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熱処理データベースの構築とシミュレーション技術の向上 Heat Treatment Database, Heat Treatment Simulation, Heat Treatment, Carburizing, Hardness, Residual

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Academic year: 2021

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製品紹介

PC27/30/35MR-3 製品紹介

Introduction of PC27/30/35MR-3

山 本 宏

Hiroshi Yamamoto

横 尾 勝 実

Katsumi Yokoo

コマツの建機共通の「環境」,「安全」,「IT」をコンセプトに,ミニショベル PC27/30/35MR-3 を開発,市場導入 した.その背景と技術を解説し,製品紹介をする.

Compact excavators, models PC27/30/35MR-3, have been developed and introduced into the market based on the concepts of “environment,” “safety” and “IT,” which is common to Komatsu construction machinery.

The background and technologies are described, and the new products are also explained.

Key Words: ミニショベル,MR-3,排ガス規制,安全,Interim Tier4,KOMTRAX,走行自動変速,チルトアップ

フロア

1.はじめに

2003 年に市場導入した従来機 MR-2 シリーズは,ミニ ショベルの主力機種として国内だけでなく欧州,北米も 含め高い評価を得てきた.しかしながら,中小型建機と 同様にミニショベルでも排ガス規制への対応時期が迫っ てきており,2007 年 10 月よりオフロード法規制が開始さ

れ,2008 年からは米国 EPA の Interim Tier4 が実施となる.

この規制への対応と同時に商品力向上を織り込んだモデ ルチェンジ車(MR-3 シリーズ)を開発し,第1弾として PC27/30/35MR-3 を市場導入したのでその概要を紹介する (写真1,表1). 写真1 PC30MR-3 表1 主要スペック PC27MR-3 PC30MR-3 PC35MR-3 項 目 単位 <キャノピ> <キャノピ> <キャノピ> 機械質量 kg 2750 2910 3350 定格出力 kW/rpm 19.2/2600 21.4/2400 21.4/2400 標 準 バ ケ ッ ト 容 量 (JIS) m 3 0.08 0.09 0.11 Hi km/h 4.8 4.6 4.8 走行速度 Lo km/h 2.6 2.5 2.8 最大掘削深さ mm 2550 2760 3110 最大掘削半径 mm 4650 5050 5300

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2.開発のねらい

MR-3 シリーズはコマツの建機開発の基本コンセプト

である「環境」,「安全」,「IT」を踏襲し,それぞれ以下の

特徴をセリングポイントとして織り込んだ.すなわち, ①環境- 北米 EPA Interim Tier4,国内オフロード法規制

への適合エンジン搭載

*国土交通省超低騒音型建設機械指定適合 ②安全- *2 本柱 ROPS キャノピ(ROPS CAB)およびト

ップガードの標準装備 世界最高水準に匹敵する安全対応 輸送性の向上 ③IT - KOMTRAX 標準装備 (*:MR-2 からの織込み項目) である.また,作業機のスピードアップなど操作性の向 上や整備性の向上も同時に織り込んだ.

3.主なセリングポイントと達成手段

前記を踏まえ,PC27/30/35MR-3 の主なセリングポイン トとその達成手段について解説する(図1). 3.1 環境 3.1.1 排ガス規制対応

MR-3 は米国 EPA の Interim Tier4,EU 排ガス 3 次規制, 国内オフロード法規制適合エンジン搭載により,国内外 の排ガス規制に適合している(表2).

表2 排ガス規制一覧

Model Year 2006 2007 2008 2009 2010 2011

EU

EU Directive StageII StageIII

sales date (8.0/1.5/0.8) (7.5/0.6)

18≦P<37 NA

US EPA Tier2 Tier3 production (7.5/0.60) (Interim Tier4)

date (7.5/0.30)

19≦P<37 JAPAN Off Road Law

New Emission Regulation

grace period (6.0/1.0/0.4/40) 19≦P<37 '07/10 '08/9 (NOx+NMHC/PM) unit:g/kWh (NOx/HC/PM<smoke(%)>) (NOx+NMHC/PM) unit:g/kWh (NOx/HC/PM<smoke(%)>) unit:g/kWh MR-2で達成 MR-3で達成 エンジンの主要変更点を図2,表3に示す. ◇:MR-3のセリングポイント *:従来機より実施のセリングポイント ◇機械質量/寸法の最適化(適正輸送対応) ◇         の標準装備(ミニショベル初) ◇排ガス規制(特定特殊自動車:オフロード法)対応エンジン *超低騒音 ◇世界最高レベルの安全基準適合クリア *後方超小旋回 *2本柱ROPSキャノピ゚標準装備 *エンジンニュートラルスタート機構

安全・安心な車:

安全性の真価

もっと ◇CLSS油圧システムで抜群の微操作・   複合操作+作業機スピード10%アップ ◇自動走行変速   走行切換スイッチをブレードレバーに装備 ◇手前かき寄せ作業性向上 *78US並みの運転席空間(豪華&快適大型キャブ *抜群の安定性&「絶妙の8センチ」の   追加ウエイトでさらに安定性アップ

乗りやすい車:

操作性・快適性の真価

◇さらに整備容易なチルトアップフロア   &フルオープンカバー *X型トラックフレーム  (泥がたまりにくく、落としやすい) *すべての給油脂間隔・交換時間500H

手間のかからない車:

整備性の真価

もっと

「継承」と

    「

発展

情報発信ミニショベル 「環境」,「安全」,「IT」の継承と発展 もっと

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シリンダヘッド形状変更 (排ガス対応) 低温補助装置  エアヒータ→グロープラグ (低温始動性向上) 燃料噴射ポンプ   高圧化   噴射時期最適化 (排ガス対応) 潤滑油ポンプ変更 (燃費低減) 噴射ノズル形状変更 (排ガス対応) 図2 エンジンの変更点(例:3D88E) 表3 エンジン仕様 PC30MR PC35MR MR-3 MR-2 MR-3 MR-2  型  式 3D88E―6 3D84E―5 3D88E―6 3D88E―5 燃 焼 方 式 水冷ディーゼル ← 水冷ディーゼル ← 直噴式 直噴式 仕 シリンダ数 3 ← 3 ← ボア径×ストローク mm φ88×90 φ84×90 φ88×90 ← 様 総排気量 CC 1642 1496 1642 ← 定格回転数 rpm 2400 2500 2400 ← 定格出力 kW(PS) 21.4(29.1) 20.6(28) 21.4(29.1) 21.7(29.5) 制 北米向け EPA Interim Tier4 EPA Tier2 EPA Interim Tier4 EPA Tier2

欧州向け EU3次規制 ← EU3次規制 ← 国内向け 規 排ガス オフロード法規制国土交通省2次規制オフロード法規制 国土交通省2次規制 3.2 安全 3.2.1 安全性の追求 安全への対応として2 本柱 ROPS・ヘッドガード(トッ プガードレベル1 にも適合)キャノピ,ROPS・ヘッドガ ードCAB の標準装備の安全構造に加え,MR-3 では世界 最高水準である EU 安全規制へも適合する以下の安全ア クセサリを標準装備し,さらなる安全性の向上を図った (写真2,図3). ①エンジン停止時の作業機緊急接地用にアキュムレ ータ装着 ②高圧ホースに圧油飛散防止カバーを装着 ③夜間整備用に12V 外部電源取出し口を装着 ④夜間識別用の反射シールを車体後方左右に装着 ⑤くもり防止用に外気導入式ヒータの採用(CAB 車) ⑥後方視界性確保のためリアビューミラー装着 これにより,安全性の大幅な向上の他,中古車の再販性 にも考慮した商品力の向上を図っている. 圧油飛散防止カバー リアビュ-ミラー 夜間識別用反射シール 12V 外部電源取り出し口 写真2 安全アクセサリの装着例(1) 噴出し口 内気フィルタ ヒータユニット 噴出し口 外気フィルタ 外気導入ヒータ 図3 安全アクセサリの装着例(2)

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3.2.2 輸送性の向上-機械質量の低減 最近,より重要視されてきた適正輸送化に対応するた め,MR-3 シリーズでは車体構造や作業範囲を一部見直し, 機械質量を低減した(表4). 3ton 系の場合,PC30MR-ではキャノピ標準仕様が 3 ト ン車で確実に輸送可能なようにした.レンタルに多い 1ATT 配管,4way 切換弁,強化アームを装着する場合で は,3ton 車の場合は PC27MR,4ton 車の場合は PC35MR をリコメンドできるようにPC30MR 同様,軽量化を図っ た.PC35MR の場合では,上部旋回体を 65mm 車体後方 にずらすことにより安定性を維持しつつ機械質量の低減 を達成し,加えて現行機のC/W 部分の出張り感を改善し 外観品質を向上した(図4). 表4 機械質量の低減 PC30MR PC35MR MR-3 MR-2 MR-3 MR-2 <キャノピ> kg 2910 3140 3350 3580 CAB kg 3060 3255 3500 3755 最大掘削深さ mm 2760 2910 3110 3170 最大掘削半径 mm 5050 5150 5300 5360 項  目 単位 機械質量 STD C/W 620kg STD C/W 450kg (△170kg) <参考> PC30MR-2 旋回中心 PC35MR-3 PC35MR-2 65mm PC35MR-3 PC35MR-2 図4 PC35MR 上部旋回体の後方移動による軽量化 3.3 IT化 3.3.1 KOMTRAX の標準装備 PC27/30/35MR-3 で は ミ ニ シ ョ ベ ル 業 界 で 初 め て KOMTRAX 標準装備とし,IT 化による商品の差別化を織 り込んだ(表5). ミニショベル用のKOMTRAX の機能として, ①GPS 衛星を使用し最新の車両位置を地図上で確認 可能 ②最新のサービスメータ情報が入手可能 ③モニタ表示の燃料ゲージ情報が入手可能 ④遠隔操作によるエンジン始動ロックが可能 が主なものであり,モニタのコーション情報や水温ゲー ジの表示やメール送信により夜間のエンジン始動操作等 のセキュリティ情報も入手可能である.これにより ・稼働管理等車両のトータル管理が可能 ・より安価な盗難保険に加入可能 などのユーザメリットがある. 表5 ミニショベル用 KOMTRAX の機能 ○ ○ (セキュリティ情報) メール送信 ○ ○ コーション情報 ○ 未対応 交換時期情報 ○ ○ エンジン始動ロック ○ ○ 燃料ゲージ ○ ○ サービスメータ ○ ○ 水温ゲージ ○ ○ 稼働時間帯 ○ ○ 車両位置 油圧ショベル ミニショベル 要申し込み 情報をリアルタイムに 把握可能 3.4 操作性・快適性の向上 3.4.1 作業機スピードアップ MR-3 では,市場のニーズへの対応として作業機(ブー ム,アーム)の単独スピードを約10%アップした(表6). この結果,オペレータが乗ってすぐに作業効率のアッ プを体感でき,また荒スキ(仕上げ)作業等の複合操作 においても大幅なスピードアップが図られており,作業 性向上が得られた(写真3). 表6 作業機スピードアップ PC30MR PC35MR MR-3 MR-2 MR-3 MR-2 ブーム上げ時間 指標(%) 88 100 90 100 アーム排土時間 指標(%) 92 100 88 100 10回サイクルタイム sec 40 50 41 51 荒スキ(仕上げ)作業 指標(%) 80 100 80 100 単独操作 複合操作

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写真3 荒スキ(仕上げ)作業 3.4.2 走行自動変速の操作性向上 走行作業時の自動変速機能においては,「自動 2 速⇔1 速固定」の切換スイッチをモニタパネルからブレードレ バーに移設した(写真4).これにより,ブレード操作に よる押し回し,整地走行中でもブレードレバーから手を 離さずに切換可能とし,市場要望の強かった舗装作業等 での操作性を向上した. 3.4.3 手前かき寄せ作業の向上 ブレードとバケットツース間距離を見直し,手前かき 寄せ作業の作業性を向上した(写真4). 走行自動変速スイッチ移設 手前かき寄せ性向上 写真4 操作性向上の織込み例 3.5 整備性の向上 3.5.1 チルトアップフロアの開口高さアップ 整備性にて高い評価を得ているフロアチルトアップ構 造に関し,MR-3 では間口をより大きくして欲しいとの市 場要望へ対応し開口高さを 70mm アップして整備性をさ らに向上した.また,フロアチルト構造を見直し簡素化 することによりキャノピポール台座部分の軽量化を図っ た(図5). 470m 400m キャノピごとチルトアップ キャノピは車体に 固定 キャノピベース鍛造部材 左右一体 キャノピベース鍛造部材 左右分割し、小型化 軽量化 図5 フロアチルト開口部の拡大及び 構造の簡素化

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4. おわりに

ミニショベルは競合メーカが多いこと,建機メーカ以 外の農機等のメーカとも競合が必要であることから,コ スト競争力を持ち商品力向上を織り込んだモデルチェン ジをいかに早く効率的に実施できるかが重要である. MR-3 シリーズは,排ガス規制対応が主な目的であったが, 一 目 で わ か る セ リ ン グ ポ イ ン ト を 持 ち 好 評 で あ っ た MR-2 の開発コンセプトの継承と発展による商品力の更 なる向上を目的として開発した.3ton クラス機種である PC27/30/35MR-3 が第一弾として市場導入されたが,今後 は MR-3 シリーズでの早期のラインナップ化を進めてい く. 筆 者 紹 介 Hiroshi Yamamoto 山やま 本もと 宏ひろし 1984 年, コマツ入社. 現在,コマツユーティリティ㈱ 開発本部 ユーティリティ第一開発センタ所属. Katsumi Yokoo 横 よこ 尾お 勝かつ 実み 1993 年, 小松ゼノア㈱入社. 現在,コマツユーティリティ㈱ 開発本部 ユーティリティ第一開発センタ所属. 【筆者からのひと言】 ミニショベルは大別すると1~2ton クラス,3ton クラス,4~ 5ton クラスの 3 種類があり,各々のクラスにも 2~3 機種が販売 されている.今回のMR-3 シリーズ開発では,グローバルでの市 場規模の点から3ton クラスの 3 機種が第一弾として同時開発と なった.排ガス規制対応で納期も限られており非常に苦労した が,なんとか計画通りの日程で市場導入することができた. 今後は,グローバル市場によりマッチした機械になるようMR シリーズを進化させていきたい。

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