Shonan Institute of Technology
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2
相
(
気 体
と
液
体 )流
れ
に
お け る
ボ
イ ド
率
と
流
速
の分 布
の推
定
清
水
正
之
*Estimation
ofthe
Local
Void
Fraction
andLocal
Velocity
of
the
Upward
Gas
−
1iquid
Two
−
phase
Flow
Masayuki
SIMIzu
This
reportforms
aiink
in
the chain of thefirst
and second report,
andhas
the same standpoint.
It
is
estimated that the local void fraction and local Iiquid velocity of the upward gas・
1iquid two−
phaseflow
for
the annular ,bubble
and slug fiow.
It is ascertained that the estimated value of the 且ocal void fraction has an approximate agreement with an experimental valuefor
the bubble and slug flow.
Next we get the local static pressure and Iocal dynamic pressure by experiments for the bubble
and slug
flow. 1
亡is
found
thatthe
measured value of thelocal
static pressureis
constant onthe
samesection
.
1
.
ま え が き 筆 者は第1
報o お よび第 2 報2}に おい て,
気体と液 体 が同時に管内を流れ る,
い わゆる“
気 体一
液 体2
相 流れ ” に おける, “ 圧 力降下”
と‘‘
平均ボ イ ド率” の推定に 関す る研究の結 果 を報 告した。 その後に おい ても,
“ 気 体一
液 体の 2相 流れ”
の問題は, ます ます 重 要性 を増し て き て,
外 国はも ち ろん, わが国に お いても, 各方 面で研究 がつ づ け ら れ,
熱工 学 や流 体工学の 分 野で もある意 味で 研究の中心課題と なっ た観 さえある。
こ の2
相流れの問題は, 工業上の要 求と, 各 研 究 者の 研 究方法の 違い 等か ら, い ろいろ な面か らの研 究が 進め られてい る。 前報ま で に述べ てき たように,
筆者は,
現 在の段 階で は,
まず 現 象 論 的に進め るべ きで あるとい う 立 場 を と り, 第1
報 と第2
報で研究を行なっ てきた。 し た が っ て,
それ らの 中で用い られて きた ‘‘ ボ イ ド率 の分 布” お よ び “ 速 度の分 布” の値は, それ らの平 均 値の間 の 相 互関 係を推 定する た めに設 け られた仮定であっ て, 実 体 とし ての局 所ボ イ ド率や局所 速 度の値で はない もの で ある。現在, 工業上 に必要と さ れ る量が
,
これらの平均 値で * 助教 授 機 械工 学 科1969
年 10 月 10 日受理 ある と し ても,
よ り精度の高い 値を 推 定 するた め には,
これらの物 理 量に対 して,
実 体と して より正 しい 値 を 知 る必 要 が ある。 また,
気 体と液体の 2相 流 れに関 する他 の問題の解 決のた め に も, これ ら “ボ イ ド 率” と “ 速度” の分 布につ い て, 実 体 と して の値 を 知る必 要が お こる。 こ の研 究は, 前の2
報につ づ く研究の一
環と し て, 垂 直上向 きの 2相 (気 体 と液体 ) 流 れに お け る“
局 所ボ イ ド率”
と ;t 局所速 度”
を推 定す るこ と を 目的と した もの で ある。 ま だ, これ らに 関 する測 定 値 も充分得ら れて い ない し, ま た精 度の点で も不充分な点 が多い。 現 在,
他 の研究者3〕“
−
7)V
:よっ て も,
これ らの局所値を 求め る努 力 がつ づ け ら れ てい る が,
ま だ 測 定方法に も 問題が あ る よ うで ある。2.
2
相流 れの分 類 第1
報に おい て, 気 体 と液 体 との垂直上 向きの2
相 流 れ の流 動様式を1
) 気 泡 流 2)ス ラ グ流 3) 環 状 流 4) フ ロ ス流の4
種に分 類し た。 実際の流れ が, こ の4
種に 正確に分類で きる か否か は,
問 題の ある ところで あっ て,
す でに数 年 前よ り ‘ 環 状フ ロ ス流” ともい うべ き流動様 式 が 存 在 するこ とも知 ら れて い る。
と くに, こ の環 状フ Pt 一流に対 し ては,
流 れの構 造その もの に さ え 不明確な点が ある現 状であり,一 41 一
N工 工一
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「
’ 相 模工業 大 学 紀要 第4
巻 第1
号 すべ ての 2相 流 れの問 題に対し て, こ の4
種の流動 様 式 に 分類 するこ とは適 当と はい え ない。 しか しな が ら, 現 在の局所ボイ ド率の測 定には大 きな 誤差が含 ま れて お り,
さらに 局所速 度の測定 値とい う も の に 至っ て は, ま だ推定 値ともい うべ き段 階であるの で, こ こ で のわ れ わ れの研究に対し て は, 上記の4
種の 分 類に従っ て も, 不都 合はない もの と考
え られる。 し た が っ て, こ こで は前の2
報と の論 理の一
環 性を保た せ る た め に, この4
種の流 動 様 式に分 類 するこ とにする。
3.
環
状
流に お け る ボイ ド率 分 布と速 度 分 布 環 状流で は, 液 体はすべ て管壁にそっ て環 状に流 れ, 気 体はすべ て管の中心 部 を 流 れて い るもの と仮定 する。 この 場 合,
管の内 半 径R ,
気 体 流部分の半 径ro,
中心軸
か らの距離
丁,
局 所ボイ ド率 α,
平均ボ イ ド率σ の間 に は , あ きらか に1
≡
驚劉
(1
) の関 係 が ある。 平 均ボ イ ド率 認 は, 第2
報 (32
) 式に おい て p=6
と す ればQaQ
σ+Q
.諞
」_
1
誘
3
3
(2
) に よっ て求め るこ とがで きる。 こ こ でQ
σお よ びQ
■ は それ ぞ れ 気 体お よ び液 体の流量 (mS !sec)を表 わ す。し たがっ て,
Qa
お よ びQ
, の値が得られ れ ば, (2
) 式 よ り 認 が求め られ, (1)式より α の局 所値 (0
また は1
)が得られ るこ と と なる。 っ ぎに, 第1
報 (19)式に よると, この 認 を 使 うこ とによっ て, 単 位 長 さ当たりの圧 力差ヘ ッ ドh
を求める こ とがで きる。 すなわち8(1
_
〜!一
万)rcUi2
dPh
…≡…一
= rl (1一
α)SRg ・[
・+ゾ
・一一
(1一
β’α矯
監
讖
i
謝
”°9 α}]
− 2
α(1一
βlil
≡
畿
α1
°9 の ・ ・… である。 こ こで, β
=
Qe
/(Qa
+Qz
)は気 体の体積流量 率,g
は重 力の加 速 度, ま た κ =3 .
97
×10−
4 は定 数で ある。 なお, 印 刷の都合の た め平 均ボ イ ド率を単に α と 記して ある。UL
は 液 体の 全 管 速 度と 定義し た もの でUL
≡QL1
(πR2
)である。こ の
h
と平均ボ イ ド率 α を使う と , 第 1報 (18)式 か ら, 気 体と液 体の境界 面で の局 所 真 速 度m (m !sec)を 求め るこ と がで きる。 す なわ ち.
Rg
UO2=
{(h _1
)(1一
α)−
a(1一
β)logα}.
4s(1
−
N /i
) (4
) 1 α=
0.
6’
奩罸
α7 乃=
1,
25 L25 ん=
1.
o 、 丶 α=
oβ 丶 丶 1.
0 丶 丶1.
25 、 、 、丶 丶 丶 丶蔓
.
丶 丶 丶 丶 乃=
0.
5 海=
0.
25 0.
5 0.
25、、、、
、
0.
5、
一_ _
島25 丶 丶 \ 丶 丶、、、
、、、、
丶 N 丶 N \ N 丶黙 丶、
、 アノR 0.
8 0、
9 1,
0 O、
5 0.
4ミ
・
・.
3も留
夛戛
D.
2 O.
1 0一
〇.
1 第1
図42
「ノ
N工 工一
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2相 (気 体と液 体 ) 流 れ に お けるボイ ド率 と 流 速の 分 布の推 定 (清 水 正之〉 これ らの平均ボ イ ド率 α
,
圧力差ヘ ッ ドh,
境界面 速 度 Uo を もちい て,
液 体の局 所 速 度 u は 第 1報 (16)式 か らRg
{(h
_1
)(1−
x2)− 2
α(1一
β)logx
} u=
4rczao
(1_
〜/a
) (5) と し て推定 するこ とがで ぎ る。 こ の推定に は, 根本に 大きな仮定 (第 1報 (14
) 式 ) が置かれてい る。 また,
現 在 まで の実 験装 置と測定技術 に よっ て は,
測定が 困難で あり,
測 定 値が得 られて いな い。 し たがっ て,
実 際の速 度に くらべ てどの ような精 度 を もっ てい る か は, ま だ実 証 するこ と がで き ない。
し か し, こ の推定さ れた
液
体の速 度 分布に 信頼をお く 根拠は,
お お む ねつ ぎの点に ある。 (a ) 第1
報で 報告し た よ うに, この仮定に も とつい た圧 力 差の 推定 値が, 実験 値と ほ と ん ど一
致 して い る。 一 蕁 o=
ooHヘ
ソ ド タ ン ク オ 1ノ
く フ口
1 ’骨 イ 8 プ H 婚 1 動 静 圧 圧 用 川 マ o丶
ア
ノ m 博 ノ メメ 1
⊥
】 タ タ フコ
「 電 磁 流量計 メ 1 記録 計 々 、 1 変 換 器 ンプレ y サ 温 度測 定 発信 器 タン ク ポ ンプτ
曽
第2
図 (b
) 初 期の速 度 分 布の推 定値8}と は 大 きな差が認め られる が,
そ の ような値を 基礎と し た圧 力 差の推定は , すべ て実験 値と定 性 的に さえ一
致しない こ と が認め られ る9) e(c ) 第 1 図に示すよ うな
,
‘‘ 中 だる み”
の速 度分布 は, 新 ら しい研 究では予 想 されて い たもの である エ゜, 。 現 在 まで,
この推 定 法 と 仮 定に対 して, 何ら 不合理 な 点は認め られてい ない ので, これに対 する検 討と実 験に つ い て現 在 準 備 中である。 ま た,
気 体の 速 度の分 布につ い て は, 境 界 面で の局 所 速 度 Uo に対 する相 対 速 度 v’=
v−
Ue が単 相流の流速 の 分布則に従 うこ と も考え得る。 (V は気 体の 局所速 度) し か し, ま え がきにも述べ た ように , 環 状流の 中 心 部に 対し て は, ま だ機 搆その もの に疑 問もあり,
中 心 部に お い て も液滴の流 れが予想さ れてもい るt1) q[)で , そ れ を無 視し た議 論はあま り有 効で は ない もの と考 えられる。 現 在, それ の測 定の準 備 中であり, その結 果に よっ て さ ら に検 討を加え るべ ぎ もの と考えてい る。
4.
気 泡 流とス ラ グ流につ い て フ ロ ス 流に関 しては, 局所ボ イ ド率の測 定 す らひ どく 困 難で, 現在 考 案されて い る ボ イ ド計で は原理的に さ え 不 可能な状 態で あ る。 気泡流 とス ラ グ流に おけるボ イ ド 率と速 度の分 布を求め る努力は, 現 在 各 面でつ づけ られ て い るが, まだ充 分な精度に達し ていない よ うで ある。
こ こ で は, 相模工 業大学で行なっ た実験と, 他の研 究 者に よっ て得られ た 測 定 値 を も とに して気 泡 流 とス ラ グ 第3
図 丶 な 7一 43 一
N工 工一
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q
相模工業 大学紀 要 第4
巻 第1
号 F,,,’
笥
「
=閏
鵠 日「
二
TIP L じ喞 L{TO Git b:lc [
15
」
t
κ 第4
図 (a),
Jt 第4
図 (b
)− 44 一
o3
唱
N工 工一
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2 相 (気 体 と液 体 )流れ にお け るボ イ ド率 と流 速 の分 布の 推 定 (清 水正 之) 65〔,
脹
曲 55Lレ 諏1 10 U、
5 U r’
re 第4
図 (c) o,
.
=
2.
74x]n.
コ
!
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sec o Qc Xl.
1x10一
イ
msec GLU] 葺 E 5[
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1 三 4∩
嚠
b 3L.
v 】 [レ’
L、
5 0 r,
R 第 4 図 (d
)−
45−
N工 工一
Eleotronio O θ Φ 090 ■ ● 〔2」
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2
別 り 切 ( 師 釈 図 5 第 別ロ
= 日 巨、
、
OP「
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、
1.
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47一
e N工 工一
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2
相 (気 体と液 体 ) 流れ に お けるボイ ド率 と 流速の 分 布の推 定 (清 水正 之) 流に つ い てのみ分 析するこ とにす る。
5
.
実 験 装 置相模工業大 学に お け る2相 流の 実 験 装置の概略図を第
2
図;こ示 す。
試 験 管 路は 内径 51.
2mm の鉄 管を使用し,
測 定 部 分のみをア ク リル管に して ある。 圧力の測 定は第3
図に示すよ うな,
外 径 3mm の手製の ピ 1・
一
管を使用 し た。 マ ノメー
タ とピ トー
管には水を充 満さ せ てある 。 マ ノメー
タ の読 みは, 写真撮影を行なっ た の ち,
拡 大し て読み とっ た。 空 気 流 入 口 は , 管壁か ら単に 挿入 し ただ けで ある が, 測定部 ま での 距離 を 充 分に とっ て ある の で,
その影響はない もの と推 測される。 空 気お よび 水の 流量は , それ ぞ れ 浮 遊 式 流 量 計お よび 電 磁流量計を もちい て,
混 合 以 前に 測 定 し た。
現在ま で , 流動 様 式は 気 泡 流お よび ス ラ グ流の範囲に限ら れて お り, 測定 内 容は,
各 相の流 量と,
試験部分に おける全 圧 と静 圧の みで ある。.
6 .
実 験 結 果第
1
報で指 摘し た ように,2
相 流 れに おけ る静 圧の 分 布が, 管断 面におい て一
様で あるか 否か は理 論 的に決 定 するこ とができない。 これ を 明 らかにする た め に, 各種 の流 量に おける静 圧の分 布の 測定を 行 な っ た結 果をng
4図
(a )一(
e )に示 す。 こ の 実験に よ っ て,
気 体 と液体の 2 相流れ に お い て も, 静圧の時 間平
均 値は, 管 断面に おい て一
定
で あるこ と が認め られる。 た だ し,
とくに流れ が 遅い場 合 に は,
中心部で静圧が小さくなる こと が 認 め られ る が, これは ボ イ ドが中心 部に偏 るこ と が原 因で あるもの と考 え られ る。 第 5図 (a)一
(e )に, 各 種の 流 量に おけ る動 圧の 分 布を 示 す。 こ こで, 動 圧とい うの は,
単相流の場合と同 様 に, 流 れの方 向に 向い た全 圧と,
流 れに垂直な方向の 圧力の測定値の差の こ と である。
7
.
ボ イ ド率 分 布の
推 定
ス ラ グ 流 や 気泡 流に おけるボ イ ド率の分 布に関 して , すで に い くつ か のモ デル2〕12〕13)が 発 表 さ れてお り, ま た 実 験 値も報 告されて い るS〕〜
Vユ2)〜
16) 。 しか し, これ らの 実 験 値の間に は, 測 定 法の差 違に よっ て, 定 性的に さ え一
致 しない点 も ある。 た と えば, 小林清 志らの実 験 4)に よれ ば,
気 体流 量の少ない気 泡流の領 域に おい て,管
壁 近 くで ボ イ ド率の極大値が存 在 す ることが 報 告 されて い る が, これ はいわ ゆ る探針 法に よ る測定以 外の実 験に は 現わ れ てい ない よ うで ある。
第 5 図に示 し た, 動 圧に関する われわれの実験 値の単 調 性お よ び,Lafferty
ら の実験お よびNassos
の実 験の 結 果か ら推 測 する と,
第2
報 (21
) 式の モ デル が 適 当で ある と考 え られる。
す な わ ち雛爺
;
・}
… こ こ で, α は局所ボ イ ド率,
αm は管中心 での 局所ボ イ ド率を表わす。 p,q
, s は定 数で あ る。 こ の場 合, 平 均ボ イ ド率 厘 と, 管 中心 の ボ イ ド率α m との間に は, 前 報 (23A
) 式で示 し た よ うに_
P α皿 (7
) α=
P
十2
の関係がある。 (6
) 式の モデル におい て は,
ある 1種の流 れの条 件の も とで, その断 面のすべ ての位 置で p,
q,
S の値が一
定 の値を持つ こ と が仮 定されてい たの み であっ て, 異 な る 流れに お い て まで p,
q, S の値 を一
定と仮定したわ けで はない。
しか し, Nassos
の実 験 値と Lafferty らの実 験 値を π と α冊 の関 係で図 示 する と, 第6
図に示す通 り, ほぼ 比 例関係にあるこ と が わ か る。Nassos
の実験で は, 試 験紛 に ・号
・・チ の管・槻 されて お り・L
… er・y
ら ・そi
・・…i
・・ チ・ も・ ・槻 ・れ・ い ・・ 流 量・も 大 き な変 化が あ り, 平 均ボ イ ド率も 相 当 広 範 囲にわた っ てい る。 した がっ て, 相 当広い適 用 範 囲におい て,p
の 値を一
定 と考え る こ と がで きる。 第 6図の 直線を採 用 す れ ばp =3.
2
の値と決定す るこ とが で き る。 結局,P
十2 α=
α m (1−
xp)=
8(1−
xp)P
覊 唱 !.
o 0.
8 o.
6 0.
4 0.
2 0 0.
2 0.
4 0,
6 第 6 図 0.
8 ユ.
0一
49一
N工 工一
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亅
相 模工業大学 紀 要 第 4巻 第1
号 o.
8 e O.
6 0.
4 0.
2 00 oo 灰=
O,
4】5 ▲ oAo
‘
e ◎ 02 0.
4 0.
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0.
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2 0,
4 0,
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4 o.
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3 0.
2 O.
1 e a=
0.
207 すな わ ち 0.
4rrll (b
) o 0,
6 D.
8 1.
〔レ 00 e α=
1.
60tt(1−
xs’
27) O.
2 第 7 図 (8)式 と実験 値 との 比 較 0.
4 rtR (b
) 0.
6 0、
9 …6i
/
illl
.{
IZ2
5QQe . (・一
… 27・ 1.
0 (10)亀
(8
) に よっ て, α の 分布を推 定するこ と がで きる。 こ の推 定 式に よ る推 定の結 果と, Nassos お よびLafferty
らの 測 定値との比較の例 を 第7
図に示す。 これらの測 定 値が 10% 程 度 あ るいは そ れ 以 上の誤 差 を 含み得る 値である ことは,実験
者 自身
認め る ところで ある。 この点 を 考え れば (8
)式によ る ボ イ ド率の推 定は,
相 当 有効なもの と 考え ら れ る。前報に よれ ば, 気 体と液 体 流 量
Q
σ,
Q
■を も ちい てQ
σ 西=K
β=
=
0.
78
(9
)Q
σ+Q
, として 認 を推定 するこ とがで きる か ら, に よっ て, きる。Qe
,Q
■ か ら α の 分布
を推 定する こと がで8
.
流 速
分 布
気 体と液 体の流速の分布
につ い ても (6
)式 を仮 定す る と,
第2
報 (24A
)式に よっ て 1 β=
P 十s→2
P十q十4
面 P十q十4 (11
> と な る。 (9) 式に よ っ て, β=
可K
である か ら,一 50 一
・一
誰
+s+4・P
+a
+2 ’p+q
+2
}
つ N工 工一
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2相 (気体 と液 体)流れに お けるボ イ ド率 と流 速の分 布の推定 (清 水正 之) 1
.
0 睿 ミ 嘉 30 ユ 0 η究 第 8 図 P十s十2
=
K
(=
=
O .
78
) P十 8+4
亘
2
+q+2 =K
祝 P十q十4 が得られる。 (12) 式から p十s=
5.
077
節に よっ て P二3 .
27
である か ら s=1.
82
の値が決定される。 1.
0 (12) (13) p の値の 推 定に は 10% あるいは そ れ 以 上の誤 差 もあ り得る (系統 的な誤 差 も)実 験 値に よっ た もの で あるか ら,
s=
2.
0 (14) の値を採 用 するこ とに 不 合 理はない。 (第8
図 ) し た が っ て, 第 2 報で 予想した よ うに, ス ラグ流お よ び気 泡 流 に おける速度 分 布は, 単相 流層流の 速度分 布に一
致す る, とい うこ とができる。 さて, 液 体の体 積 流 量QL
は ・・一
!
1
・・一
・… 励 一 押(
・一
禮 調
で あり,
Vm と V との 間に はv・ 一
争
一学
舞/{
・鰯 辛
調
の関 係が あ る か ら, 結局 P,
S に上 記の値を使 用して2QL
v≡
Vm (1−
xs);
(1−
x2) (15) πR2
(1− 1.
28
の と し て,
液 体の 流 速 分布 を 推 定す ること がで きる。気体の速 度に つ い て は, 以 上の資 料か ら論 理 的に 流 速 を決 定するこ とは で きない
。
し か し,
液 体と気 体との速 度 分 布の 様 式に差 違があると考え る特別 な根拠が見 当た ら ない の で,
q;
s;
2 と予 想 するこ と も 無 理 な 推 論で は なさそ うで ある。
g;2
を仮 定した場 合,
気 体の流速 も 同 様に推 定す るこ と が できる。 す なわち,Qe
−
・蹠舞
麗
一L28
・E
…(・
6
)q
十2 _
q
十2
Q
σ 1.
56Qe 衡処=一
初=一
=
p
q 1.
28rcR2d πE2
厨 (17)∴ ・ −
1
畿
σ (・一
・・)(・8・ と なる。 た だ し, こ の場 合には
,
(13) 式に よっ て o爾 =1
と な る か ら, Bankoff の モデル に一
致 する。
少な くとも, 液 流 速 が 極 端に小さい ときに は成立しない もの と考え ら れる。
これらにっ い て の実験 的な検 討お よびよ り広 範 囲の 研 究は現 在 進行中であり, つ ぎの 機 会 に ゆ ずるこ とにす る。
9 .
ま と めこ の 研究 1
,
C よっ てわか っ た 点は ほぼつ ぎの 通 りで あ る。(
1
)環 状 流に対し て, 気 体お よ び液 体の流 量か ら, ボ イ ド率の 分 布 お よび 流体の分 布を推 定 する方 法を得 た。
(
2
> 気泡流とス ラ グ流に対して は,
ボイ ド率の 分布 を 推 定 するこ とができ, 測 定 値と 比較し, 有 効で あるこ とを確め た。
(3> 気 泡 流 とス ラ グ流に対 して,
液 体の流 速 分布を 推定し た。
こ の場 合,
単 相 流 層 流の速 度 分布に き おめ て 近い もの と推定さ れ る。(
4
) 気泡流, ス ラ グ流の領 域に対し て, 静 圧 と動圧 の分布を測 定し た。 とくに, 静 圧は2
相 流 れに お い て も 管 断 面で一
様であるこ とをた し かめ た。10
.
あ と が き 筆 者の2
相 流 れに関 する研究は, 当初よ り現在まで 日 木 原 子 力 研 究 所の山 崎 弥三郎 室 長は じ め多 くの か た が た のた え まない お力 そ えに 員う所の もの である。 相 模エ業 大 学に おける実 験設 備等の購入に対 し て は,
兼子秀 夫 理 事 長, 兼 子 雛 子 常 務理事, 六 角 英 通 学 長の ご尽力を得, ま た井 原 敏 男主任 教 授は じめ多 くの か たがた の お世 話に なり ま した。 ま た, 実験 装置の製作および実 験 等に関し て は,
大橋 宣 竣 助 手の献 身 的な協力を得,
ま た多 くの学 生の協力 を 得 まし た。 深 く感謝い たし ます。 文 献 1) 清水 正 之 : 相 模 工業 大学紀 要,Vol.
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2) 清 水正之: 相 模工 業 大 学 紀要,Vo1.3
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一 51 一
N工 工一
Eleotronio LibraryShonan Institute of Technology
NII-Electronic Library Service Shonan 工nstitute of Teohnology
相 模工業大学 紀 要 第
4
巻 第 1号3
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) 赤 川 浩 爾, 坂口忠 司: 目本機 械学 会 論 文 集, VoL 31 (1965)594.
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