CM(コンストラクション・マネジメント)方式の活用事例
The case study of Construction Management system for Building Project
西澤 秀喜 NISHIZAWA Hideki 1.はじめに CM方式とは、「建設生産・管理システム」の 一つであり、発注者の補助者・代行者であるC Mr(コンストラクション・マネージャー)が、 技術的な中立性を保ちつつ発注者の側に立って、 設計・発注・施工の各段階において、設計の検 討や工事発注方式の検討、工程管理、品質管理 などの各種マネジメント業務の全部又は一部を 行うものをいう(「CM方式活用ガイドライン、 国土交通省」より引用)。 これまで我が国で主に行われてきた「一括発 注方式」は、発注者にとって、施工に伴うリス ク(工期の維持、品質の確保等)を元請業者が 負うなどのメリットが多い反面、実際に工事を 行う各工種の下請業者への発注プロセスや支払 い金額が分からず、発注者は、設計や施工にお いて品質・工期・コストの最適化が図られてい るのか疑問や不安を感じる場合があった。1) CM方式の場合、発注者は、こうした疑問や 不安を解消するため、設計者や施工者がそれぞ れに担っていた各種のマネジメント業務をCM rに委託する。CMrは、発注者に対して品質・ 工期・コストから見て最適だと考えられるマネ ジメント業務を提供するとともに、発注者に対 して関係者(設計者、施工者、資機材業者等) とともにプロジェクトの進捗状況や工事予算に 関する説明及び意見交換を行い、発注者の裁量 権を確保するものである。1) 平成20年度の紀要に掲載した「新たな職能 としてのCM(コンストラクション・マネジメ ント)の動向」において、日本CM協会の活動 等により、CM方式の普及に関するインフラが ほぼ整ったことを報告した。 本報では、国土交通省が認定・支援する「C M方式モデルプロジェクト」から抜粋し、公共 工事におけるCM方式の活用事例について紹介 し、今後の展望について考察する。 2.福島県南相馬市立新図書館建設事業の例 以下の内容は、日本CM協会の「CMAJ機 関誌・2009 年4月号」に掲載された発注者自身 の投稿記事、および発注者である南相馬市のH Pを参考にまとめたものである。 2.1 事業概要1) ①工事名称:南相馬市立新図書館建設事業 ②構造・階数:鉄筋コンクリート・一部鉄骨造 地上4階(地盤改良杭) ③敷地面積:6,670㎡ ④建築面積:3,440㎡ ⑤延床面積:5,400㎡ ⑥総事業費(想定):22億4,800万円 ⑦発注方式:設計・施工分離 施工分離発注(一部コストオン方式) 2.2 CM方式の導入 南相馬市長の渡辺一成氏は、一級建築士の資 格者でもある。市議(2期)、県議(3期)を経 て、平成 14 年に原町市長に当選した。平成 18 年には3市町(原町市・小高町・鹿島町)合併 により誕生した南相馬市長に就任している。 渡辺市長は、原町市長時代の「原町市民文化 会館建設工事」において、中間・最終検査を外 部機関(日本技術士協会)に委託したところ、 「発注者責任が果たされていない」との指摘を 受け、これを改善する方法を模索してきた。 南相馬市は人口約5万人、職員約500名の 規模で、建築担当職員は3~4名である。当然、 大規模プロジェクトの設計・工事の経験は少な く、1事業に専任することも困難な状況である。 「限られた予算の中で市民のために高品質のも のを造る」ことにより発注者責任を果たす方法
として、PFIの仕組みについても検討したが、 本件では「CM方式の導入」に至った。 この間にCMrは、発注者の補助者・代行者 として、設計スケジュールの管理、工事発注ス ケジュールの検討、工事発注方法と工事発注区 分の検討、設計内容の確認、概算工事費の検討、 VE提案と決定支援などの業務を実施した。 2.3 事業スケジュール 1)事前検討と導入目的の明確化 CM方式について、市の関係者は参考書籍な どから情報収集するほか、日本CM協会東北支 部に講師派遣を依頼し、関連部門の職員を集め て勉強会を2回開催した。 4)施工者の選定と工事発注 平成 19 年4月に工事の入札を実施したが、不 調となった。同年 10 月に再度入札を行って、主 な施工者を決定した(主要な施工者とは、分離 発注において発注金額の合計が最も大きな施工 者であり、一式請負とは異なる)。 その結果、CM方式導入の目的を以下の3点 に集約した。 ①コスト構成の明確化及び発注プロセスの透明 性確保(市民に対する説明責任の向上)。 ・建築主体工事:㈱竹中工務店 ②地元建設企業や地元専門工事業者への発注機 会の増加。 ・電気設備主体工事:ユアテック他JV ・機械設備主体工事:大成温調他JV ③コストマネジメントの強化(専門的な審査・ 分析によるコスト削減と工期短縮への期待)。 この間にCMrは、発注スケジュールの管理、 発注方法・発注区分の決定、施工者募集支援、 施工者への説明と決定の支援、施工協定締結支 援などの業務を実施した。 2)CMrの選定 CM業務の委託先の選定にあたっては、CM r選定審査委員会(CM業務の専門家2名、市 職員2名、図書館長の計5名)を設置した。 5)専門工事会社の選定 CMr選定時における「CM業務提案書」に おいて、㈱NTTファシリティーズ東北支店は 地元建設企業や地元専門工事業者への発注機会 の増加を目的に、コストオン方式を提案した。 その実施にあたり、CMrは地元専門工事業者 に対しての説明会、図面の閲覧、申請書類の受 付、見積用図面の図渡し、質疑対応、見積内容 の審査・検証、協議及び決定支援などの業務を 実施した。 選定方法は、上記委員会で検討し、プロポー ザル(CM業務提案書)とヒアリング審査(プ レゼンテーション)による選定競技とした。 平成 17 年9月に参加表明を提出した4社の 中から、総合評価の結果、㈱NTTファシリテ ィーズ東北支店に決定した。 3)設計者の選定と設計業務の発注 設計者の選定は、設計者選定審査委員会(図 書館や建築の専門家3名を含む計7名)を設置 し、設計競技を行った。 その結果、地元の8業者に対して 10 工種・約 1億円の工事をコストオン方式で発注すること ができた。 図面及び書類による1次審査(指名 15 社が対 象)、公開プロポーザルによる2次審査(1次審 査を通過した6社が対象)を経て、㈱寺田大塚 小林設計同人に決定し(図1)、平成 17 年度に 基本設計、18 年度に実施設計を完了した。 6)工事段階のCMrの業務 工事段階では、工事スケジュールの管理、工 事費管理の確認・支援、設計変更への助言・支 援、発注者検査の支援、竣工・引渡しへの支援 図1 最優秀提案の南側立面図(原案)2)
など、工事の遂行に関する発注者の業務支援を 実施した。 ⑥学校建築や住宅建築などある程度一般化され た案件と異なり、通常の自治体職員では関われ ない事業においてCM方式を導入することで、 市職員のスキルアップにも繋がった。 特に設計変更に対して、CMr は二通り・三 通りの案を出し、それぞれのメリット・デメリ ットを分析・評価し、市の監督職員が一番良い 方法を選択できるように対応し、適切なコスト 管理を実施した。 ⑦コストオン方式注1)による地元業者への発注 は、市単独での導入は困難であり、CM方式の 導入による効果の一つである。 ⑧地元専門工事業者への発注機会の増加により、 地元企業の育成・振興はもとより、地域経済の 活性化にも繋がった。 契約工期は平成 20 年3月 31 日~21 年8月 28 日であり、平成 21 年 12 月 12 日(土)には予定 通りにオープンとなった(写真1)。 ⑨設計VEの実施は市単独では困難であり、民 間のコストマネジメント手法の導入により、施 設の価値向上に繋がった。 ⑩予算の範囲内でいかに利用価値の高い、また 高品質の施設を、無駄な経費を投入せずに造る かに重点を置いたが、市民の意見・要望を設計 に反映でき、結果的にコスト縮減に繋がった。 ⑪建物の完成後に維持管理費用が予想以上にか かって困ることがあるが、CMrによりライフ サイクルコストのチェックが実施され、期待通 りに完成した。 写真1 完成した図書館の内観2) 2.4 CM方式導入の効果・評価 ⑫CM方式は、発注者側が実施すべき手順・手 続き等において、PFI方式などより比較的簡 単な仕組みであり、発注者の目的に合わせたア レンジも可能で、自由度が高い仕組みである。 以下に、発注者から見たCM方式導入の効果 や評価について列記する。 ①発注プロセスの透明性が確保でき、市民に対 する説明責任が向上した(各段階で複数の選択 肢が提示され、メリット・デメリットを検討し て決定できる。また、全ての記録が保存され、 情報公開にも対応できる。)。 以上のように、発注者側として満足できる結 果になったと思われる。 --------------------- 注1)【コストオン方式】:発注者、元請業者、 下請業者の3者間で、下請の請負金額と元請の 管理経費を決めた上で契約を締結する方法。さ まざまな工種について発注者が専門工事業者を 指定し、価格交渉を済ませた上で、元請業者に 当該専門工事業者と下請契約を締結させる。 ②CMrから懸案事項ごとに複数の方策が提案 され、市はこれらを比較してプロジェクトを進 行でき、意思決定プロセスの透明性が向上した。 ③CMフィーは発生するが、それ以上に透明性 が高められ、説明責任の向上が期待できるメリ ットのほうが大きい。 3.東京都足立区・小中学校改築改修工事の例 ④必ずしもスタッフが十分に確保できない発注 者において、CM方式は技術的支援・発注者支 援などもあり、工事の品質確保に繋がった。 以下の内容は、日本CM協会の「CMAJ機 関誌・2009 年4月号」に掲載された発注者自身 の投稿記事、およびCMモデルプロジェクトに 関する国土交通省のHPを参考にまとめたもの である。 ⑤CMrが発注者の側に立った第三者として事 業全体を把握し、従来の工事監理者や監督員に 加えてチェック機能の向上に繋がった。
3.1 事業概要 ①工事名称:西新井小学校、中川小学校の改築・ 改修工事 ②延床面積:5,000~6,000 ㎡ ③総事業費(想定):約21億円 ④発注方式:設計施工分離等 (設計業者へ設計+監理を発注) 3.2 CM方式導入の背景 東京都足立区では、昭和 30 年代後半から人口 が急増し、大量の学校が建設された。現在では、 小・中学校が 109 校あり、東京都23区で最大 となっている。そして、老朽化した学校の施設 更新時期が目前に迫っている。 学校施設の改築にあたっては、建物診断に始 まり、施設規模や施設内容の基本的な構想と計 画を作成し、これに基づく設計から建設工事ま で、おおむね4年間という長い時間と莫大な経 費を伴う。また、工事期間中における学校運営 の確保に必要な仮設校舎計画を含む施設建設計 画に従事する技術系や事務系の職員も必要とな る。当然、短期間に多数の学校施設を更新する ことは、これまでのように行政職員の主導によ る分離分割発注方式では困難な状況である。 学校施設の早期更新のためには、すべてを建 て替えるのではなく、既存施設を有効に活用し た大規模改修による施設更新計画が妥当である。 これには、学校施設の詳細な劣化診断、国庫補 助金の申請に必要な耐力度調査をはじめとする 多くの調査が必要である。さらに高度な技術を 伴う設計、複雑な構造計算、適正なコスト管理、 効果的な工事監理も必要である。 こうした背景から、今回の学校施設の更新計 画においては、各種調査、基本・実施設計、工 事監理、事業終了後の検証業務を含む総合的業 務(CM+設計・監理)として一括発注すること とした。 なお、こうした発注方式の検討・決定にあた っては、国土交通省からCMモデルプロジェク トに派遣される「CMアドバイザー」の助言を 参考にした。 3.3 事業スケジュール 1)発注先事業者の選定 総合的業務の発注にあたっては、主要業務が 設計や工事監理であることから、設計事業者が 対象となった。単に競争入札による選定方法で はなく、建設コストの削減や工期短縮をテーマ に、学校施設の設計に関する考え方や取組み姿 勢を問う簡易的なプロポーザル方式とした。 なお、本格的なプロポーザル方式を実施する ためには、選定委員会の設置・選定マニュアル の作成等が必要で、今後多くの課題を解決しな ければならない。 2)プロジェクトの進捗 本件においては、結果的に大手設計事業者と 契約を締結し、工事の発注に向けて準備を進め ている。 さらに今後、「第四中学校」、「第七中学校」、 「第九中学校」の施設更新計画についても、同 様の手法により順次事業に着手する予定として いる。 3.4 プロジェクトの評価と今後の課題 以下に、発注者から見たCM方式導入の効果 や今後の課題について列記する。 ①本件では、国交省CMモデルプロジェクトか ら派遣のCMアドバイザーの助言を受けた。 ②一連の業務を一括発注としたが、今後はCM 業務の第三者機関への委託を検討していく。 ③学校施設の更新を民間との協働で執行する場 合、責任分担を明確にしなければならない。事 業全体の最終責任は区にあるが、業務を受託し た事業者は、区が掲げる教育理念や環境整備な ど、あらゆる政策に応える責任を有する。 ④事業終了後の検証業務においては、責任の押 し付け合いは絶対に避け、あくまでも今後の事 業展開に役立つものとしなければならない。 ⑤発注者側の技術系・事務系職員のさらなる意 識向上、国庫補助に関する会計検査への技術的 対応など、行政の体制強化も重要である。 ⑥施設更新に伴う経費についても、社会情勢を 的確に把握し、時代に即した無理・無駄のない 適正なコストによる財政計画が重要な要素であ
り、無理な低コスト化や過度な設計による高コ スト化は、メンテナンスを含め様々な形で財政 を圧迫する。 ⑦施設の設計については、美観を重視するあま り、施設全体の安全性や機能性に支障が生じる ようなことがあってはならず、メンテナンスが 容易な施設づくりを目指さなければならない。 ⑧既存施設の保全も重要な業務であり、施設の 実態を十分把握し、効率的で効果的な施設保全 計画を進めていくためには、建築・電気・機械 設備の状況を把握した上で学校カルテを作成す る必要がある。 以上のように、学校施設の更新における主要 業務である設計と工事監理に、CM業務を加え て設計事業者に一括発注する方式を採用した。 一般的には、CMrと設計者では利益相反が 生じる場合があるといわれ、同一事業者に発注 することは望ましくないとされているが、本件 では発注者側の諸事情からこれを行った。今後 は、CM業務を分離して設計・工事監理とは別 に発注することを検討しているが、プロジェク トの特性や発注者の事情により、多様なアレン ジが可能な点も、CM方式の利点といえる。 4. 地方自治体におけるCMのニーズ 2000 年4月に、(社)全国建設業協会が調査 した「市町村における技術系職員数の調査結果」 によると、土木技師・建築技師の両方の技術系 職員が 1 人も在籍していない市は全体の 2.0% であったが、町では 27.8%、村では 50.9%であ った。このように、小規模な地方自治体ほど技 術系職員が不足している状況にある。 また、同上の調査において、建築技師の在籍 人数を見てみると、政令指定都市の平均は 273 人、政令市を除く市の平均は 16.5 人、町の平均 は 0.7 人、村の平均は 0.2 人であった。 同調査の時点から今日までに、いわゆる団塊 世代が定年退職を迎える一方で、大方の地方自 治体が財政悪化による新規採用の抑制を進めて おり、技術系職員の不足が一層加速しているも のと考えられる。 さらに、災害復旧工事に代表されるように、 発注が一時的に集中するために技術系職員が不 足するケースや、これまでに経験のない特殊な 工事の発注が必要となるケースでは、知識や技 術力が不足する場合も想定される。 次に、2000 年 12 月に(財)建設経済研究所が まとめた「地方公共団体における公共工事発注 業務における外部支援活用状況、CM方式の検 討状況等に関する実態調査」によれば、工事発 注業務において何らかの外部支援が「必要だと 思う」との回答が 61.2%、「ある程度必要だと 思う」が 10.4%で、合わせて 71.2%の自治体が 外部支援の必要性を認めている。 このように、地方自治体には工事発注業務に 関する外部支援の需要はあるものの、CM方式 をはじめとする「発注者支援手法」について、 行政側の一般的な認識が低かったこと、また、 新たな仕組みの導入に対してはどうしても慎重 になる公務員の姿勢から、民間からの外部支援 の活用が停滞していたものと考えられる。 5.CM業務を担う人材 CM業務を提供し得る人材は、既存の設計事 務所や総合建設会社の中にも在籍している。ま た、CM業務を新たなビジネスの領域としてと らえ、独立した組織の新規参入も見られる。 CMr個人の技量を測る方法としては、日本 CM協会が実施する認定コンストラクション・ マネージャー資格試験がある。 2005 年3月からはじまった資格試験は、2009 年度で5回を数え、CMrとなり得る上位資格 の「CCMJ」合格者が累計で765名、CM rのアシスタントとなり得る「ACCMJ」の 合格者が累計で188名となっている。 こうした資格者から選定し、CM業務を外注 することにより、公共発注機関の技術者不足を 補完する方法が現実的であると考える。 6.CMサービスの市場規模 日本CM協会が毎年実施している「CM業務 実績に関するアンケート調査」の結果報告3)に
よると、会員企業のうちアンケートに回答した 36 社が 2007 年度に実施したCM業務の件数は、 合計 1956 件に上る(民間工事、公共工事を含む)。 また、CM業務を実施した工事の工事費総額 は、6772 億円に達した。さらに、新規顧客が「急 拡大」との回答が 15%、「順調に拡大」は 26% で、合わせて 41%の企業において新規顧客が拡 大していた。 このように、CM方式の導入は民間工事を中 心に確実に増加している。公共工事においても、 前述のようにニーズは確実に存在することから、 CM方式などの評価が定着すれば徐々に採用案 件が拡大していくものと考えられる。 7. まとめ 本報で紹介した2件の導入事例は、「CMモ デルプロジェクト」として地方自治体が国交省 の認定・支援を受けた案件のうちの一部である。 平成 19 年度は3団体であったが、平成 20 年度 には6団体となり、平成 21 年度も募集が行われ ている。 また、東京都江戸川区では、足立区の学校改 築改修工事の実施事例を参考に、平成 21 年度に CM業務の委託先を選定するための公募型プロ ポーザルを公告する。江戸川区では、今後20 年間に71校の学校改築改修工事を実施する予 定である。 このように、民間部門に比べて遅れがちだっ た公共部門へのCM方式の導入が、本格的に始 まったといえる。 これに加えて、平成 21 年4月、文部科学・国 土交通の両省は連名で地方自治体に通達を出し、 公立学校の耐震改修の迅速化などを要請した。 その対策の一つとして、発注者となる教育委員 会に建築技術の専門知識が不足する場合には、 CM方式の活用を掲げ、事業を円滑に執行して 地域の建設業者の工事受注機会の拡大にもつな げる狙いだ。こうした動きをきっかけに、公共 工事へのCM方式の導入が、今後促進されると 思われる。 ところで、「CMr」は建設生産における新た な職能である。従来は、発注者・設計者・施工 者(元請業者および下請業者)が役割を分担し てきたが、いわゆるマネジメントを専門に担当 する新たな主体が登場したといえる。 現在のところ、国内にCMrを養成する専門 の教育機関は見当たらず、建築・土木といった 既存の技術教育を受けた後、設計業務、施工管 理業務などの実務経験を経てCM会社に入社し、 CM業務に携わりながら習得していく状況にあ る。今後、民間および公共の工事発注において、 CM方式の導入が拡大していけば、CMrの養 成に関する要望が生まれ来るものと考える。 参考文献 1) CM方式活用協議会HP、国土交通省 2) 福島県南相馬市HP 3) CMAJ機関誌、2009 年4月、P25-29