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2 アメリカにも反発される極右政権安倍内閣は自民党の悪いところが全部出た 断末魔の最悪 最低の内閣と言っていいでしょう いままで国民がこれでは困ると引導を渡した政策を次つぎに復活させ 中心メンバーは自民党内の良識派を排除した極右のオールスター キャストです 今まで 自民党とはいってもそれなりのバラン

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Academic year: 2021

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国内外から孤立する安倍政権

 

 

    

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TPP・原発・改憲・安保ノー、くらし守る政治の実現を                         五十嵐   仁(法政大学大原社会問題研究所教授)                                                                                            「 ブ ロ グ   五 十 嵐 仁 の 転 成 仁 語 」 ― 掲 載 2 0 1 3 年 6 月 11日( 火 )        〔 以下の論攷は、 『月刊   女性&運動』2013年6月号、 に掲載さ           れたものです。 〕     7 月 に 参 議 院 選 挙 が お こ な わ れ ま す。 安 倍 内 閣 の 政 策 が め ざ す 根 本 は 何 か、 女 性 の 切 実 な 願 いを実現させるために政党をどう見極めたらよいのか、 五十嵐仁さんにお話をお聞きしました。 (4月 26日)

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  アメリカにも反発される極右政権   安 倍 内 閣 は 自 民 党 の 悪 い と こ ろ が 全 部 出 た、 断 末 魔 の 最 悪・ 最 低 の 内 閣 と 言 っ て い い で し ょ う。 い ま ま で 国 民 が こ れ で は 困 る と 引 導 を 渡 し た 政 策 を 次 つ ぎ に 復 活 さ せ、 中 心 メ ン バ ー は 自 民党内の良識派を排除した極右のオールスター・キャストです。   今 ま で、 自 民 党 と は い っ て も そ れ な り の バ ラ ン ス 感 覚 を 持 っ て い ま し た し、 あ る 程 度 国 民 の 批判を恐れ、 世論の対応を気にする面がありました。しかし、 今回はそういうものは全くなし。 剥き出しの財界本位政権です。   ア メ リ カ の 中 で も、 こ の 内 閣 に 対 し て は 懸 念 を 持 つ 勢 力 が あ り ま す。 オ バ マ 大 統 領 は ど ち ら かと言えばリベラルで、政府の主流は安倍首相と話が合いません。   安 倍 首 相 は「 先 の 戦 争 は 悪 く な か っ た 」 と い う 考 え 方 で、 中 国 や 韓 国 か ら 警 戒・ 批 判 さ れ る だ け で な く、 ア メ リ カ に も 反 発 さ れ る よ う な 特 異 な 歴 史 観 を 持 っ て い ま す。 従 軍「 慰 安 婦 」 や 歴 史 認 識 の 問 題、 靖 国 神 社 参 拝 や 首 相 談 話 の 見 直 し、 あ る い は 中 国・ 韓 国 と の 領 土 問 題 で も そ うです。   第 一 次 安 倍 内 閣 の 時 は「 戦 後 レ ジ ュ ー ム か ら の 脱 却 」 と 言 っ て い ま し た が、 「 戦 後 レ ジ ュ ー ム 」 は 基 本 的 に ア メ リ カ が 作 っ た 枠 組 み で す。 そ の 点 で、 安 倍 首 相 は ア メ リ カ 的 リ ベ ラ ル・ デ モ ク ラ シ ー に 強 い 反 感 を 持 っ て い る。 そ の こ と を オ バ マ 大 統 領 は 分 か っ て い ま す か ら、 安 倍 首

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【論巧】国内外から孤立する安倍政権 相の言動を歓迎していません。   内 閣 が 発 足 し て す ぐ に 安 倍 首 相 は ア メ リ カ に 行 き た か っ た の で す が、 1 月 に は 行 け ま せ ん で した。大統領就任式典にも出られず、ようやく2月 21日になってから訪米します。   し か し こ れ は、 大 統 領 に よ る 空 港 へ の 出 迎 え が な い、 大 統 領 主 催 の 晩 餐 会 が な い、 共 同 記 者 会 見 も な い と い う、 異 例 の「 3 な い 訪 米 」 に な り ま し た。 こ れ だ け 先 延 ば し に さ れ、 冷 遇 さ れ た。 共 同 声 明 は 出 ま し た が、 会 談 の 中 で は 尖 閣 問 題 な ど で 中 国 を 刺 激 す る な と 釘 を 刺 さ れ て います。   そ う な る と、 安 倍 首 相 は ま す ま す ア メ リ カ に お も ね て ご 機 嫌 を 取 ろ う と す る。 T P P へ の 参 加表明、普天間基地の辺野古移設の推進などの手土産はそのためです。   特異な歴史観は外交の弱点   し か し、 そ の 後 の 靖 国 参 拝 と 居 直 り が、 ま た も や メ リ カ を 刺 激 し ま し た。 再 三 に わ た っ て 懸 念が表明されています。   戦争を肯定し美化している靖国神社に、 A級戦犯が合祀されていることを知りながら、 また、 こ れ ま で も 参 拝 に 対 し て 中 国 や 韓 国 が 批 判 し て い る こ と を 十 分 に 理 解 し て い な が ら、 主 要 閣 僚 が 参 拝 し、 首 相 も「 内 閣 総 理 大 臣 」 名 で 真 榊 を 奉 納 す る。 こ れ は 完 全 に 確 信 犯 で す。 こ れ に 対 し て ア メ リ カ 政 府 関 係 者 は 懸 念 を 表 明 し、 『 ニ ュ ー ヨ ー ク タ イ ム ズ 』 も 批 判 記 事 を 掲 載 し ま し

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た。   北 朝 鮮 の ミ サ イ ル 危 機 に よ っ て 極 東 の 緊 張 が 激 化 し、 日 本、 韓 国、 中 国、 ア メ リ カ な ど の 周 辺 諸 国 が 結 束 し て 対 応 し な け れ ば な ら な い と き に、 こ の 極 右 政 権 は 完 全 に 孤 立 し て し ま い ま し た。   韓 国 の 外 務 大 臣 は 日 本 訪 問 を 中 止 し て 中 国 へ 行 き ま し た。 ア メ リ カ の ケ リ ー 国 務 長 官 も、 韓 国、 中 国、 日 本 を 廻 っ て 対 応 を 協 議 し た の に、 日 本 の 閣 僚 は 韓 国 に も 中 国 に も 行 く こ と が で き ません。   安 倍 内 閣 は 最 も 緊 急 に や ら な け れ ば な ら な い 国 際 的 危 機 へ の 対 応 能 力 を 完 全 に 喪 失 し て し ま いました。外交上の大失態だったと言うべきでしょう。   時代錯誤な軍事大国化   内 閣 発 足 時 か ら、 安 倍 首 相 の 歴 史 認 識 で 軍 事 大 国 化 を 目 指 す タ カ 派 路 線 を 取 れ ば、 国 際 的 に 孤 立 せ ざ る を 得 な く な る だ ろ う と の 懸 念 が あ り ま し た。 予 想 通 り、 そ の 弱 点 が 非 常 に 緊 迫 し た 場面で表面化してしまったと思います。   集 団 的 自 衛 権 行 使 や 軍 事 費 増 大 は、 今 の 国 際 情 勢 に 全 く 適 合 し て い ま せ ん。 例 え ば、 北 朝 鮮 危機に対して、アメリカでさえ軍事ではなく交渉で解決しようとしたのですから。   イ ラ ク 戦 争 の 時、 小 泉 政 権 は ア メ リ カ の 要 求 で サ マ ー ワ に 自 衛 隊 を 送 り ま し た。 そ の 時 官 房

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【論巧】国内外から孤立する安倍政権 長 官 だ っ た 安 倍 首 相 に は、 憲 法 の 制 約 な し に 何 で も で き る よ う に し た い と い う 思 い が こ び り つ いてしまったのです。   し か し、 イ ギ リ ス だ っ て あ の と き の 参 戦 が 問 題 に な り、 ブ レ ア 政 権 の 対 応 へ の 検 証 が な さ れ て い ま す。 確 た る 根 拠 も 国 連 決 議 も な し に、 多 国 籍 軍 と い う 形 で 勝 手 に「 対 テ ロ 戦 争 」 を 始 め たことが今は批判されているのです。   国 際 紛 争 は 軍 事 的 に は 解 決 で き ず、 ま た 解 決 し て は な ら な い と い う 憲 法 の 理 念 の と お り で は あ り ま せ ん か。 そ れ な の に、 安 倍 首 相 は 昔 通 り の 軍 拡 の 旗 を ふ っ て い る。 ア ナ ク ロ ニ ズ ム( 時 代錯誤)もいいところです。   繰り返される破綻した政策   今 の 内 政 を 一 言 で い え ば、 失 敗 し た リ ー ダ ー に よ る 破 綻 し た 政 策 の オ ン パ レ ー ド で す。 ま ず、 自 民 党 が 失 敗 し た 旧 来 型 の 官 僚 指 導 型 利 益 ば ら 撒 き 政 治 で す。 「 国 土 強 靭 化 」 を か か げ、 2 0 0 兆 円 と も 言 わ れ る 公 共 事 業 を 主 体 と し た 財 政 出 動。 次 に、 小 泉「 構 造 改 革 」 亜 流 の 規 制 緩和で、その中心は貧困と格差を拡大した「労働ビックバン」の再来です。   そ し て、 異 次 元 の 量 的・ 質 的 金 融 緩 和 を お こ な っ て ジ ャ ン ジ ャ ン お 札 を 刷 り、 国 債 を 発 行 し て 日 銀 に 買 い 取 ら せ る。 こ れ も、 2 0 0 6 年 ま で 小 泉「 構 造 改 革 」 の 下 で や ら れ た 金 融 緩 和 と よく似ています。その結果も、同じようなものになるだろうと思われます。

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  こ の 時、 大 企 業 は 5 年 連 続 で 最 高 益 を 更 新 し 続 け、 大 儲 け し ま し た。 と こ ろ が、 労 働 者 の 賃 金は下がってしまった。 「実感なき景気回復」と言われたものです。個人消費は上向かず、 国内 市場は狭隘なままで設備投資も増えず、資金が国内でだぶつきました。   本 来 は 投 資 に 向 か う べ き だ っ た 資 金 は、 景 気 が 上 向 い て い て 住 宅 投 資 を 中 心 に ミ ニ バ ブ ル 状 態 だ っ た ア メ リ カ へ の 投 機 に ま わ っ て し ま っ た。 そ れ が リ ー マ ン シ ョ ッ ク を 引 き 起 こ す 原 因 の 一つになりました。金融危機の遠因を作ったのは日本だったのです。   い ま、 ア メ リ カ の 景 気 が 上 向 い て い ま す か ら、 ま た 同 じ よ う に 日 本 の 余 剰 資 金 が 来 る の で は な い か と 心 配 し て い ま す。 ア メ リ カ は「 ア ベ ノ ミ ク ス 」 に よ る 金 融 緩 和 に つ い て も 警 戒 し つ つ 注視しているのではないでしょうか。   アベノミクスで景気は回復しない   景 気 回 復 の カ ギ は、 可 処 分 所 得 が 増 大 す る か、 購 買 力 が 高 ま る か と い う こ と に あ り ま す。 収 入 を 増 や す、 税 金 な ど の 義 務 的 支 出 を 減 ら す、 安 心 し て お 金 を 使 え る よ う に セ ー フ テ ィ・ ネ ッ ト を 充 実 さ せ る、 買 い た い と 思 わ せ る 商 品 や サ ー ビ ス を 提 供 す る と い う 4 つ の 条 件 が 整 え ば、 景気は回復します。こんな簡単なことがなぜできないのでしょうか。   イ ン フ レ に な れ ば 物 価 は 上 が り ま す か ら、 個 人 消 費 と い う 面 で は 購 買 力 は 低 下 し ま す。 だ か ら、物価が上がる以上に収入が増えなければなりません。

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【論巧】国内外から孤立する安倍政権   春 闘 で の 賃 上 げ が ひ と つ の 目 安 で し た が、 定 期 昇 給 を ベ ー ス・ ア ッ プ す る 企 業 は ほ と ん ど あ り ま せ ん で し た。 ま た、 こ の 4 月 の 新 入 社 員 採 用 を 増 や し た 企 業 も ほ と ん ど な か っ た。 給 料 が 増えない、雇用も拡大しないというのでは、安心してお金を使えません。   消費税が増税され、 社会保険料が上がり、 震災増税もある。義務的支出は増大する一方です。 セ ー フ テ ィ・ ネ ッ ト は「 社 会 保 障 と 税 の 一 体 改 革 」 で 切 り 下 げ ら れ る。 年 金 は 10月 か ら 引 き 下 げられ、 年金支給年齢も先延ばしですから、 将来のために貯金しておこうという話になります。 新しいサービスやヒット商品も少ない。電機業界不況は深刻です。   国 民 に と っ て は、 厳 し い 状 況 が こ れ か ら 来 る で し ょ う。 4 月 の 共 同 通 信 の 調 査 で 安 倍 内 閣 支 持率は 72%と高いものの、 具体的な質問では、 「アベノミクス」で所得が増えないと思うという 回 答 は 69% で、 景 気 好 転 を「 実 感 で き な い 」 と い う 声 は 82% に も 達 し て い ま し た。 国 民 生 活 も 実体経済も改善されていないのです。   日本社会のブラック化   小 泉「 構 造 改 革 」 の 規 制 緩 和 で 派 遣 労 働 者 は 増 大 し、 労 働 時 間 の 規 制 や 裁 量 労 働 制 も 緩 和 さ れ ま し た。 そ の 結 果、 非 正 規 労 働 者 が 増 え、 貧 困 は 増 大 し 格 差 も 拡 大 し ま し た。 長 時 間・ 過 密 労 働 は 過 労 死・ 過 労 自 殺 や メ ン タ ル ヘ ル ス 問 題 を 深 刻 化 さ せ、 働 く 人 た ち の 健 康 が 損 な わ れ ま した。

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  こ う い う 問 題 を な ん と か し な け れ ば い け な い と、 労 働 者 派 遣 法 や 労 働 契 約 法 の 改 正 に よ っ て 派 遣 労 働 や 有 期 雇 用 に 対 す る 規 制 強 化 と い う 動 き が 出 て き ま し た。 よ う や く 去 年、 極 め て 不 十 分な形ではあるけれど、改正労働者派遣法と改正労働契約法が成立しています。   こ の よ う に 少 し ず つ 改 善 の 方 向 に 歩 み 始 め た と き、 ま た も や 解 雇 の 金 銭 解 決 や 地 域・ 職 種 な ど を 限 定 し た「 限 定 正 社 員 」 な ど の 逆 行 す る 政 策 を 打 ち 出 そ う と い う の で す。 こ の よ う な 政 策 が 実 行 さ れ れ ば、 い ま で さ え 違 法 状 態 に あ る「 ブ ラ ッ ク 企 業 」 が 合 法 化 さ れ、 日 本 社 会 全 体 が ブラック化してしまいます。   同 時 に、 安 倍 首 相 は 国 民 か ら の 反 発 も 恐 れ て い ま す。 職 員 な ど を 労 働 時 間 管 理 か ら 外 そ う と い う ホ ワ イ ト カ ラ ー・ エ グ ゼ ン プ シ ョ ン が 問 題 に な っ た 2 0 0 7 年 1 月、 安 倍 首 相 は 法 案 の 提 出 を 断 念 し ま し た。 そ の 年 の 7 月 に 参 院 選 が あ っ た か ら で す。 そ れ に も か か わ ら ず 選 挙 で 大 敗 しました。   今 回 も 参 院 選 前 と い う こ と で、 6 月 の「 骨 太 の 方 針 」 に 解 雇 の 金 銭 解 決 や ホ ワ イ ト カ ラ ー・ エ グ ゼ ン プ シ ョ ン な ど を 出 さ な い と し て 軌 道 修 正 し ま し た。 し か し、 参 院 選 が 終 わ れ ば、 こ れ らの問題が出てくる可能性は高いと思います。   リップ・サービスに隠された危険なイデオロギー   安 倍「 教 育 改 革 」 の 目 的 は、 黙 っ て 働 く 労 働 者 や 国 の い う こ と を 聞 く 従 順 な 兵 士 な ど の 大 量

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【論巧】国内外から孤立する安倍政権 の ノ ン・ エ リ ー ト を 生 み 出 す こ と に あ り ま す。 同 時 に、 教 育 の 複 線 化 に よ っ て 一 部 の エ リ ー ト を 育 成 し、 グ ロ ー バ ル 化 し た 国 際 社 会 で 太 刀 打 ち で き る 優 秀 な「 企 業 戦 士 」 を 生 み 出 そ う と し ています。   そ の た め に、 政 治 が 教 育 の 内 容 に ま で 介 入 し、 イ デ オ ロ ギ ー 的 な コ ン ト ロ ー ル 手 段 と し て 使 おうとしているのが愛国心です。   同 時 に、 教 育 予 算 を O E C D 並 み の 1 ・ 5 倍 に す る と か、 女 性 の 活 用、 保 育 の 待 機 児 童 減 少・ 解 消 な ど、 内 容 的 に は 問 題 が あ っ て も 一 定 の 方 向 を 打 ち 出 そ う と す る ポ ー ズ を 取 っ て い ま す。 35人 学 級 も、 今 年 の 初 め に 見 送 っ た の に 復 活 さ せ る と い う よ う に、 世 論 に 敏 感 に 反 応 し よ う と している。この点は、軽視できません。   こ れ は 自 分 が 本 当 に や り た い 政 策 を 受 け 入 れ さ せ る た め の リ ッ プ・ サ ー ビ ス で し ょ う。 裏 に 隠されている特異なイデオロギーを呑みやすくするためのオブラートのようなものです。   96条改憲のリスクは高い   安 倍 内 閣 に な っ て か ら、 96条 改 憲 を 参 院 選 の 争 点 に し よ う と す る な ど、 急 速 に 改 憲 の 危 機 が 強 ま っ て き ま し た。 自 民 党 は 立 党 以 来 改 憲 を 党 是 と し て き ま し た が、 政 治 日 程 に 上 ら せ る と 明 言したのは安倍首相が初めてです。   第 一 次 安 倍 内 閣 で は 国 民 投 票 法 を つ く り、 い ま 政 治 的 枠 組 み と し て 衆 議 院 で 改 憲 発 議 に 必 要

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な3分の2の基盤もできている。あとは参議院のみです。しかも、 「追い風」が北朝鮮から吹い ています。   し か し、 そ れ に は い く つ か の「 壁 」 が あ り ま す。 そ の ひ と つ は、 国 民 投 票 法 の 3 つ の 宿 題 で す。なかでも 18歳選挙権は成人年齢などに関わってくる問題で、 それほど容易ではありません。 ま た、 公 務 員 の 政 治 活 動 を ど う す る の か、 改 憲 以 外 の 国 民 投 票 を ど う す る の か と い う 問 題 も あ ります。   も う ひ と つ は、 96条 改 憲 を か か げ て 国 民 投 票 に 打 っ て 出 た 場 合、 可 決 さ れ る か と い う 問 題 が あ り ま す。 ど の 世 論 調 査 で も、 96条 改 憲 に は 反 対 の 方 が 多 い。 産 経 新 聞 の 調 査 で も そ う な っ て いる。ということは、国民投票で否決される可能性が高いということです。   安 倍 さ ん は、 9 条 改 憲 を 隠 し て 手 続 き の ハ ー ド ル を 下 げ よ う と し た わ け で す が、 戦 術 的 な 失 敗だったのではないでしょうか。 「改憲ぐせ」を付けようとしたのに、 緒戦でアウトになってし まうかもしれないのですから。   これからの課題は、 発議できるような議席を与えないことと共に、 「否決されるかもしれない か ら や め よ う 」 と、 国 民 投 票 以 前 に 断 念 さ せ る こ と で す。 参 議 院 で 3 分 の 2 を 突 破 す る こ と は 容 易 で は あ り ま せ ん が、 も し そ う な っ て も、 96条 改 憲 を 提 起 す る リ ス ク は 高 く、 そ う 簡 単 に こ とがすすむとは思えません。  

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【論巧】国内外から孤立する安倍政権   小選挙区制は憲法違反   今 回 の 総 選 挙 で 明 瞭 に な っ た の は、 「 二 大 政 党 化 」 の 破 綻 で す。 自 民 党 も 民 主 党 も 国 民 の 願 い を 裏 切 り、 政 治 を 変 え る こ と が で き ま せ ん で し た。 前 回 の 総 選 挙 で は 自 民 党 が 断 罪 さ れ、 今 回は民主党が見放されたというわけです。   代 わ り に 登 場 し た の が 日 本 維 新 の 会 な ど の「 第 三 極 」 で し た が、 そ の 本 質 は 自 民 党 の 応 援 団 にすぎません。自民党の対極にあるのが共産党ですから、 政策の中身からいえば「二極」です。 「第三極」といわれる諸政党はその間に位置しています。   し か も、 総 選 挙 で は 自 民 党 が 支 持 さ れ た の で は あ り ま せ ん。 小 選 挙 区 で 自 民 党 に 投 票 し た 有 権者は4分の1です。比例代表にいたっては 16%ですから6分の1です。   民 主 党 か ら 自 民 党 に 移 っ た 票 も 多 く あ り ま せ ん。 自 民 党 は 前 回 と 比 べ て 得 票 率 を 増 や し て い るわけではないし、得票数にいたっては小選挙区も比例区も減っているのです。   政 権 を 失 っ た と き よ り も 支 持 者 の 数 を 減 ら し て い る。 そ れ に も か か わ ら ず 政 権 を 奪 い 返 し ま した。こういうデタラメが起きる選挙制度は変えなくてはならないと思います。   と こ ろ が、 い ま 提 案 さ れ て い る 0 増 5 減 案 は や り 方 も 中 身 も め ち ゃ く ち ゃ で す。 全 政 党 に 関 わる制度改革を、与党だけで勝手に決めようとしているのですから。   それに、 格差を2倍以下にすると言っても1 ・ 998倍です。まるで、 スーパーの安売り価格

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じ ゃ あ り ま せ ん か。 こ れ は 2 0 1 0 年 の 国 勢 調 査 の 数 値 で す か ら、 現 時 点 で は 6 選 挙 区 が 2 倍 を上回っています。   選 挙 と い う の は 選 出 母 体 が 代 表 を 選 び、 ル ー ル 決 定 を 委 任 す る シ ス テ ム で す。 小 選 挙 区 制 で は 必 ず 選 出 母 体 と 代 表 と の 歪 み が 生 ま れ ま す。 イ ギ リ ス で は 得 票 数 と 議 席 が 逆 転 し た こ と が 2 度ありました。   選 挙 の 本 来 的 な 機 能 か ら い っ て も、 一 票 の 価 値 の 平 等 か ら い っ て も、 現 行 の 選 挙 制 度 は 違 憲 で あ り、 選 挙 無 効 判 決 が 出 る の は 当 然 で す。 抜 本 的 な 改 革 に よ っ て 小 選 挙 区 制 を や め、 比 例 代 表制的な制度に改めるべきでしょう。   自ら情報発信者になる   こ の よ う な 間 接 民 主 主 義 の 機 能 不 全 は、 日 本 の 政 治 に 深 刻 な 歪 み を も た ら し て い ま す。 国 民 の声が国会に届かず、国政に反映されないからです。   そ の 結 果 直 接、 政 治 に 働 き か け よ う と い う 人 が 多 く 生 ま れ て き ま し た。 そ れ が 脱 原 発 や 反 原 発 の 官 邸 前 行 動 で す。 他 に も い ろ い ろ な テ ー マ で、 自 分 た ち の 要 求 や 意 見 を 直 接 国 政 に ぶ つ け ようとする行動が生まれてきています。このような変化は、きわめて重要です。   と こ ろ が、 マ ス コ ミ は こ れ ら の 運 動 を 敵 視 し た り、 無 視 し た り し て い ま す。 実 際 に は 多 く の 人 が や っ て い る の に、 報 道 し な い こ と に よ っ て あ た か も 存 在 し な い か の よ う に 隠 す、 不 可 視 化

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【論巧】国内外から孤立する安倍政権 しているわけです。政党でいえば、共産党は完全に不可視化されています。   マ ス コ ミ、 つ ま り 大 量 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を に な う べ き 情 報 伝 達 手 段 が 非 常 に 偏 っ て し ま っ て い ま す。 マ ス コ ミ も 大 企 業 に な っ た 結 果、 そ の 幹 部 や ト ッ プ は 政 権 と ツ ー カ ー の 関 係 に な ってしまい、権力への監視や牽制という役割を充分に果たせなくなりました。   こ れ を 最 終 的 に チ ェ ッ ク す る の は 国 民 で す。 記 事 や 番 組 に 対 し て メ ー ル や 電 話 を す る。 抗 議 だ け で な く、 い い も の に は 良 か っ た と 言 っ て く だ さ い。 マ ス コ ミ 人 の 中 に は ジ ャ ー ナ リ ス ト と し て の 矜 持 を も ち、 国 民 の 目 と な り 耳 と な る 志 を も っ た 記 者 も い ま す か ら、 そ う い う 報 道 陣 を 評価し、励ましてください。   雑 誌『 ア エ ラ 』 の 特 集 で「 女 子 ウ ヨ 」 と い う 新 語 が 登 場 し て い ま し た。 右 翼 的 な 女 性 の こ と です。従来、 女性は革新的であると思われてきましたが、 最近は「女性の保守化が止まらない」 というわけです。   逆に、 「女子サヨ」という言葉がでてくるほどに進歩的な女性を増やし、 左翼的な情報発信を リードして下さい。それには情報手段を一人ひとりが駆使することです。   I C T( 情 報 通 信 技 術 ) を 活 用 で き る よ う な 能 力・ 技 術 を 身 に つ け、 携 帯 電 話 や パ ソ コ ン な ど を 活 用 し て ネ ッ ト ワ ー ク を つ く り、 情 報 の 発 信 に 努 め て「 も の を い う 市 民 」「 発 言 す る 市 民 」 になってほしいと思います。   そ し て、 T P P、 原 発、 改 憲、 安 保 等 の 問 題 で、 女 性 の 切 実 な 願 い を 実 現 す る 政 党 を 選 ん で もらいたいものです、そのための機会は、すぐにやってくるのですから。

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