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アツシ織布の引張り特性に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)Title. アツシ織布の引張り特性に関する研究. Author(s). 長澤, 徹; 林, 浩一; 三浦, 朋睦; 桶作, 高子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. A, 数学・物理学・化学・工学編, 37(1) : 95-107. Issue Date. 1986-10. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6126. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第2部A) 第37巻 第1号. lo fHokka i do Un i i i Sec i t t Journa t ver s on( on 江 yofEduca. 昭和61年10月. A)VO 1 ,37 .1 , No. Oc t ober ,1986. アツシ織布の引張り特性に関する研究. 長. 揮. 三. 浦. 徹・林 朋. 睦・桶. 浩 作. 高. 一. 子*. 北海道教育大学釧路分校機械工学研究室 *北海道教育大学釧路分校家庭科研究室. AStudy on The Tensile ProPerties of の彰s Fabrics Toru NAGASAWA Koi chiHAYASHI ,. * Tomochi ka ルー 1URA and Takako oKESAKU Labora fMechan i IEng i i i t l l l d i do Un i i i oryo t ca neer ng ro Co t ege く a ver s on yofEduca , Kush , Ho , Kush i ro085 * Labo fHome Bconomi t i l ー i do Un i ra oryo i cs i ro Co t t ege ver s on yofEduca , Kush , Hokka , 1 くush i ro085. Abstract we have exami i 1 i i ned the tens e propert es of の加s f i i abr cs that are made of 。hy。 or sh nan。k i h f fS i ber t S i t fd i t t i h u h s n ec o n c e ress‐ ranasa way o scoverngt estre fthef i g p o l l abr cs gt o , . We have i l i i i i t t th those of cot i i r tens e proper ton and l es wi nadd on compared thei nen f abr cs by means of a i i i tens on test croscop c observat on and other tests , , mi i We summar ts: ze 。ur resul i ha 1 he concept ofStressStraini ) We conf tthe use oft rm t f i t s comparatiVely ef ec ve as a means of i i compar ng the st rength ofthe f abr cs ,. ‘ l i fohyof i l ls 2 i 1% or2% s ence o i )The resi t ha t abr csi ntheregion ofasma t t r n( )i a r a n sbet erthant. i i nenf abr cs ofcotton and l . l i i i i h 3 tyandthetensi i l i thoughthel )A1 e energy 。fSh near nanokif abr csare greater enceandthe ,t eres l i fsh iless than those ofohyo f i i e ongat on 。 nanok abr cs ,. 1, 緒. 言. 近世までアイヌの人々が着用 していた衣服は大別 すると獣皮衣, 樹皮衣および草木衣に分けられ (95).

(3) . 96. 長浬. .徹・林. 浩一・三浦 朋瞳・桶作. 高子. る. このうち, 樹皮繊維を用いて製作された衣服の代表的なものが 「アツシ」 と呼ばれるもの であ る.. 「アツシ」 の原料は, 現在我々 が着用 している植物繊維とは異り, 山間部に自生している樹木か. ら得 ら れ る. そ の 中 で 主 な 樹 木 を 挙 げる と オ ヒ ョ ウ, シ ナ ノ キ, ハ ル ニ レな ど で あ る が, 中 でも 良 ) 質 の 「ア ツ シ」 の 原 料 に な る の は オ ヒ ョ ウ であ る と 言 わ れ て い る1 ,. 一見, 厚くて重量感があり, 身体にな じみにくい素材で作られた 「アツシ」 はどのような機能を. 持 っ て い た の で あ ろ う か, ま た, ど の よう な 過 程 で 人 体 に な じん で い っ た の で あ ろ う か な ど の 様々. な疑問点がある. 今まで, アイヌの人々の生活文化, 和人との関わり合いについての文献や, アイヌの衣服の文様, ) 3 )などについての研究はあるが 現在まで樹皮衣や草木衣に対する性能研究はほとんど見あ , 形態2 , ) た ら な い4 ,. }へと研究に取 我々 は昭和58年度より樹皮衣の性能を検証するために, 樹皮の採取から性能試験5. り 組 ん で き た,. 本研究では, オヒョ ウおよびシナノキ織布を用意し, それぞれたて方向, よこ方向における引張 り試験や伸長試験を行い, アツシ織布の引張り特性を明らかにする事を目的としている, さらに現 在用いられている植物繊維である綿布, 麻布との比較検討を行うものである.. ) )の 単 位 が用 い ら れ て ・7 従 来, 種 々 の 織 布 の 強 さ を 表 わ す 手 段 と して, f/cm, kg f/D など6 . kg. きた. しかしながら, オヒョウ織布と綿布のように素材の糸の太さが極端に異な● る試料で, 織布の 強さを比較する場合従来の方法では困難な点が多い, そこで, 今回は試みとして織布の強さの比較 を行うため, 応力の概念を導入 し織布の強さを求めた, アツ・ シの原料 である繊維皮の組織観察や基 本的性能試験も合わせて行った,. 2. 実験方法 2-1. 供試材料および試験片〉. 昭和60年5月に採取したオヒョ ウとシナノ ・キの内皮を, 長期間水槽などに浸すゞ 浸した後の内皮 ・ は7~8枚に薄くはがれ1枚毎の繊維皮となる, 繊維皮の詳しい精練過程については, 参考文献( 5 ) . 糸の原料とする を参照されたい. この繊維皮を乾燥後, 長さ l m, 幅 4 ~ 5mmに 裂 き, . 試験に際して, 各実験結果の誤差を少くするためオヒョ ウとシナノキの繊維皮 (4~5m m幅) の l mあたりの重さが極端に異なるものは除外した.. 引き裂いた繊維皮そのままのもの (無撚糸という) と甘撚りをかけたもの (撚糸という) を用意. し, さらに, それぞれの糸で織 られた布を製作して試験片とした, 糸の場合, 無撚糸および撚糸の標点間距離をloom mとし, 両端につかみ部を作り引張り試験片と. した.. 織布の場合は両方の糸密度を同一にし, 試験長 (標点間距離) をloom i 試験幅を50m m mの試験片. と して そ れ ぞ れ 5 ~ 6 枚 製 作 し た.. オヒョウの無撚糸および撚糸の試験片の外観を写真1に, オヒョウ織布とシナノキ織布の試験片 の外観を写真2に示す,. (96).

(4) . アツシ織布の引張り特性に関する研究. 97. … ノ 、 」. ; ・ i. 写真2 オヒョウ織布とシナノキ織布の試. 写真1 オ ヒ ョ ウの無撚糸と撚糸 の 試験片の外観 2 -2. 験片の外観. 組織観察. オヒョ ウおよびシナノキの繊維皮の組織を見るために,透過型顕微鏡(ME‐M 型. ユニオン光学). を用 い, 幅5 × 5mmの試 料 の ミ ク ロ 観 察 を 行 っ た. 観 察 は50倍 で 行 っ た.. 2-3. 基本的性能試験. オヒョ ウ織布, シナノキ織布, 綿布および麻布の基本的性能を調べる ため, J I Sで規定されてい 8 ) る試験方法 により, 厚さ, 平面重, 見掛けの比重, 糸密度などを測定した. 厚さの測定にはダイ. ヤルシッ クネス ゲージ (G 型:東洋精機) を用い, 各試験片につき10ヶ 所測定しその平均値を採 用した. 測定において, 加圧が落ちつくまでの時間は10秒とし, 一定加圧のもと で行っ た.. 比較に用いた綿布はカナキン3号 (J I S 規格) , 麻布はテス ト用標準布 (衣生活研究会頒布) で. ある.. 2 -4. 引張り試験および伸長試験. 引張り試験などはロー ドセルタイ プの引張り試験機 (容量500k 00C :島津製作所) を g , SD -5. 用 い, 試 験 速 度 を25mm/ mi n と し て 行 っ た. チ ャ ー ト紙 送 り 速 度 は500 mm/ mi n で あ る, こ の 引. 張り試験機はデーター レティ (403型 :島津製作所) と直結されており, 試験結果が即座にチャー ト紙上に打出される機構となっ ている. 各試験は, 設定温度20±2℃, 相対湿度65± 2 %の環境試験室で行った,. 試験速度25mm/mi n で引張り荷重を与え, 試験片が破断する時の荷重と伸 a) 引張り試験 びを 求める事により, 応力とひずみを算定した.. 引張り試験と同様に試験速度25mm/mi nで行い,たて方向は標点間距離の2 %, よこ方向は1%まで負荷を与えた後に, 同一速度で除荷を行う, これを1サイクルとし, 曲線で囲 b)伸長試験. まれる面積すなわち各々のエネ ルギー値を求める事により, 引張り直線性, i i t r nea y) , 引張 ,(LT;L i i り 回復率 (RT;Res l i l nce) お よ び 引 張 り エ ネ ル ギ ー (WT;Tens e Energy) が得 ら れ る. 以 下 図. 1に基づいて, 引張り直線性 (LT) などの定義の説明を行う,. (97).

(5) . 98. 浩一・三浦 朋睦・桶作. 徹・林. 長津. 高子. P :荷重 (Load) A :伸 び (E1 i t onga on). Pm :最大荷重 入m. :最大伸び. の:負荷時の荷重 p′:除荷時の荷重. RT=. Wた i t E1onga on. 耐. ). 図1 負荷, 除荷における荷重-伸び曲線 2 -5. 応力の概念の導入. 緒言でも述べたように, 糸の太さすなわち断面積を考慮し, 強さの比較を容易に行う事を考えた.. この考えは, 金属材料などの強さを表わすのに用いられている応力の概念であり, 試験片の幅と厚 さを測定 し断面積を求め, 単位面積あたりの荷重すなわち応力(Sかess ) で強さ を表わすもの であ る, 以下において, 応力とひずみの概念の説明を簡単に行う. 2 図2で示されるように, 断面積 A(mm ) を有する試験片に荷重P(kg) を加えた時, 材料内に生 じる抵抗力すなわち応力 び は ぴ= P/A(kg/mm2 )で表わされる. これは一般に強さ(Sかeれ9劫)と d : Stress. P. d=. ÷. (kg/mm2}. Pil ‐oad. 卿 [ ( 「 p. A; 鐙 s-sec i t ー ona ま. / /// /// / /. e : Strain ー. -△ ー 。. ー‐ー 。. -ン/ シ. ー。. //////. ー i i t aー Length 。;ln △ー;Eーongat ion E : Tensil eEnergy. wT= ÷ = ★ 図2. (9.cm/ cげ). 応力と ひずみの概念の説明図 (98). P.

(6) . ア ツ シ織 布 の 引 張 り 特 性 に 関 す る 研 究. 99. 呼 ばれ る も の で あ る,. 初期長さZ o で 表 わ さ れ, oの試験片 が負荷を受けた後に, 長さ ”こな っ た 時 の伸 び 郷 は 4Z=Z-Z ( Sか れ ) 初期長さに対する伸びの比をひずみ e といい, e=”〃。=( α Z- ◎/Z oで表わされる. ひ ずみは, 従来用いられている荷重-伸 び曲線における伸び率 (%) と全く同じもの である. .g・cm/cm2のように単位面積あたりのエネ ルギーで表 また, 引張りエネルギー (WT) は従来, 3 わされているが, g・cm/cm のように単位体積あたりのエネルギーで表示する方法が合理的である と 思わ れる. 本論文では, 糸およ び織 布の強さを表わす単位として応力 びを用い, 伸 び率を表わすものとして ひずみどを採用 した. 以下の説明中に使用されている伸びという言葉は, ひずみを意味している.. 3. 実験結果および考察 3-1. 組織観察結果. オヒョウおよ びシナノキ繊維皮の組織写真を写真3と4 に 示 す. 写 真 で 見 ら れ る よう に, オ ヒ ョ ウ, シナノキとも細い繊維の一部がお互いにく っつき合っ た網目状の繊維皮となっているのがわか る, さ ら に, 繊 維 と の 間 の 空 隙 の 形 を 見 る と, シ ナ ノ キ はた て 方 向 に 細 長 い形 を して い る が, オ ヒ ョ. ウの方は全体的に丸みを帯 びている, 又, オヒョウ, シナノキの繊維の断面は円形よりもむしろ楕 円形に近い形をしている事が測定結果より明らかになった.両者の繊維皮の肌ざわりを比較すると, シナノ キ の 方 が 滑 ら か で あ り, オ ヒ ョ ウ は ザ ラ ザ ラ し た 感 じで ある. 繊 維 のつ な がり も シ ナノ キ の 方 が密 で 固 い, シ ナノ キ の 色調 は, ベ ー ジ ュ 色 に 近く, オ ヒ ョ ウ の 方 は や や 赤 味 がか か っ て い る.. 写真より, オヒョ ウおよ びシナノキ繊維皮の繊維が一本一本とれない事がわかり, アイヌの人々 が一定の幅で引き裂いた繊維皮を用いて糸を製作している理由が理解できる,. 0倍) 写真3 オヒョウ繊維皮の組織 (倍率5 3-2. 0倍) 写真4 シナノキ繊維皮の組織 (倍率5. 基本的性能試験結果. 表1に各織布の基本的性質を示す. 各項目について説明すると, 厚さ (Th i ckn es s:mm) , 平面 2 3 重 (We i t: mg/cm ) i ty:g/cm ) gh r s Density: ead , 見掛 け の 比 重 (Bulk Dens , 糸密 度 (Th. t: Tex) で あ る. 織 布 は オ ヒョ ウ, シ ナ ノ キ, 麻, 綿 で, れ cm-2) お よ び 糸 の 繊 度 (Yarn Coun は無撚糸で織っ た布, z は 撚 糸 で 織 っ た 布 を 表 わ し, 1 : Warp は た て 方 向, 2 : Wef tは よこ方 向を 表 わ して い る,. (99).

(7) . 100. 徹・林. 長津. 表1 Th i ckness. i l Mat a s er. n ohyo t n Sh i t anoki . t Li nen Cot t on. mm . ふ 1 .362 っ レ 1 .433 サ ー 1 .491 ( 乙 1 .452 i ▲ 0 ,862 ハ ソ ム 1 .122 . ▲ 1 .201 ハ ‘ 1 ,247 . ▲ 0 .318 ハ ソ ム 0 .314 . ▲ 0 .242 ハ ソ ム 0 .247. 浩一・三浦 朋睦・桶作. 各織布の基本的性質の比較 ”r i e ght cm2 mg/. Bu l k Dens i t y g/cm3. 31 .2. 0. 229 218 0.. 33 ,8. 227 0. 233 0.. 19 ,2 20 .5 13 ,4 9 ,7. 高子. 1:Warp n:non twist yarn 2 :VVef t Threads Dens i t y cm-2. 171 0. 0. 164 421 0, 427 0. 401 0. 393 0.. Yarn Count t ex 340 ,6. 6 X3. 6. 374. 7 368 .6 359, 7 212 .7. 223 0, 171 0.. t:twi st yarn. 6 X3. 6. 230. 5 212 .O 232, 8. 30X26 .2. 30 .6 26 .8. 22X24. 17 .4 14 .8. 2 3 オ ヒ ョ ウ 織 布 の 厚 さ の 平 均 は1 .435 mm, 平 面 重 は32.5 mg/cm , 見 掛 け の 比 重 は0,227g/cm ,. 糸の繊度は360Tex で あ る, シナ ノ キ 織 布 は, オ ヒ ョ ウ 織 布 の 厚 さ の77%, 平 面 重 に お い て は61%,. 見掛けの比重 は80%,糸の繊度は58%となっ ておりオヒョウ織布に比較して小さな値を示している.. オヒョウおよびシナノキ織布は麻, 綿に比較すると厚く, 平面重も大きくなっているが, 見掛け の比重においては麻, 綿の方が大きな値を示している,. 糸密度の表示 は, 例えば (6 ×3 .6) は単位面積あたりのたて×よこの糸密度を表わしており, 麻などにくらべてオヒョウ, シナノキ織布の糸密度は糸が太いため小さな値となる. オヒョウ, シ. ナノキ織布の糸密度は強さなどの比較を容易にするために同一した.. 3-3 a) 引張り試験結果 OJ, 撚糸 (02 03 ), 織布 ( ) とシ 図3は応力-ひずみ で表わさ れた曲線で, オ ヒョ ウの無撚 糸( S 両者の無撚糸 撚糸 織布 ( のたて方向の引張り試験結果である S. S ) ナノキの無撚糸 ( ( ) ), 3 . 2, S,と 0,, 撚糸 S2と 02を比較すると, 強さはシナノキの方が大きい が, 伸びは強さほど顕著な差. が 見 ら れ な い. オ ヒ ョ ウ を 例 に 挙 げる と, 0 , , 02, 03すなわち無撚糸, 撚糸, 織布の順に伸 び. の増加が見られる.. )で あ り 0 図 4 は 昭 和59年 の オ ヒ ョ ウ の 引 張 り 試 験 結 果9 , ,, 02, 03の 強 さ の 比 較 を デ ニ ー ル. D)あたりの引張り荷 重で表わしたものである. 図3と図4の グラフを比較すると, 両 グラフと ( も, 0,, 02, 03の 順 に 曲 線 の 傾 き が 小 さ く な っ て い る 事 か ら, ヤ ン グ率 の 低 下 が見 ら れる. さ. らに, 曲線の傾向が類似しているので断面積を考慮した応力の概念で試料の強さを表現する事 が, 織布の比較においても有効である と思われる.. 図 5 にオヒョウとシナノキの無撚糸と撚糸を用いて製作した織布のたて方向の引張り試験結果を (100).

(8) . アツシ織布の引張り特性に関す る研究. 10I. i h k i ( h i s S :S ty o n a n o ntw am) ー S S : h i l d ( t i n a n o ty o w s a r l 2 o o : h o ( r pntw態 y a司 y 1 0 : o h { tw賦 y a r n ) yo 2 0 oh : b i oF i { t ty a r c s w 可 y s a r 3 sh 5 l ab “ i ( t ty ) n aF c s w s a r n 3; ^ じ 社 主 - S , E 、 ◎ × ハ h V b 寿 が 亡 @ 」 }′ ” の. 0. ′ o 2ノ. o ー/. ノ 0. 図3. 1. ノ ノ. S 3. 2. 2 3 4 5 S t i / a r n 6 0 。. 6. ′ ) 八 (0 。. 6. 8. .. 一 7. 8. 9. オ ヒョ ウ, シナノキの無 撚糸, 撚糸, 織. 布の強さの比較 (応力・び単位) 1 2 ,. i個no l dFab Sn: Sh i嶋′n{nontwi r 5ty甜n} .騰 t{ St: Sh i t i tya iFabr w s nan rn} ok ,. on: 0h yo ot: ohyo. 1 o ,. Fab i佑』n(nontw i r 5tyar n} Fab i偽′t( ・twi r ty s ar n}. 8 0 .. . . 切 メ 6 o ,. ′ St ′ / / ′. て). . 心 毎0 .. /. Q2. 0. /. / / ノ //. . ′′ ′ 〆 ′′ 1. ′ //. / ot / /. . /. 海. / / /′. /. /. /. /. . . / 2. 3. 図5. 6. 5. 4 St in ra. E. o / 。. ‐ 7. 8. オ ヒョ ウ, シナノキ織布のたて方向の引 張り試験結果 (101). io. オヒ ョ ウの無撚糸, 撚糸, 織布の強さの比較 (デニール・D単位). 図4 03 .. 4. 9. 0 1.

(9) . 102. 長浮. 徹・林. 浩一・三浦 朋睦・桶作 高子. zは無撚糸, tは撚糸を表わしている. 示す. 図中のS, 0 は そ れ ぞ れ シナ ノ キ, オ ヒ ョ ウ を 示 し, 7 0 強さに関して は, 撚りの有無で比較するとS と:St, れ と ○とで は顕 著 な 差 は 認 め ら れな い が,. シナノキとオヒョウを比べるとシナノキの方が若干大きな値を示している,. 伸 び に 関 して, シ ナ ノ キ の Sれ お よ び S乙の 伸 び は そ れ ぞ れ 平 均2 .6%, 4 .8%, オ ヒ ョ ウ の ○ お 0 を比較すると 0 あ る 8 2% とS の方が約2倍近くの伸びを示し 6% で よ び 0との伸 び は5 , , ,. れ , れ , ′o と S で は や は り 0 の方が1 7倍近く伸 びている 撚りの有無すなわちS とS および0 と t t 乙 , れ , 。 , 0 /○ =1 ○とを く ら べ る と, Sと/S =1 .84 .46の値を示し, 両者とも撚糸で製作した織布の方 が , ご 伸 びや す く な っ て い る.. 図 6 に各織布のよこ方向の引張り 試験結果を示す. , S と Sb oれ と ○との 強さ を 比 較 す る と , 両 者 と も St, otすなわち撚糸 を用いて織っ た布. 1 0 ,. の 方 が 小 さ く な っ て おり, 又, オ ヒ ョ ウ と シ ナ ノ キ で は シナ ノ キ の 方 が 強 い が 顕 著 な 差 は見 ら. OB. Sn: S1 i i i tya nan煉iiab ) s r r cs n ′n {nontw St: Sh i i徳一t( st yar twi } nan酬iFabr n. tya Fab i嶋jn(nontwi s rべ r Fab i twi t yar s } r c s n 」t(. on : ohyo ot: ohyo. れ な い.. 伸 びに関しては, たて方向と同様オヒョウの 方が伸 び易くなっ ており, 各織布 におけるよこ 方 向 の 伸 び は, た て 方 向 の 伸 びの 約 “ にな っ て い る. さ ら に, Sれ と Scおよ び 0れ と 0と を< ら べ る と 撚 り を 与 える 事 に よ る 伸 びの 増 加 は,. N. 6 巨o . 窃. on ′ / ot. ′S / t. b o4 . ぶ. た て 方 向 ほ ど 顕 著 に 表 わ れ て こ な い.. 以上の引張試験結果から, シナノキはオヒョ ウに比較して伸 び難く, 引張り荷重に対しては シナノキの方が強い事がわかる. 撚りの有無で 強さを比較する と無撚糸を用いた織布の方が強. 葛. と. の 0.2. く, 特にシナノキはこの傾向が顕著である.. ′ ′ ′ ′ ′ ′ / ′ / ′/. 伸 び に 関 して いう と, オ ヒ ョ ウ の 初 期 の 伸 長. 0. 時 に は, 撚 糸 の 織 布 の 方 が多 少伸 び にく く な っ. て い る が, 各 織 布 と も 撚 糸 を 用 い る 事 で 伸 び の. 1 S t in r a. 図6. 増 加 を は か る こ と が で き る. よ こ方 向 に 比 較 し. 2. 3 e. 4. 5. o / ,. オ ヒョ ウ, シナノキ織布のよこ方向の引張 り試験結果. て, たて方向の織布が伸 びている理由としては, 織りのクリン プ効果が顕著に表われているものと 思 わ れ る.. 図 7 に破断に至るまでのオヒョ ウ織布: ot , シナノキ織布: Sれ, 綿布およ び麻布との引張り試. 験結果の比較を示す. 細線 (Wαγp) はたて方向を, 太線, (Weゾt ) はよこ方向を示している. 各織布の強さに関しては, たて方向, よこ方向とも麻が一番強く次いで綿, シナノキ, オヒョウ の順にな っている, また, 伸びに関しては, 両方向とも麻が伸 びやすく, 綿, オヒョウ, シナノキ となっ ている. オヒョウ, シナノキ, 麻の各織布はたて方向にくらべよこ方向の伸びが少なくなっ て い る の が見 ら れ る が, 綿 に お い て は両 者 に 大 き な 差 は見 ら れな い,. 麻, 綿の破断強さはオヒョウ, シナノキに比較して大きく, しかも伸びの大きな点が特徴的であ る. 曲線の傾きから見るとオヒョウは小さな荷重でも伸 びやすい性質を有しているものと思われる. また, 麻, 綿の破断仕事量 (破断に必要な引張りエネルギー) は大きく, オヒョウ, シナノキの それは小さい事がわかる,. (102).

(10) . . 103. アツシ織布の引張り特性に関する研究. 6. l Warp,. = . . / , /. we ft,2. / /. 質 ;〆 -=- 言 一一--. . Cot ton. . . /. . . . ′ ′ ′. 夕 1密 を , . 0. 2. 4. 6. St rain. e. 8 o / 。. 10. 1 2. 図7 オヒョウ織布, シナノキ織布, 綿布および麻布の引張り試験結果の比較. 3 -3. b)伸長試験結果. 伸長試験結果は通常, 試験片の標点間距離に対してたて方向, よ こ方向とも3 %ま た は5 %の伸 長率が採用されている, しかし図5と図6 で見られるように, シナノキの織布のたて方向, よこ方 向の伸びが ・さく上記の伸長率が設定 できないので, 今回はそれぞれ2%, 1%の伸長率を採用し. 各織布の比較を行った,. 図 8 に各織布の2% (たて方向) 伸長時の試験結果を示す. グラフより 2%伸びを与えるのに ,. 要する応力 (荷重) はシナノキのS。が一番大きく, 次いでSt, 0 , 0との 順 に 小さく な っ て い る, 負荷で得られた曲線と横軸で囲まれる面積は, 引張りに要するエネルギーを表わしており, 織布 の籾性の尺度となりうるものである. オヒョ ウ, シナノキの織布とも一定の伸びを与えるのに必要. なエネルギーは, 無撚糸の織布の方が撚糸を用いた織布より大きくなっている. 図 9 に各織布の1% (よこ方向) 伸長時の試験結果を示す, よこ方向の場合もたて方向 と同じ傾 (103).

(11) . 104. O. 長瀞. Q5 St in r a. 図8. 徹・林. 1 e o / o. 浩一・三浦 朋瞳・桶作. 1 5 .. 2. オヒ ョ ウ, シナノキ織布のた て方向の2%伸長 試験結果. 高子. 0. 図9. 1 Q5 / St in s o a r 。. 15. オ ヒョ ウ, シナ ノ キ 織 布 の よこ方 向 の1%伸長試験結果. 向を示し, 一定の伸びを与える のに必要な応力および引張りエネルギー はSaが大きく, さらに両 試料とも, 無撚糸を用いた織布の方が撚糸を用いた織布より大きな値とな っている. 図10と 図1耳こ2 % (たて方向) 伸長時, 1% (よこ方向) 伸長時における各織布 (オヒョ ウ:. ot, シナ ノ キ : S , 綿, 麻) の伸長試験結 果の比較を示す, た て 方 向 に お い て, 2 %伸長に要する応力 (荷重) はシナノキが一番大きく. , 次いで綿, 麻, オ. ヒ ョ ウ の 順 と な っ て い る. 引 張 り エ ネ ル ギ ー も, シナ ノ キ が 大 き く, 綿, 麻, オ ヒ ョ ウ の 順 に 小 さ く な っ て い る. グ ラ フ よ り, シ ナ ノ キ や 綿 な ど の ヒス テリ シ ス が 大 き く 表 わ れ て い る の が わか る,. よこ方向においても, 1%伸長に要する応力はシナノキが大きく, 次いで麻, オヒョウ, 綿となっ ている, 特に綿のそれが極端に小さい事がわかる. オヒョ ウは両図においてもヒステリシスが小さく, 回復性の良い材料である事が推察され, かつ,. 引張りエネルギーも小さい事がわかる. さらに, シナノキは, 一定伸 び (ひずみ) を与えるのに大 きな引張りエネルギーを必要とし, 朝性の高い材料であると判断できる.. 上記の伸長試験 で得られた曲線から算出された結果を各項目毎にまと めて表2に示す. 織布はオ. ヒ ョ ウ, シナ ノ キ, 麻 お よ び綿 で あ る,. 各 項 目 に つ い て 説 明 す る と PM は 2 %, 1%の伸長時の最大荷重 RT は引張り回復率 LT は , ,. 引張り直線性および WT は単位体積あたりの引張りエネ ルギーである.. た て 方 向 の PM は, シ ナ ノ キ が 1 番 大 きく, オ ヒ ョ ウ, 綿, 麻 の 順 と な り よ こ 方 向 のそ れ は , , シナ ノ キ, オ ヒ ョ ウ, 麻, 綿 の 順 と な っ て い る. た て 方 向 の RT に 関 し て は, オ ヒ ョ ウ が 高 く, 綿, シ ナ ノ キ, 麻 の 順 と な っ て い る. 又 オ ヒ ョ ,. ウとシナノキにおいて, 撚りの有無による織布の回復率は, オヒョウでは撚糸で織っ た布の方が高 く, シナノキでは無撚糸を用いた織布の方が高くなっている. よ こ 方 向 に お け る RT は撚りの有無でくらべるとたて方向と 同様にオヒョ ウは撚糸を用いた織布 (104).

(12) . . アツシ織布の引張り特性に関する研究. 105. 5 0 .. 0 5 , Sn: Sh i i iF tya nanok abr cs(nontw趨 rn) ot: ohyo i F tyarn) twi ab r cs( s. Sn: ot: ○ム C : d 1 ‐: E. Sn. . . . Sh i iFab i tya s nanok r cs(nontwi rn) F i ohyo ab i tw ty r cs( s a rn) , Co t t on L i nen. 3 0 ,. 3 . oo. . に. . 0 5 .. St in a r. 1 0 . E. o ′ 。. 1 5 .. 2 o ,. 図10 2% (たて方向) 伸長時における各織布の伸長試験 結果 の比較. 表2. PM Max imum f orce at . 2%,1 %. i St ra n kg I ohyo 2 I sh i 1 i na l く ・0 2. Cot t o l l. o. I. t t t t. L グ リ. RT Res i l i ence. o 5 . St i a r n. E. 0 1 , o ′ 。. 布の伸長試験結果の比 較. 1:War p n:non twist yarn 2 : Wef t. LT Li i t near y. t:twi st yarn. WT Tens i le energy i l t vo per un ume g.cm/cm3. %. 4 .177. 56 ,29. 0, 6229. 2 .495. 57 ,25. 34, 83. 0, 6367. 5 ,39. 62 ,46 69 ,35. 0, 5818. 21, 06 21. 13. 0, 6246. 12. 12. 52 ,86. 0, 7471 0. 7224. 14 .08. 52 .08 66 .45. 250, 56 75, 37. 0, 7142. 11 .5. 87. 07. 60 ,47. 1 .937. 0, 6954. 48 .96. 0, 9205. 68, 46 110. 3 ,76 16 ,32 6 ,61. 1 5 .. 1 1% (よこ方向) 伸長時における各織 図1. 各 織布の伸長試験から得られた数値結 果の比較. Mat l i er a s. Li nen. 2 ‐. も ,. . 0. Sn. o. ノ. . . 2. 2 ,378. 51 .49. I. 0, 8280. 3 ,220. 54 .80. 2. 0. 6611. 0 ,0606. 55 ,01. 0, 6519. 64, 57 161, 72 1, 707. が高く, シナノキでは無撚糸を用いた織布の方が高い. 同じ植物繊維で作られている麻の回復率は, たて, よ こ 方 向 と も オ ヒ ョ ウ, シナ ノ キ よ り も低 く な っ て い る. こ の 結 果 よ り, アイ ヌ の 人々 が衣. 服を製作する時, 経験的に, オヒョ ウの場合は撚糸を用いてアツシを作り, シナノキの場合は無撚 (105).

(13) . 106. 長津. 徹・林. 浩一・三浦 朋睦・桶作. 高子. 糸を用いて作っ ている事の妥当性 が今回の実験で確認された. 衣服材料は回復率の高い事が理想で あるといわれている, オヒョウは綿およ び麻に比較して回復率が高くなっており, 回復率の点から 考え ●ると衣服と しての機能を備 えているものと思われる, 引張り直線性 LT に関しては, たて, よこ方向とも麻が一番高く, シナノキ, 綿, オ ヒ ョ ウ の 順 と な っ て い る, さ ら に, 撚 り の 有 無 で 比 較 し て も 麻, シナ ノ キ, 綿, オ ヒ ョ ウ の 順 と な っ て い る,. LT の大きい麻, シナノキ は線形性が高く, 綿, オヒョウの順に衣服材料特有の非線形性 があらわ れ て く る.. た て 方 向 の 引 張 り エ ネ ル ギー WT は, シ ナ ノ キ が大 き く, 次 い で 綿, 麻, オ ヒ ョ ウ の 順 に な っ て い る. 特 に, シ ナ ノ キ の WT は他 の 試 料 に 比 較 して 著 しく 大 きく な っ て い る の が わ か る. 撚 り の 有. 無で比較すると, オヒョウ, シナノキとも無撚糸を用いて織 っ た布の方が高い値を示している,. よ こ 方 向 の WT の 値 は, や はり シナ ノ キ が 大 きく, 次 い で, 麻, オ ヒ ョ ウ, 綿 の順 と な っ て い る.. 4, 結. 論. オヒョウとシナノキの樹 皮繊維で作っ たアツシの織布を再現し, 応力の概念を用いてそれらの引 張り特性を調 べた. さらに, オヒョ ウ, シナノキ織布と現在用いられている綿布, 麻布との比較検 討を行っ た. 得られた結果を要約すると次のようになる,. 1) 織布の強さを求めるのに, 試みとして応力の概念を導入した結果, 厚さや糸の太さが異なる 布の強さの比較が容易であり, その有効性が確認された. 2) オヒョ ウおよ び シナノキの組織は, 繊維の一部がく っつき合って網目状の繊維皮を形づく っ て い る.. 3)シナノキ繊維 皮の表面は, オヒョウにくらべて滑らかであり, シナノキ繊維皮の強さはオヒョ. ウ の 3倍程度である が, 伸 びはほとんど差がない,. 4)オヒョウとシナノキ の織布の強さを比較す ると, シナノキの 方が強く, 伸びに関してはオヒョ. ウの方が伸 びやすい, さらに, 撚糸を用いた織布は両者とも伸びが大きい, 5) 回復率を撚りの有無でくらべると オヒョ ウの場合は撚糸を用いた織布の回復率 が高く, シ , ナノキは無撚糸を用いた織布の回復率 が高い. 無撚糸, 撚糸を用いたオヒョウ織布の回復率は綿, 麻よりも高い値を示した, シナノキ織布.は引張り直線性および引張りエネルギーが高い, しかし, オヒョウ織布に比較 すると伸びにくく, 回復性の低い材料である. 6). 7). 今回の実験で, 昔からアイヌの人々は経験的に, オヒョウアツシを製作する場合には撚糸を用い て織り, シナノキアツシには無撚糸を用いて織っていた事の妥当性が裏づけられた, また, オヒョ ウ織布はシナノキ織布よりも衣服の材料としては優れており, さらに回復率は綿よりも高い事が確 認された, しかし, この事が必ずしも衣服としての機能を十分に有しているとは言えないので, 今 後, オヒョウ織布な どの繰返し疲労 試験, 摩粍試験および曲げ剛さ試験を通して, 現在使用されて v性を追求していく必要があるもの と思われる. C いる被服材料と比較しながらアツシの耐久性や着i. なお, 本研究は昭和59年度,60年度文部省特定研究の助成のもとに行なわれたものであり, また, (106).

(14) . 塀 るi 究 に 性に関する研究 ア ツ シ 、 の 5 り′. アツシ織布の引張り特. 研究の一部は, 日本家政学会東北・北海道支部総会 (昭和60年11月) において報告した.. 参. 考. 文. 献. 1) 岡村吉右街門, アイヌの衣文化, 衣生活研究会 (1979) . 2) 金田一京助他1名, アイヌ芸術-服装編-, 第1巻 ( 1973) . 3) 萱野 茂, アイヌの民具, アイヌの民具刊行運動委員会編 ( 1978) . 4) 広瀬アヤ子, 天使女子短期大学紀要, N o6 (1985) ,1~8, ,p 5) 桶作高子・畠山歌子, 釧路論集, v l15 (1983), p,115 ~ 141, o 6) 平沢猛男・成瀬信子, 改訂被服材料学, 文化出版局 ( 1978) ,76~81, p ,126~138, ,p 7) 小川安朗, 応用被服材料学, 7版, 光生館 ( 1966) 1 0 1~1 1 6 p , , , 8) 日本工業標準調査会, LIO96 , , 一般織物試験方法, 日本工業規格 (1979) 9) 藤本尊子・桶作高子, 昭和5 9 , , 60年度文部省特定研究報告書, 第n章 (その2)(1986). (107 ). 107.

(15)

参照

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