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Microsoft Word - MODIS_NRT_versionup_ doc

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日本周辺

MODIS 準リアルタイム高次処理の Version Up について

村上浩、笹岡晃征、細田皇太郎 (JAXA/EORC/GLI), B. G. Mitchell, R. Frouin (SIO),

石坂丞二 (長崎大), 田中昭彦、佐々木宏明 (長崎産業振興事業団), 斎藤誠一 (北大), 横内克巳, 清本容子 (西海区水研), 松本和彦 (JAMSTEC)

1.はじめに

NASA 地球観測衛星 Terra と Aqua に搭載されているModerate Resolution Imaging Spectroradiometer(MODIS)データ を、熊本の東海大学宇宙情報センター (TSIC)が受信し、東海大学情報技 術センター(TRIC)が輝度/幾何変換 処理(Level 1B)処理を行い、宇宙航 空研究開発機構(JAXA)地球観測利 用推進センター(EORC)が物理量推 定アルゴリズムを用いてクロロフィ ルa 濃度や海面水温画像・データを作 成している。EORC では 2001 年 4 月 のTSIC の受信開始から準備を始め、 2001 年 12 月に試験運用、2002 年 7 月に画像ホームページを公開、2002 年11 月にバイナリデータを登録ユー ザに公開開始している。 EORC における物理量推定では、 NASA の標準アルゴリズムではなく、 ADEOS-2 搭載センサ GLI 用に整備し ていた GLI 打ち上げ前アルゴリズム (OTSK1A_vM0, OTSK2567_vM0) を 用いていた。今回は、2002 年末の ADEOS-2 打ち上げ以降に行った GLI の校正検証やアルゴリズム開発の成 果を MODIS 準リアル処理に応用し、 精度改善を行った。以下では、打ち上 げ後版の大気補正・水中アルゴリズム ( OTSK1A_vM1, Fukushima and Frouin, 2004; OTSK2567_vM1, Mitchell and Kishino, 2004)の変更点 と検証結果を紹介する。

Table 1 MODIS と GLI 波長 (太陽照度 F0 は Thuillier 2003 による)

MODIS (Terra) GLI

CH IFOV m band (nm) [width] F0 [W/m2/um] CH IFOV m band (nm) [width] F0 [W/m2/um] 1 380 [10] 1095.7 2 400 [10] 1540.3 8 415 [15] 1718.4 3 412 [10] 1714.6 9 443 [10] 1877.2 4 443 [10] 1885.8 20 (250) 460 [70] 1965.3 3 (500) 470 [20] 2058.6 5 460 [10] 2082.0 10 490 [10] 1952.0 6 490 [10] 1939.8 11 531 [10] 1855.8 7 520 [10] 1792.5 12 551 [10] 1866.3 8 545 [10] 1858.0 21 (250) 545 [50] 1838.8 4 (500) 555 [20] 1840.0 9 565 [10] 1789.0 10 625 [10] 1651.2 13 667 [10] 1524.4 11 666 [10] 1522.5 14 681 [10] 1484.5 12 680 [10] 1474.7 22 (250) 660 [60] 1532.6 1 (250) 659 [50] 1581.2 13 678 [10] 1479.0 14 710 [10] 1394.0 15 710 [10] 1396.2 15 750 [10] 1277.4 16 749 [10] 1274.1 17 763 [8] 1248.9 16 865 [15] 958.06 18 865 [20] 956.02 23 (250) 825 [110] 1061.7 2 (250) 865 [35] 971.09 19 865 [10] 956.76 17 905 [30] 889.93 18 936 [10] 832.21 19 940 [50] 832.34 24 1050 [20] 654.57 25 1135 [70] 547.60 5 (500) 1240 [20] 453.86 26 1240 [20] 454.84 26 1375 [30] 362.65 27 1380 [40] 363.50 6 (500) 1640 [24] 239.12 28 (250) 1640 [200] 233.00 7 (500) 2130 [50] 98.780 29 (250) 2210 [220] 86.684 20 3750 [180] 30 3715 [330] (11.596) 21 3959 [70] 22 3959 [60] 23 4050 [60] 24 4465 [65] 25 4515 [67] 27 6715 [360] 31 6700 [500] 28 7325 [300] 32 7300 [500] 33 7500 [500] 29 8550 [300] 34 8600 [500] 30 9730 [300] 31 11030 [500] 35 10800 [1000] 32 12020 [500] 36 12000 [1000] 33 13335 [300] 34 13635 [300] 35 13935 [300] 36 14235 [300]

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2.変更点の概要

2.1 MODIS 波長版大気補正 Look Up Table の使用

これまで、MODIS チャンネル輝度を GLI チャンネル輝度相当に変換した値を OTSK1A_vM0 に 適用していた。しかしこのMODIS 輝度-GLI 輝度変換は、地表や大気が平均的な状態でない時には 誤差を生じ得る。そこで、MODIS チャンネルの応答関数を考慮した大気補正 Look Up Table(LUT) を作成して本処理に適用した。これにより、大気補正アルゴリズムの出力はMODIS 波長における 規格化海面射出輝度(nLw)となる(GLI と MODIS の nLw チャンネル対応は Table 1 灰色部分参 照)。ただし、OTSK1A の出力のパラメータ名は対応する GLI チャンネル波長で命名されている。 2.2 水中アルゴリズムの MODIS 波長への対応 LUT の更新によって nLw の波長が MODIS チャ ンネル相当になったことに対応するため、CHLA の OC4_GLI 型経験式の係数を調整した。係数導出に は、GLI のアルゴリズム開発や GLI データ検証用に 提供されたnLw とクロロフィル a(CHLA)の現場 データ(B. G. Mitchell, R. Frouin, 石坂、田中、佐々 木、斎藤、笹岡、横内、清本 提供)を用いた。Figure 1 はその散布図と求めた経験式である。 溶存有機物440nm 吸収係数(CDOM)や懸濁物 質濃度(SS)については、今回は経験式を新たに 作成するのに十分な数の現場データが入手できか かったため、nLw 波長の変更分の影響を水中光学 モデル(Tanaka et al., 2004)を用いて GLI の Ver.1

経験式アルゴリズムを修正した。Table 2 が今回用いた係数である。GLI の標準アルゴリズムでは、 ニューラルネットワークアルゴリズム(NN)を用いて SS の推定をしているが、今回はスケジュ ールの都合上、水中アルゴリズムはTable 2 の経験式を用いている。

Table 2 In-water algorithm used in the MODIS NRT processing

Equation

CHLA CHLA=10^(0.36786 -2.3450*r +1.0645*r2 -0.53167*r3) -0.035, r= log10(max(nlw443,nlw470,nlw490)/nlw551)

CDOM CDOM=10^(-1.4952 -1.5020*r), r=log10(443/531)

SS SS=10^(-0.2977 -1.5537*r +0.42439*r2), r=log10(nlw443/nlw551)

2.3 大気補正アルゴリズムの GLI 打ち上げ後バージョンへの変更

GLI 打ち上げ後バージョンでは、大気補正において水中モデル(Tanaka et al., 2004)を介した イタレーションでエアロゾルモデルを選択することにより、沿岸の懸濁海域での大気補正を改良し ている。これにより、沿岸域での欠損域や懸濁物による大気補正エラーによる異常な高値の改善が 期待できる。GLI の標準アルゴリズムでは、大気補正イタレーション中の CHLA、SS、CDOM 推 定でNN を用いているが、今回はスケジュールの都合上、Table 2 の経験式を用いている。

Figure 1 現場観測データによる CHLA 経験 式。青はGLI 標準のOC4_GLI、緑がSeaWiFS OC4 型の式、赤線が今回採用した式を表す。

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2.4 代替校正係数の調整

LUT の更新に伴い Terra/Aqua 両方の代替校正係数を更新した。Figure 2 は、SeaWiFS の 8-day 平均nLw と CHLA、大気補正 LUT、TOMS オゾン、気象庁客観解析データを用いて求めた、L1B シーンサンプル番号(シーンの横方向)に依存した代替校正係数である(Murakami et al,. 2004)。

(A)

(B)

Figure 2 MODIS 日本周辺準リアルデータに適用した代替校正係数

上図(A)は Terra/MODIS、下図(B)は Aqua/MODIS の 412nm~865nm(CH は GLI 波長で表示)。黒線は 2003/11/08、 2004/01/18、02/18、02/29、03/09 の 5 日分を平均した代替校正係数(=C0 + C1×pixel + C2×pixel2)

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2.5 変更による値の変化 今回の変更によるnLw と CHLA の推定結果の変化を調べた。 (A) (B) Figure 3 新旧の(A)nLw(443nm)と(B)CHLA 画像の変化 (2004 年 4 月 28 日、Terra) それぞれ、左図と散布図のx 軸は旧アルゴリズム、 右図とy 軸が新アルゴリズムの結果

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(A) (B) Figure 4 新旧の(A)nLw(443nm)と(B)CHLA 画像の変化 (2004 年 4 月 29 日、Aqua) それぞれ、左図と散布図のx 軸は旧アルゴリズム、 右図とy 軸が新アルゴリズムの結果

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3.検証結果 2004 年 2 月 24 日から 3 月 3 日にかけて、 JAMSTEC の海洋調査船「かいよう」で東シ ナ海の海色観測を行った。右図はその観測点 である。 CHLAは、採水した水を直ちにWhatman GF/F25mmフィルターで濾過し、DMF(ジ メチルホルムアミド)で抽出を行い、ターナ ー蛍光計(Turner Design社 Model 10-AU) を用いた蛍光法で測定した。

水中の下向き照度スペクトルEd(λ)と上向

き 輝 度 Lu(λ) の 観 測 は Satlantic free-fall

profiling spectral radiometer 用いた。下向き 太陽照度スペクトル Es(λ)は船上で測定した。

測定波長は380, 400, 412, 443, 455, 490, 520, 555, 565, 620, 665, 683, 705 nm の 13 チャンネル、 Free-fall の測定深度は 200m(浅海では海底から 10m まで)、観測時間は 10:30AM(観測条件によ ってはそれ以外の日中時間帯)である。Free-fall のデータは Satlantic’s Prosoft software version 6.0 で処理される(異常と思われる場合は手動で再計算した)。 輝度の深度プロファイルから海面の効 果を補正して海面上のwater-leaving radiance Lu(λ,0+)を求め、船上観測の下向き放射照度 Es(λ,0+)

との比でremote sensing reflectance を求め、波長毎の太陽照度をかけて nLw を求めた。

各図中のコメントは、黒字:現場観測ステーション番号, 観測日, 緯経度, CHLA, CDOM、赤字:Terra の観測 日, CHLA, CDOM、青字:Aqua の観測日, CHLA, CDOM

Figure 5 「かいよう」による観測航路と 3 月 5 日の CHLA 画像 Figure 6 各観測ステーション毎の現場観測と 衛星データ推定の比較 黒線が「かいよう」観測データ、赤と黄色が Terra の最近点と 5x5pixel 空間平均、青と水色が Aqua の最近点と 5x5pixel 空間平均。

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Figure 6, 7 は上記で求めた nLw、CHLA、CDOM と今回の新アルゴリズムによる結果の比較であ る。各観測点に対して最も日付の近い有効な(晴れた)衛星データを対応させている。Terra、Aqua MODIS 共に、nLw スペクトル(Figure 6)と CHLA(Figure 7)は現場データと良く一致してい る。ステーション2, 3, 5, 12(衛星観測日 2004 年 2 月 26 日と 3 月 5 日)の nLw412, 443 の MODIS 推定値が現場データより小さくなっている。これは日本周辺でしばしば現れる吸収性エアロゾルに よる大気補正エラーの特徴に一致している。この吸収性エアロゾルの補正は次のバージョンで試み る予定である。

4.今後の予定

ADEOS-2 運用異常後、予定されていた GLI/AMSR GLI/AMSR プロダクトの実利用(準リアルプ ロダクト)ユーザに対する代替措置の一環として、JAXA では 2004 年 7 月開始を目処に、 MODIS/AMSR-E を準リアルタイムでデータを提供することになった。EOC では直接受信と Level-1 処理を行い、EORC では東海大受信分の処理フローを共通に用いて MODIS の高次処理を 行う。この EOC の直接受信データにより、半日~1 日後に提供されていた高次プロダクトが 3-4 時間程度で公開できることや、埼玉県と熊本県の2 つの受信局によって取得範囲が広がることが期 待される。またこの7 月の開始以降には、GLI Version 2 版(GLI プロダクトは 2004 年 9 月公開開 始予定)のMODIS 準リアルへの適用を予定している。

今後もEORC では GLI の校正検証やアルゴリズム改良とこの MODIS 準リアル処理をリンクさ せることで、より効果的に解析技術を発展させると共に、ユーザサービスの維持と、それらの将来 のミッションへの継承を行っていく予定である。

Figure 7 「かいよう」による nLw、CHLA、CDOM 観測値(x 軸)と MODIS データから GLI アルゴリズム 推定値(y 軸)との比較(赤点が Terra、青点が Aqua)

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Reference

Thuillier et al., 2003

The Solar Spectral Inradiance from 200 to 2400 nm as Measured by the Solspec Spectrometer from the Atlas and Eureca Missions, Solar Physics, 214 (1): 1-22, May 2003.

Fukushima and Frouin, 2004

Fukushima, H. and R. Frouin, Atmospheric correction algorithm (OTSK1A) including photosynthetically available radiation (OTSK14), GLI ocean algorithm description version 1,

2004.

http://suzaku.eorc.jaxa.jp/GLI/ocean/algorithm/ATBD_OTSK1A_v150.pdf Mitchell and Kishino, 2004

Mitchell, B. G., and M. Kishino, In-water algorithms (OTSK2,5,6,7), GLI ocean algorithm

description version 1, 2004.

http://suzaku.eorc.jaxa.jp/GLI/ocean/algorithm/ATBD_OTSK2567_v150.pdf Murakami et al., 2004

Murakami, H, Vicarious calibration of GLI by global datasets, Calibration group session, GLI

workshop Tokyo Japan, March 2004.

http://suzaku.eorc.jaxa.jp/GLI/cal/presen/8_murakami.pdf Tanaka et al., 2004

Akihiko Tanaka, Motoaki Kishino, Roland Doerffer, Helmut Schiller, Tomohiko Oishi and Tadashi Kubota, Development of a Neural Network Algorithm for Retrieving Concentrations of Chlorophyll, Suspended Matter and Yellow Substance from Radiance Data of the Ocean Color and Temperature Scanner, Journal of Oceanography, Vol. 60 (No. 3), pp. 519-530, 2004

Table 1 MODIS と GLI 波長  (太陽照度 F0 は Thuillier 2003 による)
Table 2 In-water algorithm used in the MODIS NRT processing   Equation
Figure 2  MODIS 日本周辺準リアルデータに適用した代替校正係数
Figure 5 「かいよう」による観測航路と 3 月 5 日の CHLA 画像  Figure 6  各観測ステーション毎の現場観測と 衛星データ推定の比較  黒線が「かいよう」観測データ、赤と黄色が Terra の最近点と 5x5pixel 空間平均、青と水色が Aqua の最近点と 5x5pixel 空間平均。
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