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第18回シンポジウム 「ネイティブかノンネイティブ~いま英語教師の資質を考える」

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Academic year: 2021

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(1)第 18 回シンポジウム 「ネイティブかノンネイティブか∼いま英語教師の資質を考える」. 附属学校教育臨床総合センター. 群馬大学教育実践研究 第 26 号. 群馬大学教育学部. 305∼333 頁. 別刷 2009. 附属教育臨床総合センター.

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(3) 群馬大学教育実践研究 第 26 号 305 ~ 333 頁 2009. 第 18 回 学校教育総合臨床センターシンポジウム. 「ネイティブかノンネイティブか~いま英語教師の資質を考える」 主催:群馬大学教育学部付属学校教育総合臨床センター 日時:平成 20 年 2 月 2 日(土) 13:00~17:30 会場:群馬大学教育学部 N 棟 3 階大会議室(荒牧キャンパス内). 特別ゲスト・総括討論 グレゴリー・プール (多摩大学 教授) 前原 千晶 (株式会社旺文社ぐんま国際アカデミー編集室 元通訳) 話 題 提 供 レイモンド・フーゲンブーム (群馬大学大学教育センター・教育学部 兼任准教授) 津久井 貴之 (群馬県立中央中等教育学校 教諭) 中嶋 恵子 (前橋市立春日中学校 教諭) 牧原 功 (群馬大学留学生センター 准教授) 司会・企画 上原 景子 (群馬大学教育学部 教授) 所澤 潤 (群馬大学教育学部 教授) 次第 Ⅰ. シンポジウムの趣旨説明 (上原 景子). Ⅱ. 元 ALT の視点から (レイモンド・フーゲンブーム). Ⅲ. 対話 ネイティブかノンネイティブか (グレゴリー・プール、前原 千晶). Ⅳ. 中学校教員の視点から:実践を通して (中嶋 恵子). Ⅴ. 高等学校教員の視点から:実践を通して (津久井 貴之). Ⅵ. パネルディスカッション 日本人が教える視点から考える (司会:所澤 潤) パネリスト:グレゴリー・プール、前原 千晶、津久井 貴之、中嶋 恵子 レイモンド・フーゲンブーム、牧原 功、上原 景子 <指定コメント> ・日本語教育の経験から (牧原 功) ・元留学者の視点から (前原 千晶) ・教員養成の視点から (上原 景子) <自由討論・質疑応答>. Ⅶ. ノンネイティブ再考 (グレゴリー・プール). Ⅷ. まとめ. 305.

(4) 306. 第 18 回シンポジウム. はじめに. 司会:松田学部長の挨拶から引き続き、上原景子先生 より今回のシンポジウムの趣旨を説明していただきた. 司会(群馬大学教育学部・所澤 潤):大変お待たせし. いと思います。. ました。これから第 18 回学校教育総合臨床センター 公開シンポジウムを始めたいと思います。今回のテー マは「ネイティブかノンネイティブか~いま英語教師. Ⅰ 問題提起. の資質を考える」というものです。まずは、教育学部 長からみなさんにご挨拶があります。. シンポジウムの趣旨説明. 松田教育学部長:みなさんこんにちは、第 18 回の公. 上原:みなさん、こんにちは。. 開シンポジウムですね。今回のテーマは、非常にタイ ムリーだと感じます。ネイティブかノンネイティブか. 会場:こんにちは。. というテーマは、非常にタイムリーだと思います。テ ーマをめぐって、特別ゲストの方、また総括討論され. 上原:本日は、土曜日のお休みの中お集まりいただい. る方、それから話題提供然りいろんな方に協力してい. てありがとうございます。はじめに、簡単に趣旨を説. ただき、感謝申し上げます。私も中・高・大学と英語. 明させていただきます。プリントに書いてある通り、. を勉強しました。それに、大学院でも英語の文献は読. また、先ほどの松田学部長の話より、今、国際化とか. んでおりました。そのように、英語との付き合いはず. 英語のコミュニケーション能力などが叫ばれている中. っとあったのですが、実際に就職した後には、障害児. で、非常にタイムリーなテーマであると自画自賛して. 教育をやっていますと、英語を使うチャンスはないん. いる次第であります。日本の英語教育の目標は、実践. ですね。そんなわけで、少し英語とは縁が薄かったの. 的なコミュニケーション能力を育てることと言われて. ですが、40 歳になって文科省の在外研究のチャンスが. おりまして、どうしたら本当の意味での実際的なコミ. 与えられまして、それでイギリスに 5 ヶ月ほど行って. ュニケーション能力を英語において育てることができ. いました。それ以前の準備に当たって、アメリカの方. るのかと考えてきました。実態を見てみますと、日本. と会話をするとか、練習をしたりしたのですが、ほと. 人の英語教師と共に ALT を中心としたネイティブの. んどその成果はありませんでしたね。成田から飛行機. 先生たちが教室の中に入られたり、また、普通の生活. に乗って、たまたま隣の席の人が韓国の保険会社の人. の中でもかなり日本人以外の方が身の回りに増えてき. でした。その人がどんどん喋ってくれたのに必死にな. ていて、それから日本人でありながらも国際的な舞台. って返していたりですね、ロンドンに着いてから必死. で活躍されている方がいらしゃったりという現状があ. になってやりました。そうやって悪戦苦闘して英語を. ります。ということで、 「ネイティブの先生とノンネイ. 話し始めました。たまたまテープを持っていまして、. ティブの先生のどちらに教わりたいですか」というこ. 時間のあった年末年始に、宿で聞きながらもう一回復. とをプリントの趣旨の中では申し上げましたが、この. 習しました。そうすると、不思議なもので、年が明け. ようなことを考えることを通して、ネイティブの先生. て 1 月になると喋れるんですね。2 月 3 月になると絶. とノンネイティブの先生のそれぞれの価値を見出すこ. 好調でした。2 月からは、会話では先に英語が浮かぶ. とができればと考えておりますので、よろしくお願い. ようになり、こういうことがこの世の中にあるんだと. します。では、おいでいただいたゲストの方々を紹介. 思いました。何が言いたいかと言いますと、喋る状況. いたします。まず、多摩大学教授グレゴリー・プール. に追い込まれると喋れるようになるんだと痛感しまし. 先生。それから、株式会社旺文社ぐんま国際アカデミ. た。 今回のテーマは良いタイミングですけれど、 ぜひ、. ー編集室の元通訳、前原千晶さん。続きまして、群馬. 学校の先生方には色々と意見交換をしていただいて、. 大学大学教育センター・教育学部准教授のレイモン. 実践に役立てていただきたいと思います。長くなりま. ド・フーゲンブーム先生です。それから、群馬県立中. したが、これで終わります。. 央中等教育学校教諭、津久井貴之先生と前橋市立春日.

(5) ネイティブかノンネイティブか~いま英語教師の資質を考える. 307. 中学校教諭、中嶋恵子先生です。そのお隣にいらっし. イティブの英語教師となる学生たちを指導する立場に. ゃるのが、群馬大学留学生センター准教授、牧原功先. おりますが、 そこで直面している大きな課題の1つは、. 生です。それから、本日の通訳をお願いしております. 「いかに英語という言語を自分自身の一部として受け. 藤岡市立西中学校教諭、信澤博美先生です。最後に、. 入れ、英語教師としての能力に自信をつけた学生たち. 今回の企画・実施責任者、臨床教育センター教授、所. を輩出するか」ということです。日本では、英語は外. 澤潤先生です。半日よろしくお願いします。. 国語として教えられているので、ネイティブとノンネ イティブの英語教師の役割を考えていくのはとても重 要だと思います。. Ⅱ 元ALTの視点から フーゲンブーム:When our students — when our レイモンド・フーゲンブーム (群馬大学大学教育セン ター・教育学部 兼任准教授) 通訳:信澤 博美 (藤岡市立西中学校 教諭) フ ー ゲ ン ブ ー ム : Good afternoon, everyone.. Thank you so much for coming. I will speak in English and Nobusawa Sensei will translate for me. So, today’s topic, which is “The Native and Non-Native Distinction”, is a very important and interesting topic for me. I was an ALT for 5 years at a junior high school, and I experienced firsthand the distinction between the native and non-native English-speaking teacher. Now I am in the position of training college students to be non-native English-speaking teachers of English. One of the biggest challenges we face in this teacher training program is producing English teachers who are comfortable with their identities as users of the English language and confident in their abilities as English teachers. In Japan, English is taught as a foreign language, and it is important for us to consider the roles of native and non-native English-speaking teachers of English.. freshmen … ichi-nensei — walk through the door for the first time, they often say, “I like English, and I want to be an English teacher.” However, they are often not quite aware of the personal investment that is required to become proficient at English or any other second language. Learning a second language requires a lot of time, effort, and maybe some money, too. Anyway, learning how to read, write, and speak English does not end with submission of final assignments for reading, writing, and oral communication classes. Our students have to be taught to re-create themselves as members of the international community. We must help them to develop a hunger, a passion, and a love for interaction with the world beyond Japan … a world that is full of art, books, music, culture, people, and many other things … economy, business … you name it … the world is full of it … a lot of it … some of it good, some of it bad, but almost always interesting. 通訳:大学に入学したての学生たちは、よく「英語が 好きで、教師になりたい。 」と言います。しかし、本当 の意味で英語、または他の第二言語に堪能になるため. 通訳:みなさん、こんにちは。参加してくださり、あ. に必要な努力などの自己投資の重要性には、ほとんど. りがとうございます。私は英語で話しますが、信澤博. 気付いていません。言語学習には長い時間と努力、時. 美さんが通訳をしてくださいます。 「ネイティブかノン. にはお金が必要です。英語を読んだり、書いたり、話. ネイティブか」という今日のトピックは、とても重要. したりする方法を習得することは、リーディングやラ. で興味深いトピックです。私は中学校で 5 年間 ALT. イティングやオーラルコミュニケーションの授業で最. として働き、ネイティブとノンネイティブの先生方の. 終課題を提出したときに終わるものではありません。. 違いを経験してきました。現在は、大学で将来ノンネ. 学生たちは、国際社会の一員としての自分自身を再構.

(6) 308. 第 18 回シンポジウム. 築することを教わらなければなりません。私たち教師. パ、そしてアジアのほかの地域とも相互交流を持つこ. は、学生が日本を越えた世界との相互交流への強い気. とができます。学生たちはまだ若く、日本人なら 90. 持ちや情熱を伸ばす支援をしなければなりません。世. 歳くらいまで生きますから、まだまだ先は長いです。. 界には、芸術、書籍、音楽、文化、そして人々を始め、. より多くのやり方を見つけるほど、そこから発展して. 経済、ビジネスなど、多くのことが溢れており、良い. さらに色々なやり方を見つけることができるようにな. ことも悪い事もありますが、そのほとんどは興味深い. るでしょう。. ものです。 フ ー ゲ ン ブ ー ム : Recently I met a Japanese フーゲンブーム:We have to help our students. develop strategies to create a niche for themselves in which they can continue to grow and develop second language ability on their own. For example, a passion for … let’s say …blues music from America might inspire a learner to analyze the song lyrics, to read critical books on the historical and cultural contexts of blues music, to join a circle of blues enthusiasts, to learn about African-American history and culture, to go and visit Chicago or New Orleans or the Mississippi Delta. It’s endless. You can just go on forever. And their niche need not be American, of course. I gave an example of America. However, they can interact with Africa, Middle East, Eurasia, Europe, and other parts of Asia. Our students are so young. This is Japan, so they are going to live to be ninety. And the more roads they discover … the more roads they find … the more roads they are going to find.. businessman. He lives in China. He does business in France, and he told me that he learned English by talking to French people. That’s very interesting. He said he understood French people’s English better than he understood my English. I don’t know the statistics, but most of the world … most of the people are speaking English as a second language. Native speakers do not have a monopoly on the English language. Our future teachers in this program have to become comfortable with themselves as bilinguals within the international community. 通訳:最近中国在住の日本人ビジネスマンと会いまし た。彼は、フランスでビジネスをしている会社に勤め ています。彼はフランス人と話すことで英語を学んだ と言いました。面白いですね。彼は、私の話す英語よ り、フランス人の話す英語の方がよく分かったと言っ ていました。正確な統計は分かりませんが、世界のほ とんどの英語話者は第二言語として英語を話していま す。ネイティブスピーカーだけが、英語という言語の. 通訳:私たちは、学生が自分で第二言語能力を発達さ. 独占権をもっているわけではないのです。教員養成課. せていけるよう、彼ら独自のストラテジーを生み出し. 程にいる未来の教師たちは、国際社会の中で、自分た. たり、伸ばしていけるような手助けをしなければなり. ちはバイリンガルなのだと言う感覚で不安をもたず英. ません。 例えば、 アメリカのブルース音楽への情熱が、. 語に接するようにならなければならないのです。. 歌の歌詞を分析してみたいとか、ブルース音楽の歴史 や文化に関する批評を読んでみたいとか、ブルースフ ァンのサークルに入りたい、アフリカ系アメリカ人の 歴史や文化について学びたい、シカゴ、ニューオリン ズ、ミシシッピデルタなどに行ってみたい、というよ うな気持ちを喚起するかもしれません。このように 延々と続きます。今、アメリカの例を挙げましたが、 学生独自のやり方は、アメリカ中心主義である必要は ありません。アフリカ・中東・ユーラシア・ヨーロッ. フーゲンブーム:Now consider this.. Many native English speakers get off the airplane at Narita Airport in Chiba and immediately think, “I’m becoming an English teacher.” They have no methodology, they can’t speak Japanese, they don’t know anything about Japan or Japanese children or the Japanese school system. They don’t know any second language, and many.

(7) ネイティブかノンネイティブか~いま英語教師の資質を考える. cannot answer simple questions about grammar … English grammar. That’s the truth. But we think, “We are native speakers, so that makes us experts as English teachers.” This is simply not true. 通訳:では、次のことを考えて見ましょう。たくさん の英語のネイティブスピーカーが成田で飛行機をおり た途端に、 「自分は英語の教師になるのだ」と思ったと 考えてみてください。何の教授法も知らず、日本語も 話せず、日本や日本の子どもたちや日本の学校制度の ことは何も知らないのです。 そういう人たちの多くは、 第二言語は何も知らず、とても簡単な文法の質問、英 語の文法の質問にも答えることができないのです。こ れは、事実です。しかし、 「自分たちはネイティブスピ ーカーなのだから、英語の教師としてプロになれる」. 309. ーカーとノンネイティブスピーカーとの違いは、みな さんが考えているほど重要な問題ではないのではない のでしょうか。 フーゲンブーム:However, I’m presuming that this. person is highly proficient at English … a non-native speaker, but highly proficient … I forgot to say that. OK, if the Japanese teacher of English is truly proficient, he or she may have some big advantages over a native speaker, despite being less proficient at English than the native speaker. Medgyes (1992) — he is a person … an expert — lists six points of advantages for the non-native English-speaking teacher who teaches English to children within his own or her own culture.. と考えたりします。これは、明らかに誤りです。 通訳:言い忘れましたが、私が例えた人は、ノンネイ フーゲンブーム:According to many experts, being. ティブスピーカーでありながらも、英語にとても堪能. an English native speaker might be the only thing that has gotten us into the classroom. Being a native speaker of English might not even mean that we are more proficient at English. What if I find a Japanese person who knows much more about the world than I do, much more about everything than I know. Maybe he’s going to make some unusual collocations in his English, but he is still going to be able to talk about more things than I can talk about. So, the distinction between native speakers and non-native speakers might not be as important as people think.. な人です。もし、英語を教える日本人教師が本当に英 語に堪能であれば、その教師は英語のネイティブスピ ーカーより英語の熟練さで多少劣っても、顕著な利点 をもっているかもしれません。メッジズは専門家です が、1992 年の研究論文で、自分の文化の中で子どもた ちに英語を教えているノンネイティブスピーカー教師 の 6 つの利点を上げています。 フーゲンブーム:I’m just going to use the term JTE.. するときにちょっと変わった表現などしてしまうかも. First, only the JTE … Japanese Teacher of English … only the JTE can serve as an imitable model of a successful learner of English. Two, the JTE can often teach learning strategies better than the native speaker can. Three, the JTE can often provide learners with more information about the English language. Four, the JTE is more able to anticipate problems that students will have. Five, the JTE can show more empathy … feelings … for the needs of learners. And then finally, six, the JTE can benefit from sharing the learners’ mother tongue.. しれませんが、それでも、おそらく私が話すよりも多. 通訳:JTE という用語を使って説明します。1つ目で. くのことを話せるでしょう。だから、ネイティブスピ. すが、JTE、つまり、日本人の英語教師だけが、英語. 通訳:多くの専門家によれば、ネイティブスピーカー であることは、それだけで教室に入る価値があると思 われているようです。実は、ネイティブスピーカーで あることは、英語に堪能であるということにさえなら ないかもしれません。例えば、英語にとても堪能で、 私よりももっと世界のことを知っている日本人の人が いたら、どうでしょうか。その人は、英語で話したり.

(8) 310. 第 18 回シンポジウム. の学習を成功に導く模倣に値するモデルとなりえるの. の直観に加えて、素晴しい英語の教師になるのだと思. です。2つ目は、JTE の方がネイティブスピーカーよ. います。. り効果的に学習ストラテジーを教えることができると いうことです。3つ目は、たいてい JTE の方が英語に. フーゲンブーム:Now, we have a whole room full. 関する多くの情報を学習者に提供することができると. of experts … and future experts. So, let’s serve up this topic. What are the distinctions between native and non-native speakers of English? Thank you for your patience.. いうことです。4つ目は、JTE の方が生徒がしそうな 間違いをよく予測できるということです。5つ目は、 学習者のニーズや問題点により良く共感を示すことが できるということです。そして最後の6つ目ですが、 JTE は生徒と母語を共有することによる利点があり. 通訳:この部屋は専門家のみなさんや将来専門家にな. ます。. るみなさんでいっぱいですね。というわけで、次の話 題をみなさんに投げかけたいと思います。 「ネイティブ. フーゲンブーム:However, based on Medgyes, I’d. とノンネイティブの英語教師の違いはいったい何なの. like to add the following: If you have two JTEs with equal talent for methodology, then higher English proficiency is better … as long as the abilities for methodology are equal. So it’s very important for the JTE to be proficient at English. Also, some native English speakers are very skilled at teaching English. They have good methodologies and they have learned other languages. So they actually are good teachers. Many of them have a lot of experience with learning second languages, and they can function as role modes for learners. They also know a lot about learning strategies and can share feelings with their students. In addition to their native-speaker intuition, these conditions may make them good teachers of English.. でしょうか。 」長い間ご静聴いただいて、ありがとうご ざいました。 司会:フーゲンブーム先生、 ありがとうございました。 信澤先生も、通訳ありがとうございました。ネイティ ブとノンネイティブの問題について、今、フーゲンブ ーム先生から見直しの提案が出ているわけです。今度 は、学習者の側であった前原さんと日本語に堪能なプ ール先生に、大学で日本人の学生に教えている中で感 じていることを話していただきます。. Ⅲ 対話 ネイティブかノンネイティブか グレゴリー・プール (多摩大学 教授) 前原 千晶 (株式会社旺文社ぐんま国際アカデミー 編集室・元通訳). 通訳:しかし、メッジズの考え方に基づいて、次のこ とを付け足したいと思います。もし教授法の熟練度が. プール:フーゲンブーム先生のコメントは、非常に参. 同程度の JTE が 2 人いたら、英語により堪能な人の. 考になりました。私の言いたいことを先に言っていた. 方が優れているということです。ですから、JTE にと. だきました。私が考えたのは、 「ネイティブスピ-カー. っては、英語に堪能だということは非常に大切なこと. とは何なのか。 」 ということです。 少し哲学的になると、. です。また、ネイティブスピーカーの教師の中には、. 様々な既成概念が先に走っているのかもしれません。. 教え方にとても優れている人たちもいます。こういう. どのような既成概念かというと、 「ネイティブとノンネ. 人たちは、本当に優れた教師です。こういう人たちの. イティブには違いがある」というものであったり、 「意. 多くは、第二言語学習についての経験があるため、学. 味論的にネイティブとノンネイティブははっきり言え. 習者にとっての手本として機能できます。彼らは言語. る」というものです。こういうことから、今回の対話. 学習ストラテジーについてもよく知っていて、生徒と. を進めていこうと思っています。1つは、 「ネイティブ. もよく共感できます。このような条件が、ネイティブ. スピ-カーと言われるのは、どんな人なのか」という.

(9) ネイティブかノンネイティブか~いま英語教師の資質を考える. 311. ことと、 「何のネイティブスピーカーか」ということで. 前原: 「環境」ということで、ネイティブかノンネイテ. す。例えば、ジュディー・オングという人がいます。. ィブかと聞かれるとはっきりとは答えられないのです. 彼女はネイティブスピーカーと言われています。その. が、 仮にアメリカに行けば英語が学べるのかと言えば、. 彼女は、ブリティッシュ・イングリッシュのネイティ. 必ずしもそうではないと言えるでしょう。例えば、私. ブスピーカーなのか、アメリカン・イングリッシュの. が住んでいたのはワシントン D.C.の郊外にあるメリ. ネイティブスピーカーなのか、それともシンガポーリ. ーランド州で、日本人が少ない土地でした。でも、日. アン・イングリッシュのネイティブスピーカーなのか. 本人で固まっているグループも存在し、そのような人. が、先に疑問として来るべきです。さらに、英語には. は 5 年いても 6 年いても英語は進歩しないわけです。. スタンダード・イングリッシュと言われるものが存在. 環境もさることながら、自分の心持も重要になるので. するのだろうかという疑問があります。仮に、スタン. はないでしょうか。. ダード・イングリッシュというものがあったとしたら、 ノンネイティブの第二言語として話されているスタン. プール:それもある意味では「環境」と言えるのでは. ダードになっているのではないでしょうか。グローバ. ないでしょうか。外の環境と自分の身辺の整備するこ. ル・スタンダードと言われる英語は、第二言語として. とが必要になるのでしょう。考え方が重要になるので. の英語が世界中で話されているということではないで. しょう。 「マインドセット」とでも言いましょうか、既. しょうか。そうならば、ネイティブかノンネイティブ. 成概念と言いますか、先ほどの日本人の留学生グルー. かと言った疑問は無意味になるかもしれません。そこ. プが固定してしまうこともあります。それに加えて、. で、前原さんの経験をお聞きしたいのですが、どのよ. 私が学生を連れて渡米した時に、サンフランシスコ空. うなところが英語能力として、進歩したのか、それか. 港に着いた時「やっぱり外国人ばかりだ」と言ったん. ら、英語のネイティブとノンネイティブの違いとは何. ですね。考えてみると、面白いですね。そのときは学. なのでしょうか。. 生に 「何を言っているんだ、 自分が外国人なんだろう。 」 と突っ込んだのですが、これには深い意味がありまし. 前原:私が中学・高校と英語を学んでいた当時は、ALT. たね。これはやはり、 「マインドセット=考え方」です. が全く入っていない時期だったのです。中・高共に所. よね。全世界の人々が外国人ですよね。だからこそ、. 謂ノンネイティブの日本人の先生に英語を学びました。 ネイティブとノンネイティブの違いがはっきり言えな 授業の仕方は、 現代の独創的な英語の授業と比しても、. いのは、区別の仕方が国家主義的に過ぎていると思う. どの教科であっても変わり栄えがしないような、黒板. からでもあります。だからこそ、日本・ジャパン・ジ. の前に先生が座り先生の言うことを復唱すると言った. ャパニーズと言っても、日本だからこそ何があると特. 授業の時代でした。そのような中で学んできたので、. 徴が言えるかということです。学生に授業中によく言. 英語に対する興味は薄かったのです。そのような私が. っているのですが、冗談として、 「名前を日本語と中国. ひょんなことから高校卒業後に渡米することになりま. 語とで書きなさい。 」と言いますと、戸惑ってしまいま. した。そこで、英語を母国語とする人々に囲まれて生. すよね。漢字とひらがなで振り仮名を振りなさいと言. 活し、学校に通うことで私の英語能力は飛躍的に向上. った意味ですが、漢字が中国文化であるといったこと. したと思います。つまり、私のようにネイティブに囲. も忘れていますよね。. まれるような環境にあった方が英語の能力は向上する ものではないかと考えています。. 前原:要するに区別する必要がないということですか。. プール:そうですね。松田学部長もおっしゃっていた. プール:ええ、特別に区別する必要はないと考えてい. とおり、環境・状況はとても大事ですね。やっぱり、. ます。 環境の話に戻しますが、 固定的な視点ではなく、. 同じ人物が群馬に育つかテキサスに育つかでは、その. 少し違った視点から世界を見せると言うのが重要にな. 人の考え方まで違ってきます。それは、環境の影響で. るのではないでしょうか。前原さんの経験も、それま. あり、いわゆる文化ということでしょう。. でと全く違った視点から世界を見たことに意味があっ.

(10) 312. 第 18 回シンポジウム. たのではないでしょうか。 私もすごく前に日本に来て、. ティは国家規模で作るものではなく、もっと身近なロ. 日本語も全く分からなかったのですが、文化人類学を. ーカルな部分に作るものだと思います。だからこそ、. 専門としていたものとして、違う環境に置かれること. 考え方を変えることこそが「日本人だから」と諦める. が経験してみたかったのですね。そのとき、子供たち. ことがなくなると思います。例えば、同じ日本人でも. が「外人だ、外人だ」と駆け寄ってきたんですよね。. 暗黙の了解が成立するものがあるとは思えないんです. その当時、前橋に 20 人ほどしか外国人がいなかった. よね。北海道の農家と東京の会社員が考えを共有する. 時代ですから、それもうなずけますね。. ことは難しいのではないでしょうか。ネイティブかノ ンネイティブかと言った区別も意味を試すものではな. 前原:先ほど話したように、ALT がいない状況で中学. いのではないかと考えています。. 高校を卒業したのですが、自分にとってネイティブの 先生が必要だなと思うのは、英語を話さなければいけ. 前原:区別はいらないと言われますが、やっぱり日本. ない気持ちにさせてくれて、環境を与えてくれるとい. 的な要素を意識させられるのはネイティブの人とであ. う意味で重要だと思います。ノンネイティブの先生だ. ったときなんですね。自分の内に有るものが引き出さ. と、日本語で話してしまえば良いと逃げ道を作ってし. れるのは、異質な人との接触によってだと思います。. まうのが、ネイティブの先生だとその逃げ道が作れな いから、そのような意味でもネイティブの先生は重要. 司会:先ほどの前原さんの話の中で、ALT が来ると、. な意味を占めています。. どうしても英語を話さなければいけない状況になると 言う話がありましたが。そこで、もしも ALT が日本語. プール:刺激ですか。. が上手になってきたら、ALT として仕事ができなくな ってしまうところに行き着くのではないかとも考えら. 前原:刺激にもなりますし、そのような機会があるこ. れるのですが、そこの説明をしていただけると、今のプ. とが、私が中学・高校時代にネイティブの先生がいた. ールさんの話にも繋がってくるのではないでしょうか。. ら、アメリカで経験しなくとも体験できたのではない かと考えます。. 前原:日本語が上手になったからといって、ALT とし ての価値がなくなってしまうことはないのでしょうが、. プール:やっぱり環境ですよね。きっかけになること. 日本語で通じる安心感が出てくると英語を話す機会を. が大切ですよね。. 作ると言う意味では、不都合なので日本語ができる事 実は知らせて欲しくないですね。今ぐんま国際アカデ. 前原:そのような状況に追い込まれて、初めて必死に. ミーでは 2 人担任制で日本人の先生とネイティブの先. なって英語を学習するようになるんですね。私の伯父. 生が入っているのですが、日本語が喋れることをひた. 夫婦は国際結婚だったのですが、向こうに行くと日本. かくしにするネイティブの先生もいらっしゃいます。. 語を全て禁止されて、特定の日だけ日本語を許された. イマージョン教育として、英語に浸す環境を作ってい. んですね。ですから、いちいち喧嘩にも和英辞典片手. るのですが、ネイティブの先生が日本語でも通じると. にやったものでした。. 分かってしまうと、子供たちは英語を話さなくなって しまいます。ネイティブで日本語が話せると必ずアプ. プール:やっぱり環境ですよね。きっかけが与えられ. ローチが日本語になってしまうんですね。. ることが、英語の能力を向上させるのには必要になる のではないでしょうか。さらに、学生によく考えさせ. 司会:私の年代だと、中学校から英語を学んでいるん. る既成概念は、国家主義的な区別で考えることなんで. ですが、たぶん自分のことを振り返ってみると、中・. すよね。日本語であっても、分からない言葉があり、. 高でネイティブの先生がいた場合、その先生が日本語. アメリカにもこれがアメリカ文化だといえる確固とし. が分かる方が英語で話しやすかったと思うんですね。. たものが有るわけではないんですよね。アイデンティ. 小学生の気持ちとはまた違うのではないかと思うので.

(11) ネイティブかノンネイティブか~いま英語教師の資質を考える. 313. すが、プール先生はそのあたりはどう思われますか。. 上原:砕けた夢に何があって今の前原さんの英語能力の. 日本人と外国人との区別との関係をどのようにお考え. ベースになったのですか。 日本人の先生だと良いモデル. ですか。. にはならないですか。. プール:最初に前原さんがおっしゃったのは非常に面. 前原:残念ながら、そのとき私が遭遇した英語の先生. 白いんですね。 他人がいるから自分がいるというのは、. はモデルになり得なかったんですね。英語を知らなか. 自分自身が存在することは他人が存在することによっ. ったから、英語で成長できた側面もあるのですが、ア. て自分を認識する。環境作りとしては、日本語が通じ. メリカに行って英語に浸っていれば、能力が上がるか. るかどうかを見せることは慎重にしなければならない. といえばそういうわけではないと思います。私の英語. のでしょうけれど、普通に努力して第二言語がここま. 能力が向上したと実感したのは、向こうで 8 年間勉強. で話せるようになるという1つの例として見せること. して日本に帰ってきたときに、日本語に再び触れたと. は、意味のあることだと思います。1つは、駅前留学. きなんですね。 自分がもっている日本語能力までしか、. の問題ですね。英語はエンターテイメントになってい. 英語能力は伸びないと思います。. ることが、とんでもないと思う。外国語を学習するこ とは、努力が必要であることをわすれていることが問. 上原:私は、日本にいる知人の中では前原さんが一番. 題になると思います。私は、日本語を集中して勉強す. 英語ができる人だと思っているのですが、通訳までの. るに当たって、 語彙から入らなければならないと思い、. レベルに達するにはただ 8 年留学して、キャンパスで. ほんの少しの空き時間でも単語カードを用いて勉強し. 勉強したレベルではないと思うのですが、どのように. たんですね。さらにカセットを空き時間に聞いていた. して同時通訳レベルまで高めることができたのですか。. りしたんですね。そこまでの努力を英語に対してして いるか学生に聞いてみると、していないんですね。そ. 前原:先ほど単語カードの話が出ていましたが、やは. れでは、言語能力は伸びないと私は思います。第二言. り学習は苦しかったですし、日々の積み重ねですし、. 語学習の成功モデルとして、例えば我々教員が見せな. ある程度英語が話せるようになった今でも、その力が. ければいけない面もあると思います。. 錆付かないように英字新聞には必ず目を通すだとか、 あと新しい世代の単語等は常にチェックしていますし、. 司会:今、プール先生から、日本人の英語教師は第二. 私は通訳としては教育が専門なんですが、その教育に. 言語を学習するモデルであるというふうな位置づけが. 関してのニュースは必ず聞き逃さずに確実に目を通す. 重要であって、ネイティブでは学習モデルになるのは. 等は日々やっていることですね。. 難しいというお話しをされているんですね。先ほど、 昼食時に前原さんが高校生のときに1か月アメリカに. プール:教育のことを考えると、そのようなことがす. 行ったら全てが変わったという話があったのですが、. ごく重要になっていると思います。勉強させるという. そこからネイティブの環境とはどのようなものかを前. ことでなく、興味を引き出せないとだめですね。ネイ. 原さんの方から、説明していただけますか。. ティブ・ノンネイティブの違いに関わらず、先生の存 在が非常に大きいと思います。全体的に興味を引き出. 前原:私は、1か月間の渡米体験で耳で英語を聞き取. せることが非常に大切です。. れるようになったんですね。英語の音楽や、映画を見て も分かる自分がいたのです。 そのように英語を聞き取れ. 司会:前原さんは、結局、英語のネイティブスピーカ. るようになってきた私が、 学校のテストでも好成績を取. ーの、英語の先生に対して、実際に学校では何を期待. れると思ったのですね。しかし、20 点ぐらいに点数だ. したいですか。. ったのですよ。生きた英語と、学校のテストでは違うこ とから英語への夢が一端砕けてしまったんですね。. 前原:英語に対して心がときめくきっかけを作って欲 しいと思います。言語の学習には人の力が重要になる.

(12) 314. 第 18 回シンポジウム. と思うので、ちょっとしたきっかけがネイティブの先 生から欲しいですね。 司会:ちょっとしたきっかけとは、ずっと持続するき っかけなんですね? 前原:ずっとではなくても、ところどころにあるだけ で良いと思います。. participants who have planned this symposium. I’m very glad to be here. This is a good chance for me to re-consider my teaching. Anyway, my motto is “Practice makes perfect.” Practice is sometimes boring, but keeping practicing will make our language learning perfect, I feel. Now, I am going to present some part of my teaching. I hope it can help you think more about language learning and teaching. 導入として約1分ほど英語. 司会:ネイティブの先生に日本人の先生が教えるよう. でスピーチさせていただきました。ごく普通の中学校. なリーディングだとかグラマーだとかいうものは期待. の教室だと、この時点で、1割から多い場合は2割の. しませんか。. 生徒が「わかんないよ。 」 、 「何で日本語じゃないんだ よ。 」という反応をするか、耳にシャッターが下りると. 前原:もし自分が小学生や中学生だったら、そのよう. いう状況になると思います。英語にいかに興味を持た. なことは期待しません。やはり、日本にいながら、自. せるかということに、教職について 20 年経った今で. 分が知らない世界に目を向けさせて欲しい、そのきっ. も悩んでいる現状です。中学校教員の視点からという. かけを作って欲しいというのが期待することです。. ことで話をさせていただきます。まずは、今年度の4 月から勤務している春日中学校について紹介したいと. 司会:今の前原さんの意見に関してですが、プール先. 思います。前橋市に程近いところにありながら、近辺. 生は自分が高校の先生だった場合に自分はそのような. に田んぼが多く残っているという学区です。 今年度で、. 役割を果たしますか。. 創立 30 周年を迎えました。全校生徒はちょうど 200 人、各学年 2 クラスで、市内屈指の小規模校です。か. プール:やりたいとは思います。子どものときに1つ. といって、僻地校というわけではなく、1 クラスが平. の機会があるとそれが大人まで覚えているんですね。. 均 30 数名で、その状態での一斉授業ということです から、語学を学ぶという上では決して少なくないとい. 前原:自分が触れることの無い世界を垣間見せて欲し. う現状です。学力も上位と下位が二極化しており、規. いという期待がネイティブの先生にはあります。. 模の面では特殊ですが、 ごく一般的な公立中学校です。 英語の教諭は私一人で、全学年・全クラスの英語を担. 司会:今対話していただいた内容に対する質問は、最. 当しています。担任を持ち、部活動は主顧問で、週の. 後の自由討論・質疑応答に取り上げたいと思います。. 持ち時間が 23~24 時間です。 「ネイティブかノンネイ. 前原さん、 プールさんどうもありがとうございました。. ティブか」という本日のテーマを教えていただいたと きに、興味深いテーマであると同時に、身近なことで すが、 深く考えたことがないことに気付かされました。. Ⅳ 中学校教員の視点から:実践を通して. 今の私は、 迷わずネイティブから学びたいと思います。 理由は、 「生」を感じたいといいますか、テキストにな. 中嶋 恵子 (前橋市立春日中学校 教諭). い背景を感じたいからです。そうだとすると、 「英語教 師である自分の存在価値は何なのだろう」と、自問自. 中嶋:Good afternoon, everyone.. Nice to meet you. I’m Keiko Nakajima. I’ve been working in junior high schools as an English teacher for twenty years. First of all, I really appreciate the audience, and I appreciate the professors and. 答せざるを得ません。そこで、実際の中学生はどのよ うに考えているのか、生の声を拾ってみました。全校 生徒 200 人へのアンケートの結果として、 「中学校で どのような英語の授業を受けたいですか」という問い に対して、 「日本語を日常的に話す、日本人の英語の先.

(13) ネイティブかノンネイティブか~いま英語教師の資質を考える. 315. 生と学ぶ授業が良い」と答えた生徒は 14%、 「英語を. めたら私は窓側から始めて、5分程でクラスを一周で. 日常的に話す、 外国人の英語の先生と学ぶ授業が良い」. きるんですね。一人一質問、特に、現在学習中の言語. と答えた生徒は僅か 5%でした。 「日本人の先生と外国. 材料を中心に行っています。待ち時間には、他の生徒. 人の先生の両方と学ぶ授業が良い」というのが圧倒的. に対する質問に対して興味があるようで、聞き入って. 多数で、81%でした。日本人の教師では、安心できる. いるようです。このことからも、無駄は少ないと感じ. という理由から、 「文型とか文法を学ぶのが英語学習の. ています。次は、授業の最後に「ちょこっと英語の文. スタートだ」と考える生徒が多いようです。マイナス. 化を知ろう」といった形の実践です。これは ALT 主. 面としては、 「細かい発音が心配だ」とか、 「会話力が. 導の実践で、私はほとんどアシストもしない環境を作. 身につくのか」 、 「本来の言葉を日本人の先生から学べ. っています。ALT に自国の文化などを話してもらうの. ないのではないか」という意見が出されています。学. ですが、本校の ALT はニュージーランド出身で、先. 力が下位の生徒ほど、 「日本人教師の授業が良い」と答. 週は、 「ニュージーランドには死刑制度がない」といっ. えている印象があります。一方外国人の先生が良いと. た話をしていました。5分程度の話なのですが、将来. 答える理由は、圧倒的に「発音面でのプラス効果を上. 的には、ネイティブとノンネイティブにクラスを分け. げている」生徒が多かったようです。その一方で、 「聞. る形へと発展可能ではないかと考えています。先ほど. きなれなかったり、理解できなければどうしたらよい. のアンケートの結果で、 「ティーム・ティーチングで学. のだろう」 とか、 「試験対策にマイナスなのではないか」. びたい」と答えた理由の中に、 「両方で分けられて良さ. といったリアルな意見もここでは出されています。結. そう」という意見も見られます。よく分からない単語. 論的には、中学校レベルでは、 「現在のティーム・ティ. も聞こえるが、なんとなく全体が理解できるとか、ス. ーチングという授業形態を多くの生徒が望んでいる」. トーリーがイメージできるといったことを目標にして. という実態が見えてきました。理由として、注目すべ. います。次は、どの活動においても、 「事前に説明せず. きは、 「文化の違いを学べる」 、 「日本人をとおした英語. にデモンストレーションをする」といったスタンスで. の学びの切り口」として生徒たちは望んでいるという. 授業を展開するようにしています。状況を生徒自身が. ことです。つまりは、 「ノンネイティブがいることで、. 発見することがやる気に繋がるということを理想にし. 言語習得する上で乗り越えてきた壁のようなものが、. ています。最後は、ティーム・ティーチングに限らず、. 学習者の言語習得を手助けすることのなるのではない. この活動は英語学習の見せ場になると考える活動をし. か」ということです。どっちしても、 「ティーム・ティ. ています。 「将来使うかもしれない」 、これは役に立つ」 「 、. ーチングこそが中学生にとっては望まれている」とい. といったスキルに焦点を当てることで、そして環境設. うことです。そしてそれを、ノンネイティブである私. 定をしっかりと行うことで、とにかく英語を使わせる. たちが如何に効果的にコーディネートしていくか、い. ことを目的にする活動です。ALT には、生徒の中に入. かに生徒中心の学習環境をデザインするかといったこ. り込むことを考えてもらい、動いてもらっています。. とが問われていることを実感させられました。生徒中. 以上が、 ティーム・ティーチングにおける授業実践です。. 心の学習は、ハイレベルなモチベーションが必要だと. もう1つの資料は、ワークシートなのですが、このよ. 思っております。そうなるような状況を如何に作り出. うなワークシートを作成することも、ノンネイティブ. すかといったところに、ノンネイティブの力がかかっ. ならではのスキルではないかと考えたので、今回提示. ていると思います。一度生徒が情報交換を英語で行う. させていただきました。続いて、ノンネイティブとし. ことに没頭していくと、学習が飛躍的に伸びていく気. て考えていることです。まず、ティーム・ティーチン. がしています。必要が発明の母であるということを、. グの全てをコーディネートすることがノンネイティブ. 中学校レベルの英語でも実感しています。ここで、普. の役割ではないかと考えます。さらに、日本人教師と. 段の実践を紹介させていただきます。一番は、ティー. してどのようなスタンスに立つべきかについて、以下. ム・ティーチングでほぼ欠かさず実践していることで. にまとめました。まずは、クラスルーム・イングリッ. す。 「生徒一人一人に英語を話す時間を保証したい」と. シュを意識して使うことです。目標は 8 割ですが、実. いう気持ちからこうしています。ALT が廊下側から始. 態に合わせて、現在は 5 割程度にあります。長くても.

(14) 316. 第 18 回シンポジウム. 1年程度の ALT には難しいと思い、学習者のニーズ. なければならないと考えています。. を考えることも日本人教師には必要だと考えます。こ れは、コーディネートにも繋がると思います。それか ら、学習者が「ボキャブラリー・ハングリーになるよ. Ⅴ 高等学校教員の視点から:実践を通して. うな環境」を設定することです。 「マインド設定」 、 「環 境設定」も日本人教師の役割ではないでしょうか。実. 津久井 貴之 (群馬県立中央中等教育学校 教諭). 践的コミュニニケーション能力といったものが注目さ れていますが、そこには実践的読解力やライティング. 津久井:私は中等教育学校勤務であり、中学校英語教. 能力といったものが絶対的に必要な力です。生徒の意. 師としての経験しかありません。今年度から、高校1. 見の中にもありましたが、 「試験のための英語の存在」. 年段階である4年生を受け持つことになったので、は. というものを現場としては無視できません。それも関. っきりとした高校教師としての視点があるかは分かり. 連した意見を聞かせていただけるとありがたいと思い. ません。本校の様子と生徒の実態について別紙にまと. ます。最後に、効果的な英語学習を作り出すためにと. めてきました。今、文部科学省のスーパー・イングリ. いった形でまとめました。言語の主たる目的はコミュ. ッシュ・ランゲージ・ハイスクールの指定を受けてい. ニケーションであり、 これは周知のことです。 文法は、. まして、その研究主任も受けていますので、そこでの. 使用するうちに気付きがあるというのが理想でしょう。 資料などからも話していこうと思います。まず、生徒 コミュニケーションは文法を発見するための練習問題. の実態としては、非常に意識が高い子供たちです。自. だという言葉も聴きますが、現状は必要なものはしっ. 主的な取り組みが非常に盛んであり、裏を返すと、そ. かりと教え込むことが必要であり、そのためにはノン. のような取り組みを他の先生たちとしてきたというこ. ネイティブである必要を私は感じています。続いて、. とです。実践的なコミュニケーション能力も高まって. 生徒が全員授業に参加できるような、英語による情報. きていると感じています。それに合わせた教員側の実. 量と日本語による情報量のバランスをとることです。. 態としては、ネイティブの先生が常勤講師としてフル. ちょうど良いバランスを考えることも、ノンネイティ. タイムでおりますので、実際に国際理解の科目で自然. ブの教師に求められていると感じています。ALT と交. 科学的な内容のコースや、インターナショナル・スポ. わしている約束事がいくつかあるのですが、 まずは 「初. ーツといったことをやったり、歴史を解説するといっ. 歩的な英会話では日本語を使わないこと」 、 「簡単すぎ. たコース等の4コースに生徒が分かれて、完全に外国. ず、ゆっくり話しすぎず、必要ならば繰り返す」とい. 人の先生がプランを作り、実際に授業を行い、評価も. うことです。日本語を獲得した ALT について私の考. する授業があります。そのような場面での会話などの. えは、中学校レベルならば ALT 自身が日本語への興. 様子を見ると、実践的なコミュニケーション能力は高. 味を示すことで、下位の生徒と ALT の間にある壁が. まってきていると思われます。それに、自主学習をベ. なくなると考えています。なので、使わない場面では. ースに1年生から考えてきましたので、日記等の通常. 絶対に使わないように頼んでありますが、それ以外の. の学校の生活記録ノートに類するものを、英語で書い. 場合には距離を縮めるためにも少しではありますが、. てくることもたまにあります。 そのようなことからも、. 日本語を使っています。そのことは、中学レベルでは. 実践的な力が高まってきていると考えています。いわ. プラスに働いていると感じています。最後に、私が一. ゆる受身的な「やらされる学習」が他の高校生と比べ. 番重視することとして、文化が授業に感じられなけれ. ても低い値にあります。 英検の取得状況も参考までに、. ば、本当の意味では言語教育になっていないと考える. 4年生の 10 月までの現状として、モチベーションも. ことから、そのためにネイティブの力が必要であり、. 高いことから学習を進めています。6年間ある学習の. ALT の存在が光るときだと考えています。日々悩みつ. 中での留意点として、1・2年生は、とにかく意欲を. つ、より良い英語教育を考えていかなければならない. 減退させないことが必要です。 「中1から中2になる間. と感じています。もちろん、ノンネイティブの存在価. に英語に対して否定的な考えが増えることを如何に防. 値を失わないために、私自身の英語能力を高めていか. ぐか」といったことに配慮しています。3・4年生に.

(15) ネイティブかノンネイティブか~いま英語教師の資質を考える. 317. は、重要な時期として、内発的なモチベーションが落. して手元にもって発表すると言う形でやっています。. ちてくるのを防ぐために、さらに大学受験などに対応. 細かいステップの策定などで、日本人の教員は非常に. するための演習などに時間を割くようなことにならな. 貢献できるのではないかと私は考えています。. いようにすることが必要です。5・6年生は、実際に 在籍する生徒がいないので省かせていただきます。1 年生のときに目指して欲しい言語学習として、以下の 3 点を挙げています。 「言語学習の特徴を理解している. Ⅵ パネルディスカッション 日本人が教える視点か ら考える. こと」 、 「自分に合った学習で継続的に学習をすること こそが、本来の英語学習であるということ」を授業や. 司会. 所澤 潤 (前述). 実際の指導の中で意識してきたつもりです。ただ楽し いことも必要なことであると考えています。充実感や. パネリスト グレゴリー・プール(前述). 達成感などを実感できる学習をポイントにしています。. 前原 千晶(前述). さらに、 「家庭学習を充実すること」です。ネイティブ. 津久井 貴之(前述). かノンネイティブかということについて私なりに考え. 中嶋 恵子(前述). てみたのですが、先ほどの話のとおり、我が校は少し. レイモンド・フーゲンブーム(前述). 特殊な環境下であるとは思いますが、常勤のネイティ. 牧原 功(群馬大学留学生センター 准教授). ブの講師がいることで、ネガティブな意識がないこと. 上原 景子(群馬大学教育学部 教授). があります。今、課題として、近くに外国人の先生が いることで、 「目標や計画について1年間の授業の中で. 司会:本日お集まりの皆さんに、ディスカッションの. 何を目指すのか」が日本人の先生の中で明確になって. パネリストに入っていただきました。これまでの話題. いないといけないと思います。あとは、生徒の実態が. も多岐にわたっていますので、指定コメントという形. お互いにどれほど分かっているかということです。生. で牧原先生、前原さん、上原先生にそれぞれ感じたこ. 徒指導的な意味合いも含め、ネイティブの先生と共有. とをコメントしていただきます。. することが必要だと考えています。この後ビデオをご 覧いただきます。モチベーション・自分で言語の学習. 指定コメント. をすることに重点を置いた4年間で、中1の 5 月、中 3のまとめの活動、そして高1の映像を見ていただき. 日本語教育の経験から 牧原 功. たいと思います。 牧原:私は、日本人であり日本語を教えていることか ら、日本語のネイティブとして教えてきてこと、本日 ―ビデオ― 音声不明瞭につき再現不可能. お越しのみなさんが英語教師の現職の方や英語教師に なろうとしている方、英語に興味のある方が中心とい. 津久井:3年生のまとめということで、ノンネイティ. うことで、異質なものと感じております。私は、学生. ブの利点としてゴールを設定することができることで. 時代英語が嫌いでした。その理由を考えてみると、例. すね。. えば、英作文の時間に私が一生懸命考えて、私なりに 解答を書いて提出するわけですけれども、それが真っ. ―ビデオ― 音声不明瞭につき再現不可能. 赤になって返されること、つまり文構造から全て改め られて戻ってくるわけです。先生に「何でこれは駄目. 津久井:高校での英語Ⅰに当たる授業で、教科書の本. なんでしょうか。 」と聞いても、 「このような言い方は. 文をリプロデュースということで、有名な動物学者に. しない」の一言で終わってしまうわけです。そのよう. 高校生がインタビューするという記事を読み、教科書. な状況で、非常に言語学習というものの押し付けのせ. に書かれていない内容を書き足して、アウトラインと. いで英語が得意でなかったという記憶があります。そ.

(16) 318. 第 18 回シンポジウム. のような背景の上で日本語を教えているのですが、今. を考えさせられたわけです。ネイティブから見たノン. 日のお話しを聴いて感じたことを、ネイティブかノン. ネイティブの良さというのは、母国語を用いて説明が. ネイティブかということで、 「ネイティブの利点と不利. できるということです。そして、学習言語と母国語と. 益」というようなことについて、私なりに考えたこと. の比較が容易に可能であるということです。 それから、. を述べたいと思います。また、文化を述べることにつ. 学習対象の言語を客観的に捉えた経験があるというこ. いて日本語教育の立場から、今気になっていることも. とだと思います。ですから、私たちは「日本語の『は』. 述べたいと思います。まず、私はネイティブの教員と. と『が』の使い分けを考えてください」と言われても、. して海外で教壇に立っていたわけですが、中国語は全. 直ぐには答えが出てこないと思います。外国人学習者. くできない状況でした。その大学に初めて日本語学科. の場合には、その答えは直ぐに出てくるものです。で. ができたことで、ネイティブの教員が欲しいというこ. は、ネイティブとしての利点は何なのかということで. とで、私は言語学を専門としていましたし、日本語の. すが、私が感じることは、まず1つは、学習対象の言. いろんなことを知っているということで、お呼びがか. 語に対しての言語直観を自然に身に付けていること、. かったということです。そこで非常に困ったことは、. これは圧倒的な利点だと思います。もう1つは、学習. 込み入った文法説明を学習者にできないということで. 者への動機付けを行いやすいことだと思います。 特に、. した。日本人が日本語を話しているからといって、日. 今の日本の英語教育が何を目指しているのか私には分. 本語を分かっているわけではないということですね。. かりませんが、単純に達成感を得ようとすれば、習っ. 例えば、 「太郎がコートを脱いで、ハンガーにかけた」. た文型や言葉を使ってネイティブの人と話をする、意. という文では、太郎さんが脱いで、太郎さんがハンガ. 思疎通ができたということはものすごい達成感になる. ーに掛けているわけです。ですが、 「太郎がコートを脱. わけです。それは、ネイティブであるが故の利点であ. ぐと、ハンガーに掛けた」という文になると、太郎が. って、これがノンネイティブの人が相手であれば、全. コート脱いで、コートを掛けたのは太郎ではないとい. く同じことをしても、学習者の受けることは違ってき. うことになり、たぶん奥さんだという話になります。. てしまう可能性があると思います。もう1点、対象言. そんなことを学生に説明しようとしても、こちら側に. 語の文化的な背景についてです。例えば、話をする時. は文法的なバックグラウンドはあるんですが、適切に. にどこを見るか。例えば英語では、怒られているとき. 説明する言葉を持たない訳で、その辺りが非常にもど. には目を見なければいけないわけです。日本語では、. かしかったわけです。それから、学習者の言語を熟知. その態度は反抗的と映ってしまいます。そのようなバ. していないために、学習者にとっての困難点を全然把. ックグラウンドまで含めて、対象言語については良く. 握できていなかったことがあります。例えば、中国語. 知っていることだと思います。だから、ネイティブと. にはテンスがないということは分かっていましたが、. してはそのような利点を生かして何かやっていければ. もう少し込み入った部分、どういった干渉があるのか. と考えて、今まで続けてきました。文化ということに. といった部分が分からなかったのです。それは、やは. 繋げて申し上げますと、目に見えない部分、言語構造. りノンネイティブの先生の方が熟知していて、適切に. の中でどのような行為をするかも含めての文化という. 指導できていたのではないかと思っています。 「ネイテ. ものを、これからの言語教育は相当見ていかなければ. ィブ」と一概に言う中にも、かなりの幅があります。. ならないと思っています。例えば、視線が合ったら微. ただその言語を母国語にしているだけという人もいる. 笑む。英語であった場合にはそうだと思うのですが、. わけです。台湾の例になりますが、例えば博士号を持. 私は初めて、大学入試のときに試験監督がアメリカ人. っていないと大学の教員にしないのですが、言語系で. だったと記憶していますが、机に座って目が合ったら. 博士号を取るというのは、私が学生の時代には至難の. 微笑んでくれて、そのことで安心したんですが、その. 業だったのです。そうすると、数学で日本で博士号を. 後になぜあの先生は微笑んだのか非常に気になりまし. 取っている人を日本語の教員として採用する。 そんな、. て、後で聞いたことではそれがエチケットであるとい. とんでもない事をやっていたわけです。そうすると、. うことでした。たぶん日本人はそのようなことはしま. ネイティブであることの意義は何なのか、ということ. せんよね。そうすると、日本人とアメリカ人に限定し.

(17) ネイティブかノンネイティブか~いま英語教師の資質を考える. ますが、接触したときに目が合ったときに向こうは微. 319. 元留学者の視点から 前原 千晶. 笑み、日本人は何もしない。無視したと思われるわけ です。そういうようなことが、コミュニケーションに. 前原:私は専門家というわけではないので、学術的な. 大きな影響を与えることがあると思われます。 さらに、. ことは何も話せないのですが、牧原先生が先程英語が. 例えば、 ある英語圏の男性が時間に遅れてきたときに、. 嫌いになった理由をおっしゃっていましたが、私が英. 「待っててくれてありがとう」と言ったんですね。私. 語を嫌っていた理由は、時制の一致だとかの過去形、. はそれを聞いて、 何を言っているんだと思いましたが、. 現在形、現在完了等英語にはたくさんありますが、そ. そのときに “Thank you for waiting.” という言い方. れを間違えるたびに英語の先生が「はい、みなさんご. があるわけです。それをそのまま日本語に訳すとする. 一緒に、馬鹿者は 現在形も 過去形も ごっちゃご. と、そうなってしまう。日本語ではそのような場合に. ちゃ」とクラスみんなに言わせたんですね。何百回言. は謝るのだということは、言語と文化の境界だと思う. われたか分からないほど言われたのですが、それです. のです。それは、これまでの言語教育では見落として. ごく英語に対して苦手意識を持ちましたね。今日のシ. きた部分だとも思います。そのような部分は、ネイテ. ンポジウムで、日本の学校や教育って変わったんだな. ィブのほうが理解しやすいものだと思います。私は、. と思いました。現場の先生はすごく頑張っていて、日. ニーズということと何を教えるかということの関連が. 本の英語の教育は変わり始めているのだと感じました。. 非常に重要だと考えています。言語教育では、正しい. 子供たちにとって、選択肢が増えてきたのだと思いま. 文法を教えることが言語教育なのかということについ. した。日本の学校がここまで変わっているということ. て、今大きな問が出てきています。大学で勉強する人. は、大学も教員養成に関してずいぶん変わらなければ. には積み上げていくという意味で、正しい文法を教え. ならないし、全てが連動して日本の教育が変わりつつ. る必要があると思います。しかし、太田市などにニュ. あるのだなと感じました。中嶋先生のお話の中で、生. ーカマーの人が多くいますが、日常言語だけできれば. 徒の 84%がティーム・ティーチングがベストの形と言. 良いという人には積み上げ式の細かい文法を教える必. っているということに、すごくびっくりしました。私. 要はないと主張されています。それが全面的に正しい. の時代は、ネイティブの先生がいない時代で英語の授. とは思いませんが、学習者のニーズによって何を教え. 業には、何が自分たちにとって良い授業なのか見極め. るかは変えていって良いと思います。そのときに、日. る力は無かったですね。そのような意味では、今の子. 本語の格助詞の「で」と「に」で違う等を細かく教え. 供たちはそのような目に肥えてきているのだろうと感. る意味はないでしょう。その反面、例えば「禁止をす. じました。だから、何が自分たちにとって理想の授業. る」という場合に、教科書の中では「~してはいけま. なのか、どのような形態の授業が自分たちにとってベ. せん」と教えるんですが、その場合かなりレベルの高. ストなのか、子供たち自身が考えるところまで、日本. い日本語学習者でも、 「先生ここでタバコを吸ってはい. の英語教育の環境が整って来たのではないかと感じて. けませんよ」と来るわけです。そのような時に「先生. います。ネイティブにはネイティブの役割があり、ノ. ここは禁煙です」 だとか、 「ここでタバコは吸えません」. ンネイティブの先生にはノンネイティブの先生にしか. といった言い方があることを教えていないことになり. できないことがあり、お互いがどのように共生してい. ます。そうすると、正しい文法を教えることが良いコ. くかが、カテゴライズするのではなく、いかに効果的. ミュニケーションにすぐに繋がるとは限らない。正し. な教育環境を作っていくかがキーになるのだろうと感. い文法的知識をもっていなくても、注意すればコミュ. じました。私の個人的な意見として、日本人は容姿だ. ニケーションが上手くいくこともありますし、文法的. とか何かにすごくこだわりがちであると思います。私. にどんなに正しい文を話していても、コミュニケーシ. も英語を話したりすることを通じて、発音などにこだ. ョンが上手くいかないこともあります。. わりがちかなと思います。 「発音が良いイコール英語が 上手」という意識が強いんですね。発音は重要な要素 ではありますが、それが全てでは無いんですね。だか ら、英語の授業の中で大事だけれどもそれが全てでは.

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