第14巻第1」弓(1962)
フヨウ(ガ格言∫C〟5∽〝才α∂グ如)×モミジアオイ
(仔.の(滋乃β〝S)のFl植物
(アオイ科の種,属間雑種に関する研究 Ⅴ)
乗 田
晃 Ⅰ 緒 ロ すでに報告(23)した如く,モミ汐アかイ 叩い(♂CC去押♂〟5)とクサフヨウ岬1ルねsCカ♂〟わS)とはいずれも宿根性の 筆太で,2n=58であり,これらの間紅ほ.正逆交雑が可能である(第1表参照).またフヨウ(ガL研〟fα∂gJまぶ)とク サフヨク(ガ肋scカβぴねs)との種間交雑紅ついて ほ,前者は木太で2n=92でありながら,これを母親 とする場合にのみ交雑が可能である小 このことについ ても既に報告(1)したとおりである(第1表参照)・し かるにフヨウ(ガ\細Mね勃わ・S)とモミジアオイ(早 C〃α∠〝β〟・S)との種問交雑紅ついては,今迄にも多く の研究者(4)によって行なわれてきたが,未だ成功をみ ない一.筆者も1955年以来,これら両種の間の交配を行 なってきたが容易に成功しなかった.しかし1958年に なり,やほりフヨク(〟∽耕地如J友一S)を母親にした 場合にのみ交雑紅成功した(第1表参照)ので,その 結果を報告する. 太実験を施行する紅あたり,終始実験に協力された 研究室関係各位に対し謝意を表する次第であるu Ⅱ 実験材料および方法 第1表 交 配 組 合 せ /ゾ・、・・=ご′・・、′  ̄ ̄ ̄−−一丁− /ノ.1J‥い・人・・ご・ト、‥ モミジアオイ クサフヨウく−∵∵・ (2n
=58’琶:\、\/′′芦
ガ■小 用㈲ね如−J∠ゞ フ ヨ ク (2n=92) 註・→ 交雑可能 −・−−> 交雑不可能 供試材料は1955年に大阪市立大学附属植物園より入 手したフヨク(ガ‖∽αfα∂査Jよ\s)とモミジアオイ(ガ.cβCC≠邦β〝5)および1957年に京都大学農学部より分譲を受けた モミジアオイ(ガ‖C〃(C盲搾βα)である.これら両モミジアオイの起源,来歴などについてはすでに報望(23)したので 詳細ほ省略する..交配その他栽培管理などは慣行法紅従ったり Ⅱ 実験結果および考察 1∩ 着生した斯および種子 両種の間の交配については,1955−57年にほ大阪より取寄せたフヨクとモミジアオイとの間で,1957−58年には, 大阪から取寄せたフヨウと京都より取寄せたモミジアオイとの間で行なった申 その結果ほ第2表に示す如くである”1955−57年における交配では,フヨク×モミジアオイで約1%の僅かに占朔の着生をみたが,完全に充実した種子は
1粒も得られ・ず,非充実種子が155粒,一廟平均25い85粒得られた..逆のモミジアオイ×フヨクでは1朔も着生しな かった.. しかるに取寄先を異にするモミジアオイを用いたところの1957−8年の交配でほ,フヨク×モミジアオイで約1占% の着朔歩合を示し,しかもいずれの朔にも完全に充実したFl種子が得られたい すなわち第5表に示す如く,着生し た8所中に,多い朔では21臥 次は2D粒/で,次はノ4粒が1勅,5和が2萌,2粗が1粥,1粗が2新であった. なおモミジアオイは白殖51花に射し,僅か紅12..9%の着勅歩合しか示ぎず,多少自家不稔の傾向が認められた.し第2表 着新歩合お よ び一・新中の種子数 交 配 年l 交 配 組 合 せ 】交配花数l著 荊 数l若斯歩合l−L朔中の種子数 月.研〝≠り × β■…(∂CC∴ 月\.c♂(Cり ×.打。∽鋸g. 月’.沼〃≠.× 月\(〃CC.. ガ.c¢CC小 × 月■‖ ∽録才. 1957−58 ≒:享 〝.∽〟g.の白殖 ガ、Cβ“.の白描 1955−57 ≠ だ\∽〝≠.,〃い…・Cり いずれも大阪市大より分譲 ぎ買 方.桝〝≠.ほ大阪市大,ガ..…C.は京都大学より分譲 第5未 着生した8新中に含まれる種子数 かしフヨウの自殖は良好な着朔歩合を示し,自家不 剛 稔の傾向ほ認められなかった. 1 っぎに着生した朔および種子の大きさを示すと第 ー・朔中の種子数 4表の如くである.すなわち着生した朔の大きさは 両親の中間を示し,種子は母親のフヨクと殆んど変 減
数21
らなかった. 得たるFl種・子の発芽歩合ほ第5表に示す如くである.フヨク×モミジアカ・イFlは5系統のうち,2系統しか生存 せず,しかもこの2系統も各々1個体しか生存しなかった.すなわら1系統1個体であった.これらをそれぞれFl 18,20とする.. 2い Fl植物の生育 以上の如くして得られたFl植物2 第4表 着生した朔および種子の大きさ 朔(Cm) 種 子 (mm) _ 個体の第1年目の生育を示すと滞る表 材 網 長 さl周囲長長 さ】幅l厚 さ の如くである.生育第一年目の草丈
1.5 ほ,Flは両親よりもやや著しく高く, 茎も太かった1.また葉数も分枝数も 1。、る Flは両親より多かった.節数のみは5“2 Flはフヨクと殆んど等しく,モミジ
アオイより多かった.したがってFl ほ雑穐強勢を示すといえようい しかし て全休としての叢生はフヨウに類似し たけ 次に茎,集および花の色は第7表紅 示す如くである.茎葉の色はフヨクは 緑色,モミジアオイは.赤褐色である が,Flは18,20ともにその中間の淡 赤褐色であった.花色はフヨクは白 色,モミジアオイは赤色であるが,F1 18は中間の桃色で,柁芯のみ赤色で, F120ほ赤色であった. 開花の始めと終りは第8表に示す如 くである..生育第1年目のモミジアオ イは未開花であったが,フヨクは10月 29日に咲き始め,11月占日に.終わった. 第5表 Flおよび両親の種子の発芽歩合 材 料l播種数芦発芽数】発芽歩合l枯死数壬生存数 第占表 Flおよび両親の生育(第1年目) l碑文(Cm)l茎篭引節 数!英 数】分枝数 材 料 F118 F1 20 〃川JJ′ Pl 〃川r(Pl 51 1 14 ! 5115 5‖5±1、る 10。.0±2.占
18 82±2“5 8.1±5、.9第14巻第コ.号(1962) 第7表 Flおよび両親の茎,菓ならびに花の色 第8表 開 生 育
生 育 1 年
崩 網開 花 終l開 花 姶
12月 上旬 12月 上旬 10月」二旬 9 月 中旬 12月 d 口 1 8 月10[ヨ 11月 Fl18 下120 Ⅳ.紛扉..Pl 月㌧以㍑C… Pl 日 5 8 月12 日 8 月11日 12月1日 11月 る 口 11月 8 日 10月 29 日 (未) (末) ト 7 月 中旬 Flの開花始めほフヨウよりやや遅かったが,終りほおそく,粛のおりる迄咲きつづくものと思われる1生育5年目 では,モミ汐アズイは早く開花するが,フヨウとFl18,20ほ殆んど同時期に開花し,Flほ18,20ともに両難より おそく迄開:柁がつづいた. 5.花 粉 花粉の大きさおよび花粉稔性は第9表に示す如くである.Flの花粉稔性は万120の方が18より良好であったが,と もに著しく悪かった、.Flの花粉の大きさは著しい変異を示した. 花粉4分子形成期における各分子の割合ほ第10表に示す如くである.1分子より11分子迄見られた。2分子が良も 多く,4分子,5分子も相当見られた 第9表 花 粉 粒 花 粉 稔 性(%) ̄−▼ ̄▼【 ̄ ̄ ̄ ̄
訂㌻1京㌃盲11「1「i言古扁
花粉粒の大きさ(〝) 材 網 Fl18 F120 〟研〝f.Pl 月■.c∂CCPl 1 9 7 nU 4 2 7 4 0 2 ZJ 2 2 291 555 5 15 55.2−185.5 44‖2一一18811 142.1±10。2 1427±11..7 1 42 201 225 第10衷 4分子期における各分子の割合材 料【1 2 5
4 5 占 7 8 9 1011l合 計
12 2る 14 20 21
11 14 17 15 7 4 15 57 20 52 22 18 1る 21 17 10 5PMCにおける染色体の接合をみると第1図に示す如くである…正常な接合を示す細胞も見られたが,大部分は著 しく不規則な分裂を示し,フヨク×クサフヨクFl(1)の場合の如く,多極核分裂を示した なお両親の染色体数はすでに報告(2)した如くであり,Flは2n=占5であった. 第1図 FlのPMCにおける還元分裂(15×114) a:正常(19ェ+27Ⅱ) b,C,d,e:不規則 Ⅳ 摘 要 (1)フヨク(ガ,.∽狛痛かJ∠s)とモミジアオイ(〃\(OCC∠−〝β〟ざ)との間の正逆交配を行ない,フヨクを母親とした 交雑のみに成功した. (2)着顕歩合は1る%で,一L新平均穣子数は著しく少なく占1.9粒であった.着生した碗の大きさは両親の中間で,得 られたFl種子の大きさは,母親のフヨクと殆んど同じで,モミジアオイより小さかったいFl種子の発芽は.比較的良 好であった. 13)Fl植物は雑種強勢を示したい 開花始めはフヨウと同じで,モミジアオイよりやや遅いが,開花終りは両親よ り著しく遅かった。茎柴色は両親の中間で,花色はFl18は桃色で花芯赤く,f120ほ.赤色であった小 (4)Flの花粉の大きさは著しい変異を示し,花粉稔性は著しく低く,Flほ完全紅不稔であった.4分子形成期に は1分子から11分子迄観察された。 (5)両親およびFlの染色体数ほ2nでそれぞれ92,58およびる5であった.Flの減数分裂は著しく不規則で,多極核 分裂が多く棚察されたい
第14巻第1号(1962) 引 用 文 献 (1)桑田晃:錦葵科の種,属間雑種に関する研究(第 1報)フヨク(月盲∂≠経机S椚払旭飢〃S L一・)×クサフヨ ク(ガー肋・5C血糊紬ぶL・)のFl植物,育雑,9(1), 12(1959) (2)叩−−:同上(第2報)モミジアオイとクサフヨ ウとの穐間雑種(その一・),香川大農学報,12(1),1 (19る0)レ (3)−−−−】:同上(第5報)モミジアオイとクサフヨ クとの種間雑種(そのニ),育雑,12(2),る9(19る1) (4)立花吉茂,坂崎信之,庵原遜:Hibiscus腐植物に 関する研究(Ⅱ)交配親和性と雑種育成について(第 1報),園雑,25(4),255(1957).
The Flhybrids obtained from Hibi’scus mutabilis x H.coccineus (Studies oninteISpeCific andintergeneric hybridizationin the Malvaceae V)
Hikaru KuwADA
Summary(1)The工eCiprocalcrosses weIe made between Zhbiscu.s mutabilis and H..coccineus and Fl hybIids were obtained only when H..muiabilis was mother plant
(2)The set%of podsin H.muiabi’lis x H.coccineuS WaS16%,the number of the viable seeds pe工 pod obtained was only6小9.The size of pods obtainedin above cIOSS WaSintermediate of both paIentS,
and the size of FISeeds obtained resembled the mother plant,and was smaller than that ofthe father
Plant.The germination%of FISeeds was comparatively good.
(3)FIPlants showed heterosi$,and the beginning of blooming of FlIeSembled the mother plant,and the end of blooming was verylate.The color o董the stems andleaves of Flplants wasintermediate of both paIentS,the colo工Of flower of Flplants was pinkin Fl18and was redin F120
(4)The pollen g工ains of FIPlants weIe Of vatious sizes,thepollen feItility of FIPlants was verylow, and FIPlants weIe COmPletely seed ste工ile・In the stage of the po11en tetIad,the cells ofl−11spore
Were ObseIVed.
(5)In H。mutabilirs,H coccineulS and Fl,the chromosome numbeISin root tip$ Were 92,.58and 65 IeSpeCtively・InFl,the chromosome conjugation at MIof PMCshowed19I[+27工,While other typesof COnjugation being observed,With manyi工regularities showing the multipolar meiosis.