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今回のポイント 総合通信販売大手 取扱商品を特定ジャンルに絞った専門通信販売も手掛けるほか 店舗販売事業 長年の通販事業で培ったノウハウやインフラを法人に提供するソリューション事業なども展開 約 40 年の通販事業で培ったミセス層を中心とした顧客データベース ポートフォリオ経営による安定的な収益性と

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Bridge Report

ベルーナ

(9997)

- 株式情報 - 株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位 1,186 円 97,236,456 株 115,322 百万円 7.0% 100 株 DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実) 12.50 円 1.1% 90.50 円 13.1 倍 872.86 円 1.4 倍 *株価は 10/2 終値。発行済株式数、ROE、BPS は前期実績。 - 業績推移 - (単位:百万円) 決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期淳利益 EPS DPS 2015 年 3 月(実) 120,689 6,376 10,052 6,394 65.77 12.50 2016 年 3 月(実) 131,742 8,366 7,105 3,544 36.45 12.50 2017 年 3 月(実) 146,083 10,882 12,188 5,802 59.68 12.50 2018 年 3 月(予) 160,000 13,000 13,500 8,800 90.50 12.50 *予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。 ベルーナの会社概要、2018 年 3 月期第 1 四半期決算等について、ご紹介します。 ―目次― 1.会社概要 2.2018 年 3 月期第 1 四半期決算概要 3.2018 年 3 月期業績見通し 4.今後の注目点 <参考 1:2018 年 3 月期の経営方針と取り組み> <参考 2:コーポレートガバナンスについて> 安野 清 社長 会社名 株式会社ベルーナ 証券コード 9997 市場 東証 1 部 業種 小売業(商業) 代表取締役社長 安野 清 所在地 埼玉県上尾市宮本町 4-2 事業内容 婦人服主体のカタログ通販大手、折り込みチラシ活用の顧客開拓に 特色。主要顧客は 50~60 代。 決算月 3 月末日 HP https://www.belluna.co.jp/

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今回のポイント

・総合通信販売大手。取扱商品を特定ジャンルに絞った専門通信販売も手掛けるほか、店舗販売事業、長年の通 販事業で培ったノウハウやインフラを法人に提供するソリューション事業なども展開。約 40 年の通販事業で培ったミ セス層を中心とした顧客データベース、ポートフォリオ経営による安定的な収益性と成長性などが強み・特長。 M&A も積極的に展開。 ・18 年 3 月期第 1 四半期の売上高は前年同期比 10.6%増の 411 億円。総合通販事業が好調で、他セグメントもす べて増収だった。営業利益は同 19.0%増の 28 億円。販管費も同 9.2%増加したが増収効果で吸収し 2 桁増益。 前年同期の為替差損、デリバティブ評価損がそれぞれ差益、評価益に転じ経常利益は黒字転換した。 ・18 年 3 月期の上期及び通期予想に変更は無い。通期の売上高は前期比 9.5%増の 1,600 億円の予想。全セグメ ントで増収を計画している。中期経営計画の目標を 1 年前倒しで達成する。営業利益は同 19.5%増の 130 億円の 予想。総合通販が宅配便の運賃値上げの影響で減益を見込んでいるが、他セグメントは増益の計画。配当は前期 と同じく 12.50 円/株の予定。予想配当性向は 13.8%。 ・売上高、営業利益ともに下期のウェイトが高い同社だが、今第 1 四半期はほぼ例年と同レベルの進捗率である。 売上高目標 1,600 億円の 1 年前倒しでの達成に向けてまずは順調なスタートとなったようだ。 引き続き「来期営業利益 160 億円」達成に向けた収益性向上への取り組み及び成果に注目したい。

1.会社概要

総合通信販売大手。取扱商品を特定ジャンルに絞った専門通信販売も手掛けるほか、店舗販売事業、通販事業で 培ったノウハウやインフラを法人に提供するソリューション事業なども展開。ミセス層を中心とした顧客データベース、 ポートフォリオ経営による安定的な収益性と成長性などが強み・特長。M&A も積極的に展開。

【1-1 沿革】

1968 年に現・代表取締役社長である安野清氏が、印鑑の訪問販売「友華堂(ゆうかどう)」として創業。その後、衣料 品の通信販売を皮切りに、食品、化粧品など取り扱いジャンルを拡大し、専門通販事業も展開するのに並行し、通 販顧客を対象としたファイナンス事業、プロパティ事業、店舗販売事業、ソリューション事業など事業ポートフォリオ の拡充も進めてきた。 2000 年 3 月、東証 1 部に指定替え。M&A も積極的に展開し、事業基盤のさらなる強化を進めている。 1968 年 9 月 埼玉県上尾市に印鑑の訪問販売、友華堂として創業 1983 年 3 月 衣料品の通信販売を開始 1986 年 8 月 総合カタログ「ベルーナ」創刊 1987 年 12 月 金融サービス事業を開始 1990 年 4 月 商号を㈱ベルーナに変更 1992 年 10 月 北海道産地直送生鮮食品の通信販売を開始 1994 年 9 月 日本証券業協会に株式を店頭登録 1998 年 1 月 東京証券取引所第二部に株式を上場 2000 年 3 月 東京証券取引所市場第一部に株式が指定される 2006 年 11 月 店舗販売事業を開始 2007 年 3 月 看護師向け事業の展開を目的に㈱ナースリーの全株式を取得し子会社化 2013 年 8 月 看護師向け通販を展開する㈱アンファミエの全株式を取得し、子会社化

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2014 年 1 月 ベビー・ギフト通販を展開する㈱ベストサンクスの全株式を取得し、子会社化 2015 年 6 月 輸入商品の通販・卸事業を展開する丸長㈱の全株式を取得し、子会社化 2016 年 7 月 アパレル通販(ネット専業)を展開する(株)ミン等の全株式を取得し、子会社化

【1-2 経営理念】

◎経営理念 わが社の事業の原点 わが社は国際的視野に立って、地域に生活するより多くのお客さまの、衣食住遊を豊か にする商品及びサービスを他社に先がけて提案し、より高い利便性、経済性、ファッショ ン性、アソートメントを他社より優れたシステムと企画力で提供して、お客様の生活と幸 せの向上に貢献する。 わが社の求める社員像 わが社の人材は何事に対しても、明るく、ポジティブに取組み、お客様の満足とより良い 仕事にこだわり(責任を持ち)、困難から逃げることなく、自分の能力とキャパシティを拡 げ、信頼を高めるため常に挑戦する。 わが社の目指す企業像 わが社は国際的視野で、衣食住遊分野の事業を他社との競合で圧倒的優位に展開し、 安定性、成長性、継続性、収益性とイメージをより高め、有能な人材の集まるエクセレン ト企業を実現し社会に貢献する。

また、同社ではベルーナ社員としての心の在り方を示す「Basic Mind」、行動規範である「Basic Action」を定めている。 「当事者意識」、「利益意識」、「ゲーム感覚」、「ポジティブ思考」、「成長意欲」からなる Basic Mind、「他者活用」など からなる Basic Action は、ベルーナ社員が課題に向き合った際に常に立ち戻るべき原点となっている。

【1-3 市場環境】

経済産業省が発表した「平成 26 年商業統計表 業態別統計編(小売業)」(2016 年 3 月 9 日公表)によれば、通信・ カタログ販売およびインターネット販売の年間商品販売額は 3.9 兆円。 詳細な統計は未確認であるものの、ネット通販が急成長を続ける一方、総合通販の同業他社が大きく売上を減少さ せるなど、カタログ通販市場は足元で 1~2%縮小したとみられる。 こうした中、ネットに注力中とはいえ、カタログ通販が 8 割を占めるベルーナの総合通販事業セグメントは 2017 年 3 月期 7.6%の増収、過去 2 年間でも年率 4.3%の増収と着実にシェアを拡大している。 ◎主要通販各社比較 コード 社名 売上高 増収率 営業利益 増益率 営業利益率 ROE 時価総額 PER PBR 3092 スタートトゥデイ 100,000 30.9% 32,000 21.7% 32.0% 72.7% 1,149,186 50.1 37.8 4921 ファンケル 105,000 9.0% 6,000 167.3% 5.7% 7.3% 158,444 38.3 2.1 4927 ポーラ・オルビス HLD 233,000 6.6% 33,500 24.5% 14.4% 9.5% 803,122 36.1 4.2 8005 スクロール 60,000 1.9% 1,700 36.8% 2.8% 3.0% 13,351 11.0 0.6 8165 千趣会 135,000 4.6% 1,350 13.0% 1.0% 2.7% 35,308 35.2 0.7 9997 ベルーナ 160,000 9.5% 13,000 19.5% 8.1% 7.0% 99,667 11.3 1.2 *売上高、営業利益は今期会社予想。ROE は前期実績。時価総額、PER、PBR は 2017 年 9 月 15 日終値ベース。 総合通販の同業他社であるスクロール、千趣会との比較では、同社は利益率、資本効率は高く、PBR も同社のみが 1 倍を上回っている。今後はネット通販の強化等を通じた更なる収益性の向上が期待される。

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【1-4 事業内容】

(1)セグメント 中核事業である総合通販事業を始め、専門通販事業、店舗販売事業、ソリューション事業、ファイナンス事業、プロ パティ事業、その他の事業の7セグメントで構成されている。 総合通販事業と専門通販事業が全売上の約 8 割を占める。 (同社資料を基にインベストメントブリッジ作成) (同社資料を基にインベストメントブリッジ作成)

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① 総合通販事業 ◎概要 衣料品、ファッション雑貨、インテリアなど多彩な商品を、カタログ・チラシ、インターネットを通じて受注・販売している。 (主要カタログ) (同社 HP より) ◎会員属性 2017 年 3 月末現在の登録会員数は約 1,800 万人で、そのうち 40 代以上のミセス層が約 8 割を占める。 ミセス層の中心年代である 65 歳~69 歳の女性会員数を日本の人口と比較すると、およそ 3 人に 1 人(33.9%)がベ ルーナの登録会員であり、圧倒的なシェアを有している。 (同社資料より) 登録会員のうち 2 年以内に商品を購入した会員である「稼働会員数」は 2017 年 3 月期で 480 万人。 上下はありながらも着実に会員数は増加している。

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(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成) 同社は社内に約 70 名の専任デザイナーを擁しており、大手スーパーマーケットや女性向けファッション衣料販売店 に比べてファッション性の高い商品を提供している。また 50 代から 70 代を対象とした他社にはない豊富なカタログを ラインアップしている。こうした点が、ミセス層からの圧倒的に高い支持獲得につながっている。 ◎顧客セグメント 女性顧客層を年齢別に、50 代以上の「ミセス」、40 代向けの「ラナン」、30 代向けの「リュリュ」の 3 つにセグメント化。 各年代の嗜好、ニーズにきめ細かく対応した商品を提供している。 (同社資料を基にインベストメントブリッジ作成) ◎EC 化への取り組み カタログが中心的な販売チャネルであるが、近年はネット通販への取り組みも強化している。 30 代向けの「リュリュ」における EC 化率は 6 割を超え、ミセスおよび全体の EC 化率も着実に上昇している。

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(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成) ② 専門通販事業 特定ジャンルを専門的に扱うことで商品展開や価格、サービスに特徴を持たせているため顧客の囲い込みが容易で、リピ ートオーダーを獲得している。 ジャンル カタログ、サイト 概要 食品・花・ワイン ベルーナグルメ 食品と花を扱っており、単品販売のみでなく、月に一回商 品を届ける「頒布会」やお中元などの「ギフト」など多様な 販売形態を展開している。 My Wine CLUB 現地から直輸入した日本ではめずらしいワインを取り揃 え、国内におけるワイン通販売上シェア調査では、8 年連 続 1 位を獲得している。(2008 年度~2015 年度) 化粧品 オージオ 安全性を追求した洗顔・化粧水・乳液といった化粧品やサ プリメントを扱っている。 なちゅライフ オールインワン化粧品を中心に扱っている。特に、肌にや さしい植物原料を主成分とした商品を提供している。 サプリメント リフレ 「明日のカラダ、今日からだ」をコンセプトに、何度も品質 検査を受け、厳選された素材を用いた健康食品やサプリメ ントを扱っている。また、2013 年にはリフレ研究所を設立 し、食の安全性や製品の品質確保、健康被害防止などに 取り組んでいる。 看護師向け通販 ナースリー アンファミエ リーズナブルな価格が強みの「ナースリー」、豊富な品揃 えや他社ブランドとのコラボレーション商品が魅力の「アン ファミエ」の2つを展開しており、看護師向け通販市場では 圧倒的なシェアを占めている。 ギフト・ベビー・キッズ・マタニティ ベストサンクス スキップランド モンテール メイプルランド 株式会社ベストサンクスが企画から生産まで一貫して行っ ている。 出産祝いを扱う「ベストサンクス」、キッズ通販の「スキップ ランド」、マタニティ通販の「モンテール」、ベビー通販の「メ イプルランド」の4通販サイトを展開している。

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(同社資料を基にインベストメントブリッジ作成) ③ 店舗販売事業 通販・インターネット・店舗の各チャネルの相乗効果を狙い、通信販売ではアプローチできない顧客をターゲットとして いる。 着物や和装関連商品を販売する「BANKAN」および「わものや」、40 代~50 代女性を主なターゲットとしたカジュアル 衣料品を低価格で提供する「BELLUNA」の 3 形態を、ショッピングセンターやショッピングモールに出店している。 店舗面積は和装店舗が約 30 坪、アパレル店舗が 80~100 坪。客単価の高い和装店舗の収益性の高さが特徴であ る。2017 年 3 月末現在の店舗数は和装店舗 72 店舗、アパレル店舗 64 店舗の合計 136 店舗。 (同社資料を基にインベストメントブリッジ作成) ④ ソリューション事業 長年の通販事業で培ったノウハウやインフラを活用して、「封入同送サービス」、「通販代行サービス」を法人向けに 提供している。 封入同送サービスでは、ベルーナが保有する膨大な顧客データベースを活用して、クライアント企業のチラシやサン プルなどの販促物を商品やカタログに同梱して配送する。クライアント企業のニーズに合わせて対象をセグメントし、 ターゲットを絞り込むことも可能であり、クライアント企業にとっては効果的なプロモーションが期待できる。 通販代行サービスでは、通信販売を行う企業に対して、物流倉庫でのストックやコールセンターでの対応、発送まで トータルに受託している。 通信販売を行う企業に対して、ベルーナのインフラとノウハウを含む一連の機能を受託するのが「通販代行サービ

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通販事業に新規参入する企業でも、自前のインフラを備える必要がなく、スピーディかつ安価に商品やサービスを提 供することが可能となる。 ⑤ ファイナンス事業 通販で培ったデータベースを活用した消費者金融事業。 主として通販利用者に対し、チラシを同封するなど融資の案内を行っている。過去の購買行動及び支払い状況をデ ータとして把握しているため与信力は高く、融資残高が順調に拡大する一方、貸倒率は他社よりも低い。 通販利用者を対象としているため集客コストが低い点も高い収益性につながっている。 (同社資料を基にインベストメントブリッジ作成) ⑥ プロパティ事業 オフィスビルなどの不動産賃貸やホテル事業などを展開している。 ⑦ その他の事業 百貨店や生協に向けた卸売事業を行っている。また、保険事業も展開している。

【1-5 特長と強み】

① 約 40 年の通販事業で培ったミセス層を中心とした顧客データベースやノウハウ 事業内容の項で触れたように、同社の 1,800 万人を超す登録会員のうち、約 8 割が 40 代以上の女性、ミセス層。 ミセス層の中心年代である 65 歳~69 歳の女性会員数を日本の人口と比較すると、およそ 3 人に 1 人、33.9%がベル ーナの登録会員である。 約 40 年にわたる通販事業で培った強力な顧客データベースやノウハウは、同社企業価値創造の源泉であり、大き な特徴である。 中核事業の通信販売事業においては、販売実績、購買行動、アンケートを通じた顧客の要望などをベースに、ニー ズに合致した商品を提案することでミセス層の顧客から強い支持を得ている。 また、ファイナンス事業ではまさにデータベースを活用して安定的に売上、利益を生み出しており、ソリューション事 業においては、顧客データベースやノウハウ、インフラを外部に提供することで新たな事業機会を創出している。 ② ポートフォリオ経営による安定的な収益性と成長性 同社を特徴づけるもう一つの側面が、通信販売で培った経営資源を有効活用し多角的に事業を展開することで、安

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【1-6 株主還元】

業績の状況および中期的な成長のための戦略的な投資を勘案した上で、安定的な配当を継続する。 また、以前より株主優待制度を実施し、毎年 3 月末・9 月末の 100 株以上保有株主に対して、年 2 回贈呈している が、株主に対する感謝の意を表するとともにより多くの株主に理解を深めてもらうことを目的とし、株主優待制度を拡 充、同社が運営するルグラン旧軽井沢の宿泊優待券贈呈を追加した。 優待対象基準や発行時期、有効期限には変更は無い。 100 株以上 500 株未満 500 株以上 1,000 株未満 1,000 株以上 総合通販の優待券または自社取扱 商品(食品またはワイン)の選択 1,000 円分 3,000 円分 5,000 円分 裏磐梯レイクリゾート宿泊優待券 1 枚 2 枚 4 枚 ルグラン旧軽井沢宿泊優待券 1 枚 1 枚 1 枚 *ルグラン旧軽井沢の宿泊優待券は年 1 回(12 月上旬発行分のみ)の贈呈。

【1-7 ROE 分析】

14/3 期 15/3 期 16/3 期 17/3 期 ROE (%) 10.0 8.4 4.4 7.0 売上高当期純利益率(%) 5.59 5.30 2.69 3.97 総資産回転率(回) 1.02 0.85 0.84 0.86 レバレッジ(倍) 1.75 1.85 1.97 2.06 この 4 年間でレバレッジは上昇しているものの、マージン及び回転率の低下で ROE は低下傾向にある。 第三次経営計画の目標である「ROE8%以上」達成のためには、一段の収益性及び効率性向上が欠かせない。

2.2018 年 3 月期第 1 四半期決算概要

(1)連結業績概要 (単位:百万円) 17/3 月期 1Q 構成比 18/3 月期 1Q 構成比 前年同期比 売上高 37,193 100.0% 41,153 100.0% +10.6% 売上総利益 21,013 56.5% 23,191 56.4% +10.4% 販管費 18,601 50.0% 20,320 49.4% +9.2% 営業利益 2,411 6.5% 2,870 7.0% +19.0% 経常利益 -1,377 - 3,544 8.6% - 四半期純利益 -1,084 - 3,105 7.5% -*四半期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益 2 桁の増収増益 売上高は前年同期比 10.6%増の 411 億円。総合通販事業が好調で、他セグメントもすべて増収だった。 営業利益は同 19.0%増の 28 億円。販管費も同 9.2%増加したが増収効果で吸収し 2 桁増益。 前年同期の為替差損、デリバティブ評価損が、それぞれ差益、評価益に転じ経常利益は黒字転換した。

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(2)セグメント別動向 (単位:百万円) 17/3 期 1Q 構成比 18/3 期 1Q 構成比 前年同期比 売上高 総合通販事業 20,442 55.0% 22,509 54.7% +10.1% 専門通販事業 9,841 26.5% 10,612 25.8% +7.8% 店舗販売事業 3,052 8.2% 3,641 8.8% +19.3% ソリューション事業 1,479 4.0% 1,499 3.6% +1.4% ファイナンス事業 746 2.0% 829 2.0% +11.1% プロパティ事業 754 2.0% 1,007 2.4% +33.6% その他の事業 1,102 3.0% 1,304 3.2% +18.3% 調整額 -225 - -250 - - 合計 37,193 100.0% 41,153 100.0% +10.6% 営業利益 総合通販事業 1,354 6.6% 1,543 6.9% +14.0% 専門通販事業 290 2.9% 361 3.4% +24.5% 店舗販売事業 -27 - 164 4.5% - ソリューション事業 736 49.8% 645 43.0% -12.4% ファイナンス事業 195 26.1% 279 33.7% +43.1% プロパティ事業 48 6.4% 78 7.7% +62.5% その他の事業 -101 - -144 - - 調整額 -85 - -59 - - 合計 2,411 6.5% 2,870 7.0% +19.0% *利益の構成比は売上高利益率。当第 1 四半期より衣裳レンタル事業を店舗販売事業からその他の事業に区分を変更している。前年 同期の数値は変更後のセグメント区分に組み替え済。 ◎総合通販事業 増収増益。 衣料品・家具雑貨等の売上が共に好調。媒体費率が改善した。 ◎専門通販事業 増収増益。 グルメ事業が好調だった。 ◎店舗販売事業 増収増益。 アパレル店舗事業に加えて、和装店舗事業も順調。アパレル店舗事業の収益性が改善した。 ◎ソリューション事業 増収減益。 相対的に利益率が低い通販代行サービス事業が伸張した。 ◎ファイナンス事業 増収増益。 国内消費者金融事業の貸付金残高が上昇した。 ◎プロパティ事業

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◎その他の事業 増収減益。 卸売事業などで売上高は伸長したが、衣裳レンタル事業の季節要因により損失は拡大した。 (3)財務状態 ◎主要BS (単位:百万円) 17 年 3 月末 17 年 6 月末 17 年 3 月末 17 年 6 月末 流動資産 84,792 87,505 流動負債 40,352 43,629 現預金 20,176 19,153 仕入債務 17,738 22,240 売上債権 9,668 11,160 短期借入金 5,924 6,498 たな卸資産 17,041 22,287 固定負債 50,898 49,656 固定資産 94,231 95,113 長期借入金 46,157 45,225 有形固定資産 64,258 64,528 負債合計 91,251 93,286 無形固定資産 12,876 12,615 純資産 87,773 89,332 投資その他 17,096 17,970 利益剰余金 63,359 65,857 資産合計 179,024 182,619 負債純資産合計 179,024 182,619 長短借入金残高 52,081 51,723 売上債権等の増加で流動資産は前期末比 27 億円増加。投資有価証券の増加などで固定資産は同 8 億円増加し、 資産合計は同 35 億円増加の 1,826 億円となった。 仕入債務、短期借入金の増加などで流動負債は同 32 億円増加。長期借入金の減少などで固定負債は同 12 億円 減少し、負債合計は同 20 億円増加の 932 億円。 利益剰余金の増加などで純資産は同 15 億円増加の 893 億円。 この結果、自己資本比率は前期末の 47.4%から 0.4%上昇し 47.8%となった。

3.2018 年 3 月期業績見通し

(1)通期業績予想 (単位: 億円) 17/3 月期 構成比 18/3 月期(予) 構成比 前期比 対 2Q 進捗率 対通期進捗率 売上高 146,083 100.0% 160,000 100.0% +9.5% 56.4% 25.7% 営業利益 10,882 7.4% 13,000 8.1% +19.5% 68.3% 22.1% 経常利益 12,188 8.3% 13,500 8.4% +10.8% 78.8% 26.3% 当期純利益 5,802 4.0% 8,800 5.5% +51.6% 107.1% 35.3% *予想は会社側発表。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。 (上・下業績予想) (単位: 億円) 18/3 期 上期(予) 前年同期比 18/3 期 下期(予) 前年同期比 売上高 73,000 9.5% 87,000 9.6% 営業利益 4,200 33.5% 8,800 13.7% 業績予想に変更無し。増収増益を予想 業績予想に変更は無い。売上高は前期比 9.5%増の 1,600 億円の予想。全セグメントで増収を計画している。中期経 営計画の目標を 1 年前倒しで達成する。 営業利益は同 19.5%増の 130 億円の予想。総合通販が宅配便の運賃値上げの影響で減益を見込んでいるが、他 セグメントは増益の計画。 配当は前期と同じく 12.50 円/株の予定。予想配当性向は 13.8%。

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(2)セグメント別動向 (単位:億円) 17/3 期 構成比 18/3 期(予) 構成比 前期比 進捗率 (参考値) 売上高 総合通販事業 752.6 51.5% 822.0 51.4% +9.2% 27.4% 専門通販事業 410.0 28.1% 454.8 28.4% +10.9% 23.3% 店舗販売事業 146.2 10.0% 161.2 10.1% +10.3% 22.6% ソリューション事業 54.3 3.7% 58.2 3.6% +7.2% 25.6% ファイナンス事業 31.0 2.1% 34.7 2.2% +12.2% 23.6% プロパティ事業 36.4 2.5% 52.5 3.3% +44.5% 19.0% その他の事業 36.7 2.5% 42.1 2.6% +14.7% 30.9% 調整額 -6.2 - -25.5 - - - 合計 1,460.9 100.0% 1,600.0 100.0% +9.5% 25.7% 営業利益 総合通販事業 44.8 6.0% 40.5 4.9% -9.6% 38.0% 専門通販事業 27.6 6.7% 33.5 7.4% +21.4% 10.7% 店舗販売事業 5.0 3.4% 9.3 5.8% +86.0% 17.2% ソリューション事業 24.2 46.5% 24.6 42.3% +1.7% 26.0% ファイナンス事業 11.8 38.1% 14.0 40.3% +18.6% 19.3% プロパティ事業 0.1 0.2% 10.8 20.6% - 6.5% その他の事業 -1.5 - 0.6 1.4% - - 調整額 -3.0 - -3.3 - - - 合計 108.9 7.4% 130.0 8.1% +19.4% 22.1% *利益の構成比は売上高利益率。当第 1 四半期より衣裳レンタル事業を店舗販売事業からその他の事業に区分を変更しているが、 前期、今期とも組み替え前の数値。進捗率は、組み替え後第 1 四半期実績の組み替え前通期予想に対する進捗率であり参考値。

4.今後の注目点

売上高、営業利益ともに下期のウェイトが高い同社だが、今第 1 四半期はほぼ例年と同レベルの進捗率であり、 売上高目標 1,600 億円の 1 年前倒しでの達成に向けてまずは順調なスタートとなったようだ。 引き続き「来期営業利益 160 億円」達成に向けた収益性向上への取り組み及び成果に注目したい。

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<参考 1:2018 年 3 月期の経営方針と取り組み>

(1)経営方針 (外部環境) 消費マインド、ネット社会、物流環境といった面における外部環境の変化に対応した経営計画を策定している。 (ビジネスモデル) 同社最大に強みである豊富なデータベースを始めとした人材、資金、ノウハウ、インフラなどの経営資源を活用して 総合通販、専門通販を中核事業に店舗販売、ソリューションなど各種ビジネスによる事業ポートフォリオを構成する 「通信販売総合商社」を指向する。 (第三次経営計画) 2017 年 3 月期からの 3 年間年を対象とした第三次経営計画では、総合通販事業、専門通販事業、店舗販売事業、 プロパティ事業を「主力 4 事業」と位置づけ、安定性、成長性、継続性、収益性を実現し、「2019 年 3 月期 売上高 1,600 億円、営業利益 160 億円、ROE8%以上確保」を目標として掲げてきたが、売上高に関しては 1 年前倒しで今期 2018 年 3 月期の達成を目指している。 (同社HP より) (2)各事業における取組 「総合通販事業の安定的な成長」、「専門通販事業の拡大」、「店舗販売事業の拡大と収益改善」、「ポートフォリオの 成熟に向けたプロパティ事業の強化」など、主力 4 事業の拡大・強化を推進する。 ① 総合通販事業 7 つあった物流センターを 1 か所に集約するとともにシステムも強化したことで物流費率は 2%程度引き下げること ができた。こうした収益性を高める取り組みを行いながら成長のための土壌づくりを進めてきたが、今後もネットへの 取り組みの強化をはじめ、カタログ・ネット・店舗のシナジー効果やネットセールの波及効果による更なる成長性の向 上を図る。 ◎ネットの強化 CVR(受注転換率、※)の改善と集客強化によるネットの強化を進める。 CVR 改善に関しては、UI(ユーザーインターフェース)の改善や集客の効率改善に加え、「ネット専用商品の投入」がカ

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カタログ販売の場合、商品企画はカタログ発刊のタイミングに合わせる必要があるため、少なくとも 6 か月程度前か ら準備を始めなければならず、足元の潮流にあったものをタイムリーに商品化することは難しい。 これに対しネット販売の場合は、開発期間は短期間で済むため、顧客のニーズに合った商品を企画・開発・販売する ことが可能である。 2017 年 3 月期に 6%であったネット専用商品の売上構成比を 2018 年 3 月期は 12%まで引き上げる計画だ。 (※)CVR:Web サイトへの訪問数やページビューに対して購入や会員登録などの成果(コンバージョン)が達成された件数の割合を示す 指標。 集客強化については、ネットセールのタイムリーな実施、TVCM との連動、クーポンの活用などに取り組む。 ◎カタログ・ネット・店舗のシナジー効果 ユーザーリストの収集・活用による相乗効果で、通販はレスポンスの向上、ネットは CVR 向上、店舗は増収が期待で きる。また売上が拡大することにより、効果の高い TVCM の出稿費用負担を分散することができる点もメリットである。 ◎ネットセールの波及効果 アパレル企業においては在庫処分の意味合いで衣料品のバーゲンセールを行うのが一般的だ。 同社の場合は店舗においてセールを行ってきたが、ネット販売の実力が高まるに伴い、ネットセール用のセールカタ ログを発行してのネットセールの実施回数を増やしている。 ネットセールは在庫回転日数の低下に加え、以下のような効果が期待できる。 一つは値ごろ感を打ち出しての新規顧客の獲得。 二つ目は処分原価率の改善。店舗でのセールの場合は売り切るために原価を大きく下回る売値で販売せざるを得 ないケースが多いが、ネットの場合は機動的に実施することで店舗販売の場合に比べロスを大きく圧縮することがで きる。 ② 専門通販事業 M&A よる規模拡大に加えて、既存事業もネット展開や新商品開発などを進めて増収基調にあるが、今後も収益性を 確保しながら成長性を高める。 ③ 店舗販売事業 *和装店舗 前期、店舗数は計画を上振れて着地した。今期も出店ペースを加速するとともに再び増益基調を維持する。 2019 年 3 月期には売上 100 億円、営業利益 10 億円、店舗数 100 店を目指している。 *アパレル店舗 今年度は店舗数拡大よりも収益性を重視する。不採算店の閉鎖と、既存店の収益性強化により単年度での黒字化 を目指す。出店に関しても物件内容をよりきめ細かく精査する。 ➃ プロパティ事業 ポートフォリオ経営の成熟に向けて、「住」「遊」分野の強化を進める。 ホテル事業では裏磐梯レイクリゾート、ルグラン軽井沢に続き 2017 年 7 月に「京都グランベル」を、2018 年 3~4 月 にはスリランカに「ゴール・ヘリテイジホテルを開業予定だ。

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<参考 2:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成 組織形態 監査等委員会設置会社 取締役 9 名、うち社外 2 名 ◎コーポレートガバナンス報告書 最終更新日:2017 年 6 月 30 日 <実施しない主な原則とその理由> 原則 実施しない理由 《補充原則 1-2-2》 当社は株主が総会議案の十分な検討期間を確保することができるよう、株主総会招 集通知の早期発送に努めております。また、株主総会招集通知の発送日前に、当社 ホームページ及び東京証券取引所のウェブサイトに開示しております。 《補充原則 4-2-1》 取締役の報酬等については、株主総会で決議された報酬総額の限度内で、個々の 取締役の職責および実績、また中長期的な観点からの取組み等を勘案して代表取締 役が決定しております。中長期的な業績と連動する報酬や自社株報酬については、 今後検討していきたいと考えております。 <開示している主な原則> 原則 開示内容 【原則 1-4】 当社は、取引先との良好な取引関係を構築し、事業の円滑な推進を図る為、主として 取引先からの保有要請を受け、保有することがあります。なお、取引関係の強化によ って得られる当社グループの利益と投資額等を総合的に勘案して投資可否について は判断しております。また議決権行使については提案されている議案について株主 価値の毀損につながるものではないかを確認し、投資先企業の状況等を勘案してお ります。 【基本原則 5】 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場 以外においても、株主との間で建設的な対話を行うべきであり、自らの経営方針を株 主に分かりやすい形で明確に説明しその理解を得る努力を行うべきと認識しておりま す。そのため、IR 担当取締役を中心に IR 体制を整備し、当社への理解を深めてもら うために、年 2 回の決算説明会に加えおよび個別 IR や個人株主説明会の実施 を行うなど、投資家と積極的な対話を心がけております。 ベルーナの適時開示情報の他、レポート発行時にメールで お知らせいたします。 既にご登録済みの方で、登録内容に変更がある場合や 登録解除の方は、こちらよりご変更ください。 (株)インベストメントブリッジの発行するブリッジレポートや 投資家向け会社説明会の映像情報をつぶやいています。

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本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及 び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報 源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしく は妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメ ントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身 の判断でなされますようお願い申しあげます。

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