小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究(IV) : 中学校理科各領域の分析を中心として
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(2) . ′ ) 榊原郁子外四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (n. 小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究(W) -- 中学校理科各領域の分析を中心と して -- 榊原郁子 ・ 渡部俊夫 ・ 村山. 1. 研. 究. 登 ・林. の. 目. 重雄 ・ 奥野亮軸. 的. 小・中学校の児童・生徒の理科に対する興味・関心の実態を把握する目的で行なっ た 調 査 の う. ち, 小学校児童における教科と理科各領域及び 中学校 生徒の教科に関する検討は第1報から第m報 ) までで報告した1~3 . 本研究では, 残された中学校生徒の理科各領域についての調査結果の検討を. 中心に報告したい. 第1報及び第m報で, 小学校児童及び中学校生徒の教科に関する興味は, 小・ な変化が, 中学 中学校ともに男女の間に大きな差が認められること, 小学校時代にみられる発達的, 校に引きつかれていくこと などを示 した, また第n報では, 小学校児童の理科各領域に対する興味 や関心度には, 性差が認められること, 男子の場合各学年の理科の各領域の得点順位はほぼ同じで. あるのに対し, 女子の場合は得点順位の入れ替わりが多いことなどを報告 した, 本報 告では, この ような全教科の中での, 理科に対する小・中学校児童・生徒の興味・関心の分析を基礎として, 中. 学校生徒の理科各領域に対する興味・関心を, 小学校児童の興味と関連させつつ, その発達的変動 について吟味を加え, さらに男女の違いに焦点を合わせて検討したいと考える, 小学校高学年から. 中学校にかけ て, 女子の理科に対する興味関心が他教科に比べて極めて低いことを考えると, この ような分析を行なうことによって, 理科に関心のうすい児童・生徒の実態の一面 を, 把握すること. が可能ではないかと考えるからである, もしそれが幾分でも可能であれば, 理科に関心の低い子 ど もの, 動機づけの問題を含めた指導上の手掛りが得られるであろう. . 各領域の内容についても検討 なお今回の調査では, 理科の13領域について調査するだけでなく, できるようにした, 中学校における各領域の内容が小学校とは異なり, それぞれがかなりの多様性. を持ち, 内容面での吟味が必要になるからである, したがって, 今回は各領域の興味を調べるだけ・ でなく, さらに各領域ごとに2~5の内容を示す項目を設定して, 各自の興味により選択させ, よ り詳細な内容的検討も併せて行ないたいと考えた.. 調査対象及び方法 前報で述べた教科についてと同じく, 19 73年2月末から3月上旬にか 1 . 調査対象及 び時期 一であるが, 1 4 空知管内の 校で調査を実施し 対象生徒も教科と同 石狩 集計 分析した けて, , , , , 0名, 合計5 9名であ 記入の不備な どから, 最終的に集計できた数は, 男子2 ,53 ,709名, 女子2 ,23 る.. ) 2 中学校で調 査した理科の領域は, 小学校児童に対して実施した場合と同様に2 , , 調査方法 理科の内容を自然科学の分野と対応させた13領域である, 表1に調査用紙を示したが, 領 域 の 後 に, それぞれの領域の内容説明をかねて, 2~5の項目を付記した, 小学校と中学校における学習. 内容の違いにより, 小学校での領域とは多少異なる.( ) 内に記した40の項目については, 興味・ 関心のもてるものを, 数に制限なく丸で囲ませた, 135.
(3) . ′ ) 榊原郁子外四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (n 表1 調. 査. 用. 紙. 次の理科の各分野について、それぞれ番号の前の [コの中に、その勉強. に非常に興味のあるものには◎、 やや興味のあるものには○、 ふつうの ものには□、 どちらかというと興味のもてないものには△、 全然興味の. もてないものには△を記入して下さい。 また各分野の ( ) の中に記した項目で面白いと思うもの. があったら ぶ くつでも(:: 〕 で囲で下さいQ. I. 力(運動 エネルギー) 2, 電気・磁気(電流 ,電圧 磁界) 3, 光(明る さ. レン ズ. プリ ズ ム). 4. 熱(熱の伝わり方 温度と熱 物質の温度変化 熱と仕事) 5. 音(音の伝わり方 音 の性質) 6, 物質の構造(原子 分子 イオン 物質の三態) 溶解) 7. 物質の変化(酸・アルカリの反応 沈殿反応 テ. 8. 植物(分類 光合成 微生物) 9. 動物(分類 運動 体のつくり 物質交代). 1 0 , 地表の変化G流水のはたらき 地層 11 , 天文(恒星 惑星). 岩 化石 岩石. 地震). 2 1 . 気象(太陽放射 季節 天気) 1 3 , 人と自然(自然の利用開発 公害). 前報と同様に, 「非常に興味がある」 から 「全然興味がもてない」 まで 3 , 調査結果の処理 の記号による 5段階の反応に, それぞれ5から1までの 得点を与えて整理し, これを基礎資料と し て検討を行なった. また各項目については, 調査対象生徒のうちで, 1以上の項目に丸をつけたも. のを記入者と し, 各項目について学年別, 男女別の記入総数を記入者数で除 した値を 記 入 率 と し た, 記入率が高い項目から順に番号をつけて順位とした, m. 結 果 及 び 考 察. 上に述べた手続きによって得点化を行ない, 全対象生徒についての 学年別, 男 1 , 平均得点 ‐1 である, 同時に, 調査対象 女別の平均得点及 び標準偏差を求めた, その結果を示 したのが, 表2 校を前報と同様の基準に従っ て その規模及 び地域別に分類した4つの学校群についても平均得点及 び標準偏差を求め, 比較検討した. その詳細は後で述 べるが, ここに大規模校の全体及び小規模校 3) の全体についての, 平均得点及び標準偏差を示しておく, (表2-2 , 表2- 対象生徒全体の平均得点についてみると, 小学校の場合と同様に, 理科の各領域, 学年, 男女に. よ り 差 がみ られ る. ま た 得 点 の 幅 は, 男 子 で は3 ~ 4 点. 女 子 で は2,5~3,5点 に な っ て い る. 3 点. で普通であるから, 女子は半分近くの領域に対し, 男子もいくつかの 領域に対し普通以下の反応を 示しており, 興味がないという反応を示した生徒が多かったことになる, この点は, す べて の領域 で男女ともに普通以上だった小学校の結果とは, かなり異なっているといえよう, 前報 (1, n, 皿) でもふれたように, 平均得点の数値そのものに絶対的な 意味を与えることは 136.
(4) . I V) 榊原郁子 外四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (. 表 2一 全. 学 性 種. 理. 年 別 類 男 I. 女 男 2. 女 男 3. 女. X. 力 電磁気 光. 熱. 科. 音. 点. 得. 域. 領. 人と. 物構 物変 植物 動物 地変 天女 気象 自然. SD 0,99 1.01 1,00 0,99 1,06 1 ,18 .15 1 ,12 1 ,17 1 ,14 1 ,21 1 ,14 1 .14 1 ×. 2,98 2,83 3.15 2,93 3,30 2,67 2,99 3,66 3,77 3 ,53 3,05 3,43 ,44 3. SD 0.99 1,01 0,98 0,95 1・01 1,05 1,10 1,05 1 .25 1 ,04 1,08 ,05 1 .06 1 2.85 3,71 3,37 2,90 3.01 2.96 2.92 3,21 3,60 3,55 3.98 3,45 3,28. ×. SD 0,97 1.16 1,01 0,93 1,03 1.15 1,08 1,09 1,09 1,06 1,10 1 ,12 ,08 1 13 3,25 2 .50 2,44 3,12 2,76 3.05 2,60 2.78 3,47 3,56 3,33 3,44 3.. ×. SD 0.91 1,03 1,00 0 ,98 1,02 ,98 0,99 1,02 1,19 0 ,89 0,93 1,06 1.04 0 ×. 2,89 3,48 3,09 2,78 2,81 2.86 3,00 3,45 3,74 3,49 3.56 3,25 3,28. SD 0,95 1.14 1 .22 1,06 1,09 .96 0 ,96 1,22 1,19 1,05 1,02 1,04 1 ,01 0 ×. 2,60 2,79 2.87 2,70 2.85 2,43 2,75 3,62 3,68 3,31 2,96 2,95 3,28. SD 0,91 1,11 0,95 0,86 0 ,92 1.12 1,14 0.91 0,93 0,98 1,17 0,98 0,89. 性 種 別 類 x 櫛 x 女. 丁勿. 3.28 4.02 3,55 3,03 3.11 3,36 3,04 3.17 3 ,64 3,67 4,05 3,35 3.39. 物溝 ; 物質の構造. 男. 平. 印. 物変 ; 物質の変化. 地変; 地表の変化. 表 2-2 大 規 模 核 全 体 平 均 得 点 理. 力 電磁気 光. 熱. 科. 音. 領. 域 ノ. \と 物. 構 物変 植物 動物 地変 天女 気象 自然. 3,28 4.02 3.54 3.01 3,09 3.36 3.02 3.16 3,64 3,65 4,03 3,33 3,38 4 1 1,00 1,01 1,00 0 ,15 1 ・17 ,1 ,13 1,09 1 .20 1,13 1.15 1 ,98 1.06 1 2.98 2,82 3,13 2,93 3,29 2,67 2,97 3.65 3,76 3,41 3,53 3,05 3 ,42 0,99 1 ,24 1,03 1 ,07 ,04 1 ,04 1 ,05 1 .01 0,97 0 ,93 0,99 1 ,04 1,08 1. ×. 2,85 3,69 3.38 2 ,46 3,29 ,92 3 .02 2,96 2,92 3,20 3,59 3,58 3,99 3. ×. 2,49 2,43 3.11 2.75 3,04 2,61 2,77 3,48 3,57 3 .15 3,25 ,35 3.45 3. 男 . SD 0 98 1 16 1’ ,13 ,10 1,07 1 ,09 1 ,09 1.06 1 ,08 1 , . ,94 1 .02 1 ,17 1 ,01 0. 女 男. SD 0.91 1 ,03 ,98 1 ,01 1 ,18 0 ,97 1 ,92 1.06 1 ,04 0 ,97 0 ,03 1 ,01 0 ,89 0 ×. SD 0.95 1 1 ,22 1 ,05 1 ,01 1,04 1.22 1,07 1.09 ,20 1 ,05 0 ,96 . ,14 1 ,01 1. X. 女. 2,88 3.46 3,07 2 ,98 3 ,46 3,76 3,50 3,53 3,24 3,29 ,77 2,81 2 ,85 2. 即. 2,58 2,75 2.85 2 ,83 2 ,39 2 .70 3,61 3,67 3.34 2.94 2,95 3.28 ,69 2 0 ,98 1,17 0,98 0,95 .91 0.94 0 ,97 1 .97 1,12 0 ,86 0 ,06 1,11 0 ,95 0. 適当でないので, 以下, 理科各領域間の相対関係, 各領域についての学年間, 男女間の相対関係に ついて, 平均得点をもちいて検討した結果について述べ ることにする. 全体についての平均得点を グ ラ フ で 示 した の が, 図 1 で あ る, こ の よ う に 図 示 す る こ と に よ っ て,,理 科 各 領域 に 対 す る興 味 の 137.
(5) . 榊原郁子外四名:小}中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (W) 性. 種. 別. 類. 男 女 男 女 男 女. ×. 表 2-3 小 規 模 校 全 体 平 均 得 点 科・. 理. 力 電磁気 光. 熱. 音. 領. 域. 物機 物変 植物 動物 地変 天女 気象. 合 奏. 3.28 4 .61 .75 3 ,98 4 ,34 3 ,07 3,62 3 ,18 3 ,38 3 ,34 3 .26 3 .72 3 .28 3. SD 1,05 1 ,19 .00 1 ,17 1 ,08 1.13 1 ,06 1 ,09 1 .08 1 ,09 1 .04 1 .33 1 .02 1 ×. 3 .16 3 .54 .59 3 ,07 3 ,09 3 .38 2 .91 3 .68 3 .16 3 .79 3 ,93 3 ,80 3 ,55 2. SD 1 .27 .41 1 .24 1 .03 1 .15 1 .13 1 ,07 1 ,19 1 ,22 1 ,31 1 .19 1 .12 1,21 1 ×. 2 ,24 .89 3 ,87 3,89 3 ,19 2 ,70 2,90 2 ,33 3,67 3.24 3.89 3.31 3 .91 2. SD 0 ・17 1.05 .04 0 ,94 1.08 1 ,83 1 ,09 0,92 0 ,12 1 .83 0 .99 0 .95 1 ,08 1 ×. 2 ,31 2 ,94 3,20 .57 2 ,48 3 ,28 2,83 3,12 2,57 2,91 3 ,43 3.45 3,09 3. SD 0 ・11 1,08 1 .95 1,05 1 ,99 0.93 .91 1 ,08 1 ,10 0 .11 1,10 1 .28 0 ,85 0 ×. 3.03 3.79 3.28 2,87 2.87 2.96 3.16 3.31 3.63 3,41 3,91 3,36 3,20. SD 0.97 1 .08 0,99 1 ,01 0.89 1.19 1,12 0.99 1.03 0,98 1.07 0,95 1,06 ×. 2,80 3,15 3.06 2.70 3.06 2 .81 3,13 3,65 3.79 3,08 3.20 2.99 3,24. SD 0 ,20 0 ,87 0.89 0 ,90 1,21 1,00 0,93 .92 0,83 0.91 1.15 1 ,85 0 .96 0. 順位や相対的関係が明らかになると考えられるからである, 女子の方が男子に比 べ, 全般的に低い 傾向が明らかに認め られる. また, 男女共に学年の進行につれて, 得点が減少している, 男女差, 発達差に ついては, 後で有意差の検定を行なった結果をもとに, 詳し G並べ ることにする.. 理科の各領域間の相対関係を, 図1の検討から考えてみよう, 男子については, 小学校では得点 の 高, 中, 低 の3 グルー プにわけられた. 中学校でも, 3学年を通し, 電磁気, 動物, 天女, 地表 の変化が高く, 光, 気象, 人と自然が中間, 力, 音, 熱, 物質の変化が低いと考えるこ と も で き る. しかし, 中学校では, 領域間の得点の差が非常に大きいもの, 極めて小さいものな どがいり乱 れているため, 小学校のようにはっきり3つのグルー プにわけるのは困難である. 領域間の相対関. 係において1年から3年に かけて変化の大きい領域は, 植物の低一中一高, 物質の構造の中一低一 低である, いくつかの領域は, 小学校と中学校とで異なるグルー プに属しているが, 全般的な傾向 は, 小学校と中学校であまり変わっていないといえよう. 女子については, 小学校では学年の進行 と共に1位の領域と最下位の領域の得点の差が顕著に 小さくなる傾向があ・ った, これは, 上位の得 点の減少が大きく, 下位の得点の減少が相対的に小さいということによるものであったが, 中学校 では, 下位の領域の得点の減少が大きいため, 1位と最下位の得点差は, 小学校とは逆に, 男子よ り広くな っている, 女子で特徴的なことは, ただ1つの例外 (1年, 気象) を除けば, 第1分野と 第2分野に判然と2分されていることである. 得 点も合わせ考えると, 第2分野は, 余り高くはな. いが, 理科領域内では相対的に興味をもたれる度合 が高く, 第1分野は, 普通またはそれ以下で興 味をもたれていないといえよう, 男子でも, 電気, 植物を除くと同様のことがいえる, これらの特 ) にはみられない. それは当時の単元別に学習 徴は, 1955年に空 知教育研究所で行なった調査結果4. 意欲を尋ねたものであって, 質問項目の設定も異なる為と も考えられる. またその時点での理科の ) も, わ ’6 学習内容と実験設備等も, 今回の調査結果と異なる原因ではないかと考えられる. 鈴木5 れわれ程ではないが, 中学での物理化学教材に対する興味の減少を指摘しており, 傾向としては, われわれの結果と一致していると考えられる, 138.
(6) . おける理科の学習興味に関する研究 (N) 榊原郁子外四名. :小・中学校児童・生徒に・ 図 1 理科各領域の平均得点及び順位. . 楢 斎 変熱 ,. . . 子. f 井沢 ブ 人 J. 地勘 光. 天龍 M ー h 一 C 1年---- -. ◎“”第1分野 ○‐ - -第2分野 ‐. . 2年. . . . 1 r l 斐 - プ 光 斐 人気 J擬音熱 天 地竜後 ^0」十一鑓ト埠ー 鋤◎ n --- o---「o Q d トー l晦噌 r r l l l l. 3年. .. 1年. t. . . 3年. 1. 列. 天 地人. ね 1. 音. 光. 景 変態臭 誼. o-o-o]8」』」』 -仙瀞◎-◎ . . . . 慌. 愈. . .. 1 . . けそ 季 痕 地人 0【(一 」÷十一QO ------ 舟) & 癒◎◎ @ ・ 樽. 平均得点 次に標準偏差について述 べ ると, 領域による差はそれ程顕著ではない, しかし相対的 に 考 え る と, 男子では, 物質の構造が大きく, 力, 光, 熱が小さい. 女子は天 文が大きく, 熱, 音が小さ. い, 小学校では, 得点の高い領域で好嫌の個人差が小さい傾向がみ られたが, 中学校では, 得点の 低い領域に, 興味の有無の個人差が小さいものがみられる. その中で, 男子の物質の構造の標準偏 ) の中で, 「……, こ 差が大きいことは興味深い, 平林は, 小学生に対する原子に関する授業記録7 とにして考え の授業が好きな理由は, 新しい世界に目をひ らいたこと, すなわち, 原子や分子をも′ からな 一方には どうもよくわ が び どもが多い ところ ること ができたという喜 をあげている子 , , , いという感じをもっている子どももいる. 原子や分子のイメー ジをもとにして考えることがうまく いかないらしい, ………そのあたりは多分, 原子論的な思考がうまくできる子 どもと, うまくいか ない子どものちがいかもしれないという気がする.」 と述べている, 中学生についても, 原子や分. 子のイメ ー ジを必要とされる領域の学習は, 同様の傾向を示すものと考え られる, 小学校の6年女 偏差が小さくなるという特徴が見られたが, 中学校にその傾向が継続 子では, 全領域において標準・ して い る様 子 は認 め られ な い,. さきに, 男子の方が全般的に高い得点を示すということを述べたが, その点をさ 2 , 男女差 らに検討するため, 表2-1 の全平均得点を基に して, 男女の差を求めた のが, 表3である. 表中の 表3 全 体. 業. 力 電磁気 光. 熱. 音. 平 均 の. 男 女 差 人と. 物縫 物変 植物 動物 地変 天女 気象 自然. N 0,30 1,19 0,40 0.10 ー0 ,19 0,69 0,05 ‐0,49-0.13 N N ワ ” 0 35 1.27 0,25 0,14 ー0 ,04 ,04 0,36 0,14 ‐0.26 0 ÷ , ‐ N N qv 0,29 0,69 0.22 0,08 ー0 .43 0,25 ー0.17 0,06 ,04 0. I. 無印; P<0 1 ,0. *; P<0 ,05. N 0,23 0 ,04 ,30 ー0 ,52 0 N 0,22 0,54 0 .32 0,03 0,18 0,60 0.30. N 0. ′し N; 有意差な 139.
(7) . 榊原郁子外四名:′ i ・・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 ( I V). 数値は, 男子の平均得点より 女子の平均得点を引いたものであり 有意差の検定を行なった結果も , 附記してあ る, 殆ん どの領域で, 男女の得点差は プラスであり 男子の方が女子より高い関心をも , つことがわかる, とくに, 電磁気, 天女, 物質の構造の領域でその差が著しい. しかし植物では, 女子の方が有意に高い得点を示 しており, 音でもわずかに女子の方が高い得点を示している この ,. 点は, 小学校と同じである, 動物は, 小学校では, 男子の方が女子より顕著に高 い得点を示す領域 であっ たが, 中学1年では逆転し, 2, 3 年でも有意の差がなくなっている点は注目したい 叉 , , 男女差は, 学年の進行に伴い, 小さくなっている, 小学校では 男女差が大きくな る領域が多かっ , たことと合わせて考えると, 理科の各領域に対する興味の程度の男女による差は 小学校の終わり , から中学の始めにかけて最大になっているといえよう 男子と女子の比較を 規模別 .地区別にわ , , , けた4つの学校群に ついても行なったが, 全体に ついて述べた傾向と特にかわ っ た点は認められな. . 3 学年が進行するにつれて, 理科各領域に対する関心度が変化する様相を詳し , 発達的傾向 く検討するた めに, 隣接学年の平均得点の差を求めた 全体の平均得点に ついて 高学年から低学 , , 年の値を引いた数値と有意差の検定を行な った結果を合わせて示したのが 表4である 表にみら , , 表4. 学年差 鰯- ] 力 電磁気 光. 2-1. 3‐2. 男 女 男 女. 全 体 平 均 の. 熱. 音. 発 達 差. 物溝 物変 植物 動物 地変 天女 気象. 鋲. N N N ー0.43ー0,31ー0,18ー0,13ー0.10ー0,40ー0,12 0 04 -0 04ー0 12 ー0 07 0 10 ‐0 11 , , , , , , N N N N ‐0,48■0.39 ‐0.03‐0 .17ー0,25 ー0.07ー0,21-0 ,19-0,21ー0.11 ‐0,09 0.08 ー0,18 N N N N 0 0 ,04 ‐0 .23‐0.28ー0 .12-0,20 「0 .10 0 ,08 0 ,24 0.14 ‐0 ,06-0 ,42‐0.20 N N N N 0,10 0,35 ー0,25 ー0 .06‐0.20ー0 ,17 ー0 .03 0,15 0,12 ー0.02ー0.48‐0.18 0 .03. 無印; P<0 .01. *; Pくo 5 ,o. N; 有意差なし. れるように, わずかの例外を除き, 数値はマイ ナスであり, 学年 の進行につれて 平均得点が減少 , して い る. 特 に 減 少 の 大 き い 領 域 に つ い て み て い く と 男 女 共 に 1 年 か ら 2 年 で は 力 電磁 , , , , 気, 2年から3年では天文があげられよう このほかに 男子の1年から2年 の物質の構造 2年 , , , から3 年の光等の減少が顕著である, しかしこ の中で 男女の電磁気 男子の天女 光の領域は得 , , , 点の減少は大きいにもかかわらず, 得点順位は変わらないか, 1つ下がるだけであり, 領域間の相 対的な関係は変わっ ていない点は注意すべき だろう, 次にわずか の例外である, 学年の進行に伴い. 得点の増加した領域について述べ る, その1つは, 女子の電磁気の2年から3年にかけての増加で ある, これは, われわれが調査した小学校3年から中学校2年までは, 一 貫して得点が減少してい た事と, 得点差が大きいことを合わせ考えると, 極めて興味深いものである. その原因を, 2仝Fぐ 学習する電流回路や電気エネルギー, 電子の単元と3 年で学習 する磁器と電磁誘導の単元とを比べ ることによって探っ てみると, 次のようなことが考えられる, すなわち, 前者では, 電子の動きな どを直接見ることは出来ないため, 感覚的な理解が困難で, なじみにくいのに対し, 後者は, 鉄粉 の動き等で視覚的に把握し得ることによ って, 実在感があり興味をそそられる のではな い だ ろ う か, また, 電流回路な どは, 男子の方が幼児期から, おもち ゃ な どで接する機会が多い, したがっ て, 非常に電気に対する理解度の高い児童生徒が各学級に数人はいるものと思われる, 女子はそう いう児童生徒に対する劣等感 のようなものが影響して, 実際以上にわからない, 自分とは無関 係と. いう反応が強くあらわれるので はなかろぅか, それに比べ, 3年での磁界の学習は, 男女共に, 学 140.
(8) . ●中学校児童● ’ ’生徒における理科の学習興味に関する研究 (W) 榊原郁子外四名:小・. 校での学習によって, 新しく学ぶ分野であり,.先に述べた女子の側にあるマイナスの要因が比較的 .動物 小さ● 得点の増加しているもう1つは, 2年から3年の植物, くなるのではないかと思われる . . ● ・ ‘ . . の領域である, これは男女共に見られるものである. このほかに, 男女共に1年から2年の気象,. 2年から3年の力の分野でわずかな増加が認められる, これらの点については, 小学校時代からの 変化と合わせて, 関心度指数に換算した結果をもとに詳しく述べることにする, 発達的傾向につい ても1 規模別, 地域別の4つの学校群にわけて検討を行なった. 札幌以外の都市の大規模校と小規. 模校に, 上に述べた全平均値に基 づく結果とことなった点が認められた, これは紙数の都合で表を 省略するが, 前者の学校群の男子は第2分野の領域すべてで1年から2年へかけて得点が増加して い る,. ・規模校群では, 1年から2年へかけての得点の減少が大きいのに対 し, 2年から3年にか. けては得点の減少する領域が半数になり, しかもその減少幅も小さくなっている, 残り半分の領域 1みとめられる, また全体で見られた2年か で, 有意差のあるものはわずかであるが, 得点の増加が . ら3年にかけての, 植物, 動物領域における男女の得 点の増大が, 小規模校男子ではみとめられな い, 小規模校にみられ るこのような違いについては, 次の項で改めて検討したい,. 4 学校規模及び地域による差を検討するため に, 性差や発達傾向 , 学校規模と地域による差 の検討, と同様の方法で, 学年, 性を対比させて, 札幌市内の中学校と小規模中学校, 札幌市内と郡 部の中学校を選び, それぞれの平均得点の差を求めた, その結果を表5に示した. 札幌市内の中学. 校の平均得点が高い場合, 表中の数値はプラスである, それぞれの学校郡に含まれる学校数が少な いので, はっ きりした結論を引き出すのは無理と思われるが, この表からもおおまかな傾向は伺い 知ることができるだろう. じめに, 学校規模の違いによる差についてのべ ると有意差のある領域はきわめて少ないが, 小 は・ 規模校の方が高い得点を示す領域が多い. 1年から3年を通じて差があるのは, 電磁気と地表の変. 化である, 電磁気は小規模校の得点が高いが, 地表の変化の領域では1年では小規 模 校 の 方 が, 2, 3年では札幌市の中学校の方が高い得点を示している, また, 3年女子は有意差の認められる 領域が多いが, 小規模校の得点がかなり高い領域が多く, これらはいずれも, 3年女子全体の平均 得点の低い領域である点が興味深い. 次 に, 地 域 に よ る 違い に つ い て み る と, ほと ん ど差 は な い よ う に 思 わ れ る」 わ ずか に, 1, 2 年. 男子に有意差の認め られる領域が多く, 1%水準で有意差のあるものは 札幌市内の中学校の得点が. 高い点を指摘しておこう, 5 前報でものべたように, 小学校, 中学校を通して教科でも, 理科の各領域に . 関心度指数 . おいても, 学年の進行に伴う全般的な得点の減少が認められた. この得点の減少どうりに, 児童 ・生 徒の興味, 関心が減少しているとは考えにくいので, 発達によって, 教科や理科の各領域に対 して より客観的な見方が可能になっ てくることな どが, 得点の減少をもたらすのだろうと 筆者らは考え ている● . そこで, 前報でも述べたように, 発達的傾向を見る際に, 各学年について, 各領域の相対 的な関心度を求めて, それが学年の進行に伴いどのように変化するかを見たいと考えた, そ の 為. に, 各領域の平均得点と全領域の得点を平均したもの (これを総平均と呼ぶことにしている) との 比を用いると有効であることを見いだした. 第1報で示した公式によっ て, 各領域の平均得点の総. 00倍したものを, 関心度指数と呼ぶことにしてきた, 表6に, 全生徒につい 平均に対する割合を1 ての関心度指数を総平均とともに示した. 小学校からの発達的傾向と合わせて検討するために, 第. u報で報告した 小学校全児童の理科各領域に対する関心度指数及び総平均と 表6の値をまとめて, 図2に示した. この図では, 小・中学校で共通でない生理及び人と自然の領域は除外した, また, 小学校の電気と磁気の2領域 は, 中学校では電磁気1領域に, 小学校の化学の領域は, 中学校では . 141.
(9) . 榊原郁子外四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (W) 表5 学校規模及び地域による平均得点の比較. 撰孝箭. 力 電磁気 光. 熱. 音. 人と 物構 物変 植物 動物 地変 天女 気象 自然. 男 0.08 ‐0.12ー0.09-0,10-0,13 0,05 札 I 幌市と小規模校 女 ー0.05-0.39‐0.34‐0,03‐0.27 0. -0,07 ー0 ,28 0,20 0,23 0,18 ‐0.02 0.01 ー0.03 0,01 0.42. 女. -0 ,27 0,09 0,22 0,08 ,14-0 ,07‐0 ,14 ー0.08-0 .05 0,01 ‐0.10 0,06 0.08 0. 男. -0,14ー0 ,09 0,21 ,07ー0,12-0.25 0.16 0.08 0.05 ー0.31-0 ,34‐0 ,24ー0,18ー0. 女. -0,22‐0 .27-0.19 0,01 ,21 -0 ,38‐0.19 0,10 ‐0.28‐0.49-0.38ー0,07‐0,17 0. 男 札 I 幌 市と 女 郡. 0.01 ‐0 .07 0 .15 0.15 ,10 0.03 -0 ,08 0.14 0 ,24 0 ,12 0 .13 0 .02 0,03 0. 3. 部 大 2 規 模被 3. 男. ‐0,16‐0,20. 女. ー0,19‐0.03 0 ,03 0.04 ,14 0.11 -0.02-0,05 0,08 -0,03 0 ,07 -0.03 0.04 ー0. 0. 0 0,13 ー0 .19 0.21 0 ,18 ー0.15‐0.02 0.22 .12‐0.03 0. 男. 0 .15 ,07ー0 ,02 ー0,01ー0. 女. ー0.05 0 ,29‐0 ,03 .04‐0 ,09 0,10 ー0,05‐0.04‐0,11ー0,03ー0 ,04 0.21 -0 ,04 0. 表6. 撰箭暮 力 電磁気 大 規. 男. 模 枝. 小. 女. 男. 模. 女. 0 0,15 0 ,19. 0 0.01 -0,05ー0 ,08 ,23‐0.16ー0 .05‐0.04-0 ,06-0. ー0,10ー0,15-0,11‐0 ,10. 光. 熱. 関. 0 ‐0 ,03 -0,03‐0,13 0.13 0.02 0,20 .14ー0,08 0. *; P<0 5 ,0. **; P<0 ,01. 核. ー0,22ー0,18-0,18-0,41ー0 ,15‐0,18-0,07. 男 2. 規. ー0.19 0.01 ‐0,01ー0,28-0,33-0.32ー0,11. 心 度 指. 音. 無印; 有意差なし. 数 と. 総 平 均. ノ \と 総平均 物購 物変 植物 動物 地変 天女 気象 自然. I. 91. 118. 104. 88. 90. 98. 88. 92. 106. 108. 118. 97. 99 3.42. 2. ・ 86. 112. 102. 88. 92. 90. 88. 97. 109. 108. 121. 105. 100 3,30. 3. 90. 108. 95. 87. 88. 89. 93. 108. 118. 109. 110. 101. 103 3,20. I. 93. 88. 98. 92. 103. 83. 93. 114. 118. 107. 110. 95. 107 3.20. 2. 82. 80. 102. 91. 100. 86. 91. 115. 118. 110. 114. 104. 107 3,04. 3. 87. 93. 96. 91. 95. 81. 91. 122. 1 2勢. 113. 99. 99. 111 2,97. I. 91. 113. 101. 88. 91. 94. 93. 91. 103. 111. 121. 104. 100 3,60. 2. 89. 120. 99. 83. 90. 90. 89. 103. 113. 100. 120. 102. 100 3,24. 3. 92. 115. 100. 87. 87. 90. 96. 101. 110. 104. 119. 102. 97 3,29. I. 91. 92. 101. 87. 106. 80. 94. 113. 117. 113. 107. 94. 105 3,46. 85. 82. 109. 94. 104. 85. 97. 114. 114. 103. 110. 98. 106 3 .01. 90. 101. 98. 86. 98. 90. 100. 117. 121. 98. 102. 96. 104 3.13. 2 3. 物質の構造と物質の変化の2領域に かわっているが, これらは同 じグラフに示 してある. .はじめに総平均についてみると, 男女共に, 小学校高学年 から中学校にかけて, 総平均の急な減 142.
(10) . ′ ) 榊原郁子外四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (n 図・2 小・中学校を通した理科各領域に対する関心度指数の変化 ・ 得 点 ←. . . * q 。 メ ,. 男女蓮. ◎. 男子 /男子. △ .. 評キ均 総. 学年. 植. 物. ; : ; ノ . . 天. .. 文. 地. 震. 電磁 気. 化. 学. ′、 J = ) ÷ ケ . / . 、 , α . 動. 物. 光. , 、 〆も. 気. 象. 力. 熱. 音. 少がみ られるが, 中学校2・3年では緩やかになっ ている, また, 総平均の男女差を求 め た も の を, 図の右上に挿入してあるが, 男女差は, 小学校の3年から6年までは増大するが, 中学校では. ほぼ一定になっている, 小学校の場合と同様に, 中学校でも , 第m報で報告した理科 の 平.均 得 点 ・ と, 総平均を比較すると, 小学校男子でみられた理科の平均得点の方が総平均より高いという傾向 は, 中学校でも変わらず, その差は増加する傾向がある. また, 小学校女子でみられた総平均の方. .てもわずかに認められるが, その差は が理科の平均得点より高いという傾向は, 中学校女子につい 極めて小さくなっている. 中学校女子の場合, 個々の領域に対する関心度の平均されたものが理科. という教科全体に対するイメージを形成しているのに対し, 男子の場合は, 好きな領域に対する関 心が理科という教科全体に対する関心につながり, あまり興味のない領域のことは, 意識されてい な い の では な かろ う か,. 小学校の場合, 調査は好きか嫌いかという質問であ ったのに対し, 中学校では興味があるか, 興 味がもてないかという質問になってい る. 女子の場合, 中学になっ て普通以下の反応が急に増した の は, こ の よ う な 質 問 の こ と ば の 違 い が 影 響 して い る の で は な い か と い う 懸 念 が あ っ た. しか し総. 平均の減少カー ブが, 小学校, 中学校を通して連続的な変化を示しているので, 上記の問題点は, 影響があるとしても, 極めて小さいものであろうと 思われる, 143.
(11) . ′ 榊原郁子ク ト四名:′ j ・・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (n ). 次に, 各領域の関心度指数の変化について述べ る. 第2図をみると, わずかの例外を除き, 各領 域に対する相対的な関心度は, 男子も女子も同じように変化していること がよくわかる, 理科の個 々の領域の授業が, 生徒に理解され, 生徒の興味を引き出しているかどうかという点については, 男子と女子で大きな違いはないと思われる.. 個々の領域についてみていくと, 光, 熱, 音の領域は, 男女共に小・中学校を通し, 殆んど変化 していないといえよう. 化学 (中学校では, 物質の構造と物質の変化) と力の領域は, 学年の進行. と共に, 相対的な興 味, 関心度は低下 している. 一方, 小学校では, 変化の小さかった, 天文, 気 象, 地質 (地表の変化) の領域は, 中学校に入ると相対的な興味・関心が大きく 増大している. し かし, 学習の機会が中学1年のみの天女は中学3年で大きな減少を見せており, 1, 2年では学習 す る が, 3年では学習の機会のない気象も3年で少し減少している, このような学習直後には興味. 関心が増すが, 時間がたっと減少するという傾向は, 他にも見られており, 児童生徒の理科に対す る興味関心に, 学校の授業が大きな影響を与えていることを示すものとして興味深い. 電磁気は, 女子の場合, 下がる一方であっ たのが, 中学3年で急に上がっ ている, それに対し, 男子は, 小学 校の電気と磁気が逆の変化を示しているので, 複雑になっ ているが, 中学1年が ピークで, その前. 後では減少している. 植物と動物は, 男子の場合, 植物は小学5年で, 動物は中学1年で落ち込み があ るが, 全般的には学年の進行と共に相対的興味関心は増大しているといえよう. このような生 物の領域での興味の増加は, 学習の機会が多くなること, 第 一分 野に比べ 理解しやすいこと等が原. 因と考え られる. また, 新教科書の生物分野では, 比較的新しい知見に基 づく興 味深い教材がとり 入れられている点も, 生徒の興味を増しているのではなかろうか, 各学年の関心度指数の最高値は, 男女共に, 小学校に比 べ高くなっている. 一方最低値は男子は. 変わ っていないのに対し, 女子は低くなってい る, このことか らも, 領域に対する興味の有無の差 は, 中 学 校 で よ り 広 が っ て い る と い え よ う,. 理科に対しての興味・関心と, 理科の各領域に対するそ 6 . 理科とその領域の関心度の相関 れとの関係を検討するために, C中学校の生徒について, 相関係数 (r) を求め表7に示した. 表7. 理科と理科各領域に対する興味・関心の相関. 学年性別 生徒数 力 電磁気 光 I. 2. 3. 熱. 音. 物構 物変 植物 動物 地変. 天交1気象. 男. 1 48. .22. ,10. .20. .24. ,12. ,24. .18. .03 一・07. .06. .10. ,06. .03. 女. 133. .43. ,32. .29. .43. .31. .30. .31. .19. ,27. ,13. .15. .14. .03. 男. 145. .19. .48. .18. .29. .17. ,25. ,26. .15 -.09. .04. ,23. ,24. .22. 女. 136. .12. .21. ,34. .30. .13. .35. .20. .29. ,29. ,29. ,25. ,20. ,16. 男. 163. ,27. .34. .20. .31. .26. .39. ,29. .31. .24. .41. ,39. ,36. ,11. 女. 122. .49. ,37. .43. ,46. ,15. .42. .49. ,43. .34. ,47. .28. .16. ,18. 全般的に1, 2年での相関はわりに低いが, 3年では殆ん どの領域に有意な相関がみられる. ま た, 1年では男女と も第2分野に比べて第1分野の相関が高いが, このような傾向は 2, 3 年 で は ) は, 理科への好嫌と物理化学教材, 生物教材, 地学教材への興味との関係 み られない, 鈴木5 ,6. を調べてい る, その第1報では, 中学3年生について, 理科の好きな子供は物理化学教材に, 嫌い な 子供は生物・地学教材に興味を 持つ傾向を示 している, さらに調査対象生徒を拡大して行なった 第ロ報の結果では, その傾向がみられない, われわれの得た結果は, 鈴木の第ロ報と一致する, 144.
(12) . v) 榊原郁子外四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 ( i. 領域別にみると, 3学年を通して, 男女とも物質の構造, 熱, 光に有意な相関がみられ, 女子で はさらに, 動物, 物質の変化, 電磁気にも有意な相関が認められる. これらは, 動物を除いていず れも関心の低い領域であり, しかも第1分野である, 人と自然についての相関は一 般に低いが, こ れはこの領域が他の領域とその学習内容に幾分の違いを持つからであろう. また, 気象, 音につい ての相関もわりに低いが, 後者については, 中学で学習 しないことにもその原因の一 つがあろう. 7 各領域の内容を示す 項目のそれぞれについて, , 理科各領域内容の項目につい ての関心度 男女別に学年 ごとの記入率と順位とを 表8-1 ,2 に示した, 領 域. 力. 目. 項 運. 1 年. 表 8‐1 理科の項目別にみた興味・関心傾向 (男子) 領 2 年. 3. 年. 頂位 率 順位 率 1 噴位 率 ー. 動 ,176 29 .128 31 .205 曇.5. エネルギー 電 気 電 ・ 流 ・ 圧 磁 電 気 磁 界. ,329 12 ,217 15 .212 19 .515. 3 .403. ,282 16 ,308 12 .412. し ・ ソ. やム プ リ ス. 剃L. 熱の伝わり 方 温度 と熱 物質の温度 変化 熱と仕 事 音の伝わり. 音. 方 音の性質. 物 原 質 の 分 構造 イ. ,398. 9 .312 11 ,323 7 ,356. 7 .271 14. 物質の三態. 溶. 2 年. 年. 3. 率 順位 率 順位 率 順位. 類 ,181 28 ,144 30 .174 29 成 ,160 31,5 ,188 21 .310 11 9 ,295 12. 動 分. 類 .233 21 ,211 19 .207 22,5. 運. 動 ,201 24 ,168 26 ,205 24,5. 物 体のつくり ,390. 物 質交代. 8 ,422. 4 .480. 3. .108 39 ,106 34 ,120 34. 流水のはた 141 34 173 24 101 36 5 , , . , らき. 地 地 表. 層 ,278 17 ,216 16 .290 13. ,102 40 ,069 40 ,088 39. の. 石 .527. ,160 31 ,5 ,097 36 ,108 35. 化. 変 岩 化. 2 ,471. 3 ,504. 2. 石 ,203 23 ,183 23 .211 20,5. 地. 震 .337 11 ,361. 6 ,331. 8. ,171 30 ,162 28 ,133 32. 天 恒. 星 .454 4.5 .485. 2 ,388. 5. ,292 15 .214 18 ,211 20 .5. 女 惑. 星 .670. I ,525. I. .120 37 ,094 37 ,122 33. 4 L2 16 .182 27 ,123 32 ,2 ,127 35 .185 22 ,181 27. 酸・アルカ 209 22 162 2 8 ,220 18 , , リの反応. 沈殿 反 応. 1 年. .125 36 .087 38 ,079 40. 子 ,267 18 .162 28 ,136 31 ン. 光 合. 目. 微 生 物 .308 14 ,319. 9. 子 ,454 4,5 ,206 20 ,178 28. オ. 物. 4. 明 ・ る さ ,117 38 .098 35 ,093 38. 光. 植 分. 5 ,314 10. も9 15 4 ,338 10 ,288 13 ,2. や 355 ス ,. 域 項. ,145 33 ,075 39 ,231 17. 解 .186 25 ,116 33 .101 36.5. 気 象 人 と. 太 陽放 射. I ,665. .323 13 ,227 14 .187 26. 季. 節 .185 26 .172 25 .170 30. 天. 気 .236 20 ,347. 自然の利用 開発. 目 公 然. 8 ,341. 7. ,249 19 ,215 17 ,207 22,5. 害 ,415. 6 ,315 10 .363. 6. 記 入 者 数. 802. 796. 706. 調査生徒総数. 909. 905. 902. 不記入者 (1つも丸をつけなかっ た者) は男女とも3年に多く, 各学年とも女子にや や 多 か っ た, この不記入者は, 理科に対して非常に興味があると表現した者の中にもかなりみられ, 理科に. 対する関心と直接の関係はないようであ る, 記入者1人当りの平均記入項目数は, 男子では 1 ,2 ,3 年 そ れ ぞ れ 10 .7, 9,3, 9,5 で, 女 子 で は 7,6, 6,2, 6,6 で あ り, 男 女 と も 2 年 で最 も 低 い, ま た,. 理科に対する関心度についての5段階別に, 1人当りの平均記入項目数を検討した結 果 に お い て 1 4 5 ..
(13) . ′ ) -原郁子外四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (n 1 副. 表 8-2 理科・の項目別にみた興味・関心傾向 (女子). 領 域 項 力. 目. 運. 年. 2 年. 領. 3 年. 率 順位 率 順位 率. 順位. 動 ,207 16 .085 28 .161 21. エネルギー .158 23 ,091 26 .073 32.5. 電 気・ 電. 圧 .047 39 ,069 33 .,094. 28. 一. 界 .118 28,5 ,058 34,5 .232. 明. るr さ ,134 25 ,107 25 .084 30. レ. ソ. 熱の伝わり. 方 温度と熱 熱 物質の温度 変化 熱と仕事 音の伝わり 方 音 音の 性質. .180 19 .258. 6 .172 19. 年. 3. 順位 率 順位 率 順位 率 1. 類 .299. 6 .202 10 .190 13. 微. 生. 7. 動 分 運. 物 ,279. 8 .241. 類 .291. 7 .199 12 .182 15. 7 .233. 動 .196 18 ,114 24 ,175 17.5. 6 物 体のつくり .38. 物質交代. 4 ,319. 3 ,440. I. ・077 35 ,048 37 .073 32.5. 流水のはた 088 32 128 21 070 34 5 . . , , らき. の. 化. 変 岩 化 地. 層 .236 12 .193 13 ,202 10 石 .429. 2 .372. 2 .379. 2. 石 .165 22 ,115 23 ,109 36 震 .208 15 ,214. 9 .194 12. .249 10 ,5 ,163 16 ・177 16. 天 恒. 星 ,307. 5 .316. 4 ,1 75 17,5. ,212 13 .153 17 ,106 27. 女 惑. 星 .509. I .479. I ,339. 4. 子 .121 27 .081 29 ,043 39.5 太 陽 放 射 ,091 31 .079 30 ,050 38 気 節 .270 9 .201 11 ,207 9 子 .069 37 ,087 27 ,043 39.5 季 才. ,037 40 ,023 40 .132 24. 物質の三態. 43 18 .162 20 ,075 36 ,1. 物 酸・アルカ 質 リの反応 の 沈殿反応 変化 溶. 2 年. 5. .082 33 ,045 38 .083 31. .080 34 ,039 39 .065 36. 年. 合 成 .211 14 .180 15 .281. 地 地 表. .108 30 .076 31 .070 34.5. 1. 光. ,125 26 .072 32 .091 29. ソ. イ. 物. や 206 17 188 14 200 11 ス , , ,. プ リ ズ ム. 目. 項. 植 分. 8. 磁. 物 原 質 の 分 構造. 域. 流 .174 20.5 ,126 22 ,156 23. 磁 電 気. 光. 1. .249 10.5 .140 19 ,184 14. 象. 人. 気 .147 24 .232 8 .235 6 自然の利用 .174 20,5 .136 20 .124 25. 天. と 開発 目 公 然. 害 .426. 3 .313. 5 ト368. .050 38 ,049 36 .157 22. 記 入 者 数. 678. 693. 解 ,118 28,5 .058 34,5 .053 37. 調査生徒総数. 850. 867. 3. 821. は, 記入数は理科に対しての関心の高低に 比例 した, 第1分野の各領域が, 第2分野の各領域に比べて, 一般に低い平均得点であることは, 1で述べ た, したがっ て, 第1分野の各項目につい ては, 高順位のものは少ない. 第1分野で, 男女とも高. 順位であるのは3年の磁界, 2年の プリズムであり, これらの項日は該当学年で学習 している, こ れは学習結果が, 興味関心を高めている例であろう, 女子で, 昔の2項日, レンズ, 酸・アルカリ の反応も比較的には高いが, それ以外は低順位である. 男子では, 電流, 電圧, 磁界, レンズ; プ リ ズ ム と, 1 年 で の原 子, エ ネ ル ギ ー で 高 い 順 位 が み られ る.. 第2分野では, 男女ともに天体についての関心が最も高く, 化石がそれに次ぐ, 公害 に つ い て も, 男女とも関心が高いと言えよう. 体のつくりについても男女ともに高く, 学年発達でさらに上 昇する, 公害, 体のつくり, 地層, 岩石, 化石な どについて, 地域や学校規模による差は殆んど認 め られ な か っ た.. 学年間での順位の変動は, 全般的にみて, 女子の方がやや大きい, 音について, 男子はその性質. 146.
(14) . 榊原郁子外四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (N). に, 女子はその伝わり方に相対的に高い値を示し, 物質については, 男子では構造に, 女子では変 ) は中学生女子の物理化学教科への興味は, 化学実験に集 化にやや高い値の項目がみられ る. 鈴木5 中していると述べている. われわれの結果でも物質教科の中においては, 酸・アルカリの反応につ いて女子がかなりの関心を示している, それは, この項目が有効な視覚化を行ない易い内容を含む ことによるものと考えられ, 鈴木の結果と通じるものがあ る, W. 要. 約. 石狩, 空知管内を中心と した中学校生徒約5 00名を対象と して, 第m報に引き続き, 理科の各 ,2 領域に対する興味や関心度を調査検討 した, その結果明らかになった点を要約すれば, 次のように な る,. 1) 全般的にみて, 男女とも関心が高い領域は, 動物, 天文, 地表の変化であり, 低い領域は, 熱, 物質の構造, 力である. また, 男子では電磁気が高く, 音, 物質の変化が低い, 女子では, 植. 物, 人と自然が高く, 電磁気が低い, 男女とも第2分野に比べ第1分野に対する興味が低く, 女子 で こ の 傾 向 が 著 しい,. 2) 領域に対する関心度には性差がみられ, とくに著しいのは, 電磁気, 天女, 物質の構造 (男 >女) , 植物 (男<女) である, 3 ) 中学校では, 男女ともに関心度得点の中は広く, 得点順位の変動も小さい. 4) 発達が進むにつれて, 男女ともに関心度得点は減少する傾向を示す, 5 ) 学校規模, 地域別の検討では, 規模による差は ・さく, 地域差も顕著でない,. 6) 関心度指数による小学校を含めた検討では, その発達的変化の様相は, 男女ともよく似た傾 向を示す,. 7) 理科と理科の各領域に対する得点の関係をみると, 1, 2年では低く, 3年では殆んどの領. 域に有意な相関が認め られる.. 8) 理科の各領域の内容を示す項目に対する関心度でも, 第1分野に比べ第2分野に関心の高い. 項目が多い,. あ. と. が. き. われわれは, 4回にわけて, 小・中学校における教科と理科の各領域に対する学習興味について 一般的傾向や問題点などに 検討した結果を報告した, その中で, 学習興味の性差や発達についての一. 関して考察を加えてきたが, 残された問題は極めて多いと考えられる, この調査の終了にあたり, これまでの反省と今後検討すべ き課題について考えてみたい, 第1報にも述べておいたように, 研究の主要な目的は多数の対象を調査することにより, 普遍的. な基礎資料を得るこ とにあった. 調査の結果, 限られた対象の調査から一般的結論を導き出すこと は危険であり, 或る程度, 調査対象の拡大が必要であることが判った. しかし, 多数の資料の分析. は, 平均に基く 一般的傾向をみるための統計的な検討に終始せざるを得ず, 精々, 地域, 学校規模 に よる検討に終っ てしまった, 現実の学習指導を考える場合, 個々の学校, 学級についての分析, さらに個々の児童・生徒の問題まで掘りさげることが必要になる, この点に関しては, 膨大な資料. の分析のため, 部分的な検討しか出来ず, 今後検討を深めなければならない方向と考えられる, )も指摘しているように, 学習興味の調査を考える場合, 種々の方法があり, その違 次に, 清水8. いによって, 結果 が必ずしも一致しないという問題も生じてくる. したがっ て, 調査方法による吟 味も今後の課題として残される. 147. ‐ ..
(15) . I V) 榊原郁子外四名:小・中学校児童 ‘生徒における理科・の学習興味に関する研究 (. さらに, 今回の調査は, 小学3年生より中学生までが対象となっ ている. 学習興味の発達を考え ると, 当然, 小学校の低学年, 高等学校についての調査も必要になっ てくる, 最近, 小学校低学年 l o ) ) の理科についての検討や9 , 高校において物理, 化学分野へ興味を持たせる問題 が論ぜられてい る. このような点に関しても, 今回の研究に基 づいて, 検討を深めなければならないと考える, なお, 上述のことと関連して, 今回の調査は横断的な研究であり, 発達の問題を考える場合, 同 一対象を追跡する縦断的研究 が必要になる. そのためには, 調査対象をしぼった, 長期にわたる検 討が必要であり, この点も考えなければならない問題である. 本研究は北海道科学研究費の助成を受けて行なわれたものの一部である. この調査にあたり御協力い た だ い た 小・中学校の諸先生, 児童・生徒の皆様に感謝の意を表します, 文 1) 村山 登・林. 献. 3 重雄・奥野亮輔・榊原郁子・渡部俊夫, 1 97 , 小・中学校児童・生徒における理科の学習興. 味に関する研究 (1) , 北海道教育大学紀要IC, 24,. 1, 29‐46 ,. 味に関する研究 (口) , 北海道教育大学紀要IC, 24,. 2, 138‐153 .. 2) 林. 重雄・奥野亮輔・榊原郁子・渡部俊夫・村山 登, 197 4 , 小・中学校児童・生徒における理科の学習興. 4 3) 奥野亮輔・榊原郁子・渡部俊夫・村山 登・林 重雄, 197 , 小・中学校児童・生徒における理科の学習興 味に関する研究 (m) , 1, 印刷中, , 北海道教育大学紀要IC, 25 秦縞・中学校編, 8‐ 1 4 4) 空知教育研究所, 1955 . , 空知理科教育課程構成資料, 小学校 131 5) 鈴木正之, 1 969 , 2, 129- , 理科の教育, 18 . , 理科教材に関する興味調査 (1) 4‐ 405 6) 鈴木正之, 197 0 , 6,40 . , 理科の教育, 19 , 理科教材に関する興味調査 (口) 4-13 1 3 7) 平林 浩, 197 , , 11 , 授業書く気体と燃焼〉にかかわるいろいろなこと, 科学教育研究, 10 7 4. 8) 清水利信, 1 96 学習興味と成績, 児童心理, 19 , 6, 5 1- 183 ) 寺川智祐, 197 4 9 , , 3,18 , 低学年理科は廃止すべきか, 理科の教育, 23 集 ‐ 3 全国理科教育大会特 5 2 8 9 10 ) 日本理化学協会, 197 . , ,. (本学助教授・榊原郁子外四名, 岩見沢分校). 148.
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