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Title
Effect of the combined use of enamel matrix
derivative and atelocollagen sponge scaffold on
osteoblastic differentiation of mouse induced
pluripotent stem cells in vitro
Author(s)
久永, 幸乃
Journal
歯科学報, 120(2): 226-227
URL
http://hdl.handle.net/10130/5174
Right
論 文 内 容 の 要 旨
1.研 究 目 的
近年,iPS 細胞はその多分化能と増殖能から,歯周組織再生治療への応用が検討されている。効果的な歯周 組織再生には,細胞およびスキャフォールド,増殖因子が重要である。本研究は,エナメルマトリックスタン パク質(EMD)とアテロコラーゲンスポンジ(ACS)の併用がマウス iPS 細胞(miPSCs)の増殖と骨芽細胞分化へ 与える影響について検討を行った。
2.研 究 方 法
miPSCs は胚様体(EB)形成後シングルセルとし,ACS(5mm×3mm)に対し2×105個を播種した。細胞播
種24時間後,骨芽細胞誘導培地(OBM)に交換し,3次元培養を行った。miPS-EB 由来細胞を OBM 単独で培
養したものをコントロール群,細胞に EMD(EmdogainⓇ Gel)を20μL 混和して培養したものを EMD 群とし
た。細胞形態の経時的変化を走査型電子顕微鏡(SEM),スポンジ内への細胞侵入を光学顕微鏡にて観察(HE 染色)した。細胞増殖は MTS アッセイ,主な骨関連遺伝子の発現はリアルタイム PCR にて解析した。さら に,アルカリホスファターゼ(ALP)染色および活性を評価した。
3.研究成績および結論
SEM による観察では,両群ともに細胞播種後24時間で miPSEB 由来細胞の ACS 表面への付着が認めら れ,EMD 群では培養7日目に多数の細胞突起を有する骨芽細胞様細胞が認められ,14日には石灰化基質様の 沈着物が観察された。また,切片の HE 染色による観察では,24時間後には細胞のスポンジ内中央部への侵 入が観察された。細胞増殖率は播種後3日までは両群共に経時的に上昇し,すべてのタイムポイントで群間に 有意差を認めなかった。リアルタイム PCR の結果,Alpl, Sp 7 はすべてのタイムポイントで EMD 群において コントロール群に比較して有意に高い発現レベルを認めた。Runx 2 は7日で,Opn,Ibsp は14日で,EMD 群 で有意な発現上昇を認めた。一方,Bglap は EMD 群で有意に低い値を示した。両群ともに経時的な ALP 染 色濃度の増加が見られ,EMD 群はコントロール群と比較して有意に高い染色性を示した。ALP 活性は経時的 な増加が認められ,EMD 群において有意に高い値を示した。
以上のことから,ACS と EMD の併用は miPS-EB 由来細胞の骨芽細胞分化を促進することが示唆された。
氏 名(本 籍) ひさ なが ゆき の
久
永
幸
乃
(静岡県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 2204 号(甲第1400号) 学 位 授 与 の 日 付 平成30年3月31日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当学 位 論 文 題 目 Effect of the combined use of enamel matrix derivative and atelocollagen sponge scaffold on osteoblastic differentiation of mouse induced pluripotent stem cells in vitro
掲 載 雑 誌 名 Journal of Periodontal Research 第53巻 240−249頁 2018年
論 文 審 査 委 員 (主査) 田 雅和教授 (副査) 齋藤 淳教授 村松 敬教授 松坂 賢一教授 東 俊文教授 歯科学報 Vol.120,No.2(2020) 226 ―124―
論 文 審 査 の 要 旨
本研究は,エナメルマトリックスタンパク質(EMD)とアテロコラーゲンスポンジ(ACS)の併用がマウス iPS 細胞(miPSCs)の増殖と骨芽細胞分化へ与える影響について in vitro で検討を行った。その結果,EMD と ACS の併用は miPS-EB 由来細胞の骨芽細胞分化を促進することが示唆された。 本審査委員会では,1.EMD の濃度はどのように決定したか,2.播種後3日で細胞増殖の増加が停止し た理由は何か,3.石灰化については評価したか,4.フィーダー細胞を使用しない培養系は検討した か,5.臨床応用した場合,どのような治癒が想定されるか,といった質問および指摘があった。 これらに対して,1.先行研究や実際の臨床での使用濃度を参考とし,予備実験を行い細胞の状態を確認し て設定した,2.その時点から分化にシフトしたと考えている,3.現在,von Kossa にて検討中だが, EMD 群で石灰化の有意な上昇が確認されている,4.フィーダーレスの場合は培地が著しく高額となるため 見送った,5.歯周組織が破壊された部位に応用した場合の治癒については,in vivo での確認が必要であり, iPSCs をどこまで分化させて使用するかなど,多くの検討が必要である,と概ね妥当な回答が得られた。さら にタイトルの表現や図説の提示について指摘があり,修正論文が再度確認された。 以上の結果,本研究は今後の歯学の進歩,発展に寄与するところ大であり,学位授与に値するものと判定し た。 歯科学報 Vol.120,No.2(2020) 227 ―125―