小学校における心に響く道徳の授業の創造 : 「生活アンケート」による実態調査を踏まえて
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(2) れ、ヤコブの生き方を通して、児童が自己の心を見. ュニケーションの増加と児童の発言を促進する教. つめ、人としての生き方を深く思考する手掛かりに. 師の対応が増えていることがマトリックス上の数. となると思われる。中学生を対象とした資料ではあ. 字や数字の分散で明らかになった。授業の成否を. るが、資料提示や発問の工夫を取り入れることで、. このような授業分析の方法で把握することは、授. 小学生にも十分理解することができた。幅広く資料. 業改善のうえで有効であるといえる。また、日頃. を活用できた一つの例である。. からの児童と教師の人間関係が授業に深くかかわ. ②資料提示の工夫. っていることにも考慮する必要があると考える。. 臨場感が出るように、少し間をとり、感情を込. (3)考察. めて資料を範読した。場面絵を準備し、資料内容. 道徳の時間は、資料を通してより高い道徳的価. を視覚にも訴えたことは、言語だけでは内容理解. 値に触れさせ、自己の考えや生き方について変容. が難しい児童への支援となったといえる。. を図るねらいがある。そのためには、よりよい人. ③児童の考えを引き出す問いかけの工夫. 間関係を構築することによって、自己を語ること. 道徳の授業は、問いかけが主である。知識の伝. ができる受容的な学級の雰囲気をつくっておくこ. 達や教え込みによる行為の模倣を求めることはし. とが重要である。実地研究校では、授業後、r全員. ない。児童が問題意識や自己の考えを持ち、話し. 発表ができた。」と満足した声があがった。児童に. 合い、交流することが、授業に主体的に関わるこ. 達成感や満足感を持たせて授業を終了することは、. とになる。資料に出てくる登場人物の姿を借りな. 道徳の時間に対する意欲と期待を抱かせるうえで. がら、児童の本音を引き出す発問の工夫を取り入. 大切なことであるといえるであろう。. れたことは、ねらいを達成するうえで効果があっ. 4 成果と課題. たと思われる。. 児童の道徳性にかかわる心の状態には、地域に. ④書く活動を取り入れて考えを深める. よる違いはほとんどないことが立証された。この. ワークシートに記述させる方法は、書くことに. ことから、道徳の時間の工夫や改善は、どこの学. よって、自己の考えや判断について振り返らせる. 校でも可能であり、成果をあげることができると. とともに、考えを整理し積極的に発表しようとす. いえるのではないだろうか。道徳の授業の効果に. る意欲を持たせることにもつながる。. ついて批判的な声に対して、少しは応えることが. ⑤内面記述を通して児童の学びをつかむ. できたのではないだろうか。授業の評価は、教師. 「人の優しさに気付けた物語でした。」「みんな. の教育経験だけに頼るのではなく、授業分析の結. に希望を与え続けてすごい。」r自分もその話の中. 果によって正確に把握できると考えられる。現在. に入っている気分になりました。」「自分の意見が. の学校現場において、若手教員育成の一つの有効. いっぱい言えました。」r周りの人と意見交換した. な手立てにもなるのではないかと思われる。. ので自分の意見がよくわかりました。」「人の心と. 現在、社会の学校における道徳教育に対する期. か気持ちを教えていただきました。」これらの記述. 待は大きい。実地研究では、道徳教育の全体計画. は児童の学びを表しているといえる。. や道徳の時間の年間指導計画など学校全体の道徳. (2)授業分析と検証. 教育について言及することはできなかったが、道. 授業改善の一つの方法として、フランダースの. 徳の授業の具体的な取組については一つの方向を. 授業分析の方法(加藤,1997)を用いて児童と教師の. 示すことができたのではないかと考える。. 相互作用を検証した。道徳の授業で様々な授業の. 修学指導教員 新井 肇. 工夫を取り入れるにことよって、児童相互のコミ. 指導教員谷田増幸. 一93一.
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