訴訟告知制度の再構築に向けて(2012年5月31日著・
2013年11月19日補訂)
著者
坂田 宏
雑誌名
東北ローレビュー
巻
1
ページ
29-44
発行年
2014-03-31
URL
http://hdl.handle.net/10097/00127028
置需滑・属現.
訴訟告知制度の再構築に向けて
(
2
0
1
2年5
月
3
1
日著・
2
0
1
3年1
1
月
1
9
日補訂)
I
はじめに
東北大学大学院法学研究手:1教授
坂田
宏
I はじめにE 参加的効)
Jの法的性質 田 参加的効力の要件一一補助参加の利説 W 限定説のlヰ評価 V 訴訟告知制度の再構築にIflJけてV
I
紛争の 11111 的解決は是か一一判決効の拡~l~ 論に対 する反省 1 紛争の1[[11的解決に対する泌和感 2 判決理由1
"
の判断 3 裁判宵の独立 日本の民事訴訟法における訴訟告知1(民事訴訟法53~長)は、理論的に凡て、 そにJ全体像につき必ずしも見解の一致を比ない制度である。実務において は、 当 ~M'í'が第三者との間で後に生ずる紛争を予防する円的のもとに訴訟告 知をなし、 当該裁判の効 )Jを第三者に及ぼすためにJrJいられるというiIllJ度的 色彩をもつ にれを「世主11-貯のための訴訟告知」と呼ぶことができょう)。こ れ』こ対して、判決効の正統化根拠として手続保障を"
1
心に据える近H寺の多数29
説によれば、、1"該第三者に補助参加の利益 (民事訴訟法42条)があるのみでは 足らず、裁判の効力を及ぼすために必要な要件を
)
)
1
1
えることにより、第三者 への手続保 l)i~に十分に配雌した枠組みが理論的に桃想されている(これを 「被作知者のための訴訟作主IIJと呼ぼう。) しかし、この理論的な取組みが具 体的解釈論の助l白で十分な判断枠組みとして機能しているかについては、な お疑川である。また、「被;守主1
1
者のための訴訟行主IIJにふさわしい手続似附を 被f竹11者にうえるために、i
{
守主11者のための訴訟特知IJという本来のflj)lJ:
i
t
11M
I
が人;きく限定されてしまっている感がある。さらに、訴訟(げ1;11の効力を参加i 的効)J(民事訴訟法53条4項、 46条)と11I)じものとして理解するのが'1')1例・通 説であるが、4
6
条は、訴訟借知に応じて補助参加をしてきた第三者に対する 参加│的効力を規定したものである。これは、除外'Ji.111をi
F
t
くなど(民ヲ)f訴訟 法4
6
条各号)、第三者 (被f
竹1
1
者=補助参加入)に対する手続保障をぷくした うえで参加的効 )J を及ぼすものであるとは言うものの、訴訟fIf知のみに 1,~づ く参加的効力 (民事訴訟法53条4項 (46条準用))を論ずる場合には、参加l的効 )Jを受ける第....:..rr.(被告知将)にとって手続保附といえるのは、せいぜい-n
.
の訴訟持知1, I~: と補助参)JII の利訴という要件だけである。 いずれかといえ ば、訴訟告知lによる参加1'10
効力のほうがよりR
いものであるにもかかわら ず、手続保附についていえば、よりi
W
いという瑚論的アンバランスが生じて いるといえよう。 そもそも辿説・判例11は、4
6
条の効)Jを参加的効)Jという特殊な効)Jであ ると説明するだけで、J:.e;'JI:訴訟法において最もiTi~な判決の効力である既判 )Jとの│対係に附み込むことをしない。たしかに、少数説であった従米の「既 判)J説J
は、1
1
5
条1
項2
り・ないし4
り・に規定される既判力の主観的拡張の-M
l
)
刊として46条の効力を捉えていたため、 46条の規定との整合性を欠いてい た。この点について、本稿は、参加│的効力をほ判)Jの特殊形態として拠える ところから 11 げきしたい。 H体的には、参加l 的効)J の実体を、lí ・J~者rmの訴訟物1
1 刊) 枇削川州州川明判仰州州州叩│l川 川川 州リ引H附附附附l附附日川刊州H附附手l羽和附 r 伐i主:(σ75ω))(訂イi斐斐!I削捌、 2011{ド) 参照。30
(訴訟上の前求)のイ
i
w
.
r
iについて生じる既判 )Jそれ自体ではなく、当該既判力 による遮断効(失権効)と位置づけ、この遮断効が特定のさJ
"
}
,'Xについて共同 lj泌総を張るべき1
;
t
知者 ・被告知者1
m
に限定するかたちで主観的に拡娠される とすると考え、l
l
l
l
論的な再構築をする。そして、従来「参加l的効力」 という 特殊な効力とするところからスター卜した民事訴訟法4
6
条の問題を既判力に よる遮断効と結びつけて理解することにより、かような訴訟伴知の制度理解 を前提とした要件論および効果論を概観する。その後、訴訟符知l制度の再構 築に向けた│問題点、を洗い出すのが本杭の日的である210E
参加的効
力の法
的性
質
参加的効力については、通説・判例ともに、補助参加のあった裁判が有す る4
守殊な効力であると抱挺している。そのJll[解の基礎にある考え)yは、参加 的効力が、l
札判ブJの場合と典なり、当該裁判(i
I
Ij訴半Ij決。効力作川元の裁判) の主文(民事訴訟法 114~1項。訴訟物とW
f.されている)ではなく、吋該裁判の 判決理由中の判断が効)J作m
先の裁判 (後訴)との関係で効)JをイI
すると捉 えるところにある3)。すなわち、通常のWe'
1
司)Jの概念では効力をイI
しない前 訴判決の型 FII中の:1可能r
r
に効力を認めるところから、これを既判 )Jとは相異な るものとして概念構成をし、 これを支える尖質的根拠を被参加当~JL,!1j'・と補助 参加l人との111]における敗訴判決の共同負担に求めてきた。従米の「日!日:IJ)J説」 は、このような論理構成によって斥けられたものである。 しかしながら、このようなf
特殊効)J説J
は、必然のものとは与えられな い。むしろ、以下の法律構成によることで、判決の効力のf
'
l
:
l
1
論において、 21 判記19"!'-度利'{.・fiJf究 t~ ()H~研究(C); 19530064)r
l~ 'H執行における訂'.';.行為J収il'it加の適川 I:H泌j の研究成瓜として、坂 111宏 í~~~:I-j.匁|の効 )J に|則するー断市J 01泌氏ほか紛 れ'i'llJt
ヰ 充先生山循悦Tl,:a文集 L¥C'J~手続法?f:の新たな j血、1<J (イ』斐l湖、 2∞
9"lo)がある。なお、菱且l !ft将 rl1庇l弁諸終結後のI{<制巨人に対する既1司)Jの1'FJIIJ法学74巻6:J170μ (2011{ド)参m¥3 ) 訴訟法,JI,に JLづけば、 liíj,再確定判決の既判力は、後続の.訴訟で liíj ,~j:P{bíじ tJJi)とと一定のl則係
にあるもの C;JF,u:物向一、先決関係、 _(-h'ì・関係) に I~!って窓味をイI しているのであって、い わば関係慨念ということができょう。
既判力と阿賀のものとして構成することが可能で‘ある。 すなわち、 ~Iらの補助参加の利益をもって補助参加する第三者(補助参加 入)が、相手 )J当事者と被参加当事者との1/11に訴訟係以した訴訟に、いわば フリーライドして紛争解決を求めることを許す代わりに制、補助参加入が被 参加、
i
'
'
J
L
M-と│吋ーの歩調で訴訟追行したにもかかわらず、被参加l
当事者が敗 訴判決を受けた場合には、その既判力を被参加│人と十n
I
JJ}J参加│人との│刻係に │保って主観的に拡張する。このように、補助参加│人は、あたかも被参加当事 者の立場に立って、 被参加当事者と相手方主'
i
m
者との川にある椛利関係につ き日!t 'I'IJ1)の11~ J.l~を受け、後続する訴訟において、liJ来日Jι|司))の作花を再定する 'W.Äを主リ:1~ することから遮断されることになる。 このような効力のことを 「既判))による遮断効」とH手ぶが、これは本来、│白j一、i
'
'
H
'
?
;
-
の1
,,1
ー訴訟物につ いて既:
I
'
J
I
)
)
で直接に拘束しえない判決理r
Jl"
1
の判断、つまり法作要fI:につい てのl'リ断を '.j;るために認められている(既判h
のil'j僅的作川ともH芋ばれる)。 これを主観的に拡践して、補助参加人を被参加、IFJI.?;'の、工場に世くことによ り、遮断効によって、判決J!1I山中の判断につき後訴での布n
助参加l人からの異 なった E~l~ を遮断するものと捉え直すものである。 もちろん、これは、 旧米の既判力説のように、参加│的効))の特:殊性を否定 することをな味しない。相手五当事者と補助参加入が新たに訴H公を提起して すiうことのできるのは、たとえ補助参加l人がi
i¥'[、i
'
'
J
j
-
'
?
;
-
J
とH予ばれるもので あるとはいえ、本米的に当事者の地位が与えられず、訴訟JJl行についても被 参加入、i
'
•
J j-.?;'のコントロールを受ける、いわば「従たる、i
'
'Jj-者-
J
にすぎず、 相手方~'í・Jj- .r.-との関係で 1'1らの権利義務関係を独立にす1・うべき者でないとの 尖質的な判│析があることによる。また、参加l的効力の及ぶのが被参加l人敗訴 の場合に限られていることは、被参加l当事者のコントロールによって11らが ト分に訴訟行為をなしえなかった被参加当事者に参加的効))を及ぼす実質的 な似拠が欠けると考えるからである。I
4) 後十tH:15) 3.~m\c3
2
このような特殊性はあるものの、参加的効力の作用に注目するならは¥前 訴の判決理由中の判断が後訴に及ぶという通説・判例の把握は無用であり、 判決効の主観的拡張のー特殊類型として考えたうえで、既判力による遮断効 というトウールを用いて説明するほうがより合理的であるのではないかと考 える。
E
参加的効力の要件一補助参加の利益
実際に補助参加があった場合の参加的効力の要件と、訴訟告知を受けただ けで補助参加が行われなかった場合の参加的効力の要件とをまったく同じも のと考えるかは問題である。訴訟告知を受けたにもかかわらず補助参加をし なかった場合には、 46条各号の除外事由が適用されることはなく、この点て¥ 訴訟告知に基づく参加的効力の要件があたかも加重されていると考えるほう が合理的であるかも知れない。まずは、要件論の中核ーを占める 「補助参加の 利益」から考察してみることとする。 そもそも補助参加の利益は、当事者 (被参加当事者+相手方当事者)が興 議を述べたときに初めて問題となる (民事訴訟法44条 1項。)その意味では、補 助参加の利訴は、 当事者-の反対する意向を明らかにしたにもかかわらず、な お補助参加人の意思する補助参加ができるという立│床で椛利としての性格を もつものと評価できる510 「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」であるかどうかを判断す る│祭に、その標準となる「訴訟の結果」を具体的に何と考えるかにつき、2
つの市t
が対立する。1つは旧来の通説であり、また、現在の判例でもある「訴 訟物限定説J
(以下「限定説jという)、もう1
つは、近時の通説ともいうべ き多数説である「訴訟物非限定説J
(以下 「非限定説J
という)である。 限定説は 「訴訟の結果J
を訴訟物と!押し、訴訟物に│刻する判断が第三者のI
5町) 笑蛾務の尖際附肋をいえば 叩 L哨者の州附が出帥伽ない 山 通断刷削日市1川'"1 者者-のカが:補w
助JI参加)J加')1川l日l人を名耳来Eつて訴i3孫fぷぷ,泣訟iに│閃刻ラしているJ場品合が少なくなし、、。
訴訟告知器!JJlrの再情築に向けて(坂UI ~:)33
利害につき影響を及ぽすときに補助参加!の利援を
1
3
-
定する。これに対して、 非限定説は、訴訟物に│刻する判断が第三者の利害に影響を及ぼす場合という 限定説の構成では、結局のところ既判力が及ぶ場而でしかありえず、無意味 だと批判する。伊藤良教授6)は、要件の組換えを試み、効力作用元の前訴判 決のJ.lli山中の判断、 すなわち法律要件についての判断が、効力作用先である 後訴における第三者の法的な利害に影響を与える場合に補助参加lの利益を円ー 定する。この考え方は、現在の学説の多数説に大きな影響を与-えているもの と考えられる 7)。 ~I:限定説のト ウール(判決理 J~:J 中の判断)を用いた場合、補助参加が問題 となる場面で肯定されるケースが格段に多くなる。これは、民事裁判の場を 利用することによって事件に関係する者が多くなるという而ではメリ ットで あるが、訴訟告知による参加的効力を判断する場合にもこのような傾向が認 められるとするならば問題である。そこで、手続保障の観点から言えば、実 際に補助参加をした場合と比べ、「訴訟告知を受けた者が参加しなかった場 合J(民事訴訟法53条4項)、つまり被告知者に不利な効力を認める場合には、 より力IJ重した要件が加えられなければならない。補助参加人に有利な除外事 J jJ (民事訴訟法46条各号)の適用場而は、訴訟告知lによる参加的効力について 考えることが困難であり、告知当事者に有利なものといわなければならないか らである問。 そこで、近H寺の多数説は、訴訟告知による参加的効力の要件につき、 ①告 知│者が被告知者に対し求{白線・賠償維を主張しうるという要件、あるいは、 6) 伊藤氏「補助参J;IIの平1)溢I'i考」 民訴41サl頁 0995'10)。7) /::it[r,宏ぷ riE:.'!!: ,;,'Ii義氏rJ~;Vt:J公;1;(廿 〔第 21阪)J 433 .í~ (布斐|品l 、 2012'10)、松本 w之=上田i"~長
リJrWJ~,(1j;ii~法〔第 7 版)J (892)注 (94)(弘文堂、 2012イlo)参!!日。 8) 46~民は、 l 号が45~1耳lただし占きの 「補助参加の│時における訴訟の程度に従し、すること ができないもの」を除外事IlJとしているほかは、被告知I-I'iーが補助参加lをしてする只イtド的な訴 訟行為を!日付
l
t
にしており、 53条4m
でr
,訴訟告主1
1
を受けたおーが参加│しなかった場合において も、第46条の);11.定の ~m については、参加することができた i時に参加したものとみなす。J と 脱定していることから、 46~2号ないし4 8・の述iJ+PJ)jI(jjを見出すことができないものと15-え る。 9) 松本~ t.野・iiiHIMI:7)(906)参!!担。34
②被告主11者が行士fI者につき訴訟に参加して協 )Jすべき│刻係にあるという要 件、いずれかの要件を加重する傾向がある9)。 ①は、条文上の根拠がなく、
,
J
i
:r~:,力に乏しいと判断されるが 10)、 ②もまた、結局のところ、当該訴訟に参 加すべき│刻係にありながら参加しなかったがゆえに参加的効)Jが及ぼされる という論理にf
るものであり、他人の訴訟に参加する権利としての有│川J参加 の中l益とまったく異なる~・件を加えることとなる。 そのような協力関係を訴 訟止のものとして捉えるならば、作~fI者に有利な証拠を持ち合わせるべき者 が誌│努上そのような証拠を有せず、結来として訴訟上の協力ができずに参加 しなかったときに参加的効力が発生すると考えられる。また、 j忠告が契約の 相手}jとして訴えた被件が「契約の相手方は第三者である」と主強し、原告 が司I
訟告女IPをするに至った第三者(被告知者)が参加しなかった;場合におい て 11)、原告との関係で訴訟上協力をする具体的な証拠を持ち合わせていない 第二者に参加│的効力を及ぼすべきであるかが川題視される。紡果として、5
臼3
粂4JJl項「目lの適川をすベきでで、あるという品 わオ1る1叩2)。
W
限定説の再評
価
近n
守の教科手!の設例によれば、参加的効力が生ずるのは、 ①保証人が被告 のすI件に主的務者が補助参加するJJ)j介において、効力作川元の判決の似拠と なった主伯;防の存在についてであり、また、 ②f
L
の所有者ーから土地の返還訪 10) これに対して、ドイツ L~ 'J~,Îj:訟法72 条l1Ji は、 í;lJj:;なが1' 1L.に不手lH[iな結栄になるJ持介のた めlこ、第三行に対して !1 1I民)j: しくは補償を請求することができると灯じ、又は第三"の,~t'f;R を危fflする‘町、J~おは、そのぷ訟の侃定 )J ある~f.IJ に当直るまで、第三".に対してよt 判上;lJF,訟を lT知することができる。Jと組定し(法務大r:I官)j.},;JWW!iiJI部編『ドイツ民事訴訟i.t典-2011 {Io 12)J2211 J)lイI:-J36μ以│、 (il,門会、 20l2{r')参!!の、すでに求償・1I:'itl'(を:ll!i'I'として探り 入れている 11 ) 択一的関係のすq刊である これについて、以判、l完成l4・1.22皮下IJ 集!~205~}93Ü は、限定 説の立つÌlnUJJ参加lの利銭安 I't-l本でIJFljí~:';匁lによる参加的効)Jの述JIIがないとした。1二野善寺 リli判WUJJt,;l'J 1' IJIky 1815号l8UT.187μ(2003{1')1;IJ ~j・532 サ (2003(,ド)参1!H。 なお、必本= 上野・ lìíI1~iI:7)(906Jil:(130)参mto 12) なお、以111. íìíj!~ì12)167a以下参!!百 ,; 1よな(守知制度のl刷出品Eに向けて (J;反111 宏)35
:;!とを受けた被告(口主)の訴訟に売主が補助参加をする場合において、効力 作用元の判決の根拠となった当該土地の所有権を原告が有することについて の判断であると説かれる。しかしながら、かような説明は、そもそもが非限 定説の影響を受けた考え方によっている。 限定説の立場から、より詳細に検討すれば、異なった説明がされるべきで あろう。すなわち、 ①の事例においては、効)J作用元の判決で、訴訟物となっ た保証伯権=保証依務の存在が、補助参加入 (被告知将)が将来被告となる であろう求償金支払前求訴訟における効力作問先の前提問題(先決問題)、つ まり民法
4
5
9
条l
f
J
i
における「過失なく債権者に弁済すべき行の裁判の-
;
-
i
・渡 しを受け」というぶ伯権の~件が具体化されるという法的利符|期係があるこ とで補助参加の利益は満たされる。こうして、補助参加人 (被侍知者)は、 被参加当引者(告知者)との関係では前訴判決の当事者と同じ立場に立つこ ととなり、既判力による遮断効によって保証的権のf;r'ì:;jtlJj~ 因 -'Wk(
とくに主 仙務の存在)につきされうことができなくなるという効)Jを受けることとな る。 ②の・r~例においては、原告 (tLの所有村長打) から提起された訴訟の訴訟 物=所有物返還,l
,
'
J
>
R
権の作在が認められることによって、補助参加l人 (被告 知者)が先日契約の売主として将来被告となるであろう迫奪担保l
f
,
'
J
;
j(訴訟で‘ 、'
i
該追奪m
1.巣立任の!日j提問題(先決問題)、すなわち「必主がその先却した権 利を取科して民主に移転することができないときJ
(民法561条参!!日)が認定さ れることにおいて、前訴判決の訴訟物が補助参加人(被告知者)の法的利害 │刈係に彩押するものである。このようにして補助参加│の利益が認められるこ とによる参加的効力として、先主は、i
:
i
主との│対係で、前訴判決における、月!
J
.
i
者と同じ立場に立ち、Tii
j
;
U
:
i
'
1
可決の旦1¥山中の中I
J
断である所有者の所有権につ いて既判 )Jによる遮断効を受けることになる。 このように、限定説によれば、「訴訟の結果について利主関係をイT
する」と いう参加l的効力の製作の問題においては、その基準を「訴訟物」に世いては いるが、その│際に効力が生じる参加l的効力の内符面では、既判 )Jによる遮断 効の主制的拡張という概念を介在させることにより、「判決理山'
1
'
の判断」に36
事実上の拘束 )Jを認める解釈上のテクニックを月jいていると比ることができ る。 このように解するとき、参加
l
的効力の制度の意味づけがI
Y
J
らかとなる。す なわち、 ①{川!日J.例、 ②迫奪担保司l例ともに、実│僚の紛苛iは三者紛争であり、 そのうち、 ①i
i
'
r
権者・保証人11、]1 ②所不I者・買主11日の訴訟が係属している状 況にある。その訴訟において、①保証人や②n
主が紛争の小心に存イ正する① 主債務者や②必主に訴訟告知をし、紛争を一挙に解決することは実体法上の 裂前で、ある。なぜならば、民法II体がかような三将紛争につき規定を附いて いるからである (民法459~長 1項、 561条)。 そして、これらの'J~例につき参加 的効)Jを、 尖│摂に補助参加lをした事例を越えて、訴訟告主n
にもかかわらず補 助参加がされなかった場・合にも及ぼす趣行は、後に求償金支払~í'J ;Jと;UFfií~や迫 奪担保?,'
j
3
J
と訴訟が控えていることが実体法論理上I
Y
J
らかである三者紛争にも かかわらず、I
j
i
j
訴判決の効力がキ11対的にしか及ばないとする民事訴訟の原W
J
を古,--1'(として、 ①主m
務者ーや②ゾ己主が三f
i
紛争のf
t
任を免れてしまう可能性 があることへの防波堤を設けるためであると考えられる。すなわち、既判力 の主観的範囲におけるf
l
l
対 効の原則によって、保証人や'
C
i
主が不当に二重の 敗訴の不利説を被らないように@:り、主観的純聞を拡張するに至った制度と いうことになる130 これは、実体法基準というべきであり、まさに限定説は 実体il~~,~準と税キn 的である。V
訴
訟告
知l
制度の再構築に向けて
このように参加的効力の趣行を補助参加の利雄における限定説において再 評価i
l
することにより、訴訟告知Iflilj)立のI
'
f
榊築に向けての新たな諜組がI
Y
1
らか となろう。 すなわち、実体法1,~i牲に親手11的な限定 l誕によれば、訴訟(守主11 によ 13) この観点からは、いわゆる反射がJとI,
.J伎のl問題であることが浮き彫りとなろう んr
t
r,-は、以 ~-IガJの決i冶にìl'í極的な伝場をとるが、 それはまさに条文十の叙処が'ï えられていないからで ある。参加的効)Jは、 46条においてr
1&'I'JIの先)J)JJとb寸法 胤 │二の似拠をイIしている。2
判決理由中の判断
既判力の豹:観的範│測について議論となった判決J!¥
l
lJIIIIの判断についてであ るが、 - jTi¥I,i
'
i
I
求訴訟後の伐;"il¥;fj
'
i
>と}否定説や、争点効理論.{;j'~主日IJ による後訴 遮断の議論もまた、Tiij訴、I'IJi;)との判断に一定の優位性を Ij-えているものという ことができょう 21)。しかしながら、既判)J概念が、その本質論において訴訟 法説を採り、効力作川元たる liij訴判決と効)J作川先たる後続訴訟との111]に一 定の│則係がある場合にのみl認められる│対係概念であることからすると、そも そも上記の1
1
1]題設定は、I
U
I''IJ)JI渇係が成立していないところで論じられてい るのではなかろうか22)。 既判 )J の i:.~JI.的純|瑚については、すでに民事訴訟 ìt1l 5条 l 項 2U ないし 4サが日正午IJ}Jの主倒的拡,)
U
を行っている。すなわち、 JWIIJとして批判)Jはl,fIj 旦i
l
.
*
者にのみ及ぶものであるが(同項i
U
-
。相対効のJ
J
;
U
IiJ)、訴訟担士i
における 被担当{f(
1
而P
n
:
2号)、 IIliJi弁論終結後の/f.<継人 (I,;J羽3
~J-)および,~i'l;
1
と1
1
的 物の所持人(
1
吋項4号)にもl
既判力は拡張されて及ぶとJ!Jl:;Eされている。しか も、依柿'l-?i'代位訴訟におけるもり労者(被'
1
lt
、l
i
者)に既中Ij)Jが及ぶか、あるい は、水継人の純聞につき議論があることはJi'ijま
n
のことである。このように、 20) ドイツの判例 (BGIIZ117..15= NJW 1992.1172: BGH NJW 1999.1407)は、 111米のIII,fF,:
i
:
物J'll必 (111災体i:li,iìí) を抗て新,JF,~l~物:Fll,~白( :分JI丸i見)を j;j<}11している (Rosenberg/Schwab/ Gottwald目Zivilprozessrecht.17.Autl..C.II.Beck Munchen.~92 10.なお、必本=上野・日!j拘ii:
7)(240)参!!(O n 本の政判所が過度の i~判とみなした求釈IYJJû~のJ広大にもかかわらず新,JF ぷ物.fIIl,冶を係るにモった ~rt l~tには、紛争の 11"1的解決と放んで、、'í'J~.r.'は n ら li1 もイif.JIなi1:ltl
榊成を.J}á,Jç して,~F ,訟を tJU!lするものであるとの与え )îがあったのではないかと lff! iJIIJ すること も吋能である。したがって、 dボ続税介'JH列においてダブル・チャンスをワえる必:i!:はな かったものと)5'えられていたのではないかと以われる。 現イ1:の泌l論に ii/l~ き換えてみれば、 w (I(JÄlI以抑制Í!.ì'íU>> が允'1,しない|拠りにおいて、水車(IYJの実際的必公~tl はきわめて小さいものと いえるのではないだろうか 21) たしかに、民 '1~,fFia:il:338条 1.rri10号によれば、 Ili事・1[(1)(立後必につ い て 認 め ら れ る も の で あり、 I¥il,足下│行jとが鋭(tiに占つことを示している。 22) ただし、 -'ì~I) ,1N;R ,~は、拠って立つf川町により,;1市IIí はI~ なる。 また、争点刻~FH ,;砧l立、 lìt 米
42
llij~ とされてきたところに、↓11 劇11 1j:'):!f'I:ぷ山を加えて諭じており、紛争の 11"1的 解 決 をi'j定 することも卜分に可能である。 ちなみに、弘見もまた、判決F~II I' I' の判断につきがl線の,式みをしている。 坂 111 公 H('lf,JF ,訟における処分織i:.&J142n以下 .149ft以ド'316W以F(イi斐IRJ、2∞[ilo)参照す号
-
n
J
I
約的に解釈しうる明文規定をもちながら、学説の多数は、判決の反射 効 (反射的効力)を認めている。これは、 liij・訴判決の優位性よりも、実体的 │珂{.,.:'f:における序列のもとに既判力理論の川!起点を突いている。しかし、まさ にその点で、本質論における実体法説を取り込まざるをえないのも事実であ る。ところで、たとえば主債務者を被作とする訴訟で5
!
?
求を来却された債権 者力f保証人に対して保証金支払請求訴訟を提起したとき、反射効を認める立 場力、らは、後訴裁判所が審理をすることなく、前訴判決を援川して棄却する ことを認める。これもまた、紛争の1
1111的解決が図られている場l市といって よし、であろう。3
裁判官
の独立
六:しかに、これらの諸問題は、それぞれの理論的問題に応じて品々非々の :1司i:L'1iを下すべきである。しかし、視点をより広い視野の巾に求めるとき、紛 争 的l回的解決を品としない反対の論拠があることに気がつく。裁判官の独 立である(憲法7
6
条3
項。) この裁判官の独立は、単純変換をすれば裁判体の 独立につながるものであり、ひいては裁判所の独立をも意味しよう。 「すべて裁判f
f
は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び 法 偶Iにのみ拘束される」。これを民事裁判に1)1き寄せて考えると、裁判所は、 出法,法律および (弁論主義により)、'
i
'Ji.者の提1
1
¥
した事実にのみ拘束され るということになる。そのJ
J
J
朱で、 I而訴‘j:1ji
,犬といえども、後訴裁判所を拘束 することはないのが原則である。これに対して、民事訴訟法114条、115条は、 一定の場合に既判 )Jとして前訴判決に即I:IJ)Jを認め、後続訴訟を羽F理 ・判断 する民判所を拘束することを認めた。この関係概念たる既判力は、もし生じ なbすれば民事裁判が機能しないといわざるをえないもので、民。J
i
,;訴訟を設営 する司法にとっては本質的 ・恨幹的HiJI皮である。しかし、あくまでも、これ は停帆として取り扱わなければならないものではなかろうか。民事訴訟法学 がヰZ質的 ・級幹的1J;(lIIJとしている既判力の作用関係が、憲法上の裁判所の独 立という観点から比た場合には、例外として位置づけられるという、原則と ,i1FI;í~:守主IlilìllJ交の再倣築に向けて(坂日l 法)43
例外の逆転の椛岡を苧んでいるといえよう。 原則と例外の逆転の榔凶に従えば、