 1] き起こす可能性が高くなると報告されている。 [ 全く対照的な事例として、温泉の湯治客に見られる ように、ラドンによって体の免疫力や自然治癒力を 高めているとしづ報告もあるからである。 そこで、自然環境中におけるラドン濃度の変動を 知り、環境条件によるラドン濃度への影響を調べる ために、空気中と水中のラドン濃度を鳥取県三朝温 泉地域、川西市、東大阪市において、ピコラド法に より測定を行ったので、その結果を報告する。. 2 . 測定方法 a )空気中ラドン滋度 パッカード社製の活性炭にラドンが吸着しやすい という特性をもっピコラド法を用いて実施した。 ピコラド検出器のふたを開け、測定場所に設置。 2 4時間設置した後、液体シンチレータ溶液 ( I N S T A F L U O RP L U S溶液)を 1 0 m l添加し、ふたを 閉めて約 1 5秒間振とうさせる。 2 4時間後に液体シ ン チ レ ー シ ョ ン ス ベ ク ト ロ メ ー タ (T r i-Ca r b 2 2 5 0 C A )( P a c k a r d社製)を用いて測定。 b )水中ラドン滋度 あらかじめバイアル瓶に液体シンチレータ溶液 ( O P T IF L U O R溶液)を 1 0 m l入れておき、採取した 試料水を 1 0 m l添加し、ふたを閉め約 1 5秒間振とう させる。それから 2 4時間後に液体シンチレーション スベクトロメータを用いて測定。 3 . 結果および考察 a )空気中ラドン浪度 2 0 0 6 年に測定した三朝温泉地域におけるラドン 濃度の変動を図 1に示した。 三朝温泉地域における各測定地点で、の平均値は 5 .2 B q /r r f 屋 外 ;1 屋内 1階 ;5 4 . 5 B q /ぱ 屋 内 2階 ;4 0 .2 B q /r r f 浴 室 ;7 5 .7 B q /r r f で、対照地域である東大阪市と比較すると、屋外で 約 7倍、屋内で 4倍であった. 三150 注120 制 側. 90. 6 0. 会. 30. I f ' ¥. 0. 1月. 3月 5月. 7 月. 9月 1 1月. 図 1 三朝温泉におけるラドン;湿度変動 b )水中ラドン湿度 2 0 0 6年に測定した三朝温泉のラドン濃度変動を 図 2に示した白 三朝温泉の温泉水は 1 5 0 . . . . . . . . 2 8 0 B q / Qに変動し、 1年 間の平均値 2 2 0 .1 B q / .Q.であった 三朝温泉の水道水 の約 7倍、兵庫県川西市の井戸水の約 2 5倍を示した。 東大阪市の水道水はほぼ Oであるため、川西市の井 戸水も決して低い濃度ではない。 D. 会 ¥¥. 300. ~ 2 4 0 _ _.1 8 0 扇1 2 0 会 60 I f ' ¥. 0. 1月 3月 5月 7 月 9月 1 1月 図2 各測定地域の水中ラドン;程度変動 4 . まとめ 2 0 0 6年の三朝温泉におけるラドン濃度は、屋外に 比べ屋内のほうが高い。この民家は地下に温泉の浴 室があり、その生成したラドンガスの影響を受けて いると考えられる。また夏は低く冬に高くなるとい う傾向は換気が大きく影響していると考えられる。 夏は暑さのため扉や窓を開放する機会が多く、濃度 の低い外気が流入し濃度は低くなる白逆に冬は寒さ のため扉や窓を開放する機会が少なく、室内にラド ンガスが滞り濃度は高くなると考えられる。 温泉法による放射能泉は水中ラドン濃度が 7 4 B q / S以上と定められており、三朝温泉の温泉水は湯温が 高いにもかかわらず非常に高い。 参考文献. [ 1 ]U n it e dN a t i o n sS c i e n t i f i cCom m it t e eo nt h e 開S C E A R ) 2 0 0 0 E f f e c t o fA t o m i c R a d i a t i o n { R e p o r t s S o u r c e sa n de f f e c to fi o n i z i n g r a d i a t i o nU n i t e dN a t i o n sN e wY o r k( 2 0 0 0 ). D. つω 臼 つ.
(9) 近畿大学原子力研究所年報. Vo l .4 4( 2 0 0 7 ). シンチセノレ法による屋内ラドンー2 22濃度の変動 03-1-46-086 池 田 仁 (原子力研究所・保健物理学研究室). 門的. E冶国︺輔副間λ" ホ. 1.はじめに 我々が生活している環境中には、宇宙空間からく る宇宙線、大地・河川・海洋・大気からの放射線、 呼吸・食物摂取で取り込まれた放射性核種からの放 射線、体内にある放射線、ラジウム温泉やラドン温 泉と呼ばれる放射能泉からの放射線、屋内及び屋外 の 2 2 2 R n (以下ラドンとする)とその崩壊生成核種 からの放射線といった様々な放射線がある。 本研究では、生活環境中における自然放射性核種 であるラドンの気体の測定法のうち、シンチセル法 による環境におけるラドン濃度の変動について行 った結果を報告する。. 一 。 。. F. 。. 。 念. 。 ヵ. 。 : ∞ & ∞ ∞ = 。 時期j. ω ,。:00 ∞ : 。. な. 図 1 研究室におけるラドン濃度の経時変動 1月の 1週間の倉庫内におけるラ 次に、図 2は 1 ドン濃度の経時変動を示したものである。. 惜 。. 2. 測定方法 ラドンの変動を詳しく知るためには、測定地点に おけるラドン濃度を連続かっ精度良く測定できる 装置が必要である。そこで今回はシンチセル法ラド Y L O N社 製 の チ ェ ン バ ー ンモニタとして、 P ( P M T T E L )及びポ)タブ、ル放射線モニタ (AB-5) を用いた。 1 8 . S Q 容のチェンパーを測定現場で、内蔵されたポ ンプにより、流量 1s / m i nで連続的に測定地点の空 1 J。チェン 気を吸引し計数装置 AB-5で測定する [ ノミー内のラドンガスが崩壊して、 2 1 8 p O +になり、マ イナス電荷をもっ陰極に捕集され、さらに崩接を繰 A g ) ) り返し、 α線を放出してシンチレータ (ZnS ( と反応し、光パルスを発生する。この光パルスは計 数装置 AB-5内の光電子増倍管により、電子パルス に変換され、計数される。計数されたカウント数は、 (1)式よりラドン放射能濃度を求める。. れ {定通話制制問λ"ゆ. 情 。 。 可 。 。 " 。 。 判 。 。 " eb. 0. 0: 0 0. 3 容と小さく、 倉庫内は、コンクリ}ト仕上げの 30m 人の出入りも少なく、換気もしないような場所での ( ) O B q jm3 に変動し、平均 ラドン濃度は、 100--5 3 30QBq/mになる事がわかり、研究室のおよそ 1 5倍 のラドン濃度であることがわかった。 1日時間変動 を見ると、午前中には濃度が上昇し、午後には濃度 が下降するということも読み取れた。. カウント数 -B G ×換算係数 (Bq/m3 / cpm) 測定時間. =ラドン濃度 (Bq/m , 3 ). 。 渇O. (1). B G :試料を入れない時のカウント数. 4. まとめ シンチセル法による東大阪における空気中ラド ン濃度は、換気条件、日常的な空気の流れおよび気 象条件に敏感に反応し、変動する。同じ東大阪市で あっても、研究室・倉庫において 15倍もの濃度変 動を示した。更に、経時変動図は日の出前に最低、 正午過ぎに最高となる傾向を示すということがわ かった。. 3: 結果および考察 図 1はシンチセル法により 1週間連続的に吸 引しながら 10分間隔に測定を行った、研究室にお けるラドン濃度の経時変動を示したものである。こ れによると、研究室のような人の出入りがあり、換 気装置のある場所 では、ラドン濃度は 10--30Bq/m3に変動し、平均値 は 20Bq/m3あった。. ワ 白. 。 円. 参考文献 [ 1 JP Y L O N :“ P Y L O N簡易操作説明書", p p .3-5( 1989). N .1 .H I G H T E C H,.
(10) 付録 2. 屋内ラドン -222濃度の環境条件による影響 03-1-46-155 吉 井 裕 一 (原子力研究所・保健物理学研究室). 1 . はじめに 私たちが生活している環境中には、さまざまな自 3 2 T hおよび吋などが存在してい 然放射性核種別U、2 る。気体の自然放射性核種である 2 2 2 R n (ラドンとす る)は、大気中のどこにでも存在し、避けることので 0 0 0年の国連科学 きない放射線被ぱくの源である。 2 委員会によると、人が 1年間に被ばくする放射線量 は世界平均で 2 .4mSvで、そのうち半分がラドンおよ びその崩壊生成核種などの吸入による内部被ばくで あると報告されている[1J 。今回、東大阪の近畿大学 2 2号 館 5 Fの倉庫内におけるラドン濃度のレベルお よび変動を、シンチセル法により、連続的に吸引測 定を行い、環境条件によるラドン濃度の影響を調べ たので、結果を報告する。. 倉庫内のラドン濃度は 1 0 0 . . . . ; .570Bq / m8の範囲で午 前中に上昇し、午後に低下する変動を示した。扉開 放により、ラドン濃度は急激に減少しており、扉開 放前のラドン濃度を A Bq/m3、扉開放後の濃度を B Bq/m8 とすると扉開放によるラドン濃度の減少率 B ) f i !Xl00で表すことが出来る。扉を開放 [%]はじ4 したときのラドン濃度の減少率を 70分間、扉開放ま で図 2に示す。 80. w. g. t . , .. .. 9 静40. A. 、 宅 焼. 2 . 測定方法 ラドンの測定はピコラド法、シンチセル法及びカ ップ法などいろいろあるが、今回は PM T -TEL・ラ YLON社 製 AB-5)で倉庫内の空 ドンガス検出器(P 気を吸引し、ラドン濃度の測定を行った。測定器は "'-'lmの位置の空気を AB-5の内 床面から約 50cm .Imin で 連 続 し て 部 ポ ン プ に よ っ て 、 流 量 1e RMTTEL内に吸引し、連続的に 10分間毎の計数値 を測定し、計算により、ラドン濃度に変換すること ができる。表 1は測定した屋内の環境条件を示した 表 1 測定箇所の環境条件 測定箇所 倉庫 素材 コンクリート 容量・表面積 3 . 9 8x2 . 1 1x3 . 5 5 m3(m2) = 3 0 ( 6 ω 換気装置 なし 表面仕上げ なし. ' s. 。. 20. 。 。. , t. s. 20. 40 僚級 i t rl~~[m]. 60. 80. 図 2 倉庫扉開放時間によるラドン濃度の影響. これによると、扉の開放時間約 10分で、減少率はほ ぼ 40%と一定となり、時間をそれ以上増加しでも、 それから減少率は増えない事がわかった。 また、倉庫内に扇風機を入れ、外に向けて倉庫内の 空気を入れ替えた時のラドン淡度の変動を観察した が、明らかに扇風機を回した方が倉庫内のラドン濃 度の減少率が低下することがわかった。これは、換 気をすることで屋外のラドン濃度の低い空気と混合 低下したものと考えられる。. D. 4 . まとめ 今回、出入りが少ない倉庫内でシンチセル法によ りラドン濃度の測定を行ったが、ラドン濃度は、最 高値 400Bq/m8を示し、午前中上昇し、午後減少す ることがわかった。研究室では、エアコンによる換 気がなされ、人の出入も激しいので、倉庫内と比べ ると表 1に示した環境条件により、約 1 1 1 5の濃度で あった。 屋内のラドン濃度は、コンクリート造りの集合住宅 では、日本の建築に比べると濃度が高くなる傾向が あるが、 1 0分の扉の開放により 40%の減少が認めら れた。. 3 . 測定結果および考察 図 lに倉庫内で 10月の 1週間において、 1日 1回 扉を 5~30 分間開放した時のラドン濃度の変動を示. した。. 400 300. 3. ' , . . 叩 一 一‘ -‘四時. 60. , 。 由 ; =. P叫. . , . . 制 動 網 " ・ 咽 静a ・ 倒 , .. 。. 注20. 100. 参考文献. o. [ l ] U n i t e d Nations S c i e n t i f i c Committee on t h e E f f e c t o f Atomic radiation(UNSCEAR)2000 R e p o r t s ;“ Sourcesande f f e c to fi o n i z i n gr a d i a t i o n UnitedNationsNewY o r k ( 2 0 0 0 ). 0月9 10月10 1 0月1 11 0月1 2 10月1 3 10月1 4 10月8 1 日 日 目 白 日 目 白. 図 1 扉開放によるラドン濃度の変動 内〆臼. A生.
(11) Vo l .44 ( 2 0 0 7 ). 近畿大学原子力研究所年報. 環境条件との関連に着目した自然放射線測定 0 3 1 4 3・0 0 3岡 山 哲 也 [目的]近畿大学原子力研究所では、原子力・放射線への啓発を目的として一般公衆を対象とした様々 な研修会・講習会を開催している。研修会等での自然放射線測定では、放射線レベルが低いことに加え、 環境条件の変動により影響を受けることなどから、所期の結果が得られない場合がある。このため、環 境条件との関連に着目した自然放射線測定を継続的に行い、教育用の基礎資料を収集している。本発表 では、 BGO検出器を用いた宇宙線測定と地質条件と関連付けたカーボーンサーベイの清果を報告する口 (1)放射線測定 [方法J. ①携帯型サーベイメータによる γ線空間線量率測定:ガンマくん(H o r i b a、 PA ・1 0 0 )、. 江 1 )、MyR a t e ( A l o k a 、 PDR-10I)を用い、自動車で移動中に 1分間ごとの指示値 はかるくん(富士電機、 NI. を周囲の様子とともに記録する。②BGO検出器による宇宙線スペクトル測定:3"X3"φBGOシンチレ ーション検出器、波高分析器(l024ch)、( O r t e c製)を用い、定点にて 1 , 000秒または 1 , 800秒測定。(地表 に届く宇宙線はエネルギーが高い。大地放射線としてトリウム系列の. T 1が 2.615MeVの γ線を放出す. 208. ることから、自然放射線測定において、 3MeV以上の高エネルギーY線を宇宙線成分として解析するこ とが多い。本調査では、 NaIよりも密度が大きく、高エネルギーY線に対して感度が大きい BGOシンチ レータを高エネノレギ~'Y線測定のために使用した口). ( 2 ) 測定地区. ①携帯型サーベイメータによる y線空間線量率測定:六甲山、越木岩神社(西宮市)、②BGO. 検出器による宇宙線スペクトル測定:福知山線廃線跡(トンネル、鉄橋上)、(宝塚市) [結果と考察]①携帯型サーベイメータによる y. 表 1 六甲山地区における線量率 ( μ S v l h r ). 線空間線量率測定:六甲山周辺は花闘岩質の地質. 場所. 線量率. となっており、自然放射線レベルは高し、(表 1 ) 。. 六甲山系. 0 . 0 6 4 (平均値). 六甲山頂から西に向かう道路は六甲花商岩質の. 0 . 0 8 1 (最大値). ほぼ中央を走っており、この間の線量率の平均値. 甑岩(越木岩神社). 0 . 2 1 4 (最大値). は高く、地質の情報と一致した。 ② BGOによるスベクトル測定結果として、図 1 ・1にトンネル内を、図 1 ・2に屋外を示す。屋外で見られ た宇宙線成分が、. トンネル内で、は山の土砂による遮へい効果でまったく見られなかったロ一方、土砂・. 岩石に起因する大地放射線成分はトンネル内で、増加しており、. 40 K のピーク値は. 1 .6倍となった。また、. 鉄橋上の測定結果では、宇宙線成分は屋外と変わらないが、大地放射線成分が河川水により遮へいされ るため屋外の 0. 36倍と低くなった。 カウント数. ( n / c h ). カウント数. 図 1-2 トンネル肉(福知山線廃線跡). ( n / c h ). ∞. 図1 1 屋外(福知山線廃線跡). 1 000. 1 0 0. 10. 1 0. I o. も. ヘ. o j. エネルギー(MeV). e し. JU. へ. ヘ. ~. ギ. ¥ ) .. も-. ~. 工. f ) ,. ν ' 弘ネ. ヘ. 山一. 100. U. 1 0 0 0. ム臥.. 1000. La も -JaM. 1 0 0 0 0. 、. 10000. 戸 川U. ワ 山.
(12) 付録 2. p_ FDGによる被曝線量低減のための生薬の活用. 1 8. 0 3・1 ・4 3・048 刑部 〔目的 J. 宣弘. PET診断は放射性医薬品(l8p-PDG:フルオロデオキシグルコース)を体内に投与して行わ. れる核医学検査の 1つで、あり、. p の半減期 1 8. 1 1 0分と短いものの、検査終了後には速やかに体外に排. 池される方が放射線防護の観点からは望ましい。放射性医薬品の体内循環を良くし、また体外排t 世を 促す意味合いから、検査時に被検者に 500ml程度の飲料水を自由に飲んで、もらうのが通例である。こ の飲料水の代わりに利尿作用のある生薬を飲むことにより、放射性医薬品の体外排粧を促進し被曝線 量の低下が期待できると考え、ラットを用いて利尿作用のある生薬による. p_ 1 8 PDGの排池効果につい. て基礎データを実験的に取得した。. i s t e r系クリーン雄ラット ( 6週齢、 1実験群 4匹) 〔方法 J 1) 実験動物:W 2) 生薬(利尿薬) :南蛮毛、夏枯草、裏白樫、連銭草、キササゲ(すべて水抽出後、乾燥粉末とし、. 使用時に所定の用量となるよう蒸留水に溶解した。) 3) 放射性医薬品:1 8 F F G D (近畿大学附属病院にて早朝に調整されたものを使用). 4) 放射線測定器:3"x3"φNaI(T l)シンチレーション検出器、波高分析器( 1 0 2 4 c h )、O r t e c製 5) 手順:①生薬の経口投与後、. 1 8 F F D Gを尾静脈より静注した。②測定時以外は、ラットを代謝ゲ. i b )、尿、糞を別々に採取した。③NaIシンチレーション検出器によ ージに入れ(飲料水のみ adl り放射線測定を静注後 Oから 5時間後まで 1時間ごとに行い、体内残存量、尿中排准量、糞中排. f 世量を初期摂取量に対する割合として求めた。 〔結果と考察〕. 8 Fの体内残存率の経時的変化を示す。投与後 3時間までの実効半減期は、南蛮毛 89: 1 :23 図 1に 1 分、夏枯草 87: 1 :29分、裏白樫 92i :2 1分、連銭草 91: 1 :24分、キササゲ 1 14: 1 :22分、コントロール. 116+1 1分となり、キササゲ以外で体内からの排池促進が認められた。図 2に累積尿中放射能濃度(累 積の尿中放射能を累積の尿量で、割ったもの)を示す。夏枯草、南蛮毛、連銭草で、投与 1、2時間ま でに尿中に多くの. 1 8 Fが排出されていることが分かる。内部被曝線量(体内放射能割合の時間積分値. として算出)は南蛮毛が一番小さく、コントロールに比べて 0 . 8 0で、あった。 120 一+ー南蛮毛 …持ー遵銭草. M芯 (諒)時株熊E. c : >. 80. 一畿一変枯草. 一合一裏白樫. 一勝一キササゲ. ー吋一一コントロール. 0. 4. ぞ 0 . 3 5 ぷ ミ. 廊 0 . 3. 60. 鱗 0 . 2 5. J . l 泊. 蕊. 0 . 2 誕 0 . 1 5 号 . 0 . 1. 40. 20. 樺 0.05 弱 者. 0 0. 4. 2. U. 6. 時間( h r ). 時間 ( h r ) 図1. o. 図 2 累積尿中放射能濃度. 1 8F の体内残存率. 。 円つ μ.
(13) Vo l .4 4( 2 0 0 7 ). 近畿大学原子力研究所年報. 人工ゼオライトの X線照射による大腸菌の増殖抑制 0 3・1 ・4 3・050 福本雅之 [目的]. ゼオライトは、有機系抗菌剤と比較して殺菌・抗菌カが弱い無機系抗菌剤である。したが. って、皮膚に接触しても影響は小さく、安全性は比較的高いという特長を持っているロまた、昨年度 の卒業研究(本間)により、ゼオライトは放射線照射により抗菌カが増すことが示唆された. D. 本研究. では、人工ゼオライト(ミズカナイト)に各種の放射線を照射し、大腸菌に対する抗菌力が増加する か否かを定量的に検討した。. [方法] 1)材料・人工ゼオライト:ミズカナイト(水津化学工業開) n. .A1203 ・xSi0 0 nは陽イオン Mの価数、 xは 2以上の数、 yは 0以上の数 化 学 式 :M2/ 2 ・yH 2. ・大腸菌:野生株、組換修復能欠損株、除去修復能欠損株、抗アンピシリン株(修復は野生株と同様) ・培地. :LB寒天培地、ミズカナイト含有または塗布寒天培地 ( + 0 . 4 % )アンピシリン). 2 )放射線照射:紫外線、 X線 3 )手"頂. ( 1 )主査室. ① 0.1%ミズカナイト含有 LB培地に、各種放射線を照射した。放射線の量は、. U V ' C波 長 100---280nm 0, 40, 60J 、 ) X線(120kV、4mA o 100、500、 1000Gy) とした。② 紫外線 ( o 2. 照射後、振動培養した大腸菌をまき" 37Cで 24時間培養した後、コロニー数を観察し、生存率を求 0. LB培地に 0.1、l、 10%塗布し、生存率測定を行った。 ( 2 ) 倍加時間 ①アンピシリンを塗布した LB寒天培地に、抗アンピシリン大腸菌をまき、 37Cで培養 後 、 72時間の間でコロニーの直径を測定した。直径 2,5,6mmのコロニーを採取し、希釈後、 LB寒 天培地にまきなおした。 37Cで 24時間培養後、コロニー数を観察し、直径と大腸菌数の関係、を求め .74kGy( 10時間)照射した人工ゼオライトを、7"ンピシリンを塗布した LB寒 た。②別に、 X線を 7 天培地に塗布し、抗アンピシリン大腸菌をまき、 37Cで培養後、 72時間でコロニーの直径を測定し めた。③人工ゼオライトに X線照射後、. 0. 0. 0. た。コロニーの直径から大腸菌数を求め、倍加時間を算定した。 [結果と考察] (1)生存率. 紫外線と X線では、人工ゼオライトへの照射の有無による生存率への有意な影響は認め. られなかった。図 lに、ゼオライトに X線照射後、 ( 2 )倍加時間. LB培地に塗布した場合の生存率を示す。. 抗アンピシリン株について、ゼオライトの濃度、 X線照射の有無による倍加時間の違. いを表 1に示すロゼオライトへの X線照射により、濃度に依存して倍加時聞が通常より 48%長く なることが明らかとなった。 ( 3 )生死とは無関係で倍加時間が延びることから、ターゲットは D N Aではなく、膜に作用している. と考えられる。. 表 1ゼオライトへの X線照射による倍加時間の増加 ゼオライト 濃度(弘). 100%. O. 有り. 無し. 有り. 無し│. 5 .1. 5 .7. 4.0. 4.6. 大腸菌の個数 5455 1130 2980. 336. 616. X線照射. 80%. サイズ ( m m ). 60%. 2. 6 .0. 40%. i20発 I0見. 同」ー_L?l間 O. 0.1濃度(%). 倍力日時間(比). 10. 図 1ゼオライトへの直接 X線照射の場合の生存率. 1. .08 1 .48 1 .22 1. 1.九」. t. 可. “ っ.
(14) 付録 2. 原子炉放射線による DNA2本鎖切断とその修復 0 3・1 4 3・0 3 4東 海 晃 大. 0 3・1 ・4 3・0 4 9奥 林 学. 「目的 JXRCC4細胞 MI0およびそれに由来する DNA修復遺伝子変異株に原子炉放射線を照射し、 その細胞生存率を調べた。①正常 XRCC4導入細胞と XRCC4欠損細胞の比較から NHEJ系の役割 と寄与を、さらに、②正常 XRCC4導入細胞とリン酸化部位欠損 XRCC4導入細胞の比較から. DNA-PKのリン酸化の役割と寄与を明らかにする白また、. γ線照射を行し、中性子の細胞生存率につ. いての RBEを求め、 γ 線と比較することで中性子の DNA損傷の特徴を明らかにする。 、②MI0-X4 、③Mlu-S1A 、④MI0-S2.3A:MI0細胞に、コントロー 「方法J<材料>①MI0-CMV 、リン酸化部位変異体 XRCC4cDNA(SlA , S2・ ルベクタ (pCMVI0・3XFLAG)、正常 XRCC4cDNA. 3A:後者が主要なリン酸化部位を欠損する)をそれぞれ導入。 、中央ストリンガー)で < 手 順 > -実験 1- ①細胞を照射用チューブに移し、近畿大学原子炉 (lW. 4, 6, 8時間照射した。②照射後の細胞を適当な細胞数に希釈し、 0.16%アガロースを含む 室温にて 2,. RPMI培地と混合し、培養皿に播種し、 2週間培養後、コロニーを数え、 P . E .および S . F .を求めた。 ③原子炉放射線は中性子と γ線が混在しているため、東京大学大学院工学系研究科の生物用照射装 置( 1 3 7 C S )により原子炉の γ線と同様の線量率の照射を行い、中性子のみの寄与を検討した。. -実験 2 - ①MI0-CMVと MI0・X4の細胞を原子炉で 2. 4. 6 . 8時間照射した。②免疫沈降と界面活性. u f f e rで分画する 2通りの方法で培養細胞の XRCC4を集めた。③集めた XRCC4をそ 化剤を含む b れぞれ電気泳動した後、 w esternb l o t t i n gしたロ④その後 X線フィルムに現像し、観察した。 「結果と考察 j ①原子炉放射線照射による生存率を図に示す。原子炉放射線に対する感受性は. MI0-CMVで著しく、 MI0-S2, 3Aは MI0-CMVと MI0・X4の中程度で、 MI0-SIAは MI0・S2, 3A より抵抗性で、あった。このことから XRCC4は NHEJ系における修復の必要条件であることがわか / 0 となる中性 り、さらにリン酸化はその効率や精度を補償するものと考えられる。また、生存率 370. 子の RBEは1.89であり、照射時聞が 2hrを超えると生存率が γ線と比べて急激に低下した。 ②電気泳動の結果(右下の写真)、 MI0-X4では照射時間が増加するのにしたがって泳動移動が短く なったが、 MI0-CMVで、はバンドが見えなかった。このことは、 MI0-CMV(XRCC4欠損細胞)では 正常細胞)では線量に依存して増 見られないクロマチンに結合した XRCC4のリン酸化が、 MI0-X4( 加することを示している。 ③これらより、 XRCC4の存在と、 XRCC4の DNA-PKによるリン酸化が中性子照射による NHEJ 系において重要で、あることが、従来の X線による研究結果と同様に示された。 原子炉放射線照射による各細胞株の生存率 S F ) 生存率 (. │ … 。 … Ml0-CMVi. 1 . 0 0 0. --0--M l0 -X4. 0 . 1 0 0. _.企.Ml0-S1A. 0 . 0 1 0. ー.~ー.. 0 . 0 0 1. o. Ml0-S2, 3A. MI0-CMV. MI0・X4. o. 0 2 4 6 8(h r ). 2 4 6 8. バンドは見えない. 2 4 6 8 時間 ( h r ). 時間の増加により流れ にくくなっている. -1 2 8-.
(15) 近畿大学原子力研究所年報. Vo l .4 4( 2 0 0 7 ). 修士論文. 田中真史. リストデータ収集法を用いた放射線時系列データ構造の基礎研究. 時吉正憲. 中性子位置検出器における位置ピーク分裂現象の解析. 川江庸介. 三朝温泉地域等の. 222Rn濃度の変動に関する研究. - 1 2 9-.
(16) 付録 2. リストデータ収集法を用いた放射線時系列 データ構造の基礎研究 放射線計測学田中真史. [序論] 原研第 2研究室では、従前からリアルタイムクロック駆動のリストデータ収集装置 MPA-3 (MultiparameterDataAcquisitionS y s t e m ) を熱中性子用位置感応型比例計数管の開発研. 究等の一般のマルチパラメータ測定に用いてきた. リアルタイムクロック駆動の MPA-3で. は、リストデータストリームに一定時間間隔で TimeStamp (以下、 TSと表記する)を挿入 できるため、マルチパラメータ時系列データ収集装置として利用可能で、あると考えられた。 U T R 一回収 I ) が外部擾乱の少ない、他に例を見ない理想的な中性子 我々は、近大原子炉 (. 相関系を現出していると考えている。このような原子炉を活用し、解析の柔軟性に富んだ リストデータ収集法という従来にない新しい時系列データ測定手法の利点を生かし、この 中性子相関系の時系列構造に新たな知見を得ることを本研究の最終目標としている。 、 Cf-252からの中性子線といった放射性同位元 このため、本研究では Co-60からの γ線 素からの放射線を検出し、これらによる時系列データ構造を詳細に分析することにより、 上記最終目標の基礎研究を行った。放射性同位元素からの放射線放出は理論的に最も信頼 tRandomな現象であるため、 M P A 3装置の時系列データ収集能力を厳密に検証す できる a ることができる。更に、近大原子炉を用いた中性子測定実験にも着手し、予備データを取 得した。 [実験方法及び解析手法] Co-60線源からの γ 線を N a I( T 1 ) 検出器により、 Cf-252線源からの中性子線を B F 3検出 0、 1 0 0、1 0 0 0[ m s e c ] ごとに TSをデータストリームに挿 器により測定した。 MPA-3は 1、1. 入しリストデータに記録できるが、今回は 1 [ m s e c ] を採用した。解析対象とする放射線 エネルギー(信号波高)領域を自由に選択できるオフラインリストデータ解析ソフトを作 製した。. 相隣り合う TS間 [ 1m s e c J に存在する関心あるエネルギー領域の ADC値を有す. る Event数を Ci とすると. Ci は GateT i m e (以下、 G T ) 1[ m s e c ] での計数値の時系列を. m s e c ] の計数値 構成する。 GTが t [. Zi. ( t ) は、相異なる t個の Ciの和として得られる。. 相異なる t個の Ci の選択方法として重要な結果の得られた、時系列に沿って t個を選ぶ方 日a p s e d1 ime. E l a p s e dTime. •. t. kt+1. C iの時系列. │<ID. t=t+I. 図2 . 完全ランダム法. Ct+l. ( G T = 5[ m s e c ] の場合). 図1. 時間順序法. -1 3 0-.
(17) Vo l .44 ( 2 0 0 7 ). 近畿大学原子力研究所年報 I O !. 法(時間順序法〉及び完全に時間順序を無視した方 法(完全ランダム法)のみの結果をここでは示す(他 の方法による解析も行っている)。それぞれの方法の. 。t-lω(msecl. , 町 、. a t=400 。t"'700 ( ) t=l000 阻s s i a a --Ga { 自t t e d ω 円 400). 」 コ. 詰 、 . . . .ぱ > + > . 吋. ω10 伺. ロ ω. 概念図を図 1 、図 2に示す。. 白. 〉 、. ;21 nを G T=t[ m s e c ] のサンプル数とすると、 Z i ( t ) . .. 伺. .~. 2 ( t )は 、 の平均値 Z ( t ) 、偏差 d Z i ( t )、分散 σ. 自 国. 1 0. 0. dZi ( t )=Zi( t )- Z ( t ) 、. h. a 司. 1. 4. で与えられる。. 図3 .. 数 関 度 σ密 。/率 白確. = ( κ )工叩、 σ 2 ( t )=( ぷ ) エ { 位i(ザ 石. 」 コ. . . c. 4. T M( t ) V a r i a n c et oM e a nR a t i o ) をV 分散対平均比 ( と記すと、 1 . 3. VTM(t)=σ2(t)/ 互石了. であり、完全な R a n d o m現象は P o i s s o n分布に従うた め 、 tに無関係に VTM(t)=1 となる。. 0 .~. 1 . 2. 伺. 出. 1 . 1. ~. ω. 。1 。. 富. [解析結果と結論]. + >. C o 6 0の測定結果(光電 P e a kの計数率が 9 5 . 9 Z / σ の度 [ c p s ])の解析結果を以下に掲げる。図 3に d 数分布(規格化すれば確率密度関数となる)を時間順. g0.9 6. .同. 主a 0 . 7. 0. 序法で求めた結果を示す。 tが大きくなり、事象の生 起数が大きくなるにつれて P o i s s o n分布から G a u s s分 布に移行してし、く様子が示されている。この結果は完. I :る は存在しないことが半J. 図 5に示した時間順序法で. T M ( t ) = lか はしっかりした系統的 t依存性が見られ、 V. 2 0 0 0. らの偏向が明瞭で、ある。 我々は、リストデータ収集法を用いて放射線時系列 データ構造を詳細に分析した。その結果、時間順序法. V T M ( t ). 令&咽且・且白. いる。完全ランダム法にはこれ以外の系統的 t依存性. 倒防O. 1 . 3. 出 口 旬 。 室 。 H O O Z句判何伺﹀. に分散し、この分散は tが大きくなる程大きくなって. “防O. 。 由 I L a o oy e a , ﹃. O. 4 縦 訓 。. . 完全ランダム法による 図4 o T H ω. 全に理論と一致していることが判明した。 V T M ( t )の長時間相関の解析結果を図 4、図 5に掲げ る 図 4より完全ランダム法では VTM(t)=1 を中心. 2 縦 訓o. GateTimeWidtht [ m s e c ]. 4 0 0 0. 6 倒防. 8 ω o : l i04. GateT i m eWidtht [ m s e c ]. T M (t ) 図5 . 時間 JI慎序法による V. T M( t )には長時間相関が存在することを見出した。これは tと t + lに対して同じ C による V i を使用する頻度が高くなることによる相関が残存するためと考えられるが、他に装置の不 感時間に起因する効果も考えられるため、更なる実験及び理論構築を今後も進める予定で ある。. 。 円.
(18) 付録 2. 中性子用位置検出器における位置ピーク分裂現象の解析 放射線計測学時吉正憲 [序論]. P A R C計画等に基づいて、大強度中性子ビームを可能にする次世代の中性子実験 現在、 ] 施設の建設が進んで、いる。これは、タンパク質・ DNA の骨格構造の水素位置の解析や磁性 体の磁気構造解析等を可能とする新しい中性子利用科学に大きな期待が寄せられているか らである。このような状況において、中性子利用科学の基盤技術の 1っとして高い位置分 解能の中性子用位置検出器が求められている。 我々の研究室で、はバックガモン電極を用いた熱中性子用位置敏感型比例計数管 ( P S P C ) を開発し、 6気圧 Ar+l0九 CH4計数ガス、. 10B. 固体薄膜層を使用して位置分解能 0.72 [ m m J. ( F W 捌)を達成している [ l J。これまでの研究により、位置ピークが左右に分裂する現象が 見出され、この現象が位置分解能を劣化させていることが判明している。この現象は、検 出器を制限比例領域で作動させた場合、電子雪崩形成過程で生成する自己誘導型空間電荷 ( S I S C ) 効果に起因すると思われる。しかしながら、 S I S C効果に関する理論的研究はその 複雑性故に困難で現在までほとんど行われていなし、。このため我々は、陽極芯線に掃引さ れる初期電子の芯線方向での電子密度に着目し、 S I S C効果を組み込んだ簡単な試行的理論 モデルを考案し、モンテカルロ数値シミュレーション法により位置ピーク分裂現象の再現 を目的とする研究に着手した. ここにこれまで得られた成果を報告する。 350. [実験]. 3ω. ピーク分裂の測定実験を近畿大学原子炉(熱出力 s主250 +唱 l W ) で、行った。 P S P Cを用いて原子炉からの熱中性子三星加 を測定した。計数ガスには1.33 気圧 Ar+10話 CH4を 用いた。バックガモン電極からの位置検出信号 2系 統 ( A,B )、および陽極芯線からの信号 1系統 ( C ) の 3パラメータをリストデータ形式で計測した。解 析により得られた位置 Pとエネルギー Eの 2次元スペ クトル、及び位置ピーク分裂 E v e n tを図 1に示す。. 〉 、. ~. ω. bIJ同. 包 e150 ~..2. ~û. 1 ω. 町. 50. 3ω4ω5ωωo. 7ω80. C h a n n e1N u m b e r. P o s i t i o nP ( A / ( A + B ) ) 図 1 位置 P とエネルギーEの. [計算方法・理論モデル]. 2次元スベクトル. 計算にあたり、以下のような条件を仮定して計算を行った。 1 ) 言十数ガスは Ar 100、 弘 ガス圧は1.0気圧とした。 2 ) /0B ( n , αY L i反応で、生成する α、7 L i粒子は検出器窓内側の 10B 国体層の 1点から放出され、放出角依存性を持たず立体角 2 π で検出器内へ入射する。 3 ) α 粒子のエネルギ一分布は O~ 1 .47 [MeVJ で、 7Li 粒子のエネルギ一分布は O~O. 84 [ M e V J. - 1 3 2-.
(19) Vo l .4 4( 2 0 0 7 ). 近畿大学原子力研究所年報. で一様な分布をしている(lO B国体層中から放出されるためほぽ一様な連続分布になること. ) α 、7 L i粒子の阻止能には S R I M 2 0 0 3を用いた。 5 )粒子は が実験的に確認されている)0 4 原子等の相互作用によって方向を変えず、直線的に進み、初期電子は飛跡上に発生する。. α、7 L i粒子によって生成される初期電子の位置分布を得るために、上述の条件を基に次 の手順で計算した。 1 ) α 、7 L i粒子のエネルギー、放出角度は乱数により決定した。 2 ) α、 7 L iによる飛跡に沿った初期電子数 ( n )の空間分布、及びこの分布を芯線方向 ( x方向と e する)へ射影した分布 ( d n e / d x ) を計算した。また、 d n e /d xの重心位置も計算した。 我々はピーク分裂現象(図 1に示した左右に分 かれる E v e n t参照)の第一要因が、電子雪崩形成. I S C効果により電子増倍が抑制されることに 時の S. . .. 1 . < 0 1. コ ' 1岬. u l. ~ U "tIlV . ; : ー .. o. I t 価. 同. ζ¥1 0 : 闘. s E師. 争 ‘. n ,./ d xに強く依存すると あり、この抑制の程度が d xの概観を図 2 ( xの平 n e /d z輸は d n e /d 考えた。 d 芯 均値)に示す。図より明瞭なように重心位置 o( 線に垂直方向に放出された場合)の近傍の(平均). 5. 国. 削. ; ~ 1 0 1 ζ @ 咽. . . .. ω. ‘ c. xが急峻に大きくなり、 S d n e /d I S C効果の急激な発 xによって減少傾向を示す 現を示唆している。 d n e /d 図 2 平均初期電荷密度の 3次元図 電子増倍率の試行関数 ( S I S C減衰関数)として次の ) 階段関数(電荷密度がある値で 1 / 2に減少する関数)、 2 ) 指数関数、 3 ) の 4つの関数 1 ガウス関数、 4 ) 1次関数の逆数を考慮した。. ︻. されることがピーク分裂の主因であることを明らか にした。 S I S C減衰関数の確定には実験データが不足. u 白. たしていて、これに強く依存して電子増倍率が抑制. F3. 我々は、ピーク分裂には d n e /d xが重要な役割を果. ω 宮Z o o [ .ou. を用いることでピーク分裂を再現できた。しかし、実 測データとの一致はまだ不十分で、 S I S C減衰関数の確定 には至っていなし、。. ・且. I S C減衰関数 密度を表している。図 3に示すように、 S. '3. . 8 4 階段関数を用いて計算した結果を図 3に示す。 0 [ M e V ]以下の濃いイベントは 7 L i粒子、濃淡はイベント. ({﹄戸@冨]﹄︻一切民話回)@凶何回岡山. [結果]. 0. ・ 0 . 40 . 30 . 20 . 1 0 0 . 1 0 . 2 0 . 3 0 . 4. CentroidPosition[ c m ]. 図 3 読出位置(重心)と収集電荷量の. していると考えており、今後 α線源を用いた測定等、. 2次元図 ( S I S C減衰関数として. 実験手法及び装置の改良を加えて、詳細なピーク分. 階段関数を用いた場合). 裂機構の解明を行う予定である。 参考文献. [lJ T .H o r i g u c h i,T .I t o h,S .I t o,T .Y a m a m o t o,T .M i y a s a k a, ] .S a k a i,K .S h i b a t a, Y .M a s u d a,A .O k u m u r aa n dT .N i w a,N u cl .I n s t r .a n dM e t h .A 5 2 9,p p 3 6 9 3 7 2( 2 0 0 4 ). 。 円 唱EA. δ. 円.
(20) 付録 2. 三朝温泉地域等の. 222Rn濃度変動に関する研究. 放射線管理工学. 川江庸介. 〔 序 論 〕 我々が生活している環境中には地球の外からの宇宙線、大地からの放射線、 大気中の 2 2 2 R n(以下「ラドン j とする)および 2 2 0 R n(トロン)等、食物に含まれている放射性 物質からの自然放射線の中で、人類は数百万年前より、進化してきた。地球の年令に匹敵 するか、それ以上の半減期を持つ核種 2 3 8 U( 約4 5億年)、 2 3 2 T h( 約1 4 1億年)、吋(約 1 3億年) などが今日なお自然環境に存在し、大地からの放射線の発生源となっている。土壌中に分 布するウラン系列の 2 2 6 R a、トリウム系列の 2 2 4 R a等が外部被ばく源となっている。それらの 放射能レベルは時間的、空間的に変化し、地域的にも大きく変動し、その分布は一様で、は く、自然放射性核種の濃度分布に依存している。 2000年国連科学委員会は、世界平均で自 然放射線は年間 2.4mSvで、その半分はラドンおよびトロン崩壊生成核種の吸入による内部 被ばくと報告している。これまでに日本の温泉地域における自然放射線核種の挙動と分布 に重点をおき、空気中、水中のラドン濃度の測定を、長年にわたって代表的な温泉につい て行ってきた。今回は、鳥取県三朝温泉、山梨県増富温泉、岐阜県湯之島ラジウム鉱泉地 域、この他に、日本でも環境線量率の比較的低い青森県についても調査区域に加え、対照 地域として東大阪市を選択して、環境中におけるラドン濃度の測定を実施した。ラドンの 測定法にはいろいろあるが、ヒ。コラド法を用いて空気および水試料を採取し、その崩壊生 成核種の α, s放射能の測定を液体シンチレーション計数法により実施した。またラドン 測定を行った場所の土壌中の放射性核種濃度を測定し、ラドン濃度との相関について検討 を行ったので報告する。 〔方法〕 空気中のラドンは活性炭に吸着しやすいという性質を利用して、パッカー ド社製ピコラド検出器を 24時間測定地点に設置してラドンの捕集を行った後、液体シンチ L U S )を 1 0 m l添加し、また水中のラドンは、液体シンチレータ溶 レータ溶液 (INSTA-FLUORP O P Tト FLUOR)10ml入りのパイアル瓶に試料水 1 0 m lを添加し、 1 5秒間振とうして 24時間 液(. 後に液体シンチレーションスベクトロメータにより. α 、。放射能を測定する。. 土壌中の γ放射性核種濃度の測定は、採取した試料から不純物を取り除き、 ドラフト内 で乾燥させ、乾燥試料をプラスチック容器に入れ、蓋をビニーノレテープで、密封し、放射平 I N T ) 半導体検出器を用いた γ線スベクトロメ 衡にするために約一ヶ月放置したあと、 Ge( ータ ( S E I K O EG&G社製 7 7 0 0 ) で約 80000秒間測定を行い、得られた γ線エネルギースペ 刷A S tudio ( S E I K O EG&G社製)でデータ処理し、 クトノレを GA. 〔結果および考察〕. γ線核種分析を行う。. 生活環境中のラドンおよびトロンは、自然放射線による被ばく線量. のうち最も大きな要因であり、その濃度分布は、世界的にも注目されている。世界の高自 然放射線地域における自然放射線疫学研究における環境放射線測定に大きく関与している が、日本の温泉地域におけるラドン濃度の測定を実施してきたので、これらの結果につい. A 生. 。 円.
(21) Vo l .4 4( 2 0 0 7 ). 近畿大学原子力研究所年報. てまとめる。 1 ) 鳥取三朝温泉地域におけるラドン濃度の測定は、空気中および、温泉水について 1 0年間. 継続して民家の協力を得て実施してきた。 2005年 1年間の同一場所における屋内空気中ラ 3 3 " ' ' 7 2 B q / m 1" ' 2 0 B q / m 0 ドン濃度(浴室は除外)は 26" 、屋外ラドン濃度は 1 の範囲で変動し、 1 3 年間の変動も同様に屋内濃度は最高 83Bq/m3(平均 70Bq/m3)、屋外濃度は最高 20Bq/m 、(平 3 均 15Bq/m)の範囲で変動した。浴室が地下にあり、温泉が湧き利用しているので浴室とよ. 0年間の屋内濃度は、 1 2月 " " ' ' 2月の冬季が若干高く 4月 . . . . . . . . 9月は比 く似た傾向を示した。 1. 較的低い季節変動を示し、これは、夏は気温が高くなり、窓を開放して屋外の低濃度の空 気により希釈されて低くなったと思われる。東大阪市の濃度と比較すると屋内、屋外とも に数倍の高濃度を示した。 2 ) 2005 年に測定した三朝温泉の空気中ラドン濃度変動は、国民宿舎のポンプ室内におい. て最高 11700sq/m3 を示したが、これはどんどん新しい温泉水を露天風呂に汲み上げるた め、ラドンが閉め切ったポンプ室に、充満して高くなったものと思われる。また温泉街の 3 4 .2 3 4 .9Bq/m はずれにある雪室の空気中ラドン濃度範囲は、今回は 1 で低い値であった が、過去数回測定しており、屋外であるが、最高値は 1180Bq/m3 を示した。これは採取時 により濃度は変化し、いつも同じように放出しているのではなく、聞けつ的であり大きく 変動しているものと思われる。又、 1 0年間の三朝温泉水中ラドン援金度ぽ最高 316Bq/lとな り 、 2000年まで徐々に上昇し以後止まり変動している。 3 ) 対照地域としての東大阪市の空気中ラドン濃度は、研究室および出入りの少ない倉庫に 3 3 ついて行い、 2005年 1年間のラドン濃度は、屋内濃度 3 )、屋外 . 7 " " ' '12Bq/m (平均 7.9Bq/m. .2 " " ' ' 4 .8 Bq/m3(平均 3.5Bq/m3)および倉庫では 89" " ' ' 2 7 5 B q / ぽ、(平均 163Bq/m3)を示し 濃度 2. た。倉庫の濃度は、実験室の約 20倍で、あったが、コンクリート仕上げで、放出も異なり、 窓がなく人の出入りが少ないため、外気の流入混合が少なく濃度が高くなったと思われる。 1 0年間の濃度変動は冬季に高く、夏季に低くなる変動を示した。研究室における屋内濃度 は、季節に関係なく変動しており、冷暖房設備により換気をしていることおよび人の出入 りが多くこれらが影響していると思われる O. 3 4 ) 山梨県増富温泉におけるラドン濃度は、 2005年においては、空気中で 1 6" " ' ' 4 2 B q / m 、水. 中ラドン濃度で最高 5000Bq/l で道路脇の湧き水であった。旅館の温泉水については 2300Bq/lで、あった。岐阜県湯之島ラジウム鉱泉地域においては、空気中ラドン濃度は屋外. の最高は小洞穴で、 119Bq/m3、屋内では浴室、等で 155Bq/m3、浴室以外の屋内で最高 74Bq/m3 であった。水中ラドン濃度は 7ヶ所測定し、最高 3100Bq/l の範囲で、あったが、浴室の温 泉水のラドン濃度は1.2Bq/lで、ここは鉱泉で、熱を加えるためにラドンは蒸発したと考 えられる。青森県については、空気中ラドン濃度は、浴室を含めても最高 70Bq/m3 で平均 3 38 Bq/m 、屋外では 13Bq/m3となり、東大阪市に比べて若干高い値を示した。. 5 ) 温泉地域の土壌中の放射性核種分析は、岐阜県湯之島温泉については、ウラン崩壊生成. 核種濃度が高く. 山梨県増富温泉地域については Th/U崩壊生成核種濃度比が大きかったが、. 部分的には Th/U比が低い地域も存在し、同じ地域でも分布が変動することが分った。. - 1 3 5-.
(22) 付録 2. ム 噌E. QU. 。 円.
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