• 検索結果がありません。

5 5 (%) /3 1/9 /3 /9 3/3 3/9 /3 /9 5/3

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "5 5 (%) /3 1/9 /3 /9 3/3 3/9 /3 /9 5/3"

Copied!
11
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1 05−I−16 2005年6月17日

G7諸国の格付けについて

対象国 外貨建て 長期優先債務*1 自国通貨建て 長期優先債務*1 日本 アメリカ合衆国 ドイツ連邦共和国 フランス共和国 英国*2 イタリア共和国 カナダ 格付据置:AAA(ネガティブ) 格付据置:AAA(安定的) 格付据置:AAA(安定的) 格付据置:AAA(安定的) 格付据置:AAA(安定的) 格付据置:AA+(安定的) 格付据置:AAA(安定的) 格付据置:AAA(ネガティブ) 格付据置:AAA(安定的) 格付据置:AAA(安定的) 格付据置:AAA(安定的) 格付据置:AAA(安定的) 格付据置:AA+(安定的) 格付据置:AAA(安定的) 株式会社日本格付研究所(JCR)は、G7 諸国の外貨建ておよび自国通貨建て長期優先債務の格付けを見直し、据 え置きとしましたのでお知らせします。 *1) 長期優先債務格付けとは、債務者(発行体)の債務全体を包括的に捉え、その債務履行能力を評価したものです。このうち、期限1年 以内の債務に対する債務履行能力を評価したものを短期優先債務格付けと位置づけています。個別債務の評価(債券の格付け、ローン の格付け等)では、債務の契約内容、債務間の優先劣後関係、回収可能性の程度も考慮するため、個別債務の格付けが長期優先債務格 付けと異なることもありえます(上回ること、または下回ることがあります)。 *2) 正式名称:大ブリテンおよび北部アイルランド連合王国。 【格付事由】 1.日本 (1) 格付け見直し結果 JCR では、今般日本国債の格付けを「AAA」据置とし、見通しは「ネガティブ」を維持することとした。 格付けを据え置いたのは、日本が保持する高い輸出競争力と多様性のある経済構造、世界最大の対外純資産・ 外貨準備高などの経済ファンダメンタルズの強さに変化なく(別表参照)、政府債務の大部分を占める国債も巨額 の国内貯蓄により国内で安定的に保有されていることなどによる。 見通しは「ネガティブ」を維持したが、これは不良債権処理問題にほぼ目処がたち、経済の持続的な回復も見 込める段階となったものの、依然財政構造は硬直化し政府債務も増加していることによる。財政は経済の改善に よる税収増や歳出改革などにより安定化に向けた動きが見られるものの、現状の対策では硬直化した財政構造の 健全化や政府が掲げる2010 年初頭の基礎的財政収支の黒字化は難しく、政府債務の抑制も見込めない。こうした 状況を打開するには、一層の歳出改革を前提とした消費税の税率引き上げなどを含む税制改正を早期に実施する ことが重要である。 (2) 前回の日本国債格付け見直し(04 年 5 月)以降の日本経済・財政の動き (経済成長の足かせとなってきた構造問題の調整が進み、踊り場にある経済は持続的な回復へ) 経済は04 年 4-6 月より踊り場に入ったものの、足元では再浮揚に向けた動きが進展している。踊り場の主な原 因となったIT 関連分野の在庫調整はやや長引いたものの、調整は着実に進展している。さらに、バブル崩壊以降

(2)

の経済の足かせとなってきた構造問題のうち、企業の過剰負債、過剰設備、過剰雇用は調整が進み、企業収益は バブル期を上回ったほか、設備投資も増加を続けている。こうした企業部門の好調が雇用や賃金増を通じて家計 にも波及し始めており、個人消費も持ち直している。先行き経済は05 年度後半にも踊り場を脱出し、05 年度、 06 年度とも緩やかな成長が持続することが期待される。しかしながら、エネルギー・原材料価格、米中経済関係、 足元でやや増加している輸送機械などの在庫増の動向には依然留意していく必要がある。 デフレ圧力は、政府・日銀が一体となった取り組みや原材料価格の上昇等を受けて消費者物価が前年比で横ば いとなるなど後退している。こうした経済金融情勢を受けて、日銀も緩和の枠組みは不変としつつも量的緩和目 標値の弾力運用を認めるスタンスを表明している。先行き、経済の緩やかな回復や原材料価格の上昇などを背景 に06 年度にかけてデフレ脱却が展望できる段階に入っていくと思われる。 (不良債権処理問題にも目処が立ち、金融システムも安定化) 不良債権処理問題は 02 年に政府 が導入した「金融再生プログラム」 に基づき主要行の不良債権比率を 02 年 3 月から 05 年 3 月までに半減 させる目標を達成するなど解決に向 けてほぼ目処がたった(図表1)。こ うした状況を受けて、金融システム も安定し始めており、05 年 4 月には ペイオフも混乱なく全面解禁された ほか、低迷していた銀行貸出も下げ 止まりが鮮明となっている。今後は 不良債権問題の完全決着と強い金融 システムの構築を目指し、一部地域 金融機関の再生や銀行全体の収益力 強化などに向けた取り組みが本格化 していくことが期待される。 図表1:主要行および地域銀行の不良債権比率 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 01/03 01/09 02/03 02/09 03/03 03/09 04/03 04/09 05/03 主要行 地方銀行 全国銀行 (%) (注)主要行は都銀・長信銀・信託銀合計、地方銀行は第二地銀を含む合計 (出所)金融庁 金融再生プログラムの導入 (05年3月末までに不良債権 比率を8%台→4%台へ) 05年5月、金融庁は主 要行の不良債権比率 が05年3月末に2.9% となったことを公表

(3)

3 (財政は安定化に向けた動きが見られるものの、依然硬直した財政構造と突出した政府債務) 財政は安定化に向けた動きが見られるものの、現状の対策では硬直化した財政構造の健全化や政府が掲げる 2010 年初頭の基礎的財政収支の黒字 化は難しく、当面政府債務の抑制も見 込めない。 04 年度の基礎的財政収支の赤字は 経済の改善による税収増や三位一体改 革やその他の削減努力により、18.3 兆 円(補正後)と前年から2 兆円以上縮 小する見込みとなった(図表 2)。05 年度予算も3 年ぶりに一般歳出が前年 度以下となったほか、税収増により基 礎的財政収支の赤字は15.9 兆円と前年 度当初予算から3 兆円余り縮小する見 込みとなっている。これを受けて、新 規国債発行額も4 年ぶりに前年度から 減額された。しかしながら、歳入の 4 割以上を新規国債発行でまかなう硬直 化した財政構造に変化なく(図表3)、 政府債務残高も 04 年度末には 740 兆円を超え先進国では突出した状況 となっている。 また、今後の潜在的な歳出増加要 因として、少子高齢化による社会保 障給付費などの自然増、政府債務の 累増に伴う国債費の増大などがある。 こうした状況を打開するためには、 社会保障制度を中心としたより一層 の歳出改革を前提とし、消費税の税 率引き上げなどを含む税制改正を早 期に実施することが重要である。社 会保障制度改革のうち、年金改革に ついては 04 年度に給付のマクロ経 済スライド制や保険料率の引き上げ などが導入され一定の進展が見られ たものの、介護、医療制度の改革は 今後の課題となっている。 国債の保有状況は国債管理政策の 一環として保有者層の多様化が推進されたことから、金融機関の保有割合が低下する中、家計や海外の保有割合 図表2:中央政府財政収支のGDP比率 -8.0 -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 財政収支/GDP 基礎的財政収支/GDP (%) (注)04年度は補正後、05年度は政府予算 (出所)財務省 図表3:硬直化する財政構造 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 国債費 地方交付 税交付金 税収 歳入 (兆円) 財政の自由度が低下=硬直化 新規国債発行 (注1)中央政府財政の自由度=税収−国債費−地方交付税交付金 (注2)04年度は補正後、05年度は政府予算 一般歳出

(4)

が上昇しているなどの変化が見られるものの、引き続き国内で安定的に保有されている(図表4)。しかしながら、 景気回復が本格化 した場合、民間企 業の資金需要が増 加することが予想 されるほか、高齢 化による家計貯蓄 率の低下等を考慮 すれば、政府部門 が大きな資金の取 り手となっている 現状は長期的には むしろ異例な状況 とみるべきである。 したがって、財政 の安定化に向けた 取り組みが今後一 層重要さを増して こよう。  (シニアアナリスト 内藤 寿彦) 2.アメリカ合衆国  格付けは政治・社会の安定性、高度に発展した経済・産業基盤、国際政治経済における経済・軍事両面におけ る強固な地位などを主に反映している。格付けの見通しは安定的である。  04 年に 4.4%の高成長を記録した米国経済は、05 年に入っても緩やかな雇用の拡大、堅調な住宅市場などを背 景として個人消費主導の成長を続けている。企業の設備投資も順調な増加傾向を維持しており、05 年第 1 四半期 の実質GDP 成長率は前期比年率で 3.5%を記録した。長期金利の急上昇などマクロ経済環境の急激な変化がない 限り、05 年は 3%台の実質 GDP 成長率が達成可能と予測される。  他方、連邦政府財政は減税政策と防衛支出増を主因に02 年度に赤字に転落して以来、拡大傾向を続けてきた。 第2 期ブッシュ政権は 06 年度の財政予算で今後、財政赤字を 10 年度までに半減する方針を打ち出した。政府は財政 赤字の対GDP 比を 06 年度の 3.0%から 10 年度の 1.3%に低下させる計画である。また、連邦政府債務の GDP 比 は04 年度の 63.7%(連邦政府勘定控除後 37.2%)から 10 年度の 70.0%(同 39.1%)に、ネット金利支払いの歳 入比は8.5%から 11.1%に緩やかに上昇する計画となっている。米国では 2010 年前後を境として約 7,600 万人(人 口の26%)のベビーブーマーが本格的に高齢化するため、年金および医療保険コストが大きく増加する。これに備え るべく中期的に財政を再建する必要があり、今後の政策対応とその効果が注目される。  低貯蓄率下での借金による家計消費の増加に連邦政府財政赤字増大の影響も加わり、マクロベースでのIS バラ ンスのマイナス幅が大きく拡大したことが近年の経常収支赤字の急激な拡大傾向の背景である。04 年に 5.7%と 警戒水準とされる5.0%を大きく超過した経常赤字の対 GDP 比は 05 年には 6%に達する可能性が高い。このため 図表4:国債消化者別内訳(ストック) (兆円、%) 金融機関 企業 一般政府 家計 対家計 海外 合計 日銀 国内 銀行 保険・ 年金 基金 郵便 貯金 公的 金融 機関 その他 営利団 体 (年度) 90 136.2 11.1 32.9 8.6 5.5 50.0 28.1 0.4 5.2 7.6 2.1 4.7 156.3 95 211.6 27.2 32.1 46.6 16.8 55.5 33.4 0.3 9.1 7.3 3.8 9.4 241.5 00 357.8 47.6 63.8 81.8 26.2 80.8 57.7 1.2 11.7 10.1 3.7 24.5 409.0 01 406.0 70.0 54.3 98.7 54.1 71.6 57.1 1.3 27.3 12.4 5.6 16.7 469.2 02 468.2 81.1 62.7 115.6 75.7 67.8 65.4 1.3 33.1 12.7 5.1 18.3 538.7 03 484.9 85.5 75.2 119.3 84.4 55.7 64.9 0.7 43.5 14.5 6.1 20.2 569.9 04 529.4 92.4 77.3 129.8 105.0 49.7 75.2 1.0 55.7 21.4 7.6 27.4 642.5 (構成比) 90 87.2 7.1 21.1 5.5 3.5 32.0 18.0 0.3 3.3 4.9 1.3 3.0 100.0 95 87.6 11.3 13.3 19.3 7.0 23.0 13.8 0.1 3.7 3.0 1.6 3.9 100.0 00 87.5 11.6 15.6 20.0 6.4 19.7 14.1 0.3 2.9 2.5 0.9 6.0 100.0 01 86.5 14.9 11.6 21.0 11.5 15.3 12.2 0.3 5.8 2.6 1.2 3.6 100.0 02 86.9 15.0 11.6 21.5 14.1 12.6 12.1 0.2 6.1 2.4 1.0 3.4 100.0 03 85.1 15.0 13.2 20.9 14.8 9.8 11.4 0.1 7.6 2.6 1.1 3.5 100.0 04 82.4 14.4 12.0 20.2 16.3 7.7 11.7 0.2 8.7 3.3 1.2 4.3 100.0 (出所)日銀「資金循環統計」

(5)

5 04 年に 6,600 億ドル(約 71 兆円)を超えた巨額の経常赤字のファイナンス需要がドル安圧力を生じさせる懸念も あるが、一方で対米輸出を中心に外需主導で経済回復を図る各国中銀にはドルの暴落による自国通貨の高騰を回 避したい誘引が働く。実際、各国中銀等公的資金によるファイナンス額は02 年の 1,899 億ドルから 04 年の 3,966 億ドルへと大きく拡大した。投資対象としてのドル資産の魅力が維持されるとともにこうした構図に大きな変化 が生じない限りドル暴落の危険性は回避されるものと考えられる。但し、現在の経常赤字の拡大傾向を中期的に 持続することは規模的に容易ではなく、中期的にはドルの緩やかな減価とともに個人消費の緩やかな減速による 輸入の減少が必要になると考えられる。  他方、米国の家計部門は90 年代後半に超低金利政策を背景として急激に債務を増大させてきた。家計債務の可 処分所得に対する比率は90 年の 86.8%から 04 年の 124%に大きく上昇した。但し、家計のデッドサービスレシ オの上昇は住宅金利の低下を主因に 90 年の 12.0%から 04 年の 13.3%へと僅かなものに留ま っている。また、04 年後半以降の FF レートの 引き上げは今のところ住宅金利など長期金利の 上昇には波及していない。インフレ率はオイル 価格の上昇を主因に目下 3%台に上昇している が、コア・インフレ率は 2%台で概ね安定的に 推移している。この背景としては特に90 年代末 以降の労働生産性の上昇が考えられる。今後、 労働生産性の上昇傾向が維持され、インフレ圧 力の増大が回避される限り、長期金利急騰の危 険も回避されると考えられる。但し、米国の住 宅市場では一部地域のバブルも指摘されており、 今後の動向には注意が必要である。 (チーフアナリスト 今井 一雄・シニアアナリスト 田村 喜彦) 3.ドイツ連邦共和国 格付けは、多様で高度に発展した産業に支えられた強力な経済基盤、同国の欧州における政治・経済面での主導 的役割などを反映している。  同国は輸出志向が強く国際競争力の高い自動車、 機械及び化学に代表される多様化した産業に支えら れ、貿易収支は黒字が定着しており、経常収支も01 年以降、黒字が続いている。加えて、世界第3 位の 経済規模を有し、EU の中核国として主導的な役割 を果たしており、社会的な安定性も高い。格付けの 見通しは安定的である。  04 年の実質 GDP 成長率は雇用情勢の悪化を受け 民間消費が2 年振りのマイナスに転じる中、EU 内 外の経済回復に伴い、輸出が拡大したことなどから、 前年の0.0%から 1.6%へ回復した。05 年経済は EU 図表5: 米国家計債務ポジションの推移 50 60 70 80 90 100 110 120 130 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 0 2 4 6 8 10 12 14 16 Debts/DPI(左) 30年固定住宅 ローン金利 CPI DSR (出所)FRB、労働省 図表6:ドイツ 一般政府財政GDP比 ▲ 10 ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 96 97 98 99 00 01 02 03 04 f05 f06 % 財政収支 利払い費 プライマリー収支 (注)05年、06年は欧州委員会予測値 (出所)政府統計局、欧州委員会、JCR

(6)

内外の経済減速による輸出の低下などから、成長率は1%以下となる見込みである。消費者物価は 04 年に素材・ エネルギー価格の上昇や、医療費の法定負担分が増加したことなどから、前年の1.0%から 1.8%まで上昇した。 05 年はエネルギー価格の動向に左右されるものの、医療費負担引き上げの影響が縮小することなどから、1%台 前半への低下が見込まれる。また、金融システムは大手行の不良債権処理が進展し、与信残高が前年比で下げ止 まるなど、回復に向かっている。  財政赤字はEU の安定成長協定(SGP)で定める赤字上限(GDP 比 3%)を 02 年以降 3 年連続で超過し、04 年には 3.7%に達した。今年 5 月の州議会選挙で連立与党が野党陣営に敗北したことを受け、シュレーダー首相は来年 9 月の実施を予定していた総選挙を今秋に前倒しで実施する意向を表明した。これにより、年内は歳出抑制や増税 による根本的な財政再建は図りにくい状況にあり、財政赤字は05 年も SGP の枠を超過する見通しである。  失業問題の解決は旧東西ドイツ地域間の経済格差解消と並び、依然として、当国の最大の政治課題である。失 業率は雇用調整や工場の中東欧や中国への移転の進展もあり、00 年以降、上昇傾向にある。政府はマイスター制 度や解雇規制の緩和などを通じ、雇用拡大を図る方針であるが、成果を結ぶにはなお時間を要する見込みである。 一方、次期総選挙で現野党の上下両院での勝利が有力視されており、こうした状況となった場合には現在の上 下院での与野党のねじれ現象から、政治的停滞を招いている状況が解消され、中期的には構造改革が前進する可 能性が高い。また、財政赤字拡大を背景に、一般政府債務GDP 比も 02 年以降、上昇傾向にあり、04 年末時点で は66.0%と安定成長協定の規定枠である 60%を超過している。 (チーフアナリスト 今井 一雄・アナリスト 舟田 尚智) 4.フランス共和国  格付けは、同国の多様で高度に発展した産業に支えられた強力な経済基盤、およびドイツと並ぶEU の中核と しての政治・経済面での主導的役割などを反映している。  同国は国際競争力の高い自動車、機械及び化学に代表される多様化した産業を有しており、社会的な安定性も 高い。格付けの見通しは安定的である。  04 年の実質 GDP 成長率は民間消費が増加し、総固定資本形成や輸出の伸びが加速したことを受け、前年の 0.5% から 2.4%まで拡大した。05 年経済は賃金上昇率の低下に伴う民間消費の伸び鈍化や歳出抑制に伴う政府消費の 減速により、2%前後の成長が予想される。また、失業率が 9.6%に達するなど懸案事項となっている雇用問題は、 労働条件の緩和による柔軟性の回復や、若年層雇用促進法などによる雇用の拡大などから、今後は改善に向かう ものとみられる。04 年の経常収支は貿易収支 が黒字から赤字に転じたことから、GDP 比▲ 0.4%となったが、サービス収支と所得収支の 黒字から、当面はGDP 比 1%以下の小幅な赤 字に留まる見通しである。  財政収支は景気減速と所得税減税による税 収低迷、景気下支えを目的とした歳出増に伴 い、02 年に▲3.2%と、EU の安定成長協定 (SGP)で定める赤字上限(GDP 比 3%)を突破し た。03 年、04 年の財政収支も低成長による税 収伸び悩みに加え、所得税減税が実施された 図表7:フランス 一般政府財政GDP比 ▲ 10 ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 96 97 98 99 00 01 02 03 04 f05 f06 % 財政収支 利払い費 プライマリー収支 (注)05年、06年は欧州委員会予測値 (出所)政府統計局、欧州委員会、JCR

(7)

7 ことから、03 年が▲4.2%、04 年は▲3.7%と、3 年連続で本協定の規定に違反した。但し、欧州委員会による制裁 の発動は05 年 4 月に安定成長協定が事実上緩和され、当国の主張してきた研究開発費(R&D 費)の歳出からの控 除が条件付きで認められたことから、当面見送られる見通しである。財政収支の先行きは、政府は年金制度改革 や健康保険制度改革、公務員数削減などの改革を推進してきたが、04 年 3 月の地方選挙での与党敗北を受け、シ ラク大統領が国民負担増となる改革の見直しを発表していることや、07 年には総選挙が予定されていることから、 当面、根本的な財政健全化策が実行されるとは考えにくく、財政が改善される見通しは低い。  また、一般政府債務GDP 比も 01 年末以降増加傾向にあり 04 年末に 65.6%と、安定成長協定の上限である 60% を超過している。  今年5 月に実施された国民投票で EU 憲法の批准が拒否されたことは、更なる EU 統合に一時的な停滞を招く と考えられるが、中長期的にはEU 全体での大きな流れである「EU 統合の進化・拡大」という方向性に大きな変 化を生じさせるには至らないとみられる。 (チーフアナリスト 今井 一雄・アナリスト 舟田 尚智) 5.英国  格付けは、安定的な社会政治構造、多様で高度に発展した経済構造、健全かつ中期志向のマクロ経済政策枠組 等を反映している。  社会政治構造、マクロ経済運営ともに安定的であり、高い独立性を付与された中央銀行による透明度の高いイ ンフレ抑制的な金融政策が行われている。インフレ抑制的な中央銀行への信頼は厚くまた公的債務水準は低いた め、短期的なショックに対する財政金融政策の対応能力は高い。また過去に行われたミクロ部門の構造改革の結 果生産物と生産要素市場の柔軟性は高く、失業率も欧州大陸諸国の平均を大きく下回る水準にある。これらの恵 まれた環境の下で、欧州通貨制度の為替相場メカニズム(ERM)離脱の翌年である 93 年以降一貫して安定的な 成長を続けており、01 年の世界経済同時減速の中でも経済成長の落ち込みを最小限に留めるなど高いショック吸 収力を顕示してきた。  公共サービスの質の向上のために01 年以降に増加した資本投資と経常財政収支構造の悪化のために 03 年度以 降の財政赤字はGDP の 3%程度にまで拡大している。堅調な経済成長にもかかわらず、04 年度の経常歳入の水準 は98∼01 年度を下回り、また経常歳出の水準は同年度を上回った。一方、一般政府債務の規模は小さく、04 年 末時点のGDP 比は総債務が 43%、純債務が 36%に留まる。このため、財政は相応の柔軟性を維持している。も っとも、緩やかに上昇を始めた政府債務を減少させるため、また経常収支の赤字を縮小させるためには、今後歳 入の強化または歳出の削減による財政の調整が必要となろう。  過去に行われた制度改革の結果、公的年金支出 の規模は今後数十年間に渡り先進工業国の中でも 最低の水準で推移する見込みであり、人口高齢化 の進展が財政にもたらす圧力は限定的かつ管理可 能なものとなろう。  同国は欧州連合の一員として経済通貨同盟 (EMU)に参加する権利を留保しているが、同国 民の間にはEMU 参加に対する懐疑論も根強く、 参加の有無とタイミングは定かでない。しかし、 図表8: 英国 安定的な経済成長が続く ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 10 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 出所: 国民統計局(ONS) ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 失業率:% (左目盛) 実質経済成長率:% (右目盛) 消費者物価上昇率:% (左目盛)

(8)

同国は柔軟なミクロ経済構造と健全なマクロ経済政策枠組を有しており、今後もEMU 参加有無にかかわらず、 引き続き安定的な経済成長を確保し高い債務償還能力を維持していくことが予想される。 (チーフアナリスト 今井 一雄・シニアアナリスト 入村 隆秀) 6.イタリア共和国  格付けは、やや安定さに欠ける財政・債務状況、更には経済面での国内地域格差の存在によって制約されている ものの、EU25 ヶ国平均を上回る 1 人当り GDP に示される経済基盤などによって支えられている。格付けの見通 しは安定的である。  04 年の実質 GDP 成長率は EU 内外の経済回復によって輸出が伸びた他、総固定資本形成も好調に推移し、前 年の0.3%から 1.2%へ拡大した。05 年経済は雇用回復を背景に、民間消費の伸びが期待されるものの、EU 内外 の経済減速による輸出減や総固定資本形成の伸び鈍化により、1%以下への減速が見込まれる。  同国はかつて、国際競争力の高い多様化した産業を背景に、ほぼ毎年、貿易黒字を計上してきた。しかし、同 国の主要輸出産業の一つである繊維産業などが、低付加価値品を中心に工場の中東欧やアジアへの移転や委託生 産を進めていることもあり、貿易黒字は近年、縮小傾向にある。これに加え、対外債務への利払いや対内投資の 利益送金を背景とした所得収支の赤字や、国内外国人労働者の本国送金を背景とした経常移転収支の赤字もあり、 経常収支は00 年以降、赤字となっている。JCR では、今後も国内での高付加価値品の生産と相応の産業基盤を残 すには、EU 平均に比べ低い R&D 支出の拡大など、産業強化策が必要だとみている。  硬直的な労働市場の改革に抵抗が根強い中、改革に向けた法改正が既に行われたが、雇用拡大までには至って いない。また、国内南北経済格差の是正は、歴代政権の政治課題となっており、地域別の失業率(04 年)は工業の 発達した北部の4.3%に対し、産業発展の遅れた南部では 15.0%に達しており、所得面での格差も大きい。 財政収支は利払い費が縮小した恩恵を受け、97 年以降 02 年まで赤字幅は、EU の安定成長協定(SGP)で定める枠 内(GDP 比 3%)に収まった。但し、充分な歳出抑制策が採られず、減税や景気減速による税収伸び悩みも加わっ たことからプライマリー収支の黒字幅は縮小傾向にあり、構造的な財政状況はむしろ悪化しており、財政赤字は 03 年、04 年と 2 年連続で GDP 比 3.1%を記録、SGP の規定を超過した。政府は 06 年の総選挙を控え、05 年 4 月 には06 年に GDP 比で 0.9%に相当する減税を実施する計画を発表したが、05 年、06 年の減税により、財政赤字 は05 年、06 年と連続して GDP 比 3%を大幅に超過するものとみられる。財政再建にとって重要な年金制度改革 については、これに反対する労働組合のゼネストに も拘らず、04 年 7 月に年金改革法が国会で可決され た。但し、本法は当初案から縮小されたものであり、 年金関連歳出の長期的な拡大に十分手当てしたもの とはいえないことから、長期的な財政再建には福祉 関連支出の抑制が不可欠とみられる。  近年、民営化収入などを原資とする債務返済もあ り、緩やかな低下傾向にあった一般政府債務 GDP 比は財政赤字拡大に伴い下げ止まり、04 年末時点で ユーロ圏平均の71.3%を大きく上回る 106.6%に達し ている。当面、財政赤字が高水準で推移するとみら れることから、中期的にも一般政府債務 GDP 比率 図表9:イタリア 一般政府財政GDP比 ▲ 15 ▲ 12 ▲ 9 ▲ 6 ▲ 3 0 3 6 9 12 96 97 98 99 00 01 02 03 04 f05 f06 % 財政収支 利払い費 プライマリー収支 (注)05年、06年は欧州委員会予測値 (出所)政府統計局、欧州委員会、JCR

(9)

9 に大きな改善は見込まれず、GDP 比 100%を超える高水準で推移する見通しである。 <イタリア共和国 格付対象債券明細> (名 称) (発行額) (利 率) (発行日) (償還日) (格 付) (見通し) ユーロ円債券 1,250 億円 年 5.50 % 1994 年 12 月 15 日 2014 年 12 月 15 日 AA+ 安定的 ユーロ円債券 1,250 億円 年 4.50 % 1995 年 6 月 8 日 2015 年 6 月 8 日 AA+ 安定的 ユーロ円債券 1,500 億円 年 3.80 % 1996 年 4 月 3 日 2008 年 3 月 27 日 AA+ 安定的 ユーロ円債券 1,000 億円 年 3.70 % 1996 年 10 月 21 日 2016 年 11 月 14 日 AA+ 安定的 ユーロ円債券 1,000 億円 年 3.45 % 1997 年 3 月 24 日 2017 年 3 月 24 日 AA+ 安定的  ・ステイタス:無担保一般債務で、他の一般債務と同順位  ・特約事項 :担保提供制限 (チーフアナリスト 今井 一雄・アナリスト 舟田 尚智) 7.カナダ 格付けは、輸出を中心とした高度に発展した経済であるとともに高い経済成長を実現していること、財政黒字 の継続と政府債務の圧縮から財政の柔軟性が増していることなどを主に反映している。格付け見通しは安定的で ある。経済は、足元でカナダドル高による輸出の悪化からやや減速しているものの、05 年、06 年は内需の拡大に 支えられ3%内外の安定した成長が期待される。また、04 年 6 月の総選挙で少数与党となった自由党は野党から の支持を得るため財政規律がやや緩めたものの、JCR では引き続き健全な財政運営は維持されていくと見ている。 90 年代初頭からの歳出の削減を中心とした連邦・州政府の財政再建により、財政収支・政府債務が大幅に改善 し、財政の柔軟性が増している。連邦、地方政府を合わせた一般政府財政収支は、98 年度(98 年 4 月∼99 年 3 月)以降7 年連続で黒字を維持し、04 年度も政府計画通り黒字となる見込みである。特に、04 年度は連邦政府か ら交付金の増額により地方政府全体でも3 年ぶりに黒字に転換した。これにより、96 年に GDP 比率で 100%(公 務員年金債務を除く)を超えていた政府債務は、04 年末には同 70%程度まで低下している。04 年 9 月、連邦政 府は今後10 年間に渡って地方政府への交付金の合計 747 億カナダドル増額することを決定した。政府は財政の健 全性を維持するために、今後5 年間の財政計画を公表しており、これによれば財政収支は均衡を維持し、予算の 不測の事態に備えるため毎年 40∼70 億カナダドルの予備費を計上している。 したがって、当面はこうした措置によ り財政の健全性は維持される見込みで ある。 同国経済は、米国向け輸出が全体の 8 割以上を占めることから米国経済の 影響を受け易いものの、多様で高度に 発 展 した 経 済 構造 を有 して い る。 NAFTA(北米自由貿易協定)による貿 易取引の拡大、各種減税措置、健全な 財政運営やインフレターゲットの導入 による物価の安定、健全な金融システ ム、なども良好な経済成長をサポート している。これらにより、過去5 年間 図表10:増加を続ける双子の黒字(GDP比率) -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 経常収支 一般政府財政収支 (%) (注)05年、06年はJCR予測値 (出所)OECD

(10)

の平均経済成長率は3%程度と G7 では最も高い成長となっている。また、経常収支も通貨高となる中、大幅な貿 易黒字により00 年以降 GDP 比では 2%を超える黒字を計上している。 04 年経済はカナダドル高により輸出が年後半より減速したものの、個人消費、民間設備投資、在庫などによる 内需拡大から前年比2.8%と前年の 2.0%から改善した。原材料価格高騰によるマクロ経済への影響は、原材料の 生産増が国内需要の抑制を上回っているものの全体では小幅にとどまっている。また、04 年の消費者物価上昇率 は前年比1.9%と前年の 2.8%からさらに安定している。05、06 年経済は、通貨高の継続や米国市場における中国 製品との競合などのリスク要因があるものの、低金利効果や企業収益の好調や雇用所得環境の改善などから内需 を中心に 3%内外の成長が持続する見込みである。同国は依然純債務国となっているものの経常黒字の継続など からGDP に対する比率では過去 5 年間に G7 内では最も速いペースで改善している。 (チーフアナリスト 今井 一雄・シニアアナリスト 内藤 寿彦) 以上

(11)

11 (別表) G7諸国の主要経済指標 (単位:%) 日 本 米 国 ドイツ フランス 英 国 イタリア カナダ 名目GDP(10億米ドル)*1 2004 4,666 11,728 2,741 2,018 2,126 1,678 994 人口(百万人)*1 2003 127.7 294.0 82.5 60.1 59.3 57.4 31.5 1人当りGNI(米ドル、PPP) *4 2003 28,450 37,750 27,610 27,640 27,690 26,830 30,040 1人当り名目GDP(米ドル) *1 2003 35,004 37,424 29,624 29,225 30,375 25,572 27,512 実質GDP成長率*3 2004 1.9 4.4 1.6 2.4 3.1 1.2 3.1 00/04平均 1.2 2.8 1.2 2.1 2.7 1.3 3.1 失業率*3 2004 4.7 5.5 9.3 10.0 4.7 8.1 7.2 00/04平均 5.0 5.2 8.3 9.4 5.1 9.3 7.3 消費者物価伸び率*3 2004 0.0 2.7 1.7 2.4 1.3 2.3 1.9 (EUはHICP) 00/04平均 ▲ 0.5 2.6 1.5 2.0 1.2 2.5 2.4 長期金利*3 2004 1.5 4.3 4.0 4.1 4.9 4.3 4.6 00/04平均 1.4 4.8 4.6 4.7 4.9 4.9 5.2 家計貯蓄率*2 2003 6.3 1.4 10.7 11.1 5.5 10.5 1.4 99/03平均 7.9 2.0 10.2 11.2 5.4 10.1 3.6 一般政府歳入/GDP*2 2003 29.9 31.5 45.0 50.4 40.2 46.4 41.2 99/03平均 30.6 33.8 46.0 50.9 40.8 46.3 42.7 同歳出/GDP*2 2003 37.6 36.1 48.8 54.5 43.7 48.9 40.5 99/03平均 37.9 35.1 48.0 53.3 40.7 48.3 41.4 同財政収支/GDP*3 2004 ▲ 6.1 ▲ 4.3 ▲ 3.7 ▲ 3.7 ▲ 3.4 ▲ 3.1 1.3 00/04平均 ▲ 7.1 ▲ 2.3 ▲ 2.5 ▲ 2.8 ▲ 0.8 ▲ 2.5 1.2 同プライマリー・バランス/ 2003 ▲ 6.2 ▲ 2.8 ▲ 1.1 ▲ 1.6 ▲ 1.9 2.3 2.4 GDP*2 99/03平均 ▲ 5.8 1.0 0.8 0.3 2.0 3.6 4.2 同構造的財政収支/ 2004 ▲ 5.9 ▲ 4.2 ▲ 2.6 ▲ 3.0 ▲ 3.5 ▲ 3.0 1.3 GDP*3 00/04平均 ▲ 6.6 ▲ 2.1 ▲ 2.9 ▲ 2.6 ▲ 1.4 ▲ 3.0 1.1 同総債務/GDP*2 2003 157.5 62.5 64.2 63.9 39.7 106.5 73.3 99/03平均 141.8 60.6 61.2 59.0 40.8 110.4 80.7 同純債務/GDP*2 2003 79.1 42.8 51.9 44.1 34.9 97.1 34.3 99/03平均 65.7 41.0 46.5 38.3 35.9 98.9 42.2 経常収支/GDP*3 2004 3.6 ▲ 5.7 3.8 ▲ 0.2 ▲ 1.9 ▲ 0.4 2.6 00/04平均 2.9 ▲ 4.6 1.3 0.9 ▲ 2.0 ▲ 0.7 2.3 純対外資産/GDP*1 2003 36.1 ▲ 24.1 6.9 7.5 ▲ 2.4 ▲ 5.7 ▲ 19.5 99/03平均 29.5 ▲ 19.7 5.8 9.1 ▲ 5.5 ▲ 0.1 ▲ 19.9 純対外資産/ 2003 306.3 ▲ 259.8 19.4 28.6 ▲ 9.5 ▲ 23.0 ▲ 51.3 財・サービス輸出*1 98/02平均 264.8 ▲ 201.5 17.1 32.8 ▲ 20.5 ▲ 0.6 ▲ 47.2 外貨準備高(金除く)*1 2003 663.3 74.9 50.7 30.2 41.9 30.4 36.2 (10億米ドル) 2004 833.9 75.9 48.8 35.3 45.3 26.4 34.4 出所:*1 IMF International Financial Statistics, April 2005、直近値など一部は各国統計。

*2 OECD Economic Outlook, December 2004、直近値など一部は各国統計。

*3 OECD Economic Outlook, Preliminary Edition, May 2005、直近値など一部は各国統計。 *4 World Bank 2005World Development Indicators, April 2005。

参照

関連したドキュメント

第1回目 2015年6月~9月 第2回目 2016年5月~9月 第3回目 2017年5月~9月.

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

9/5:約3時間30分, 9/6:約8時間, 9/7:約8時間10分, 9/8:約8時間 9/9:約4時間, 9/10:約8時間10分, 9/11:約8時間10分. →約50m 3