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Uvitex ERN conc. (Ciba) の構造の確認

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Academic year: 2021

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(1)

口  液 ---(すてる)

Uvitex

ERN

cone. (Ciba)の構造の確認

      山   下   芳   男

      (文理学部 化学教室)

Confirmation of the stvucture of Uvitex ERN

cone. (Ciba)

       By

      Yoshio Yamashita

         1.緒     言 ステル繊維用ケイ光増白染料として市販しているUvite :優秀な耐光堅ロウ度を有するものであるが分散剤の種類Z −ビス〔5−メチルペンソオキサソリルー(2)〕一エチレ Hc ズ:]D c ̄cH°cH ̄ 《::]L:j〕│ \cH  Ciba社がポリェステル繊維用ケイ光増白染料として市販している Uvitex ER およびERN cone.は,きわめて優秀な耐光堅ロウ度を有するものであるが分散剤の種類か異なるのみで主染料 分はいずれもα,β一ビス〔5−メチルペンソオキサソリルー(2)〕一エチレン〔I〕であること が知られている1).        〔I〕   〔I〕はその構造中心に一CH=CH一を有するためトランスおよびシス幾何異性体の存在が考 えられるが,矢部2Jは〔I〕のベンゼン・エタノール溶媒中での光化学変化が光異性化によるトラ ンス体からシス休への可逆的変化であることを述べ,さらにこのもののジアセテート膜中の退色過 程が,溶液中と全く同じ傾向の異性化反応によるものであるという興味ある報告3)をしようとして いる. 微量の残澄 --(すてる) 結   晶〔P2〕    結   晶〔P3〕 図1 抽出および分解

(2)

へ 次 w 12  高知大学学術研究親告 第16巻  自然科学 1 第2号 一一一一一一一一-一一  筆者は,構造中心に・CH=CH−を有するもののうちビズトリアジェ,ルスチルペン系ケイ光増 白染料溶液の光異性化の研究を行なっている4い)が,きわめて優秀な耐光堅ロウ度をもつといわれ る〔I〕の光化学変化についても研究をすすめるために,まず〔I〕の所要mを得ることを目的と して,入手したUvitex ERN cone. (分散液)から〔I〕め抽出を試みその構造の確認を行なっ た.

 抽出および分解の経路を図1に略記する.       .       2.主染料分の抽出

 Uvitex ERN cone. (分散液240g)を水浴上で蒸発乾田して得られた固形物32.2gを粉砕した のち,減圧乾燥(80°C, 24mmHgで10hr)して31. 6gの粉末を得た.  このものを70°Cのベンゼン1.5Zに溶解し,熱口過後冷却して黄かっ色針状結晶と白色結晶と の混合物16.2gを得た.これをエタノールから2回再結晶を行なって黄色針状結晶8. 3g Cmp 185 ∼6°C)〔P1〕を得た.〔P1〕の元素分析値を表1に示す.        表1 〔PI〕の元素分析値 分 計 析 算 値 イか) % % C 74.45 74.47  H -5.08 . 4.86  a):100−(各元素の値の総和)‥・以下同様  b):〔!〕すなわちCiaHi4N2O2 すなわち,分析値は〔I〕の計算とほは一致している, 1 0 0 8 0 6 0   40 掛唄唄 2 0

臨 y

80 60   ︵嶮︶ 0 0 4 ﹃/﹄ 毎回唄 0 4 0 0 0 2300 N 9.76 9.65 2 0 0 0 1800 1600 図2 〔Py〕のJR (KBr法,以下同様) 2800  図3  2000   1800  1600 フマル酸のIR (IRDC No. 62)

1400 1400 1 2 0 0 ● - ● 1200   1000 波数(cm-1)  1000 波数(cm-り ○“) 10.74 11.02 8 0 0 8 0 0 6 0 0 6 0 0

(3)

︵冶︶冊叩唄

Uvit。XERN cone. (Ciba)の構造の確認  (山下)一

一   ろ。抽出物の分解 1 ろ  2.で得られた抽出染料分〔PI〕の構成成分を知るために塩酸を用いて加水分解を行なった.  すなわち,〔P1〕2.0gを6N塩酸200mlと 8hr加熱還流し,熱口過後口液を100mlまで 減汪濃縮(38°C, 35mmHg)し,冷却後口過して白色結晶0.2g〔P2〕を得た.  口液をさらに50mlまで減圧濃縮(38°C,35mmHg)し,カセイソーダおよび炭酸水素ナトリ ウムを用いて中和(,pH≒n したのち冷却,口過して淡緑色結晶とかっ色結晶との混合物1.2g  〔P3〕を得た.   〔P2〕0.2gを水から3回再結晶して白色針状結晶約50mg (mp 266∼8°C)〔Pj〕を得た;  また〔P3〕l-2gを水から2回再結して淡黄色結晶0. 5g (mp 134∼6°C)〔P3’〕を得た,   〔P2’〕およびフマル酸のIR吸収スペクトル(IRDCNo.62)を図2および3に示す.  また〔Py〕をフマル酸(mp 286∼7°C)と混融して融点の降下がみとめられなかった.   〔P3’〕および2−アミノやークレゾール(供試品を水から2回再結晶. mp 135∼6°C)のIR 吸収スペクトルを図4および5に示す. l

価 ﹂

8 0   60  40 ︵娘︶斟唄附 2 0 2800  図4 2000 〔Py〕の!R 1800 1600 1400 1200    1000 波数(cm-1) 8 0 0 6 0 0 Oヒニ 4000・ 2800   2000    1800   1600  図5 2−アミノートクレソールのTR MOO 1200    1000 波数(cm-1) 8 0 0  また〔Py〕を2−アミノやークレソールと混融して融点の降下はみとめられなかった.  以上の実験結果から,抽出染料分〔P1〕の加水分解生成物〔Pj〕および〔P3’〕はそれぞれフ マル酸および2−アミノやークレソールであることを確認した. 6 0 0

(4)

 14      高知大学学術研究報告 第16巻  自然科堂 I 第2号        4.合     成  ろ.で抽出染料分〔P1〕の構成成分がフマル酸および2−アミノやークレソールであることを知 ったので,合成による確認を行なった.   〔I〕の製造法にかんするCiba社の日本特許のみで10を数え,さらに国内の染料製造会社から の製造特許の出願は7を数えているといわれている6)が,フマル酸および2−アミノやークレソー ルを用いる野ロらの改良法7りこ従って合成を行なった.合成経路を次に示す.       /   Nトh 2    / ]て:J〔:  +HO・C-CH=CM-CO川   1もC  へ   OH      加熱 ZnCh.エチレングIJコール HjC^ で:Ji[:Eン -CH=CH-《 E:]E:〕│ \`cH3       〔I〕  すなわち,2−アミノづ,−クレゾール(供試品,ジアソ化値92.0%)6.7g(0.05モル),フマ ル酸(和光純薬工業試薬) 0.3g (純度97%として0.025モル)および塩化亜鉛(和光純薬工業試 薬品を粉砕し110°Cで一夜常圧乾燥) 6.8gを混合し,エチレングリコール1.5mlを加えて165 ∼170°Cで 4hr加熱融解する. 105°Cに冷却し, 10mlの濃塩酸を加えてかきませながら内容物 を100mlの冷水中に注ぎ55∼60°Cで 1hrかきまぜたのち口過する.口塊を水洗,乾燥したの ちモノクロルペンゼンから再結晶して淡黄かっ色針状結晶2.2g (mp 180∼3.5°C)を得た.  この結晶をエタノールから2回再結晶して淡黄色針状結晶1. 5g (mp 185∼6°C)〔P4〕を得た. 収率21%(文献値43%).〔P4〕の元素分析値を表2に示す.        表2 〔P4〕の元素分析値 % % 値 値 析 算 分 計 C -74.46 74.47 H 4.96 4.86 N -9.59 9.65 O 10.99 11.02  表2に示すごとく,分析値は計算値とほぽ一致している.  また,〔PI〕および〔P4〕のIR吸収スペクトルを図・6および7に示す.  図6および7はよく一致している.  また〔P4〕を抽出染料分〔P1〕と混融して融点の降下がみとめられなかった.  すなわち,合成品〔P4〕は〔I〕であり,また抽出主染料分〔pl〕とも同一のものであることを 確認した.

(5)

1 0 0 80  60  ︵次︶妥唄附 4 0 2 0 0 4 0 0 0 1 0 0 80  60  ︵次︶脊唄唄 4 0 2 0 2800

 Uvitex ERN cone. (Ciba)の構造の確認   (山下) -2 0 0 0 ・ 1800 1600 図6 〔PI〕(抽出染料分)のIR 2800  図7  2000   1800 〔P4〕(合成品)のIR 1 6 〔 X 〕 1 4 0 0 , 14a⊃ 1200 1200    1000 波 数(cm-1)   1000 波数(cm-1) 8 0 0 15        5.結     言

 以上の実験結果から1 Uvitex ERN cone. (Ciba) (分散液)の抽出染料分はα,β−ビス〔5− メチルベッソオキサソリルー(2)〕一エチレン〔I〕であることを確認し,〔I〕の所要量を得るこ とが出来た.  おわりに,本実験に協力していただいた浅野興三君に厚く感謝する.       文 1)岡崎,学振第116委業績報告, 12, 134 (1960) 2)矢部,染料と薬品, 12, 222 (1967) 3)飛田,矢部,林,工化誌投稿中 4)山下,高知大学学術研究報告, 15,自然科学I ,N0.5 5)山下,高知大学学術研究報告, 16,自然科学I , No. 2 6)大久保,染色工業, 12, 570 (1964) 7)野口,有機合成化学誌, 20, 261 (1962) 献 (1966) (1967) (昭和42年9月16日受理) 6 0 0

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