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3 学びのユニバーサルデザイン化 合理的配慮は 障がいのある生徒の能力を最大限に伸長させるとともに 障がいのない生徒と共に学ぶことができるようにするための必要な支援です また ホームルームや一斉授業において 学びのユニバーサルデザイン化 を図るなど 個別の支援 と 全体への配慮 の両面で支援を考える

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Academic year: 2021

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(1)

「 障 害 者 の 権 利 に 関 す る 条 約 」 に 基 づ く 「 イ ン ク ル ー シ ブ 教 育 シ ス テ ム 」 の 理 念 を 踏 ま え 、 平 成 18年 の 学 校 教 育 法 一 部 改 正 に よ り 、 高 等 学 校 に お い て も 障 が い に よ る 学 習 上 又 は 生 活 上 の 困難を 克服 する ため の教 育が行 わ れてい ます 。 ま た 、 平 成 28年 4 月 1 日 か ら 施 行 の 「 障 が い を 理 由 と す る 差 別 の 解 消 の 推 進 に 関 す る 法 律 」 ( 以 下 、「 障 害 者 差 別 解 消 法 」) に お い て 、 学 校 を 含 む 行 政 機 関 に お け る 合 理 的 配 慮 の 提 供 が 義 務付け られ まし た。

合理的配慮と は

特 別 支 援 教 育 の 在 り 方 に 関 す る 特 別 委 員 会 報 告 に お い て 、 合 理 的 配 慮 と は、「 障 が い の あ る 子 ど も が 、 他 の 子 ど も と 平 等 に 『 教 育 を 受 け る 権 利 』 を 享 有 ・ 行 使 す る こ と を 確 保 す る た め に 、 学 校 の 設 置 者 及 び 学 校 が 必 要 か つ 適 当 な 変 更 ・ 調 整 を 行 う こ と で あ り 、 障 が い の あ る 子 ど も に 対 し 、 そ の 状 況 に 応 じ て 、 学 校 教 育 を 受 け る 場 面 に 個 別 に 必 要 と さ れ る も の 」 で あ る と し 、「 学 校 の 設 置 者 及 び 学 校 に 対 し て 、 体 制 面 、 財 政 面 に お い て 、 均 衡 を 失 し た 又 は 過 度 の 負 担 を 課 さ ないも の」 と定 義さ れて います 。

合理的配慮の 提供の決定までのプ ロセス(例)

各 学 校 に お い て は 、 生 徒 ・ 保 護 者 か ら 合 理 的 配 慮 に 関 す る 意 思 の 表 明 が あ っ た 場 合 、 次 の よ う な プ ロ セ ス ( 例 ) を 通 じ て 、 適 切 な 合 理 的 配 慮 を 行 う 必 要 が あ り ま す 。 な お 、 意 思 の 表 明 が 困 難 な 生 徒 が 、 家 族 、 介 助 者 等 を 伴 っ て い な い こ と な ど に よ り 意 思 の 表 明 が な い 場 合 で あ っ て も 、 生 徒 が 合 理 的 配 慮 を 必 要 と し て い る こ と が 明 白 で あ る 場 合 に は 、 生 徒 に 対 し て 適 切 と 思 わ れ る 配 慮 を 提 案 す る た め の 建 設 的 な 対 話 を 働 き か け る な ど 、 自 主 的 な 取 組 に 努 め る こ と が 求 め られま す。

生徒一人一人を大切にする

高等学校における「合理的配慮」の事例

生徒・保護者からの 意思の表明 生徒・保護者、学校等 による合意形成 校内委員会等による 環境整備や支援体制 などの検討 当該生徒に関する 詳細な実態把握 合理的配慮の決定 個別の教育支援計画・個別の 指導計画の作成及び合理的 配慮の内容について明記 生徒・保護者と学校双方の建設的 な対話による相互理解を通じて、 必要かつ合理的な範囲で柔軟に対 応する必要 生徒・保護者、学校等 による合意形成

平成29年6月 北海道教育庁学校教育局高校教育課

(2)

学びのユニバ ーサルデザイン化

合 理 的 配 慮 は 、 障 が い の あ る 生 徒 の 能 力 を 最 大 限 に 伸 長 さ せ る と と も に 、 障 が い の な い 生 徒 と共に 学ぶ こと がで きる ように す るため の必 要な 支援 です 。 ま た 、 ホ ー ム ル ー ム や 一 斉 授 業 に お い て 「 学 び の ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン 化 」 を 図 る な ど 、「 個 別 の 支 援 」 と 「 全 体 へ の 配 慮 」 の 両 面 で 支 援 を 考 え る こ と は 、 全 て の 生 徒 に と っ て 学 び や す い 環境と なり ます 。

個に応じた配 慮の事例

合 理 的 配 慮 は 、 障 が い の あ る 生 徒 が 十 分 な 教 育 を 受 け ら れ る た め に 提 供 で き て い る か と い う 観点から、校内委員会等において「教育内容と方法」、「支援体制」、「設備施設」など、学校とし て検討 する とと もに、生 徒や 保護 者と の建 設的な 対話 によ り、合 意形 成を 図る必 要が あり ます。 こ こ で は 、 障 が い 種 別 の 「 教 育 内 容 と 方 法 」 に つ い て 、 い く つ か の 事 例 を 紹 介 し ま す 。 こ こ に 示 す 事 例 は 、 あ く ま で も 例 で あ り 、 こ れ 以 外 は 「 合 理 的 配 慮 」 と し て 提 供 す る 必 要 が な い と い う こ と で は あ り ま せ ん 。「 合 理 的 配 慮 」 は 、 生 徒 一 人 一 人 の 障 が い の 状 態 や 教 育 的 ニ ー ズ な ど に応じ て提 供さ れる もの です。

事例2:一斉授業をユニバーサルデザイン化した学校の取組例

事例1:学びのユニバーサルデザイン化を共通理解とした学校の取組例

あいまいな表現を避け、具体的で、分かりやすい言葉掛けをすること

生徒に指示が伝わるよう、声の大きさや速度に配慮すること

掲示物は、簡単な言葉で表現し、目に付きやすい場所に掲示すること

生徒同士の個別的なかかわりを多くし、お互いの違いを認め合う環境

づくりをすること

ノートやプリントと板書が同じになるようにし、ノートなどの記入がしや

すいように工夫すること

授業の最初に、本時の目標や見通しを提示すること

活動時間の明確化を図ること(タイマーなどの使用)

イラストや写真など視覚教材を効果的に使用すること

書字に困難さのある生徒には、課題提出においてパソコンを使うことを

認めること

(3)

事例 1

黒板 や 教 科 書 の 文 字が 見 え に く い 生 徒 への 合理 的 配 慮 ( 例 )

事例 2

先生 の 話 し 声 な ど が聞 こ え に く い 生 徒 への 合理 的 配 慮 ( 例 )

事例 3

車椅 子 を 使 用 し て いる 生 徒 へ の 合 理 的 配慮 (例 )

○ 座席の位置の配慮 ○ 教師の話す声の大きさ等の調節 ○ 教科書の音読箇所の位置の明示 ○ 学習内容の要点について視覚的 な情報による明示 ○ 座席の位置の配慮 ○ 分かりやすい板書、文字サイズ の配慮 ○ 拡大教科書、拡大コピーや拡大 文字を用いた資料の作成 ○ ICT機器の活用(拡大や色の調 整など) ○ 先生の話が聞こえるよう、前列など 聞き取りやすい席に座らせてほしいこと ○ ゆっくりと、明瞭に話してほしいこと ○ 読んでいる箇所を指し示すなど、視 覚的に情報を明示してほしいこと ○ 黒板の文字が見えるように、座席は 前列1~2列目としてほしいこと ○ 黒板に対して角度が付く座席では見 えにくいこともあるため、正面の位置と してほしいこと ○ 黒板の字が見えやすいように、大き めに書いてほしいこと ■ 生徒・保護者からの要望 ○ 校内生活では車椅子と、教室等で 車椅子のまま使用できる大きめの机 を使用させてほしいこと ○ 階段の昇降が円滑にできるよう、 昇降機を使用させてほしいこと ○ 体育の実技について評価が困難な 場合に、課題等で代替してほしいこと ○ 校内での車椅子の使用の許可、 車椅子のまま使用できる大きめの 机の準備 ○ 昇降機の使用の許可 ○ 体育の実技について、可能な範 囲で学習させるとともに、評価が困 難な場合は課題等で代替 ■ 合理的配慮の例 ■ 生徒・保護者からの要望 ■ 合理的配慮の例 ■ 生徒・保護者からの要望 ■ 合理的配慮の例

(4)

事例 4

注意 や 集 中 が 続 か ない 生 徒 へ の 合 理 的 配慮 (例 )

事例 5

抽象 的 な 内 容 の 理 解が 難 し い 生 徒 へ の 合理 的配 慮 ( 例 )

全教職員の共 通理解による校内支 援体制

高 等 学 校 で は 、 教 科 担 任 制 に よ る 学 習 指 導 を は じ め 、 生 徒 指 導 、 進 路 指 導 が 組 織 的 に 行 わ れ て お り 、 特 に 、 教 科 担 任 制 は 、 教 職 員 が 複 数 の 目 で 多 面 的 に 生 徒 を 理 解 す る と と も に 、 そ れ ぞ れ が 生 徒 に 関 す る 情 報 を 収 集 す る こ と が で き ま す 。 そ う し た 情 報 を 学 年 団 や 校 内 支 援 委 員 会 、 ま た は 学 校 全 体 で 共 有 し た り 、 必 要 に 応 じ て 外 部 の 専 門 機 関 な ど の 助 言 ・ 援 助 を 得 た り し な が ら 、 教 育 的ニー ズを 必要 とす る生 徒への 合 理的配 慮や 支援 を行 うこ とが大 切で す。 特に 、校内支 援 委員会 等に おい ては、障 がい のあ る生徒 一人 一人 につ いて、指 導 の目標 や内 容、 配 慮 事 項 な ど を 記 載 し た 計 画 ( 個 別 の 指 導 計 画 ) を 作 成 し 、 教 職 員 の 共 通 理 解 の も と に き め 細 か な 指 導 を 行 う こ と が 重 要 で す 。 ま た 、 長 期 的 な 視 点 に 立 っ て 高 校 卒 業 ま で の 一 貫 し た 支 援 を 行 う た め に 、 家 庭 や 医 療 機 関 、 福 祉 施 設 な ど の 関 係 機 関 と 連 携 し 、 さ ま ざ ま な 側 面 か ら の 取 組 を 記 載 した計 画( 個別 の教 育支 援計画 ) を作成 する こと など が重 要です 。 ○ 話をする前に、話し手への注目 を促し、目を合わせての話や指示 ○ 伝達する情報の整理、具体的 な指示内容の提示、メモなどの視 覚情報の活用 ○ 静かで集中できる環境づくり、 掲示物の整理整頓・精選 ○ 注意を向けるのが苦手なため、話 や指示をするときには、話し手へ注目 するよう促してほしいこと ○ 優先順位をつけるのが苦手なため、 指示する内容は具体的なものを、一 つずつ話してほしいこと ○ 小集団でのグループ活動など、落 ち着いて学習する環境を設定してほ しいこと ○ 学習や生活に必要で実際的な技術 や態度を身に付けられるようにしてほ しいこと ○ 情報を得られやすくするよう配慮し てほしいこと ○ 学習内容等について理解を促すため のさまざまな手立てを講じてほしいこと ○ 注意深く聞くことや板書などに注 視することの促しや指示 ○ 文字の拡大や読み仮名(ルビ) の付加、話し方の工夫 ○ 数量や言語等の理解を促すため の絵カードや文字カード、パソコン 等の使用 ■ 生徒・保護者からの要望 ■ 合理的配慮の例 ■ 生徒・保護者からの要望 ■ 合理的配慮の例

(5)

「個別の指導 計画」作成例

氏 名 ○ ○ ○○ 学年 ・組 ○ 年 ○組 作成 日 平成 29年○ 月 ○日 生 徒の よさ( ○)、 困難 なこ と( ▲) ○学習 意 欲は全 体 的に高 く、 理系 の科 目、 特に 数学 を得 意と する 。 学習 面 ○専門 教 科の実 習 や体育 に意 欲的 に取 り組 んで いる 。 生 ▲漢字 の 書き取 り や、英 語が 苦手 であ る。 ノー トを 取る のが 遅い 。 徒 ▲テス ト 前にな る と、ど の教 科か ら手 を付 けて いい か分 から ず、 パニ ック にな る。 の ○読書 が 好きで あ り、ま た、 一人 で黙 々と 作業 に取 り組 むこ とが ある 。 実 生活 ・ ○何事 も 自ら解 決 しよう とし 、先 生に 褒め られ ると さら に意 欲的 に取 り組 む。 態 行動面 ▲注意 が 散漫に な るとき があ り、 先生 の指 示や 級友 の話 を聞 き逃 すこ とが ある 。 ▲分か ら ないこ と や思い どお りに なら ない とき は、 パニ ック にな るこ とが ある 。 その 他 ○祖父 が 農業を 営 んでお り、 長期 休業 中に は祖 父の 手伝 いを して いる 。 ▲祖父 を 含めた 家 族以外 と積 極的 にか かわ ろう とし ない とこ ろが ある 。 本人の 願 い ・パ ニッ クに なら ず、 落ち 着い て行 動す るこ とが でき る。 進路希 望 等 ・農 業系 の大 学進 学後 、農 業の 仕事 に就 きた い。 長 期 目 標 ・自 分で 考え 、進 んで 行動 する こと がで きる 。 短期 目標 指導 場面 指導の 内容 ・ 方法 評 価 ・ 分 か ら な い こ と や 困 各教 科等 ・ 分 か ら な い こ と に つ い て、 級 友 ・ 困 っ た と き に は 、 先 生 や 級 っ た と き に は 適 切 に や先 生に 相談 する よう 促し た。 友 に 相 談 す る こ と が で き る 援 助 を 求 め る こ と が LH R ・ 授 業 の 最 初 に 学 習 の ポ イン ト を よう にな った 。 でき る。 伝 え た り 、 適 宜 声 を 掛 けた り し ・ 学 習 の ポ イ ン ト が 明 確 に な て、 学習 を促 した 。 り、 集中 して 取り 組ん だ。

入学者選抜に おける合理的配慮

道 立 高 等 学 校 入 学 者 選 抜 に お い て は 、 特 別 な 配 慮 を 必 要 と す る 障 が い の あ る 生 徒 が 出 願 し よ う と す る 場 合 、 在 籍 中 学 校 長 は 出 願 し よ う と す る 高 等 学 校 長 に そ の 事 情 を 説 明 し 、 当 該 高 等 学 校 長 は学校 教育 局高 校教 育課 長と協 議 するこ とと なっ てい ます 。 入 学 者 選 抜 に お け る 合 理 的 配 慮 に つ い て 、 出 願 希 望 者 や 保 護 者 か ら 相 談 や 要 望 が あ っ た 場 合 、 中 学 校 と 高 等 学 校 が 十 分 連 携 し 、 中 学 校 に お け る 配 慮 や 支 援 の 状 況 等 を 確 認 の 上 、 当 該 生 徒 及 び 保 護 者 と の 建 設 的 な 対 話 を 通 し て 相 互 理 解 を 図 り 、 安 心 し て 受 検 に 臨 め る よ う 配 慮 し て い ま す 。 ■ 相 談 窓 口 ○ 出 願 先 の 高 等 学 校 ○ 北 海 道 教 育 庁 学 校 教 育 局 高 校 教 育 課 普 通 教 育 指 導 グ ル ー プ 電 話 : ( 0 1 1 ) 2 0 4 - 5 7 6 4 ( タ ゙ イ ヤ ル イ ン ) ○ 各 教 育 局 教 育 支 援 課 義 務 教 育 指 導 班 及 び 高 等 学 校 教 育 指 導 班 U R L : http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/kyoikugyosei/kyoikukyoku/index.htm ○ 北 海 道 立 特 別 支 援 教 育 セ ン タ ー U R L : http://www.tokucen.hokkaido-c.ed.jp ○ 参考資料 ・「インクルDB(インクルーシブ教育システム構築支援データベース)」(国立特別支援教育総合研 究所 http://inclusive.nise.go.jp/) ・「『合理的配慮の提供』に至るプロセス ~個別の教育支援計画や個別の指導計画を活用した切れ目 のない指導や支援」(特別支援教育課 http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/tkk/index.htm)

参照

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