1. 有害鳥獣対策の法規制の緩和と捕獲業務の体制強化
【 建 議 】
農作物の大敵である有害鳥獣の被害防止対策につきましては、毎年、補助事業等 の活用により、ワイヤーメッシュ柵、電気牧柵器及び箱罠の設置等に多額の予算を計 上していただき、また、その普及や管理に関する知識の伝達等にご尽力いただいてお りますことに対しまして、心より厚くお礼申し上げます。 この有害鳥獣対策については、毎年のように建議させていただいている項目であり、 市のご尽力により、農作物の被害防止対策は格段に充実してきているものと察してお ります。しかしながら、私ども農業者の実感としましては、どうしても一時しのぎであり、 個体数の分母減少には至っていないと感じております。実際、イノシシやアライグマに おいては、柵や罠に慣れてきており、効果が減少してきております。 現在の猟友会を主体とした捕獲体制では、捕獲推進に限度があると思われるため、 更なる強化のためには、民間への捕獲報奨金の支払い、隣接自治体との連携及び狩 猟免許保持者と非保持者が協力して地域の農業者を中心とした捕獲システムの確立 等、新たな体制づくりを要望いたします。また、捕獲用箱罠を猟友会だけではなく、地 域への配布、講習受講のみで罠の設置許可を可能とするなど、法の緩和策も含め要 望いたします。 また、手入れがされていない市有林等がイノシシ等の棲家となっていますので、早 急な市有林の除間伐等の管理をお願いいたします。 有害鳥獣関係の要望は、市民からも大変多いとは存じますが、農作物を守り、農業 者の生活を守るための対策を切にお願いいたします。【 回 答 】
有害鳥獣対策に関する建議内容について、回答いたします。 まず、猟友会以外への捕獲報奨金の支払ができないかということですが、捕獲 報奨金は、現在、県・市で負担し、イノシシ1頭当たり5,000 円、アライグマ・ アナグマ・タヌキ・シカ1頭当たり2,000 円を支給しています。 支給対象は、市が捕獲を委託している猟友会としており、これは広く一般市民 の被害防止のため行っている捕獲であることから報奨金を支給しているもので す。 一方、狩猟免許を持っている個人が許可を受け、自己農地やその周辺において、 イノシシに限り、箱わなを用いて捕獲できる「自己農地捕獲制度」があります。 この制度は、自己所有地内の農作物を有害鳥獣被害から防止し、収入の安定のた めに行うものであることから支給対象としていないものです。 いずれも、有害鳥獣による被害防止ということではありますが、その目的が異 なるため報奨金の支給の有無が生じているところです。自己農地捕獲につきま しては、今後、組織化を図られ、地域をあげて捕獲に取り組むことも見込まれま すので、捕獲報奨金の支給についても検討してまいりたいと考えております。 次に、隣接自治体との連携についてですが、本市では現在、県北地域3市2町 で構成する「県北地域有害鳥獣被害防止対策協議会」や長崎・佐賀両県境に位置 する市町で組織する「西九州地域鳥獣被害防止対策協議会」に加入し、情報交換 や研修会の開催など近隣市町と連携した取り組みを行っており、今後もその活 動を継続してまいります。 また、福岡・長崎・佐賀の3県では毎年9月と10月を「捕獲強化月間」に指 定し、捕獲対策の強化に努めているところです。 次に、狩猟免許所持者と非所持者が協力して地域の農業者を中心とした捕獲 システムの確立等新たな体制づくりについてですが、有害鳥獣の捕獲は、原則と して狩猟免許を所持し捕獲の許可が必要ですが、免許所持者と非免許所持者が 協力して捕獲を行うことができる「捕獲隊」の制度があり、現在、黒島地区と高 島地区で取り組んでおります。捕獲隊制度は免許所持者の指導・監督のもとで、 安全講習会を受講した非免許所持者が捕獲活動の補助を行うことができるもの で、わなの仕掛けや止めさしは非免許所持者だけではできませんが、わなの運搬 や見回り、エサやりを行うことは可能となっております。市としましては、これなお、アライグマに関しては特定外来生物法に基づき、安全講習会を受講した 非免許所持者が捕獲に従事できる制度もあります。 次に、捕獲用箱罠の猟友会以外の配布についてですが、現在は市が捕獲を委託 している猟友会へ貸し出しを行っており、捕獲従事者の増加や破損等により更 新が必要なものもあり、地域の要望を踏まえ、年次計画で箱罠を整備しておりま す。一方、自己農地捕獲等では、個人の利益確保・被害防止が目的ですので箱罠 の貸し出しは行っていない状況です。 このようなことから市としましては、捕獲報奨金と同様、猟友会以外でも地域 をあげて組織的に取り組むような場合には、箱罠の貸し出しについても検討し てまいりたいと考えております。 講習受講のみで罠の設置許可を可能にするなど法の緩和策についてですが、 有害鳥獣を含む野生鳥獣の捕獲は、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」 や県が定める鳥獣保護事業計画などの法令等に基づき適正に実施する必要があ ります。 捕獲隊制度や特定外来生物法による特例はありますが、原則として狩猟免許 の所持、捕獲の許可といった資格・要件を満たさなければ有害鳥獣の捕獲はでき ないものとなっております。 ご要望にある講習会受講のみで罠の設置を許可することは、現行の法律では できないものであり、法令に違反した場合は罰則もございますので、まずは法令 等の規定内で可能な制度を活用し捕獲体制の強化・整備を図ってまいりたいと 考えております。 なお、イノシシの生息する市有林を含めた山林の管理についても、森林組合と も連携しながら、適正な管理に努めてまいります。